スラムドッグ$ミリオネア(2008)SLUMDOG MILLIONAIRE
【クレジット】
【解説】 「トレインスポッティング」「28日後...」のダニー・ボイル監督が、インドを舞台に撮り上げたバイタリティに満ちあふれた社会派エンタテインメント大河ラブ・ロマンス。原作はヴィカス・スワラップの『ぼくと1ルピーの神様』。日本でもお馴染みのクイズ番組で史上最高額まであと1問と迫ったスラム育ちの青年が語る過酷にして波瀾万丈の生い立ちが、多彩な要素を巧みに織り込みつつスリリングかつ躍動感いっぱいに描かれてゆく。世界中で数々の映画賞を獲得し、ついにはアカデミー賞で作品賞を含む最多8部門を受賞する快挙を成し遂げた。 インドの国民的人気番組“クイズ$ミリオネア”。この日、ムンバイ出身の青年ジャマールが、次々と難問をクリアし、ついにいまだかつて誰も辿り着けなかった残り1問までやって来た。ところが、1日目の収録が終わりスタジオを後にしようとしたジャマールは、イカサマの容疑で警察に逮捕されてしまう。スラム育ちの孤児でまともな教育を受けたこともないジャマールがクイズを勝ち抜けるわけがないと決めつけ、執拗な尋問と拷問を繰り返す警察。ジャマールは自らの無実を証明するため、これまでに出された問題の答えは、すべてストリートで生きながら学んだと、その過酷な過去を語り始めるのだったが…。 【ウェブリンク】 【ユーザー評価】
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語り口のケレンもさることながら、映像のケレンも良いよね。疾走感、躍動感...観ていて気持ち良かった。
話の内容はスラムに生まれた青年が、クイズミリオネアで金持ちになる話
ゴミの山から警官に追われて、子供達が蜘蛛の子を散らすようにスラム街を走って逃げるオープニングがシーン・演出とも良かった。(途中で犬が寝そべっているショットや川でゴミ広いして生活している人のショットや床屋でヒゲをそってもらっているショットを挟む所が良かった)
映画スターにあいたくて閉じ込められた便所から脱出する為肥溜めに落ちる演出が面白かった(そうやってせっかく手に入れたスターのサイン入り写真を兄にはした金で売られてしまうという演出が最高に面白かった)。しかもその映画スターの名前をクイズの正解にからめる演出も良かった。
クイズで宗教の問題が出た時に、宗教観の対立でスラム街で暴動が起こり母親が死んだ記憶から答えを導き出すシーン・演出が面白かった。
女の子に赤ちゃんを抱かせて物乞いをする子供達を撮るシーン・演出が面白かった。
ゴミの山から子供達をかっさらい、盲目の歌手にして物乞い料を高く取ろうとするギャングから逃げるシーン・演出が面白かった(森の中を逃げ回り最後は列車に乗り込んで逃げ出すシーンと演出)。
列車の屋根から逆さにぶら下がって、列車の窓から食べ物を盗む所を見つかって、列車から叩き落されるシーン・演出が面白かった。
叩き落された所がタージ・マハール宮殿で、そこで観光客が脱いだ靴を盗んで売ったり、デタラメのガイドをして観光客から金をもらったり、ガイドしている隙に観光客の車の部品を盗んだりしてたくましく稼いでいる子供達のシーン・演出がとても面白かった。
車の部品を盗まれた観光客をガイドしていた主人公が、警官に殴られて、「これがインドの現実だ」と言った後に、観光客が主人公をかばって百ドル札をやり「これがアメリカの現実だ」というセリフのやり取りが面白かった(このエピソードも百ドル札の肖像画は誰?というクイズの問題の答えと絡められている)。
主人公がせっかく初恋の女の子に再会したのに、その女の子を主人公の兄が拳銃で脅して奪い取ってしまう演出が面白かった。
主人公と兄が大きくなって、元のスラム街に建てられている建設中の高層ビルで話し合うという演出が良かった。
初恋の相手がギャングのボスの娼婦になっているのを知り、ギャングのボスの家に忍び込み、「ボクには愛がある一緒に逃げよう」と言った時に初恋の女が「それがなんになるの?」と冷たく切り返す所のやり取りが面白かった。
最後あれだけひどい事をしてきた兄が、弟の為に初恋の女の子をギャングのボスの逃亡先から命がけで逃がしたり、弟の方もあれだけひどい事をした兄にクイズのライフラインのテレフォンで、兄を頼って電話したり、兄弟の絆の深さを描いた演出が面白かった。
ラストのミリオネアで正解する所の盛りあげ方、初恋のお姉ちゃんとようやく合えた時に傷をつけられた頬にキスをして、それからキスシーンを撮る所など終わり方もとてもハッピーエンドでみていてスガスガしかった。
エンドロールの駅の大勢で踊るインド特有のダンスシーンまでもとても見事だった(途中で小さな子供の頃の二人が手を繋いで踊るシーンをいれていたのが良かった)。
全般的に
企画・題材・ロケーション・シーン・演出・出てくる俳優さん達・音楽どれも見事だった。
スラム街の悲惨さも描けているし、その中でも楽しくたくましく生きていけるという感じも良く描けていた。そして最後は金持ちにもなり初恋の相手とも結ばれるというハッピーエンドで観終わった後味も良い。最後のダンスはさらにダメオシで完璧な作品だった。
アレックス・コックスの「サーチャーズ2.0」はデジカメ・無名の俳優を使って低予算の作品でハリウッドの莫大な費用がかかる娯楽大作よりもはるかにオモシロイ作品を撮っていた事に感心したが、このダニー・ボイルの「スラムドック$ミリオネア」も舞台をインドにするという別の方法で低予算化に成功している本当にスゴイ作品だと感心した(しかも娯楽作品としても傑作といえる)。
アレックス・コックスやダニー・ボイルのように不景気のアメリカで金が無い中で創意工夫するセンスのある監督は本当にスゴイ(モチロン作品が面白くなければいくら低予算でも意味はないけど)。非の打ち所のない傑作。http://mamaduke.at.webry.info/
舞台設定になっている国が製作に関わっていないと、ろくな映画にならないんじゃないか、という疑念がある(日本人の一昔前のハリウッド映画に対する印象のように・・・)。作品賞をとっているので、それなりに正確に描写されているとは思うが・・・。
映画自体は構成が新鮮で、脚本も兄弟愛あり純愛ありで面白く、スピード感もあり2時間があっという間に過ぎてしまう。ただ、その後に上記のように思った。インドの人はラストのダンスをどう思ったのだろうか?
そう、これはエンタテインメント=娯楽作品なんである。少年がクイズに勝ち上がっていくことも既にわかっている。つまりこの映画の見所は、過酷な状況の中で生きていくためにいつの間にか知識を身につけた少年の半生そのもので、生きた知識は生きる力になるというその過程にあるんだろうと、そしてそれを私は凄く楽しみにしていたのです。
そして実際ストーリーは概ねそういう筋道でした。少女を一途に思い続ける純粋な少年が過酷な人生から身につけた知恵や知識とそして運にも助けられて勝負に勝ち上がり、やがて訪れる感動のラスト。確かに感動的ではあります。が、何故でしょう。気分が晴れないのです。
楽しみにしていた少年が知識を身につけていく過程が(ある程度は予測していたものの)想像を超えて凄惨すぎました。
例えば、クイズ番組でのあからさまな職業差別発言。インドのみのもんたは明らかに彼の職業を揶揄してしかも聴衆もゲラゲラ笑ってます。まあ、ジャマールの無垢というか純朴を装いつつ(?)返すシャープな切り返しはナイスでかなり良かったですけど、にしてもインドの大衆ってこういう品性なのかとかなり陰鬱になります。
主人公の少年も含めたスラムの子どもたちの置かれた状況はもっとえげつないです。過酷という言葉では足りない劣悪さです。しかも大人たちも子どもに対して殴る、蹴る、ぶっとばすと情け容赦なく暴力をふるいます。
確かにそんなことがこの映画のメインテーマでないことは重々承知しています。でも、あの目を潰された少年のことが頭から離れません。ほかのスラムの少年少女達はどうなるんだろう、とか考えてしまったり。そしてお兄さんの最後も哀しすぎる。この物語がそういうことを主眼に置いているわけではないのはわかるんです。
寧ろ、少年のラストをより感動的にするために、それまでの過程や背景をとことん凄惨にしたのかもしれません。でもやりすぎました。というか、これがインド社会の貧困層の現実ならなんとかしたほうがいいぞ。インド政府。
結局、この映画は少年の個人的な奇跡の物語で、アメリカンドリームと一緒のように感じます。最下層最底辺を生きる人々の普遍的な希望になるかというとそうでもなく、一夜の夢のようなものです。ガス抜きといってもいいかもしれません。そういってしまうと身も蓋もないけど。
そのせいか、どうしてもああ良かったなと手放しで礼賛できないしこりのようなものが残り、エンディングのいかにもインド映画の最高に浮かれたダンスシーンもかえってそのしこりを増幅させこそすれ、これぞエンタテインメント!イエ〜!という気分とはほど遠いものとなってしまいました。
のある音楽にのせて警官と子供達の追跡劇が展開され、カメラは、
画面から汚れた臭気が立ち上ってくるような街の様子と、まるで
虫けらのように哀れだけれども逞しく、そしてしたたかに生きるスラ
ム街の人たちの様子を活写してゆき、インドって、あさの時間帯に
は道路の脇にケツをまくってしゃがんでいる人間が列をなしている
というホントっぽい話を与えられていたので、有料トイレが、それも
スラム街にあるっていうのが意外だったのだけど、そんな引っか
かりなどはどうでもよくなるほどに、過酷な運命を健気に生きて
ゆく活力あふれる少年達の姿に引き込まれたのであります。
たしかに人生経験とクイズの問いが一致しすぎるとの感はあるけ
ど、物語を紡いで行くための軸糸としてこれくらいのご都合は大目
に見なけりゃいけないのだろうと思わせるだけのものがあり、その
クイズと結びつく人生経験のひとつ、百ドル紙幣の肖像画の人物を
知ることになった、眼を潰された仲間と会って、そして恋人を救出
に行くところなんか、話も描き方もしっかりしていて、観る者の心
を熱くしてくれさえするのであります。
恋人との絆をつくっておくために人気クイズ番組に出演して、結果
として大金も手に入れることになるけど、一般凡人の考えることはそう
はならず、まず大金を手に入れたなら恋人も・・・・ということになり、
それがまた世の中の摂理となっている。 ↓のかたの言うこの
映画自体が夢だったんだろう≠チてことなんでしょうね。 記憶力
の強い少年期の、強烈な人生経験が生んだ素敵な夢です。
成長期を過ぎた人間の脳細胞は、1日に8万6千個づつ死んで
ゆくそうで、これだけ聞くとギョッとするし無為に時間を過ごしていて
はいけないと焦るだろうけど、脳細胞の数は約1千億個あるので、
60年かかっても1.9%失われるだけ。 記憶力の強い少年期
が遥か彼方に行ってしまったオッサンたちも、まだまだ夢を諦めて
はいけないです(笑)。
踊るインド映画≠フ面目躍如のエンディング、踊り終えて列車
内に消えてゆくのがなぜか可笑しかったけど、こういう群舞は楽し
いですね。 マイケル・ジャクソン死亡に報道過多ではないかと思っ
ていたものの、こういうシーンを見ると、やはり「スリラー」など、
影響は大きかったんだなって思い直しました。
刻々と変化し続けるエネルギッシュなグローバルシティで、逞しく生き抜いてゆく、幼少ジャマール=アーユッシュ・マヘーシュ・ケーデガー/少年ジャマール=タナイ・チェダ/ジャマール・マリク=デーヴ・パテルと、幼少サリーム=アズルディン・モハメド・イスマイル/少年サリーム=アショトシュ・ロボ・ガジワラ/サリーム・K・マリク=マドゥル・ミッタルの姿は頼もしくすらある。
だが、彩度を落とした映像、凝ったアングル(撮影、アンソニー・ドッド・マントル)など、スタイリッシュな技法が災いして、スラムの悲惨さが今一つ伝わってこないのは欠点である。
アミターブ・バッチャンのサインほしさに幼少ジャマールが肥溜めにダイブしたり、タージ・マハールでツアー・ガイドに成り済ましたりするのはユーモラスだが、「盲目の歌手は二倍稼げる」との理由から、ママン=アンカー・ヴィカルに、「スプーンで」/「目玉をつぶされ」た、アルヴィンドと少年ジャマールがチョウパティで再会し、100ドル札をくれる少年ジャマールに、偉くなったねとアルヴィンドが声を掛けるエピソードは大変、切ない。
「初恋の女」、幼少ラティカ=ルビーナ・アリ/「通称“チェリー”」、少女ラティカ=タンヴィ・ガネーシャ・ロンカル/ラティカ=フリーダ・ピントを捜し求める、真っ直ぐなジャマール。
見るからに誠実、純朴そうなデーヴ・パテルのルックスと芝居は、このキャラクターを補強している。彼の好感度は、シャイア・ラブーフに匹敵する。
一方、幼少ラティカは円らな瞳で、幼少サリームの音痴を、口に手を当てて笑う表情がなんとも愛らしく、少女ラティカは美少女で、サリーがよく似合っている。ラティカは、確かに、「世界一美しい女性だ」と言っても過言ではない。
ジャマールが出演した、「クイズ$ミリオネア(フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア)」で出題される問題の多くは、彼の人生に結び付いており、ご都合主義な気がするし、2000万ルピー(約4000万円)の問題は、最終問題にしては簡単過ぎるが、それも運命だったということで目を瞑ろう。
それにしても、ジャマールは天才ではなくとも、記憶力は相当、良さそうだ。「その答えは 知らないほうが幸せだった」と彼が語る問題では、イスラム教徒とヒンズー教徒が衝突する渦中にあって、チラリと目にしただけの記憶を、後年まで正確に留めていられるのだから。
引っ掛かったのは、「クイズ$ミリオネア」のコマーシャル中、ジャマールとプレーム・クマール=アニル・カプールがトイレで一緒になる件。不正が行われる可能性があるのだから、出題者と解答者のトイレは別々ではないのか? そうした疑問を抱いていたら、案の定。但し、プレームは、嘘の答えを示す。
ジャマールがこの嘘に引っ掛からなかったのは、幼少期、ママンに騙された経験から、他人の好意に対し、警戒心が働くからである。
2000万ルピーの問題で、ライフラインのテレフォンに出る、ラティカ。このシーンで彼女が、さも当然そうに、読んでいないので解らないと返事するのに、ちょっと違和感がある。ジャマールと口が利けたのが嬉しいのは理解できるが、とはいえ2000万ルピーが掛かっているのだ。喜び勇んで電話に出る彼女、問題の答えを聞かれ、我に返って、解らない、ごめんなさい、とした方が自然ではないか?
正直、2000万ルピーの問題は、間違うものと思っていた。何故なら、ジャマールは、「彼女が見てると思って 番組に出た」のであって、カネが出場の動機ではない。つまり、『ロッキー』方式を予想していたのである。
賞金は一銭も手に入らなくとも、ジャマールとラティカは、これからの人生を共に歩んでゆける、それ自体が「奇跡」なのだから、その喜びをダンスで表現する、でも良かった。
まあ、たとえそうでなくとも、ボリウッドをリスペクトしたエンディングのダンスの高揚感は凄いが。http://blogs.yahoo.co.jp/popcornandfella
最後のEDのダンス。個人的にツボでしたw
言える娯楽映画になっていて、かなり楽しめた。
アカデミーを取るタイプの作品かは微妙だけど、これは好きなタイ
プの作品。
正しい弱者と間違った強者みたいな、古臭い図式の胡散臭い社会派
映画になっていないところが良かった。
知ってる問題が出過ぎだろ?とか、ヤクザの極悪人だったお兄さん
が何で突然改心したの?とか突っ込み所はあるけれど、
劇中で、クイズを見るのは「現実から逃げる夢を見る為よ」と語ら
れていたように、この映画自体が夢だったんだろうね。
実際は、純粋なくらいでは人は報われないし、そもそも人は純粋な
存在ではない。経済成長にも限界があって、皆が幸せになるなんて
ことはあり得ないから。
新興国に限らず大不況の時には、多くの人々に残された手段は夢を
見ることだけだという、意外とリアリティのあることを表現してる
気もしたな。
初恋の女子を取り戻すこと、それは宇宙の全ての男の夢と言っても
過言でないから、ジャマール君に感情移入して見ることができまし
た。
ま、実際の初恋の女子ってのは、とっくに賞味期限が切れて劣化し
てたりするもんだけどね〜w。
初恋の女子がまだ劣化してない、それだけで幸せかもねw。
警官が結局、ジャマール君のことを信じたのは「インディアン嘘つ
かない」って言葉を思い出したのかな?
ていうか、インドのムサ苦しい警官は、被疑者を殴ったり拷問した
りして良いの?
ボクだったら告発してネチネチ仕返ししてやるところなんだけど、
純粋なジャマール君はそんなことはしないのでしょうw。
、例をあげたらきりがないが、志ある監督たちは、ヴィスコンティの残した傑作「若者のすべて」を脈々と継承している。成長するにつれ別々の道をゆく兄弟。クライマックスで描かれる弟の成功と兄の破滅。そして恋人との結末…
ダニー・ボイルよお前もか。
子供が子供らしくいられない環境にいながら、生きていく為の知恵と根性がすごい。なんで、前半の子供時代の方が楽しめました。
目をあんなふうにされるなんて・・・。(ゾゾ〜ッ)
面白かったんですが、“絶賛”とまではいかなかったです。
(「トレスポ」や「普通じゃない」の方が好き)
私も下のコメントの方と同様「スマスマ」のコントを観ていたので、映画の外枠がわかってしまい、映画の仕掛けとしてサプライズもなく、それ以上でもそれ以下でもないなぁという印象でした。
スラムで子供が生きるには、壮絶な体験を経なければならない事が、
よく出てきた「もう死んでる」というセリフからも読み取れる。
だけど、臨機応変に対応して生き抜くジャマールをちょっとコミカルに生き生きと表現し、
悲壮感を少しも感じさせないのが良かったなぁ。
ジャマールに都合の良い問題ばかり出題される事を疑問に思ってはいけないね。だってさ、運命だし。
骨格は単なる御伽噺ですが、思ひ切り風呂敷を広げ、クイズミリオネアとスラムの悲惨・犯罪とコールセンターを取り込んだのが味噌。題材の新しさがアカデミー賞に繋がつたのでせう。糞尿の場面は辟易しましたが、よくできた大衆映画です。ムンバイの住人がどう思ふかは知りませんが。
最後の正解にも、仕掛けがあつたはうが私は好きです。たとへばラティカが何らかの理由で答へを知つてゐる設定の方が。
余談ですが、今更「三銃士」の原作を読みたくない方には、リチャード・レスター監督、マイケル・ヨーク主演の映画二部作「三銃士」「四銃士」をお奨めします。アトスがオリヴァー・リード、ポルトスがフランク・フィンレイ、そして「あと一人」はリチャード・チェンバレンです。フェイ・ダナウェイやチャールトン・へストンも出てゐます。
常に自分よりも愛している人を選択して、自分の決断に誇りをもっている弟に対して、自分の欲や望みを選択しながらもそれを悔いている兄。そして、弟のそんな人間的な強さに憧れながら、嫉妬しながら、最後に弟へ最高の贈り物をするお兄ちゃんがなんだかんだかっこよかったです。
お兄ちゃんの最後のシーンも人生を自嘲しているかのようで切なかったです。
この映画で号泣する人も、お兄ちゃんに感情移入する人も、唐辛子のシーンでわかるわかる〜という人も少ないかもしれませんが。
ただし、物語の軸となっているのはあくまでジャマールのひたむきな愛。
・番組でクイズに答えていくジャマール
・警察に取り調べを受けるジャマール
・フラッシュバックで語られるジャマールの壮絶なスラム人生
・ジャマールと兄の話
・ジャマールとラティカの純愛
これらを並行して描かれる演出、編集のセンスは素晴らしく、
観る者を最後まで飽きさせない。オスカー編集賞にも納得。
さらに、作品を時には大げさまでに盛り上げる
インドのパワフルな音楽も重要なファクターだ。
ジャマール少年がクソまみれになるなどのコミカルな場面や
主人公が体験したことによるサクセスストーリーの醍醐味、
先に述べたラブ・ストーリーとしての魅力、
兄弟の愛、葛藤、すれ違いのドラマを巧みに取り入れ、
胡散臭いドラマ映画にしなかったことも
本作が絶賛された理由だと思う。
http://ameblo.jp/jumbooomori/entry-10247830873.html
http://ameblo.jp/jumbooomori/entry-10247830873.html
インド映画ならではの踊りはいつ出てくるかと思ったら!ノリノリで嬉しくなった。
兄の最期、そして子役の小・中3人ずつがいづれも印象に残った。
スマスマのコントは、ホストのヒカルがみのもんたとクイズ勝負をしていて、たまたま練習でやっていた問題がそのままでたというコントでした。
まぁ、そんなのはどうでもよいとして、アカデミー賞作品賞を受賞した「スラムドッグ$ミリオネア」。暗く重く最近の中国映画のように重苦しい映像で終始続いているのかと思った。
ところが、監督はあの「トレインスポッティング」のダニー・ボイルだ。「あの子をさがして」のように素朴な映画なわけがない。映像は非常にテンポがよくカメラも有酸素運動をしまくっている。飛行場で遊ぶシーンから、子供は元気だとでもいうようにほんとに動く。
この映像を観たとき。私を興奮と同時に安心した。この映画は、暗い気持ちになる映画ではないとわかったからである。トイレのシーンは大爆笑だった。
しかし、ダニー・ボイルはトイレがすきなのだろうか「トレインスポッティング」でもトイレのシーンがあった。多分、あのトイレは監督なりの考えで、トイレは汚れているが、人間が出したもの。だから、トイレもその人間の一部なのであるということなのだろう。むしろ、トイレに突っ込んだジャマールよりも回りにいた人間のほうが汚れているのだから。トイレのシーンは後に主人公が経験を暗示している。
兄の裏切りにはあうは、やっと再会した恋人もまた逃げられると不運は多かった。一番の不運はミリオネアに出たことなのも。それは、大人の汚さを見たからだ。司会者は主人公に対して冷たい。同じ境遇のはずなのに富を得たことにより、高潔な精神が破壊されたのだから。もしかしたら、富を得た主人公も同じようなことをするのではないのだろうか?
ラストのダンス・シーンは何か主人公の心の奥底を見ているようだった。この二人の運命はどうなるのか? インド映画特有の華やかさの裏というのをこの監督は鋭く描いたのかもしれない。だから、映画にはちょっと不釣合いなシーンを撮ったのだと思う。
今年のベスト5。非常に映画的な映画という意味でも。
地味に上映されて、まあ割と限られた人たちの間で人気となって、限られた人たちの間だけで心に残る、みたいな、そんな目立たない愛され方が、この映画には似つかわしいのではないかと思った。
歴史的傑作、というほどではない。だって、冷静に振り返ると、それほど凝った物語でもないもんね。クイズ番組を縦軸に置いたところと、インドの(あまり)知られざる貧困の実態、そして有名スターが出ていないところは非凡だが、恋愛話そのものはさほど目新しくない。それに、冒頭示される4択のうち、正解は○○なわけでしょ? それって、なんだかね。
ここ数年のアカデミー賞、作品賞のなかではナンバー1。
さて、ダニー・ボイル監督、自身の集大成を「インド映画」のフォーマットを借りてやっているのね。というわけで、ボイル作品のモチーフがそこかしこに出てくる。疾走する少年、行きかう列車と、インド版「トレスポ」みたいだなぁ、と思ったら、便所にしゃがんでふんばるシーンまで出てきやがんの。あの状況だったらボットン便所の下に降りないで、扉をよじ登った方がよかったんじゃないの?、とは、子供は考えないか。
ジャマールが体験してきたスラムでの過酷な生活が凄まじい。あの歳の子供たちが生きてゆくにはあまりにも過酷な世界だ。しかし、子供たちは底抜けに明るい。悲惨な生活のハズなのに、なぜあそこまで生き生きとしていられるのか。そういうパワーが映画にもみなぎっているのね。スラムに暮らす子供たちの悲惨な現状を観客に突きつけるというよりも、一途な愛を描いているというところが僕好みだった。希望を持つってことは、生きてゆく上でも必要なことなのね。なんて、今さらなことを考えてしまったよ。
どことなく「シティ・オブ・ゴッド」と被っちゃうところがあるし、あまりにもベタな展開なもんだから、人によっては「社会派映画」とはいえない本作のオスカー受賞を疑問視するかもしれんが、こういうどこかに希望を持たせて終る映画は、こんなご時勢だからこそ受けたんだと思う。現実社会が破滅的だから、せめて映画の中ぐらいは夢があってもいいじゃないか、そんなところでしょうかね。と言っておきながら、オスカーなんてどうでもいいんだけど(ホントかよ?!)。
ジャマールが「ミリオネア」に出演した理由が次第に明かされてゆく。そこには彼のラティカに対する真っ直ぐなまでの一途な想いが込められていて、僕はそこに深く感動したよ。最後の問題に答えられればミリオネアになれる! しかし、ジャマールにとってはミリオネアになることなんてどうでもいいのだ。愛するラティカと再会さえできれば。最後の問題があの本から出題されるシーンでは、思わず「ああッ!!」と声を洩らしたくらい。ライフラインでテレフォンを選択したジャマールが電話をかけた先は…。
夢と希望に向かって進むジャマールとは対照的に、兄のサリームは生きてゆくために悪事に手を染めて、結果的に破滅へ向かってしまう。さんざっぱら悪いことをして、弟にもひどいことをしてきたせめてもの償いに、弟の最愛の人を逃がしてあげるシーンにグッときた。サリームの最期と、ジャマールの勝利が交差するシーンは、泣けるねぇ…。
ムンバイのスラム街の描写がすごいね。夥しい数の家屋がひしめきあっていて、まるで迷路みたいなのよ。そこを子供たちが駆け抜ける、心地よい疾走感といったら!! ボイル監督は「駆ける」シーンを撮らせると上手いねぇ。インド映画特有の勢いを、ボイル監督はお見事に再現しているのね。エンド・クレジットではジャマールとラティカと大勢の人たちがみんなで踊る! ここまでインド映画を再現するなんて!(インド映画、知ってんのかよッ?!)。
それにしても、インドって国は子供に対する扱いが随分と酷いんじゃありませんか? 勝ち進んだジャマールに不正の疑いをかけるのは作劇上に必要だからまだしも、街角で子供たちに歌を歌わせてその上前をハネるヤクザな連中の非道なやり方が惨い!!
この映画のヒットのお陰でデブ・パテルはシャマラン作品に、フリーダ・ピントはウッディ・アレン作品に呼ばれたという嬉しいおまけつき。これからハリウッドでも活躍するのか、それも愉しみだわね。
逃走の描写は創造力を必要とする。追跡は目標とするもののアクションを模倣すればよいからだ。
スラムの子どもたちは自分の住処である迷路に逃げ込む。母親を異教徒に撲殺された兄弟もまた。
不幸と幸福に彩られた物語。
涙が止まらない。
弟は逃げ続け、飽いて安住した兄は札を満たしたバスタブで拳銃をかまえる、弟のために。
あらかじめ約束された結末(it is written)を祝うエンド・クレジットに、インドの「みのさん」や人攫い、ギャング、兄ちゃん、警部、警官たちも登場して欲しかったが、それではやり凄ぎ。
ちょっとした知的な省略で映画を見慣れた者の優越を満足させつつ、日常の苦しみを忘れさせる上映時間120分、だけ。
ひとことで言うと、ひたむきな愛の物語なのですが、そのひたむきな愛が運命の糸をたぐりよせ、奇跡を起こします。
躍動感にあふれたカメラワークが、スリリングな展開、練りにねられた脚本、人間味あふれる登場人物、第一級のエンターティメントに仕上がっています。
本当の幸せは、冨でも地位でもなく、本当に大切なものを守り抜くことにある・・・そんなありふれたメッセージをさわやかに素直に感じ取れる作品です。
エンディングのダンスの場面を微笑ましく眺めることができました。http://vicky-ryu.spaces.live.com/
貧困の中で暮らす孤児3人の人生模様。よくあるテーマだが、有名クイズ番組を縦糸にする事でたちまち緊張感とミステリ要素が高まった。社会派などではなく、完全なる娯楽作品。エンドクレジットでさえ存分に楽しませてくれる。
「あれで逮捕はない」とか「愛してないラティカにボスはなぜ固執する」とか「ミリオネアのテレフォン設定がテキトー」とか、つっこみどころは満載だが、まあ、それがインド映画ですわな。アバウトさが心地よい場合もある。
どうにも釈然としなかった、単に洋画が3度のメシより好きな一般ファンには昨年に引き続き(”ノーカントリー”)理解出来ない、、他にもっとオスカー会員好みのアメリカの内面を抉った秀作があるのにな〜。日本で大ヒットさせるのは至難の技だろう。