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英国王 給仕人に乾杯!(2006)

OBSLUHOVAL JSEM ANGLICKEHO KRALE
I SERVED THE KING OF ENGLAND

メディア映画
上映時間120分
製作国チェコ/スロヴァキア
公開情報劇場公開(フランス映画社)
初公開年月2008/12/20
ジャンルコメディ/ロマンス/ドラマ
イジー・メンツェル DVD-BOX
参考価格:¥ 15,120
価格:¥ 14,650
USED価格:¥ 9,603
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英国王 給仕人に乾杯!英国王 給仕人に乾杯!英国王 給仕人に乾杯!

【解説】
 「スイート・スイート・ビレッジ」のチェコの巨匠イジー・メンツェル監督が、「つながれたヒバリ」をはじめこれまでにもたびたびコンビを組んできたチェコを代表する作家フラバルのベストセラーを映画化したコメディ・ドラマ。ナチス・ドイツとスターリン主義のソ連という2つの強国に翻弄された小国チェコの20世紀現代史を、権力とは無縁でありながらも自らの才覚と裡に秘めた抵抗精神でたくましく生き抜いた一人の給仕人の人生を通して軽妙に綴ってゆく。
 背丈は小さくても百万長者になるという大きな夢を抱く青年、ヤン。田舎町のホテルでレストランの見習い給仕となった彼は、順調にステップ・アップを重ねていつしかプラハ随一の“ホテル・パリ”で主任給仕となる。一方、隣国ドイツではヒトラーが台頭、やがてプラハもナチスの占領下となっていく。そんな中、ズデーデン地方のドイツ人女性リーザと出会い、恋に落ちるヤンだったが…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
214 7.00
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【ユーザーコメント】
投稿者:三葉十四郎投稿日:2009-10-30 07:55:54
【ネタバレ注意】

この主人公は性格こそとぼけているが、人生の目標は極めてハッキリしている。 

お金持ちになること。 

多いに共感しましたね。 365日24時間、カネ持ちになりたくなかった事など一度も無い。 今なりたい、でなきゃ明日なりたい、将来的には絶対になるつもりだ。 
しかしその予定の中に"とりあえず宝くじ当てる"と言う難所がありまして、目下のところ達成の目処がついてなく。 他の手段も模索しなかった訳でも無いのですが地道な方針を採ってないせいか企画倒れが続いております。 

本作のジーチェは僥倖にも恵まれていますけど、ホテル王になりたい、と少なくとも可能性の有りそうな環境に身を置いている分、僕よりも努力をしていました。 
そして映画は金持ちだと何が出来るか、たびたび華美なシーンとして魅了してくれます。 

15年の刑期を14年と9ヶ月で出ることが出来て、自分はツイてると考える壮年のジーチェ、彼はこれまでの人生を回想する。 

小さな国の小さな男であった彼は、チャッカリ者な駅の売り子、渡し損ねた釣り銭は、札はポケットへ小銭は撒き散らして人がそれを拾うのを見て楽しむ。 イイ性格だ。 
その後ビアホールの給仕になると、先の釣り銭ちょろまかされたヴァルデン氏と再会、彼はジーチェの行為を観察しており、"小銭は上手に捨てられれば札になって返ってくる"、と自分の稼ぎを床に並べてジーチェを魅了する。 
撒かれるコインは一般人から金持ちに至るまで皆拾う。 ジーチェは彼らを試しているんだろうと思うんだ。 並べられた札や、放り上げたコインが様々な商品札になって落ちてくる、というのは成功の象徴で、拝金主義は広く信じられていて自分もそれで成功したい、チホタ荘の老富豪達の様に若くて可愛い女の子をはべらせて遊ぶには彼らの末席に加えて貰わなければならない、と。
 
ジーチェは身丈に合った幸運を次々掴む、女性運なんかかなりのものだしエチオピア皇帝に勲章を貰う一幕などもある。 が、ホテル王になる為にはそれ以上に欲を持ってなければいけないのだな。 
そういう考えに対極しているのがホテル・パリの給仕長スクシーバネクで、自分の今の仕事に誇りを持っている。 足るを知っている生き方と言えますか。
 
時はおりしも第二次大戦中、チェコもナチスに進駐されていて、そこで、こんなに自分の事だけ考えて生きていける人物が描けるものなのか、とも感心したが、そうかと思うと強烈な印象を残す場面もある。 
ジーチェはナチス党員のリーザと結婚するために適正検査を受ける。 シャンパングラスに精液を出す行為に虚ろな表情で臨んでいると、同じチェコの若者がレジスタンスとして続々と掃討されていく報が耳に入ってくる、そのカットバック。 ユーモラスに演出されている分返って凄みがあった。 
妻になるリーザの人物像も必ずしも否定的ではなく、当時はこんな考え方も有ったんだよ、と言う程度に押し留めたイジー・メンツェルの演出にほとほと感服。
 
戦災でリーザを失うもチホタ荘を自分のホテルとして手に入れるが、戦後は富裕が罪になる社会になってしまった。 刑務所には富豪達が集まって座っているが、そこにジーチェの席は無い。 舞い散る羽毛に資産というモノの泡沫を見て、いまジーチェはかっての自分を鏡に映し、欲しいと思ったものに躊躇わず手を伸ばした生き方を反省する。
 
国境の朽ちたビアホールを再生し、ユダヤ人虜囚として連行されながらも生延びていたヴァルデンと祝杯の席に着き、釣り銭を渡す。 必要な分だけ貰ったらお釣りは返せる人生。 乾杯し、ここのビールは最高だよ、と微笑むジーチェ、お金だけが人生じゃない、と彼には言う資格がある。 
僕はお酒はあんまりいけないクチだけど、彼のとこでならジョッキをくーっ、と空けて"人生ってのはコレだよぉ"とかクサいこと言ってみたって良いぜ。 
この映画が好きな自分に酔っているって事で。

投稿者:Stingr@y投稿日:2009-09-06 05:43:49
 この作品、人それぞれ捉え方が違うだろう。主人公の金とセックスに目を向ける人もいれば、「禍福は糾(あざな)える縄の如し」と主人公の人生の浮き沈みに目を向ける人もいれば、ナチス・ドイツやソ連に翻弄されたチェコの歴史に目を向ける人もいる。

 この主人公はチップをもらい過ぎたり、間違って勲章をもらったりして、「勤めが続かなかった」というだけで、確実に給仕としてのキャリアを積み上げているところがミソ。本当には“ひどい目”に遭っていないのだ。15年の投獄という最後の転落だけが本当の“ひどい目”で、それも、自分で銀行預金の額をばらしたからだ。

 ここで、ヴァルデンが年を取らないことに注意しよう。つまり、主人公ヤンにはヴァルデンという守護霊(“幸運”の人格化)が憑いていて、ヤンをいい方向へ導いているのだ。ヤンが意思を持たず、成り行き任せ(ヴァルデン任せ)だったならば、自分で銀行預金の額をばらすこともなかっただろう。ヴァルデンがヤンにとり憑いたのは、ソーセージ売りだったヤンがお釣りを渡しそびれたから。要するに、おとぎ話と歴史を融合させて、一人の男の人生を描いたのがこの作品。

 それにしても、『英国王 給仕人に乾杯!』とは不可解な邦題である。チェコ語(?)の原題は解らないが、英題は『I Served the King of England』で、これはスクシーヴァネク給仕長の言葉。その言葉通りならば、この作品の中で英国王に給仕したのはスクシーヴァネク給仕長だけなのだから、邦題を文字通り解釈すれば「スクシーヴァネク給仕長に乾杯!」という意味になる。

 だが、この作品の主人公はスクシーヴァネク給仕長ではなく、ヤンである。ヤンの夢はスクシーヴァネク給仕長のように、いつか英国王に給仕すること。つまり、年取ったヤンが「私は英国王に給仕した」と、守護霊ヴァルデンと思い出を語りつつビールを酌み交わす物語なのだ。要するに、「英国王に給仕した(かったなあ)」=『(I Wish) I Served the King of England』と同じ意味だ。これで、スクシーヴァネク給仕長の言葉も、「英国王に給仕した(かったなあ)」であることが解るだろう。この言葉は、給仕長のプライドとして代々受け継がれているのだ。
投稿者:ビリジョ投稿日:2009-01-28 01:17:09
【ネタバレ注意】

 にしてもあれだな、ナチスが登場するまでが長いなあ。若干、退屈になったのは事実。
 前半はセックスと、料理と、金。人間の欲望の隙間を、軽快に駆け抜けてゆく主人公。背が低い、というのはヒトラーを彷彿とさせるし、食事も、ベジタリアンだったヒトラーを想起させる。
 ナチス以降は、かなり痛烈な批判が展開する。いや、批判というより、主人公の情けなさ、物悲しさを描いた作品なのかもしれない。ヒトラーの時代を生きた、政治的にも思想的にもニュートラルな人たちは、それゆえに悲しい存在だった。「なぜ抵抗しなかったのだ」と言われてもねえ、やっぱし生活はあるし、金持ちにもなりたいし、みたいな。
 原作とは違うというラストは、とてもよかった。チェコビールがそれは美味しそうなのである。で、私も今宵はビールを飲む。サッポロ黒ラベルで我慢。

投稿者:黒美君彦投稿日:2009-01-26 01:39:36
駅のソーセージ売りの青年がホテル王になる夢を追う姿を描きながら、チェコスロヴァキアの波乱に満ちた近現代をそこに象徴させた秀作。とはいうものの、そこにあるのは重苦しさばかりではなく、アイロニカルな笑いがそこここに散りばめられている。どうしようもない愚かな人間の本性が見事に活写されているのだ。
主演の小柄な給仕人ヤン・ジーチェを演じたイヴァン・バルネフは実に軽妙。客のことなら一目で何でも見抜くのは「英国王に給仕したことがある」からだという、スクシーヴァネク給仕長役のマルチン・フバも存在感たっぷり。
艶っぽいシーンもふんだんにあるが、優生学研究所(元は富豪用の隠れ家ホテルだった)のプールで泳いでいた美女たちが、戦争末期には腕や脚を戦場で失った男たちに変わるといった残酷なまでのユーモアも忘れない。食べたり、交わったり、といった欲望が、躊躇なく描かれているのも特徴的だ。
主人公のヤンは、そんな上りつめたかと思うとあっという間に転落していく、そんな滑稽な人間の営みをじっと見ている。時折、コインをばらまいて金持ちたちが四つん這いになって拾い集める姿を眺めながら。
チェコ的なのかも知れないが、ここには普遍的な人間が描き出されている。

名匠と謳われるイジー・メンツェル監督は、この作品に限らずボフミル・フラバル(1914〜97)の原作に基づいて幾つもの映画を監督しているが、フラバル作品は日本ではほとんど翻訳されていないとか。残念。
金持ちのなかにはイシュトヴァン・サボー監督も特別出演しているそうだ。私にはわからなかったけど(苦笑)。
投稿者:Longisland投稿日:2008-12-30 23:16:06
市井の人物視点から歴史に翻弄された祖国を描いた秀作。同じような(でもないか)「ブリキの太鼓」を髣髴。「ブリキ」が何事もやりすぎる独逸人気質的映画とすると、本作はSEXに対しておおらかな(マニアからは性都プラハて言われてるらしい)チェコ的映画?
しかし洋の東西を問わず、男ってのはいくつになっても女が好きなんだね〜ぇ、などと変なとこに感心しました。

年末のシャンテは初老男女で満員。
投稿者:投稿日:2008-12-24 00:27:21
なるほど素直に笑わせてはくれない。
夕刊の広告でタイトルを知り、HPでトレーラーを見て、メンツェル監督デビュー作『厳重に監視された列車』を上映中の映画館に出かけ、ネット通販で20年間封印されたという『つながれたヒバリ』のVHSを手に入れ、今日に至った。原作者フラバルの唯一翻訳された長編「あまりにも騒がしい孤独」も購入した。
映画『英国王 給仕人に乾杯!』は常に牢獄のなかにいる人間を描いている。
それは、国家であり、人種であり、民族であり、性であり、物理的に隔絶された空間であり、カネや暴力が支配する社会であり、言葉であり、ついには自己という皮膜による牢獄である。
だれも脱け出ることはできない。
突然の発熱で初日には見られなかったが、天皇誕生日、祝日の4時半の回は、チェコ人でいっぱい(ウソ)で満員御礼だった(ホント)。
まだ見ぬ方は、急ぎ映画館へ!まだ終わらないけど。
映画館もまた、牢獄かも知れないが。

【ソフト】
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