allcinema ONLINE オールシネマ 映画&DVDデータベース
検索オプション

空気人形(2009)

メディア映画
上映時間116分
製作国日本
公開情報劇場公開(アスミック・エース)
初公開年月2009/09/26
ジャンルドラマ/ロマンス/エロティック
映倫R15+
私は「心」を持ってしまいました。
持ってはいけない「心」を持ってしまいました。

あなたの息で、私の カラダを 満たして…
空気人形 豪華版 (初回限定生産) [DVD]
参考価格:¥ 6,480
価格:¥ 19,000
USED価格:¥ 4,500
amazon.co.jpへ

 Photos

【クレジット】
監督:是枝裕和
製作:川城和実
重延浩
久松猛朗
豊島雅郎
企画:安田匡裕
プロデューサー:浦谷年良
是枝裕和
アソシエイツプロ
デューサー:
加藤悦弘
ラインプロデュー
サー:
田口聖
原作:業田良家
『空気人形』(小学館刊『ゴーダ哲学堂 空気人形』所収)
脚本:是枝裕和
撮影:リー・ピンビン
美術:金子宙生
美術監督:種田陽平
編集:是枝裕和
音楽:world's end girlfriend
音楽プロデューサ
ー:
佐々木次彦
スクリプター:飯塚美穂
衣裳デザイン:伊藤佐智子
照明:尾下栄治
装飾:西尾共未
造形:原口智生
特殊メイクスーパ
ーバイザー:
原口智生
録音:弦巻裕
ヘアメイクデザイ
ン:
勇見勝彦
人形デザイン:寒河江弘
人形原型:寒河江弘
助監督:西山太郎
出演:ペ・ドゥナ空気人形
ARATAレンタルビデオ屋の従業員・純一
板尾創路空気人形の持ち主、ファミレス従業員・秀雄
高橋昌也元高校国語教師・敬一
余貴美子受付嬢
岩松了レンタルビデオ屋の店長・鮫洲
星野真里OL・美希
丸山智己萌の父親・真治
奈良木未羽小学生・萌
柄本佑浪人中の受験生・透
寺島進交番のおまわりさん・轟
山中崇
ペ・ジョンミョン
桜井聖
オダギリジョー人形師
富司純子未亡人
【解説】
 「誰も知らない」「歩いても 歩いても」の是枝裕和監督が、「リンダ リンダ リンダ」のペ・ドゥナを主演に迎えて贈る官能と感動のヒューマン・ラブ・ファンタジー。業田良家の短編コミックを基に、ひょんなことから心を持ってしまった“空気人形”が様々な出会いを通して味わう感情の移ろいと、対照的に浮き彫りとなる現代人の孤独と空虚感を、ユーモアと赤裸々なエロティシズムを織り交ぜつつ、切なくも繊細に描き出してゆく。
 川沿いの古びたアパート。ファミレスで働く冴えない中年男、秀雄が優しく語りかけている相手は、空気人形のラブドール。ある朝、その空気人形が心を持ってしまう。秀雄が仕事に出かけると、メイド服を着て外へ飛び出す空気人形。見るもの全てが美しく、驚きにあふれていた。やがてレンタルビデオ店に辿り着き、店員の純一とめぐり会う。ひと目で恋に落ちた空気人形。以来、その店でアルバイトをするようになり、純一や店長から様々なことを学び吸収していく空気人形だったが…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
426 6.50
下記フォームからあなたのこの作品に対する採点を投票してください。
メールアドレス年齢性別
評価 (低い←→高い)
12345678910
【ユーザーコメント】
投稿者:ピースケ投稿日:2012-06-19 15:39:08
人形でもなく人間でもない、その存在感が良く出てた。
投稿者:クリモフ投稿日:2011-12-20 02:02:49
原作の短編漫画は未読、なんとなくペ・ドゥナというだけで鑑賞。冒頭のとんでもなくリアルな描写をかましてきたあたり、単なるメルヘンモノで終わらない意志は十分に感じるし、前半は良い意味で期待を裏切られました。
心を持った空気人形という荒唐無稽な設定を淡々とした演出で違和感を感じさせない手腕(ペ・ドゥナの力もある)も流石だし、生活に疲れて自分を疑ったり、信じ込ませたりしている人間たちを一歩引いた目線で観るのは、べたですが胸に迫るものはあります。
ただ後半、登場人物たちが一向に「心に穴があいている現代人の代表」から変化しないのはいかがなものか。これではただの紋切り型の記号です。肝心の人形も心を持って悩むのはいいが、心情と行動がチグハグでここにきて強烈な違和感。あんだけ映画観て恋をしといて、あの反応はないです。オダギリとの会話も陳腐そのもの。
ラストもなんか解決したっぽいずっこけるほどの安直さ。タンポポの演出は愚の骨頂。これでは結局エキセントリックさやらショッキングさのみ印象に残ります。原作は知りませんが、少なくとも映画的なリアリティはありません。ただ一点、ペ・ドゥナは本当によくやったと思います。前半期待しただけに残念。
投稿者:寺尾おさむ投稿日:2011-11-05 01:52:47
2004年の「誰も知らない」を観て以来、すっかり是枝裕和監督の虜になってしまった私が、久しぶりに観た日本映画の傑作である。

皮肉なことに、日本映画なのに、主演女優は韓国のトップスターのペ・ドゥナさんなのだが、それがはまり役である。たどたどしい日本語で、「私は、空気人形。性欲処理の代用品」と、嗚咽を吐くような台詞は、乾いた街に悲しく響いた。

この映画は都会に住む人々の絶望的孤独を描いた傑作なのだが、主役女優には体当たりの演技が要求されるため、日本の若手女優さんには、ことごとくオファーを断られたようである。日本のプロダクションシステムによる女優さんのオファーの受け方では、映像表現の幅を狭めてしまう結果を招いていることは残念でならない。
そうした日本映画の現状で、ペ・ドゥナさんの果敢な挑戦がなければ、この映画は成立しなかった。
彼女は、山下敦弘監督の「リンダ リンダ リンダ」(2005)にも主役の女子高生役で出演され、その瑞々しい演技で多くの映画ファンを魅了した。

ラストシーンで、空気人形は、自ら燃えないゴミとして、ゴミ集積所に横たわった。それは自分が、空っぽな空気人形ではなく、人間として、この世に生を受けて老いて死んでいくことを、喜びを持って受け入れているようだった。

横たわる空気人形を見た、星野真里さんの最後の台詞「綺麗」が、涙腺を刺激して、エンドロールが涙でかすんだ。
http://osamu-terao.seesaa.net/
投稿者:has42120投稿日:2011-09-08 14:34:20
ペ・ドゥナ
投稿者:アリエアー投稿日:2011-07-26 00:19:31
【ネタバレ注意】

タイトルなんか素晴らしいんですけど、中身は良くも悪くもとても空虚。
ARATAとのラブシーンで最高のカタルシスをもたらすかと思いきや、
血糊の唐突さはどうしたことだろう。
原作付きといえ、是枝さんの映画はやはり命を吹き込めない、綺麗なままの映画、そうしたことを崩そうとしても、やはり悪あがき良くないと思いました。

オダギリジョーの登場も、なぜここで。という思いがかけめぐる。
孤独の、この薄っぺらい扱い、あえて、なのだろうか。
なんにせよ、つまらず。
それならもっと、ダッチワイフ的側面を淡々と描写した方が胸に迫るかと。

ペ・ドゥナは素晴らしい浮遊感で演じているのだけど、どんより低い声が映画のトーンを重たい空気にさせていて、残念と言わざる終えない・・・。

投稿者:トム・ルーズ投稿日:2011-06-19 08:06:05
【ネタバレ注意】

心を持ってしまったラブドールの空気人形・・・。
下手したらものすごく残念な映画になってしまう可能性があった題材でしたが、よくここまで完璧に作り上げましたね。
さすが是枝監督と言ったところでしょうか。
それもこれも、主演のぺ・ドゥナあってのものでしょう!!
完璧なまでに空気人形と同化していたぺ・ドゥナの演技に魅了されましたよ(*⌒∇⌒*)
そして、是枝監督とぺ・ドゥナが作り上げた空気人形の世界に絶妙にマッチしていた不思議なテーマ曲の存在も忘れてはいけませんね。
まあ映画なんで好みの問題もあるのでしょうけど、全てにおいてクオリティが高かった作品で、評価されて然るべき作品だと思いました。

それにしても、主演のぺ・ドゥナが素晴らしすぎです(*^▽^*)
どんなに心を持ってもあくまで空気人形なのですが、人形にも見えるし人間にも見える。
表情、しぐさ、歩き方、台詞の間の取り方・・・全てがまさしく心を持ってしまった空気人形なんです。
よくあるコメディ映画なら、ものすごくわざとらしい演出で失笑すら生まれそうですが、この映画の空気人形は全く違和感がなく、とても自然でしたね。
そして出し惜しみのないぺ・ドゥナの脱ぎっぷりが、更に作品のクオリティを高めました。
これだけ綺麗な裸体だと、もはや芸術としか言いようがないですね!
日本人女優でここまで出来る女優はいるのだろうか?
韓国に負けるなよ〜日本の女優達(;´▽`A``
今作は、まさしく妥協を許さない是枝監督とぺ・ドゥナあっての映画でした!

この映画で一番印象に残ったのは、ARATAが演じたビデオ屋の店員の純一が、空気が抜けてしまった空気人形に息を吹き込むシーン。
空気を入れられている時の空気人形の表情がなんとも言えぬ恍惚の表情で、好きな人と性行為をしている時の感覚だったのでしょうね。
空気人形はラブドールですから、本来は性欲の捌け口として存在する訳ですが、心を持ってしまったらそうは行きませんよね・・・。
空気人形の持ち主である板尾創路が演じた秀雄とする性行為の時には味わったことのない感覚が、純一に空気を入れてもらっている時の恍惚の表情に表れていて、ものすごく印象に残りました。
やっぱり人間は好きな人と結ばれるのが一番ってことですね。

しかし、終盤に起こった悲劇がなんとも切なかったです(>_<)
どんなに人間の心を持っていたとしても、やはり空気人形は空気人形・・・。
人間と人形の大きな違いは、人形は感じない肉体的な痛みを人間は感じると言うこと。
それを知らなかった空気人形と純一の悲劇が、なんともやり切れなかったです(ノω・、)
人間は、どんなに心が空っぽでも、痛みを感じる生き物なんですよね・・・。

純一を失った空気人形の末路もまたなんとも切なかったです。
純一を失った=空気人形の存在する理由が無くなった=生きる希望を失ったと言うことですもんね。
ゴミ捨て場に横たわる空気人形の姿がなんとも切ない・・・。
でも、ゴミ捨て場に横たわる空気人形の表情から、彼女は十分幸せな時間を味わったことも感じ取れました。
人間は、この世知辛い世の中を何とか生きていけるのは、何かしら微かな希望があるからなのかもしれませんね。

脇役で登場したビデオ屋の店長役の岩松了と、汚職物の刑事映画が好きなお巡りさん役の寺島進が何気にツボでした(‐^▽^‐)

投稿者:dadada投稿日:2011-05-29 18:37:30
個人的にはジトッとしたこの映画の空気感は好きになれません。
冒頭10分くらいから、何度ビデオを止めようと思ったか。
それでも最後まで観てしまったのは、やはりヒロインの魅力なのかなぁ...
投稿者:hayate9投稿日:2011-04-12 19:36:43
手塚治虫氏のダッチワイフに魂が宿る「やけっぱちのマリア」(泣けた)を読んだばっかりだったので、なんとなく観てしまった。
※「空気人形」の原作は違う漫画家の作品です。(こちらは未読)

是枝監督作は間が長いというか、淡々としているというか・・・嫌いじゃないけど〜といつも思うのですが、今作はペ・ドゥナの瑞々しさが印象的でなかなか面白かったです。
下の方も書かれていますが、私も日本人でこの役をやれる人気女優って誰だろう??って考えました。でも70年代ならともかく、今は脱ぎたがらないでしょうからねぇ・・・。
投稿者:nabeさん投稿日:2010-12-30 17:44:28
空気を入れて膨らませる人形が心を持ってしまった悲しさを、シュールな演出で淡々と描くファンタジー。
リアルな観点で観てしまうと、おかしなところは少なからずあるが、そもそもファンタジーなんだからそこは言いっこなしだろう。むしろ、空気人形を通して都会の現代人の孤独感をリアルに描いていて秀逸である。
とにかく主役の空気人形を演じるペ・ドゥナが可愛くてキュートだ。彼女が街を歩き廻りながら様々な発見をするシーンは、本当に清々しい。それに比べて他の登場人物は全員どこか変な人達ばかりである。変だけど間違いなく都会にいそうな人間臭さがあり、その孤独感が空気人形との接点を通して伝わってくる。
心を持ってしまった人形と心を持てない人間はどちらも不幸であり悲しい。
投稿者:bond投稿日:2010-12-24 09:25:32
なんか「シザーハンズ」的なノリを感じるが、ありえない事だけどシュールに展開する。彼にも空気栓があったと思ったのね。
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2010-09-13 21:33:16
【ネタバレ注意】

空気人形が最後に取った行動で、本作の価値が急激に下がったように感じた。空気のように軽い彼女は命の重さを知らなかったという事なのだろうけど。それならどうやって死体をゴミ捨て場に運んだんだ。そして最後に彼女が吹く息でタンポポの種が舞う街のショットで終わらせるべきだった。結局板尾とARATAとオダギリ以外は有名キャストの役割が不明なまま。

投稿者:uptail投稿日:2010-04-24 18:14:10
ペ・ドゥナ
投稿者:mototencho投稿日:2010-04-14 17:23:00
実は手掛けた作品のジャンルは多岐に渡る
映画作家、是枝裕和
最新作の「空気人形」は
ファンタジーなんだけど、残酷でエロティック
http://mototencho.web.fc2.com/2009/kuukin.html
投稿者:はこまる投稿日:2010-01-16 01:29:48
「もし、人形が言葉を話すことができたら、人間にだけはなりたくないと叫ぶでしょう」(押井守『イノセンス』(04年)より)

心を持つ人形という古典的な物語ですが、その感情を持ってしまったダッチワイフが、男達に薄汚い精液を注ぎ込まれながら思索を繰り返すところがユニークな作品です。こういった題材の業田さんの原作漫画が存在しているのは不覚にもまったく知りませんでした。

即興的な演出で佳作が多く、海外でも評価が高そうな是枝監督作品ですが、正直言って私とはあまり相性がよろしくありません。ただ、相変わらず撮影と編集はデリケート。オープニングからカメラに雰囲気があるなと思ったら台湾のリー・ピンビンでした。美術は種田陽平。ハサミは監督自身が入れているようですね。
しかしながら、中身を見てみると、タンポポの種が表している浮遊感、つまり、行き場をなくしてさ迷う現代人の孤独な心がカメラでタラタラと語られるスタイルには「いい気なもんだ・・・」という感情も浮かんでくるのも確かです。その辺りに付き合いきれるかどうかで本作の評価は変わってくると思います。切実感が感じられないのは↓の方でも指摘されていますが、出て来る人物が類型的にしか扱われてない、もしくは共感を拒絶するように描写されているからでしょう。ラストでバルタザールのように横たわる人形のショットは存外悪くないのですがね。工場に帰るシーンがありますが、ちょっと幼稚な感じがしました。全編感情をオブラートに包み過ぎながら、露悪的なものをいちいち強調しているので、どっち着かずになっています。確かに孤独や代用品といった記号をエサにしている為、ブログ向きの古臭い現代的な作品ではありますな。

にしても、作者の視点はともかく、ここでのぺ・ドゥナの素晴らしさはどうでしょう。パク・チャヌクの『復讐者に憐れみを』(02年)ではムダ脱ぎっぽい感じでガッカリでしたが、本作ではその美しい裸体を惜しげもなく晒して見事です。
では、現在活躍されている日本の女優さんで、空気人形の役を誰がやれるだろうかと考えてみましたが、フカキョンではエロ過ぎ、宮崎あおいでは華奢過ぎ、蒼井優では生々し過ぎ、綾瀬はるかはサイボーグ、コオちゃんでは怖すぎ、由紀恵ちゃんでは清楚過ぎて床の間しか似合いません。北川景子だったら折檻されそう。ここはやはり、その手足の長さと棒の演技力から長澤まさみちゃんが適役なのでしょうが、もちろん東宝がそんなことを許すはずがありません。
どういった経緯でぺ・ドゥナにオファーが回ったのかは分かりませんが、日本映画を見ていて久しぶりに生々しい「肉体」を堪能しました。半島の女優さんはやはり根性が違います。まあ、ふた昔前くらいまでは、日本の女優さんもこれくらいやってたんですけどね・・・。

製作プロダクションは『ディア・ドクター』と同じくテレビマンユニオンです。初のベストワンおめでとうございます。(弟子の方ですが)
投稿者:kuro投稿日:2009-11-29 17:54:07
【ネタバレ注意】

劇画を実写化したために、劇画だと質感に差がなくて不自然でない描写も実写だといささか不自然なところも多いです。
ふつう変化に気付くだろうとつっこみたくなります。
設定が元々あり得ない設定なのですから我慢するとしても、原作が絵であることの限界を感じます。
また恋人を誤って殺してしまうシーンがあります。ホラー的な要素はできるだけ排除して欲しかったところです。
ラストは女優ではなくて、空気の抜けたダッチワイフにして欲しかったと思いました。エロティシズムと恐怖は刺激の重大要素でしょうけど、若向きの映画とは言え描き方が少々拙い。
そんな枝葉末節の気になる点を除けば、都会に生きる現代人の孤独、寂しさをよく描いています。
現代人の孤独が、相手の立場になって考えられない、自分本位であることに起因していることを描くことで、きちんと現代人に解決策も与えています。


投稿者:ビリジョ投稿日:2009-11-14 02:04:15
【ネタバレ注意】

 是枝裕和監督といえば「リアリズム」だと私は思うのだが、これはまた、「あちら」と「こちら」の境界のお話。「あちら」と「こちら」の境界は、「こちら」側にあるのだな、たぶん。
 性欲処理人形は、心を持っても性欲処理人形だ。人間ではない。その証拠に、「僕もそうだ」と言う青年は、腹を切ったら空気ではなく血が出てきたではないか。これは「あちら」なのか「こちら」なのか。
 「こちら」を最も具象していたビデオ店の店長は欲望のまま行動し、生卵はしかしサルモネラ菌とかがいて危ないと私は思うのだが、それでも生卵の中にカラが入っていたら気になるわけで、暴力が発生する余地があるわけだ。性欲処理人形は、性欲のみならず、暴力を誘発し、「あちら」の世界に足を踏み入れつつある種々の人々を「こちら」に引き戻す。
 ゴミ捨て場の人形が「きれい」なのは、「こちら」の世界のよさに気づいたから、というような、能天気な理由では、たぶんあるまい。

 板尾創路は、どうなんだろうねえ。設定からしてお笑いの人の方が配役しやすかったのかもしらんが、も少し達者な俳優の方が良かった気がする。難しい役だし。

投稿者:黒美君彦投稿日:2009-11-09 01:13:50
【ネタバレ注意】

『歩いても歩いても』で唸らされた是枝監督に、韓国の若手女優のなかでも抜きんでた存在感を示すペ・ドゥナの組み合わせ。期待を裏切らない作品だったことは確か…なんだけど。
原作は未読。毒に満ちた大人の童話は、リー・ビンビンの的確なカメラと不思議にたゆたう浮遊感で高い完成度。中味が空っぽ=空虚な人間たちと、心を持ってしまった空気人形とどれほどの差があるというのだろう。人間とて「死んでしまえば燃えるゴミ」。そんなメタファーがあちこちに散りばめられているが、正直単純過ぎる図式が難点か。残念ながら、物語やばらばらに登場する人物像は類型的であり、驚くべき展開があるわけではない(途中で筋がある程度読めてしまった…)。

だがそんな危うい物語の中にあって、輝かんばかりのミューズを演じたペ・ドゥナがすべてを救っている。期待を裏切らなかった、というのはまさにその点だ。
若い美人女優として韓国ドラマに多数出演しながら、その都度異なる役柄を自らの役として昇華し、時にトイレで気張る演技まで見せてコメディエンヌとしての才能も存分に発揮するペ・ドゥナ。彼女はこの作品で天使のような透明感を表現しきっている。ぎごちない片言の台詞も、表情も、歩き方すらも“空気人形”そのものになりきっている。
レンタルDVD店で純一(ARATA)に息を吹き込まれるときの官能的な表情。無垢な少女っぽい表情が、エロティックな表情へと変わる瞬間。何と美しいラブシーンだろう。まさにこの作品はペ・ドゥナに始まり、ペ・ドゥナに尽きる映画だといえる。

似て非なる作品として『ラースと、その彼女』(07年米・クレイグ・ギレスピー監督)を思い浮かべた。同じように性的ドールをめぐる話でありながら、『ラースと…』がドールを心から愛した男の話であるのに対し、この作品は、愛されることを望みながらそれが満たされない人形の側の物語。愛されないまま「ゴミ」になっていく「人の形」をした「空気人形」は、多くの愛されることを望みながらかなえられない人の心そのものでもある。
もちろん最後に風に飛ぶタンポポの種は、希望らしきものを暗示してはいるのだが、それすらもまたどこかへ飛んで行ってしまいそうな危うさを孕んでいる。
エロせつない作品。観終わった直後は「なんだかな」という印象が強かったが、どうやら心には深く刻まれてしまったようである。

投稿者:リEガン投稿日:2009-10-27 17:33:16
特別可愛いわけではないけれど、とにかく素晴らしい。本作は彼女に尽きる。
投稿者:FFF投稿日:2009-10-21 09:07:01
空っぽの心を満たすこと、の美しい、醜い風景の数々。
ストーリー追いかけたい人は見ない方がいい。
ペ・ドゥナきれい。
投稿者:阿里不哥投稿日:2009-10-11 03:30:38
危なっかしい印象もあるんですが、
ぺ・ドゥナの魅力やらリー・ピンビンによる映像やら、
すべて相乗して素晴らしいファンタジーに仕上がっていたと思います。http://blog.livedoor.jp/tr4txx/archives/51733029.html
投稿者:yuuki投稿日:2009-10-10 22:01:47
予告編を見て期待したのだが物語の強度が弱い。ラストはピンク映画の才能ある監督がやりそうな表現で良かっただけに2時間の尺では長いと感じられた。70分で十分じゃないか。心を持った人形の定義付けが曖昧なのが良くないのかもしれない。心を持って恋する人形を演じたぺ・ドゥナは魅力があった。自分はあまり好きではないのだが恋する人形の可愛らしさ、切なさを撮るならマリーアントワネットを撮ったソフィア・コッポラが適任。是枝監督はそんなのも撮りつつ、空気人形と同じと呟くジュンイチをはじめ孤独を抱えてる人間と東京を撮りたかったんだろう。人物たちは特に絡み合うでもなく羅列され描かれているのだが、あえて現実的に描きたかったのかもしれない。ただ、映画のアイディアから想像し得る期待を超えたかというと、そうでもなかった。なので6点。
投稿者:replicant投稿日:2009-10-10 02:05:58
【ネタバレ注意】

原作は未読です。是枝監督が構築したこの世界観は大好きです。だけんどもしかし!何処か、落ち着かない印象が残りました。いや、決して詰まらないワケではありません。内容は大人のファンタジー(人魚姫?)ですから、そのファンタジーに包まれた世界をどう描くかによって共感出来る部分と“ン?”と感じる部分が出来てしまうのは仕方の無いことです。この作品は人によって、かなり評価が変わると思います。オイラはもどかしさを感じましたし、表現したかったことが上手くまとまっていない気がしました。監督が描こうとしていた世界は理解出来るし、それを表現する為の“空気人形”という手段も大好きです。また、その“空気人形”を好演したぺ・ドゥナの存在感も特筆ものです。ペ・ドゥナの代わりに“空気人形”を演じられる日本人女優は思い当たりません。表現もかなりリアルで、その辺りも個人的には好感触でした。観終わって席を立ち歩いていると、後ろから若い女性の声が・・・「最初、全然わからなかったよ・・・アレってそういうことなのね!」みたいな会話も聞こえてきました。観終わって、なんとなくギクシャクした印象は残るのですが、それでも空気人形の儚く淡い存在は小生の心の中に何かを残したのは間違いないです。

「まるで空気が抜けたみたい・・・」という表現の仕方があるように、人間だって所詮は“心”を持った空気人形でしかなく、逆に言えば“心”を持っていることこそが人間であることのアイデンティティというワケです。つまり、なんらかの理由で“心”を失ってしまった人間は空気人形と何ら変わりは無いのかもしれません。しかし、世の中には“心”無い言動や行動ばかりしている空気人形以下の人達がたくさん居ます。あのゴミ捨て場を美しいと感じた人にはまだまだ“心”が宿っているのでしょう。

それにしても是枝監督の進化は留まることを知らないですね。毎回、新しいことに挑戦している風に見えるのはオイラだけですかね?全ての作品に共通しているのは是枝監督が映画作りに一生懸命に取り組んでいる姿勢です。彼が世界に自慢できる数少ない日本の監督なのは間違いありません。

投稿者:Bava44投稿日:2009-10-04 12:33:36
この題材なのに、「未来のイヴ」とか川端康成の「眠れる美女」は読んでいないみたい。

内容面では良いところはあったが、作品全体の完成度は低い。監督は編集に時間をかけたらしいが、確かにどこを切ってもよさそうな映画である。最初のアイデアを肉付けしていっただけで、作劇的にはゆるい。映画館の音で見ないと作品に乗れない。

未完成の映画だから、評価なし。ブログやユーザーレビューで勝手に自分語りするには最適の映画。
投稿者:NYY投稿日:2009-10-03 22:15:44
【ネタバレ注意】

いー作品だとは思うんだけど、重いな。暫くトラウマになりそう。
孤独な人間達を巡る、ちと寒いファンタジーってとこかな。
ていうか、空気人形がダッチワイフのことだとは知らないで見に
行っちゃったから、冒頭でウーロン茶吹きそうになった。
 
          (゚ロ゚屮)屮   
 
下半身絡みの話だから、ピノキオ等より本質的かも。こっちの方が
確実にドン引きできる作品に仕上がってますw。
 
自己完結していて完璧な存在だった人形が幸か不幸か心なんていう
ものを持ってしまい、
何かが欠如していて幸福感を得るのに他者を必要とするし、一度き
りの限りある生を生きるしかない人間という不完全な存在になって
しまった訳ですね。
ARATAの息で生き返ったことで、欠如を他者に充たしてもらう
喜びを知ったが、しかし、やはり人間は不完全な存在だから不幸な
ラストを迎えてしまう。
やはり、人形 > 人間 なのかな。それでも、このお人形さんは
他者との関わり合いの中に喜びを見出したり、心を痛めたりもする
存在になりたかったのでしょう。

出てくる男が、最低な記号みたいなヤツばっかで・・・
板尾が「頼むから、元の人形に戻ってくれ」って言うシーンは、リ
アルだったな。オレ、人形じゃなきゃ立たないんだよって感じ?
無理矢理やっちゃうオッチャンは、ステレオタイプなキャラだった
けど・・・ ダッチワイフを脅して、無理矢理やるかよ、普通。
ヤラれた後に、人工膣というかオナホールというか、あの物体を外
して洗ってる人形の姿がまた痛々しかった。

終盤の意味がよく分からなかったんだけど・・・
このARATAは何なの? 変態なの?
何らかの事情で、写真の恋人が死んでしまって抜け殻のように生き
てたけども、
/遊舛剖気を吹き込む、人工呼吸プレイで恋人を生き返らせる気
分になりたかったのか? それとも、
空気を「入れさせて」ではなく、「抜かせて」と言ってたから、
∋爐剖疉佞ことで興奮するプレイがしたかったのか?
この男には、女の首を絞めないと興奮できない等の性癖があって、
そのせいで恋人を死なせてしまった過去があるとか?
なんか後者のような気がするんだよね〜。

ラストで、ゴミの中で人形に戻ったりしたら数段美しい映画になっ
ていたと思うんだけど・・・
しかし、この人形は、いったん限りある生を生きる人間になってし
まった以上、もう人形に戻ることはできないのでしょう。
あー、心が痛い。この痛みを感じるのが生きてるということなんで
しょうか。やはり、生きてることは健康に悪いよ。

投稿者:SECOND_STAGE_LENSMEN投稿日:2009-09-26 21:28:57
【ネタバレ注意】

 人形の"のぞみちゃん"が心を持って1日目、日が落ちて薄暮の迫る街を俯瞰するショットがある。
 マンションの灯や看板の灯りが蛍のように光るなか、のぞみがビルの上にたたずみ、隅田川を提灯に彩られた屋形船が滑っていく。
 『歩いても 歩いても』の田舎の自然光とはまったく違う光を、東京の街が放っていた。

 それは、フランク・ハーバートの言葉を借りるなら「画面を切り取って、額に入れて飾っておきたい」絵である。


http://movieandtv.blog85.fc2.com/blog-entry-34.html

投稿者:metorometoro投稿日:2009-08-30 01:56:19
R指定になるのは納得。
恋をしたために、心を持った空気人形と人間の純粋なラブストーリーって言うキャッチのわりには、空気人形としての描写がリアル。
このある種の嫌悪感を含めて、そこに、是枝監督によるメッセージがあるのか
もしれませんが、孤独を感じて痛いです。
切なくなる作品です。
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 主演女優賞ペ・ドゥナ 
■ 主演女優賞ぺ・ドゥナ 
 ■ ベスト10第3位
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
 【DVD】空気人形 豪華版 <初回限定生産>2010/03/26\6,000amazon.co.jpへ
 【DVD】空気人形2010/03/26\3,800amazon.co.jpへ
【レンタル】
 【DVD】空気人形レンタル有り
【広告】