allcinema ONLINE オールシネマ 映画&DVDデータベース
検索オプション

扉をたたく人(2007)

THE VISITOR

メディア映画
上映時間104分
製作国アメリカ
公開情報劇場公開(ロングライド)
初公開年月2009/06/27
ジャンルドラマ
扉を閉ざしたニューヨーク──
移民の青年との出会いと“ジャンベ”の響きが
孤独な大学教授の心の扉を開く。
扉をたたく人 [DVD]
参考価格:¥ 4,725
価格:¥ 3,500
USED価格:¥ 1,850
amazon.co.jpへ

 Photos

【解説】
 初老の大学教授と移民青年との心の交流を描いた感動ヒューマン・ドラマ。妻を亡くして以来、心を閉ざす孤独な男が、ひょんなことから出会ったジャンベ(アフリンカン・ドラム)奏者との友情を通じて次第に本来の自分らしさを取り戻していく姿を、9.11以降非常に厳格な措置を講ずるようになったアメリカの移民政策を背景に綴る。監督は俳優としても活躍し、これが監督2作目となるトム・マッカーシー。主人公を演じたベテラン俳優リチャード・ジェンキンスは、本作でアカデミー賞主演男優賞ノミネートをはじめ各方面で賞賛された。
 コネティカット州の大学で教鞭を執る62歳の経済学教授ウォルター。愛する妻がこの世を去ってから心を閉ざしたまま孤独に生きてきた彼はある日、学会出席のためニューヨークへ赴く。そして別宅のアパートを訪れると、そこには見ず知らずの若いカップル、シリア出身の移民青年タレクとセネガル出身の恋人ゼイナブが滞在していた。しかし、彼らはこの時はじめて詐欺に遭っていたと知り、グリーンカード(永住許可証)を持たないために警察沙汰などで国外追放になるのを恐れ、素直に去っていく。だが、あてのない2人を見過ごせなかったウォルターは、しばらくの間この部屋に泊めることに。そのやさしさに感激したジャンベ奏者のタレクからジャンベを教えられ、友情を育んでいくウォルター。ジャンベをたたく楽しさを知った彼は再び生きる喜びを見出し、閉じていた心の扉を開いていくのだが…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
431 7.75
下記フォームからあなたのこの作品に対する採点を投票してください。
メールアドレス年齢性別
評価 (低い←→高い)
12345678910
【ユーザーコメント】
投稿者:TNO投稿日:2013-11-27 21:48:59
リチャード・ジェンキンス扮する老大学教授が音楽と他人への献身に目覚める。"生きる"に似たテーマ。最後の徒労感も似ているが、こちらは、虚無感と言ったほうが良いかも。必死に生きる人には手を差し伸べたくなる気持ちは誰にでも宿っているのだと信じたい。ハーズ・スレイマンの必死さも良いが、ヒアム・アッバスの大人の魅力も良し。
投稿者:asama投稿日:2013-02-18 14:19:55
ヒアム・アッバスが登場するところから、にわかにドラマに深みが
出てくる。母なる存在としての重さはもちろん、中年女性としての魅力も
加わって、さえない老教授の人生が大転換していく。ハリウッドなど、
既存の女優さんには感じられない存在感が素晴らしい。
投稿者:ローランド投稿日:2011-06-11 11:26:35
【ネタバレ注意】

 十年一日のごとくに変わらぬ講義をし、他人の論文の発表などで忙しい
ふり働くふりをしていたお堅い大学教授が、ひょんなことからそれまでは考
えられなかったような趣味と人間関係を得て、苦労を負いながらも生き生き
と活躍する様子をリチャード・ジェンキンスが好演してまして、ハッピーエンド
ではなくてもの悲しい結末ながら、映画終了後の余韻の中では、こんどは
教授が相手の国(シリア)までタレク親子を追って行き、そこで暮らす、つま
りタレクの義父になる、こんなところまでイメージが膨らみまして、ハッピー
エンドのような穏やかで豊かな気持ちになれました。  

 もう男と女の関係になってもいいのにって、世話を焼きたくなるような気持
ちで観ていたら、最後の最後、国外退去をさせられるだけの理由があったこ
とを告白するときにモーナが教授のベッドに行くわけだけど、その告白だけ
で終わって男女の関係はなかったと解釈しても無理のないような抑制の利
いた演出で、作品の品位の高さがこのあたりにも現れているように思われ
ます。  

 論文のことを訊かれて、牋貳未里劼箸砲亙かりにくい・・・・瓩噺世い
け、しばらく沈黙してから犒な言い方を瓩犯疹覆諒曚鬚靴燭蝓△泙燭蓮
モーナが息子のフィアンセを見て爐箸討盥いわ瓩箸覆鵑琉意もなく口に
するあたりに、差別される側も無意識に差別の感情をもっていることなどを
示唆したり、地味ながら作品全体に神経が行き届いている佳作だなって感じ
をあたえられました。  

  音楽が大好きで、鑑賞していて思うのは演奏者が一番楽しいはずと、
自分でも何か楽器を演奏できないものかとやってはみたもののギターもキー
ボード(ハンドルネームは関係ないです)も身に付かず、タンバリンをパシャ
パシャやっていたのだけど、それでも演奏に参加しているようでこれはこれ
で楽しいもの。  ジャズ喫茶のテーブルを指で叩くことから始まって、音楽
好きは打楽器からの参加が簡単でよいみたいですね。 リチャード・ジェンキ
ンスの好演もあるのだろうけど、楽器を通じての人と人との交流にのめり込
んで行くゆく様子が楽しく微笑ましかったです。

 ↓のかたも触れてらっしゃるけど、フェラ・クティの名前が何度かでてきまし
た。 この映画の製作される10年前に死去しているわけだけど、日本ではあ
まり知られていないながら、打楽器だけでなくてホーン楽器も含めた強烈な
リズムのあるサウンドはなかなかの魅力がありまして、ジャズファンなら
「jazz side of fela」がお勧めです。 良いのはサウンド
ばかりではなくて、トランペットやサックスなどでイマジネーション豊かで
エッジの立ったアドリブを聴かせてくれます。


投稿者:いまそのとき投稿日:2011-04-22 11:49:34
アメリカ映画。何の先入観なくシリアスドラマかな思ってと見始めました。見たかったのはこういう映画。かたくなな老教授の心の扉が開いていく様に共感いたしました。他民族都市ニューヨークにいそうな人たちの交流が素直で美しい文体で描かれています。製作費をかけなくてもこんないい映画ができるんです。アメリカ映画の層の厚さに驚きます。見終わってやんわりと浸透します。
投稿者:Normandie投稿日:2011-01-21 02:52:40
人生こんなものだろうと思って高をくくってると
ひょいと足元をすくわれる素晴らしい映画に出会えるもの。
少なくとも前回コメントした映画よりも遥かに心打たれた。
何度も言うけどシンプルな料理がイチバン旨いのです。
自分にはひたすら脇役の印象しかないけど、これは
R・ジェンキンスの俳優人生では分岐点になったと思われる。
賞レースとは無縁だった人。演技とは何か自分のような素人には
は計り知れない世界だがあらためて考えさせられた。
(いきなり脚光を浴びた「ストレイトストーリー」のR・ファンズワースを連想したが
でも彼は誰かさんの代わりに陰でひたすら働いた俳優でもあるからね)
20代でアカデミー賞を取る者、ハリウッドスターは賞の最前列に陣取り彼らは後方に
配置される。理不尽と言ってしまいたい。この映画内容含めてである。
9・11はある意味米国の自業自得的な出来事なのに・・・。

複雑で熱い感情がないまぜになったラストに収束されるように、ニューヨークには
こういう映画がよく似合う。久々にセンスのいい邦題にも拍手。
投稿者:陸将投稿日:2011-01-03 17:40:02
【ネタバレ注意】

妻を亡くし、長年1人で暮らしている大学教授。
その生活は忙しいように見えて、実はそのフリでしかないような空虚なものである。
自分からあえて他者と関わろうとせず、好んで孤独になろうとする。
淋しさと静けさの中で淡々と歩んでいく残り少ない人生。

そんな中である移民のカップルと偶然出会い、そこからゆっくりと人間と人間の真の交流が始まっていく。
その距離感の描き方が絶妙だ。
まるで糸を丁寧に紡いでいくようかのような繊細さが、観る者の心の琴線に優しく触れていく。

特にその極みである、主人公と移民青年とのセッションの場面が最高だ。
ジャンベという西アフリカの楽器から生み出される、心地よくそれでいて力強いリズムが、音楽を愛する者同士の心を通い合わせる。
その時に見せる、今まで仏頂面だったリチャード・ジェンキンスの、まるで子供のような笑顔。

教える側の職に就いている者が、逆に教えられる側に立ち、新たなものを習得する嬉しさ。
そして、国籍が違おうと人間と人間が交流するという喜び。
思わず、音楽の力というものを信じたくなる。

この“人間同士の触れ合い”が中心にあるからこそ、物語の後半でアメリカにおける移民問題が姿を現しても、主人公の行動は偽善や憐れみでないことが分かる。

アメリカという異国の地で、必死に毎日を生きている人々。
そんな人々に降りかかってくる過酷な現実。
まるでパッチワークのような“アメリカ”という国の姿が浮かび上がる。

そんな中でアメリカ人として生きる主人公。
だからこそ、そんな変えられない自国の現実を誰よりも嘆き悲しむ。
赤の他人同士が偶然出会い、そして後にかけがえのない存在になった者同士が国によって強制的に別れさせられる。

ラストで主人公が奏でるジャンベの音は、やり場のない怒りであり、別れを迎えた悲しみであり、そして自分自身への慰めでもあるように聞こえる。

投稿者:mototencho投稿日:2010-04-14 17:03:34
リチャード・ジェンキンス主演というだけで、
映画好きの心をくすぐる「扉をたたく人」
ミニシアター系作品の真骨頂、心に染み入るように残る1本http://mototencho.web.fc2.com/2009/visitor.html
投稿者:ジーナ投稿日:2010-03-14 03:55:39
大学教授(アメリカ人)と不法滞在者という決して珍しくは無い題材ですが、この相容れない二人が信頼関係を築くキッカケとなるアイテムとしてジャンベを取り入れたアイデアが素晴らしかったです。
ゆっくりと少しずつ進行するストーリーにジャンベのリズムがとにかく良いアクセントになっていました。

妻に先立たれ心の通じ合う人のいない寂しさを紛らわせるため楽器に打ち込む教授を演じたリチャード・ジェンキンスの緻密で心のこもった演技は必見です。
心情の機微や優れた品格が自然に感じ取れる演技でした。
なるべく感情を押さえつけようとする演出でしたし、ストーリーも説明的ではないので余計に彼の演技が際立ったのでしょうね。

青年と教授の友情だけではなく、母親との微妙な関係も組み込むなど構成も感心モノですね。
登場キャラ全員の人物描写もとにかく巧みですし、演出も良かったと思います。
欲を言えば、主人公の亡くなった妻のエピソードをもっと盛り込んで欲しかったカナ・・・。

生活感のあるニューヨーク、そしてこの映画の全てを語っていると言っても過言ではないフェリーから見たNYの景観はよく考えられたなぁ〜と思うほど計算された構図です。

9.11を境に取締りが厳しくなった移民制度など今のアメリカが抱える問題に切り込んでいるのでリアリティにあふれているのもGOOD
社会派として捉えると興味深いですが、感情移入して鑑賞していますので、、この無慈悲な現実は重く深刻。

人と人との心理的関係を心をこめて丁寧に描いているので派手さはありませんが感慨深いドラマに仕上がっています。
いたわりの心、怒り、切なさ、悲嘆や情愛を込めたラストの演奏シーンは本当に震えました。
後味が良いとは言えませんが、素晴らしい余韻に浸れますのでドラマが好きな方は是非チェックしてみて下さい。
投稿者:ghost-fox投稿日:2010-02-14 22:17:43
生真面目
投稿者:uptail投稿日:2010-02-01 21:24:59
リチャード・ジェンキンス
投稿者:黒美君彦投稿日:2010-01-31 22:49:40
【ネタバレ注意】

妻と死別した老教授が不法滞在の若いカップルと知り合い、楽器ジャンベを通して心を開いていく…。教授の孤独と9.11以降の閉ざされたニューヨークとを比喩的に描いた佳作…なのだが。
不満なのは、その予告編。つまり予告編にストーリーもいいシーンも、何もかもすべてが凝縮されて入っていたのだ。であるが故に、本編で初見であれば感動を呼んだはずの場面が、見覚えのあるシーンとして登場する。これは映画の楽しみを殺(そ)ぐとしかいいようがない。

リチャード・ジェンキンスは見事な演技。彼を観に行くだけでも、この作品の価値はあるのかもしれない…。

投稿者:幸村和投稿日:2010-01-18 22:23:38
主人公の教授は奥さんが亡くなった寂しさからからそうなったのか、仕事に対しても人と関わりを持つのも無気力で心を閉ざしています。そんな教授が、(故意ではないが)不法に教授の部屋に入居していたカップルと出会うところから教授の人生は変わり始めます。
ジャンベを通じて徐々にタレクに心を開いていく課程は楽しく、教授の心が解けていくのが見えるような心温まる展開です。「ハートで叩いて」というタレクの教え方とそんな教え方をするタレクという青年との波長、そして太鼓という楽器のリズム全てが教授に合っていたのでしょう。そこは心を置き去りにして「指を曲げる」とか技術的な形にこだわるようなピアノとは(というかそういう教え方とは)対照的に描かれていて、さび付いて孤独な教授のハートを変えるのに何が必要だったのか、ということがわかります。
ただ、レポートを遅れて持ってきた生徒に理由の一切も聞かず突き返すほど冷淡に見えた教授が自分の部屋に住んでいたカップルには親切にする部分はやや唐突に変化したように見えましたし、タレクとうち解けるのにももう少し時間をかけても良かったかな、と思います。

それでも教授がタレクのお母さんに「お仕事が忙しいのに無理しないで」と言われてそれに答えるシーンは、教授の内面の変化がとても表れていて感動的でした。きっと教授は自分のことなのに口に出すまでそれに気がつかなかったのではないでしょうか。そして、自分でそのことに気がついたときにはもう一度教授の人生は始まったのです。
そして、笑うことはもちろん怒ることさえなかった教授が、拘置所の職員に対して感情を爆発させて言うシーンも、胸を打つものがあります。人間に対する尊厳を踏みにじるところから9.11は始まったのではないか、と私には思えました。

ラストの地下鉄ホームのシーンはクライマックスにふさわしいシーンです。教授の怒り、切なさもひっくるめて生命のエネルギーを感じます。そしてそのエネルギーはきっと状況を変える力にもなる、そんな予感を感じさせるラストでした。
投稿者:kuro投稿日:2009-10-12 17:50:28
【ネタバレ注意】

アメリカで公開されたのは2年前のようですが、私は2年前だと不法滞在移民の問題を自分たちの問題として受け取れたかわかりません。
アメリカが抱える固有の問題として、ふーんで済ませたかもしれませんし、先日マスコミで大きくとりあげられたカルデノンのり子さんの件がなければ、この映画を高く評価することもなかったかもしれません。
我々日本人もこの問題に向き合わねばならないのだが、日本人は残念ながら私も含めて島国根性が抜けておらず、ネットでは幼稚な排斥意見が大手を振って正論のごとく堂々と垂れ流されている始末。

経済的には何不自由ない恵まれた生活ながら、寂しい老後を送る老教授の心の中を風のように吹き抜けていった、今まで係わったこともなかった異民族たち。
その答えが地下鉄ホームでの太鼓かよ。
それぐらいしかできない、たしかに。でも、映画だろ、これ。観客を喜ばしてくれよ。と観終わった後に、心のなかで叫んでいました。

投稿者:akikoワイルダー投稿日:2009-08-03 14:46:27
【ネタバレ注意】

この主人公の大学教授の役を芸達者なアンソニーホプキンスとか
大根だけどいい味出しちゃうリチャードギアとかがやらなくて
本当に良かったと思う。
この俳優、リチャードジェンキンスはアメリカ版shall we danceで
探偵役をやってて、この人、そういえばいろんな映画に出てるなあ
って、私の中では気になる脇役の一人になった。
その彼がアカデミー賞の助演賞にノミネートされた映画というから
、是非見に行こうと思った。

リチャードジェンキンスがとっても良い。

映画でこの大学教授はたぶん元々、表現する何かに興味のある若者だったと
思う。がしかし、人は将来を考える時、安定した道を選ぶ。偏差値も高くて
お勉強もできれば高学歴、大学教授だってなれちゃった。そして巷の現実
をあまり知ろうともせず、学者として金も地位も名誉もそこそこ手に入れた。

でも彼のあの自信の無い、戸惑いある不幸せな顔はやりたかったこと
をやってこなかった結果の顔。それを実にうまく演じている。
主人公を不法入国者問題に目覚めてて真正面から戦うというよりも
ジャンベを通して彼が変わっていくという話にしたのはすごくいい。
アメリカの人種問題を語ると薄っぺらになる。それより、個の問題に
されたほうが心にすーっとしみいってくる。

最後にジャンベをたたく。まだまだ、サマになってない。不器用。
でもあそこで怒りをこめてたたいたことに大きな意味がある。
そしてこれから始まる主人公の世界は開いたばかり、始まったばかり。

いい映画でした。

投稿者:ビリジョ投稿日:2009-07-24 00:31:11
【ネタバレ注意】

 地味で善良な人しか出てこない映画。なのに、怒りと、叫びが、力強く伝わってくる。終映後、席を立つ気にならなかったのは、ジャンベの響きのせいか。
 ストレートな体制批判の映画だ。人種問題は、彼の国では目新しいテーマではないのだが、本作を見ると、新しい段階に入っていることがよくわかった。

 主人公を冷たくあしらく入管の係員は、アフリカ系である。地下鉄の警官二人も、アングロサクソンではなかった。美男も美女も出てこない、銃撃戦もアクションもカーチェイスもない、地味な俳優と地味な演出で、アメリカの問題と人間の心の機微をこれだけ鮮やかに描く。ちょっとした名作映画に出会った、と思った。

投稿者:hayate9投稿日:2009-07-19 16:06:49
基本はジム・キャリーの「YESマン」と同じ「NOマン」が主役の映画です。
9.11以降のアメリカの移民問題をからめてあるんで、日本人にはちょっとピンとこないかもしれません。でも、映画が終わった後も考えちゃうんですよね。
最初に出てきた学生の提出が遅れた理由・・・聞く耳もたなかったけれど、教授はあの後変わったのかなぁ。

リチャード・ジェンキンスは教授そのもの。上手い。
タレク役のスレイマンはいいヤツを演じてきってはいたものの、上手いかどうかはよくわかりませんでした・・・。
投稿者:replicant投稿日:2009-07-03 01:08:06
【ネタバレ注意】

子供は独り立ちし、ツレは他界。食べるに困らない為に惰性で余生を生きているだけの大学教授・ウォルター。ツレが残したピアノを習ってみるが上手くいかない。ひょんなことからアフリカ系の若者と知り合って・・・。多くの人は人に関わって初めて輝くモノなんですが、誰でもいいわけじゃない!生きていくってことは、その辺りが難しいんでしょう。ウォルターは自らピアノを習おうとしていたワケですし、やはり自分からバンバンしないと何も始まりません。『アフタースクール』じゃないですが、世の中がつまらない!と言う奴は、そいつ自身がつまらないからだ!というのと一緒で、自ら欲しない人はダメです。それにしても、ウォルターがモーナ(青年の母親)に秘密を告白するシーンは胸に迫りましたねぇ・・・。まぁ、秘密でもなんでもないんですけどね。そして、彼に残ったモノは?彼はもっと素晴らしい余生を過ごすことが出来る人間になるでしょうね。たまには欲望(素直に欲する気持ち)に身を任せるのも悪くないですよ。

リズムってのはテクニックなんか要らないし、自分の感じるままに叩けばいい!そんな単純な動き、内からの衝動が彼のような老人には良かったんでしょうね。ただただ叩けばいんですから!それは人間が本来持っている太古のリズムに通ずるのかもしれません。原点回帰?主演はリチャード・ジェンキンス!まぁ、映画ファンで彼を観たことは無い人はいないでしょう。初の主演。上手いです!完璧です!さらに!トム・マッカーシーも初監督作品としては申し分ないでしょ!これからは監督業なのかな?

投稿者:リEガン投稿日:2009-07-02 09:31:34
9・11の悲劇がもたらした多民族国家の変節。戸惑い苦しみ憤りながら、その現実に毅然と向き合って生きていく人々を描いて、感動的だ。莫大な製作費や大量宣伝とは全く無縁の、これもアメリカ映画。その幅と底力をあらためて思い知った。本作でオスカー・ノミニーのリチャード・ジェンキンスは言うまでもなく、息子の拘置に心痛める母親を演じたヒアム・アッバスがまたいい。オバマのアメリカは“寛容”を取り戻せるだろうか。
投稿者:ASH投稿日:2009-06-29 15:14:46
【ネタバレ注意】

 ジャンベの響きが心を刺激する。鑑賞後にジワジワと効いてくるボディブローのような映画は、新旧を問わず年に何本かは出会えるものだが、コレなんかまさにそんな逸品。地味ながらも味わい深い作品に仕上がっているのは、主役を務めたリチャード・ジェンキンスの好演に因るところが大きい。

 日本に住んでいると身近な問題としてなかなか感じられないものだが、ここ最近のアメリカにおける移民政策がこれほど厳しく融通が利かないものだとは知らなかった。それは9/11を経験したことから、ある意味、仕方のないことなんだろうが、移民で成り立った国にしてはあの措置はあまりにも不寛容すぎる。些細なことで逮捕され拘留されたタレクを助けようにも、一介の大学教授には何もできない。自分の無力を思い知るウォルターはそのことで声を荒げる。彼のどうしようもない苛立ちが観客にも痛いほど伝わってくる。

 妻に先立たれ、生きてゆく意味を失いかけていたウォルターが、ジャンベを叩くことで奏でられるリズムによって精彩を取り戻してゆく。音楽が人の心にもたらす作用がよく分る素晴らしい描写だ。確かに、あの3拍子のアフリカン・ビートは心を熱くするものがある。閉ざされていたウォルターの心の扉が、ジャンベのリズムによって次第に開かれてゆく。ウォルターにジャンベを教えたのは他でもない、不法滞在者であって犯罪者ではない移民の青年であるタレクなのだ。

 9/11以降、閉ざされてしまったNYをウォルターという人物に体現させて描かれていることに気付く。ウォルターの閉ざされた心の扉をたたいたのは、シリアから来た移民の青年なのだ。ここに、この映画の大きな意味がある。理由はどうであれ、不法滞在者はテロリストと同等とみなされ、強制送還されてしまう。こんな間違った移民政策が9/11の犠牲の名の下にまかり通っているのだから、なんともやりきれない話だ。何事にも無関心だったウォルターが自分のことのように怒りをぶつけてしまうほど、理不尽なのだ。拘置所の待合室の壁に貼ってあるポスターのフレーズが皮肉に聞こえる。

 しかし、この映画は、そういった政策の問題点を挙げて批判することに重きを置いているわけではなく、自分とは違う世界にいる人と出会ったことで生きる意味を見出した男の物語としての比重が高い。9/11以降にその数が増えた、喪失から立ち直り、再生をしようとする男の物語として描かれているのだ。もしこれが社会派ドラマとしての比重が高いのであれば、ウォルターはすべてをかけてタレクの釈放に尽力をし、最後には報われるのだろうが、この映画はそうはしてない。タレクとその母のモーナ、そしてジャンベは彼の立ち直りのきっかけなのだ。

 すべてにおいて無気力で、忙しいふり、働いているふりをしていたウォルターが突然の「訪問者」たちによって生気を取り戻してゆく。喪失の悲しみは確かに辛いものだが、いつまでもふさぎ込んでもいられない。そこから新たなる一歩を踏み出さなくてはならない。そういう力強いメッセージが、この映画で一番描きたかったことだと気付いたとき、深い感動が胸を打つのです。ウォルターが駅の構内で一心不乱にジャンベを打つ姿に、ジンワリ…。

 さて、そのお姿はいろんな映画で見かけるリチャード・ジェンキンス。初主演作で堂々とオスカー候補となったわけだが、それも納得の一世一代の名演を披露。その表情だけで、ウォルターという人物が何を考えているのかが手に取るように分る演技はお見事。ジャンベに夢中になり、四六時中、掌を♪パコパコ♪と叩いている姿は微笑ましいくらい。あの独特のリズムが、心の奥にある生気のようなものを呼び覚ます作用があるのかも、と思えるくらい、コチラもジッとしていられなくなるほどの響きが心地よい。

 かように、劇中に響く音楽も重要な要素なのだが、さりげなくアフロ・ビートの創始者と言及されるフェラ・クティへのリスペクトも盛り込まれている。本編中にはその演奏は少ししか流れないが、ウォルターでなくともあのビートには熱くなる。当たり前のことだが、世界にはまだまだたくさんの音楽があるもんなんだなぁ…。

 最後に、コメディでは「ヘンなおじさん」をやることが多いジェンキンス。最近のコーエン兄弟の「BAR」は別として、「ギリ首」「D&J」「俺ステ」での怪演が好きな僕としては、このままシリアスな俳優さんに路線変更してもらいたくないなぁ、なんて、勝手なことを言ったりなんかして。

投稿者:metorometoro投稿日:2009-06-20 13:38:01
ずっと孤独で暮らしていると、人生そんなものだろうって思えてくる。でも、一旦、誰かと関わると、孤独が耐えられなくなる。
不法滞在の青年と出会ったことで、孤独な教授の人生が変わっていく過程が、現在のニューヨークの現状を通して、とても良い感じで描かれてると思います。
9.11以降、不法滞在問題に厳しくなったニューヨーク。この映画では、不法滞在者側に感情移入してしまうけど、善悪はよくわからない。
そう言うことを考えるきっかけにもなる作品です。

【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
 【DVD】扉をたたく人2009/11/20\4,500amazon.co.jpへ
【レンタル】
 【DVD】扉をたたく人レンタル有り
【広告】

【スポンサーリンク】



【スポンサーリンク】



allcinema SELECTION

allcinema SELECTION