沈まぬ太陽(2009)
【クレジット】
【解説】 『白い巨塔』『華麗なる一族』の人気作家・山崎豊子が綿密な取材の基に書き上げた渾身のベストセラー巨編を壮大なスケールで映画化した社会派ヒューマン・ドラマ。激動の昭和30年代から60年代を背景に、巨大組織に翻弄され、海外僻地への左遷や歴史的な航空事故、政界をも巻き込む会社再建といった波瀾の渦中に図らずも身を置いた主人公が不屈の信念で過酷な状況を克服しようともがく姿を通し、人間の尊厳とは何かを問いかけていく。主演は「硫黄島からの手紙」の渡辺謙。監督は「ホワイトアウト」の若松節朗。 国民航空の労働組合委員長を務める恩地元。職場環境の改善を会社側へ訴えていた彼はやがて、海外赴任を命じられる。それはパキスタンやイラン、ケニアなど、まともな路線就航もない任地を転々とさせられるという、あからさまな懲罰的人事だった。だが、恩地は自らの信念を曲げることなく、長きに渡る海外勤務を全うしていく。一方、同じく組合員として共に闘った恩地の同期、行天四郎。彼はその後、本社での重要なポストと引き換えに会社側へ寝返り、エリートコースを歩みながら恩地と対立していくこととなる。こうして10年ののち、孤独と焦燥感に苛まれた海外転勤から、ようやく本社へ復帰を果たした恩地。しかし、会社側に苦境を強いられている組合の同志たちと同じく、恩地も不遇の日々を過ごすことに。そんな中、航空史上最大のジャンボ機墜落事故が起こる。恩地は遺族係に就き、未曾有の悲劇の数々に遭遇する。また、国民航空の建て直しを図るべく政府の要請で就任した新会長から会長室の室長に抜擢された恩地の前には、さらなる苦難の道のりが続くのだが…。 【ウェブリンク】 【ユーザー評価】
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で、JALです。JALはやはり良いです。至れり尽くせり、飯も美味い!・・・でもねぇ!高い!予算があるロケはJALで行けますが、予算の無い場合は外国の航空会社になります。これってどういうことなんでしょうね。赤字なんだったら安くしろよ!と言いたい!一度つぶした方が良いと思うのはオイラだけじゃないでしょう。「年金を減らされちゃ困るよ!」とかアホなことを言ってるOBに税金から金を払うなんて絶対にあり得ない!つぶれたらゼロになるということを分からせた方がいいですよ。まぁ、彼らのせいじゃないんでしょうけどね。
やはりあの原作を映画化した、というだけで評価してしまいます。国民航空という半官半民企業を舞台にした戦後の物語。恩地元のモデルは東大駒場祭の初代委員長を務めたという小倉寛太郎氏(02年死去)。もちろんフィクションですから相当フレームアップされてわかりやすい勧善懲悪にされているな、と感じられるシーンも少なくありませんが、ともかく末期的な経営難に落ち込んでいる(09年末現在)某航空会社の内実がそれなりに描かれているのは間違いないでしょう。
そうしたなかで「矜持」を貫き通した恩地(渡辺謙)と、野心に身を委ねた行天四郎(三浦友和)の対照的な生き方は、わかりやす過ぎるとはいえ、両者の好演もあり、面白く観ました。とりわけ恩地の「波に乗る方が大変かもしれない」(うろ覚え)という言葉は、生きていく上での選択の難しさを感じさせます。
何せ分厚い原作をこの時間でまとめあげたわけですから、エピソードの乱立や感情の浅い描き方に難がないわけではありませんが、他にも指摘のあるように70年代社会派娯楽映画の王道を継承する作品として評価したいと思います。
それにしてもまだ日本航空ではこの作品をめぐって「法的対応」がどうとか言っているとか。目くじらを立てれば立てるほど不利に働くってことがわからないのが、国策企業の愚かな面ではあります。
山崎豊子氏の作品では唯一原作を未読のまま映画を観ました。
まず、ジャンボ墜落の赤裸々な場面と何百と並ぶ棺に圧倒され、涙が止まりませんでした。
渡辺謙さん演じられた恩地元は、確かに正義を貫いた矜持を持つ男なのかもしれません。しかし私には三浦友和さん演じられた行天四郎の方が非常に深く印象に残りました。
それは、誰にでもある(と思う)人間の嫉妬、揺れる思い、出世欲、醜さ、などを、行天の中に私が見出したからかもしれません。
恩地が最後に行天に言った「お前、淋しい男になったな」同感ですが、やはりその時の行天の心中を察すると、どうしても行天に魅かれます。
そして、途中から恩地を裏切り、行天の部下となった八木和夫演じられた香川照之さんにも非常に共感できました。この方はお若いのに物凄い存在感のある演技をなさいますね。最後に「恩地さんの顔が見たかった」そして行天に電話し「あなたにまもなく良い知らせが届きますよ」・・・その後、断崖絶壁の海から投身自殺したのは、ショックでした。
また、「孫夫婦に『ジャンボは絶対落ちん。だから車でのうて、飛行機で来い』と言ったのはわしなんじゃ」と、自分の愛情の一言を責め、最後にはお遍路に旅立つ老人、阪口清一郎演じられた宇津井健さん。たんたんとしたその演技に、ただ言葉も無く姿を追わせて頂きました。
山崎豊子氏の作品に出てくる人間は、私には皆、「全くの善人も、悪人もいない」そう思えます。恩地ですら例外では無い・・・所詮、人は人でしかありえない・・・素直にそう思えました。
この映画を観て、静かな涙が伝いましたが、終わった後しみじみと「人は生きているのではなく生かされているのだ。もっと謙虚に、与えられた人生を大切に生かさせていただきたい」そう思わされました。
生きる勇気と、励ましを頂きました。
この映画を観て本当に良かったです。
私は日本映画はほとんど観ず、感動もしないのですが、これは素晴らしい例外でした。
あと、恩地がニューヨークの動物園で見たライオンの檻に書かれていた言葉「世界で一番危険な動物」それは、人間ではないでしょうか?
様々な事をこの映画は語りかけてくれます。
文句なしの☆10個です。
この映画に携わった全ての国々の方々お一人お一人に、心からの感謝を申し上げます。
それにしても色んな見解ができる作品で、現在の労働法ができるまでの1会社のサンプルというものでしょうか。そういえば〜〜〜て感じで、
組合VS会社、組合組織人の会社の扱いなんて、あの時代ってそういうのあったろうに。渡辺謙の不遇な左遷や、まぁ、左遷といっても、受け取り方さえ良く思えば、なかなかできない土地での暮らし、また、左遷扱いではあったが、仕事ができる人、っていうのもあって仕事人としては会社からも認められた実力があってこそ。晩年のケニヤ暮らしっていうのも、その頃のキャリアが物言うわけで。
会社の不当さって、こうやって、だんだんと労働者によって人権を持つべきものとしてきたのかなぁ、と。
1985年なんて、けっこう前だけど、人の働く時代としてみたら、ほんのちょっと前なのに、こんなに汗臭いというか激動な時代を反映させていて、
それで現在がある、平和に仕事ができて暮らせる事の幸せを噛み締めることができる点もなかなか良かった。
なので、70年代、80年代、90年代と渡辺謙のスーツのスタイルの変遷も見事でした。
あ〜あ〜昔ってそういう色合いとデザインのサラリーマンって姿だったなぁ、と。現代シーンではタイトスリムなスーツだったり。
何より、皆、愛社精神や愛国精神が出ていて、古臭さが濃厚でした。
でも、それがあの時代の「永久就職」でもあったわけだ。1つの事をガンバル、っていう感じで会社人間が美徳とされる日本。
それが現在にも生きる頑固な思想である年配の思想観念っていうのも解った。
でも、それが全てじゃないのよ〜wって思うけど。
日本人の特質とも思っていたけど、時代に国民が奮闘していたと実感できた。
今は欧米的に「人」としての暮らしの中に「仕事」がある、って日本文化もなってきているよね。難点は序盤のアフリカゾウを撃ち殺すCGなんだが、もうちょっとましなCGにはならなかったのだろうか。ラストのアフリカシーンで各野生動物の群れが写るシーンがあったが、ラストにアフリカスイギュウの群れはないだろう。
アフリカといえば、オグロヌーの方が解りやすくアフリカだったのに。
そしてキャスト。
まぁ、主演の気合と魂を入れて作品化したという話がわかるくらいの熱演ぶり。まぁでもこの人のこの演技はちょっと飽きた。脇に回っていい味を出して欲しいんだよねぇ。
懐!と思う清水美砂、鶴田真由、烏丸せつこ、田中健の発見にびっくり。まだおったんかい、みたいな。加藤剛も滝田栄と区別つきづらいし、柏原崇も柏原弟か玉山鉄二か区別つきづらいw鈴木京香も、ちょっと・・・お母さん役にするにはちょっとイメージわかない感じ。嫁や小さい子供にはいいんだけど・・・・
ま、でもイイお子さん達だったこと。二人とも親思いな兄妹だった。
彼らが成長するまでの社会からの意地悪って、昔はよくあったし、日本ぽいし、最悪なのに折れずにまっすぐな人間と成長したのはすごい。
さすが映画だけあって、いたるところに名優が出演していた。
この映画を観た後に実際の本人の講演も存命なうちに聴いておけばよかったと心から思いました。
仕事として、他者に負けず、支援してくれた人を思い継続して仕事をやりきり、アフリカの野生の自然を見る暮らしをした経験をもつ人なんて、
人としての強さを持ち続けたとても魅力的人である。
原作が長い文、映画時間も長いが、葛藤がたくさんある中、どんな時代にも「自分」を持ち続け、「仕事の責任」も持ち続けたヒロイズムな精神を学んだ感じです。とにかく色んな立場の人々がいて、その誰からも色んな考え方と行動した事が悪いものというものがない。その時起きた事実にどう立ち振る舞うか?どう考えるか?どう行動するか?ツライ人もたくさんいるが、皆乗り越えなければならない現実でもある。
皆、生きるのに懸命だったからこそ、アフリカの野生と合い通じるところがあるのかもしれない。アフリカの夕陽は世界一美しいと言われているだけに、沈まぬ太陽のエンドロール時の太陽は見ごたえがあった。誰が悪いというわけのものはなく、それぞれの問題、葛藤など、複雑な思いが交差する人間模様は、現代現在を生きる我々も同じ立場である事を強く感じさせた作品。http://idolhappiness.web.fc2.com/hoppy.html
悪貨は遂に良貨を駆逐した。破滅の予感が現実のものになりつつも、2000年代以降(表向きは)不死鳥の如く蘇り、いよいよ隆盛を極めた感のある日本映画。現れるべくして現れた大作です。企画発表から3年。映像化を成し遂げたプロデューサーさんにはまったく頭が下がります。制作費はこれも驚きの20億。
原作は既読。ダイナミックなストーリー、そして渡辺謙入魂の演技もあり最後まで退屈はありません。が、感銘が薄いし、正直言って何かが足りない、という思いが終始付きまとう映画に仕上がっています。一体何なのでしょうか。しかし、来年の日本アカデミー賞くらいなら作品賞以下主要な部門を独占するくらいの完成度はあるんじゃないでしょうか。「テレビドラマみたい」「脂ぎってねーじゃん」と言うご意見はごもっともですが、製作にテレビ局は絡んでいないようです。まあ、個人的にはそれだけでも好感度もup。それに、あくまでも映画的な重厚さにこだわり、お茶の間(DVD)で見られることを拒絶したかのような心意気はよしとしなければなりますまい。あの長大な原作をダイジェストしなければならない為に、どうしても展開に舌足らずなところが散見され、ドラマとしてのうねりが平淡過ぎますが、現在の日本映画の水準からいけば、この出来はむしろ健闘していると言えなくもありません。
カメラは山田組の長沼六男ですが、クレーンを使った大掛かりなロケセットの撮影や、様々なルックに対してかなり柔軟な対応がとられており、この技術的な強度も本作の重要な見所になっています。不謹慎ですが、冒頭のジャンボ墜落地点におけるカメラワークや、遺体安置所のショットなどは特に圧巻です。ワンカットの牛丼屋のシーンもいい。
物語は、組合運動華やかりし頃、高度経済成長期から昭和が終わる寸前までの時期が舞台となっています。作りも往年の70年代大作風ですが、本作を映画化するに最も相応しい男であるはずの山本薩夫はすでに鬼籍に入り四半世紀。彼の死後、個人の内面へと向かい、社会の中の人間を描くことをやめてしまって久しい現在の日本映画では、こういった骨太な社会派作品を撮ることのできる監督を探すのさえ難しい現実があります。筋金入りのアカだった山本(師匠は成瀬巳喜男)は、富と権力への怒りというエネルギーを娯楽というドラマツルギーに変える魔術を持つ男でした。もし山本が本作のメガホンを撮っていたら、おそらく太陽航空をめぐる男達のパワーゲームにその本領が発揮されたはずです。が、その怒りさえ消え失せた現代において、若松節朗監督と脚色を担当したベテランの西岡琢也は、作品の主眼を真っ黒な権力闘争の中で吹き出てくるドロドロとした人間の本質には置かず、自己の信念を貫き通した男の矜持の物語に適度に収束させてゆきます。まあこの辺り、原作通りではあるし、かつてとは違い俳優さんもかなり小粒になっていますから、これは仕方のない
ことかもしれません。
キャストは最初に言ったように渡辺謙が文句無しの名演。『天と地と』(角川)における降板劇のリベンジを見事に果たしています。感情移入を呼び起こす肌理の細かい演技にはその辺りへの想いもあったのでしょう。また、最近アメリカ映画絡みで(私的に)かなりモノマネしやすい人になっていましたが、ちょっと見直しました。でも、象さんは殺しちゃダメ。相手の友和は相変わらず。松雪泰子は偶然により命を救われながら遺族を裏切る難しい役ですが、原作からかなり出番が削られている為に、ちょっと説得力に欠けるキャラクターとなり残念な結果。彼女と友和による遺族名簿をめぐるホテルでのシーンはかなり・・・。あんたたちヘタ過ぎです。
21世紀に入り早くも10年。会社も変わり社員も変わり、日本も日本人も変わり、そして映画も変わってしまいました。欠点の多い大作ですが、映画であろうとする潔さは持つ作品であることは確かです。
爽快感をまったく無くしたような映画だった。
三浦友和のああいう役はもう飽きた。
たいへん期待していただけにイマイチに感じた。
やはりあの5冊を3時間にするのは無理がある。
今問題になってる日本航空ならびにその労働組合が舞台。
どう渡辺謙が主演としてこの作品を魅せてくれるのかたのしみだが。
公開初日に観る予定なので評価なしw
娘の立場から見ると、この映画の主人公同様、状況は違えど、お父さんって本当がんばってるんだなぁって感謝をせずにはいられなくなる。
国民の立場から見ると、フィクションと言えども、憤りを感じる。
子供の頃、海外に行くのに初めて、JALの飛行機に乗った時、千歳飴とか、飛行機のオモチャを貰ったのを思い出す。墜落事故があった後でも、親の世代は、まだJALが好きみたいだね・・。
今、JAL危ないし、これからどうなるかはわからないけど、今の時期にぴったりな作品だと思いました。
『小説の内容から映像化は困難と見られていたが、2006年5月、角川ヘラルド映画(現・角川映画)によって2008年夏公開を目指し製作されることが発表された。だが、日本航空などからの強い反発などにより、2008年7月の時点で公開の目処は立っていなかった。同じ著者による「白い巨塔」を二度にわたって映像化したフジテレビが2009年の開設50周年にあわせてテレビドラマ化の企画があったが、モデル企業の日本航空に配慮してか、立ち消えになっている。しかし2008年12月角川映画は、2009年秋公開として正式に映画化を発表した。』(以上『ウィキペディア』)
日航機墜落事故の遺族に配慮したのではなく、日本航空に配慮して(もちろん、日本航空に群がる政治家や官僚などにも配慮したに違いない)映画化を断念するあたり、今なお存在するこの問題の在りどころが、いかにも日本的な因習に起因していることを表している。しかも、日本航空は『ご遺族の中には映画化を快く思っていない方もいらっしゃる。』と、まるで日本航空が遺族の代弁者であるかのように、巧妙に自らの映画化反対意思を遺族の意見にすり替えて公表している。“日本航空に配慮した”=“日本航空が強行に反発した”のは、小説がかなりの部分で事実を描いているからだろうと推断できる。事実、各人物のモデルも『ウィキペディア』に詳しい。しかし、小説はあくまでも史実ではなくフィクションである。
確認しておくが、本作の主題は人間ドラマである。会社から疎まれても、会社を辞めず、会社の仕打ちに耐えた男、その男の矜持(キョウジ)=“プライド”を描いている。そして最後に男は、自分が憤ってきたあらゆる問題が、墜落事故で家族全員を一瞬にして失った男の絶望に比べれば、100万倍しても足りないと思い至るのである。「沈まない太陽」…夕日が放つ、人を包みこむような金色の光の矢。男の運転する自動車はケニヤのサバンナを、夕日を追いかけて地平の彼方まで疾走し、消えてゆく…このラストシーンだけでも涙もの。特に激した場面も無いのに、人を惹きつけ放さない映像は長沼六男の手腕である。
日本航空がモデルの企業小説。「総理フライト阻止」ストの際の組合委員長だったことで、10年に及ぶ流刑人事に遇う主人公・恩地元(配役は渡辺謙)の会社内での苦闘を描く。
文体は平易で、多数の登場人物、全5巻の大作だが、スラルラ読める。欲望渦巻く政官財の権謀術策が「華麗なる一族」「白い巨塔」などより淡々と描かれる。しかし、第二部の御巣鷹山篇は圧巻。遺族の引き裂かれた思いが胸に迫る。
映画では、墜落事故後、会長に就任する国見に石坂浩二、恩地と対立する広報部担当重役に三浦友和らがキャスティングされている。
テレビ局のスペシャルドラマのブローアップとか、市井のスケッチをCGの東京タワーでこけおどした紛い物とか、ほんとに低予算のスケッチ映画とか、漫画映画とかが席巻する邦画のなかで、久々の山本薩夫的超大作として期待したい。3時間超らしい。
さらに、20億?ぐらいの予算だそうだが、テレビの放映料は当てにできないだろう、という老婆心。