ボーイズ・オン・ザ・ラン(2009)
【クレジット】
【解説】 気鋭の漫画家・花沢健吾の同名コミックを銀杏BOYZの峯田和伸主演で映画化した笑いと涙の負け組青春ストーリー。30代目前の冴えないサラリーマンが辿る不器用でみじめな恋の行方を熱く赤裸々に描き出す。共演は「グミ・チョコレート・パイン」の黒川芽以、「蟹工船」の松田龍平。監督は、劇団ポツドールの主宰で本作が長編映画デビューとなる三浦大輔。 ガチャガチャを扱う弱小メーカーで働くうだつの上がらない営業マン、田西敏行。仕事でも私生活でもダメダメで悶々とした毎日を送っていた。そんな田西は、純情で屈託のないかわいい後輩社員のちはるに秘かな想いを寄せていた。そして、仕事先で知り合ったライバルメーカーのエリート営業マン、青山の手ほどきで急速に距離を縮めていく。30歳を前にして、はじめての恋の予感に心浮き立つ田西だったが…。 <allcinema> 【ユーザー評価】
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出てくる台詞がエロ過ぎなのも然ることながら、何と言っても惨めで醜くて汚くて情けない主人公の設定が凄過ぎました。
そんな主人公に見る者が熱くなれたのは、主人公を演じた峯田和伸の熱演・存在感によるところが大きかったでしょう。
いくら主人公がうだつの上がらない男とは言っても、大体は演じた俳優のカッコ良さがどこかに出てしまって興冷めしてしまうものですが、峯田の凄さはリアルにキモイのが凄い!
本業のロックバンド銀杏BOYZのことは私は今までよく知りませんでしたが、動画サイトで見た銀杏BOYZは思いっきりハード。
それがこんなキモくて冴えない男に成り替わってしまうのですから、大したものですね(*^ー^)ノ
この主人公を見ていたら、とにかく青春に年齢は関係ないんだと心から思わされましたよ。
人間は、初めて本気になった時が青春なんだと・・・。
しかしこの男の青春を、間違っても家族がいる場所で鑑賞してはいけません!
気まずい空気が流れるはず・・・。
逆に同姓の友人同士で見たならば、男ってバカだな〜と盛り上がること間違いなし( ´艸`)
峯田演じる主人公・田西敏行は、29歳で素人童貞。
そして、私も子供の頃に熱くなった「ガチャガチャ」を取り扱う超弱小メーカーに勤務する、うだつの上がらない営業マンと言う設定でした。
表情・風体・しぐさ、どれをとってもイラっとさせられるような、いわゆる学生だったら確実にいじめられるタイプの男ですね。
過去にこの手のキャラはいろいろな映画で見てきましたが、田西は自然体でキモイと思えるナンバー1の存在かも(・_・;)
でも、実際いるんですよね、こう言う男って・・・いじめられているのに、卑屈なニヤケ顔をして、まるで喜んでるかのように愛想笑いをする男。
映画の序盤を見ただけで、田西がどんな29年を過ごしてきたのか容易に想像出来るぐらい、分かりやすいいじめられキャラでした。
それに加えて根暗でむっつりスケベ。
趣味はAV鑑賞、テレクラ通い、まさに救いようがない男だ(;´▽`A``
そんな男が初めて本気で何かに立ち向かおうとする姿に、最後には感動させられるのですから参りました!
人が本気になる姿って、本当にカッコイイですね。
その本気を引き出す存在となったのが、黒川芽以が演じた後輩OLの植村ちはるでした。
明るくて童顔で可愛いらしい、いわゆる会社のマドンナ的存在ですね。
そうなると、ブ男とマドンナが結ばれるシンデレラストーリーになるのではと思いがちですが、そう言う話では無かったところにこの映画の面白さがありました。
思わぬ「あの」トラブルがなければもしかしたらこの2人は普通に付き合って普通に結婚したのかもしれないですが、このちはるの言動を見ていると、一見清純派のようで不誠実且つ尻軽女・・・まあそう簡単にことが運ばないであろうことは明白だったでしょうね。
見た目どう見ても童顔で清純派にしか見えない黒川芽以が演じたからこそ、妙に説得力があったキャラだったでしょうか。
まさか黒川芽以からあんな台詞やこんな台詞が出てくるなんて・・・童顔とのギャップに私もやられてしまいましたよ(*゚.゚)ゞ
逆に、田西とちはるの間に起こるトラブルの元となった、ちはるの隣家に住むソープ嬢を演じたYOUが、キャラそのまんまな感じだったのもかなり笑えました!
そんなちはるを横取りする形となったのが、松田龍平が演じたライバル会社の営業マンの青山でした。
松田龍平の絶妙な性悪演技がとにかく秀逸!
青山を見ていると、悔しいがどこをとっても田西が敵う相手ではなく、何もしてこなかったやつが勝てる訳ないんだよ!と青山が言い放った一言はまさしく正論だったでしょうね。
実は青春映画のように負け組の田西が勝ち組の青山を撃破するんじゃないかと期待したところもあったのですが、現実はそう甘くなかったですね。
他人の食い物がうまそうと豪語する青山を、私もぶん殴ってやりたかった・・・悔しい〜(T_T)
元恋人を横取りされ、挙句の果てにちはるは妊娠させられ捨てられる・・・仇討ちとばかりに立ち向かった田西は、徹底的に青山にボコされ返り討ちに合う。
ダサい、酷い、汚い、醜い、情けない・・・。
しかし、それが青春なんだね!
初めて本気になった瞬間、田西は男になった。
クライマックスの駅でのシーンは、まさに男になった田西の意地を見ましたし、感動しました!
それと、田西の会社の社長・上司・同僚の面々も本当にいい味出してましたね。
小林薫が演じた田西にボクシングを教えてくれる飲んだくれ上司の鈴木がもう最高!
ボコされた田西に声を掛けた鈴木の「いい小便でした」はまさに名言。
この一言が、この映画の全てを物語っていたと言っても過言ではないでしょう!
田西が務める斎田産業は、クリスマスに社員が集まって酒盛りし、社員旅行で盛り上がり、社員たちが田西のケンカを応援し、社長が「田西は首にはさせません。思う存分やってもらいます」なんて云いきってくれる会社だ。
いま、そんな会社がどれだけあるだろうか。
田西は、取引先の店長から「結果出してよ」とどやされ、ライバル企業の営業マンにバカにされるが、現実社会でどやすのは上司、バカにするのは同僚だろう。
『ボーイズ・オン・ザ・ラン』は、本来は社内にあるはずの陰湿な部分を会社の外へ出すことで、斎田産業を田西にとっての避難場所にしている。
走る前にウォーミングアップする場所があるのは幸せである。
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