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息もできない(2008)

BREATHLESS

メディア映画
上映時間130分
製作国韓国
公開情報劇場公開(ビターズ・エンド=スターサンズ)
初公開年月2010/03/20
ジャンルドラマ/ロマンス
映倫R15+
二人でいる時だけ、泣けた。
息もできない [DVD]
参考価格:¥ 4,104
価格:¥ 3,335
USED価格:¥ 2,850
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息もできない息もできない息もできない息もできない

【クレジット】
監督:ヤン・イクチュン
製作:ヤン・イクチュン
脚本:ヤン・イクチュン
撮影:ユン・チョンホ
編集:ヤン・イクチュン
音楽:ジ・インヴィジブル・フィッシュ
出演:ヤン・イクチュンサンフン
キム・コッピヨニ
イ・ファンヨニの弟ヨンジェ
チョン・マンシクマンシク
ユン・スンフンファンギュ
キム・ヒスサンフンの甥ヒョンイン
パク・チョンスンサンフンの父スンチョル
チェ・ヨンミンヨニの父
オ・ジヘ
【解説】
 韓国インディー映画界で俳優として活躍してきたヤン・イクチュンの長編初監督にして世界各地の映画祭でセンセーションを巻き起こした衝撃作。韓国の若者の父親世代との葛藤を背景に、愛を知らずに社会の底辺で生きるヤクザな男と心に傷を抱えた勝気な女子高生が繰り広げる魂と魂のぶつかり合いが、剥き出しの暴力描写とリアルな感情表現で、赤裸々かつ緊張感いっぱいに綴られる。主演はヤン・イクチュン自身と本作の演技が絶賛された韓国期待の若手キム・コッピ。
 借金の取り立て屋をしているサンフンは、母と妹を死なせた父親に対する激しい怒りと憎しみを抱えて生きていた。常に苛立ち、情け容赦ない暴力を振るっては周囲を怖がらせていた。ある日サンフンは、道端で唾を吐き、偶然通りかかった女子高生ヨニのネクタイを汚してしまう。見るからに強面のサンフンに対しても怯むことなく突っかかっていくヨニ。最悪な出会いを果たした2人だったが、不思議とウマが合い、奇妙な交流が始まる。ヨニもまた、ベトナム戦争の後遺症で精神を病んだ父親との間に確執を抱えていたのだった。そんな中、ヨニの弟ヨンジェが偶然にもサンフンの手下となり取り立ての仕事を始めるのだが…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
435 8.75
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2016-04-04 14:22:46
【ネタバレ注意】

製作から監督・脚本・編集・そして主演までこなしたヤン・イクチュン。彼の才能を余すところなく注ぎ込んだこの作品は、凄まじく強烈で、そして切ない。

取り立て屋をしているサンフン(ヤン・イクチュン)は、債権回収のためには暴力も辞さないチンピラ。腹違いの姉とその子ヒョンインに稼いだ金を渡す彼は常に粗暴で口も悪く、近くにいたら関わりたくないタイプの人間だ。
彼は子供の頃、DVを繰り返す父を抑えることが出来なかった記憶に囚われている。妹は父の包丁に刺され、道に飛び出した母は車に轢かれてそれぞれ死んでしまう。その時何も出来なかった代償行為として、彼は拳で他人を殴りつける。それは十五年の懲役を終えて出所してきた父親にも同様だ。拳が血まみれになるまで父親を殴る彼は、そうすることでしか抱えた闇を表現できない。

そこで登場するのがヨニ(キム・コッピ)だ。通りすがりに吐いた唾が制服を汚したと文句をつけてきた女子高校生。目を背けず、真っ直ぐに見据える気の強い少女。サンフンが自分の服で拭い取ろうと胸付近に触れると、平手打ちをする。カッと来たサンフンはヨニを拳で殴りつける。普通ならこうした暴力で戦意は削がれるのだが、ヨニはそれでも強い眼差しをサンフンに向ける。
サンフンは初めて会うタイプのヨニにたじろいでしまう。

彼女は彼女で、ベトナムから帰還したPTSDのためか認知障害の父親(チェ・ヨンミン)と金をせびる弟ヨンジェ(イ・ファン)の面倒をひとりでみている。死んだ母親はどこへ行ったと暴れる父に絶望するヨニ。貧しい暮らしの中で精神的にも追い込まれる彼女は、サンフンにはそんな実情は語らない。
そんなヨニが包丁を持った父親に追い回されたある夜、サンフンは刃物で手首を切って倒れている父親を見つけ「死ぬな」と病院に走る。
あれほど憎み、殴る対象でしかなかった父親を必死で救おうとするサンフン。それは目の前で家族が死んだ少年時の記憶を呼び起こされたからなのか。「今度は死なせたくない」という思いが、彼をそうさせたのか。
このあと、ヨニを呼び出したサンフンは、漢江のほとりでビールを飲む。
おもむろに「膝を貸してくれ」と言ったサンフンは、ヨニの膝枕で「困らせないで親孝行しろ」といい、ヨニは「あんたこそチンピラをやめなよ。きっと親は泣いてる」と答える。
やがてふたりして泣き始めるシーン。
チンピラと女子高生の心の交感がこのシーンにはあり、胸が張り裂けそうになる。

拳でしか感情を吐露できないサンフンをヤン・イクチュンが熱演。
サンフンは女性を責める男を許せない。冒頭、男に殴られている女性を救うのも、ヨニに職務質問?しようとする警察官に殴りかかるのも、サンフンの「妹と母親を助けなかった」自分への復讐のようなものだ。
甥っ子のヒョンインに「優しいおじいちゃんを殴るな」と抗議され、「この前はすまなかった」と頭を下げるサンフンは、暴力を子どもの目の前で見せてしまうことの重さを知っている。だから彼は「もうこの仕事はやめる」と言いだすのだ。
暴力だけに頼る仕事は、新たな暴力を生み出してしまう…そのことに気づいたように。

物語は終盤悲劇的に終わるのだが、とにかく肉体表現でしか感情を表せないサンフンが痛ましい。そしてようやく心が通ったヨニがひとり残されたこともまた切ない。
ヤン・イクチュンという才能の素晴らしさにただただ圧倒される傑作だった。
こうした作品もまた韓国映画の現在である。

投稿者:SUNSET投稿日:2012-01-20 22:41:40
ヤン・イクチュンのソリッドな孤独感を纏った演技に支えられた作品。
韓国の若者世代の影を描いた作品との事だが、内容は至って普遍的で、
スタイリッシュに描いた割には、エンディングが散漫。

情欲的な場面を一切排除し、されど単なる「純愛物」になってないのは、
やはり彼の演技に負う所が大きいだろう。
国際的にも通用する俳優だと思うが、後の2010年に公開された
「家を出た男たち」ではガラスの破片のような彼の魅力が薄れていた。
(画像で見た限りだが)
強面で硬派なイメージで繊細な演技が出来る俳優は貴重。
投稿者:クリモフ投稿日:2012-01-14 02:18:13
インディー界の俳優が放った渾身の一作で、確かに彼が何故これを撮りたかったのか、ということがわかる力作にはなっています。やや群像劇チックで、皆家族の問題を抱えて、知らない愛をがむしゃらに掴もうとしたり、作り笑顔で歪んだ家庭を隠したり、とシリアスなテーマを序盤でぶち込んできます。
全体的に心に痛いし、実際にゆさぶられるパワーを持っているのですが、観終わった感想としては、焦点を絞り過ぎてしまったかな、という気もします。メインの登場人物が全員同種の問題を抱えている時点で、物語が広がらずに終息した感があるし、彼らをクロスオーバーさせる演出が少し強引なのも、(意図的であるにしても)窮屈な印象を受けます。なんか、日本の近年の漫画みたいな暗さ。。
個人的にはそんな中で、一人飄々としている主人公の同僚がなかなか面白く、このキャラをもっと上手く使えば、全体としてバランス良くなったかも、と思ったり。
タイトルが「息もできない」なので、その点では偽りない作品ですが、落ちのつけ方等、好みとは外れていました。まぁ、こんな話をワザとらしくなく纏め上げたというのは素晴らしい事なのかもしません。世評には納得です。
投稿者:uptail投稿日:2011-04-29 12:52:59
ヤン・イクチュン
投稿者:kuro投稿日:2011-04-22 16:16:19
【ネタバレ注意】

殺してやりたいほど憎い者でも肉親であるがぎり血は否定できない。
その苦しみ、やるせなさの描き方が素晴らしいです。
不器用にしか生きられない者は、心優しくとも隙を見せては駄目。
子供のときの不幸な生育環境から、狂犬のような生き方しか出来なかった男が、自分に対して表向きだけの服従もせず、恐怖も感じていない正面から向かってくる娘に対して、相手のことは何も知らないながら、傷心した似た者同士だけが理解できる心が通じるものがあった。
そして唯一弱みを見せられる相手だった娘。
その純愛の描き方が甘ったるくもなく絶妙です。
亡骸を前に韓国風に姉や社長は泣き叫んでいたが、その娘の涙だけが本物だった。
娘は兄の未来を見てしまったラストもいいです。

映画がすばらしすぎると、圧倒されてしまって、いつもろくでもない感想しか書けません。
文句なし最高の一本です。

投稿者:いまそのとき投稿日:2011-04-16 12:52:26
こんなこと思うのは私だけかな最近の韓国映画。勢いやパワーといった言葉で評されることが多いのは理解していますけど。あえてうーーん!?と言います。新世代の人たちがハリウッドを意識したアクションと暴力をテーマにしています。たとえば、「チェイサー」「オールドボーイ」。明らかに私が絶賛したい「西便制」「八月のクリスマス」とは文法が違いすぎるのです。さて、「息もできない」。やりきれない暴力の果て。孤独なチンピラと少女の触れ合いが成就しないまま悲劇で終わります。これがあまりにも哀しい。しかしこういった環境下に育った二人だから・・・こういう設定が眼を引く一方、深く傷ついてゆくそれぞれの心境描写はどうかなと思ってしまう。ごくごく普通の家庭の二人が出会ってたらどうなったんだろう。この監督がもう一度続編を撮るとしたらの話。暴力抜きでその二人をどう描くだろう?そんなことをつい思ってしまった。いい映画ですが、次回作にさらなる期待をします。
投稿者:vegirama投稿日:2011-04-01 14:22:08
おもしろい
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2011-03-24 22:02:45
後半が見応えあった。ただヨニの母親を殴り倒したチンピラは別の一味でも良かったと思う。星二つ半。
投稿者:ghost-fox投稿日:2010-12-12 21:58:12
悲しいじゃねぇか、くそ野郎
投稿者:陸将投稿日:2010-11-08 21:21:35
【ネタバレ注意】

現在の映画界において、世界で最も勢いがあるといっても過言ではないのは間違いなく韓国だろう。
そんな韓国映画界にまた新たな新星が現れた。
それが本作の監督・主演を務めるヤン・イクチュンである。

映画冒頭、いきなりあっけにとられる。
女に殴りかかっているある男を、やりすぎとも言えるほど主人公がボコボコに打ちのめす。
しかし次の瞬間には、殴られていた女さえぶちのめすのである。
「殴られっぱなしでいいのか?」という台詞を吐きながら。
彼は正義の味方などではない。
不条理な暴力の連鎖を強烈に印象付ける。

そんなチンピラと、ある女子高生が偶然出会う。
唾を吐きかけられたことに対し、その女子高生は相手を全く気にせずやり返す。
罵り、そして男の頬を引っ叩くのである。
その後2人が引き合わせられる展開にも、冒頭のエピソードがあるからこそ納得できる。

そんな2人は似たような境遇に置かれていることが徐々に明らかになってくる。
母を失い、父との関係に悩み、そして姉と弟として生きている。
但し、そこには常に暴力が付きまとう。
どのように家族と関わればよいのか。
汚い言葉で罵り合い、時には殴り合うことでしか他者と関われない不器用な人々。
だから暴力の中に、痛みや悲しみ、怒りやもどかしさといった様々な想いが見て取れるのである。

体内に溜め込んだ遣り切れない思いを、取り立て屋としての暴力でしか晴らすことのできない主人公。
その姿は哀れで惨めである。
暴力が圧倒的な力感を持ってスクリーンに映し出されるのに、それほど嫌に感じない。
だからといって、決して暴力を称賛しているわけではない。
その作り手と暴力との距離感が絶妙だ。

人前では強がる女子高生と、暴力でしか自分を表現できないチンピラ。
そんな2人が寄り添っていく様。
それは恋愛でもなく、家族でもない。
唯一、互いに魂のぶつけ合いをできる存在とでも言うべきか。
そんな2人が初めて弱さを見せ合う漢江のシーンは胸に突き刺さるものがある。

そんな暴力が付きまとう世界の終末。
新たな一歩を踏み出そうとする人々の希望の裏で、主人公だけは抜け出せない。
暴力から足を洗おうとして、暴力の世界に自ら引き込んだ手下に殺られてしまう。
不条理な暴力の連鎖からは逃れられない。
希望と絶望が交差するラストは見事である。

本作には凄まじい力強さがある。
そのエネルギーは生半可なものではない。
ヒリヒリとした痛みを伴って、観る者に迫ってくる傑作である。

投稿者:ビリジョ投稿日:2010-05-24 08:58:56
【ネタバレ注意】

 少し「情」が濃いように感じた。感情の濃さが、今の私にはマッチしないところがある。

 「父親」の映画である。私も父親なので、見ていてつらかったのと、共感できるのと、両方である。彼の国における「父親」の権威は、日本とは比べ物にならないぐらい強力であると、聞いたことがある。これだけ絶望的な父親像を描かざるを得なかったのは、国の背景をそのまま反映しているのだろう。

 監督いわく「最初の構想では、サンフンは最初から最後まで一回も笑わず、一回も泣かず、徹底的に悪の限りを尽くすキャラクターだった」のだそうで。その設定の方が、私としては共感できたかもしれない。分からんけど。後半、妙にセンチメンタルになっていくところが、どうかなあ、と思ってしまった。

 両親に対する感情を、これだけストレートに描き出した映画って、他にあまり知らない。不思議な映画を見た。

投稿者:リEガン投稿日:2010-05-14 10:52:17
昨年の「母なる証明」に続き、韓国映画の凄さを堪能した一編。
投稿者:QUNIO投稿日:2010-04-02 18:48:47
このヤン・イクチュンという人は映画を作る事で自身の苦痛を吐き出しているのだろう。よく自主制作映画を監督する際に作り手の概念が先行する例は多いが、ただ単に独り善がりなアート映画にはせず、韓国の乱れた家族制度と愚劣な社会環境を辛辣に描写した作品といったほうがいい。韓国映画の感情過多な作風に嫌悪感を抱く観客は多いと思うが、本作の場合は理路整然としていて暴力描写もどこか乾いており、日本のインディーズ映画に近い叙情的な雰囲気が特徴である。

とにかくパワフルな作品だし、役者陣もそれぞれ見事な存在感がある。流石、韓国映画はコンセプトの徹底した「意気込み」があるので一気に見られる。女子高生との純愛を描いた作品みたいなキャッチ・コピーだが、純愛って程でもねえべな。ましてやこれに恋愛要素が入っていたらブチ壊しになっていただろう。殆ど暴力と家族のしがらみを中心に描いているのでそれこそ中上健次の世界に通じるハードボイルドな映画といったほうが穏当。題名はゴダールの処女作(勝手にしやがれ)と同じだし青山真治の『Helpless』と比較してみるのにもいいかも。男臭いが独特な空気感を持つ新しいタイプの韓国映画だと思う。今後の展開に期待したい。
【ソフト】
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