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プレシャス(2009)

PRECIOUS: BASED ON THE NOVEL PUSH BY SAPPHIRE
PRECIOUS

メディア映画
上映時間109分
製作国アメリカ
公開情報劇場公開(ファントム・フィルム)
初公開年月2010/04/24
ジャンルドラマ
映倫R15+
プレシャス・ジョーンズ16歳。

2人目の子供を身ごもり、愛を受けずに育った少女。
ある教師との出会いが、彼女に奇跡を起こす──。
プレシャス [DVD]
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価格:¥ 1,985
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【解説】
 実際にニューヨークのハーレムでソーシャルワーカーや教師をした経験を持つ女性詩人のサファイアが、そこで出会った黒人の貧困家庭に暮らす子どもたちの実態を背景に書き上げた小説を、これがデビュー2作目のリー・ダニエルズ監督が映画化した衝撃のドラマ。1987年のハーレムを舞台に、読み書きがほとんど出来ない16歳の肥満少女、プレシャスが、両親による想像を絶する虐待に耐えながら生きる過酷な日常と、一人の女性教師との出会いがもたらす一条の希望を描き出す。主演は新人ながら本作での演技が高い評価を受けたガボレイ・シディベ。共演に、こちらもその演技が絶賛され助演女優賞を総ナメにしたモニーク。
 1987年のニューヨーク、ハーレム。16歳のプレシャスは、極度の肥満体型のうえ読み書きも出来ず孤独に堪え忍ぶ日々。“貴い”という名前とは裏腹の過酷な毎日だった。この年齢にして2度目の妊娠。どちらも彼女の父親によるレイプが原因。失業中の母親は、そんなプレシャスを容赦なく虐待し続ける。妊娠が理由で学校を停学になった彼女は、校長の勧めでフリースクールに通うことに。彼女はそこで若い女性教師レインと運命的な出会いを果たす。彼女の親身な指導のおかげで読み書きを覚え、次第に希望の光を見出し始めるプレシャスだった。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
326 8.67
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【ユーザーコメント】
投稿者:クリモフ投稿日:2012-07-14 02:21:46
おんなじ境遇でもここまで、ポジティブにつき進める人もいないでしょうなぁ、というところが素直な感想。16で近親相姦で二児の母etcという重すぎる話をそれほど暗くならずに見せ切れたのは、ガボリー・シディベ演じるプレシャスによるところが大きいです。
ただ、なんというか黒人の肥満少女を主人公に据えて、ヘビーな設定を絡めて、それでも前を向いていく様を、ドキュメンタリタッチで描くというのが、何かかえって嘘臭く感じてしまう時があり、その点では乗りない映画でありました。
作り自体は悪くなく、空想に逃げていた主人公が現実と戦い、本当の幸せに向かって進みだすという物語(ジャンルは全く違うけど「アメリ」を思い出した)を手堅くやっています。
普通に面白い映画ですが、キャラクタの存在感や、黒人問題など社会的バックグラウンドを除くと、案外つかみどころのない作品という気もしました。
投稿者:nabeさん投稿日:2012-03-24 02:32:36
ハーレムで起きたある悲しい物語。本作品でオスカーを受賞したモニークの圧倒的な演技が光る!
親の迫害を受けても淡々と生きる主人公のプレシャスは、自己主張が当たり前のアメリカ人としてはより哀しい存在として共感できるものがあるのだろうが、日本人の女子高生としてはよくいる人物像なので、その外観ほどのインパクトはない。それよりも彼女のワガママな母親のメアリーが、子供をここまで不幸にしている割には自己主張が強く、それをラストの感動に導いているのがいかにもアメリカ的だ。
先生役のP.パットンのキュートな美しさと、個性的な同級生たちの存在感といい、つくづくアメリカは映画作りがウマイとうなってしまう。
投稿者:トム・ルーズ投稿日:2012-02-12 18:38:23
【ネタバレ注意】

本作は、2009年のアカデミー賞にノミネートされ話題となった作品ですが、いつか見ようと思いつつ随分時が経ってしまいました・・・。
今回ようやくの鑑賞となった訳ですが、なるほど・・・予告編である程度の想像は出来ていましたし、噂でも凄いとは聞いていましたが、主人公の少女プレシャスが置かれた状況は、とにかく悲惨過ぎて見るに耐えない状況でしたね。
先日、邦画の『ヒミズ』を見てある程度免疫は付いたつもりでいましたが、こっちも引けをとらないぐらい過酷な状況で・・・。
しかもこちらは主人公が女性なだけに、女性ならではの問題が山積みで、男の私が想像する以上に過酷な状況だったんだろうなと。
舞台となったのは80年代のアメリカでしたが、今でもこう言った問題で悩んでいる人は絶えないのでしょうね。
こんな悲惨な状況から一体どうなってしまうのか重々しい気分で見ていましたが、奇しくも『ヒミズ』同様ラストに向けて少しだけ希望が見えるような作風になっていたのには好感が持てました!
現実には救いなんてないのかもしれないけど、同じ悩みを抱えている人達には、きっと希望があると信じて生きて欲しい・・・って、ぬくぬくとぬるま湯に浸かっているお前のような輩には言われたくない!と、怒られそうですね・・・申し訳ない(・・;)

さて、主人公はタイトルにもなっている16歳のプレシャス(劇中ではクレアリースと呼ばれることが多かったですが)と言う黒人の少女でした。
映画的に言えば、悲惨な状況で育った少女は大抵は美少女であるパターンが常道ですが、本作では信じられないほどの巨体の少女でした。
ある意味肥満大国アメリカらしいと言えばアメリカらしいかな。
プレシャス家で食べている食事は、ちょっと私の胃では耐えられそうもないです・・・。
そんな巨体のプレシャスを演じた新人女優のガボレイ・シディベのインパクトが、とにかく凄かった!
どう見ても16歳には見えませんでしたし、下手したらオバハンですよ、この風貌は・・・存在感とインパクトのみでアカデミー賞にノミネートされたと言っても過言ではないでしょう(^-^)/

プレシャスは、父親の性の捌け口となり、16歳にして2人目の子供を妊娠。
そして、何もしないで生活保護で暮らす母親には虐待され続ける毎日。
酷いとかのレベルを超越したとんでもない父と母だったと言えるでしょう・・・。
妊娠を理由に学校も退学させられ、夢も希望もなくなったプレシャスが、本当に哀れで哀れで心が痛くなりました(T_T)
しかも、希望が見え始めた矢先、更なる悲劇(HIV感染)が襲い掛かったりで、もう運命ってどこまで残酷なのだろうかと胸が張り裂けそうになりましたよ・・・。
ただ、前半はこのプレシャスの置かれた過酷な状況に心を痛めながらも、プレシャス自身のガサツな行動に若干イラっとさせられることもありました。
しかし、よく考えて見れば、この子の出生から今に至る流れを見たら、何が常識なのかなんて知る由もなく育ち、夢も希望も泣く絶望感のみに晒され続けて生きて来た訳ですから、まあしょうがないところもあったでしょうね・・・。

そのとんでもないプレシャスの母親を演じたのは本作でオスカー女優となったモニークでした。
まるで嫌悪感の塊であるかのような演技・存在感は、アカデミー賞も納得!
とにかく我が娘に対する虐待っぷりには目を覆いたくなりましたし、暴力的で怠慢と言えるこの母親の考えた方には、人としてどうなんだと思うことばかりでした。
自分も愛し愛されたかったとラストシーンで言い訳を述べる姿にも、全く同情できず。
苦しみ・痛みを知ったからこそ、我が子にはたっぷりの愛情を注ごうとするプレシャスとは真逆の行動を取り続けた訳ですもんね(・_・;)
自分が苦しんだからと言って、倍にして人に当たろうとする人間だけにはなりたく無いものですな・・・。

人に苦しめられ続けたプレシャスでしたが、プレシャスを救ったのも人でした。
私なんて誰からも愛されることはない?
いや、きっと愛をくれる人が、この世の中のどこかに必ずいるはずなのです・・・。
本作では、その象徴的存在だったのが、最後の望みとも言える存在となったポーラ・パットンが演じたレイン先生だったでしょうか。
こんな先生がいてくれたら、世の中もっと救われる人がいるはずなのですが・・・。
真っ当な教育を受け、それによって生きる喜びを知ったプレシャスの未来は、これからも様々な困難が待ち受けてはいるのでしょうが、きっと乗り越えられるはず!

『MI4』での活躍も印象的だったポーラ・パットンですが、この映画でも素敵すぎました!
セクシーさもあり、アクションも抜群な彼女ですが、ヒューマンドラマもいけますね。
勿論、スッピンで頑張ったマライアも素敵でしたけど(o^-\')b

投稿者:ちゃぷりん投稿日:2012-02-03 20:39:53
モニークの演じた鬼婆は映画史に残るキャラ。他にもマライア・キャリーや美人の先生、レニー・クラヴィッツなど、ストーリーよりキャスト陣の存在感に目が行ってしまう作品。他の生徒のエピソードが殆ど語られなかったのが不満だった。
投稿者:あくび★投稿日:2011-09-01 22:00:40
暴力や親父のレイプはもちろんないけど
自分自身、母親から言葉の暴力を常に受けてきた私には
なんとなーーくだけどこれと言って特別「悲惨」さを感じることも無く。
一度でも親から「産まなきゃよかった」「おろせばよかった」って言われると、
よほどの事が無い限りそんなにショックも受けない(笑)。

ただ冒頭の通り、私は別に暴力を受け続けたわけでも
レイプされたわけでもないので、その点の恐怖感や悲しみは
完全にはわからない。
親に愛されていないだけでも絶望感しかないのに・・と思うと
やっぱりどこかで必ず出会うであろう「1人」ってのは
よく目を凝らして見る必要が有るなぁ・・と。
彼女はしっかり居場所を見つけ、友達や先生、自分の子供から愛をもらい
前向きに生きていけるようになった。
これは大きいなぁ~と思う。

マライアはこれが完成する前から向こうのニュースサイトで知ってたし
スッピンなのも観てたので別に驚きはしなかった。
ちょこっとだけでも他の映画にも既に出てたし。
まぁ「肥ったなぁ・・・」とは思いましたが。

時々「?」と思うところが有ったのがちょっと残念。
それから病室でのガールズトーク。
下ネタは全然平気なんだけどどうもあーいった下品なのがイラっとすることに
最近気づいた。
こういうのが無ければよかったけど。
投稿者:グレコ投稿日:2011-08-29 12:26:10
誰だろう?見たことあるのにな〜と思っていたら
マライア・キャリーでした!びっくり!演技も上手!
投稿者:nedved投稿日:2011-07-30 03:10:41
ガボレイ・シディベ
投稿者:vegirama投稿日:2011-06-03 17:33:20
おもしろい
投稿者:kuro投稿日:2011-05-19 15:51:41
【ネタバレ注意】

空想の世界に逃げるしかなかった少女が、未来はないかもしれないことを承知していても、自分と子供のために未来を精一杯切り開こうとするところが良かったです。
どんなにひどいめに遭わされた過去があっても、母親を思いやり、謝罪の言葉のひとつでもあれば許すつもりでしたが、それがなかった母親を突き放すラストは爽快感すらありました。
自分で生きろ、そう言わずに「大学へ行く」。
強烈なパンチでした。
惜しむらくは、少女の空想の世界が、どこかコメディ風で、深刻な物語であるのに少女を嘲笑する側の目で見ているような感じになっていたのが残念でした。

投稿者:ジーナ投稿日:2011-04-24 21:42:52
1980年代後半のハーレムを舞台に、苦しみや様々な障害を乗り越え自分を見失わずに生きる少女プレシャスの毎日を描いたヒューマンドラマです。
貧困層や社会福祉、児童虐待や肥満率などアメリカ社会が抱えている問題を取り上げているので社会派としても見応えがありました。

母親からの罵声などむごい扱いを受けるプレシャスを遠慮なく見せています。
直視できないようなシーンもありますが、何より驚きなのは最後の最後に語られる母親の心情でした。

する必要の無い苦労、味わう必要の無い苦痛にまみれたプレシャスは妄想で現実逃避をするしかなかったワケですが、教育を受ける事で少しずつ喜びを知っていく展開に救われました。
クラスメイトや教師、ケースワーカーなどプレシャスをサポートする人々の温かさもじんわり伝わってきます。
本来ならもっとドラマチックに出来るところですが、あえて控えめにしているのが自然でイイですね。

母親を演じたモニークの迫力と恐ろしさには圧倒されっ放しでした。
プレシャスを演じた女優さんを評価するのは難しいカナ・・・。
アカデミー賞にノミネートされてはいますが、正直役得と言える気がします(爆)
これといった感情表現もなくほぼ無表情ですからね(笑)
子供時代から苦労している設定なので若さを感じさせないようにしたのでしょうが、いくらなんでも16歳には・・・。
ノーメイクで出演したマライア・キャリーはなかなかのインパクトでした。
凛とした姿が印象的なポーラ・パットンやまさかのレニー・クラビッツなど面白みのあるキャスティングですね。
モニークの迫力に対して、それ以外の役者さんが控えめな演技で魅せるバランスも見事でした。

リアルな映像表現、妄想と現実の対比は素晴らしかったです。
欲を言うと、時間の経過が分かる工夫があると良かったですね。

ずっしり重い前半から、後半は少しずつ明るい兆しを見せ後味を悪くさせていないので重厚感がありながら重さを残さず鑑賞できます。
淡々としていて見せ場もないですが、見せる力のある作品だと思いますよ。

ただ、お祖母ちゃんの心情をもう少し丁寧に描いてくれれば、、我関せずな行動にも納得できたかな・・・。

余談;虐待された子供を肥満児にするあたりがアメリカらしい。
投稿者:bond投稿日:2011-02-27 11:17:41
アメリカにはゴロゴロありそうな悲惨な話だがドキュメントタッチで観る者を惹きつける。捨てる神あれば拾う神あり、希望を失ってはいけない。でも、マライア・キャリーがおばさんになえたのはちょとビックリ。
投稿者:さち投稿日:2010-12-17 01:16:51
よかった
投稿者:Normandie投稿日:2010-12-12 01:39:11
今年会えて何よりごちそう様でした。

2010年公開映画ベスト4位。
投稿者:QUNIO投稿日:2010-12-05 19:35:37
ユーモラスな演出がちょこっとあるだけで、全体を覆うキナ臭いムードはかなり好き嫌いが分かれる。徹底して救いが無く、コーエン兄弟だったらもっとシニカルに突き放すだろうけどそれすら無いという地獄みたいな映画(良い意味で)。演技陣は完璧だが、もうちょっと劇映画らしい遊びがあってもいいと思った。見続けるのがここまでしんどいのは久しぶり。
投稿者:ghost-fox投稿日:2010-11-21 22:03:40
てめぇの解釈次第で世界はどうにでもなるぜ、ベイベー
投稿者:藤本周平、投稿日:2010-11-13 23:32:43
絶望的でただ悲しい物語にならなかったのは
一貫してプレシャスが前向きで未来へ進もうとしているからなんだよね
意図的な感動場面も挿入されてなくて自然に映画の中に入っていけました
演じる俳優たちも皆よかった(特にモニークが強烈)
力強い作品です。オススメ
そういえばマライア・キャリーがスッピンで出ててビックリしたよ…
投稿者:コメット投稿日:2010-08-17 16:19:41
 欧米のキリスト教プロテスタントたちは、自分の救済が来世で予定されていることを確信したいのだが、現世で何らかの社会的成功があれば、それによって救済の内々定をもらったような感じになるという。要するに、実質上はこの現世において救われたいわけで、同時に、その信仰が厳然とした個人主義の上に成り立っているため、とても孤独なのである(現世において救われたいのはわたしたち日本人でも同様だが、日本では個人主義が発達していない分、孤独感が緩和されている)。このことは、プロテスタントがもっとも多いアメリカにおいて顕著なのだろうが、女性教師の「子どもはあなたを愛してる」という言葉は、その個人主義による孤独からプレシャスを開放し、自分の子どもの未来にかけての勇気を導くものになったのだろう。人は努力をすれば、その人自身は残念ながら現世で救われないとか報われないことがあっても、親としての努力の成果が目に見えなくても何らかの形で(自分の遺伝子の来世にあたる)自分の子どもに結実するということは、あるのだから。
投稿者:mototencho投稿日:2010-05-12 13:34:53
絶望的な世界と悲惨な現実をただの悲劇にすることなく描いた「プレシャス」
生き抜く彼女の踏み出す一歩は感動的http://mototencho.web.fc2.com/2010/precious.html
投稿者:ビリジョ投稿日:2010-04-30 14:23:52
【ネタバレ注意】

 ハリウッドは、突然こんな剛速球を投げてくる。だから侮れない。

 こんな映画理解不能だ、と通り過ぎてしまう手もある。大卒で、困窮しない程度の収入もあり、家族に恵まれ、エイズにも感染していない痩せた日本人男性にとって、さてどう対峙したらいいのか、と考えてしまう映画であった。これまで本当に、見たこともない新しい映画だ。

 絶望で終わる映画ではないが、さりとて希望の映画だとも言えないだろう。この先、プレシャスを待ち受ける困難の数々に思いを馳せざるをえない。

 心が揺さぶられた。たとえでなく、本当に自分の胸が動いた感じがした。

 

投稿者:ginza7投稿日:2010-04-25 21:40:24
ストーリーも相当インパクトあるのですがそれ以上に主役の娘のインパクトが凄いです。それが却ってエグいストーリーを緩和してくれているようにも感じます。
投稿者:ASH投稿日:2010-04-24 13:57:17
【ネタバレ注意】

 都内3館のみの上映だけど、ありがたいことにその内の1館へは行くことができる! 5月下旬になれば他の都下にも落ちてくるみたいだけど、それまで待てるかッ!! というわけでイソイソと出向いたのだが、コレが評判通りのなかなかの秀作なのよ。わずかながらも希望を持たせて終わる映画ってのはいいもんだぁね!!

 なんとなく「カラーパープル」を思い出させるお話で、主人公のプレシャスの置かれている境遇がとにかく悲惨で、観ていて本当に可哀想になってくるくらい。ところが、悲惨なお話のハズなのに陰々滅々とした映画というわけでもなく、どこかユーモラスな雰囲気さえ漂う。これはプレシャスが過酷な日常から逃避するために自分が注目を浴びているという妄想シーンがちょくちょく出てくるからなんだと思う。妄想の中のプレシャスは、現実とは別人のように輝いているんだから。

 人は過酷な状況に置かれると、こうした妄想に耽って現実逃避をすることがよくある。そうしないと精神的に押し潰されてしまうから。プレシャスの気持ちは痛いほどよく分かる。そんな彼女が妊娠の発覚から退学を余儀なくされて、紹介されたフリー・スクールへ通うようになってから彼女の人生に転機が訪れる。主人公が誰かと出会ったことで新しい道を歩むようになる。こういうお話に、僕は基本的に弱いんだよ。

 プレシャスの才能を伸ばし、魅力に気付かせてくれた教師。問題児ばかりだけど、根は決して悪くないクラスメイトたち。そういった女性たちと接してゆくうちに、プレシャスは本来のティーンエイジャーらしさを取り戻してゆく。その過程がユーモアを交えて描かれていて微笑ましくなる。が、しかし、人生もまんざら捨てたもんじゃないないなと思えた矢先に、さらなる悲劇が彼女に襲いかかる…。

 ロクでもない家庭環境で育ち、誰からも愛されないと自分の人生を呪うプレシャスだが、そんなあなたを愛してくれる人は必ずいて、私もそのひとりだと言うレイン教師の言葉に、プレシャスは一筋の光明を見出す。2人の子供のために強く生きてゆこうと決心をする。人生はいいことばかりではなく、むしろ辛いことの方が多い。プレシャスのこれからの人生は厳しいことだらけだろうが、それでも私は生きてゆく。そんな女性の強さに、ジンとくるわけよ。

 「存在感」というものを体現しているとしか思えないガボレイ・シディベ。オスカー候補も納得の好演が素晴らしいが、サンドラ・ブロックという華のある女優さんと競うとなると分が悪かった!! 熱演というよりは、抑えた感情表現でプレシャスの内面をお見事に伝えている。無粋なことを言っちゃうけど、どすこい体型のガビー、今後はシリアスものよりもコメディの方が映える女優さんかも。オプラへの言及は内輪ウケというか自画自賛っぽく、なんだかなぁ…。

 さて、助演賞を軒並み制覇したモニーク。確かに大熱演は認める。コメディ系の人が、およそ観客の共感を得られないような役を演じていて、その演技力の幅の広さが評価されたんだろうけど、こういう憎たらしい役はモニークの得意とするところだからねぇ。福祉課のワイスさんに自分勝手な言い訳を涙ながらに語るくだりでは確かに一世一代の名演を披露している。考えてみるとこの母親も、ロクでもない亭主を持ったばかりにどん底生活を強いられるハメになったのだから、哀れと言えばそうなんだろうけど…ねぇ。

 モニークの熱演に押されてないがしろにされているフシがあるが、プレシャスが信頼を寄せるようになる女性教師を演じたポーラ・パットンの好演も忘れちゃイカンでしょう。レイン教師の存在が、プレシャスの中の「価値あるもの」を気付かせる重要な役割だったわけだからね。誰もがレイン教師のような人と出会うわけではないが、自分の中の何かを輝かせてくれる人はどこかにいるのかもしれない。なんてね!

 マライアやレニクラといったシンガーたちが、意外な好演を披露している。どうしてマライアが出ているのかといえば、原作の愛読者だからなんだろうけど、スター性を盾に前へ出ようとしない抑え加減がいい感じ。マライアってスッピンでも結構イケるのね。プレシャスのお見舞いに来たクラスメイトが色めき立つのが分かるくらい、レニクラ演じる看護師さんはカッコいい。でも、言われないとレニクラとは気付かないね。

 緊張感溢れるシーンではドキュメンタリー風でと、緩急のつけ方に監督の非凡な才能が窺えるが、逆にこれが評価の分かれ目かも。「ふたりの女」をあんな風に使う遊び心なんか、好きなんだけどね。ただ、こういう物語ならシリアスに徹しないといけない、という人がいるのも分かるよ。

投稿者:でんど〜投稿日:2010-02-16 05:57:50
アカデミー賞の候補作品をすべて見てしまおうという試みですが、ついに10作め、「プレシャス」にて完走しました。

原題を「Precious: Based on the Novel “Push” by Sapphire」と言い、1996年に発表されたサファイアという女流作家の小説「プッシュ」を映画化したものです。

これには衝撃を受けました。

ハーレムの黒人貧困家庭に住む16歳の少女プレシャス。彼女の身の上と毎日の生活は、我々の想像を超えてタフ。というか、想像を絶します。「プレシャス(いとしい、かわいい、貴重な)」という、主人公の名前自体が哀れをさそいます・・・。

悲惨な上にも悲惨。幼い頃からの夢を胸に描く、彼女の明日に光明はあるのか?

主役は、本作でデビューするガボレイ・シディビー。オスカー主演女優賞にも堂々のノミネート。ほかに、母親役のモ・ニークも助演女優賞の候補に。マライア・キャリーがノーメイクで出演しているのも話題です。

アカデミー賞以外の映画賞も軒並み受賞。ロングラン上映で、売り上げ50億円にせまる勢いです。オープラ・ウィンフリーなど黒人社会のオピニオン・リーダーたちの絶大なバックアップも受けており、なかなかヘヴィー級の候補作品と言えます。

つらくて、厳しくて、たまらない映画ですが、米国社会の病巣を描くだけではない、人間性の根源に触れるドラマ。見ておく価値は大きいと思います。

日本ではゴールデン・ウィークに公開予定のようですね。http://dendo.net/blog/
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 作品賞 
 □ 主演女優賞ガボレイ・シディベ 
 ■ 助演女優賞モニーク 
 □ 監督賞リー・ダニエルズ 
 ■ 脚色賞ジェフリー・フレッチャー 
 □ 編集賞ジョー・クロッツ 
■ 助演女優賞モニーク 
■ 助演女優賞モニーク 
■ 助演女優賞モニーク 
□ 作品賞(ドラマ) 
 □ 女優賞(ドラマ)ガボレイ・シディベ 
 ■ 助演女優賞モニーク 
□ 作品賞 
 □ 主演女優賞ガボレイ・シディベ 
 ■ 助演女優賞モニーク 
 □ 脚色賞ジェフリー・フレッチャー 
■ 作品賞 
 ■ 監督賞リー・ダニエルズ 
 ■ 主演女優賞ガボレイ・シディベ 
 ■ 助演女優賞モニーク 
 ■ 新人脚本賞ジェフリー・フレッチャー 
□ 作品賞 
 □ 主演女優賞ガボレイ・シディベ 
 ■ 助演女優賞モニーク 
 □ アンサンブル演技賞 
 □ 監督賞リー・ダニエルズ 
 □ 脚色賞ジェフリー・フレッチャー 
□ ブレイクアウト・スター賞ガボレイ・シディベ 
【ニュース】
リー・ダニエルズ監督×テレンス・ハワード主演FOX製作ドラマ「Empire」、最新予告編2014/10/27
リー・ダニエルズ監督×テレンス・ハワード主演FOX製作ドラマ「Empire」、予告編2014/05/14
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全米興行成績、「第9地区」監督最新SF「エリジウム」が初登場首位2013/08/12
「プレシャス」監督最新ドラマ「The Butler」、最新予告編2013/08/05
「プレシャス」監督最新ドラマ「The Butler」、予告編2013/05/08
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英国アカデミー賞、結果発表2010/02/22
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全米興行成績、ローランド・エメリッヒ監督超大作「2012」が圧勝スタート2009/11/16
サンダンス映画祭グランプリ受賞作「Precious」、予告編2009/05/14
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