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ヒューゴの不思議な発明(2011)

HUGO

メディア映画
上映時間126分
製作国アメリカ
公開情報劇場公開(パラマウント)
初公開年月2012/03/01
ジャンルアドベンチャー/ファンタジー
映倫G
ヒューゴの<夢の発明>にあなたは驚き、涙する
ヒューゴの不思議な発明 [Blu-ray]
参考価格:¥ 2,571
価格:¥ 1,710
USED価格:¥ 1,005
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【解説】
 ブライアン・セルズニックのベストセラー小説を「グッドフェローズ」「ディパーテッド」のマーティン・スコセッシ監督が自身初の3Dで映画化したファンタジー・アドベンチャー。1930年代のフランス、パリを舞台に、駅の時計台に隠れ住む少年が父の遺した機械人形の謎を追って不思議な大冒険を繰り広げるさまを、ジョルジュ・メリエスはじめ映画創成期へのオマージュをふんだんに、美しく幻想的な3D映像で描き出していく。主演は「縞模様のパジャマの少年」のエイサ・バターフィールド、共演にクロエ・グレース・モレッツ、ジュード・ロウ、ベン・キングズレー。
 1930年代のフランス、パリ。父を亡くした少年ヒューゴは、駅構内の時計台に隠れ住み、時計の整備をしながら孤独な毎日を送っていた。そんな彼の心のよりどころは、父が遺した壊れたままの不思議な“機械人形”。その修理に悪戦苦闘していたヒューゴは、おもちゃ屋で万引きを働いて店主の老人に捕まり、人形について書かれた大切な父のノートも取り上げられてしまう。そんな中、ヒューゴは老人の養女イザベルと仲良くなり、一緒に機械人形の秘密を探ってゆくのだが…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
422 5.50
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【ユーザーコメント】
投稿者:ピースケ投稿日:2014-01-04 23:04:04
少年の冒険モノかと思ってたら、ジョルジュ・メリエスへのオマージュ的な展開に。
悪くはないけど、それによって父親とのエピソードが弱くなった気がした。
投稿者:クリモフ投稿日:2013-10-30 16:04:51
実在のベースに脚色したファンタジーって「風立ちぬ」か、、ということはどうでよく、ジョルジュ・メリエスにオマージュをささげた一品は映画好きなら引っかかるところはあるものの、ちょいとバランスの悪さも気になる映画でした。
確かにそうとうマニアックな話をメジャーで撮るのは流石スコセッシというところなんですが、肝心のメリエスの心境の変化が唐突だったり(キングズレーの演技でかなり救われている)、時計なのか機械人形なのか映画なのか焦点がややぼやけていたり、伏線かと思うところがスカされたり(父親の死、弱ったメリエス)、正面切って良く出来た作品ではないのは確かだと思います。
映画製作エピソードも面白いんだけど、蘊蓄的な面白さだし、名画のモンタージュも本筋と違うとこで感動させられた感じもします。
うーん、楽しめるのだけど何か複雑な作品。さらに気になるのはメリエスが失墜したのは戦争の為、という理由。手品師出身のメリエスはカット割りに関心がなく結局それが原因で時代においていかれたのも理由の一つなはず。
メリエス称賛にしても、リュミエール、ロイドやらグリフィスも取り上げてるのに、時代のせいにしてメリエスを擁護するのはどうなんでしょう。
というように釈然としない部分もあり、面白かった!と素直に喜べなない映画。映画好きだから楽しめる部分と気になる部分が混在している印象です。
投稿者:bond投稿日:2013-03-10 12:45:17
ありきたりの子供映画かと思いきや、メリエスに捧ぐ、優しい痿映画愛の映画。スコセッシもこういう映画撮れるんだなー、と感心。
投稿者:いまそのとき投稿日:2013-02-02 11:14:34
スコセッシ最良作。アナログ仕掛けの不思議な空間。駅の舞台裏。今にも動きそうな彫像たち。俯瞰撮影で見せたパリ、モンパルナス駅の雑踏。時計台からのパリ夜景。その美術が際立つ。機械人形を通して、映画はその歴史を紐解いていく。摩訶不思議な造形美学。メリエス晩年にかくあったと思われる1931年そのスチュエーションと時代観がいい。当時既に忘れ去られた存在のG・メリエス。輝かしいその栄光と挫折。いま最先端の映画技術は、創生期からの先駆者たちへの敬慕の念を、ファンタジー映像として伝えている。流石に渋い、ベン・キングスレー。晩年のメリエスの光と影を恭しく演じた。映画に関わって半世紀のスコセッシ。ちょいとふり返り見つめた映画百年史だ。
投稿者:namurisu投稿日:2012-12-17 15:49:06
機械人形が導く…機械工の少年、本で夢見る少女、希望を失った老夫婦。映画は人をつなぐ魔法。
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2012-08-26 22:14:42
【ネタバレ注意】

WOWOWでの放送が待ち切れ無かったので、オンデマンドで購入。個人的にも良作だと思うけど、これはピーター・ジャクソンの「キング・コング」以上にマニアックなお話(本筋は「ライムライト」に似てる)。あとジュード・ロウの死に方が陰謀に巻き込まれたみたいで変。倒れたクロエが駅の客に踏まれそうになる時に見る幻影(下から撮ったガラス板を歩く靴)は「下宿人」からの引用か。エイサの演技的貢献度はクロエ以上。

投稿者:QUNIO投稿日:2012-05-09 14:00:00
【ネタバレ注意】

スコセッシの映画を追っかけてる自分としてはアカデミー賞ノミネートされただけでも、何かしら期待感を持って劇場まで観に行っちゃうんですよ。ただ最初にyou-tubeで見た予告編の印象が微妙だったのもあり、少々不安な気もしていたんだけど、やっぱり「想定内」の出来だったわ。これはスコセッシ向きの題材じゃなく寧ろテリー・ギリアムの題材。

舞台がフランスなのかイギリスのロンドンなのか設定が曖昧模糊な感じで物語をスッキリ消化できない。原作の絵本も読んだのだがこれまた取っ付き難い話。よくこんなもん映画化しようと思ったねえ、スコさんは。ただ、「ディパーテッド」程の不快感は無かった。ディパーテッドはほんとに酷かった。役者が全員ヘタクソで観るに耐えなかったし。

それに比べると「ヒューゴ〜」は主演の子役が上手い。そこだけはまあ及第点といったところ。ベン・キングスレーも「シャッターアイランド」に続いて素晴らしい存在感だった。役者としての重量感が半端じゃないね。

映像は大して凄くない。スコセッシらしい技巧もマンネリ感すら漂う。「張り」が無いというか・・・・なんか、映画的なイマジネーションが貧弱。
またサシャ・バロン・コーエンも必然性の無い「コメディ役者」ぶりが非常に鼻につく。ちっとも笑えない。
少年が見る悪夢のシーンにしてもね、いきなり蒸気機関車が迫ってきてレールぶっ壊して駅を破壊したと思ったらそれも夢で、自分の体が機械人形になってると思ったらそれも夢で、って延々と続くの。観てるうちに「もうええよ」って言いたくなる。

スコセッシも「たまにはこういうの作りたかった」と言っていたが、それほど褒められたものではない。寧ろ奇妙な珍作である。個人的には「シャッターアイランド」のほうが監督の才気が炸裂していて圧倒的な技量を感じたけど、この映画には才走った箇所も所々あるにも関わらず、全体を考えると物語のバランスが非常に不安定で意図が読み取れない。

決して悪くはないのだが、なんか惜しい気がする。

投稿者:なちら投稿日:2012-04-04 19:20:56
スコセッシ自身を描いているような作品だったな。
自分の使命は過去の偉業を改めて世に広め残す事。そんな決意を再確認してるみたい。
怪奇映画を築いてきたC・リーがさり気なく出演してるのもイイね。

ただ、その決意が自分には多少クドく感じちゃったよ。
もう、分かってるから大丈夫だってば〜。

でも、こんな風にファミリーで見ても安心な作品を彼が生み出すとはとても意外。
まだまだ、ジャンルの幅が広げられるんだろうね。期待が膨らむね。
投稿者:はまま投稿日:2012-04-03 20:17:42
【ネタバレ注意】

本作の舞台「パリ」の空気は妙にホコリっぽい。CGで作られた街並みにリアル感を出すためかもしれないがそれにしてもホコリの粒が妙に目立つ。
それがなんとなく気になっていたら、後半になって物語に潜むベーシックなテーマが見えてきて、ホコリの意図するところも読めてきた。
人類は映画を発明したことで少しばかり時間を操ることが出来るようになった。時とともに失うだけだった夢や冒険や情熱が映像に焼き付けられて残り、時代と場所を飛び越えて伝えることが出来るようになった。そしてそれをよりリアルに実現するためには時計仕掛けに勝る緻密さが求められる。スコセッシには珍しく甘くファンタジーに満ちた世界。映画製作の一番の魅力は「世界」を作り出すことに他ならない。一見無秩序に見せながらも、この「世界」の人々は歯車が噛み合うように出会い、恋をし、いたわりあう。大粒のホコリたちもまた、「世界」の一員として緻密に計算されているのだ。
ところで、この「パリ」に住む人々はずいぶん聞き取りやすい英語をしゃべるが、これも時計仕掛けの「世界」だからか!?
そして、製作者J・デップが顔出ししていたように思うのだが、見間違いだろうか?

投稿者:江川良名投稿日:2012-04-01 00:49:25
【ネタバレ注意】

近年のスコセッシ映画には全く興味を失っていたので、この作品がアカデミー賞にノミネートされなかったら、観に行かなかったかもしれない。雑誌の作品賞候補の紹介で、「月世界旅行」のメリエスをリスペクトした作品だと分かり、食指が動かされた次第。開巻からしばらくは、児童文学の展開が続き、退屈させられる。メリエスの話に移ってからは、映画草創期へのノスタルジーな展開となるが、語り口が解説的で、感情移入できず、クライマックスは、再び少年の冒険談となる。トリック映画の創始者を最新のトリック(3D)で描く構想は悪くないが、スコセッシの演出力は往年のパワーを取り戻していない。
「アリスの恋」「タクシードライバー」が懐かしい。

投稿者:mototencho投稿日:2012-03-29 19:32:24
叶うことなら淀川長治氏のコメントをぜひ聞いてみたいですね。http://mototencho.web.fc2.com/2012/hugo.html
投稿者:ビリジョ投稿日:2012-03-29 08:46:56
【ネタバレ注意】

 肩透かしをくらった感じがした。

 だから何だ。それがどうしたというのだ。

 何となく、子供向けファンタジーなのかなと思っていたんだよね。大人向けなのであれば、そういう風に宣伝して欲しかった。もう少しでムスメを連れて行くところだったではないか。

 どうも話のテンポが悪く、個々のキャラに気持ちが寄らなかった。セットは素晴らしいし、3Dも相当なレベルだったが、問題は話の中身だ。

 時計の話かと思っていたら、からくり人形の話なのか。そうか。まあ別にいいけど。

 お父さんが亡くなった原因が分からなかったんですけど。

 で、もう一度書くが、だから何なのだ。

投稿者:SECOND_STAGE_LENSMEN投稿日:2012-03-25 18:16:07
クロエ・グレース・モレッツが珍しく普通の女の子を演じていて、これがまた一段と可愛い。彼女の魅力を堪能できる映画である。
なお、スコセッシ監督自身は「この映画を作ろうと思ったのは『映画愛』とか『映画のありがたみ』を伝えるためではない」と語っている。

http://movieandtv.blog85.fc2.com/blog-entry-315.html
投稿者:黒美君彦投稿日:2012-03-19 00:19:01
【ネタバレ注意】

映画愛に満ちた作品。
世界から忘れられたジョルジュ・メリエスに再び光を当てるのは、彼が残した作品によってであり、彼の作品を子供の頃に観た人々が彼に敬意を表するラストシーンは、胸にこみあげてくるものがある。そのことはつまり、老境を迎えたスコセッシ監督自身の偽らざる気持ちであるようにも見える。やがて私がこの世から姿を消しても、フィルムに遺されたわが作品が何かをきっと残してくれるに違いない…と。
『ニュー・シネマ・パラダイス』に通じる映画愛に満ちた作品だ。

それにしてもすでに指摘があるように機械人形は、大正時代に西村真琴博士(俳優・故西村晃の実父)が作った「學天則」そっくり。きっと何らかの影響は与えていると思うのだけど…。

追記:スコセッシ監督は「映画愛」を描こうとしたつもりはないのだと語っているそうで。でも私はやっぱりそうしたものをたっぷり感じちゃったんだけどなあ。

投稿者:たんばのもり投稿日:2012-03-13 20:16:13
【ネタバレ注意】

 1930年代のパリ。「月世界旅行」など、創成期の映画を多数製作したジョルジュ・メリエスの栄光と苦難を振り返る物語。
 物語の謎解きは、なんと、孤児のヒューゴ(エイサ・バターフィールド)とイザベル(クロエ・グレース・モレッツ)の若い二人が進めていく。
 パリ・モンパルナス駅。孤児のヒューゴは、叔父に代わり、駅時計のメンテナンスの仕事をしている。あるとき、ヒューゴは、駅の片隅で細々と玩具屋をしているジョルジュの店で、万引きし捕まえられ、亡き父のノートを取り上げられ、彼に見られてしまう。ジョルジュは、このノートに書かれた”機械人形”により、自分自身で封印していた昔のことを思い出していく。
 昔、マジシャンで大成功していたジョルジュは、ある時、活動写真(映画)を見て「これは、新しいマジックだ!」と驚かされる。彼は、自分の財産を、全て、映画用機材とスタジオ、映画製作費に注ぎ込み、映画を作り続ける。しかし、戦争により映画は衰退し、彼の製作会社は破産、全てを失ってしまう。
 そして、ヒューゴとイザベルのひたむきさにより、彼は再び過去の善き日を思い出し、生きる勇気を見出していく。
 この物語は、ほとんど“冬のパリ”でつづられていく。
 若いヒューゴとイザベルが、なんともうまい。
 また、脇をかためるベテラン俳優たちは、この映画に温かみを与えているし、ヒューゴは、映画の最後には主役をうまくジョルジュに渡している。
 ファンタジーか?実話か?しかし、なんとも“不思議な映画”ではある。
 根っからの映画マニアには、必見の映画かもしれない。

 ※有名なジョルジュ・メリエスの「月世界旅行(1902年、仏)」は、映画解説などでは“13分間の幻想的な白黒短編映画”となっているが、白黒フィルムに後で1コマ1コマ色をつけた“カラー映画“もあったのか??知らなかった。
 また、この映画に出てくる“機械人形”は、「メトロポリス(1927年、独)」で出てくるロボットへのオマージュだ。
 日本にも、この映画に出てくるような、すばらしい“映画アカデミー”を、是非、造ってほしいものだ。

 PS(2012.7.4):
 ”映画誌に残るSF「月世界旅行」カラー版をスクリーンで!誕生から110年”と題して、シネマトゥデイが、本日、報じていた。
 やはり「月世界旅行」のカラー版はあったのだ。1993年に偶然発見されたそうである。8月25日からドキュメンタリーと一緒に上映されるという。
 見にいこっと!
 で、シアター・イメージフォーラムて、何処にあるの?

投稿者:uptail投稿日:2012-03-05 09:37:50
演出:8
演技:7
脚本:6
音響:7
投稿者:LOU REED投稿日:2012-03-02 23:28:19
原作を読まずに鑑賞。

オープニングがすばらしく、タイトルまでの画面に引き付けられた。
オープニングの映像を見て、先入観の通りファンタジーな作品かと思ったが、
最後まで見終わった感想は、全くファンタジー作品ではない。

主人公の設定、映像(3DとVFX)はファンタジー的(スタジオジブリ作品
の実写版のよう)であるが、描かれているストーリーはヒューマンドラマである。
感動の度合いは人それぞれだが、3D作品としては一見の価値があると思う。

マーティン・スコセッシ監督の懐の深さを見せつけられた作品であった。
投稿者:陸将投稿日:2012-03-02 01:58:22
映画は人生に必要不可欠なものではない。
別に無くても人間は生きていける。
では何故100年以上もの間、映画はこの世に存在しているのだろうか。
そもそも映画とは一体何なのだろうか。
本作はそんな根源的な問いに対する、映画と共に人生を歩み続けてきたマーティン・スコセッシによる回答だ。
そして、映画作りのプロフェッショナルであり、映画マニアである彼からの、映画に対するラブレターである。

本作では映画史を語る上で欠かせない、ジョルジュ・メリエスという人物にスポットライトを当てる。
いわゆる「トリック撮影」によって作られた彼の映画は、当時の人々からすれば、まさに「マジック」であり、「イリュージョン」であったのだろう。
映画とは、今まで行ったことのない場所に、連れて行ってくれるものである。
そして、今まで見たことがないものを、見せてくれるものである。
そこには今も昔も変わらない、普遍的な夢や感動や興奮が詰まっている。
だからこそ、映画は廃れず滅びず現存し続けているのだろう。

スコセッシは本作を3Dという手法を使って撮った。
そこに進歩したテクノロジーに対する、彼なりの回答が見えてくる。
本作の3Dは「飛び出す」という原初的な映画体験を再現するために用いられている。
それは、今から100年以上前に、列車が駅に到着した映像を観て逃げ惑った当時の人々と、現在の人々を繋げようとする試みでもある。
「新しいもの」を生み出すことは、「古いもの」を捨てることではない。
「新しいもの」を生み出すことによって、「古いもの」を再生させることさえできるのだ。
まさに、劇中で子供たちが、「機械人形」を動かしたように。
あるいは、再びメリエスに輝きを与えたように。

スコセッシは現在、古典映画の復元やリバイバル上映に尽力している。
時間とは残酷なもので、経てば経つほど消えてなくなってしまうものも数多くある。
映画もフィルムが消失・劣化し、二度と観られなくなってしまうかもしれない。
そんな「古いもの」をデジタル化という「新しいもの」で復元しようという試み。
あるいはそれらに色や音を付けて再生しようという試み。
それはなんと感慨深く、意義深いことなのか。
嫌味ではなく、本作はスコセッシ自身の活動を正当化するものでもある。

震災以降、映画ファンなら誰もが思ったはずだ。
映画がこの世に存在する意義はあるのだろうか。
映画は不謹慎なものなのだろうか。
日本がこんな状況で、映画を上映することが許されるのか。
そんな問いへの回答が、ここにはある。
投稿者:ASH投稿日:2012-03-01 23:00:03
【ネタバレ注意】

 スピルバーグはともかく、スコセッシまで3Dに手を出してしまうなんて、いったい何をトチ狂ったのか? ところが、パリの街を俯瞰で捉えたショットが次第に降りてゆき、駅の構内を一気に駆け抜ける冒頭のシーンでもうノックアウト! 3D効果を遺憾なく発揮させて観客を映画の世界へ誘う。スコセッシは最初から3D上映を見越してこの映画を撮ったというから、コレを通常版で観ちゃったら作者の意図したこととそぐわなくなる。2D版で観た人、ご愁傷様(問題発言!!)。

 ということで、この映画、スコセッシ作品としてはVFXの使用度がおそらく過去作中トップクラス。前作「シャッターアイランド」でも大々的に使われていたが、「ヒューゴ」はその比じゃない。なぜここまで大胆にVFXを使うのか? パリの駅の構内にある時計台の裏側を描くに当たってどうしても必要だからというのもあるのだろうが、トリックを駆使した映画で観客を驚かせたメリエスへの壮大なる愛があるからなんじゃなかろうかと。

 「映画愛」なんて月並みな言葉はこの後も続出するだろうけど、観客からソッポを向かれ闇に葬られた映画作家を、図らずもひとりの少年が再起させることになる。と、これほど映画愛に溢れた物語を、なぜスコセッシが撮るのかと言えば、自分をこの世界に導いてくれた映画が危機的状況にあるからではなかろうかと。つまり、新しいメディア(配信)の登場により観客が激滅してきたため、3D上映という劇場でしか体験できない形態で再び観客を呼び戻そうと試みているのではないかと。

 機械人形がヒューゴとメリエスを結びつけるだなんて、ちょいとばかり出来過ぎなお話かもしれんが、夢が生まれ、実現するのもまた映画の醍醐味。機械人形を動かすというヒューゴの使命が、忘れ去られた映画作家、メリエスを再び表舞台へと連れ戻すというマジックに、俺は胸が熱くなった。メリエスが映画に懸けた情熱は、例え作り手側でない観客にも充分に伝わってくる。スコセッシ作品にしちゃ行儀がよすぎるかもしれんが、気にしない、気にしない。

 3D上映が前提ということで、冒頭のシーンはもとより、時計台の裏側の歯車が複雑に入り組んだ迷路のような世界などでここぞとばかりに3D効果が発揮されていて、これだけでも精神年齢の低い俺はワクワクしちまう。ヒューゴを追いかける犬のマキシミリアンも3D効果で客席まで迫ってくる! しんしんと降る雪や、駅構内のホコリまで、まるで目の前で舞っているかのよう。スピルバーグは「タンタン」でこの技術を使い倒して遊んでいたが、スコセッシの方がもう少し品がある?

 スコセッシにしちゃあいつになくドタバタした映画だが、それを一身に引き受けているのが鉄道公安官グスタフ役のサッシャ・バロン・コーエン。ヒューゴを追いかけて朝の穏やかなカフェをメチャメチャにしちゃうくだりは「嗚呼、ボラット…」と思わずにはいられない!! ヒューゴとイザベルを問い詰めるシーンでは、サッシャのあのヒゲ面がグイグイと客席まで迫ってきて、まるで顔に手が届くんじゃないかというくらい。スコセッシ、わざとやってるわ。

 サイレント映画やメリエスの諸作が大々的にフューチャーされていて、映画創生期の情熱が伝わってくる。そしてもうひとつ重要なことは「映画館は特別な場所」というメッセージ。文学少女のイザベルに映画の素晴らしさを滔々と語るヒューゴに、この映画の意味が込められているような気がしてならない。映画は(可能な限り)映画館で観るもんなんだと。まあ、様々な理由で映画館へ行けない(行かない、ではない)人にはあんまりな言い方かもしれんがね。

 とにかく全編、3D映えするシーンが満載で、こんな映画も珍しいんじゃないかというくらい。迫り来る機関車の迫力、ヒューゴが時計台の針にぶらさがるロイドの再現と、奥行きと飛び出しとが存分に味わえて、それだけでも満足ナリ。主要キャストもいい味出していて、ベン・キングスレーのさすがの貫録は言わずもがな。2人の子役も頑張ってた。でも、クロエちゃんはちょっとカマトト演技、入ってた? エイサくんの曇りの一点もない澄んだ瞳がイイね。

 お馴染み、「月世界旅行」での目ん玉にロケットが刺さったお月様が3D効果で客席に迫ってくるシーンには不覚にも目頭が熱くなったよ。で、この映画を観るとメリエス作品に興味が湧くね。試しにYouTubeで検索してみたら、あるわ、あるわ…。上映時間は10分かそこらだけど、大掛かりなセットを組んで作られているんで驚いたわ。100年以上も前に。

投稿者:maxpit投稿日:2012-03-01 16:35:11
なるほど、細部にいたるまで妥協のないセットや衣装。
幻想的なパリの街の風景の再現。さすがにお金をかけた
大作だけのことはある。今までのスコセッシらしさは
ないが、「ニューシネマパラダイス」をはじめて観た時
涙したように、監督の「映画への愛」が作品全体から
ヒシヒシと感じられるところがいい。

CGや3Dといった技術がどんどん取り入れられる昨今
の映画だが、映画創世記における特殊技術へ挑戦した
ジョルジュ・メリエス監督の「月世界旅行」。
当時の人たちは、さぞ感動したんだろうな(笑)
いやぁ〜映画ってホントにいいものですね。

ところで「機械人形」は、メリエス監督が1895年に
はじめて映画というものを観て「機械人形」の部品を
使ってカメラをつくったということなので、日本の
初めてのロボット「学天則」より30年以上前の設定。
これってファンタジーだよね ?
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 作品賞 
 □ 監督賞マーティン・スコセッシ 
 □ 脚色賞ジョン・ローガン 
 ■ 撮影賞ロバート・リチャードソン 
 □ 作曲賞ハワード・ショア 
 ■ 美術賞Francesca Lo Schiavo 
  ダンテ・フェレッティ 
 □ 衣装デザイン賞サンディ・パウエル 
 ■ 視覚効果賞Alex Henning 
  ベン・グロスマン 
  Joss Williams 
  ロブ・レガト 
 ■ 音響賞(編集)Philip Stockton 
  Eugene Gearty 
 ■ 音響賞(調整)Tom Fleischman 
  John Midgley 
 □ 編集賞セルマ・スクーンメイカー 
■ 美術賞ダンテ・フェレッティ 
□ 作品賞(ドラマ) 
 ■ 監督賞マーティン・スコセッシ 
 □ 音楽賞ハワード・ショア 
□ 監督賞マーティン・スコセッシ 
 □ 作曲賞ハワード・ショア 
 □ 撮影賞ロバート・リチャードソン 
 ■ プロダクションデザイン賞ダンテ・フェレッティ 
  Francesca Lo Schiavo 
 □ 衣装デザイン賞サンディ・パウエル 
 □ メイクアップ&ヘアー賞 
 □ 編集賞セルマ・スクーンメイカー 
 ■ 音響賞 
 □ 特殊視覚効果賞Alex Henning 
  ロブ・レガト 
  ベン・グロスマン 
  Joss Williams 
□ 作品賞 
 □ 若手俳優賞エイサ・バターフィールド 
 □ 監督賞マーティン・スコセッシ 
 □ 脚色賞ジョン・ローガン 
 □ 撮影賞ロバート・リチャードソン 
 □ 編集賞セルマ・スクーンメイカー 
 ■ 美術賞Francesca Lo Schiavo 
  ダンテ・フェレッティ 
 □ 衣装デザイン賞サンディ・パウエル 
 □ 視覚効果賞 
 □ 音響賞 
 □ 音楽賞ハワード・ショア 
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