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裁かれるは善人のみ(2014)

LEVIAFAN
LEVIATHAN

メディア映画
上映時間140分
製作国ロシア
公開情報劇場公開(ビターズ・エンド)
初公開年月2015/10/31
ジャンルドラマ
涙も
枯れ果てる――。
アンドレイ・ズビャギンツェフ 全作コンプリートBOX【初回限定生産】 [DVD]
参考価格:¥ 8,424
価格:¥ 6,261
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【解説】
 「父、帰る」「エレナの惑い」のロシアの鬼才アンドレイ・ズビャギンツェフ監督が海辺の小さな田舎町を舞台に、欲深い権力者の餌食となり人生を狂わされていく一人の男と彼を取り巻く濃密な人間模様を重厚なタッチで描いた衝撃の人間ドラマ。カンヌ国際映画祭脚本賞、ゴールデングローブ賞外国語映画賞はじめ数々の映画賞を席巻した話題作。
 モスクワから遠く離れた静かな入江の町。この地に暮らし、祖父の代から続く小さな自動車修理工場を営むコーリャ。若くて美しい妻リリアと前妻との息子ロマと3人で、慎ましくも満ち足りた生活を送っていた。そんなある日、町に開発計画が持ち上がり、彼の土地を市が収用することに。到底納得のいかないコーリャは、市を相手に訴訟を起こす。市長ヴァディムの権力を笠に着た横暴に対抗すべく、モスクワから親友の弁護士ディーマを呼び寄せ、徹底抗戦の構えを見せるコーリャだったが…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
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【ユーザーコメント】
投稿者:HABBY投稿日:2017-07-23 00:50:27
【ネタバレ注意】

主人公一家が役人の横暴という不可抗力に遭って崩壊していく様を描きつつ、官僚腐敗とか、現代社会と信仰(宗教。ロシアの場合はロシア正教)との付き合い方の難しさなどを暗喩的に描いている作品だと思った。邦題はなかなか急所をついていると思う。

最近ロシアでは教会内でポケモンGOをやっていた人間(そこそこ有名なユーチューバーらしい)が不敬だとされて有罪になり、挙げ句の果てテロリスト認定されてしまったようだが、この件で反政府的な気運も高まっていると聞く(有名ユーチューバー間でこの逮捕された人間を支持する動きも広がっているらしい)。本作を見ながら、ロシア内にたちこめるある種の歪みのようなものを意識する自分がここにいた。

投稿者:bond投稿日:2017-05-24 22:31:34
酔っ払いの短気じゃしょうがねー。
投稿者:pumpkin投稿日:2017-05-24 09:31:37
邦題から社会派映画かと思いましたが、実際はそうではありません(表向き)。原題のリヴァイアサン(ロシア語ではどう発音するかしりませんが)は「ヨブ記」にあらわれる巨大な怪魚。クジラという説もあり、海岸にクジラの骨があるのはそのため。
登場人物はほとんど退廃しきっています。そして、批判の対象は教会に向かっています。

と、ここまでは表向きで、実際はプーチン批判ではないか。教会でのラストシーンなんて見るからに不自然で、カムフラージュではないのか。
投稿者:いまそのとき投稿日:2016-11-19 15:54:56
「父、帰る」アンドレイ・ズビャギンツェフ監督最新作。製作当時50歳。次回作を期待したい俊才。この作品は踏んだり蹴ったりのコーリャが主人公。次から次と災難に襲われ家も家族も失う。この展開・・不幸の連鎖を防ぐ手立てはなかったのかと思ってしまう。自らが犯した罪でもなく何故巻き込まれたかもわからない。寒村に蔓延った悪を暴こうとした友の裏切りにより彼はすべてを失念してしまう。絶望の逆況に堕ちるのだ。救いなき人の生き様。ふとした躓き。人間の所業の冷酷さをつぶさに捉えた。何とも心重い。バレンツ海北部ロシアの鮮やかなカメラショットが深々と身に沁みる。
投稿者:ghost-fox投稿日:2016-08-14 21:56:45
【ネタバレ注意】

Give it Back, for God's Sake

投稿者:Normandie投稿日:2016-01-19 21:47:43
久々の衝撃作。監督の他作品は未見だけど、よくロシアで撮れたと感心。
人や町のうらぶれ加減がまた沁みるのよ。
ピクニックで射撃のシーンは笑えるけどあとで凍りつく。
プーチンは熟成させる必要はあるのか(爆)
投稿者:黒美君彦投稿日:2015-11-09 13:11:27
【ネタバレ注意】

『父、帰る』でもそうだったが、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の作品は重層的で、重い。
インスパイアされたのは、実はロシアではなく、米国で2004年に起こった「キルドーザー事件」。自動車修理工のM・ヒーメイヤーという男が、工場建設などの再開発に反対し、市などに抗議するも孤立を深め、修理工場が業務停止になるなどしたことからブルドーザーを改造し、市役所や工場、市長の自宅などを破壊した末に自殺したという。この事件にドイツの劇作家クライストが19世紀初頭に発表した『ミヒャエル・コールハース』(領主の不正に暴動を起こした商人ミヒャエル・コールハースを描いた作品)、さらにはトマス・ホッブスの『リヴァイアサン』に触発され、この作品が出来上がったというのだから…(ちなみに原題は『レビヤタン』…『リヴァイアサン』と同義)。

それにしても荒涼とした港町の佇まいが印象的だ。北極海の一部バレンツ海に面したムルマンスク州の町がロケ地のようだが、朽ちた船は放置されているし、崩壊しかけた建物がそこここにある。崩れた教会もまた暗示的だ。さらに海岸へ行けば巨大な鯨?が死んだ時のまま、巨大な白い骨をさらしている。

物語は喧嘩っぱやいが気のいい修理工コーニャ(アレクセイ・セレブリャコフ)。若く美しい後妻リリア(エレナ・リャドワ)と息子のロマ(セルゲイ・ポホダーエフ)と暮らしているが、再開発のために土地を安値で収用しようとする市を相手どって訴訟を起こす。軍で後輩だった親友の敏腕弁護士ディーマ・セレズニョフ(ウラディミール・ヴドヴィチェンコフ)をモスクワから招くが、裁判所は結局市の言い値を支持する。市長に過去の悪事を突きつけてディーマは有利な条件を引き出すが、直後彼は逆に市長らに連れ出され脅される。
さらにディーマは、コーニャの妻リリアと情を通じる仲で、その場面に遭遇したディーマは銃を乱射してしまう…。

もともとは善人であったはずのコーニャが転落していくその様は、理不尽な政治に憤るコールハースであり、ヨブ記のヨブその人でもある。
港の魚加工会社で働く妻のリリアは、コーニャの連れ子とも巧くいかず、どこか虚ろだ。モスクワから来た知的なディーマに惹かれるのはわかるが、家族や友人と遊びに行った先で危険を顧みず情事にふけるか?
酒に溺れたコーニャのもとから妻が姿を消す。
行方知れずになるリリア…死体で見つかる…コーニャが逮捕される…後半物語は一気に展開し、事件は市長らが仕組んだものであることが判明する。

家からバスに乗り込み、他の女たちと談笑するでもなく虚ろに揺られるリリアの表情が印象的だ。車窓から見えるのは崩れた建物ばかり。
夢も希望もない荒れた土地。判で押したように加工工場に行き、家事に追われる日々。
「すべては誰かの罪だ」と話すディーマは、普遍的な人のありようを語ろうとしているかのようだ(結局逃げてしまうけど)。

さらにはロシア映画とは思えない政権批判があからさまなのにも驚きだ。警官の家族たちと射撃ピクニック(?)に出かけた時、標的の瓶がなくなると、歴代の共産党書記長の写真を持ち出してくる。ブレジネフやゴルバチョフといった面々の肖像写真だ。
新しい肖像写真(プーチンのこと)は、まだもうしばらく熟成させるのだという、強烈な政府批判。
ロシア映画でこんな露骨な表現ができるのかとちょっとびっくりした。
加えてこの作品には、宗教的な寓意が満ちている。
ロシア正教会にも蔓延する欺瞞。ラスト近くで市長が司教の説教を聞いているシーンは、そうした宗教界もまた権力側に立っている現状を示唆している。
とにかく重苦しい作品だが、ロシアの近現代をも包括する傑作だと感じた。

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