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わたしたち(2015)

THE WORLD OF US

私たち(第17回東京フィルメックス)

メディア映画
上映時間94分
製作国韓国
公開情報劇場公開(マンシーズエンターテインメント=マジックアワー)
初公開年月2017/09/23
ジャンルドラマ
映倫G
友だちになれる、何度でも。

わたしたち

(C)2015 CJ E&M CORPORATION and ATO Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED


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【解説】
 夏休みに親友となりながらも学校の再開と同時にいじめの問題で引き裂かれてしまう2人の少女の揺れる心模様と成長の物語を繊細なタッチで綴ったドラマ。主演は共に映画初出演のチェ・スインとソル・へイン。監督は名匠イ・チャンドンに見出され、本作が長編デビュー作となる韓国期待の新鋭、ユン・ガウン。小学校に通う10歳の少女ソンは、本当は誰よりも友だちを必要としていたにもかかわらず、クラスではいじめられ、いつもひとりぼっち。ところが終業式の日、ひとりで教室にいた彼女は、転校生のジアと出会い、すぐに互いの家を行き来するほどの仲良しになる。そして迎えた新学期。ジアはソンを仲間はずれにするボラと仲良くなっていて、ソンに冷たくあたるようになっていた。
<allcinema>
【ユーザー評価】
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2017-11-01 15:20:57
【ネタバレ注意】

小さな小さな小さな子どもの世界。徹底して子どもの視線で描いたこの作品は、ドキュメンタリーかと見紛うような作り。
仲間はずれにされている4年生のイ・ソン(チェ・スイン)が、夏休み直前に知り合ったハン・ジア(ソル・ヘイン)。一緒に遊ぶうちにすっかり仲良くなるふたり。遠い昔、そんな友達がいたなあと思い出す。
ところが夏休みが終わって二学期が始まると、ジアはいじめっ子ボラ(イ・ソヨン)のグループに加わり、ソンを避けるようになる…。
何せ冒頭シーンから秀逸だ。ドッジボールのチーム分けするのに、上級生?がじゃんけんをしてひとりずつ引いていく。ソンはいつまでも名前が呼ばれない。友達が引き抜かれていくのをただ見ているだけ。そんなソンの表情を、カメラはじっと見つめる。

子どもの頃は自分の周囲が世界のすべてだ。そこでは好意や悪意、嫉妬や憎悪がなんら区別されずない交ぜにされている。だからいじめや仲間はずれ、時に信じられないような行為が行われる。それを大人の価値観で見てもムダだ。子どもにはまだいわゆる「価値観」はなく、「欲しい」「こうしたい」という欲望しかないのだから。
それは見方によっては「純粋」だ。無償の愛情を相手に注ぐこともある。だが、それが瞬時に嫉妬や敵意、憎悪に変わることもある。
そこで重要なのは周囲の「大人」があるべき姿を示せるかどうかだ。
韓国では格差が広がり、日本以上にいじめの被害が深刻だ。それは、実は実社会の反映に過ぎない。

この作品の場合、時間の経過(=子どもたちの成長)を、爪の色で見せるところも巧い。ホウセンカの汁で着色した爪は、生え変わるまで色が持続する。仲良しだったふたりの証だった朱色の爪が、次第に伸びてきて爪先へと押しやられていく。一方ボラに借りたマニキュアは落ちてしまう。
さらに子役の自然さといったらない。子どもたちは100人を超えるオーディションで選ばれたようだが、台本は殆ど渡さず状況だけ指導して、自然なやりとりを手持ちカメラで撮っていったとのこと。
そしてソンの弟ユン(カン・ミンジュン)の最後の言葉がすごい。
しょっちゅうケガをさせられるユノとどうして遊ぶのかと4歳の弟に尋ねるソン。「やられたらやり返さなきゃ」という姉に弟は「じゃあいつ遊ぶの?」と聞き返す。「やられたらやり返して、またやり返して…って続けたらいつ遊ぶの? 僕は遊びたいんだ」。

韓国を代表するイ・チャンドン監督に見出された1982年生まれのユン・ガウン監督。
単なるいじめをめぐる物語にせず、小さな世界で胸を痛める子どもを描きながら少しずつ成長していく姿をもしっかり捉えている点が素晴らしい。
ソンとジアが以前のような関係に戻るかどうかはわからないが、こうした経験を積んで子ども達は傷つきあい、癒しあいながら、一歩一歩育っていくのだ。低い子どもの視線でのカメラが印象的な作品だ。

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