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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016)

I, DANIEL BLAKE

メディア映画
上映時間100分
製作国イギリス/フランス/ベルギー
公開情報劇場公開(ロングライド)
初公開年月2017/03/18
ジャンルドラマ
映倫G
人生は変えられる。
隣の誰かを助けるだけで。
わたしは、ダニエル・ブレイク [Blu-ray]
参考価格:¥ 5,184
価格:¥ 4,003
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わたしは、ダニエル・ブレイク

【解説】
 社会派の名匠ケン・ローチ監督が、格差と分断が進む世の中で切り捨てられようとしている社会的弱者の心の叫びを代弁し、カンヌ国際映画祭で「麦の穂をゆらす風」に続く2度目のパルム・ドールを受賞した感動のヒューマン・ドラマ。実直に生きてきた大工職人が、病気をきっかけに理不尽な官僚的システムの犠牲となり、経済的・精神的に追い詰められ、尊厳さえも奪われようとしていた時、同じように苦境に陥っていたシングルマザーとその子どもたちと出会い、互いに助け合う中で次第に絆が芽生え、かすかな希望を取り戻していく姿を力強い筆致で描き出す。主演はイギリスの人気コメディアンで、本作が初の映画出演となるデイヴ・ジョーンズ。
 イギリス北東部ニューカッスル。59歳のダニエル・ブレイクは、長年大工として働き、妻に先立たれた後も、一人できちんとした生活を送り、真っ当な人生を歩んでいた。ところがある日、心臓病を患い、医者から仕事を止められる。仕方なく国の援助を受けるべく手続きをしようとすると、頑迷なお役所仕事に次々と阻まれ、ひたすら右往左往するハメに。すっかり途方に暮れてしまうダニエルだったが、そんな時、助けを求める若い女性に対する職員の心ない対応を目の当たりにして、ついに彼の堪忍袋の緒が切れる。彼女は、幼い2人の子どもを抱えたシングルマザーのケイティ。これをきっかけに、ケイティ親子との思いがけない交流が始まるダニエルだったが…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
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【ユーザーコメント】
投稿者:SECOND_STAGE_LENSMEN投稿日:2017-07-14 01:59:53
本作を提供する株式会社バップと有限会社ロングライドは、本作のメッセージに賛同して「ダニエル・ブレイク基金」を設立したそうだ。映画の上映権を保有する30年間、有料入場者一名につき50円が、貧困に苦しむ人々を支援する団体に寄付されるという。
本作を観れば、そうせずにはいられない気持ちがよく判る。そして、本作を観ることで少しでも貢献できたことを、誰もが嬉しく思うだろう。一人でも多くの人にこの映画を観てほしいものだ。

ただし、ケン・ローチ監督は、チャリティーは一時的であるべきだという。深く考えておられる。

http://movieandtv.blog85.fc2.com/blog-entry-602.html
投稿者:mototencho投稿日:2017-06-13 19:07:03
今後はいつ誰の身に起こっても不思議じゃない現実。ケン・ローチ監督の投げかけた問いを考える時間を作らなければ。http://mototencho.web.fc2.com/2017/idaniel.html
投稿者:アリョーシャ投稿日:2017-03-31 23:06:16
【ネタバレ注意】

かつては、「ゆりかごから墓場まで」とまで謳われた福祉大国であったイギリス。しかし、現在ではそうではないことが、この作品を見るとよく分かる。これは多分に日本を含む先進諸国のほとんどが同じような状況にあるのではないだろうか?

この作品で描かれる福祉政策は、本来は弱者を救うはずのものが、全て制度によって縛られ、それにちょっとでも違反すると相手にしてもらえず、下手をすると罰則すら与えられる。担当する「公務員」たちも杓子定規で融通が効かず、まるで感情のないロボットのようだ。中には弱者に寄り添おうとする者もいるにはいるが、上司から行きすぎた行為として注意され、何もできずあまりにも非力である。

40年もの間、真面目な大工として勤めてきたが、心臓疾患により医者から仕事に就くことを止められてしまうダニエル。二人の子供を抱え明日の食べ物さえままならないシングルマザーのケイティ。二人は当然あてがわれるであろう福祉手当が、杓子定規な制度と規定により得ることができなくなる。ダニエルがそれを叶えるためには、これまた制度により決められた「求職活動」を余儀なくされる。一方、ケイティはダニエルによって一時は救われるが、やがては万引き、果てには怪しげな風俗業に就かざるを得なくなる。

この二人を通して描かれるあまりにも不寛容で生きにくい現代社会と行政を、監督のケン・ローチは痛烈に批判しており、引退を撤回してまで作りたかった、否作らなければならなかった、作らずにはいられなかった重いテーマと、あまりにも辛く悲しい結末が、見ている者の心を強く揺さぶらずにはいられない。

上映映画館の廊下にポストイットに書かれた、見た人の感想が何枚も張り付けられていたが、その中で私の目を引いたのは、「日本も同じような状況にありながら、何故、日本映画ではこのような作品が作られないのか?!」というコメントである。確かに昨今の日本映画では、社会の不誠実を批判したり、弱者に寄り添うような作品はほとんど見当たらない。

最後に、邦題は「わたしは、ダニエル・ブレイク」となっているが、正しくは「わたし、ダニエル・ブレイクは」ではないだろうか? そうでないと、ケイティが映画のラストで読みあげるダニエルの訴えに繋がらないと思う。

投稿者:黒美君彦投稿日:2017-03-29 11:40:58
【ネタバレ注意】

名匠ケン・ローチ監督が引退宣言を撤回して製作したこの作品。弱者への冷たい視線は、いわゆる先進国共通の病なのだと痛感する。
財政赤字を解消するという名目で導入される緊縮政策。これは予算支出を徹底的に減らそうというもの。つまり、税金を高くして公共事業を軒並み民営化することによって政府の支出を減らそうというもので、声を上げることが出来ない生活保護など福祉面の給付金が徹底的にカットされる結果を招く。
英国がいまその状況にあるのは間違いない。
心臓が悪く、主治医から就労が禁じられても、認定人は審査でくだらない質問を繰り返した挙句「就労可能」と結論づける。就職活動をしないと手当ては出ないと脅され、態度が悪いと支給停止をふりかざす。
小役人たちは「規則」をたてに、僅かなミスも容赦しない。
その結果野垂れ死にしたとしても、そこで浴びせられるのは「自己責任」の言葉だろう。
その現状は、ダニエル・ブレイク(デイヴ・ジョーンズ)だけの問題ではなく、英国独自の問題ではなく、おそらく経済が停滞するどの国でも起きていることである。
ニューカッスルで大工として生きてきたダニエルはパソコンも満足に扱えないが、いまや何でもかんでも「ウェブサイトを見ろ」「そこから申請しろ」だ。
彼の苛立ちはわがことのように伝わってくる。いったい自分が何をしたというのだ。真面目に生きてきて、どうしてこんな目に遭わなくてはならないのか。
そこに子ども二人を抱えたシングルマザー、ケイティ(ヘイリー・スクワイアーズ)との出会いが生まれる。ロンドンのホームレス収容所を追い出された彼女は、あてがわれたアパートのあるニューカッスルでいきなり冷水を浴びせられ、手当てがもらえない。
彼女を非難するのは簡単だ。将来的展望のない男の子どもを産み、捨てられた若い女。子どもがいるので働き口すらなかなかない。夢は抱いているが、目先の食事すらままならず万引きをしてしまう。そして手っ取り早く稼ぐために風俗に身をやつす…。

セーフティネットが機能しない社会とは、何と非情だろう。
誰もが予期しない不幸に見舞われる可能性がある。その不幸に立ち向かう手助けをするのが、セーフティネットであったはずなのに、それを機能させないがために、不幸は倍にも三倍にもなってしまう。やがてセーフティネットが信頼されなくなり、誰も信用できないギスギスした社会になってしまう。悪いのは誰だ、と悪者探しが始まり、やがて排他的な自己中心的な社会に変貌していく…。
それが私たちの望んでいた社会なのか?

ダニエル・ブレイクが遺した言葉は、すべての現代人に投げかけられている。
「私は誇りを持って税金を納めてきた」「地位の高い人間に媚びることはなかったが、困っている隣人は助けてきた」「私は、ダニエル・ブレイクで、住民社会保険番号ではない。私は人間で、犬じゃない。」
「他人には敬意をもって接するべきだ」という当たり前のことが失われた不寛容な社会は息苦しく、生きにくい。21世紀に入って加速するそんな生きづらさを描いた、まさに現代を象徴する作品だ。
映画初主演だというコメディアン、デイヴ・ジョーンズが人の好い労働者階級の男を巧演。
ネットを操り、非合法的に安く中国製のシューズを輸入する隣に住むチャイナを演じたケマ・シカズウェもなかなかいいアクセント。
ストーリーもわかりやすく、「現代」の病弊が透けて見える作品に仕上がっている。

【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
■ パルム・ドールケン・ローチ 
□ 作品賞 
 □ 助演女優賞ヘイリー・スクワイアーズ 
 □ 監督賞ケン・ローチ 
 □ 脚本賞ポール・ラヴァーティ 
 ■ 英国作品賞 
□ 作品賞ケン・ローチ 
 □ 監督賞ケン・ローチ 
 □ 男優賞デイヴ・ジョーンズ 
 □ 脚本賞ポール・ラヴァーティ 
■ 外国映画賞 
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
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