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三度目の殺人(2017)

メディア映画
上映時間125分
製作国日本
公開情報劇場公開(東宝=ギャガ)
初公開年月2017/09/09
ジャンルサスペンス/ミステリー/ドラマ
映倫G
犯人は捕まった。真実は逃げつづけた。

弁護士、殺人犯、被害者の娘。ある殺人が、彼らをつないだ。

三度目の殺人

(C)2017 フジテレビジョン アミューズ ギャガ


 Photos

【クレジット】
監督:是枝裕和
製作:小川晋一
原田知明
依田巽
プロデューサー:松崎薫
田口聖
アソシエイトプロ
デューサー:
大澤恵
小竹里美
脚本:是枝裕和
撮影:瀧本幹也
美術監督:種田陽平
衣裳:黒澤和子
編集:是枝裕和
キャスティング:田端利江
音響効果:岡瀬晶彦
音楽:ルドヴィコ・エイナウディ
スクリプター:矢野千鳥
照明:藤井稔恭
装飾:茂木豊
録音:冨田和彦
ヘアメイクデザイ
ン:
勇見勝彦
助監督:森本晶一
出演:福山雅治重盛朋章
広瀬すず山中咲江
満島真之介川島輝
市川実日子篠原一葵
松岡依都美服部亜紀子
蒔田彩珠重盛結花
井上肇小野稔亮
橋爪功重盛彰久
斉藤由貴山中美津江
吉田鋼太郎摂津大輔
役所広司三隅高司
【解説】
 「そして父になる」の是枝裕和監督が、再び福山雅治を主演に迎えて贈る法廷ミステリー・サスペンス。真実よりも裁判での勝利が重要で、弁護はあくまでもビジネスと割り切るエリート弁護士が、決して真の動機を明かさない殺人犯=依頼人の深い闇に呑み込まれ、いつしか真実を追い求めていく姿を通して、予測不能の裁判の行方とともに司法システムのリアルな実態を丁寧な筆致で描き出していく。共演に役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎。
 勝ちにこだわるエリート弁護士の重盛朋章は、同僚がサジを投げた依頼人・三隅高司の弁護を渋々ながらも引き継ぐことに。三隅の容疑は、解雇された工場の社長を殺害し、遺体に火をつけたというもの。30年前にも殺人を犯した前科があり、自白もしているため死刑は確実と見られていた。さっそく重盛は無期懲役に持ち込むべく調査を始める。ところが、肝心の三隅は証言をコロコロ変え、味方であるはずの重盛にも決して本心を語ろうとしない。そんな中、三隅と被害者の娘・咲江との意外な接点を突き止める重盛だったが…。
<allcinema>
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【ユーザーコメント】
投稿者:SECOND_STAGE_LENSMEN投稿日:2017-10-15 11:14:13
【ネタバレ注意】

日本の家族の日常を丁寧に描いて、海外から「小津の息子」と呼ばれてきた是枝監督が、その得意技を封じて挑んだ社会派宗教映画。
本作は十字(十字架、十字路)を頻繁に映し出し、キリスト教がモチーフであることを示しているのだが、死体を焼いて復活できなくしてしまうというキリスト教的にはとんでもない描写も、火葬が一般的な日本でどれだけ衝撃をもって受け止められるかは疑問である。
人々の罪を背負って十字架につけられたイエスは三日後に復活したが、本作では人々の代わりに罪を犯して30年服役した男が、社会に復帰した後、またも少女に代わって罪を犯すことになる。30年経っても男に罪を犯させ、その真意を汲み取れない世の中への、静かな怒りと哀しみがスクリーンを覆っている。

投稿者:マジャール投稿日:2017-10-04 19:16:33
【ネタバレ注意】

途中までは、なかなか面白い法廷モノだと思って観ていたのだが、観終わってからの満足度は正直それほど高くなかった。なんだかんだいっても最後は「いい話」で終わってしまうのがシラける・・・・・

「命は選別されているんですよ」「他人の命を弄ぶような事を」「ダメですよ、私みたいな人間に期待しても」

役所はたしかによくやってたと思う。(家康役、ヒドかったね、出来の悪い松方弘樹かよ、オマエは!って思った・・いや、こう言うと松方に失礼・・)
ある種の汚れ役に挑んだ広瀬すずちゃんも素晴らしかったよ。
冒頭の福山が車で移動するところの撮影も面白かったし、多分、広瀬が法廷で証言するという前の晩、腹のさぐり合いみたいに母娘で言葉少なに語り合う場面が、ひとつの山場、といったところか。
これにつづく、検察側の証人(広瀬)に対する検事(市川)のいらだちと違和感、弁論主旨を変えると言い出した福山に対する、法廷の混乱と不快感、なんてとこまでは面白かったんだけど。

わたしとしては、万引きみつかって呼び出された父・福山の前でウソ泣きしてみせる娘のエピソードは、当然後の伏線になってるんだろうなと思って観ていたんだけど、なんの回収もされないまま。
説明台詞をいちいち繰り返して言わされる満島も気の毒だった。
役所、広瀬がやったのと同じしぐさを、また、ご丁寧にも結審後の弁護士(福山)にやらせて(頬を手でぬぐう仕草)、これで、三度目の殺人、ってか?
まあ結論からいえば、福山は役所の望んだような判決を引き出したんだから、被告人の利益にかなったってことなのかね。
いくら得体の知れない累犯者だって、演じてるのが役所広司なんだから、観客としてはこの人本当はいい人なんでしょ、と思うわけで、こういう懸念はキャスティングのときに気が付かないとね。

法廷モノの映画も色々あるが(過去にもいろいろあったが)正直こんなんじゃ全然物足りない。
もっと、役所の計略に嵌った弁護士の福山が、資格剥奪されて社会的にも抹殺されるとか(『霧の旗』の大塚弁護士!)、地位も名声もすべてを失って娘ともども呆然と立ち尽くす福山(『あるサラリーマンの証言』の小林桂樹!)とか、それくらいのストーリーあってもよかったんじゃないの。


最後まで真相は明示されない、何が真実かを観客に考えさせる映画、等々、の各紙・誌に載った映画評はまったくのミスリード。

投稿者:江川良名投稿日:2017-09-25 23:39:26
【ネタバレ注意】

「三度目の殺人」のタイトルから、犯人の三隅は代行殺人だったと解釈すべきなのだろうが、演じる役所広司や弁護士役の福山雅治ら俳優陣が彼らの持つタレントイメージから少しもはみ出さないので、ドラマが真に迫って来ないのには弱った。是枝さんは前作の「海よりもまだ深く」は良かったんだけど。。。次回作に期待。

投稿者:Katsumi_Egi投稿日:2017-09-24 10:09:25
【ネタバレ注意】

 力のある映画だ。力のある画面の連続だと思う。これをオリジナルで造型している、ということの価値を認めなければならない。ただ、前半の印象的な科白で、映画には理解や共感はいらない、友達になるんじゃないんだ、というようなことを福山が満島に云う(ウソ!実際は「映画に」ではなく「容疑者に」)。なのに、後半、福山は容疑者の役所を理解すること、共感することに腐心し汲々とする。ま、それはいいとしても、私は映画は理解や共感するものではないと思っているので、本作の作り手が、特に後半になって、観客が理解しやすい説明的な画面作りを志向してしまう、この点についてはひっかかる。

 説明的画面作りとは端的には、あの接見室の仕切りの透明板(アクリル材?)の反射を利用した、福山雅治と役所広司の顔面のオーバーラップを指している。さらに、「器」というキーワードの提示が説明を補強する、二人の人間の(或いは、観客を含めた人間一般の)、役所との同化のイメージ喚起。私も、この画面は強烈だし、昂奮させられもしたのだが、しかし、観客全員が、何をやろうとしているか明々白々な、超説明的な画面だと思うのだ(さらなる深読みは、人それぞれ可能でしょうが)。透明板に二人の顔を重ねるシーンは、実は中盤とエンディング近くと2回あるのだが、いくらなんでも、2回目はやり過ぎではないかと思う。さらに云えば、「器」の話も留萌での品川徹の科白だけで、いいじゃないか、とも。

 前半で理解も共感も不要、と宣言した福山が、徐々に変貌する(留萌への出張など不要と言っていたのに、結局行くことになる等の)見せ方自体は小さな驚きの積算に繋がっている面は認める。

 さて、画面の強さは、全体にローキーを基調とする画面の重々しさに多くを拠っており、さらに複数人物のロングショットやバストショットで見られる、緩やかな(気が付かないほど緩やかな)パンニングや、ステディカム移動のカットも指摘すべきだろう。

 また効果的な視点移動も多々ある。空を意識させるシーンや、人物が見上げるシーンも多い。ドローンの使用は、タイトル明けの川面から、道路を走る自動車へのカットや、留萌へ向かう導入部の列車のカット(まるで、ハリー・ポッターシリーズのよう)、夢の中で、雪に寝転ぶ三人の真俯瞰等だろう。ラストカットの福山の俯瞰もドローンか。見上げるシーンでは、公園で二人で会話するシーンの、風で揺れる木の枝。接見室で、カナリアが飛んでいく様子を思い出して、部屋の上方へ目をやる役所と、役所が見た方向を振り返って見つめている福山。この福山のカット挿入は驚きがあり、かなりキャッチする。あと、早朝の光に手をかざす場面や、役所が拘置所の窓から鳥に餌をやろうとする場面、そしてラストの福山が見る空。これらは、ある種、形而上的な感覚を醸成する、と云ってしまえば、ありきたりな感もするが。

 それと、この映画は3組の親娘の映画であると云えるし、3人の娘の映画であるとも云えるのだが。特筆すべきは、生きているはずの役所の娘が画面に登場しないことで、それなのに(だからこそと云うべきか)、かなり存在感があることだ。普通なら、というか観客は皆、留萌のシーンで役所の娘が出てくると思っていたのに、はぐらかす。これにより、不必要なノイズをプロット展開に持ち込まず、広瀬すずと役所との関係を際立たせることにもなっている。このデンで云うと、3組とも親は片親しか描かれない、という点も重要だろう。また、広瀬すずもそうだし、福山の娘−蒔田彩珠も「嘘つき」として造型されているのだが、例えば、広瀬の跛行(俗にいう「びっこ」)の真の原因が分からないのと同様に、「嘘泣き」は演技によるものとは云え、涙を流させた真の理由(心持ち)は分からない。裁判後の福山の目に浮かぶ涙も同じだ。こういうところ(福山親娘の涙の反復)も、原因や理由は深読みはできるとしても、描き方としては説明的と見ることもできるだろう。
http://www.page.sannet.ne.jp/egi/

投稿者:黒美君彦投稿日:2017-09-20 11:54:13
【ネタバレ注意】

是枝監督が挑んだ法廷サスペンスだが、個人的にはやや肩透かしを喰らった印象。
言うことが二転三転する強盗殺人の被告三隅高司に役所広司。淡々と殺人を認める三隅に、逆に何か引っかかる国選弁護人の重盛朋章(福山雅治)。量刑を減じることだけを考える合理的な彼が、三隅の仕掛けた罠に次第に手足を奪われていく。
殺された男の娘山中咲江(広瀬すず)が登場して間もなく、ある程度展開が読めてしまったのは難。
彼女が証言しようとした内容は恐らくウソではないだろう(母親役の斉藤由貴が彼女にかけた言葉からも明らか)。そして娘と重なる咲江の殺意を代行した、というのが恐らく三隅の殺害動機だ。
だが何故火を放つ必要があったのか。その説明はない。そして「空っぽの器」であったはずの三隅こそが「裁く」側に立った張本人だったという仕掛けも成功しているとは言い難い。

七度にわたる接見室の両者のやりとりがこの映画のクライマックスと言っていい。面会のやりとりは当初カット割りだが、やがてガラスを隔てて向き合った2ショットに変わり、最後にはガラスに映った表情が重なり同一化してしまう。そうした演出に、正直にいうとやり過ぎ感を覚えた。
とにかく役所広司、福山雅治の表情にこだわり過ぎたように思う。
その表情にこそ演劇性がある、と監督はいいたいのだろうが、そこに頼りすぎると映画は果てしなく内省的になり、閉じた印象になってしまう。

さらにいえばあちこちに散りばめられた「十字」も過剰に思えた。
そこに「裁き」「贖罪」の意が込められているのだとは思うが、説明的に過ぎると感じた。
「裁くのは誰?」という広瀬すずの問いかけも、あまりに哲学的な印象が拭えない。
形式を重んじる司法のありようと、そこで見落とされる「真実」のギャップを描こうとした作品なのだとは思うが、思弁的に過ぎたのではないか、というのが率直な感想だ。

一方で三隅をめぐって、かつて彼を裁いた元裁判長の父親(橋爪功)と、福山雅治のやりとりは面白かった。
殺意を抱く者と実際に殺す者との間には深い溝がある、という父の言葉はその通りだ。人間はそう簡単には変わらない。このやりとりは恐らく是枝監督自身の内なる問いそのものだろう。
結局結論を導かないまま、「三番目の殺人」が決まってしまう結末は何とも宙ぶらりんな印象だった。それが是枝監督の狙いだったとすれば、まんまと嵌まったことになるのだが…。
ただどういえばいいか、全体的に観念的になってしまったのが惜しいところ。
もう少し退いたサイズで描く手法の方が個人的には好みだ。

投稿者:mototencho投稿日:2017-09-17 00:56:48
是枝裕和が日本の司法に挑む。サイコパスと対峙した人々の解釈も興味深いが、タイトルが辛らつだ。http://mototencho.web.fc2.com/2017/sanndome.html
投稿者:FFF投稿日:2017-09-15 00:30:13
接見場面の切り返しを不思議に感じていたが全ては役所と福山の最後の場面に結実されており映画として見事と言う他ありません。
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