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おクジラさま ふたつの正義の物語(2016)

A WHALE OF A TALE

メディア映画
上映時間96分
製作国日本/アメリカ
公開情報劇場公開(エレファントハウス)
初公開年月2017/09/09
ジャンルドキュメンタリー
映倫G
小さな町に押し寄せた、
クジラを巡る大きな衝突

おクジラさま ふたつの正義の物語

(C)「おクジラさま」プロジェクトチーム


 Photos

【クレジット】
監督:佐々木芽生
エグゼクティブプ
ロデューサー:
真木太郎
飯田雅裕
プロデューサー:佐々木芽生
撮影:折笠貴
杉岡太樹
編集:バーナディン・コーリッシュ
音楽:デヴィッド・マズリン
【解説】
 「ハーブ&ドロシー」の佐々木芽生監督が、アカデミー賞受賞ドキュメンタリー「ザ・コーヴ」をきっかけに世界的論争を巻き起こし、対立が一層先鋭化している捕鯨問題に挑んだドキュメンタリー。「ザ・コーヴ」でやり玉に挙げられた和歌山県太地町に何年も通い、漁師の人たちとも外国人活動家たちとも可能な限り同じ距離感で接するなど、バランスを重視した幅広い取材を重ねていく中で、賛成と反対の単純な二項対立では捉えることのできない多種多様な意見をていねいすくい取り、観る者に捕鯨問題を多角的に理解するヒントを提供するとともに、捕鯨問題を超えて、いま世界が直面している様々な対立の本質にも迫っていく。
<allcinema>
【関連作品】
ザ・コーヴ(2009)
【ユーザー評価】
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2017-10-02 12:03:38
【ネタバレ注意】

「すべての表現はプロパガンダだ」と言ったのは森達也(『おクジラさま』パンフより)だが、彼の言うようにドキュメンタリー映画とは制作者の何らかの主観が入っている。制作手法や表現方法の優劣はもちろんあるだろう。
日本国内では悪名高いアカデミー賞受賞作のルーイー・サイホイヨス監督『ザ・コーヴ』(2009年)はその意味できわめて巧みに作られた作品であり、そしてそのカウンターとして制作された八木景子監督『ビハインド・ザ・コーブ』(2015年)はきわめて稚拙な作品であった。共通しているのは、真っ向からぶつかる捕鯨反対か、賛成か、という白黒二元論に終始している点である。

さてこの作品だが、どちらの意見にも耳を傾け、そこにあるディスコミュニケーションにこそ問題の本質があると鋭く衝く。
いつの間にか捕鯨がナショナリズムの代名詞となってしまったが故に、太地町は政治的に翻弄され、そのくせこれといって政府は情報を発信しようとはしない。誰の目にも明らかな情報の不均衡。
一方で『ザ・コーヴ』のなかで重要視された肉の水銀含有量については、直ちに健康に影響を与えないとしながらも、太地町民の毛髪から平均的な日本人の4倍の水銀が検出されたのも事実なのだ。
冷静に声を聴き、数字と照らし合わせる。
残念ながらシーシェパードと太地町の漁師たちは永遠に理解し合うことはないだろう。だが、今や「鯨肉を好んでは食べない」という町民や国民がいることも確かなのだ。
そうしてみると、入り江ごと鯨類の巨大水槽に出来ないかという町長の冷静な意見こそが貴重に思えてくる。
二元論を突破し、町が生き残る方法としての可能性がそこにはあるのかも知れない。そしてそれは外圧によるものではなく、町民自らの選択肢として示されるべきものなのかも知れない。

子どもの頃、未来予測で「クジラ牧場」がよく取り上げられた。人口爆発に対抗する食肉調達の手段として、それは十分実現可能であるかのように受け止めた。
捕鯨の是非は硬直化した二元論ではもう解決できないのではないか。この作品はそんなことまで考えさせたという点で優れてドキュメンタリー作品としての地平を示している。

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