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サーミの血(2016)

SAMEBLOD
SAMI BLOOD

サーミ・ブラッド(第29回東京国際映画祭)

メディア映画
上映時間108分
製作国スウェーデン/ノルウェー/デンマーク
公開情報劇場公開(アップリンク)
初公開年月2017/09/16
ジャンルドラマ
映倫G
家族、故郷を
捨ててでも
少女が願ったのは
自由に生きること

2017年9月16日(土)より、新宿武蔵野館、アップリンク渋谷ほか全国順次公開

サーミの血

(C)2016 NORDISK FILM PRODUCTION


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【解説】
 北欧スウェーデンを舞台に、少数民族であるサーミ人の知られざる迫害の歴史と、差別に抗い自由を求めて必死に生き抜こうとする一人のサーミ人少女の成長物語を、北欧の美しい自然をバックに綴るヒューマン・ドラマ。主演は実際にノルウェーでトナカイを飼い暮らしているサーミ人のレーネ・セシリア・スパルロク。監督は自身もサーミ人の血を引くアマンダ・シェーネル。本作が記念すべき長編デビュー作となる。
 1930年代、スウェーデン北部のラップランド地方。ここに暮らす先住民族のサーミ人は、他の人種より劣った民族と見なされ、理不尽な差別や偏見にさらされてきた。そんなサーミ人の少女エレ・マリャは、寄宿学校では優秀な成績で進学を希望するが、教師からはサーミ人はスウェーデン社会ではやっていけないと冷たくあしらわれる。そんなある日、洋服に身を包みスウェーデン人のふりをして夏祭りに忍び込むエレ。そこで都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちる。そして彼を頼って街に出るエレだったが…。
<allcinema>
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2017-10-04 12:59:13
【ネタバレ注意】

「ラップランド」といえばトナカイやサンタクロース伝説でもお馴染みではあるが、「ラップ」が「辺境」を意味し、「ラップ人」というのは「蔑称」であるということを全く知らなかった。
サーミ人は、この映画のHPによると「ラップランド地方、いわゆるノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北部とロシアのコラ半島でトナカイを飼い暮らし、フィンランド語に近い独自の言語を持つ先住民族」なのだそうだ。
1930年代、スウェーデン北部で暮らす先住民族、サーミ人は差別的な扱いを受けていた。
寄宿学校で学ぶサーミ人の子ども達はサーミ語の使用を禁じられ、進学も許されない。進学を希望する少女エレ・マリャ(レーネ=セシリア・スパルロク)に対して、教師は「あなたたちの脳は文明に適応できない」とまで告げる。
サーミ人であるが故に受ける差別的扱いの数々。
エレ・マリャは祭りで知り合ったスウェーデン人青年を頼り、ウプサラという町に脱出する。

予告編を観ただけでは、差別された民族にいながら、誇りを失わなかった少女の成長物語かと思ったが、その予想は大きく裏切られる。
エレ・マリャは民族を羞じ、偽名クリスティーナを名乗り、差別する側のスウェーデン人に同化しようとするのだ。彼女は慎重に、時に大胆にウソを重ねていく。
観る者は、彼女の視点に立ってハラハラしながら被差別体験をすることになる。
まさに「エレ・マリャ」体験をすることになるのだ。
彼女の「差別される恐怖」が抑えた筆致で見事に描かれる。殆ど笑顔を見せないエレ・マリャを演じたレーネ=セシリア・スパルロクの演技が素晴らしい(妹のニェンナ役のミーア=エリーカ・スパルロクとは実のサーミ人姉妹だという)。
差別される側から差別する側に向かおうとする人間の心理は、例えばいじめられっ子が、いじめる側に回るのと同じだ。抑圧された者が、抑圧する側に回る…それは普遍的な人間の本質というべきなのだろうか。

年老いたクリスティーナ(マイ=ドリス・リンピ)は、サーミ人として生きた妹の葬儀に参列するために棄てた故郷に帰る。
家族も民族も過去も棄てた彼女は、顔を隠すかしかない。
そんな彼女が見た、故郷の風景とはどのようなものだったのか。
いわゆる「同化」を強制することの理不尽さを描きつつ、思春期の少女には重過ぎる差別の実態をも描いたこの作品、監督のアマンダ・シェーネル自身、サーミ人の父を持っているという。
民族差別の現実、これは過去のことでもなければ、スウェーデンに限定される話でもない。
私たち自身に突きつけられる、人間の本質に関わる物語なのだ。

【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
■ 審査員特別賞アマンダ・シェーネル 
 ■ 最優秀女優賞レーネ・セシリア・スパルロク 
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