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希望のかなた(2017)

TOIVON TUOLLA PUOLEN
THE OTHER SIDE OF HOPE

メディア映画
上映時間98分
製作国フィンランド
公開情報劇場公開(ユーロスペース)
初公開年月2017/12/02
ジャンルコメディ/ドラマ
映倫G
みんなで、救う。
希望のかなた [Blu-ray]
参考価格:¥ 5,076
価格:¥ 3,809
USED価格:¥ 8,146
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【解説】
 フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督が難民問題をテーマに贈るハートウォーミング・ドラマ。2017年ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞作。フィンランドの首都ヘルシンキを舞台に、妹の行方を捜すシリア難民の青年が、非情な現実に希望を打ち砕かれそうになるさまと、そんな彼に優しく手を差しのべる市井の人々の小さな善意が織りなす心温まる人情ドラマをユーモラスに綴る。主演はシリア人俳優のシェルワン・ハジとカウリスマキ作品の常連サカリ・クオスマネン。
 内戦が激化するシリアを逃れ、フィンランドの首都ヘルシンキに流れ着いた青年カーリド。過酷な長旅の中で混乱に巻き込まれ、今やたった一人の家族である妹ミリアムと離ればなれになってしまった。彼の唯一の望みは、その妹を見つけ出し、フィンランドに呼び寄せることだった。しかしカーリドの難民申請は無情にも却下されてしまい、彼は収容施設から脱走する。ヨーロッパ全土を揺るがす難民問題が暗い影を落とす中、容赦ない差別や暴力に晒され、行き場を失うカーリド。そんな時、レストラン・オーナーのヴィクストロムという男と出会い、彼の店で働かせてもらえることになったカーリドだったが…。
<allcinema>
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【ユーザーコメント】
投稿者:ディラン投稿日:2018-07-10 17:36:42
演技者の感情の抑揚や、動きさえも極力控えめな演出。加えて、ちょっと場違いな小道具達
テーブルのサボテン、巨大なクラッシックカー、ジミヘンのコラージュ等の配置で、一種独特な構図、空気感が際立っている。
音楽もしかりである。

困難な状況下にいる主人公に対する、人々の善意が希望であり、観客への監督からのメッセージとなっている。
投稿者:黒美君彦投稿日:2018-01-15 12:58:36
【ネタバレ注意】

人生の滋味をいつも感じさせる映像作家アキ・カウリスマキ。彼が、難民問題を「人間の問題」として描いた作品は、いみじくも欧州の縮図を描く形となった。
首都ヘルシンキに、主人公のシリア人青年カーリド(シェルワン・ハジ)が故郷アレッポから戦火を逃れてこの街にたどり着く。彼は正直に警察に出頭し、難民申請をするが、施設を転々とさせられるばかりで難民認定は難しそうだとわかり、施設から脱走する。彼は空爆で自宅を失い、両親と弟も亡くしている。ただ一人生き残った妹とも、ハンガリーの国境での混乱ではぐれてしまう。
同時並行で描かれるのは、中年のフィンランド人男性ヴィクストロム(サカリ・クオスマネン)。彼は酒浸りの妻と別れ、商売を替えてレストラン経営に乗り出す。元手はポーカーで稼いだ金。念願のレストラン「ゴールデン・パイント」を手に入れるが、それぞれひとくせありそうな個性的な従業員も店についてくる。
そんなヴィクストロムが、ゴミ捨て場に隠れているカーリドを見つけ、「出て行け」「いやだ」と言い合って殴り合いに。
ところがその次のカットでは、レストランで食事を与えられるカーリドと、鼻血を拭うヴィクストロム。なぜか「ここで働きたいか?」と尋ね、「是非(Very much)」とカーリドが答えて、レストランの一員になるのだ。
ひと目で彼を難民と見抜いたヴィクストロムは、敢えて面倒を承知で彼を引き受けるのだ。
同じ境遇、というわけではないが、従業員が拾ってきた犬コイスティネン(ヴァルプ=監督の愛犬!)を飼うのと同じように、困って行き場のない彼を、ヴィクストロムたちは引き受けるのだ。
警察が来れば匿い、住まいまで提供する。
得することがあるわけではない。特別扱いするわけでもない。つかず離れず、ただそこにいることを認めるのだ。
一方で、難民に攻撃的なネオナチ風の男たちも登場する。
暴力に訴える排外的な連中は、世界中に共通している。
やがて、収容所仲間から妹が元気だと知ったカリード。ここでもヴィクストロムがひと肌脱いで、妹の密入国を手伝う。
国際運送のトラック運転手が報酬を断り、「こんな素晴らしい荷物を運べたんだ、金は要らない」なんていうシーンは素敵過ぎる。

コミカルなシーンもちゃんと用意されている。カウリスマキ監督が日本贔屓であることは良く知られているが、この映画でも経営が不振なレストランを盛り上げようと「寿司店」に衣替えするシーンがある。「いらっしゃいませ」という日本語はともかく、ワサビの使い方があれでは…(笑)。

難民というよそ者がこの地に溶け込むためのアドバイスとして「楽しそうに笑いながら、決して笑いすぎないこと」と教えられる場面がある。確かにこの映画の登場人物は決して中途半端な笑いは浮かべない。
カウリスマキ監督は言う。
「私がこの映画で目指したのは、難民のことを哀れな犠牲者か、さもなければ社会に侵入しては仕事や妻や車をかすめ取る、ずうずうしい経済移民だと決めつけるヨーロッパの風潮を打ち砕くことだ」。

ラストは痛ましい。これもまた現実なのだ。だが、映画のあちこちに登場する何気ない優しさもまた現実であると信じたい。問題は何気ない優しさは、少数の暴力や悪意によってかき消されてしまうことだ。
アキ・カウリスマキ監督は、従来の彼の文体を活かしたまま、難民問題について鋭く衝いている。

投稿者:Katsumi_Egi投稿日:2017-12-18 22:59:22
【ネタバレ注意】

 まずは、王道のリーバスショットの映画として印象に残る。例えば、ヴィクストロム=サカリ・クオスマネンと、洋品店の女店主=オウティネンとの会話シーン。例えば、主人公カーリド=シェルワン・ハジと収容施設の女性との会話。特に、オウティネンとの会話シーンは、正面バストショットに近い(小津まではいかないが、小津に近い)構図で、観客に引っかかるように造型している。
 また、プロット展開上の要請と云ってしまえばそれまでだが、隠蔽(隠す)というモチーフが散りばめられる。主人公カーリドは、『地獄の黙示録』のカーツの帝国におけるマーティン・シーンのような登場をする。カーリドの妹も、別の形で、隠された場所から登場する。その他に隠れる/隠すという場面がいくつもある。ただし、エンディングのカーリドは何故か隠れることをせず、無防備に体をさらすのだ。だから、余計に胸を打つ。

 本作においても、画面内で演奏される音楽が、抜群の効果を発揮するのだが、BGMで流れる日本語歌謡曲の挿入と、ラストのカーリドの突き放しを考えると、『台北ストーリ』を想起せずにはいられなかった。
http://www.page.sannet.ne.jp/egi/

【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
■ 銀熊賞(監督賞)アキ・カウリスマキ 
□ 作品賞アキ・カウリスマキ 
 □ 監督賞アキ・カウリスマキ 
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
 【Blu-ray】希望のかなた2018/07/04\4,700amazon.co.jpへ
 【DVD】希望のかなた2018/07/04\3,800amazon.co.jpへ
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