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寝ても覚めても(2018)

メディア映画
上映時間119分
製作国日本
公開情報劇場公開(ビターズ・エンド=エレファントハウス)
初公開年月2018/09/01
ジャンルロマンス
映倫G
愛に逆らえない。

違う名前、
違うぬくもり、
でも同じ顔。
運命の人は二人いた。

寝ても覚めても

(C)2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会


 Photos

【クレジット】
監督:濱口竜介
エグゼクティブプ
ロデューサー:
福嶋更一郎
プロデューサー:定井勇二
山本晃久
服部保彦
アソシエイトプロ
デューサー:
新村裕
原作:柴崎友香
『寝ても覚めても』(河出書房新社刊)
脚本:田中幸子
濱口竜介
撮影:佐々木靖之
美術:布部雅人
衣装:清水寿美子
編集:山崎梓
VFXスーパーバ
イザー:
小坂一順
VFXディレクタ
ー:
白石哲也
スタイリスト:宮本まさ江
ヘアメイク:橋本申二
装飾:加賀本麻末
録音:島津未来介
助監督:是安祐
スーパーバイジン
グサウンドエディ
ター:
浅梨なおこ
スーパーバイジン
グプロデューサー:
久保田修
リレコーディング
ミキサー:
野村みき
出演:東出昌大丸子亮平/鳥居麦
唐田えりか泉谷朝子
瀬戸康史串橋耕介
山下リオ鈴木マヤ
伊藤沙莉島春代
渡辺大知岡崎伸行
仲本工事平川
田中美佐子岡崎栄子
【解説】
 前作「ハッピーアワー」で大いに注目を集めた濱口竜介監督が、芥川賞作家・柴崎友香の同名小説を主演に東出昌大と唐田えりを起用して映画化した恋愛ドラマ。同じ顔を持つ対照的な2人の男を愛した女性の揺れる心の軌跡を通して、人が人を好きになることの不思議を丁寧かつスリリングな筆致で描き出す。
 地元の大阪を離れて東京で暮らしていた泉谷朝子。カフェで働く彼女は、コーヒーを届けに行った先である男を見て息をのむ。丸子亮平と名乗ったその男は、2年前、朝子のもとから突然姿を消した恋人・鳥居麦とそっくりな顔をしていた。5年後、朝子は亮平と共に暮らし、満ち足りた穏やかな日々を送っていた。そんなある日、麦がモデルとして売れっ子となっていることを知ってしまう朝子だったが…。
<allcinema>
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【ユーザーコメント】
投稿者:Katsumi_Egi投稿日:2018-09-11 23:57:44
 まず、画面造型の特徴から思い返していくと、冒頭(大阪、中之島のシーン)は、爆竹をからめた高速度撮影のケレン味に目がいってしまうけれど、それ以上にエスカレータでの、東出昌大−麦(ばく)の背中と、唐田えりか−朝子の正面カットの切り返し、特に、唐田の正面、やゝ俯瞰のカットには唸ってしまった。なんと端正かつ力強い繋ぎだろう。唐田一人の正面カットでは、麦と決別する東北の防潮堤の場面でも再現され、こゝはさらに強いカットになっている。また、前後するが、前半で麦がパンを買いに行くと言って出ていく部分。残された皆をドリーで引きながら(後退移動しながら)映す正面カットも異様にキャッチーだ。これは、麦の「見た目」を装いながら、観客はカメラの視点(作り手の意図的な演出)であることを意識せずにはいられない、映画的な恐るべき不穏なカットなのである。

 続いて視点の高低について。冒頭エスカレータのシーンも既にそうだが、高低に自覚的な演出が多々ある。オートバイ事故現場の俯瞰。渡辺大知−岡崎がベランダから、家の前で抱き合う東出と唐田を見下ろす場面。ビルの非常階段で煙草を吸う東出と瀬戸康史。階下(地上)のカフェの前の唐田の俯瞰。東北へ向かう(帰ってくる)車を映す高速道路の大俯瞰。そして、天の川(淀川の支流と紹介される。交野市辺り)の川べりを駈ける男女のロングショット。さらに面白いのは、クダンの防潮堤の場面やラストカットで示される、高所にいる人物の、正面からのカメラの視点だ。見ている最中にカメラポジションを気にする観客は少数かも知れないが、しかしそれでも、カメラの視点に、ある種の不思議さ、不安感、現実を超えるものを感じるのではないだろうか。

 さて、プロットに関して云っても、タイトルの示す通り、夢と現(うつつ)についての映画であり、観客は、果たしてこれは現実なのか、不思議な感覚をずっと持ち続ける仕掛けがなされている。極めつけは麦の再登場で、こゝはとても怖い、恐怖映画のような演出だが、朝子の幻視・妄想(夢)だと思い、ホッとしていると、再々登場に唖然とさせられてしまうのだ。「高速降りた?」という科白の反復も同様の仕掛けの一つだろう。

 もう一つ。本作は卓越した猫映画である。特に、後半の猫の所作表情は素晴らしい。

#備忘。猫の名前、ジンタン。
http://cinema.intercritique.com/user.cgi?u=3449
投稿者:黒美君彦投稿日:2018-09-11 16:06:06
【ネタバレ注意】

『ハッピーアワー』(2015年・未見)でさまざまな国際的な映画祭で受賞した濱口竜介の新作…ということを意識せずに何となく観た。
冒頭はおっ、と思ったのだ。
主人公が行った写真展が、私の大好きな牛腸茂雄(1946〜83)の個展だったから。それだけで評価が甘くなる予感。
物語はどこか所在ない鳥居麦(東出昌大)と熱烈な恋愛に嵌まった主人公の泉谷朝子(唐田えりか)が、麦が行方をくらました後、東京で麦そっくりな丸子亮平(東出昌大・二役)に出逢い、結婚目前に。そこに麦が再び現れて…というお話。
ドッペルゲンガーの客体視か、という感じだけれど、意外に広がらない。双子の写真を数多く撮った牛腸茂雄を出して来たのはその伏線かと深読みしてしまったが、そうでもなさそうで、結局大人しげな朝子の内側にある激烈な感情がモチーフというべきか。
とことん優しい亮平を棄てて、手を引かれるままに麦についていく朝子は、仙台あたりで突然「戻る」と言い出すのだけれど、そこがもうついていけない。恋愛なんて理屈じゃないし、勝手にしたらいいんだけど、共感できないことこの上ない。「二度と信じられない」と言いながら亮平は彼女を許すが、それも信じられない。惚れた者の弱みか。
私に惚れて無茶苦茶になる姿が見てみたい…なんてことをいう女性にかつて出逢ったことがあるけれど、それって自分の究極の承認欲求を充たしたいという自己満足に過ぎないじゃん、と冷静に考えてしまう自分からすると、朝子みたいな女は願い下げだ。彼女もそのことはわかっているけれど、自分を抑えられない。抑えられないなら最後まで貫けよ。どうして亮平のもとへ今さらのこのこ帰るんだ。
麦も麦だ。思うままに世界を回り、何年もの間一度も朝子に連絡を取らない男のどこがいいというのか…。

ま、そんな訳でわけがわからないままだったんだけど、その中でもうひとつわけがわからなかったのは、東日本大震災の位置づけ。
どうぞご勝手に、の恋愛劇のなかで、あの地震と朝子のボランティアはどんな意味があるのか、さっぱり必然性がわからなかった。時間経過を見せたかったのか?
東日本大震災の発生は、観る者をリアルな時間に引き戻す。しかし主人公たちが生きているのはリアルな時間ではない。
そこがどうにも融合しがたいように感じるのだ。

それにしても東出昌大はいい演技者になった。デビュー当時は目も当てられなかったが、短い時間で人間は成長するもんだ、と変なところで感心したり。けれど関西弁はとことん下手。もう少し鍛えた方がよかった。一方唐田えりかは、不思議な透明感が印象的で、そのせいか何を考えているのか最後までわからず。振り回される周囲はたまらない。恋人が失踪した後、仲の良かった友人とも縁を切るその冷酷な一面が好きになれないけれど、男はあんな一見か弱そうな少女らしさを残した女に弱かったりするからな。
ということでこの作品に関して、個人的には「へんなの。」というひと言に尽きるのであった。

【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ パルム・ドール濱口竜介 
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