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ナポリの隣人(2017)

LA TENEREZZA
TENEREZZA: HOLDING HANDS

世情(仮題)(イタリア映画祭2018)

メディア映画
上映時間108分
製作国イタリア
公開情報劇場公開(ザジフィルムズ)
初公開年月2019/02/09
ジャンルドラマ
血の繋がりだけで、心は繋げない。

2019年2月9日(土)より岩波ホールほか全国順次公開

ナポリの隣人

(c)2016 Pepito Produzioni


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ナポリの隣人ナポリの隣人

【解説】
 「家の鍵」「最初の人間」のジャンニ・アメリオ監督が、妻に先立たれ、子どもたちとも埋めがたい溝を抱えた孤独な老人を主人公に、それぞれに絆を求めながらも決して容易ではない現代の家族のありようを見つめたヒューマン・ドラマ。主演はレナート・カルペンティエリ、共演にジョヴァンナ・メッゾジョルノ、エリオ・ジェルマーノ、グレタ・スカッキ。
 イタリア、ナポリ。弁護士を引退し、今はアパートでひとり暮らしをしているロレンツォ。妻は数年前に亡くなり、子どもたちとの関係も良好とは言えず、孤独な日々を送っていた。とくに娘のエレナは母の死の原因が父の不倫にあると信じて、父を許すことができずにいた。そんな中、隣に越してきた若い夫婦と親しくなり、彼らの幼い子どもたちにも懐かれ、まるで家族のような関係を築いていくロレンツォだったが…。
<allcinema>
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2019-03-04 11:29:29
【ネタバレ注意】

日本とイタリアはどこか国民性が似通っている、とはよく言われることだ。
島国ではないものの南北に長い半島にある自然豊かなイタリアは、家族(一族)を大事にする国民性も日本と共通していた。しかし、日本で核家族化が急速に進んだように、イタリアでも家族の無条件の絆は崩壊しつつあるのだろう。そんなことを感じさせる作品だ。

ナポリのアパートに独居している元弁護士のロレンツォ(レナート・カルペンティエーリ)が主人公だ。かつて悪徳弁護士として知られた人物。妻は亡くなり、アラビア語の法廷通訳をするシングルマザーの娘エレナ(ジョヴァンナ・メッゾジョルノ)と、経営するクラブをめぐっていつも金を欲しがる息子サヴェリオ(アルトゥーロ・ムセッリ)とは関係が悪い。ロレンツォが暮らすアパートの権利をどうするか姉弟は気を揉んでいる。エレナは、母は、父の浮気を知って死に至ったと感じていた。
そんなロレンツォが、転居してきた向かいの部屋の若い家族と親しくなる。快活で明るい妻ミケーラ(ミカエラ・ラマッツォッティ)と造船所に勤める夫のファビオ(エリオ・ジェルマーノ)。そして幼い二人の子供。
互いに自宅に招き合い、ロレンツォはすっかり隣人一家に心を開いていくのだが…。
家族は、その歴史が時に重くのしかかってしまう。だが、新たに知り合う相手には、よき部分だけを見せればそれでいい。利害が伴わない関係ほど楽しいものはない。その意味ではイタリアも日本同様に、家族関係が利害関係に取って代わってしまったのかも知れない。

ネタバレになるが、爽やかな父であり、夫であると思われたファビオが家族を殺害し、自殺するという展開は、ロレンツォのような新たな「隣人」にはとても想像がつかない。人間関係が苦手で、子どもたちとどう接していいかわからなかったとしても、そのような極端な行動に出ることはまず理解できないだろう。
瀕死の重傷で意識不明のまま入院しているミケーラに、父親と偽ってずっと付き添ったロレンツォの気持ちはいかなるものだったのだろう。疑似家族としての務めか。実の娘エレナは、父を許せないといいながら一方で父親を深く愛していることが読み取れる。ただ頑固な父ロレンツォが受け容れないだけのことなのだ。
それでもラストシーンは、父娘の和解を思わせたのだけど…。

ジャンニ・アメリオ監督作品は『家の鍵』(2004年)以来、久しぶりだった。形こそ違えど、ここに描かれているのもまた親子の関係だ。無償の親子関係が消失した現代、家族、親子という病は東西に共通していると改めて感じた。

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