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止められるか、俺たちを(2018)

メディア映画
上映時間119分
製作国日本
公開情報劇場公開(スコーレ)
初公開年月2018/10/13
ジャンルドラマ/青春/伝記
ここには映画と青春があった
でも私はなにをみつけたんだろう

2018年10月13日(土)よりテアトル新宿ほか全国順次公開

止められるか、俺たちを

(c)2018若松プロダクション


 Photos

【クレジット】
監督:白石和彌
製作:尾崎宗子
プロデューサー:大日方教史
大友麻子
脚本:井上淳一
撮影:辻智彦
美術:津留啓亮
衣裳:宮本まさ江
編集:加藤ひとみ
キャスティング:小林良二
音響効果:柴崎憲治
音楽:曽我部恵一
主題歌:曽我部恵一
『なんだっけ?』
ヘアメイク:泉宏幸
照明:大久保礼司
題字:赤松陽構造
録音:浦田和治
助監督:井上亮太
出演:門脇麦吉積めぐみ
井浦新若松孝二
山本浩司足立正生
岡部尚沖島勲
大西信満大和屋竺
タモト清嵐秋山道男(オバケ)
毎熊克哉小水一男(ガイラ)
伊島空高間賢治
外山将平
藤原季節荒井晴彦
上川周作
中澤梓佐
満島真之介
渋川清彦
音尾琢真
吉澤健カプリコンマスター
高岡蒼佑大島渚
高良健吾
寺島しのぶ前田のママ
奥田瑛二葛井欣士郎
【解説】
 「凶悪」「孤狼の血」の白石和彌監督が、若松孝二監督とともに映画づくりに情熱を燃やした熱き若者たちを描いた青春群像劇。実際に助監督として若松プロダクションに飛び込んだ吉積めぐみの目を通して、映画で世界を変えようと集まった若者たちの狂騒と葛藤の日々をエネルギッシュに描き出す。出演は吉積めぐみ役に「二重生活」の門脇麦、若松孝二役で井浦新。
 1969年、春。21歳の吉積めぐみは、ピンク映画の旗手・若松孝二率いる“若松プロダクション”の扉をたたく。助監督となり、男でも逃げ出すピンク映画の過酷な現場に圧倒されながらも、若松監督の存在感と、いくつもの才能が集う若松プロの熱気に魅了されていく。しかし、自分でも映画を撮りたいと思いながらも、何を表現したいのかが分からず焦りと不安が募っていく。そんな中、若松監督は過激な政治闘争へとその軸足を移していくのだったが…。
<allcinema>
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【ユーザーコメント】
投稿者:Katsumi_Egi投稿日:2018-10-30 23:39:07
 映画ファンとしては、日本映画史の中の実在する人物や出来事への興味もあるが、ある種の映画はこのように作られる、という部分、つまり、製作現場の描写への興味、ということでも、とても面白い映画だ。

 ただ、映画はすべからく(本作も当然)フィクションなのだから(例えば、高間賢治は本当にあんなかたちで童貞を捨てたのか?)、例えば撮影現場での助監督、撮影助手の待遇は、もっと厳しく描かれてもいいんじゃないかと思ってしまった。(なんだか生ぬるい)

 本作も全般に夜の屋外シーンがいい。夜の街を酔っぱらって歩く門脇麦。オバケと街角で別れる場面の反復。女2人で夜の学校のプールに入る場面。こういった場面は情感たっぷりでとてもいいのだ。

 さて、ラスト近くなって、門脇が仕事(というか表現欲求)と母性保護のいずれにも苦悩するようになるが、その理屈の見せ方の手際はイマイチだと私には感じられた。このような主題も古臭すぎると思うが、それは置いておくとしても、例えば母親へ電話するシーンは(電話するまでも異様に長いが)、不要ではないかと。
http://cinema.intercritique.com/user.cgi?u=3449
投稿者:黒美君彦投稿日:2018-10-22 15:41:56
【ネタバレ注意】

2012年10月、思わぬ交通事故で76歳でこの世を去った若松孝二監督。
数々の傑作や珍作を世に問い、エピソードに事欠かない若松監督と、彼を取り巻く若い才能を映画化したのが、若松プロ出身の俊英白石和彌監督だ。
舞台は1969年。当時ピンク映画の問題作を量産していた若松監督はまだ33歳だった。その頃若松プロダクションの門を叩いた吉積めぐみ(門脇麦)の目を通して、若松プロの青春群像が描かれる。
若松監督を演じたのは井浦新。およそ若松監督には似ても似つかないが、観ているうちに若松孝二その人に見えてくるから不思議だ。実際、本人を知る人たちはみな「そこにおやっさんがいる」と驚嘆したという。
若松孝二はもともと正真正銘のチンピラだったが、喧嘩で刑務所に入ったのがきっかけで「オマワリを殺しまくるには映画だ!」と映画の世界に飛び込んだという変り種。この映画の時代、若松プロには映画監督の足立正生や、その後「日本昔ばなし」の脚本を手掛けた沖島勲、「ルパン三世」でもおなじみの脚本家・大和屋竺、今も脚本家や映画監督として活躍する荒井晴彦など、錚々たる面々が集っていた。それはこの映画でも表現される若松孝二の無頼な勢いやオーラに引き寄せられたのかも知れない。大島渚や佐藤慶、渡辺文雄、赤塚不二夫らが若松と飲み、語り合っていた。

主人公の吉積めぐみは実在の人物をモデルにしている。1969年春、新宿のフーテン仲間に誘われ、いつしか若松プロダクションの頼りになる助監督に成長していく。だが、一方でこの頃若松孝二はレバノンで日本赤軍の重信房子らと合流して、パレスチナ解放戦線の撮影を敢行。帰国後、映画『PFLP世界戦争宣言』の上映運動に奔走していた。
若松孝二という人物は、なかなか単純に割り切ることはできない。彼は時に政治的であり、煽情的であり、映画作りにすべてを注ぎ込み、しかし一方で緻密な計算を重ねていたようにも見える。若手に直接教えることはなく、自分の後姿を見せることで、映画に必要なすべてのことを示した人物でもあったのではないだろうか。その意味で彼はやはり傑物だったのだ。
主人公がどうして落命しなくてはならなかったのか、この作品でははっきり答えは示されない。
女を棄てようとしながら、女であることから逃れられない絶望が暗示されているが、それとても可能性の一つに過ぎないだろう。
しかし60年代末、こんな青春が映画界の片隅に確かにあったのだ。
めちゃくちゃだがどこか羨ましい…そんな桃源郷が、フィルムに定着されている。

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