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ガンジスに還る(2016)

HOTEL SALVATION

メディア映画
上映時間99分
製作国インド
公開情報劇場公開(ビターズ・エンド)
初公開年月2018/10/27
ジャンルドラマ/コメディ
映倫G
また会う日まで――

インドの聖地「バラナシ」を舞台に、
死期を悟った父と、それを見守る家族の旅路。

2018/10/27(土)より、岩波ホールほか全国順次公開

ガンジスに還る

(C)Red Carpet Moving Pictures


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【解説】
 死期を悟り聖地“バラナシ”で最期を迎えたいと宣言した父と、戸惑いながらも付き添うことにした仕事人間の息子、それぞれの心の機微を繊細なタッチで描いたインド製ヒューマン・ドラマ。主演は「マダム・イン・ニューヨーク」「汚れたミルク/あるセールスマンの告発」のアディル・フセイン。監督は1991年生まれのインドの新鋭シュバシシュ・ブティアニ。
 ある日、家族の前で父ダヤが、自らの死期を悟ったのでバラナシに行くと宣言する。バラナシはガンジス河の畔にある聖地で、安らかな死を求める人々が国中から集まる場所。家族は大反対するが、ダヤの意志は固く、仕事人間の息子ラジーヴは渋々ながらも付き添うことに。こうしてはるばるバラナシまでやって来た2人は、最期の時を待つ人々のための施設“解脱の家”に宿泊する。ダヤはすぐに他の住人たちと打ち解け、穏やかな時間を過ごしていく一方、ラジーヴは仕事が心配でまるで落ち着けない。それでも父をひとり残して帰ることもできず、途方に暮れるラジーヴだったが…。
<allcinema>
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2018-11-15 11:54:24
【ネタバレ注意】

監督が25歳と知り、驚くべきインド映画の裾野の広さに驚いた。いや、若い監督だからこそ果敢に生と死と家族の物語に正面から切り込めたのだともいえるけれど。
物語はある意味、単純だ。死期を悟った父親が、ガンジス川沿いにある「解脱の家」で死を迎える決心をする。仕事中毒の息子がそんな父親に付き添うが…。
この「解脱の家」こそが、この作品のもうひとつの主人公だ。ヒンズー教では「死」を、人生の試練や苦悩からの解脱(モークシャ)と捉え、魂の解放であるとみなす。解脱するためには聖なるガンジス川の水によって浄化される必要があると信じられている。
主人公たちが向かうバラナシには、そんな解脱を求める人が生活する「解脱の家」(ムクティ・バーヴァン)が数多くある。そこには医師や看護師はいない。死者を送る祭祀などを行う宗教者がいるだけだ。ただし規則があり、2週間以内に亡くならなければ、「解脱の家」を離れて部屋を明け渡さなければならないのだという。

そうしたことを踏まえてこの作品を観ると、そこここにインドの宗教観が見え隠れして面白い。死別はもちろん家族に悲しみをもたらす。しかし悲しいだけではない、解脱を祝うという意味もそこには込められている。父親が親しくなった女性が「先に解脱できるなんて嫉妬してしまうわ」と語るシーンがあるが、死もまた受け容れるべき“段階”に過ぎないのだ。「生まれ変わったらライオンになりたい、いやカンガルーがいい、ポケットに何でも入れられる」と笑う父親と息子。
生命の循環がそこで語られる。
直線的な時間の流れはキリスト教的な概念だ。そう考えると、ここにある循環する時間の概念はきわめて東洋的な概念でもある。
死は終わりだけど終わりではない。
亡くなった後、本人が書き残した「死亡広告」を孫娘が読み上げ、泣きながら笑い転げる場面が印象的だ。「高名な詩人」を騙る一方で、その詩集は古書店で埃をかぶっているというユーモア。
IT大国でもあるインドの一面も垣間見えるが、一方で続くヒンズー教の教えも根強く残っている。
踊って歌うインド映画もいいけど、時にはこんな作品もいい。

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