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葡萄畑に帰ろう(2017)

THE CHAIR

メディア映画
上映時間99分
製作国ジョージア
公開情報劇場公開(クレストインターナショナル=ムヴィオラ)
初公開年月2018/12/15
ジャンルコメディ/ドラマ

葡萄畑に帰ろう

(C)2/15(土)より岩波ホール他全国順次ロードショー


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【解説】
 自身も長年政界に身を置いた経験を持つジョージアの名匠エリダル・シェンゲラヤ監督が、政治風刺を織り交ぜつつ21年ぶりに撮り上げたヒューマン・コメディ。大臣の椅子を満喫する主人公が、ある日突然解任され、その後も災難に見舞われるドタバタ大騒動の行方を、ユーモラスかつ寓話的に描き出す。
<allcinema>
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2018-12-26 13:21:17
【ネタバレ注意】

ジョージアの映画は殆どこれまで観たことがなかった。ロシア、アゼルバイジャン、アルメニア、トルコと国境を接し、黒海に面した人口400万人の小さな国。そこから届けられた寓意に満ちたこの作品は、エリダル・シェンゲラヤ監督自身の政治家だった経験が投影されているという。1991年のソ連からの独立前後から、他の国同様、内戦が繰り返されたジョージア。映画でも難民が登場するがシェンゲラヤ
監督によると1990年代初頭のアブハジア紛争、2008年の南オセチアをめぐるロシアとの戦争などで生まれたジョージア国内の避難民をイメージしているという。この作品の主人公ギオルギ(ニカ・タヴァゼ)が務めるのが“避難民追い出し省”の大臣、というのも何ともいえない皮肉だ。
早くに妻を亡くし、義理の姉マグダ(ニネリ・チャンクヴァタゼ)と息子ニカと一緒に大邸宅に住んでいたギオルギ。長女アナ(ナタリア・ジュゲリ)とは折り合いが悪いが、行き場のなくなったドナラ(ケティ・アサティアニ)と出会い、やがて再婚。ところがギオルギが属する与党が選挙で大敗し、大臣の席を追われるどころか、邸宅まで差し押さえられ、彼自身が行き場がなくなってしまう…。
「避難民追い出し省」大臣が、次の瞬間行き場を失うという皮肉。
彼が購入した「大臣の席」の象徴である椅子が時折話したり、踊りだしたり、大臣の椅子が宙に浮いたりと、ところどころくすっと笑わせる仕掛けもあるが、善悪の価値観だけで切り分けることのできない、人間の営みとしての小国の政治が皮肉っぽく描かれている。
そんな混乱のジョージアだが、エリダル・シェンゲラヤ監督はそれでも奴隷のようだったソ連時代よりマシだ、と言い切る。政治の混乱はあるとしても、それを受け入れるほうが一党独裁よりマシだ、ということか。
権力に固執してきた男が、故郷の葡萄畑で再生できるのかどうかはよくわからないけれど、豊かな葡萄畑の存在がギオルギを変えていくのは間違いないだろう。面白く観た。

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