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喜望峰の風に乗せて(2017)

THE MERCY

メディア映画
上映時間101分
製作国イギリス
公開情報劇場公開(キノフィルムズ=木下グループ)
初公開年月2019/01/11
ジャンルドラマ/伝記/サスペンス
映倫G
このままでは帰れない――
愛しているから。

喜望峰の風に乗せて

(C)STUDIOCANAL S.A.S 2017


 Photos

【解説】
 「英国王のスピーチ」のコリン・ファースが、アマチュアでありながら過酷な単独無寄港世界一周ヨットレースに出場した英国の実業家ドナルド・クローハーストを演じる伝記ドラマ。共演はレイチェル・ワイズ。監督は「マン・オン・ワイヤー」「博士と彼女のセオリー」のジェームズ・マーシュ。
 1968年。海洋冒険ブームに沸くイギリスでは、単独無寄港世界一周ヨットレース“ゴールデン・グローブ・レース”が開催されることに。華々しい実績を持つ一流セーラーが参加者に名を連ねる中、趣味でヨットを楽しむだけのビジネスマン、ドナルド・クローハーストが名乗りを上げる。彼がレースに参加する狙いの一つに、行き詰っていた会社の事業にスポンサーを呼び込みたいとの思惑があった。しかしそのレースは、アマチュアセーラーが挑むにはあまりにも過酷すぎた。どうにか期限内に出航にはこぎ着けたものの、早々に窮地に追い込まれてしまうクローハーストだったが…。
<allcinema>
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2019-01-23 14:07:06
【ネタバレ注意】

予備知識ゼロで観た。舞台は1968年ということで、当時の総天然色映画の色調を使い、不思議な味わいを持たせている。
ヨットでの単独無寄港世界一周レース“ゴールデン・グローブ・レース”や、主人公のドナルド・クロウハースト(コリン・ファース)のことは知らなかった。だから、専門のヨットマンではなかったドナルドが、てっきり誰もなし得なかった快挙を成功させる物語かと思っていたのだが…。
D・クロウハーストの物語は、すでに何度も映画化され、小説や舞台などで幅広く知られている(らしい)。
個人的には登山やこうしたヨットの無寄港世界一周レースには全く関心がない。それは地球上に「未踏の地」など最早ないからだ。大きなリスクを承知の上で、上へ上へ、または遠くへと行くことにいまだ全く興味を持てずにいる。
しかし、冒険をしたい、という人の熱意は否定しない。最大限のリスク管理を行ったうえで、人がどこまで出来るかを問う営みであることは間違いない。
しかし、ドナルドは見切り発車でレースに乗り出す。計画を立ててからの彼は、見方によっては躁状態で、根拠なき自信に満ち溢れている。レースに勝てば事業も発展させられる、レースに勝てば家族をもっと楽にできる、レースに勝てばレースに勝てば…。
結果ばかりを夢見て、足元の現実と向き合おうとしなかった結果、彼は不帰の旅に出てしまうのだ。

海上で彼は何度も棄権を考える。天候に翻弄され、絶対的な孤独は次第に彼の神経細胞を貪る。
結局彼は、家族のために虚偽の報告を繰り返し、その結果最終的にレースに勝つことさえも放棄する。このまま帰るわけにはいかない。嘘がバレたら自分も家族も破滅だ。であるならここで終わりにするしかない…。
彼は最大の罪である「隠蔽」を行い、劇中字幕では「救い」と訳される“The Mercy”にすがるのだ。

コリン・ファースが熱演。もう還暦近いというのに、洋上の40代のドナルドを巧演している。そして妻クレア役のレイチェル・ワイズも美しい。妻と三人の可愛い子どもたちのために、ドナルドは帰還すべきだったのに…。
当然多くの想像を交えた洋上のドナルドは、人間の心理の脆さ、愚かさを見事に体現している。回想だか妄想だかで現実感が遠のく感じはよく出ている。
なお、「馬の緯度」とは、風が微弱で航海に適さない30〜35度の緯度帯を指すとのこと。ドナルドの説明では昔スペインから馬を輸送する際に、この緯度帯で停滞し、飲料水が枯渇したため馬を捨てたのだという。
この作品が遺作となったヨハン・ヨハンソン(2018年2月に48歳で急逝)の音楽が切なかった。

投稿者:glamfreak投稿日:2019-01-14 21:03:04
原題は「The Mercy」。実在の主人公が、支離滅裂とも言える航海日誌の最後に書き記した言葉だ。「It is finished. IT IS THE MERCY.」と彼は書いた。

"mercy"で辞書を引くと「慈悲、情け」といった語義が現れる。だが"the mercy"で引くと「翻弄」だとか「なすがまま」という意味合いを含む言い回しがたくさんあるのがわかる。

そう考えながら、邦題を思い、本編を観ると、また違ったものが見えてくる。
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