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マチルド、翼を広げ(2017)

DEMAIN ET TOUS LES AUTRES JOURS
TOMORROW AND THEREAFTER

メディア映画
上映時間95分
製作国フランス
公開情報劇場公開(TOMORROW Films.=サンリス)
初公開年月2019/01/12
ジャンルドラマ/ファンタジー
映倫G
あまりにも大きな愛と
ほんの少しの魔法

2018年1月12日(土)新宿シネマカリテほか全国順次公開

マチルド、翼を広げ

(c)2017 F Comme Film / Gaumont / France 2 Cinema


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【解説】
 情緒不安定な母親に振り回されてばかりの9歳の少女を主人公に、大人びた少女の葛藤と親子の絆をファンタジックなタッチで描いたドラマ。女優としても活躍する「カミーユ、恋はふたたび」のノエミ・ルボフスキー監督が、自ら母親役も演じて自身の子ども時代を映画化。主演のマチルド役は映画初出演のリュス・ロドリゲス、共演にマチュー・アマルリック。
 パリのアパルトマンに暮らすマチルドは9歳の女の子。一緒に暮らす母親は情緒不安定で、彼女の奇行に振り回されっぱなしのマチルドだったが、それでも母のことが大好きだった。そんなある日、母からマチルドに突然のプレゼントが。中身はなんと、かわいい小さなフクロウだった。しかもマチルドをもっと驚かせたのは、そのフクロウがしゃべりだしたことだった。しかしフクロウと会話できるのはマチルドだけだった。フクロウは孤独なマチルドの良き相談相手となり、友情を育んでいくのだったが…。
<allcinema>
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2019-02-06 17:04:49
【ネタバレ注意】

フランス映画らしいエスプリの効いたファンタジー。だのに子ども向けでは全くない作品。
主人公は学校生活に馴染めない9歳のマチルド(リュス・ロドリゲス)。離婚して母ひとり子ひとりの家庭だが、母親(ノエミ・ルヴォウスキー)は精神に問題を抱えている。そんな母から贈られたフクロウ。何とこのフクロウは、マチルドとだけ会話ができる。それも声ではなく少し離れたところからでも話しかけられるのだ…。
母はいろいろな問題行動を起こしてしまう。
せっかくマチルドがクリスマスの準備をひとりで仕上げたのに、母は電車でどこか遠くまで出かけてしまった。連絡を受けたマチルドは怒りで暴れまくった挙句にカーテンに火を点け、危うく火事直前に…。このシーンはCGとかではないので、必死で消火しようとするリュス・ロドリゲスが火傷するんじゃないかと心配してしまった。
そんな風に母の行動に振り回されるマチルドなのだが、それでも彼女は母が大好きで仕方ない。まるで一緒に暮らして、母親を導くのは自分しかいない、とでもいうように。
ところどころでマチルドの悪夢として水面に沈む娘の画が挿入されるが、それは19世紀半ばの画家ジョン・エヴァレット・ミレーの『オフィーリア』をモチーフにしているのは間違いない。いうまでもなくシェイクスピアの『ハムレット』に登場する女性で、発狂して川に落ち、そのまま死んでしまった女性だ。その姿は、母親の行動に縛られているマチルドを象徴するカットに連なる。そして同様の台詞をフクロウはマチルドに語るのだ。「君は母親の囚人だ」と。
だからラストで体を水面から起こしシーンが意味を持つ。マチルドは囚われの身から解き放たれたのだから。

この作品は母親を演じ、監督でもあるノエミ・ルヴォウスキー(ALLCINEMAでは「ルボフスキー」となっているが、発音に近い「ルヴォウスキー」と表記する方がいいだろう)の実体験に基づいているという。エンドクレジットの献辞が母ジュヌヴィエーヴ・ルヴォウスキーに捧げられているが、ノエミが母親役を演じるということの意味を考えざるを得ない。彼女は映画の中で母親と同一化するのだ。理解できないけれど、誰よりも母を愛した娘として。

別れた夫、マチルドの父親を演じるマチュー・アマルリックも巧演。彼は恐らく精神に変調を来たした妻との結婚生活に疲れ果てて離婚に踏み切ったのだろう。マチルドはその時母親を選んだ。
だが、元妻を放置するわけにはいかないと、彼は苦渋の決断をする。
こうした精神の病は、個人的にも肉親の初期の認知症の際も経験しているので、少々辛かった。本人にとっては筋の通った行動なのに、周辺からは理解不能に見えてしまう。両者にとってとても不幸な関係だ。
この作品には結論はない。
原題の通り、“Demain et tous les autres jours(明日も、これからもずっと)”…それはどんな境遇であろうと永遠に母と娘、という意味でもある。

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