allcinema ONLINE オールシネマ 映画&DVDデータベース
検索オプション

危険な場所で(1951)

ON DANGEROUS GROUND

孤独な人々(TV・旧)

メディア映画
上映時間82分
製作国アメリカ
公開情報劇場公開(IP)
初公開年月1989/01/21
ジャンルドラマ
刑事・犯罪映画傑作選  DVD-BOX1
参考価格:¥ 9,720
価格:¥ 7,658
USED価格:¥ 15,456
amazon.co.jpへ

【解説】
 荒廃した街の事件を扱ううち心すさみ、人間を信じられなくなった刑事ジム(R・ライアン)は、荒っぽい捜査方法を非難され郡部に左遷された。そこで起きた少女殺人は彼の正義心をかき立てるが、閉鎖的な村人たちはすべてを自分たちで解決しようとし、彼を疎外する。犯人と思しき男を追ううち、ジムは人里離れた一軒家に辿り着き、美しい盲目の女性マリー(I・ルピノ)と出会うが……。筋だけ追えばいささか陳腐な“癒し”を、徹底して映像の力で語るレイ演出は鋭い。前半の都会の場面は確かに救いようのないほど暗く、後半の雪景色の清浄さと好対照をなし、まさに主人公の心象風景たりえている。サイコ・スリラーとしてみても一級の出来。
<allcinema>
評価
【ユーザー評価】
下記フォームからあなたのこの作品に対する採点を投票してください。
メールアドレス年齢性別
評価 (低い←→高い)
12345678910
【ユーザーコメント】
投稿者:uptail投稿日:2012-03-01 09:44:00
演出:9
演技:9
脚本:7
音響:8
投稿者:noir fleak投稿日:2010-10-10 08:47:55
典型的なノワール設定から始まる映画は、次に田舎の一軒家での盲目の女との
出会いになり、雪原での追跡になり(素晴らしいシーンの連続だ)、意外な結果になる。しかしまだ映画は終わらない。むしろそれからがこの映画を傑作にした理由ではないか。(たとえレイ監督自身は気に入らなかったにしても。)エンディングには、戦慄を覚えた。)
ロバートライアン、アイダルピノとも生涯最高の演技だと思う。バーンハートハーマンの音楽もいい。
フィルムノワールの変種でありながら、ノワール史上ベストの一作のひとつだ。
投稿者:クマサン投稿日:2008-06-15 16:30:22
ニコラス・レイ。40年代から50年代にかけて多くのハリウッド的商業主義者らと一線を画した映像作家。彼が求めた題材は当時としては決して真っ当とは呼べないもの。異常心理に苛まれる者、行く当ての無い犯罪者、孤独な人々、反抗する若人。こうした人物が闇の中でうごめく物語、それが彼の求めた映画的素材。しかし、そこには常に社会からはみ出てしまったアウトサイダーたちに対する彼の確かで熱い愛情の眼差しが注がれていたことを忘れることはできません。

その彼の傑作との誉れ高いフィルム・ノワールがこの『危険な場所で』。レイ監督と脚本家であるA.I.ベゼリデスが愛と情熱を込めて作り上げた奇跡のフィルム。しかし当時製作会社であるRKOを牛耳っていた億万長者ハワード・ヒューズによってラストシーンの変更を余儀なくされてしまったことにより、レイ監督はこれを失敗作と感じてしまうのです。ところが監督の落胆をよそに、やはり残されたフィルムはそんな紆余曲折を吹き飛ばしてしまうほど素晴らしいものでした。

荒んだ環境で職務を全うしているうちに凶暴化してしまった刑事ジム。カメラはそんな壊れた男が退廃した都会を徘徊する姿を追い回し、力動感あふれるスタイリッシュで実験的な映像を生み出します。あまりに自暴自棄になったジムはついに都会を追い払われ、雪に覆われた片田舎に左遷されます。陰鬱で暗い都会から白銀の清らかな世界へのこの素早い背景転換が、荒んだ男を自ら魂の再生へと誘うのです。この当時としては大胆で勇気あるレイ監督の試みが生み出す言いようの無い映像美の素晴らしさ。レイ監督の意図をフィルム・ノワールを得意とした名カメラマン、ジョージ・ディスカントが寸部違わず理解し、黒い世界と白い世界との詩的な映像上の対比を実現するのに一役買っています。

ここで名優ロバート・ライアン演じる堕ちた刑事ジム、フィルム・ノワールの女神アイダ・ルピノ扮する盲目の淑女メリー、フォード一家の重鎮ワード・ボンド扮する復讐鬼ブレントが一堂に会します。皆それぞれが素晴らしい。特にロバート・ライアンはあまた存在したスターの中でも彼しか表現することのできない、荒みの中に悲しさと孤独さを秘めた人間の複雑な心を示してあまりある名演を見せます。彼の目が、声が、顎が、姿勢が、そのすべてがジムという孤独な男の深い悲しみを見事に表現します。ロバート・ライアン=『危険な場所で』という昨今の評価が大いにうなずけます。アイダ・ルピノも優しさに満ちた不幸な女性をしみじみと演じ、フィルム・ノワールの常連として貫禄十分。ワード・ボンドも、彼には珍しい悲しさと頑固さが入り混じった人間像を手堅く表現して新境地を開いています。

終盤、ついにカメラは山小屋から峰の高みまで一気に上り詰めて行きます。そのスピード感、眩さ、迫力にはただただ息を呑むばかり。これは異端の映像作家ニコラス・レイによる映像芸術の独壇場。それをさらに素晴らしいものにしているのは、ヒッチコック監督作品で高名な映画音楽の巨匠バーナード・ハーマンによる名スコア。金管楽器を多用した斬新な響きはいつまでも心に残ります。こうした動的シーンと対比を成すかのように散りばめられた登場人物たちの静かな息遣いと懸命に抑えた感情。このあたりレイ監督が極めて繊細なロマンティストであったことの証が静寂の美を伴って表れています。

公開当時、その投げやりな配給のされかたと、突拍子も無い斬新さからか散々な評価を受けた本編。しかし『危険な場所で』はその後たびたび人々の感性を刺激し審美眼を養い続けてきた作品です。米国の『Slant』誌はこれに最大限の賛辞を贈り、フィルム・ノワール研究者ロバート・ポリフィリオ氏は「特別なクオリティを持つフィルム」と絶賛。さらに影響力のある研究本『The Rough Guide to Film Noir』は本編を最も重要なフィルム・ノワール50選の中に含めています。今、ようやくその真の評価がなされつつある傑作は時を経て今もなおその輝きを増し続けているのです。

2009年に映画批評ウエブサイト「They Shoot Pictures, Don't They?」が発表した厳選2001作品からなる「古典フィルムリスト」へのエントリーを果たしました。
【広告】

【スポンサーリンク】



【スポンサーリンク】



allcinema SELECTION

allcinema SELECTION