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群衆(1928)

THE CROWD

メディア映画
上映時間104分
製作国アメリカ
初公開年月不明
ジャンルドラマ
世界名作映画全集100 群衆 [DVD]
参考価格:¥ 3,024
価格:¥ 3,024
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【ユーザー評価】
投票数合計平均点
216 8.00
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【ユーザーコメント】
投稿者:スティン・グレー投稿日:2011-06-27 06:09:55
冒頭のニューヨークの大都市の活況をオーバーラップなどを駆使して表現した映像が良く、さらに摩天楼を下から見上げて撮っているカメラがどんどん上昇して上のほうの階のオフィスの窓と正面に向き合うシーンなんて、どう撮影したのか不思議なくらい。さらにオフィスにずらっと並んだ机と事務員たちの俯瞰。このシステマティックな描写はどこかで観たと思ったけれど、『アパートの鍵貸します』だったらしい。(ちなみに産院も広大な部屋にベッドが並んでシステマチック! まるでフォードの自動車量産システムみたいだ)
20年代の好況時のニューヨークの気分がよく映画にでていること、さらに当時、世界最大の遊園地だったコニー・アイランドに主人公らがデートし、ネオンも豪華な在りし日のコニー・アイランドのさまざまな遊具が観れるところが楽しい。いまではこの華やかだった遊園地はほとんど廃墟となってしまっているのだから。
映画的白眉は、主人公ジョニーと妻が夫婦喧嘩をし、妻は実家に帰ると言って、バッグに荷を入れ始め、夫は怒って外に出る。でも妻は窓から夫を呼び戻す。戻った夫は、そこで妻が最初の子供を身ごもっていることを伝えられ仲直りする、というシーン。
なにしろ「実家に帰ります」という妻の台詞(サイレントなので字幕)以降、まったく無字幕で演技だけで、身ごもっていることまでも理解させてしまうのだ!映像にはそれだけのチカラがあったはずなのに、サイレント以降、なんと説明的なくだらぬ台詞の多い映画ばかりになってしまったことだろう!と、このシーンを観たあとには嘆息せざるをえない。
妻役のエレノア・ボードマンは、淀川長治さんが「知的な感じのするきれいな女優さんでしたね」と思い出をかつて語っていた。
投稿者:blacus投稿日:2010-04-09 13:34:37
この映画が公開された1928年といえば、大恐慌直前の時代。世の中は日本で言うバブルで浮かれていが、この映画の最初の20分にはその様子が生き生きと描かれている。
世の中は好景気とはいえ、そのなかで本当に成功できるのは一握りの人たちだけ。主人公のジョニーはニューヨークに溢れる群衆の中から頭一つ抜け出そうとしてもがくが、結局は群衆のひとりでしかないことを何度も突きつけられる。
例えば、砂浜の場面。ジョニーがギターをもって歌を歌い、近くには妻と子供たちがいる。砂浜での家族の楽しい行楽かと思いきや、そのすぐ横には他の行楽客たちが砂浜を埋め尽くしていて、ジョニーの下手くそな歌に文句を付け、子供たちははしゃぎまくり、妻は料理の準備に追われ、行楽を楽しむどころではない。
あるいは、ラストの劇場での場面。ジョニーが仕事を得て、妻とも仲直りし、滑稽な舞台を見て大笑いをすることで終わっていて、一見ハッピーエンドのように見えるが、実はその周りには大勢の同じような一般市民たちがいて、ジョニーが日常の憂さを晴らすために劇場にやってくる小市民の一人でしかないことがここでも強調される。
"The Crowd laughs with you always …. but it will cry with you for only a day"という説明が途中で出ていたが、ここの場面はまさにそう(ちなみにDVDの日本語字幕では「群衆はあなたをいつも笑う…」というような訳がなされていたが、これは若干違うのではないかと思う)。

いずれにせよサイレントでは原則、オーヴァーな表現しか可能ではないと思われる中で、サイレント末期には、ここまで微妙な心理を表現して小市民を描いた作品があらわれていたということに若干の驚きを感じる。

投稿者:TNO投稿日:2009-10-30 00:58:16
【ネタバレ注意】

1925年にキング・ヴィダーが自ら制作・監督した"ビッグ・パレード"を3年後の1928年にリメイクした作品。主演に当時妻だったエレノア・ボードマンを据えた。1900年の独立記念日に良家に生まれたが12歳で父親を失くし、"世界で活躍する有名な人物になる"という父親の遺志を達成しようとするが、そうは簡単にゆかず、会社の出世競争でも同僚に先を越される。新婚旅行も人並みで、ナイアガラの滝で日本でいうところの熱海であろう。(ナイアガラ行きの夜行列車での初夜のソワソワ感やカメラで写真一枚撮るのにポーズに長い時間をかけて悩むあたり、かなり時代がかっている)妻とも喧嘩ばかり。(この夫婦喧嘩の場面は、かなりリアルだ)妻の兄弟や母親との関係も険悪で橋田須賀子女史のTVドラマのよう。娘が事故死することを境に、仕事を転々とし自堕落な生活を送るようになり、妻との離婚も成立しかけるが、その時にやっとのことでサンドウィッチマンの仕事にありつき、夫婦も元の鞘に戻る。この作品のテエッセンスは、街かどに立つサンドウィッチマンを小バカにしていた主人公ジョン・シムズ(ジェームズ・マーレイ)が、結局は同じ境遇に陥ってしまうところに凝縮されている。最後の劇場の場面で"群衆"の構成員であることを強調して終わるのは、もっとドラマチックなエンディングがあるのではと期待していた私には、あまりにもあっけなく、小市民に収まることが、人生の幸福と説かれているような不完全燃焼感を抱いてしまった。何事も他人のせいにするふがいない主人公にずっといらいらしながら付き合わされ、最後には取って付けたようなハッピーエンドが押しつけられるのは、後年のビリー・ワイルダー監督"失われた週末"に通じるものがある。"エレノア・ボードマンは、ジョディ・フォスター似の美人で、我慢強い健気な妻を好演している。IMDBでは、キング・ヴィダーとは、1926年から1931年まで結婚しており2児を儲けたとある。ジェームズ・マーレイの演技は、サイレントであることを差し引いても過剰ぎみ。同僚バートを演じたバート・ローチは、太っちょでありながら女性にはモテるし、会社での出世も早い如才ない人物を演じた。

投稿者:gapper投稿日:2009-08-19 21:18:26
 小市民を描いた作品で、ダメ亭主という観点で見ると昔さんざん日本のTVドラマなどで見た感じが強い。

 サイレントで音楽付だが、かなり新しい感じの音楽で見たことのある人だと違和感を感じたのではないかと思う。
 今では、不思議な光景もある。冒頭すぐに出てくる、救急車を思わせる馬車などで赤十字が付いていて父親の死で出てくるので医療関係は間違いないと思うのだがはっきりしない。子供が轢かれるときには出てこなかった。
 それと子供へのプレゼントにキックボードが出てきた。日本では大して古くないと思うのだが、アメリカでは80年近く前にあったものというのは驚き。
 定時になると全員が帰宅に走るというのは、日本はもちろんアメリカでも今ではないと思うがいったい、この保険会社はどんな仕事をさせているのだろう。計算をしていたようだが、分からない。「アパートの鍵貸ます」でも似たような感じだったが。
 新婚旅行はナイアガラで、モンローの「ナイアガラ」でも新婚さんだったからアメリカでは長い間新婚旅行の定番だったのが分かる。

 監督のキング・ヴィダーの作品は、「白昼の決闘」と「戦争と平和」しか見ていない。実直な感じの人で、我儘なことを言わない職業的な監督だったようだ。「戦争と平和」はよく覚えていないが、「白昼の決闘」は最近見て西部劇らしからぬ部分も多く結構気に入っている。
 女優のエレノア・ボードマンは気が弱そうで、あまり女優という感じがしないのだが個人的にはタイプで嬉しい。
 男優のジェームズ・マーレイが、allcinema のデータでは最近もTVなど出演しているかのようだが133歳で「ダニエル 悪魔の赤ちゃん」に出ているとは思えない。多分同名者の間違いだろう。

 新婚旅行後の些細なことから不仲になっているところなど、良くできている。最初と最後の群集の一人で・・・というメッセージ性からするとその内側とはうまくかみ合っていない感じがあるが、日常の観察眼は優れている。

 ヴィダーは、今あまり評価されていないが再評価されていいと思う。
投稿者:Ikeda投稿日:2007-10-02 14:54:50
若くして父を亡くした青年が希望に燃えてニューヨークへ向かい、保険会社に就職する。そして結婚するが、望みだけはあっても、人付き合いの下手な彼は、同僚にも追い越されうだつが上がらない。いつか機会があれば出世するとしか言わない彼に妻も嫌気がさしてくる。しかし男の子が産まれて仲を取り戻し、女の子も出来るが、やはり安月給では明るい生活は出来ないでいた。ある時キャッチ・フレーズの懸賞で500ドルを得るが、すぐまた不幸が起きて落胆した彼は会社を辞めてしまって・・・。と言う話です。
この映画は日本に輸入されなかったようですが、評論家、筈見恒夫はキング・ヴィダーのサイレント作品としては「ビッグ・パレード」の次に評価していて、「群衆の中の一典型として若い夫婦の世間との戦いを扱った野心作」と言っています。ハリウッド風な出世映画とは違い、さりとて本当の悲劇とも言えない現実的な内容が、彼にそう言わせたのだと思います。
序盤でのニューヨークの風景などは、交通巡査を含め、エクストラを使わずにほとんど実写だそうで、リアリティがあります。私は戦後に「摩天楼」や「三十四丁目の奇跡」でのニュヨークの撮影に感動しましたが、この映画を先に見ていればそうでもなかったかも知れません。
次いで整然と並べられた事務所内の俯瞰撮影に移りますが、主人公が時計とにらめっこしていて、定時間ピッタリに皆一斉に席を離れる様子が面白いです。昔、このような仕事ぶりを「漢字の偏だけ書いた所で、時間になれば旁を書かずに中断してしまう」と言っていましたが、これでは昇進など及びもつきません。
映画中でも義兄から「口ばかりでかくて、中身は空っぽだ」と言われるような頼りない男の話ですが、将来への夢を持って生きる人にとっては、多かれ少なかれ共感を持つのではないかと思われる映画です。
投稿者:ujiki_blues投稿日:2007-01-08 14:53:12
【ネタバレ注意】

最近観直しました。しかしキング・ウィダーの作品は、どうしてこう画面が綺麗なんでしょうか(勿論20年代としては、という意味です)。

サイレントですから、画面で全て語ってくれているのが嬉しいです。時の経過をドミノ倒しで表現するところなんて微笑ましいです。NYのビル街の俯瞰ショットからのシークエンスは、『アパートの鍵貸します』と同様ですが、ビリー・ワイルダーは、本作をかなり気に入っていたようなので、オマージュだと思います。

見所は沢山あるのですが、やはり、娘が車にはねられるシーンが印象に残ります。その直前、ジェームズ・マーレイが募集広告の採用で賞金を貰い、その妻・エレノア・ボードマンと一緒に大喜びしているのです。彼女はロッキングチェアに座っていて、大きく揺らし、喜びを表現しています。その後、娘がはねられ、重体となった傍らで、同じくロッキングチェアに座っているのですが、その時は、小さく揺れているのです。ここは実に上手い演出だと思いました(その後のボードマン手の動き)。

その後、娘の死をきっかけにジェームズ・マーレイとエレノア・ボードマンの夫婦関係が上手くいかなくなるのですが、マーレイを励ますのが息子なんですね。マーレイに手を引かれた息子の顔のアップ…可愛いです。スタンダードなっている描き方です。

タイトルは「THE CROWD/群衆」なのですが、これは、夫婦関係を描いた作品だと思います。

(DVDで鑑賞)

投稿者:ミュジドラ投稿日:2006-05-16 20:48:46
 ごく普通のサラリーマンを主人公にした映画。オフィスの無数の机が俯瞰図で映し出され、段々主人公ジョンに近づいて行くシーンは『アパートの鍵貸します』の冒頭を連想させた。ジョンは早くに父を亡くし、幼い娘も事故で失い、それが原因で会社をクビになるという不幸続きの男だ(彼の性格にも問題はあるが)。妻メアリーとの初デートの場面、バスから街頭のサンドイッチマンを嘲笑していた彼が、皮肉にも最後はサンドイッチマンとなって街頭に立つ。メアリーとの離婚は辛うじて免れ、最後は親子3人でショーを楽しむシーンで終わるが、この幸福がいつまで続くかは分からない。そんな不安定さがこの作品の根底にあるように思う。ジョン役のジェームス・マーレーはこの後仕事がうまくいかず、10年も経たない内に自殺したそうだ。
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 監督賞キング・ヴィダー 
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