吸血鬼ノスフェラトゥ<未>(1922)NOSFERATU: EINE SYMPHONIE DES GRAUENS | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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【クレジット】
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【解説】
著名な歴史家カバリアスの日記のよればノスフェラトウとは血、つまり不死の意、そして、1838年、ブレーメンにペストを持ち込んだと言われる人物のこと――という字幕で始まる。ストーカーの有名なドラキュラ伝説の小説の古典的映画化にして最高傑作。変わり者のレンフィールド社長に呼ばれ、ロンドン転じてブレーメンに家を持ちたいというオルロック伯の依頼でトランシルヴァニアに赴くヨナソンは、途中食事に立ち寄った宿屋で夜発つのを止められる。魔物を彼らは恐れているのだ。そして、伯爵の城もまだ見えぬのに馬車を降ろされた彼に迎えの馬車が。待ち受ける伯爵その人は長釘のように痩せ、不気味に爪を伸ばし、その歩き方ときたら形容し難い異様さだ。食事の席でパン切りナイフに怪我したヨナソンの指先の血を凝視する伯爵。彼はその夜、早速、首筋を噛まれ、その血を試飲されるが、翌晩は妻レーナの霊感で、拒絶の叫びが届いて救われる。が、彼は自室に幽閉となり、その間に伯爵は自ら棺ごと馬車に乗り、港から船に乗った。一方のヨナソンは脱走を図って昏倒し、農家の世話になって出遅れる。船中では乗組員が次々ペストに倒れる。棺の割れ目から覗く沢山の鼠……。そして、伯爵の上陸と共にブレーメンをその伝染病が席巻。錯乱して牢中にあったレンフィールドは“御主人”の到来と共に驚喜する。ヨナソンは陸路を急ぎ愛妻のもとに駆けつけるが、その時、ニーナは一滴も残さず自身の血を吸血鬼に与えることで、町を救おうとしていた。彼女の血を味わうのに朝の来るのも忘れた伯爵は日の出と共に灰と消えた。怪物の造形も相当なものだが、ムルナウの恐怖演出の真髄はその闇の深さにある。コワイ、はっきり言って……。


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【ユーザー評価】
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|---|---|---|
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改めて見ると恐怖映画というより歴史的な芸術作品としての価値があると思う。
そもそも「世界で最も怖いドラキュラ映画」とか宣伝しているから
ありもしない期待をしてしまうというもの。
最近のホラー映画を見なれた観客にとって本作はそれほど怖いものではないが
唯一、吸血鬼ノスフェラトゥを演じるマックス・シュレックは
まさに人外ともいえる異質のオーラを放っている。
それはベラ・ルゴシやクリストファー・リーが演じたような
紳士的なイメージとはかけ離れており、スラリとした長身、ヒョロリと伸びた指、
ギョロギョロとした大きな目と、異臭でも漂ってくるのではないかと思う不気味な口元が印象的だ。
そんな吸血鬼ノスフェラトゥの登場シーンはいつも美しい撮影がなされている。
闇の中からフッと現れ、気がつけばいつの間にか消えている。
特に終盤のノスフェラトゥが襲いかかるシーンでは
独特のシルエットがニュルリと覆いかぶさり、それはもう芸術的な美しさがある。
恐怖というよりなんとも言えない不気味さを感じるシーンだ。
ただ、今になって見るとやっぱり辛い部分もある。
そこは妥協して評価せざるをえない。
これから見ようと思う人は、怖さを求めるのではなく歴史的な芸術作品を
見るようなつもりで鑑賞することをオススメする。
たびたび挿入されるロケの風景シーンは、観光映画的要素を狙ったのだろうが、雲の背後に光り輝く陽光ショットは美しい。
あるいは食虫植物などの講義シーンは、当時の科学啓蒙の一環としてあるし、クライマックスの追っかけシーンはサイレント草創期の定番であって、22年当時のドイツ映画としても多少は古臭い感じもある。
海辺のシーンや廃墟のフォトジェニックな素晴らしさなど、ムルナウの才能は認められるものの、もう少しメインのプロットにまとめたほうがすっきりしただろう。
なお、着色版で鑑賞したが、なかなかのクオリティだった。
サイレントも初期の時代に、この作品は恐怖映画として耳目を集めたに違いないと思えるほど、不気味な雰囲気が続いています。日本にも「血に飢えた」という表現がありますが、本質的に「吸血鬼」という考えは西洋のものですし、ヨーロッパが経験した、ペストも出てきますから、西洋人にとっては我々以上に怖さを感じたのではないかと思います。それに妻役グレタ・シュレーダーの叫びがテレパシーとしてノスフェラトゥ(マックス・シュレック)に届くなども面白い感覚です。
まあ、この作品はブラム・ストーカー未亡人に告訴されたことがきっかけで様々な経路を巡ってしまい、その間に幾つかのバージョンが作られてしまったようです。
現在、ちゃんとしたオリジナル・ネガを所有しているのはドイツのムルナウ財団。アメリカのKino Videoが、このオリジナル・ネガを使用したオフィシャルな完全版をDVDでリリースしています。きちんとレストアされているので、画質も文句なしに良好です。価格はちょっと高めですけど、好きな人は手に入れる価値ありだと思います。
というか、30分近くも尺が違うというのは、かなり問題ありだと思いますよね。
貴方は神が与えたもうたその目に感謝しなければいけない。
そこまでして、初めてこの映画を見る準備は整うのである。
恐怖シーンがどうの戦慄が走ったシーンがどうのなどとは言わないでおこう。
だが、一つ言える事が許されるなら、夫ジョナサンの帰りを待つ妻が夜のベランダに出て行く時のカーテン越しのショットには、目の限界を越えるほどの美しさが漂っている。
我々は感謝しなければいけない。
しかも、本作はパブリックドメインになっているので、Internet Archiveで無償提供されています。もっとも、私が所有しているのは、最近ワンコインで出回っているレトロ・ムービー・コレクションという怪しげなDVDですが。画質はそこそこ。字幕はドイツ語ではなくて英語。ON・OFF可能な日本語字幕つき。字幕監修:石田一、と明記してあります。自然な訳だと感じました。
音楽と日本語字幕を消して映像だけを室内モニターに流しっぱなしにしていると、けっして難解というわけでもなく、お手軽に芸術映画を鑑賞しているような摩訶不思議な気分に浸ることができます。折にふれ、くりかえしながめていても飽きない。
技術は稚拙だけれど、あの光と影の織りなす独得な魅惑には抗しがたいものがある。おそらく、当時の粗悪な標準レンズ一本で撮影したんでしょう。広角も望遠もズームも使用していません。移動撮影なんて皆無。すべての場面が固定キャメラです。でも、食虫植物は、マクロで撮ったみたいな描写だな。フィルムの感度が低いようで、昼間の場面も深夜の場面も、画面がおなじくらい明るい。だけど、観客が混同することはないように編集してあるのはさすが。
制作当時に著作権所有者の許可が得られなかったせいで、ブラム・ストーカーの原作小説『吸血鬼ドラキュラ』(創元推理文庫刊)に登場するドラキュラ伯爵はオルロック伯爵、フォン・ヘルシング教授はハルヴァー教授などと、人物名は変更されたそうですが、英語版では、たぶん無断で、元の表記に戻してしまいました。このほうが、わかりやすい。
私、ドラキュラ役者といえば、ハマー・プロの御大クリストファー・リーが真っ先に思い浮かぶ世代ですが、本作のマックス・シュレックの素朴にして奇怪な存在感には、やはり別格として認めざるを得ないものがありますね。
あの坊主頭。悪魔のような尖った耳。ぎらついた視線。鷲鼻。半開きの口から覗いた前歯。枯枝のように細い指先。伸びすぎた爪。正面から見ると、直立不動で姿勢がいい。コマ落としで、カクカクカクと、おもむろに手前に歩いてくる。腹筋をつかって(?)、棺から静かに起き上がる。横向きのシルエットでは、なぜか腰が曲がっている。怖い。昼間の寝床となる自分の棺桶を横抱きにしたまま船をおりてブレーメンの街角にあらわれる風体はいささか間抜けだけど。
あちこちに凝った映像表現がしかけられているので、これから新しいホラー映画をつくろうと志している人たちが観ても参考になるのではないかなあ。いくら技術が発達したといっても、映画の本質は古典から学ぶべきことが少なくないとおもいます。たとえば、S・スピルバーグの娯楽映画における誇張した影の踊らせかたは、この手のクラシック作品から吸収した成果といえるでしょう。ティム・バートンが怪奇映画の古典を好んで引用していることも知られていますね。
1978年にはヴェルナー・ヘルツォークの脚本・監督による忠実なリメイク版『ノスフェラトゥ』が公開されています。落ち着いた渋い発色のカラー撮影とともに、ムルナウ監督への敬愛の念が伝わってきて、これも一見の価値があるとおもいます。
確かに建物は不気味。
怪物の造形も結構なもの。
コマ送り?〜リングの呪いのフィルム?
僕は映画ファン歴3年くらいなので(の割には結構オタクかも知れないが)なんだが、別にクラシックを聴くからといって高尚とは思ってない(リアルタイムなクラシック作品の方がマニアックかも)。ひょっとして知る人ぞ知る英国ロック・バンドを知ってる方が凄いんじゃないか?〜「チャーリーズ・エンジェル」大好きな僕もサイレントは観るし「戦艦ポチョムキン」や「モダンタイムス」(は、トーキーか…)を観たからって別に偉くなる訳じゃない…が、一応お勧めだが。(勿論、グッドな映画だから)
貴州茅台酒を飲んでみて「何じゃこりゃ?」と思ったが、努力(?)している今日この頃…(上海で飲んで「何じゃこりゃ?」と思った紹興酒だが、今や嫌いではない…)
〜イザベル・アジャーニ版か…いつか観たいね。(そういう目的も多少はある…悪魔のような女も旧→新と観たし)
本作は…まぁ不気味な映像マジックではあるが、かなりカルトかも。
ドラキュラ映画化作品でこれをこえるものがあるのだろうか?
家の窓が怖い」と指さした次のカットだ。なんとグロテスクで異様な建築物!
その必要以上に沢山の窓!この建物は吸血鬼が棺桶を持って歩くシーンの後に
も登場していて既知の情報のはずなのだが、建物全体を映された時の異様さは
背筋に電撃が走る映画的瞬間。
ただし、ムルナウなら画面の端正さ・美しさで『最後の人』や『サンライズ』
の方が私の好み。