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去年マリエンバートで(1960)

L' ANNEE DERNIERE A MARIENBAD
L' ANNO SCORSO A MARIENBAD[伊]
LAST YEAR AT MARIENBAD[米]
LAST YEAR IN MARIENBAD[英]

メディア映画
上映時間94分
製作国フランス/イタリア
公開情報劇場公開(東和=ATG)
初公開年月1964/05/01
リバイバル→フランス映画社-83.7→紀伊国屋書店-2010.2.27
ジャンルアート/ドラマ

【解説】
 アンチ・ロマンの旗手ロブ=グリエが脚本を手がけた、観ている間は理解した気にさせて観終わって思い起こそうとするとまるで掴めなくなるという難物である。男が、整然とシンメトリックに設計された庭を持つ城館にまぎれこむ。そこでは社交界のお歴々が集まり、退屈なパーティに興じている。男は誰の気にもかけられずに館内を歩き回り、女を見つける。女とは去年に会っていた、マリエンバートで……。女にはその記憶がないが、男に迫られるうち、過去と現在の境が消えて、男の言うような記憶を作り上げていた。二人は愛し合い、一年の後、ここで会う約束をした、と。男にG・アルベルタッツィ、女に氷の美貌のD・セイリグ、驚嘆の巧緻なカメラは、最近ではグリーナウェイ作品でも完璧に無機的な映像設計を見せるサシャ・ヴィエルニ。フラッシュバックの幻惑は、監督レネの自家薬籠中のもの。ようこそ、狂うほどの醒めた白日夢の世界へ。
<allcinema>
評価
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
869 8.62
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【ユーザーコメント】
投稿者:nabeさん投稿日:2014-05-31 23:16:49
ヴェネチア金獅子賞受賞の印象的な作品である。
郊外の城館で行われている退廃的なパーティを借景に、二人の男女のやりとりを男性の語りを延々と流しながら描いている。そこにはモノクロならではのコントラストの強い画面と、無機質な会話が存在し、その中身は実像と虚像、現在と過去が交互にあらわれて理解しようとすると実に手強いが、素直に観ていればやがてその世界に慣れてくるので大丈夫だ。
主演のD.セイリグのマネキン人形のような美貌や、G.アルベルタッツィの精悍な表情に見とれてしまう。フランス語の流れるようなトーンはまるでBGMのように気だるい。日頃パワーの有り余っている人が、それを鎮めるのにはちょうどいい映画だろう。
投稿者:TNO投稿日:2014-02-16 00:14:53
会話主体の男女の駆け引きを時空を敢えて曖昧にして描き、けだるさ、冷たさ、閉塞感、寂寥感を醸し出す。会話と舞台の古城とその庭園の白黒に映し出された美しさのコラボレーション。記憶に刻まれる映画であることは間違いない。男女間で延々と会話が続くのは、「二十四時間の情事」と趣を同じくしている。決して退屈だとは思わなかった。出演俳優達は、抑えた能面演技を強いられ、さぞやフラストレーションがたまったことでしょう。
投稿者:4531731投稿日:2013-07-21 08:27:16
静止した時間。つまり誰かが死んでいる。だが、レネやロブ=グリエは誰が死んだかに関心が無い。
彼らの関心は、死によって時間軸を喪失した体内で起こる記憶のパラドックスの描写だ。
マッチ棒を引くゲームで、最後にマッチが一本だけ残る示唆が興味深い。
体内に染み込んだ、忘れられた感情の一瞬一瞬が輪郭を得て解き放たれた、その脅威。レネは、その未知を
想像力と観察眼のみで画面上に構成し、戦慄と美を同時に手中にしている。
投稿者:uptail投稿日:2012-05-19 09:24:45
演出:8
演技:8
脚本:7
音響:8
投稿者:土竜屋昌兵衛投稿日:2012-03-22 15:54:13
まずはこの作品が存在することに感謝。

劇場で初めて観た時のわくわく感が忘れられない。
モノクロの美しい画面を行き交う見知らぬ影法師のような他者。
「シャイニング」につながっていく建造物世界。
頭の中でパズルをひねくり回し、監督へ近付く道を探るプロセス。
「アンダルシアの犬」同様、脳に吸い付くような鮮烈なイメージを残す。

全編に幾何学的な美術要素を多く含んで心地よさを与え余韻も甘美。
投稿者:黒津 明二郎投稿日:2012-03-17 15:45:57
プルーストを思わせるような、時間と空間を超越したアートシネマの極北。
ロブグリエの非物語的で脱構築な脚本やビエルニのキャメラにジャックサルニエのロケセットなどはいいのだが、レネの腰砕けの演出が全てを氷解させてしまった。
なお、助監督にはフォルカーシュレンドルフが当たっている。
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2012-03-08 23:08:10
三回目の挑戦でどうにか完走。キューブリックもそうだが、それ以上に影響を受けているのは押井守だと感じた。一部の映画人やマニアに今でもファンが居る作品だけど、ヌーヴェルヴァーグが苦手な私でも本作は人に薦めたくなった。
そういえばallcinemaベストテンってまだやらないのかな。自分はいつも一年遅れで観るから投票資格は無いけど。
投稿者:gapper投稿日:2011-07-18 21:07:47
 アラン・レネのアート的前衛作品。

 この作品の映像はとても美しいのだが、内容には興味を抱けない。
 結局は、そのままだった。
投稿者:out_to_lunch投稿日:2010-09-08 16:54:17
【ネタバレ注意】

なるほど、黒澤の『羅生門』の影響なんですか。
勉強になりました。

最初に観た時は、そのような基礎知識もなかったのですが、再見すると、たしかに『羅生門』。

(ロブ=グリエの脚本と)レネの演出の狙いが、仮に「迷宮への誘い」だとしたら、非の打ち所がないと思いますね。

ナレーションとダイアローグごとに、これ以外あり得ないという「フレーミング」なんで、いやはや……脱帽。
「解説」には、“驚嘆の巧緻なカメラ”とありますが、「驚嘆の巧遅なフレーミング=画作り」ですね。

この映画ほど、「メイキングが観たい!」と思わせるモノも少ないです。
この映画の(撮影時の)台本って、手に入るものなのでしょうか?
(フランス語でもいいから)読んでみたいなあ。

絶賛ばかりなのも、癪なので、一つだけ不満を。

庭に置かれた夫婦の石像(たしか、シャルル三世夫妻だと思う)が、ちょっと……。
アリモノなら古過ぎるし、ツクリモノだとしたらヨゴシ過ぎと思ったのですが、どうでしょう?

まあ、そんなこと、実際には、瑕瑾にならないですけど……ほんと、傑作過ぎて、嫌になっちゃう!

投稿者:Ikeda投稿日:2010-07-21 13:31:20
正にフランスでなければ作れないと思われる夢幻的映画で、この作品の評価は難しく、人によって随分変わってくるでしょうが、一般的には面白いとは言えないのが普通の感覚だと思います。
大きな城のようなホテルで夫(サッシャ・ピトエフ)を持つ女(デルフィーヌ・セイリグ)と一人の男(ジョルジョ・アルベルタッツィ)がお互いに惹かれながら、見えない壁があり、二人の心情がモノローグを主体に、ゆっくりと進行しています。その辺についての美学的もしくは心理学的な感覚が必要だと思いますが、私には苦手の映画でした。
投稿者:QUNIO投稿日:2009-06-14 10:22:43
ポストモダン映画のハシリといわれる作品だが、ほどよく快眠出来ました。ストーリーはサッパリ分からん。全編に流れるパイプオルガンの音楽が不気味だった。

たしかに恋愛映画という見方も出来なくはないね〜。
投稿者:Ki-Adi-Mundi投稿日:2007-05-15 21:54:51
【ネタバレ注意】

ずいぶん前に一度見て(しかも途中から)、まったく分けわからず。
今回見直して、いや〜おもしろい!なんて魅力的な映画なんだと。そうかそういうことだったのかと、興奮がとまらない。
ストーリー自体はいたって単純。しかし、時空間を組み直しているために、いつ、どこで、だれが?がわからなくなっている。
迷宮に迷い込んでしまったのだ。そしてラストシーンからまた冒頭へループ。では、「去年」とはいったいいつだったのか?

投稿者:さち投稿日:2005-08-04 14:29:45
古いけど、新しい
投稿者:Tom投稿日:2005-03-13 05:52:08
ベイルマンの『処女の泉』とこの映画は黒澤の『羅生門』の影響を受けた初期の作品として今では認知されている。監督のレネ本人も認めている。アンチ・ロマンのロブ・グリエの世界にレネは『羅生門』からインスパイアされた独自の構造をストーリーに溶け込ませている。情事の夜、無理矢理犯した男とそれを忘れられない女と一緒に城から
去り夫一人残される最後のシーンクエンス。何か見覚えないか?と自問した。
『羅生門』の夫の証言のシークエンスそのままじゃないか!!!!。
レネの映画はかつて『哲学映画』と呼ばれていたが、それは的はずれだろう。彼のテーマは極めて万人受けする大衆性が備わっていることを知らなければいけない。
投稿者:o.o投稿日:2005-01-31 02:10:26
手ごわい映画でした。

冒頭、ゆっくりと滑るように動くカメラに案内されて「豪華なバロック風に陰気なホテル」を歩き回されます。やがて、その間語り続けるナレーションが同じ文章の繰り返しだと気づき、不安を感じ始めていると、ついに観劇をする人々に出会ってほっとしますが、彼等は一様に無表情で、その意味不明な劇が終了した後もその表情は変わらず、散会してところどころで取りとめのない会話を交わす彼等の間を、またもや訳も分からず歩き回されることになります。

ひょっとしてずっとこのままなのかと、またしても不安にかられていると、やっと、中心となる男女に焦点が当てられますが、「お会いした」「憶えていません」という会話を延々と続けるばかりです。やがてはこれが不倫の話だと分かり、想起を女に促す男の言葉を頼りに、一年前、二人の過去に何が起こったのかと息を詰めて見守ることになりますが、男の記憶もまた、次第に変容してゆき、視点も時制もあいまいになって、男の記憶と女の記憶、現在と過去、現実と空想の判別がもはやつかなくなってしまいます。

過去と現在が溶け合うという映画なら、他にもいくらでもありそうですが、この作品では、その映像が決して官能的というのでも幻想的というのでもなく、完璧なまでに冷たく、硬質で、かつ明瞭なので、冴え切った頭で無理やり夢を見させられているような気持ちにさせられます。印象的と言えば、全ての映像が印象的ですが、女が白光に包まれ、輪郭だけがかろうじて残っているような映像と、庭園の彫像の妙に質感を感じさせる映像が、特に記憶に残っています。

やっとたどり着いたエンディングでは、ほっとしたような、まだ見ていたい様な、複雑な気分になりました。もう一度見返す気力はもはや残っていませんが、いつかまた見直してみようと思います。

恐ろしく明晰な文章で綴られた幻想譚、という感想です。
投稿者:黒猫にゃぼ投稿日:2004-08-21 17:47:25
不思議な魅力に溢れた作品。
特に冒頭の繰り返し繰り返し繰り返される台詞は夢の世界へと誘(いざな)われる様であり、何度観ても気持ち悪さが気持ち良い。音楽も不安感を煽っていて、これもまた気持ちが良い。
大金持ちになったら、あんな宮殿と庭園を造りたい。
個人的には、一番二番を競う好きな映画。ちなみに嫁さんにとっては、一番二番を競う眠くなる映画だそう。
投稿者:ゆき投稿日:2003-10-11 11:53:10
 借りる前に↓の皆さんのコメントを読んで新たに借りる決心をしました。
ビデオ屋では「難解映画」の言葉がパッケージに貼られていたりもして。
あまりモノクロ映画ってすすんで見る方ではないし、ちょっと抵抗もありますが、
この映画はモノクロならではの美しさとでも言うんでしょうか、映像美ですよね。
万人受けする(?)恋愛映画とは異質の物ですが、好きな人は繰り返し見るくらいにはまると思いますし、見て分かんない人は頭にたくさん「?」が浮かぶのではと感じます。個人的にはある意味で衝撃を受けたし、恋愛映画としても好きですねー。
投稿者:でるふぁい投稿日:2002-03-05 14:08:06
1964年だから16才の時見たことになる。受けますね、影響。このテのヤツは特に。人が不可解と言うと解き明かしたくなるお年頃だったのデスね。今思い返すとストーリーの記憶は呆れるほど完璧に白紙状態。思い出すのはあの美しい庭園と行き交う美しい人々のイメージだけ。NOBLEという言葉が映像を通して理解できるシュールリアリズム美学の極致。最近のファッションフォトでも今だにこのイメージを濫用してます。
それと音楽が良かった。DVDで見直さなくっちゃ。長生きはするモンダ。
投稿者:うらら投稿日:2001-10-22 19:45:07
アラン・ロブグリエの世界にうっとり。
衣装はシャネルです。
投稿者:じん投稿日:2000-10-01 22:30:44
是非、見て欲しいです。
何回、見てもクライマックスのない映画で、
ジャンル分けがこれくらい難しい映画もないでしょう。
しかし、フィリップ・K・ディックとかが好きな方は、
この何とも言えない不条理さを気に入られると思います。
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 脚本賞アラン・ロブ=グリエ 
■ サン・マルコ金獅子賞アラン・レネ 
□ 作品賞(総合) 
【ソフト】
【レンタル】
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