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黒い罠(1958)

TOUCH OF EVIL

メディア映画
上映時間93分
製作国アメリカ
公開情報劇場公開(UNI)
初公開年月1958/07/05
ジャンルサスペンス
オーソン・ウェルズ サスペンス  ベストバリューBlu-rayセット
参考価格:¥ 2,592
価格:¥ 3,900
USED価格:¥ 2,150
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【解説】
 メキシコ国境の小さな町で起こった車の爆殺事件。偶然にも現場を目撃したメキシコ政府の特別犯罪調査官ヴァルガスは事件の捜査に乗り出すが、アメリカ側の担当者であるクインラン警部はヴァルガスの介入を露骨に拒否。だが上司の命令で、クインランはやむなくヴァルガスと共同捜査を開始する……。国境の町に拡がるどす黒い陰謀を描いたW・マスターソンのミステリ小説を、O・ウェルズが脚色・監督したフィルム・ノワールの知られざる傑作。冒頭の長回しシーンを筆頭に、R・メティのカメラを得て成された、技巧を凝らした画面造りと演出。そこから醸し出されるダークな雰囲気と緊迫感は只事ではない。ウェルズ自ら演じるクインランの特異なキャラクターと存在感は、ヴァルガスに扮するヘストンを軽く圧する迫力だ。108分のオリジナルが「黒い罠-完全版-」としてリバイバルされた。
<allcinema>
評価
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
14123 8.79
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【ユーザーコメント】
投稿者:4531731投稿日:2015-11-15 10:36:18
アメリカ社会の分断。ウェルズはこれを分かり易く表現するためにメキシコ国境に舞台を据えた。アメリカ人とメキシコ人は、容貌、言葉で容易に区別がつく。この仕掛けでアメリカ社会の分断を可視化しようというのだ。当時、しかもハリウッドに於いては、大いなる実験だっただろう。アメリカ人の妻とヘストン演じるメキシコ人の夫の設定。これは、アメリカに蔓延する夫婦間の隔たり、無理解を考察するための設定である。暴れまくるメキシコ人の不良たちは、当時のアメリカ人青少年に対する社会の無理解を表現している。そして、ウェルズ演じるアメリカ人とディートリッヒ演じるメキシコ人女性の設定。これは、どんなに接近しても縮まることがない2人を分かつ大きな隔たりを示している。人種が違うから、言葉が分からないから2人の距離が縮まらないのではない。同じアメリカ人のはずなのに外人に見えるし、言っていることが外国語に聞こえる奇妙な世界。そして、正義漢が異国人の如く扱われている。ここにアメリカの将来を憂いているウェルズの苦悩が反映されている。ポランスキーの「チャイナタウン」、クレール・ドニの「パリ18区、夜。」にも影響を与えた、卓越した映画言語のひとつである。気に入ったセリフ、「Why Don’t You Go Home?」。
投稿者:黒美君彦投稿日:2015-10-20 17:00:07
【ネタバレ注意】

その製作・公開過程をめぐって様々ないきさつがあって、オーソン・ウェルズがハリウッドに見切りをつけた作品だ、なんて予備知識は皆無のまま、ようやく全編を観た。
あまりにも有名な奇跡のような冒頭の長回し…3分20秒にわたるクレーンを駆使した長回しだけでもこの作品の価値がある。
メキシコの麻薬捜査官を演じたチャールトン・ヘストンと、アメリカ人のジャネット・リーの関係は、原作では逆らしいが、この映画のような関係の方がメキシコ人への差別感情も炙り出していてより効果的であると納得させられる。
効果的なのは、登場人物たちのクローズアップが多用されている点も挙げられる。
不穏な夜の気配の中でクローズアップされる無表情な男たちの相貌。でありながら、カツラに気をとられる悪玉の現ボスが妙におかしい(殺されてしまうのはかわいそうだけど)。
誰も反論できない凄腕の刑事クインランを演じるオーソン・ウェルズの存在感は半端ではない。彼が唯一表情を柔らかくするのは、かつての恋人、マレーネ・ディートリッヒ演じるターニャの前だけ。そこでだけ彼は弱い自分を見せる。
ラストで現場を去るマレーネ・ディートリッヒの後姿に、『第三の男』のアリダ・ヴァリが重なって見えるのは私だけだろうか。
暗黒に落ちていった刑事が次々関係者の息の根を止めていく、という終盤のサスペンスは見応えあるが、全体としてはややバランスを欠いていると感じるのは、ヴァルガス(チャールトン・ヘストン)と妻スーザン(ジャネット・リー)が主役になり得ていないからだろうか。彼らは事件には巻き込まれる第三者の枠を超えない。いわば狂言回しに過ぎず、やはり主役はクインランなのだ。
アメリカとメキシコの国境という地政学的なゆらぎは面白いが、それとてもクインランが続けてきた犯人の捏造に比べるとやや弱い。
とはいえ先述したように、冒頭の長回しによるアバンの鋭さは、さすがオーソン・ウェルズ、と嘆息せざるを得ない。
1998年に公開されたという「修復版」も観てみたいなあ。

投稿者:ne7002投稿日:2014-02-19 06:33:58
ウェルズのキャリアでも最高のカメラワークに支えられた、モノクロ映像美の傑作だと思います。それと同時に役者達の演技合戦が忘れられず、C・ヘストンやJ・リーも好演だと思いますがウェルズとディートリッヒの説得力は彼らを軽く凌駕してしまいます。
投稿者:bond投稿日:2013-10-22 08:27:02
オーソン・ウェルズの存在感は凄いが、無理やりメキシコ人のヘストンは笑える。確かにカメラワークによる演出はうまい。でも展開はいまいち。
投稿者:gapper投稿日:2013-02-06 19:23:08
 推定予算83万ドル、総収益約200万ドル(米1999再販)。

 既に「十戒 (1956)」にも主演したチャールトン・ヘストンやマレーネ・ディートリッヒやジョセフ・コットンと言った有名どころが出ているが余りにも低予算。
 オーソン・ウェルズが製作サイドに嫌われている一方で、味方も多かったことがうかがわれる。

 「サイコ(1960)」と白黒、ジャネット・リー、閑散としたモーテルといくつもの共通点がある。
 ヒッチとウェルズを比較する人もいるが、なかなか興味深い。

 自ら天才を演じ演出しているようなウェルズとたたき上げで長く映画界に居座りウェルズのような問題も起こさない一見天才らしくないヒッチ。
 作品自体多く高評価の作品も多いので監督としての総合評価は明らかにヒッチの勝ちだろうが、ウェルズの映画界に与えた影響はまた別の評価が必要に思う。
 役者としては、明らかにウェルズだが。

 今回見たのは、制作サイドで大幅な変更を加えられたものを可能な限り修復したとするもの。
 以前見たのは、完全版とするものだったがどう違うのかどころかどちらが新しいものかも分からない。
 よく覚えていないが、今回の印象ではフィルム・ノワールの印象が強かった。

 スージー(ジャネット・リー)の誘拐部分をよく覚えているのだが、今回はこれはサイドの部分でありバーガス(チャールトン・ヘストン)とハンク(オーソン・ウェルズ)の絡みがメインの話である。
 表面的にはバーガスが主人公だが、実質的な主人公はハンクで彼の生き様こそが主題であろう。
 フィルム・ノワールの終焉作品と見る向きもあるが、主人公がファムファタールによって転落の人生を歩むのではないところはフィルム・ノワールらしいと感じなかった。
 ターニャ(マレーネ・ディートリッヒ)がハンクを悪の道に落とし、その話がメインだったらと思う。
http://gapper.web.fc2.com/
投稿者:リEガン投稿日:2011-12-09 14:41:17
リバイバル時に鑑賞。映画全編に漂う雰囲気と言うか、暗澹たるムードに圧倒されて、怪優オーソン・ウェルズばかりが印象に残る。チャールトン・ヘストンの口ひげメキシカンはちょっと、ね。実在の人物がフィクションに絡むクレイグ・マクドナルド原作のクライム小説では、本作を撮影中のオーソン・ウェルズやマレーネ・ディートリッヒが登場して興味深い。
投稿者:noir fleak投稿日:2011-01-01 23:25:05
フィルムノワールの傑作という評判は、たぶんにオーソンウェルズへの賛辞とカメラワークによるものだろう。
オープニングの大ロングテークや緊張感はすばらしい。しかし、段々とつまらなくなり、肝心のエンディングなどはまさに失望させられる。予算の関係で無理やり作ったエンディングなのかもしれない。ウェルズ扮する刑事とヘストンの対立もジャネットリーの危機も、そして最初の爆発事件の真相もみな中途半端なまま終わってしまう。
本作より断然優れたフィルムノワールはゴマンとあります。
投稿者:Normandie投稿日:2010-05-22 11:54:41
初めて見た時の胸くそ(スミマセーン)悪さったら・・このクロさは何だ!でもたまに味わいたくなくのよね。ウェルズ完璧。
投稿者:karr投稿日:2009-08-03 10:08:18
オーソンウェルズの圧倒的な存在感、思わずアチャーッ!って声を漏らしてしまう。

確かにカメラワークが新鮮。しゃべってる人をアップにしたり、相手がしゃべり終わったらしゃべり始めたりといった普通の事を、したがらない、のか、リアルさを追求しているのか、とにかく新しいものを目指しているといった印象を強く受ける。セリフもわざと不自然な、というか実生活の上では当たり前の整然とされていない会話、に仕上げているように感じる。
だからなのか、斬新さについて行けずに、感心はすれども距離を感じてしまう自分自身を、我ながら残念に感じたりもする。

かといって、全然それだけではないのだ。
ストーリーもテーマの取り上げ方も素晴らしく、善悪の葛藤も生半可なものにしていないし、役者魂は炸裂し合ってるし、ディートリッヒはディートリッヒとして居直っている。
チャールトンヘストンやジャネットリーに対する個人的なイメージを少し見直させてくれた事にも感謝させられたし、メコシコ国境の実態を垣間見せてくれた本作には、あらゆる意味で敬意を払わずに入られない。

映画人の心意気とは?映画とは?という難題を改めて提示してくれた怪作とでも呼ぶべきか。
投稿者:QUNIO投稿日:2009-06-07 16:54:20
たしかにストーリーがゴチャゴチャしていて分かり難い感じもあるが、暴力描写の過激さとウェルズ本人が演じる保安官の悪魔的な存在感に十分酔える一作だ。よく考えたら町の住人全員がグルだったのね。そういう関係性を描いた映画って『チャイナタウン』とか『ミスティック・リバー』とか意外とこの手の常套句なんだな。ややこしい展開も含めて。
投稿者:uptail投稿日:2009-05-22 00:32:31
マレーネ・ディートリッヒ
投稿者:Ikeda投稿日:2008-11-13 11:38:07
オーソン・ウエルズの監督作品としては「市民ケーン」に次いで人気のある映画だけに良い作品です。少し下火になっていたハード・ボイルド系の探偵物の雰囲気が十分ありますし、何よりアメリカとメキシコの国境の町を舞台にして、メキシコ人に対する蔑視観をズバリだしている所にウエルズらしさが溢れています。
この作品については冒頭の長廻しが良く話題になっていますが、私はタイトル・バックを兼ねた進行なので、それよりも流れが良いなと思っただけでした。逆に言うと、スーザン(ジャネット・リー)がモーテルに一人で泊まるようになってからのパラレル・アクションの切り替えは頻繁過ぎて流れを妨げているように感じました。
容疑者を何でも良いから有罪にするという考えはアメリカの司法に対する批判ともとれますが、それ以上にウエルズの強烈な演技が凄いです。チャールトン・ヘストンとジャネット・リー夫妻は別にして、悪役グランディにエイキム・タミロフ、弁護士役にキーナン・ウインと有力な脇役を揃えているのもこの映画の強みです。
ディートリッヒは、かなりの重みで出演していますが、大分ふやけて来たウエルズに対してキャンデーの食べ過ぎだと言うあたりが面白いです。他に検死官でジョセフ・コットン、地方検事でレイ・コリンズ、キャバレーの女主人でザザ・ガボール、ギャングのリーダーでマーセデス・マッケンブリッジが出ていますが、コットンとコリンズはウエルズの「市民ケーン」で共演した仲間です。マッケンブリッジはスーザンを麻酔するモーテルの場面に出ているようですが、はっきりと特定出来ませんでした。ただ、このモーテルでの音楽がロッカビリーで、少し前に売れ出したエルヴィス・プレスリーのメンバーみたいな若い連中が出てくるのに時代を感じさせます。
なお、この映画で解らないのはウエルズが話す「やつを捕まえられなかったが、1917年、ベルギーで神は罰を下された。取り逃がした殺人犯は奴が最後だ」と言う台詞の相手が誰なのという事が一つです。また、メンジース(ジョゼフ・キャレイア)がスーザンに「クインラン(ウエルズ)の足の怪我はヴァルガス(ヘストン)と撃ち合った時、俺をかばって撃たれたものだ」と話しますが、それが本当だとすると二人の仲がもう少し変わるのではないかという気がしました。
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2008-06-01 20:53:37
台詞が多い上に殆どのキャラががなり立てるし、しかも字幕が二人分同時に被さるので、大まかな話の流れは解るがそれ以外はシーン毎に巻き戻さないと解らん。それに技術はさすがだけど、作品自体はフィルム・ノワール以上の物ではなかった。
投稿者:hendrix投稿日:2006-10-02 05:19:56
「市民ケーン」が彼の最高作であり、それに接近する作品ではない。
しかし一歩後退した領域(映画史)に「黒い罠」が存在している。
ほぼ完璧なフィルム・ノワールであり、この映画はキャメラが冴えに冴えていて、冒頭の長回しシーンは特に有名でアルトマンの「ザプレイヤー」でオマージュされている。キャメラを固定した流麗なカメラワークとカットバックのタイミングなどは完璧で、非常に構成も凝っているし、これでもかなり編集したのだろう。僕が見たのは完全版だが、やや中盤以降退屈だった。
冒頭とラストは素晴らしいのだが、全体を通してのバランスが中盤でややだれてしまい。キャメラを活かせないシーンもあった。そこだけだね弱点は。

↓の人がストーリーが難解と言っていますけど・・・どこが?
ウェルズ作品の中でも簡単な部類に入るのではないか?・・・
それに彼は最高のストーリー・テリングでもない。
キャメラ技術を最高に活かした監督だ。(構成力・編集も世界で有数)8.5点
投稿者:bondmh投稿日:2006-06-09 11:17:39
これぞウェルズの罠!何度も書き換えたシナリオ!この素晴らしいセリフ達!見事を透り越した映像の数々!!この押寄せる臨場感はいったいなんだ!!これこそ映画!!この一本こそが映画の何たるかを感じさせ教えてくれる!!!ウェルズに合掌!!!!
投稿者:Tom投稿日:2005-06-11 23:12:24
オーソン・ウェルスは最高のストーリー・テリングだからこそ、この作品は成功しなかった。本人が望んだ企画じゃないし。フィルム・ノワールの中ではひきつけるものがないストーリーが欠点だが、それでも監督のマニュエリズムの極致ともいえるこの映画の見所はたくさんある。中でもオーソン・ウエルズ自身の快演!!!!!。
投稿者:ナラウド投稿日:2002-08-01 10:21:06
驚異的なラッセル・メティのキャメラ! それを引き出したオーソン・ウェルズの力! 有名な冒頭の長回しは何度観ても興奮してしまう。 長回し自体は技術だが、技術が技術としてあるのはなく、映画そのものになってしまう稀有な体験。やはりウェルズは天才なのだ。名高い『市民ケ−ン』より個人的にはこちらの方が好きだ。
投稿者:Katsumi Egi投稿日:2001-01-05 06:44:29
 偉大な映画。全てのアクション映画はこれに学んでほしい。驚愕の暴力描写。
それにしてもラッセル・メティの撮影は凄い。ウェルズ+グレッグ・トーラン
ド(『市民ケーン』)、ウェルズ+スタンリー・コルテス(『偉大なるアンバーソ
ン家の人々』)等々ウェルズは撮影監督の創意を最大限に引き出した監督だと
思う。

 映画は撮影こそが決定的に重要である。シナリオではない。
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
■ 特別賞オクトーバー・フィルムズ/ユニヴァーサル 黒い罠の新ヴァージョンにおいて
■ 新規登録作品 
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