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砂の女(1964)

メディア映画
上映時間147分
製作国日本
初公開年月1964/02/15
ジャンルドラマ
勅使河原宏の世界 DVDコレクション
参考価格:¥ 19,440
価格:¥ 14,457
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【解説】
 昆虫採集にやって来た男は、砂の穴の中にある未亡人の家に泊めてもらった。だが、そこから抜け出せなくなってしまう……。抽象的な原作を映画化した作品で、カンヌ映画祭審査員特別賞等を受賞している。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
655 9.17
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【ユーザーコメント】
投稿者:fuji3776投稿日:2010-09-21 10:26:48
【ネタバレ注意】

苦しみは二つある。9/10点。
 1,個人的な事、友人とか、家族とか、恋人とか、自分の将来とか、希望とか、挫折とか、容貌とか、頭脳とか。
 2,社会的な問題、戦争とか、正義とか、不平等とか、政治とか。

 映画物語は昆虫学者が迷い込む穴、砂丘の部落に生きる女に取り込まれ蟻地獄の底で必死に脱出を試みる男の苦闘の物語り、自由に抜け出せる段になって居ついてしまう不条理を描いた小説の傑作映画である。
 しかも、昆虫採集に代わって、穴の底で水を溜めるという装置を思いつく男がロマンを手に入れて狂喜する姿、自らの置かれた状況さえも忘れ、結果、探究心や研究心(金餞でも)が満たされた男の辿る穴の中の生活、穴の底から世間を見ずに満足してしまう(サラリーマンが女房子供と幸せなマンション生活)意義を、美しい映像で描きながら、あんたの落ちた穴に横たわった女とのセックスを手にした男の辿る暗闇を、あざ笑う「正なる条理」が私に「世を忘れ自分の今を生きよ」と世の常識や世間並みが私を貫き通し、迫ってくる。

 優れた青春映画の多くは生きていく苦悩や不安や恋愛を描く、「砂の女」この映画の優れた点はロマンとSEXを手にした男がその後に社会にかかわっていく軋轢を、象徴的に映像化している、私はそうやって薄々ながらも苦悩してきた。誰もが同じ思いに悩み憤ったことだろう、そして知らず知らずに平凡で闘争心を忘れた「穴倉生活」に安住してしまうのだ。反発しながらも頼ってくる女の性とSEXとに絡め捕られながら、そういえば女に捕らえられた男の物語り、との解説を目にしたことがある。
 「砂の女」のその後が描かれていないことの不満は残るものの「ブロークバック・マウンテン」(2005)の映し出したその後も引きずる青春を、この映画も同じ主題で見事に映像化している。何が悲しいといって、「穴倉生活」から脱せず昔の思いだけで生きる人生の無常である。やるせなさである。自身への怒りである。
 大人になったといってみても、人が丸くなったと言われてもどうしても捨てきれないもの、何時までもしがみつく過去の栄光、持った頭脳への自信と信頼、未だ発揮できない能力への見栄と過信である。

 そうやって穴倉生活に安住して、気がつけばいい年を重ねて老人になっている。私の兄も父も先輩や多くも友人たちも、人生はなんだったのかと、結局「砂の女」は青春時代を過ぎて年取っていく男の内側を象徴している。そうなのだ外界を省みる事のない「穴倉生活」、無知で平凡な家庭人がいいのだと、一方でそれが、お前の悔いのない人生なのかと。

投稿者:cinéphiles 13投稿日:2010-02-18 20:04:37
64年にこの作品がうまれてよかった。武満徹の音楽も画とマッチしていた。そしてなんといっても映像が美しい。砂の流れかたひとつにしてもエロスさえ感じる。岡田英次の白いタンクトップ、紺色らしきちゃんちゃんこがモノクロの映像に映えていた。砂の女が砂を体にちりばめ横になってる姿は、光の影とも重なり静のセクシーさがありました。砂の男の最後の判断は砂がもつ魅力に恐ろしさをも感じる。美と恐怖は裏表の関係で人の見方、考え方によってここまで変わるとはなんとも恐ろしい。
投稿者:Bava44投稿日:2009-10-03 11:58:34
邦画では稀な高い純度の、国際的なレベルの芸術作品であることは確かだが、ちょっと演出が前衛的過ぎる。安部公房はそんなに冷たい作風の作家ではなく、演出はもうちょっと柔らかくすべきだ。脚本と演出が懸隔しているところがいくつかあった。低予算のアート映画と割り切ればそれでいいのかもしれないし、十分に面白い映画であるが、やり過ぎちゃっているのは良くない。

キネ旬ベストテン第一位。良くも悪くも批評家受けする映画。
8+
投稿者:uptail投稿日:2009-06-04 14:45:22
武満徹
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2008-01-23 05:35:09
「おとし穴」と同様に、監督がきちんと映画を把握しているので演出がしっかりしてて、魅力的な作品ではある。でも二時間以上掛ける必要はない。一度観れば充分。
投稿者:o.o投稿日:2007-08-27 00:25:18
社会から発行される膨大な数の証明書を個人から取り去った時、残るのは途方もない生の無意味さである。男が没頭する新種の昆虫探しはその事実からの逃避に過ぎず、それは虚しく繰り返される砂掻きと何ら変わるところはない。現代社会において可能な自己確認は、その空虚さを受け入れることだけであり、それに気付いた今、砂の女は不要となった。男は「失踪」したのではない。この社会に確かな意味で存在など最初からしていなかったのだから・・・云々。きっともっと色々でしょうが、今のところはとりあえずそんな整理整頓で済ませたいと思います。

しかし現代社会が何だろうが、怖いのは砂の女、岸田今日子です。昔からこの人の声にはぞわぞわするものを感じていたのですが、これだけたっぷり聞かせてもらえて幸せです。常に全身に水を浴びているかのようなぬらぬらとした姿に、どんなに気色ばんでもはぐらかされてしまう、神経を逆撫でするような喋り方。「砂は湿気を呼ぶ」というセリフがありましたが、この映画では、からからに乾いた砂のイメージと、じくじくと物を朽ちさせていく水のイメージが重なり合って、汗まみれの肌に砂がべったりとくっついてくるような不快さを生み出していると思います。そんな映画に、彼女ほど似合う女優が他にいるでしょうか。

漏斗状の穴がいくつも開いた砂地が広がり、そこに落ち込んだ者達が人知れず無意味に砂を掻きだしている。そんなイメージがしっかりと心に残った次第です。
投稿者:さち投稿日:2007-07-06 09:25:17
すばらしい
投稿者:ぶくろう投稿日:2005-04-10 12:15:06
痛烈な文明批判。見た直後、しばし呆然としてしまいました。
投稿者:ロジャー&ミー投稿日:2005-03-06 19:52:12
Woman in the Dunes
投稿者:たるてお投稿日:2004-10-06 01:18:37
自由って一見いいモノに思えるけど、実はもう一つの側面があって、たとえば、何をしてもいい、と思いこんでしまったり、あるいは、何をしたらいいのか分からなくて途方にくれてしまったり、社会に適応できない人間が出てきたり、競争を勝ち抜くことが出来ずに脱落してしまったりと、いろんな厄介な面があるんだな、と最近思い始めて、そういうのをこの映画は描いているのかもと思った。どれほど文明の進歩を認めようとしても、人間一人一人ができること、社会に対して望むものはとても単純なもので、それはずっと変らないし、第一、文明は進歩しても肝心の人間自体が進歩してないじゃん、みたいな。(レネの『アメリカの伯父さん』)
それら全てを表すものとして、岡田の役、「砂」の役、共同体の役が用意されている。ということで、時間かかった割にかなりベタな解釈となってしまったのでした。
投稿者:堕落者投稿日:2004-02-25 12:31:24
一見非日常的に見える世界,でも実は以外と身近にあるもんなんだな。主人公の場合も有り触れてるって訳で特に珍しくはない。というか,この主人公の例にハマらない人間の方が珍しい。ゾッとしてもそれが一番平凡で満ち溢れているんだからさ。それを幸福と呼ぶんです。前に日本でセーヌ左岸派と並ぶのはこれ位の物だろうと仰っていた方が居たが,確かに部落だ,農村社会共同体だ,を関係なく超えた真理と普遍性を獲得する事に成功していますね。正にここにあるのは鋭く条理を追求し,極めた故の不条理性なのであって,単に奇を衒っただけの巷に氾濫する観念的遊戯とは全く無縁ですな。それにしても砂って言うのは抽象的でメタファーに溢れている。誰も足跡を残す事が出来ないんだし,下手にもがけばもがくほど深みにハマってしまう最悪の結果を招く事にもなる。でも,それが不幸とは限らない,同時に安心と幸福を齎してくれるのだからね。(笑)大体,主人公もよかったじゃん。探していた花嫁が無事に見つかって幸せに結ばれてさ。(笑)
映画史に残る名作だと確信している。
投稿者:ゆうじ投稿日:2002-07-11 23:25:20
映像、音楽、役者、どれをとっても一級品。モノクロの世界の中で風紋を作りながら動く砂の映像は、かなり昔に見たにも関わらず心に残っている。ただ、自分が理屈で割り切れない世界=不条理な物語を受け入れられない為、いい作品なんだけど個人的には嫌いな映画のひとつ。今見たら、感想も違ってくるだろうか。
投稿者:4531731投稿日:2002-01-24 01:10:09
 岡田英次は昆虫採集に来ているが、実は何か別のモノを探してる。砂漠ってのはいつでも象徴的ですね。自己喪失という風景。
 この作品。一見、非日常的だが、実はすごく現実的だったりする。その恐ろしさ(笑)。俺らの代表を演じる岡田も、始めのうちこそ混乱しながらも逃げ出そうとするが.....阿部、勅使河原、岡田。笑わせるね。難解なアート作品でもあり、ギャグの一級品だったりする。不条理劇の傑作。欧米でも、この作品(俺は全部好きだけど)だけは必ずビデオが発売されてる。
 この当時の岸田今日子はかわいらしいんでアレですが、現在の彼女がこの女の役を演じたら(笑)と思うと、笑える。絶対、この作品以上に鋭さが増すはず(?)。武満徹の音楽も忘れられない。
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 外国語映画賞 
■ 審査員特別賞勅使河原宏 
■ 作品賞 
 ■ 監督賞勅使河原宏 
【レンタル】
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