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西村寿行 にしむら・じゅこう

■生年月日 : 1930/11/03
■出身地 : 香川県高松市
■没年 : 2007/08/23

【フィルモグラフィー】
マンハント (2017)原作
賞・金・犬 WANTED! (1995)<OV>原作
化石の荒野 (1982)原作
炎の犬 (1981)<TV>原案
黄金の犬 (1980)<TV>原作
黄金の犬 (1979)原作
犬笛 (1978)原作
君よ憤怒の河を渉れ (1976)原作
【ユーザー評価】
【ユーザーコメント】
投稿者:シネマA投稿日:2007-08-29 22:48:44
 西村寿行はかつてわが国のエンターテインメントの分野で一世を風靡した流行作家です。2007年8月23日、肝不全のため東京都内の自宅で死去。76歳。オール讀物新人賞佳作入選のほかは生涯無冠の経歴でした。合掌。瀬戸内海の男木島の出身。作家の西村望は実兄。

 1979年、西村寿行はいわゆる長者番付の作家部門で堂々の第1位になっている。1970年代半ばから80年代初頭にかけての脂が乗った時期の多彩な作品群は、魔に憑かれたような気魄に充ちていて、物語の圧倒的な娯楽性とスケールの壮大さで魅了するものが多かった。いま手にとっても一気読みさせる長篇小説が少なくないのでは。

 動物小説から出発して、社会派ミステリ、冒険小説、ポリティカル・フィクション、伝奇小説、時代小説など、膨大な作品の傾向は多岐にわたり、展開から目が離せない面白さにあふれていた。商品としていちばん売れたのが、週刊誌やスポーツ新聞などに連載して《ハードロマン》というレッテルを貼られたヴァイオレンスアクション物。極限状態に置かれた人間の暴力と憎悪の嵐が吹き荒れる地獄絵のような復讐譚の数々。過激な性描写のせいで当時の青少年男子にもっぱらズリネタとして読まれていたという事実は、寿行作品全体がいまだに過小評価されている一因ではないかしら。

 簡潔で雄勁な独得の文体。強引で達者な筋運び。豪快な男臭さ。おもわず引き込まれてしまう。活字で読む劇画、というイメージを私は抱いていました。とにかく大風呂敷の広げかたが途轍もなく上手いストーリーテラーだった。

 題材に社会小説的なひろがりもあって、たとえば『去りなんいざ狂人の国を』(1978)で描かれた毒ガスによる無差別大量殺人が、後年のオウム真理教地下鉄サリン事件を示唆しているという俗説があるくらいです。世代からいっても、教団の幹部連中は〈GORO〉連載中に実際に読んでいた可能性はたしかにある、とおもう。

 寿行作品は何本も映画やTVドラマになっていますが、できばえに幻滅させられた駄作がほとんど。実写では製作費がかかりすぎて怒涛の活劇を映像化しきれなかったのか。私の観た範囲では、大映製作、松竹配給、佐藤純彌監督、高倉健主演の『君よ噴怒の河を渉れ』(1976)が、冗長だけどかなり血湧き肉躍る娯楽映画に仕上がっていた。どういうわけか、中国で公開したところ大ヒットしたそうですが。

 寿行の全盛期には、新作が刊行されるたびに評論家の北上次郎や歌人の福島泰樹らが時評や書評で熱烈に称揚していたのを記憶しています。近年は筆が衰えてめったに話題にもならなくなっていたのは淋しい。高齢と闘病生活からしてやむを得ぬことだったんでしょうけど。とはいえ、今日でも作家の篠田節子のように西村寿行の動物小説やパニック・シュミレーション作品を正当に評価している見識の持ち主がいることは心に留めておきたい。

 寿行先生、ご冥福をお祈りします。
【ソフトリリース】
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【邦画】
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