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 「篭瀬山」さんのコメント一覧 登録数(719件)rss
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[031]チャップリンの殺人狂時代
 死刑!篭瀬山2007-03-06
 
ギャグはビシバシ決まるし、サスペンスがある。ところどころ旧型のチャップリン式コメディも見受けられるが、むしろ愛嬌として使うところが巧い。初めてチャップリンがトーキー・・・
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ギャグはビシバシ決まるし、サスペンスがある。ところどころ旧型のチャップリン式コメディも見受けられるが、むしろ愛嬌として使うところが巧い。初めてチャップリンがトーキーという技法を自家薬籠中の物とした、と言えるのではないか。裁判以降が最も話題に上るが、全体からみればあっさり描かれており、ほとんど物語の余韻として流れていく。私の肉体は裁きえても、精神までは裁きえない。フランスの死刑廃止は1981年だから直接因果関係があったとは言えないが、人が人を殺めることの愚かしさをこの作品が訴えたのだとすれば、影響を与えたとは言えるか。8
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[032]チャップリンの独裁者
 あの地球儀が欲しい篭瀬山2007-03-06
 
20年ぶりに見て笑えなくなっていたのは、口述とタイプの不自然なギャップのシーン、赤絨毯を敷くためにホームを右往左往するシーン、ヒンケルとナポロニが床屋式の椅子の高さ・・・
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20年ぶりに見て笑えなくなっていたのは、口述とタイプの不自然なギャップのシーン、赤絨毯を敷くためにホームを右往左往するシーン、ヒンケルとナポロニが床屋式の椅子の高さを競うシーン、など。相変わらず可笑しかったのは、ハナモゲラ・ドイツ語の演説シーン。風船の地球儀と戯れるシーンは、幻想的で、かつ不気味でもあり、あらためて映画史に残る名場面と感動した。だがこの作品の素晴らしさは、やはり映画の外側にあるのではないか。すなわち、「独裁者」の危険性をいちはやく嗅ぎ当て、自由と民主主義の敵と警鐘を発した、その感性と勇気に。歴史に刻まれるかもしれない映画なんて、ちょっとないよね、ほかに。7
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[033]モダン・タイムス
 まだトーキーに慣れてない?篭瀬山2007-03-06
 
チャップリン初のトーキー。今回、順を追って見てきたせいか、チャーリーが初めて喋ることへの期待感・緊張感は共有できた。またそれがいわゆるハナモゲラ語であることも大いに・・・
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チャップリン初のトーキー。今回、順を追って見てきたせいか、チャーリーが初めて喋ることへの期待感・緊張感は共有できた。またそれがいわゆるハナモゲラ語であることも大いに納得した且つ芸として楽しんだ。だが、どうもギャグの切れが悪い(ように思う)。メッセージははっきりしているのだが、それが前面に出すぎてギャグとしての味わいを妨げているのかもしれない。しかし、(有名な)巨大な歯車に巻き込まれるシーンなんか、意図はわかるが全然おもしろくない。面白くなければ風刺にはならないわけで、これなら文章で「現代人の生活様式は工場の巨大な歯車に巻き込まれているかのようだ」と読むほうがマシだ。『街の灯』でからくり人形に扮して警官の目を欺くシーンなんかの方がはるかに面白いし、少なくとも動きにキレがある。もちろん、なんの憂いもなく笑えるシーンもたくさんあった(ぺっちゃんこになった懐中時計とか)から、まだトーキーに馴染んでないのだ、としておこう。6
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[034]街の灯
 映画篭瀬山2007-03-04
 
 サイレント映画の最高峰(実際にはサウンド映画だったそうだが)。基本的にシーンとシーンでエピソードが綴られ、それによって物語の全体が構成されていく。台詞(字幕)もあ・・・
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 サイレント映画の最高峰(実際にはサウンド映画だったそうだが)。基本的にシーンとシーンでエピソードが綴られ、それによって物語の全体が構成されていく。台詞(字幕)もあるが、ほとんど添え物というか、むしろ映画のリズムを調整し、場面の展開を図るために使われている。ギャグの切れも一つ一つが絶好調だが、これですらストーリー的な構成を持たせているところが凄い。一筋縄を許さないラスト・シーンの解釈も、きちんと伏線が張ってあればこそだ。構成、というのは例えばこのラストシーンだが、字幕3枚の挿入が物語の時間的進行をその都度止め、余韻を産んでいる。そこには、普通にトーキーで語られたとしたら産まれ得ないような効果が表れているだろう。  その後映画には音声がつき、色彩を獲得し、画面が横に広がり、さまざまな撮影技術を持つに至るが、それらが一定の効果を保証したとしても、その特性を遺憾なく発揮させた映画というものは、滅多に出ていない。という意味で、この作品はジャンルを越え、すべての映画の中でも最高峰の一つだろう。  チャーリーの姿を久々に見て喜ぶ、新聞売り少年たちの表情一つとっても素晴らしい。10
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[035]巴里の女性
 字幕がうるさい篭瀬山2007-03-04
 
 チャップリン映画サイレント初期の名花、エドナ・パーヴィアンスの単独主演作。チャップリンとしてはこの作品で彼女をスターにするつもりだったという。残念ながらエドナにと・・・
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 チャップリン映画サイレント初期の名花、エドナ・パーヴィアンスの単独主演作。チャップリンとしてはこの作品で彼女をスターにするつもりだったという。残念ながらエドナにとって、これがほぼ最後の出演作となった。もっともこの作品が評判をとっていたら、チャップリンは喜劇に復帰しなかったもしれないわけで、そうなると映画史は変わっていただろうから複雑だ。  『オーケストラの少女』でディアナ・ダービンの父親役を演っていたアドルフ・マンジューが若く、ニヒルな優男を好演しているなど、見所もたくさんあるが、いかんせん話がくだらない。パリの金満階級(?)のドンチャン騒ぎ的享楽生活に、少しは憧れるみたいな気持ちを持ち得ないと話が成立しないのだが、絵空事にしか見えない。マリー(エドナ)には、自己に対する嫌悪感か、他者に対するしたたかさの、どちらかもう少しあってほしい。またこの当時はトーキーという選択肢はなかったのだからいたしかたないことでもあるが、台詞が多く字幕の割り込みが頻繁なのもサイレント映画としてはやりすぎ。4
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[036]犬の生活
 立派な犯罪篭瀬山2007-03-04
 
悲惨な境遇にユーモアの要素を見出し、笑いに溢れた環境に変えてしまうという、チャップリンの面目躍如の秀作。とはいえこのあたりまでだと殴ったり殴られたりのどぎついパント・・・
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悲惨な境遇にユーモアの要素を見出し、笑いに溢れた環境に変えてしまうという、チャップリンの面目躍如の秀作。とはいえこのあたりまでだと殴ったり殴られたりのどぎついパントマイムも結構見受けられる。特に屋台で黙ってソーセージを食べてしまう(食べきってしまう)シーンなんか、立派な犯罪じゃないかー!という気持ちになるが、チャップリンの作品では無銭飲食は犯罪のうちに入らないみたいだ。個人的に、寂しげな表情で歌を歌ったり、(なぜか)チャーリーの気を引こうとして全身でウィンクしてたりする、この作品でのエドナ・パーヴィアンスが一番可愛いと思っている。7
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[037]サーカス
 弱者の品格篭瀬山2007-03-04
 
チャーリーがサーカスの女の子を好きになってしまい、気を引こうと奮闘するが、その子が別の男に恋をしていると知ると(切ない)、今度はその恋の成就のために奔走するという、・・・
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チャーリーがサーカスの女の子を好きになってしまい、気を引こうと奮闘するが、その子が別の男に恋をしていると知ると(切ない)、今度はその恋の成就のために奔走するという、日本で言えば寅さんみたいな話。もちろん笑いもたっぷりとある。私が好きなのは、命綱なしで綱渡りをしているチャーリーに絡みつく猿とか、檻の中で突如チャーリーを威嚇するライオンとか、チャーリーを見ると走って追いかけてくるロバ(?)とか。だがそういったシーンの中から、彼の懸命さや、やるせなさ、そしてモラルの高潔さ(というかやせ我慢)を引き出してくるのがとても上手な作品で、そこに感動した。7 ※ちなみにレックスが途中で姿を消すのは、パンフによると、団長に少女との結婚を反対され、飛び出したのだそうです。なるほど、と納得は出来ますが、私も見ててちっとも分かりませんでした・・・
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[038]チャップリンの黄金狂時代
 結構残酷篭瀬山2007-03-03
 
 スラップスティック的な面白さは相変わらずふんだん。<靴のディナー>や<フォーク・ダンス>等、映画史に残る印象的シーンも豊富。だがチャップリン史的にいうと、普遍的主・・・
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 スラップスティック的な面白さは相変わらずふんだん。<靴のディナー>や<フォーク・ダンス>等、映画史に残る印象的シーンも豊富。だがチャップリン史的にいうと、普遍的主人公であるtrampつまり放浪者の、その内面なかんずく彼の抱える孤独感に、初めて踏み込んだ作品であると言えるか(結構残酷)。一応(とってつけたような)ハッピー・エンディングを向かえ、やっぱ映画はこうでなくちゃね、と思わされるわけだが、必ずしもそうでない次作『サーカス』と比べても意味深い。  1920年代的な女性美の基準を体現したような(勝手なイメージだが)ヴァージニア・ヘイルがいい。8
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[039]チャップリンのゴルフ狂時代
 震える肩篭瀬山2007-03-03
 
 原題”Idle Class”は言わば有閑階級という意味か。働いてないという点ではチャップリンの放浪者も一緒だ、ということで、上流社会のスポーツであった(?)ゴルフを放浪者にや・・・
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 原題”Idle Class”は言わば有閑階級という意味か。働いてないという点ではチャップリンの放浪者も一緒だ、ということで、上流社会のスポーツであった(?)ゴルフを放浪者にやらせてみたら・・・、というアイデアがすべてな作品。汽車の到着という映画史的なモチーフから始まるが、いきなり思いもよらぬところから放浪者が出てきて爆笑(前にも見てるけど)。話の統合力には欠けるが、個々のシーンはすこぶる楽しめる。後の『サーカス』なんかではあらゆるアクションをスタントなしでチャップリン自身がこなしている。この作品の甲冑の中の人も実際に本人だったんだろうか(仕草は楽しい)。ラストで上流紳士のケツを蹴っ飛ばす放浪者の姿に、当時のチャップリン(とチャップリン映画)の立ち位置がうかがえて面白い。  チャップリンの一人二役は後に名作『独裁者』へ発展する(?)が、二役が同時に一画面に収まるのはこちらだけなので、技術的にはこちらの方が上と言えるかもしれない(わけないか)。7
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[040]キッド
 お巡りさんご苦労様篭瀬山2007-03-03
 
 無銭飲食をしたり、仕事の詐欺が成功しそうになったりすると、必ず警ら中の警官に見咎められ、それを誤魔化したり、逃げ出したりする、という行為がチャップリン作品では必須・・・
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 無銭飲食をしたり、仕事の詐欺が成功しそうになったりすると、必ず警ら中の警官に見咎められ、それを誤魔化したり、逃げ出したりする、という行為がチャップリン作品では必須のギャグになっている。つまりチャップリン作品における警官は場面を展開させる重要な脇役であって、街中いたるところを徘徊している。これはチャップリンが映画を撮ったアメリカというよりは、故郷ロンドンの日常的な情景(の誇張)なのだと思うが、通りに面した2階の窓からゴミが投げ捨てられるこの作品(赤ん坊も?という感じで上を見上げる行為がおかしい)は、まさに話に聞く昔のロンドン下町という感じか。このささやかな愛情が育まれる物語の舞台として、なんとも適切な街並みなのだ。  ジャッキー・クーガンがとにかく愛らしい。姿かたちもそうだが、チャップリン的スラップスティックな動作をすっかり体得しているところが凄い。これらを見ると、チャップリンの作品には仕草のおかしさ、それらを絵としてみたときの形のおかしさがまずある、ということに気づく。9  ラストの展開に何か不自然なところがあったろうか。わからない。
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[041]担え銃
 チャップリンは最高篭瀬山2007-03-03
 【ネタバレ注意】
 TV放映を撮ったビデオで繰り返し見たが、劇場では初めて。やっぱいい。塹壕内の兵隊生活という悲惨な環境も、彼の手にかかると笑いの要素に満ち溢れて見える。というか、満・・・
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 TV放映を撮ったビデオで繰り返し見たが、劇場では初めて。やっぱいい。塹壕内の兵隊生活という悲惨な環境も、彼の手にかかると笑いの要素に満ち溢れて見える。というか、満ち溢れてしか見えない。これを彼の反戦思想の現れとか、戦争風刺と見ることも不可能ではないと思うが、そんな回りくどい見方をする必要はなかろう。純粋に、戦争という素材から笑いを引き出すことを、彼自身が楽しんでいるだけ。ギャップがあればあるほど笑いは生まれるのだ。物語りも、一番駄目な奴が結局一番の英雄になるという、社会のごく初歩的な欲望を反映しているにすぎない。  ところで、夢落ちだった記憶がなく意外に思ったのだが、よくよく考えたら、昔撮ったビデオはラストの数十秒を誤って消してしまってたことを思い出した・・・8
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[042]ライムライト
 チャップリンの弟子たち篭瀬山2007-03-02
 【ネタバレ注意】
『モダンタイムス』で資本主義制度に潜む非人間性を批判したチャップリンだが、ここでは欲望を肯定し意志を否定する。人生に意味を求め自殺を試みたテリー(クレア・ブルーム)・・・
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『モダンタイムス』で資本主義制度に潜む非人間性を批判したチャップリンだが、ここでは欲望を肯定し意志を否定する。人生に意味を求め自殺を試みたテリー(クレア・ブルーム)を慰めるため、人生に意味などない、あるのは欲望だけだと断言するカルヴェロ(チャプリン)。薔薇は薔薇であろうとする故に、石は石であろうとする故に、そう存在する。そのメッセージ性とは別に、彼がそこで見せるパフォーマンスは(瞬間的なものだが)最高におかしいし、その直後に見せる「盆栽」(Japanese Tree)の仕草は至高でもあるのだが、要するに。人間は欲望のためのみに生くるにあらず、無意識のうちにも意味を求める存在だからこそ苦悩する、ということが彼の認識からはこぼれ落ちている。したがって、何が正しく何が間違っているかを彼(チャプリン)に教えてやれる友人がいなかった、という指摘はその意味で的確だと思うが。彼自身の無意識下では、道化師の死という結末からも、それを理解する心性があったことはうかがえる。問題は、それ(間違った認識)を引き受ける存在がいたことだと思う。この映画で言えばテリーがそれ。7
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[043]幸福な食卓
 切磋琢磨篭瀬山2007-02-07
 
素晴らしい。今世紀に見た同時代の邦画で最高だ。突然こんな映画が出てくるわけない。私は、これまで如何に多くの邦画を見逃してきたのかと、今、恥じている。とりあえずそれだ・・・
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素晴らしい。今世紀に見た同時代の邦画で最高だ。突然こんな映画が出てくるわけない。私は、これまで如何に多くの邦画を見逃してきたのかと、今、恥じている。とりあえずそれだけ言っておく。
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[044]めぐみ-引き裂かれた家族の30年
 涙する時間篭瀬山2007-02-04
 
 確かに、日本で報道に接していれば、まったく新しい情報みたいなものは、ここにはない。肉親を奪われた家族の心情に寄り添って描かれるので、拉致問題を全体的に振り返る意図・・・
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 確かに、日本で報道に接していれば、まったく新しい情報みたいなものは、ここにはない。肉親を奪われた家族の心情に寄り添って描かれるので、拉致問題を全体的に振り返る意図にも、そぐわない。金政権に対する怒りはあらためてこみ上げるが、これは、拉致や核の報道に接する度に起きる。またそれは、それまでの人生を理不尽に奪われた被害者や、肉親を奪われた悲しみに沈む家族の思いはいかばかりかという、まさにこの映画で描かれる問題を思えばこそである。だが、ここまで考えて、私が実際に彼ら彼女らの境遇に思いを致し、涙を流したのは、劇場の椅子に座ってスクリーン上の明滅を眺めていたこの時間が初めてである、と気づいた。  それで家族らの心情が理解できたとか言うつもりはない。この問題にずっと無関心でいた自分、今でもときにしか思いを馳せない自分の咎が減免されるとも思わない。だが、一人でも多くの人がこの犯罪を知り、その被害を思ってくれれば、その思いの集積は必ず現実の世界で事態を動かす力となるだろう、と思ったことだ。6
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[045]現代好色伝 テロルの季節
 裏山C篭瀬山2007-02-02
 
 正直言って、劇的なことはほとんど起きないのだが、<何かが起こりそう>という緊張感で場面を紡いでいくのが芽茶苦茶上手い。刑事という人種の、独特な下司な臭みと、ある種・・・
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 正直言って、劇的なことはほとんど起きないのだが、<何かが起こりそう>という緊張感で場面を紡いでいくのが芽茶苦茶上手い。刑事という人種の、独特な下司な臭みと、ある種の真面目さ、そして月給取り的な<やる気>と<やる気のなさ>を描きながら、彼らの感じている徒労感が確実に伝わってくる。  かつ、エロい。男一人に女二人という、いわゆる3P状態を描くわけだが、女性二人が決して飛び抜けた美人というわけではないものの、街にいれば目を引かずにはいられないといった可愛さで、そのギャップというか、いやその自然に湛えたエロスというか、男と絡んだときの、いや二人が絡んだときの男の邪魔さというか(何を言っているのだ俺は)、とにかくエロい。しっかりエロい。  ちなみに(誤魔)この「男」(吉沢健)、たけしの『その男、凶暴につき』で悪徳組織のナンバー2だった人だね(岸部一徳の下にいた人)、だいぶ若いけど。6
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[046]胎児が密猟するとき
 松明篭瀬山2007-02-02
 
 松明を照らしてずんずん突き進む探検隊長・若松孝二の後ろから、人間の内面という洞窟の深奥を垣間見せてもらうような楽しみがある。この男(若松)の度胸のよさというか、自・・・
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 松明を照らしてずんずん突き進む探検隊長・若松孝二の後ろから、人間の内面という洞窟の深奥を垣間見せてもらうような楽しみがある。この男(若松)の度胸のよさというか、自分に対するタブーのなさに、ほとほと感心した。女性に対する自分勝手な妄想と復讐心が渦巻く男の幼児性を、見事に照らし出しているのだ。そして、それを部分的に容認してしまう社会の放漫をも。なぜなら、社会は表面を取り繕うことに精一杯で、誰も中を覗こうとしないから。また、騙されやすい<馬鹿な女>として登場する被害女性が、いまどきの自分探し的ひ弱さを持たないところも頼もしかった。  若松は映像技巧が下手だとか言われるらしいが、そんなことはない。才気走っているのはもちろん、試行錯誤的な不安定さがなく、とても安定しているところに特徴があると思う。もっとも、自転車が走る理屈と同じで、安定して見えるのは勢いがあるからか、とは思わないでもない。6
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[047]マリー・アントワネット
 期待がすぎたか篭瀬山2007-02-02
 
引っ繰り返した飼葉桶みたいなマリー・アントワネット(キルスティン・ダンスト)の髪型に、「わあすごい」と感心できる素直な方なら楽しめるかもしれん。歴史上の人物の実像に・・・
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引っ繰り返した飼葉桶みたいなマリー・アントワネット(キルスティン・ダンスト)の髪型に、「わあすごい」と感心できる素直な方なら楽しめるかもしれん。歴史上の人物の実像に迫る作品としたら物足りない。子産みのプレッシャーやヒソヒソと語られる誹謗・中傷へのリアクションが、ただ泣き崩れるだけ、というのは映画表現として弱いのだ。映像表現に関するストックの乏しさを感じる。現代的な楽曲を重ねる趣向も、画面と合っておらず、かえってモタモタ感を生んだ。自分が本当に通じた世界であれば、もう少し適切に処理したろう。いずれにしても無理があった。庶民的な顔立ちのキルスティンを王妃役に起用する真意も分からずじまい。5
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[048]それでもボクはやってない
 対案を出せる篭瀬山2007-01-30
 
メッセージははっきりしていて、「『疑わしきは罰せず(被告人の利益に)』ということが法本来の大原則であり、現在の日本の捜査・司法現場では、この原則がおろそかにされてい・・・
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メッセージははっきりしていて、「『疑わしきは罰せず(被告人の利益に)』ということが法本来の大原則であり、現在の日本の捜査・司法現場では、この原則がおろそかにされている点に問題がある、この原点に立ち返れば、多くの冤罪事件は防ぐことができるはずだ」というもの。観客が間違えて取らないようにか、巻頭巻尾で字幕メッセージを付けるほどの念の入れよう。だが、この世の中で本当に重要な問題は、下方↓に指摘してる人もいるが、社会の人間力、ないし人格に対する尊厳度合いの問題だろう。はっきり言って、このケースで彼の無罪を勝ち取れないのは、弁護団のミステイクと思える余地がある。再現ビデオで「ありえないとは言い切れない」と証明して見せたことが、なぜか証拠として採用されてないのに、それに対する言及が皆無。もう少しスキなくドラマを構成できたと思う。被告人の利益を言うのはそれからだ。
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[049]バッテリー
 おえん篭瀬山2007-01-29
 
ペチャクチャとよく喋る映画だった。こういう物が人に感動を与えるのかどうか俺は知らん。だがこういうのは、本当は映像で紡いで見せなきゃいけないんだよ、映画なんだから。岸・・・
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ペチャクチャとよく喋る映画だった。こういう物が人に感動を与えるのかどうか俺は知らん。だがこういうのは、本当は映像で紡いで見せなきゃいけないんだよ、映画なんだから。岸谷五郎の長広舌一つとっても、彼がこういう想いを持つまでに至ることを描くだけで、映画1本分くらいのエピソードが必要だと思うぞ。映像というものを、単に美しい景色を切り取るためだけのものとしか思ってないみたいだ(直球のスピード感はよかったけど。でもあまり目立たない凄さなんだよな、これ)。でもって一番駄目なのは、そこまでして言わせてる台詞が、対話になっていないことね。投手と捕手を描いた映画なのに会話のキャッチボールが成立してないなんて、悲しい皮肉、悲皮肉だ。
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[050]ディパーテッド
 見ると元気が出る篭瀬山2007-01-22
 
この映画のプラスの側面を探すと、とにかく元気が出ること。懸命に伏線を張ってきたのに、ラスト5分でまったく伏線とは関係のない展開を見せて、強引に終わる。観客に頭脳戦を・・・
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この映画のプラスの側面を探すと、とにかく元気が出ること。懸命に伏線を張ってきたのに、ラスト5分でまったく伏線とは関係のない展開を見せて、強引に終わる。観客に頭脳戦を挑み、自分でこんがらがってずっこけてるので、弁護の余地はないのだ。仕事がうまくいかなくってむしゃくしゃしたときなんかに見ると、自分が有能になった気になれて疲れも吹っ飛びます。サンドバッグのように罵倒の連打に耐えうる作品。6
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[051]黒い画集 あるサラリーマンの証言
 自分で何とかしなさい篭瀬山2007-01-21
 
 あまり頭のよくない男が主人公である。こういう等身大で身近な人物にはシンパシーを抱く、と言いたいところだが、ドラマとしてサスペンスに欠ける。困って弱り切っているばか・・・
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 あまり頭のよくない男が主人公である。こういう等身大で身近な人物にはシンパシーを抱く、と言いたいところだが、ドラマとしてサスペンスに欠ける。困って弱り切っているばかりで、自分の頭で考えて事態を打開しようというアクションがないからだ。一方で、会社の部下を妾同然に囲うという大胆さがあり、上場企業?の課長として日々細かな決断を下しているはずなわけだから、人物設定の根本的な部分に矛盾を感じる。  都会という無関心の大海で、世間体を気にしながら生きていくというテーマは面白いし、普遍性がある。だがそれを描くのに、ありそうもない偶然や巡り合わせをここまで積み重ねなきゃいけないか、と思う。それでも上記のような理由でドラマが弛緩してなければ、もっと楽しめたと思うし、ありえない設定にする意味もあったろう。まあ、いろいろな要素が詰め込まれていて(詳しくは略)、楽しめることは楽しめる。6
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[052]あすなろ物語
 テキスト・ベース篭瀬山2007-01-21
 
 映画の中で繰り返される「檜になろう。明日なろう」という標語に滑稽さを感じてしまう私には、この映画を楽しみ味わう資格がないと思う。檜が木材として上等であるということ・・・
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 映画の中で繰り返される「檜になろう。明日なろう」という標語に滑稽さを感じてしまう私には、この映画を楽しみ味わう資格がないと思う。檜が木材として上等であるということに関しての、具体的体験に基づく知識がないのだ。思うに、映画として描くには、檜の樹木としての立派さと、それと対比した形での「あすなろ」の愚かしさを、絵として見せるべきだったのではないか。  画面の構図なんかも、時折りハッとさせられるいいものがあったりするが、全体としては単に映したいものが真ん中に映っているだけで、それが絵として何を表しているかについての配慮に乏しい。そういった面でも、テキスト(文面)偏重を感じさせる作品だった。4
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[053]長州ファイブ
 (無題)篭瀬山2007-01-08
 
 タイトルはダサいが、映画は至極まっとう。観終われば、うん、このタイトルしかないねという気にもなる。役者同士の台詞のやり取りが、一本調子になりそうなところをフッと外・・・
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 タイトルはダサいが、映画は至極まっとう。観終われば、うん、このタイトルしかないねという気にもなる。役者同士の台詞のやり取りが、一本調子になりそうなところをフッと外す間合いが絶妙だし、場面転換なんかも動から静、急から緩への切換えが巧い。映画って、これだけで十分見るに耐える。なんで他の映画(特に現代邦画)にはこれができんかねえ。(ま、難しいんだろうけど)  佐久間象山と思わしき人物(泉谷しげる)から多少の示唆を得るほかは、彼らが何を学ぼうと渡英したのかが分かりにくい。また、実際に何を学んだのかという事象に踏み込まないかぎり、彼らの偉大さがつかみにくい。一人の人間が、5年いただけで造船技術全般を一通り学べるものなのか?的な疑問がどうしても残った。観た環境がよかったので採点は少し甘く7
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[054]武士の一分(いちぶん)
 なんの武士の一分か篭瀬山2007-01-08
 
 だいたいこいつは武士の本分を果たしてないじゃないか。毒見役という勤めをくだらないとか言って女房の前で愚痴をこぼす野郎だし、毒にあたっているのに自分の体が「大丈夫で・・・
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 だいたいこいつは武士の本分を果たしてないじゃないか。毒見役という勤めをくだらないとか言って女房の前で愚痴をこぼす野郎だし、毒にあたっているのに自分の体が「大丈夫でがんす」とか言っちゃって、殿様の食事を止めようとしなかった。本分を果たしてない奴に一分なんてあろうはずがない。実際、主君の仇や親の仇を討つというならともかく、妻を手篭めにされたことへの復讐では、ただの私的怨恨だ。これのどこが武士の一分か。  今回でよーく分かったのは、山田洋次は武士道というものが心底嫌いなんだってこと。だから今までも、時代劇は撮っても武士は描いてこなかった。「清兵衛」以降始めたのは、武士道という価値観を曲げて描いて貶めてやろうという意図の下。どーせ今の観客にはわからんだろう、むしろ受け入れると高をくくっているのだ。武士道の肩を持つ気はサラサラないが、観客を舐めきった態度がマジむかつく。3
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[055]男性・女性
 白けてOK篭瀬山2007-01-07
 
ゴダールってのは何を恐れているのか、カッコばかりつけたがる空疎な野郎だと思うが、彼の映画にカッコよさを成立させるには、白黒映像のこのシャープさが必須なんだとわかった・・・
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ゴダールってのは何を恐れているのか、カッコばかりつけたがる空疎な野郎だと思うが、彼の映画にカッコよさを成立させるには、白黒映像のこのシャープさが必須なんだとわかった。カラー期に見るものはない。あとは、おむすびみたいなシルエットの髪型した主演女優がちょっと可愛かったのを覚えている。口論のあと、いきなり亭主を射殺する奥さんには吹き出したが、同じようなシーンが繰り返される(ナイフを自分の腹に突き立てる男)のにはしらけた。4
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[056]幸福
 拒絶と隠蔽篭瀬山2007-01-07
 
一人の男が、同時に二人の女を愛す。二人目の女は、自分が二人目であることを知りつつ、彼の愛を受け入れる。こういうこともあるんだよと描いている。しかし後半部分で、監督自・・・
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一人の男が、同時に二人の女を愛す。二人目の女は、自分が二人目であることを知りつつ、彼の愛を受け入れる。こういうこともあるんだよと描いている。しかし後半部分で、監督自身の道徳観念に動揺が見える。端的にいって、多夫多妻制みたいに描いてくれていたら、もう少しすんなり受け入れられたかも(?)と思うわけだが、彼女(監督)はそういう発想を拒絶している。ドキドキさせる見せ方で世界を構築する手腕を楽しんだし、同時代に見たらセンセーションを感じたのかもしれないが、そのレベルにとどまった作品に思える。6
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[057]大奥
 ご都合だらけの時代劇篭瀬山2007-01-07
 
 歴史を都合よく見るという意味で、いまの流行に合っている。『硫黄島〜』あたりを絶賛する人はこの作品も絶賛できるだろう。物事を正確に見分けられるのは、邦画を見る喜びの・・・
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 歴史を都合よく見るという意味で、いまの流行に合っている。『硫黄島〜』あたりを絶賛する人はこの作品も絶賛できるだろう。物事を正確に見分けられるのは、邦画を見る喜びの一つだが、もっと楽しい作品を見せてほしい。  一つ。昇殿する井川遥(現将軍の母)の化粧の濃さを、高島礼子(前将軍の正室)が皮肉交じりになじるシーン。こういうものは、相手の虚を突き機先を制す間合い、つまりタイミングと距離感がすべて。歌舞伎のような仰々しい舞台装置では描きえぬ機微だからこそ、映画で描く意味がある。なのに、絵巻物的な構図で、せーの!で描くようなやり方では、ぶち壊し、というか、描く意味がない。要は、まったくクリエイティブでない。  も一つ。恋愛とは、二人で並んで見る花火に美しさを感じること、ではなくて、一人でいても、毎日見慣れていたはずの景色が、俄然美しく見え始めること、だと思う。3
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[058]壁の中の秘事
 裏「裏窓」篭瀬山2006-12-30
 
コンクリートの壁に四方を囲まれた団地という構造物に、強烈な圧迫感があるのは確かだ。だが別に四六時中閉じこもっている必要はないわけだし、団地に住んでるからって気の触れ・・・
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コンクリートの壁に四方を囲まれた団地という構造物に、強烈な圧迫感があるのは確かだ。だが別に四六時中閉じこもっている必要はないわけだし、団地に住んでるからって気の触れる必然性があるわけじゃない。しかしこの映画を見ていると、登場人物の一人ひとりの感情の動きに納得がいくだけでなく、発狂しないでいられる方がおかしいような気になっているから不思議だ。この時代の爛れた閉塞感を見事に捕らえ、壁の中に押し込めている。こういう仕事は若松孝二しかしていないのではないか。いま言えるのはここまで。8
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[059]処女ゲバゲバ
 尻尾と記念撮影篭瀬山2006-12-30
 
荒野をただ車が走っているだけで、呆然と眺めていたい美しさが絵にあるし、身に危険のある状況にも関わらずムラムラしてしまう男女には、えも言われぬエロスがあるだけでなく、・・・
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荒野をただ車が走っているだけで、呆然と眺めていたい美しさが絵にあるし、身に危険のある状況にも関わらずムラムラしてしまう男女には、えも言われぬエロスがあるだけでなく、人間というものをよく観察しているなあと感心してしまう。突拍子のない設定ながら、話の展開はなかなか論理的だったりするし、低予算の即席ムービーの雰囲気は十分にたたえているものの、独り善がりの引きこもムービーとは一線を画している。この時代に場末のポルノ館でこれを見たら、熱狂したかも。5
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[060]無法松の一生
 邪気がない篭瀬山2006-12-30
 
ツンとすました風情は高峰秀子の得意とする演技だけど、庶民的な丸顔のせいか、<手の届かない>あるいは<手を出し難い>毅然とした雰囲気には欠けるきらいがある(前作での園・・・
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ツンとすました風情は高峰秀子の得意とする演技だけど、庶民的な丸顔のせいか、<手の届かない>あるいは<手を出し難い>毅然とした雰囲気には欠けるきらいがある(前作での園井恵子と比べて)。三船は、(田村兄弟なんかよりよっぽど)阪妻を彷彿させる無邪気さがあってよかったけどね。喧嘩の仲裁エピソードなんか話の成り行きが臭すぎるんだが、カメラが無駄な動きをしないので、物語を紡いでいるというより、ただ見せているという感じがあって、これはこれでよかった。全体として好感の持てる作品ではある。しかし戦時中はあのシーンが削られたのだとすると、今の世の中なんぞ丸ごと削らなけりゃいけないような気がするね・・・。6
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