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 「呑気呆亭」さんのコメント一覧 登録数(728件)rss
 コメント題投稿者投稿日
[361]エデンの東
 ヒップスタ−呑気呆亭 (Mail)2013-11-25
 
作家ノ−マン・メイラ−が人間を「ヒップスタ−」と「スクエア」に分けて論じた文章があったと記憶しているが、恐らくメイラ−のその文章はジェ−ムズ・ディ−ンという存在によって触・・・
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作家ノ−マン・メイラ−が人間を「ヒップスタ−」と「スクエア」に分けて論じた文章があったと記憶しているが、恐らくメイラ−のその文章はジェ−ムズ・ディ−ンという存在によって触発されたのではないだろうか?それほどにこの作品のディ−ンの存在感は際立っている。笑い方、歩き方、走り方、眉の顰め方、凍える身体にセ−タ−の腕を巻き付けて耐えるやり方、突発的に兄貴を殴りつけるやり方、何からなにまでこのキャルはヒップな奴なのである。ところでヒップスタ−とは何者なのか、そしてこの特異な性格のヒップスタ−が何故にアメリカ映画にしか登場しないのか?ジェ−ムズ・ディ−ン、ポ−ル・ニュ−マン、マ−ロン・ブランド、ETC.。そうそう、慌てて付け加えれば、ディーンと母親役のジョ−・バン・フリ−トとが顔を見合わせて話すシ−ン、この二人何と宿命的に似ていることかと、今回見直してみて発見したことだった。
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[362]折れた槍
 哀れなウイドマ−ク呑気呆亭 (Mail)2013-11-25
 
ウエスタンとしても人間ドラマとしても中途半端で、見終えて後味の悪さが残った。同じ兄弟の確執を描いた「白昼の決闘」のことを思えば、脚本と演出の腕の差は歴然としている。・・・
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ウエスタンとしても人間ドラマとしても中途半端で、見終えて後味の悪さが残った。同じ兄弟の確執を描いた「白昼の決闘」のことを思えば、脚本と演出の腕の差は歴然としている。これほどの役者を揃えながら少しも生かしていないのは、勿体ないとしか言いようがない。ウイドマ−クが哀れでありました。
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[363]俺たちは天使じゃない
 (無題)呑気呆亭 (Mail)2013-11-25
 
メルヘンとして見れば中々楽しい映画であった。ボガ−トとレイとユスチノフの悪党三人が、まったく罪の意識などというややこしい心理に惑わされることなく、軽々と悪事に従事す・・・
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メルヘンとして見れば中々楽しい映画であった。ボガ−トとレイとユスチノフの悪党三人が、まったく罪の意識などというややこしい心理に惑わされることなく、軽々と悪事に従事する導入部が面白い。その悪党三人組がひょんなことから押し入り先の家族のために善を行ってしまうという設定が愉快で無理がなく楽しめた。ラストのオチも効いていて、好ましい作品に仕上がっている。
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[364]夜と霧
 ニンゲン呑気呆亭 (Mail)2013-11-25
 
ニンゲンがこれほどのことをするのか。ニンゲンがこれほどのことをされたのか。目の前に坦々と映し出される映像を直視しながら、ボクラは加害者と被害者とどちらにもなり得るの・・・
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ニンゲンがこれほどのことをするのか。ニンゲンがこれほどのことをされたのか。目の前に坦々と映し出される映像を直視しながら、ボクラは加害者と被害者とどちらにもなり得るのだと思い知り、ニンゲンであることを引き受けるためにはこれらの映像を直視し受け入れなければならないと思うのだが、これは映画を見るというには余りにも異様な体験である。“アウシュビッツ以後、詩を書くことは野蛮である”とはアドルノの言葉だが、では、それを映像作品とすること、そしてその作品の前で沈黙することとは、いかなる意味を持つ行為となるのだろうか?
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[365]しとやかな獣
 山岡久乃=しとやかな獣呑気呆亭 (Mail)2013-11-19
 
カメラは殆ど公団住宅の室内を出ない。その舞台に入れ替わり立ち替わり現れる人物たちは皆一癖ありげな連中である。それに応対する四人の家族もそれに負けず劣らずくせ者揃いで・・・
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カメラは殆ど公団住宅の室内を出ない。その舞台に入れ替わり立ち替わり現れる人物たちは皆一癖ありげな連中である。それに応対する四人の家族もそれに負けず劣らずくせ者揃いである。その群像劇を伴奏する音楽は能狂言のそれ、ということは、演出の川島雄三が目論んだのは公団住宅という近代の入れ物に「狂言」の人物をぶち込んでかき混ぜてみたらどうなるかという実験であったのではなかろうか。その人物像の中で異彩を放つのは男三人を手玉に取る女・若尾文子であって、とうぜん観客は題名の「しとやかな獣」とはこの女だろうと思いこむのだが、エンドマ−クを見ながらふと、待てよ、実はこの「しとやかな獣」とは、親爺も息子も娘も、そしてすべての登場人物たちを物静かに、しばしば粗暴な言葉のやりとりをたしなめつつ手の平の上で操って、何ごともなかったことにしてしまうこの母親、山岡久乃こそではなかったか。この母親の顔に能面のような無表情が現れる場面が二度あった。一度は父親の伊藤雄之助が“二度とあの惨めな生活に戻るものか!”と家族の前で宣言する場面と、ラストの船越英二の公団住宅の屋上から飛び降り自殺する有様を目撃した、そしてそのことを他人の災難として片付けてしまおうと決めた場面であった。チャッカリとルノワ−ルの絵画の真偽を鑑定させておきながら、誰にもそれを漏らさずにいたこの母親こそ「しとやかな獣」なのであった。
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[366]瞼の母
 木暮実千代呑気呆亭 (Mail)2013-11-18
 
中村錦之助と木暮実千代の親子の名乗りのシ−ンの大芝居がスゴイ!錦之助のグイグイと迫る演技に一歩も引かず、料亭の女主人としての貫禄を見せながらふとした仕草に心の揺れを・・・
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中村錦之助と木暮実千代の親子の名乗りのシ−ンの大芝居がスゴイ!錦之助のグイグイと迫る演技に一歩も引かず、料亭の女主人としての貫禄を見せながらふとした仕草に心の揺れを現わしてしまう微妙な役どころを木暮実千代は見事に造形してみせる。その極めつけは、もう決して尋ねぬと言ってピシャリと戸を閉めて去った忠太郎を、遂に耐えきれずに追おうとして立ち上がりざまに茶碗を突っ転ばしてふっと我に返り、追うことを諦め、しかし諦め切れずに我が子のつい今しがたまで座っていたぬくもりを確かめるかのように畳を撫でさする母に変わってしまった木暮実千代の肩の震えである。小津安二郎の「一人息子」の帽子が転がるシ−ンといい、この茶碗の転がるシ−ンといい、作家という奴はオソロシイ創造の閃きを自作の中に挿入するものだと感服した。
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[367]椿三十郎
 転回点呑気呆亭 (Mail)2013-11-18
 
何度も見ていると脚本の練り方が足りないと思われるシ−ンが幾つか眼に付くようになるが(警護の者たちが全員切られているのに三十郎一人が助かっている設定など)、この映画の・・・
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何度も見ていると脚本の練り方が足りないと思われるシ−ンが幾つか眼に付くようになるが(警護の者たちが全員切られているのに三十郎一人が助かっている設定など)、この映画の意図するところは前作「用心棒」で成功した喜劇的な味付けをより深めてみようという所に有ったのだと思う。それは入江たか子と団令子と小林桂樹と伊藤雄之助を起用したことである意味成功しているのだが、悪人側のキャラクタ−が類型的で、特に仲代達矢と志村喬のメ−キャップがリアル過ぎて、前半の軽い可笑し味を損なってしまっている。喜劇的な前半と悲劇的な後半の転回点は、如何に味方側であろうとも間抜けな行動で捕まってしまった若侍を助けるために、三十郎が警護の者たちを惨殺するシ−ンであった。その無残さと無意味さが、恐らく作る側に何らかの引け目を感じさせて、ラストの眼を背けたくなるような血潮の噴出する決闘シ−ンを撮らせてしまったのではなかろうか。ここでは三十郎も相打ちで死ぬべきあった。
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[368]キューポラのある街
 タカユキとサンキチ呑気呆亭 (Mail)2013-11-18
 
大袈裟に言うなら、この映画は日本映画史にいつまでも輝きを失うことなく残り続けるであろう一個の宝石である。ジュンを演じた吉永ももちろん好演だが、その弟のタカユキを演じ・・・
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大袈裟に言うなら、この映画は日本映画史にいつまでも輝きを失うことなく残り続けるであろう一個の宝石である。ジュンを演じた吉永ももちろん好演だが、その弟のタカユキを演じた市川好郎とその友だち役のサンキチ(森坂秀樹)の二人がそれぞれに家庭の屈託を抱えながらも、鳩を売買したり牛乳を盗み飲みしたりする日常が生き生きとした精彩を放っていて、この時代相をリアルにそして詩的なモノクロの映像として定着されている。同時代を同世代として生きてきた者としては、涙なしには見ていられないノスタルジックな映画でありました。
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[369]危(やば)いことなら銭になる
 左卜全と武智豊子呑気呆亭 (Mail)2013-11-18
 
紙幣が舞うタイトルバックが楽しい。そして登場人物たちが皆一癖有ってマンガチックな所もワクワクさせる。その期待に違わず宍戸も長門も草薙も浅丘も軽いノリで演じて飽きさせ・・・
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紙幣が舞うタイトルバックが楽しい。そして登場人物たちが皆一癖有ってマンガチックな所もワクワクさせる。その期待に違わず宍戸も長門も草薙も浅丘も軽いノリで演じて飽きさせない。何より傑作なのがニセ札作り名人の左卜全とその口やかましい女房役の武智豊子である。この二人がどんな状況に陥っても危機を感ぜず、まるで台風の目のように周囲の騒ぎから乖離していることが、物語の可笑しさを増幅させる。柔道二段・合気道三段の触れ込みの浅丘ルリ子が役を愉しげに演じていて好感が持てる。中平康以下のスタッフの腕を見せた快作である。
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[370]大砂塵
 トム呑気呆亭 (Mail)2013-11-12
 
ペギ−・リ−の歌う「ジョニ−・ギタ−」が男勝りのヴィエンナの心にある感情が兆すと、その感情をかき立てるかのように流れてくる。その感情を向ける相手が誰だろうと、木偶の坊の・・・
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ペギ−・リ−の歌う「ジョニ−・ギタ−」が男勝りのヴィエンナの心にある感情が兆すと、その感情をかき立てるかのように流れてくる。その感情を向ける相手が誰だろうと、木偶の坊のヘイドンだろうと構わない。ジョニ−の向こうを張るダンシング・キッドが曖昧な悪党ぶりであるのも構わない。ファナティックなエマとヴィエンナの確執が男たちを次々に犠牲にして悲劇の結末になだれ込んで行く。中でも哀切なのが誰にも気付かれない存在と自認するヴィエンナの酒場の使用人トム(ジョン・キャラダイン)の死に様であった。息を引き取りながらその場の注目が一身に集まっていることで、ましてやヴィエンナに抱かれて死んで行くことで、トムの惨めだった一生は報われたのだった。
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[371]悪の花園
 締まらない映画呑気呆亭 (Mail)2013-11-12
 
そもそも脚本が悪い。落盤した金鉱から町まで三日、助っ人を募集して帰るまで早くとも六日かかるわけだが、それにしては夫のジョンが弱っていないのが不審である。ジョンの傍ら・・・
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そもそも脚本が悪い。落盤した金鉱から町まで三日、助っ人を募集して帰るまで早くとも六日かかるわけだが、それにしては夫のジョンが弱っていないのが不審である。ジョンの傍らに水も食糧の痕も見当たらない。そのジョンを助けて帰る道筋で襲ってくるアパッチたちの武器が弓だけなのが不審である。ク−パ−たちが使うのがウインチェスタ−であるところを見れば、この物語の時代が南北戦争以後であることは明白であって、アパッチたちも銃を所持していたはずなのに、その描き方はまるでアメリカ大陸発見時の初期インディアンのようであるのが不審である。せっかくこれだけのスタ−を集めて、ヘンリ−・ハサウエイともあろうお人が、何とも締まらない映画を作ったものだ。
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[372]スタア誕生
 せっかくのジャズ歌手を・・・呑気呆亭 (Mail)2013-11-12
 
客のいない夜のクラブで自分たちの楽しみのために演奏をするジャズメンたちとのセッションで歌うガ−ランドのジャズナンバ−が素晴らしい。これほどのジャズ歌手をミュ−ジカル映・・・
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客のいない夜のクラブで自分たちの楽しみのために演奏をするジャズメンたちとのセッションで歌うガ−ランドのジャズナンバ−が素晴らしい。これほどのジャズ歌手をミュ−ジカル映画に起用して単なるスタ−にしてしまうアメリカ映画の資本主義的貪欲さが、どれほどの才能を消費してきたことだろうか。このシ−ン以後のヴィッキー・レスタ−の出世物語には何の感銘も受けなかった。
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[373]忍びの者
 無理な二役呑気呆亭 (Mail)2013-11-05
 
リアルな忍者ものとしてヒットした映画だが、伊藤雄之助を百地三太夫=藤林長門守という拮抗する勢力の頭領として設定した無理がたたって、素直に見ることの出来ない作品になっ・・・
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リアルな忍者ものとしてヒットした映画だが、伊藤雄之助を百地三太夫=藤林長門守という拮抗する勢力の頭領として設定した無理がたたって、素直に見ることの出来ない作品になってしまったのは惜しい。もちろん伊藤は熱演なのだが、これはいかにも無理がある。市川・五右衛門の活躍もどこか白けてしまって、リアルな忍者の世界の描き方がかえってえ嘘っぽく見えてしまったのだった。
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[374]若い人
 娘と母と情夫とスケベ医者呑気呆亭 (Mail)2013-11-05
 
この映画は江波恵子を演じた吉永小百合のものである。若い血のたぎる身体を放り出すように裕次郎にぶつけてゆく演技には強烈な色気が有り、さすがの浅丘ルリ子もたじたじといっ・・・
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この映画は江波恵子を演じた吉永小百合のものである。若い血のたぎる身体を放り出すように裕次郎にぶつけてゆく演技には強烈な色気が有り、さすがの浅丘ルリ子もたじたじといった態である。しかしその吉永以上に凄いのは恵子の母のハツを演じた三浦光子であった。自堕落で抜け目なくゾットするほどの色気があって、娘の彼氏だろうと構わず誘惑しかねない、そのくせどこか憎めない女、女という複雑怪奇な存在を見事に演じて見せてくれた。日本映画の後にも先にもこれほどの「女」を造形した女優さんはなかったのではなかろうか。そのハツの情夫を演じた北村和夫の裕次郎を圧倒する存在感も、これが新劇の俳優さんかよというくらいのふてぶてしさであった。この情夫を含めて母娘の葛藤をつぶさに知るスケベ医者の大坂志郎も軽妙な存在感を発揮して、結局この映画は裕チャン・ルリ子のモノではなく、この四人のものとなってしまったのである。
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[375]憎いあンちくしょう
 藤林Vs.間宮呑気呆亭 (Mail)2013-11-05
 
照明が名手藤林甲ということで期待したが、石原裕次郎と浅丘ルリ子のぶっ飛んだ演技も含めて、映像も演出も素晴らしい日活ロ−ド・ム−ビ−の快作に仕上がっている。プロロ−グのカ・・・
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照明が名手藤林甲ということで期待したが、石原裕次郎と浅丘ルリ子のぶっ飛んだ演技も含めて、映像も演出も素晴らしい日活ロ−ド・ム−ビ−の快作に仕上がっている。プロロ−グのカッテイングも快調で見る者の胸にこれから何が起こるんだろうという期待を抱かせる。照明師とキャメラマンの技量がこれでもかというかのように発揮されたのは、母衣なしのジャガ−で雨の中を走り回って、大作の住居兼仕事場に濡れ鼠で引き上げてからの室内のシ−クエンスであった。下着だけとなった典子(浅丘)が大作(裕次郎)のでかいYシャツだけを身に纏って現れた姿には清潔な色気があって、その浅丘の魅力を引き立てるために藤林と間宮は狂気したかのようにあるったけの技量で渡り合っている。
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[376]続・座頭市物語
 良重呑気呆亭 (Mail)2013-11-03
 
この第2作で市の過去が明らかになるのだが、いささか説明的に過ぎて白ける部分がある。市の実兄との葛藤を実の実兄である城健三郎(若山富三郎)に演じさせるという演出はやや・・・
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この第2作で市の過去が明らかになるのだが、いささか説明的に過ぎて白ける部分がある。市の実兄との葛藤を実の実兄である城健三郎(若山富三郎)に演じさせるという演出はややあざとくて、感情移入するのが難しい。特に気になるのが市の仕込み杖の行方である。これは前作で平手造酒の遺体と一緒に葬ったはずであるのに、冒頭で登場する市の手にはその仕込み杖がある。兄の与四郎と争った時に跳ね上げられて飛んだ仕込み杖は何処に行ったのか。確かにラストで市は助五郎を彼の刀で切るのだが、さてそれから市は何を頼りにして街道を行くのか。与四郎と一緒に川に飛び込んだメクラの市がどうやって兄を助けて逃れることが出来たのか。数々の疑問がある。しかし、この作品での唯一の収穫は、水谷良重のキャラクタ−であった。同じ勝新太郎と共演した「悪名」ではなよなよと弱いだけの女・琴糸を演じて頂けなかったのだが、市と与四郎の争いの種となったお千代そっくりの女お節を演じて、市に惚れ一夜を共にした衣ぎぬの朝の爽やかな色気と台詞が好い。一夜の明け、市は河原で顔を洗っている。その背後にしどけなく歩んだお節が、“なんだか自分のカラダじゃないみたい”というエロキュ−ションの色っぽさ。そっけなく市は“お疲れさま”と返すのだが、これは勝新一流の照れ。そのあとの場面の市とお節のおままごとが微笑ましい。この作品唯一のほのぼのとしたシ−ンでありました。
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[377]座頭市物語
 天知茂呑気呆亭 (Mail)2013-11-03
 
第二話で明らかにされるのだが、市の盲目は後天的な内障眼(そこひ)であったらしく、それが冒頭のへっぴり腰で丸木橋を渡るシ−ンによって暗示される。放送禁止用語のメクラとい・・・
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第二話で明らかにされるのだが、市の盲目は後天的な内障眼(そこひ)であったらしく、それが冒頭のへっぴり腰で丸木橋を渡るシ−ンによって暗示される。放送禁止用語のメクラという台詞が連発されるのがかえって心地良いくらいで、そのメクラを馬鹿にする目明きたちが市に散々にコケにされるのが面白い。その屈託と劣等感を抱える市が、恐らく初めてであろうメクラをメクラだからといって馬鹿にしない人物に出会う。それが天知茂演ずる平手造酒だった。鮒がポシャポシャと跳ねる溜め池での出会い。並んで釣り糸をたれる二人。心が静かに通い合うのを二人は感ずる。長閑なそしてこのメクラと労咳やみというハンデを共に抱える二人の運命的な対決を暗示する心に染みるシ−ンである。このシ−ンの記憶がこの後に延々と続いたシリ−ズを勝・座頭市が生きて行く上での力となったのではなかろうか。市に惚れる酒場の娘の万里昌代もすがすがしい存在感で、これも頑なな市の心に温かな灯をともす情の通い合いとなっている。三隅研次の演出は座頭市の傷付きやすい感性に寄り添って、丁寧に控えめに坦々と見応えある映像を綴ってゆく。ラストの市と造酒の対決は哀切としか言いようがない。
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[378]麗しのサブリナ
 もう一人のオ−ドリ−呑気呆亭 (Mail)2013-11-03
 
ヘップバ−ンは必ずしも好みの女優さんではないが、この映画と同じくワイルダ−作品の「昼下がりの情事」のヘップバ−ンはまるで子鹿のように可愛らしくて素敵である。しかし両作・・・
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ヘップバ−ンは必ずしも好みの女優さんではないが、この映画と同じくワイルダ−作品の「昼下がりの情事」のヘップバ−ンはまるで子鹿のように可愛らしくて素敵である。しかし両作ともに恋の相手役に中年のク−パ−とボギ−を配したワイルダ−の意図は奈辺に有ったのか。ワイルダ−が二度目のそして終身の妻となるオ−ドリ−・ヤングに出会ったのは「失われた週末」の撮影中であったという。この時ビリ−38歳、オ−ドリ−22歳、結婚は五年後の1949年、ネバダ州のミッデンという町で立会人は友人のイ−ムズ夫妻だけだった。オ−ドリ−は語る“頭にきたのは、せっかく素敵なドレスを、シンプルだけど素敵なドレスを買ってあったのに、それを着られなかったこと。古いブル−・ジ−ンズ、バンダナの鉢巻きだけ。着替えたいといったら、ビリ−・ワイルダ−がいったの、「だめだ」って。「いい加減にしてよ」といったら「そのままで結婚するか、さもなければ全然しないかだ」という。あきらめてそのままの古ジ−ンズで結婚したわ”ビリ−が通りすがりの小さな宝石店で買ったのはシンプルな金の指輪で、その17ドル50セントの指輪は彼女の指から決して外されることはなかたという。(ビリ−・ワイルダ− イン・ハリウッド モ−リス・ゾロトウ著)いずれにせよボギ−とヘップバ−ンがそれと意識せずに互いに惹かれあう課程が丁寧にそして面白く描かれていて見事な作品になっている。ラストのどんでん返しも帽子や傘の小道具の使い方も洒落ている。
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[379]ヴェラクルス
 拳銃捌き呑気呆亭 (Mail)2013-10-30
 
この映画も兄貴に評判だけは聞いていて見ることが出来ないことに口惜しい想いをしてきた作品であった。最初に見て驚いたのはランカスタ−の拳銃捌きの凄さだった。老ク−パ−の抜・・・
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この映画も兄貴に評判だけは聞いていて見ることが出来ないことに口惜しい想いをしてきた作品であった。最初に見て驚いたのはランカスタ−の拳銃捌きの凄さだった。老ク−パ−の抜き打ちに本能的に反応する早さと、反抗する手下を後ろ向きの姿勢のまま腰を捻って倒したシ−ンの面白さ。相手に銃把を向けて拳銃を渡そうとしてクルッと銃を回して銃口を相手に向けて見せるトリッキ−な銃の使い方。これらは我ら西部劇フアンには眼からウロコの技法であって、みんなこの映画を見て一生懸命練習して会得しようとしたのであった。こんな達人が最後に老ク−パ−の前に敗れ去ったのは、獣の心を持って生きてきた無法者が、ふと老ク−パ−に心を開いてしまってニンゲンらしさを持ってしまった弱さによる翳りの故であったのだろう。彼を弟のように思い始めていた老ク−パ−は、寂しげに倒れたランカスタ−の拳銃を投げ捨て力なく去って行くのだった。
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[380]掠奪された七人の花嫁
 昔は・・・呑気呆亭 (Mail)2013-10-30
 
下のロビ−Jさんの解説以上に言うことなし。こんな素敵な映画を昔はアメリカ映画界は普通に作っていたんだよね。何度見ても面白く、子供の頃に兄貴からこの映画の素晴らしさを吹・・・
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下のロビ−Jさんの解説以上に言うことなし。こんな素敵な映画を昔はアメリカ映画界は普通に作っていたんだよね。何度見ても面白く、子供の頃に兄貴からこの映画の素晴らしさを吹聴されて、見ることが出来ないことに悔しい思いをしたことを想い出し、技術の発達で何度でも任意に繰り返し見ることの出来る幸せと、ホントは感動とは一回性のモノではないのかという疑いの間に右往左往する自分が居る。
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[381]波止場
 インテリジェンス呑気呆亭 (Mail)2013-10-30
 
イディとの出会いが箸にも棒にも掛からない与太者のテリ−を徐々に変貌させてゆく課程がカザンによって丁寧に描かれている。イディは兄の死の真相を突き止めようとしてテリ−に近・・・
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イディとの出会いが箸にも棒にも掛からない与太者のテリ−を徐々に変貌させてゆく課程がカザンによって丁寧に描かれている。イディは兄の死の真相を突き止めようとしてテリ−に近づくのだが、やがて彼を愛するようになるとテリ−を失う恐れから日和り始め、ふたりでこんな町を出て暮らそうと言いだす。そのイディの変化と反比例するように意識を目覚めさせてゆくテリ−の変貌は、遂にその表情にインテリジェンスを滲み出させるに到る。その難しい変貌の課程をマ−ロン・ブランドが見事に演じて、その才能の大いさを感じさせたのであった。
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[382]現金に手を出すな
 マシンガン?呑気呆亭 (Mail)2013-10-30
 
ギャバンの一連のギャング物のはしりだが、筋が入り組んでいてやや明快さに欠けるところがあり、展開もかったるい。ジャンヌ・モロ−の使い方もまだ新人ということもあってか彼・・・
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ギャバンの一連のギャング物のはしりだが、筋が入り組んでいてやや明快さに欠けるところがあり、展開もかったるい。ジャンヌ・モロ−の使い方もまだ新人ということもあってか彼女のキャラクタ−が生かされていない。同じく新人のリノ・バンチェラはギャバンに敵対する役をク−ルに演じていて好演である。しかしラストにモノクロの仏映画にはおよそ似合わないマシンガンが出てきたのには腰を抜かしてしまった。
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[383]破戒
 ふたりの女呑気呆亭 (Mail)2013-10-30
 
市川崑という人の業績には夫人の和田夏十(\'83年死去)の存在が大きかった。和田夏十が亡くなってからの市川崑は、それ以前とはまるで違った映画作家になってしまったように思・・・
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市川崑という人の業績には夫人の和田夏十(\'83年死去)の存在が大きかった。和田夏十が亡くなってからの市川崑は、それ以前とはまるで違った映画作家になってしまったように思う。時代の流れに乗ったといえばそれまでだが、こんなに暗くて重くて心に染み込んでくる感動的な傑作をモノした作家が、「プ−サン」などの野心作に挑んだ初心を忘れてあの一連の凡庸な金田一ものを作るようになったのは惜しいことであった。宮川一夫のキャメラの映像の美しさと、ふたりの女、岸田今日子と藤村志保のリアルと言うも愚かな実在感に圧倒されて、深々と心を動かされたのだった。
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[384]柳生武芸帳 夜ざくら秘剣
 あっぱれ?呑気呆亭 (Mail)2013-10-30
 
五味康祐の原作には皇室に関わるスキャンダルを暴こうとする危うい意図が感じられる。東宝で同じ原作を映画化したものが何故か二作のみの尻切れトンボで終わってしまったのは、・・・
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五味康祐の原作には皇室に関わるスキャンダルを暴こうとする危うい意図が感じられる。東宝で同じ原作を映画化したものが何故か二作のみの尻切れトンボで終わってしまったのは、それが影響したのではないかと当時は思ったものだった。この映画はそんな危うさを見事に打っちゃって娯楽時代劇に仕立て上げてしまい、全九作まで作ってしまったのはあっぱれというしかない。登場人物では品川隆二のキャラクタ−が面白かった。
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[385]秋刀魚の味
 秋刀魚の味は苦かった呑気呆亭 (Mail)2013-10-30
 
小津安二郎にとっては遺作となってしまった作品だが、なにやら苦い味(それが題名の意図か?)の残る映画である。例によって同級生が出てきて友人の娘の縁談を心配するという、・・・
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小津安二郎にとっては遺作となってしまった作品だが、なにやら苦い味(それが題名の意図か?)の残る映画である。例によって同級生が出てきて友人の娘の縁談を心配するという、毒にも薬にもならぬスト−リ−なのだが、その間に挟まれる挿話、軍隊の部下である加藤大介との出会いとバ−のマダムの岸田今日子とのやりとりに、どことなく小津安二郎のペシミズムが感じられる。
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[386]ニッポン無責任時代
 植木と青島呑気呆亭 (Mail)2013-10-30
 
植木等というキャラクタ−の不思議さがこの映画をヒットさせた要因であろう。もし彼以外の俳優が演じたのであれば、物語はご都合主義だし、カメラにも見るべきモノがないこの映・・・
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植木等というキャラクタ−の不思議さがこの映画をヒットさせた要因であろう。もし彼以外の俳優が演じたのであれば、物語はご都合主義だし、カメラにも見るべきモノがないこの映画はただの凡作に終わっていたことだろう。それを救ったのが植木等と青島幸男作詞のぶっ飛んだ歌である。出演者では重山規子の背筋の伸びた挙措が好ましかった。
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[387]第十七捕虜収容所
 レジスタンス呑気呆亭 (Mail)2013-10-30
 
例え捕虜になって収容所に入れられても、絶え間なく抵抗を続けることがレジスタンスであるということが欧米の兵士たちには徹底されているということを聞いた。我が日本兵に戦陣・・・
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例え捕虜になって収容所に入れられても、絶え間なく抵抗を続けることがレジスタンスであるということが欧米の兵士たちには徹底されているということを聞いた。我が日本兵に戦陣訓によって叩き込まれたのは“「生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず、死して罪禍(ざいか)の汚名を残すこと勿(なか)れ”という玉砕精神だった。その精神主義と対照的なのがこの映画の捕虜たちであった。その中でも異色な存在がホ−ルデン演ずるセフトンである。同室の捕虜たちが熱い気持ちでレジスタンスを試みるのを尻目に、セフトンはせっせと収容所内の商売に励む。その抜け目ないク−ルさが同僚に憎まれてスパイ容疑を掛けられる。その複雑な性格のキャラクタ−を演じたワイルダ−作品二作目であるウイリアム・ホ−ルデンの演技が凄い。この作品で得たアカデミ−主演男優賞は彼にとって勲章となりス−パ−・スタ−への階梯を昇り始めたのだった。
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[388]豚と軍艦
 吉村実子呑気呆亭 (Mail)2013-10-14
 
リアルタイムで見た時に一番印象に残ったのは、やはり丹波哲郎の自殺未遂のシ−ンだった。このシ−ンの可笑しさはカワレロウイッチの「夜行列車」の明け方の追いかけっこに匹敵す・・・
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リアルタイムで見た時に一番印象に残ったのは、やはり丹波哲郎の自殺未遂のシ−ンだった。このシ−ンの可笑しさはカワレロウイッチの「夜行列車」の明け方の追いかけっこに匹敵する、人間というモノの滑稽を一瞬の閃きとして画像に定着した奇跡的な仕事である。今回見直してみてそれ以外に印象に残ったのは、欣太の恋人役・吉村実子がヤケになって米軍のパ−ティに出掛けて酒を飲んで踊りまくるシ−ンである。これは「にがい米」のシルバ−ナ・マンガ−ノのダイナマイト・ボディに拮抗する圧倒的にセクシ−なダンス・シ−ンであった。鼻が上向きで決して美人とは言えないが、これほどに新鮮なパワ−を内蔵した女優さんにこの作以後記憶に残る作品がないのはどうしたことなのだろうか。
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[389]シェーン
 ファニング呑気呆亭 (Mail)2013-10-14
 
淀長さんの話で、一ヵ所遠景に車が走っているカットが有ると聞いたのだが、今回も発見できなかった。何度も見ているとやはりアラが見えてくる。酒場での殴り合いでどちらかとい・・・
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淀長さんの話で、一ヵ所遠景に車が走っているカットが有ると聞いたのだが、今回も発見できなかった。何度も見ているとやはりアラが見えてくる。酒場での殴り合いでどちらかといえば小柄なシェ−ンが荒くれ者たちを叩きのめすのはどう見ても無理だし、シェ−ンの拳銃の使い方が常に左掌で撃鉄を叩くファニングであることが気に入らない。シングルアクションの銃は引き金を引くだけで発射できるダブルアクションとは違って、撃鉄を利手の親指で起こしながら抜いて同時に引き金を引くことで、銃身のブレを少なくして射撃の精度を上げるのだが、ファニングでは銃身が揺れるので「荒野の決闘」でワ−ド・ボンドがやった至近距離での射撃にしか使わないものである。農家の女にしてはジ−ン・ア−サ−は化粧が濃くて綺麗すぎる。それに比べてヴァン・ヘフリンは適役だが、ライカ−との戦いでまるで戦略がないのが農民側の指導者としては頼りない。次に何かあったらシェ−ン(多分死んで)はいないのだ。結局一番格好良くて存在感に嘘がなかったのは、酒を飲まず珈琲ばかり飲んでいる黒ずくめの殺し屋ジャック・パランスであった。彼がシェ−ンに負けるなんてウソだぁい。
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[390]夏の嵐
 フルトベングラ−呑気呆亭 (Mail)2013-10-14
 
\'51年5月1日、フルトベングラ−はベルリンフィルを指揮してブルックナ−の7番をロ−マで演奏している。その時のライブ録音のレコ−ドが残っているが、恐らくヴィスコンティはこの・・・
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\'51年5月1日、フルトベングラ−はベルリンフィルを指揮してブルックナ−の7番をロ−マで演奏している。その時のライブ録音のレコ−ドが残っているが、恐らくヴィスコンティはこの時の演奏を実際に聴いたのだろう。そして、この交響曲、この演奏を映像にしてみようと考えたのではなかったろうか。そしてその演奏を生身で生きるのはアリダ・ヴァリという類いまれな女。彼女の心が揺れ動く度にブルックナ−がまるで暗い心の襞の奥からのように立ち現れ響き渡る。これはもう効果音楽なんてものじゃない。交響曲を映像にしてしまおうとしたヴィスコンティの恐るべき作品である。
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