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 「呑気呆亭」さんのコメント一覧 登録数(728件)rss
 コメント題投稿者投稿日
[421]阿波の踊子
 “今夜踊ろうぜ”呑気呆亭 (Mail)2013-08-26
 【ネタバレ注意】
★阿波の豪商十郎兵衛は欲と金に目がくらんだ悪家老のために、密貿易の抜荷買の海賊という汚名を着せられ、阿波踊りの日に磔刑に処せられる。数年後、海賊の群れに飛び込んで腕・・・
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★阿波の豪商十郎兵衛は欲と金に目がくらんだ悪家老のために、密貿易の抜荷買の海賊という汚名を着せられ、阿波踊りの日に磔刑に処せられる。数年後、海賊の群れに飛び込んで腕をみがいた十郎兵衛の弟が、兄の復讐に燃えて町へ帰って来る。原作、脚色の観世光太は山上伊太郎の変名で、サイレント時代にマキノ正博とのコンビにより「浪人街」シリ−ズ、「首の座」、「崇禅寺馬場」など数々の名作を作り出して来たが、この作品が最後のコンビとなった。なお同じ題材をマキノ正博監督は\'57年東映で、大友柳太郎の主演で再映画化した。(ぴあ・CINEMA CLUB) ◎マキノによれば、観世光太の変名で送りつけてきた「山上伊太郎のホンは、相も変わらず、自分だけのイデオロギ−に酔っている脚本だった。昭和の初め、腹をへらした失業者が街にあふれた時にこそ『浪人街』はすばらしいシナリオだとほめられた。現実の人間の姿が生き生きと描かれたシナリオだった。私も興奮して読んだものだし、教えられるところも大きかった。だが、昭和初期の失業者達にはまだ山上伊太郎流の詩的な表現に酔えるゆとりがあったのだろうが、戦時になった今日でも同じ詩的な表現でロマンチックなイデオロギ−を謳い上げても、もはや時代遅れと云うほかはなかった。」(『映画渡世・地の巻』)この山上の脚本はト−キ−用には使えないと判断して、マキノは山上からこの脚本を買い取って、小国英雄に全面的な書き換えを依頼したのだという。その書き換えが功を奏したか素敵な映画になっている。 十郎兵衛の弟(長谷川、名前は最後まで明らかにされない=海から来た男)の登場シ−ンがいい。彼がその人だと直感した宿の娘(高峰)の前で、ポンと手を拍って阿波踊りを踊る長谷川の軽やかで華のある動きにまず魅了される。その謎の男がこの港町に姿を現わしてから、悪家老の門扉に「十郎兵衛不日参上」と墨書された紙が貼られるようになる。宿に先着していた髭の浪人(黒川)たち三人もどうやら謎の男の仲間のようだ。その三人が明日は阿波踊りという日に役人に捕まり、罪を遁れるために謎の男が十郎兵衛の弟だと明かし、男は入れ替わりに牢に囚われる。宿の娘や仲居たちの避難の目を背に受けて町に散って行った三人の男たちが町の角々で人々に謎めいた言葉“明日は踊ろうぜ”を掛けて行く。これが実は阿波踊りを契機とした決起の言葉なのだった。彼らの仲間は捕り手にも牢番にも配されていて、その助けで苦もなく牢を脱した謎の男は悪家老を捕らえ許嫁を救い出して、町中に溢れかえる阿波踊りの群れの中に身を投じて彼らの本拠である海へ向かうのだった。祭りの明けの町には謎の男に仄かな想いを寄せていた宿の娘(高峰)が独り残されたのだった。 この“明日は踊ろうぜ”の言葉から始まる阿波踊りのシ−ンが実にいい。面を被った謎の男を先頭にした群衆はまるで革命に立ち上がった民衆のような勢いで悪家老の屋敷を席捲する。この合い言葉が拡がって行く描写に胸の空くようなリズムがあって、それが惹起した圧倒的な阿波踊りのモブシ−ンは、この忘れられていた映画を「戦艦ポチョムキン」にも劣らぬ世界的な名作にしたと言えば言い過ぎだろうか。
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[422]浪人街 第一話 美しき獲物
 いろはにほへと呑気呆亭 (Mail)2013-08-24
 
★無声映画末期を飾る不朽の時代劇。\'28年マキノ映画は所属のスタ−が大量脱退するという大ピンチを迎えていた。苦肉の策としてスタ−の出ない群衆劇を作ることになり、若きマキ・・・
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★無声映画末期を飾る不朽の時代劇。\'28年マキノ映画は所属のスタ−が大量脱退するという大ピンチを迎えていた。苦肉の策としてスタ−の出ない群衆劇を作ることになり、若きマキノ正博(20歳)が気鋭のシナリオ作家山上伊太郎(23歳)の協力を得て第一話「美しき獲物」を作り上げた。希望のない浪人たちがごろごろ寝ころんで日々を過ごしており、悪い旗本に立ち向かう時だけ団結するという、エゴイズムとニヒリズムに満ちた内容のユニ−クさに加えて、奔放に移動しパンするカメラ(撮影はこれも気鋭の三木稔)の驚くべき尖鋭さ、そして何よりも全篇にみなぎる若々しさによって一躍注目されることとなり、当時の青年層の心情とマッチした本作はキネマ旬報ベストワンも獲得してしまった。続いて第二話「楽屋風呂」、第三話「憑かれた人々」が作られ、マキノの長いキャリアの中で第一期黄金時代を築き上げた。ただし現存するフィルムは第一話・第二話の編集短縮版のみなのが残念。(ぴあ・CINEMA CLUB) ◎第一話は8分、第二話は72分、残っていただけでも幸いとしなければなるまい。第一話はラストの浪人たちと旗本たちの大乱闘だけが残っている。マキノによれば、この作品のトップのタイトルは“強い奴、弱い奴、面白い奴、馬鹿な奴、色んな奴が集まって・・・浪人街の白壁にいろはにほへとと書きました”とあったのだそうだ。このタイトルに象徴されるニヒルな斬新さが全篇を覆って、このラストの大立ち回りとなり、この年のキネマ旬報一位に結実したのだろう。第二話の「楽屋風呂」は撮影が難航して正月物に間に合わなくなり尻切れトンボのまま公開されてしまったのだとマキノは語っている。なるほど浪人街の浪人たちの明日をも知れぬ生活ぶりは克明に描かれているが、訳の分からぬラストになってしまった。しかし映像としては充分に楽しめる両作品であった。
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[423]何がジェーンに起ったか?
 アイスクリ−ム呑気呆亭 (Mail)2013-08-19
 
少女時代のエピソ−ド、楽屋口で大勢のフアンを前にして傲慢な口調でパパにアイスクリ−ムをねだるベビ−・ジェ−ン。“ブランチにも買ってやってね、パパ”。母親がブランチに“ジェ−・・・
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少女時代のエピソ−ド、楽屋口で大勢のフアンを前にして傲慢な口調でパパにアイスクリ−ムをねだるベビ−・ジェ−ン。“ブランチにも買ってやってね、パパ”。母親がブランチに“ジェ−ンの優しさを忘れないでね”と、それに答えて“死んでも忘れるものですか”とブランチ。この子役二人の見事な演技。このシ−ンに総てが語られている。二人の立場の逆転、そして不可解な事故による暗転。狂気と滑稽、理知と恐怖。そして事故の真相が明かされた際の浜辺の姉妹を捉えた奇跡的な映像。復活した“ベビ−・ジェ−ン”がアイスクリ−ムを両手にして踊るラスト・シ−ン。べティ・ディビスの余りといえばあんまりな怪演に辟易はしたが、ラストの映像を見て総てを納得することが出来た。
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[424]革命児サパタ
 無文字の人呑気呆亭 (Mail)2013-08-16
 
革命の戦士ではあるがまだ身分のないサパタには娘をやれぬという親爺が、サパタが将軍になると手の平を返すように娘を提供する。あまりの豹変ぶりに何度も巻き戻してあの娘とこ・・・
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革命の戦士ではあるがまだ身分のないサパタには娘をやれぬという親爺が、サパタが将軍になると手の平を返すように娘を提供する。あまりの豹変ぶりに何度も巻き戻してあの娘とこの娘が同一人物であることを確認してしまった。嫁取りの儀式としての諺の応酬の面白さはあったが、それもどこか白けてしまったのだった。サパタの野性味が文字を獲得するとともに薄れて行き、仲間で唯一文字を読める男の裏切りにあい、同じ無文字の境遇にあった兄貴を殺し、最期は参謀役の頭が切れそうなグリンゴの裏切りで罠に落ち、集中砲火を浴びて死ぬサパタ。文字など学ばず、こんな女を嫁にせずに野生児でいたら、おそらくこんな死に方はしなかっただろうと思えて、監督のカザンと脚本のスタインベックに参謀役のグリンゴの冷ややかな眼差しを感じたのは思い過ごしだろうか。
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[425]拳銃王
 或る農夫呑気呆亭 (Mail)2013-08-15
 
酒場で妻のペギ−を待つリンゴの態度が或ることをきっかけにして180度変化する。それは何気ない挿話であった。町中がリンゴをめぐって沸き立っているその最中に、ふらっと酒場に・・・
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酒場で妻のペギ−を待つリンゴの態度が或ることをきっかけにして180度変化する。それは何気ない挿話であった。町中がリンゴをめぐって沸き立っているその最中に、ふらっと酒場に現れた若い農夫が、バ−で飲んでいるリンゴに肩を並べて“嬉しいことが有ったので一杯やりに来た、妻からは一杯だけ許可をもらって来たんだ。あんたも付き合ってくれるかい”とリンゴに話しかける。リンゴはその素朴な態度に共感を覚えて一杯付き合い、彼の堅実な生活設計に或る感動を覚える。そして彼に“お返しに一杯おごりたいが・・・”というのだが、彼は“一杯だけと約束したので結構!”といって一杯のウイスキ−でご機嫌になって帰って行く。この場面からリンゴの態度は、どうしても妻に会い話がしたい、そしてその望みが叶っても、今度は息子と話がしたいと、意固地なほどに変わったのだった。リンゴはここで本当にガンマンとしての名を捨て、堅気になって生活をやり直したいと思ったのである。皮肉なことに、その望みが妻にも受け入れられた時、リンゴに最期の時が来たのだった。
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[426]勇魂よ永遠に
 スポット呑気呆亭 (Mail)2013-08-08
 【ネタバレ注意】
★南北戦争の末期。敗色濃くなった南軍の勢力を挽回しようと、ロバート・リー将軍はバーストウ大尉(エロール・フリン)に秘密の指令を与えた。それは、カリフォルニア州に大き・・・
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★南北戦争の末期。敗色濃くなった南軍の勢力を挽回しようと、ロバート・リー将軍はバーストウ大尉(エロール・フリン)に秘密の指令を与えた。それは、カリフォルニア州に大きな勢力を持つならず者の首領コール・スミスを抱きこんで、西部を南軍の手中に帰そうとする計画であった。バーストウ大尉は7人の部下を率い、コール・スミスと会見すべく、バトル山に連なる幽霊岩に待機した。そこへコール・スミスの使者カリフォルニア・ビルと名乗る男がやって来て、スミス一味は時機を見計って南軍に加勢する手筈だと知らせた。バーストウの一行は砂漠を行軍中、ショショニー族に襲われている駅馬車を救った。だが、そこに生き残っていたのは馭者とジョアンナ・カーター(パトリス・ワイモア)という若い女と2人だけであった。ジョアンナは、婚約者である北軍士官リッキイ(スコット・フォーブス)に会いに行く途中であった。翌日、偶然リッキイが2人の兵と3人のインディアンを連れて現われた。バーストウはかれらを幽霊岩に連れ捕虜とした。リッキイはカリフォルニア・ビルが実はコール・スミスであることを見破った。スミスは2日以内に加勢に来ると約して去った。その夜捕虜の3人のインディアンは脱走し、隊員たちはインディアンの大挙襲来を予測した。リッキイは北軍陣地までジョアンナを連れて行くことをバーストウに申出たが、拒絶され、その晩単身で逃亡してしまった。翌朝、バーストウは、コール・スミスが途中インディアンに殺されたことを知り、隊の運命が愈々危くなったことを悟った。岩山はすっかりショショニー族に包囲されていた。バーストウはジョアンナを何とか無事に逃そうと考えた。彼女は、はじめてバーストウの深い愛情を知った。部下を率いたバーストウは、ショショニー族の真只中へ躍り込み、その間にジョアンナらは無事逃れることが出来た。しかしバーストウらは、衆寡敵せず全滅した。(goo映画) ◎冒頭、いきなり車が走って来てオヤオヤと思わせられるのだが、その車が或る石碑の前に止まって「ROCKY MOUNTAIN」の原題の由来が語られる。恐らくその石碑にはアメリカ人なら誰でも知っている或る英雄的な事績が記されているのだろう。その原題「ROCKY MOUNTAIN」を邦題の「勇魂よ永遠に」に変えてくれたことで、この物語の内容を我々にも親しいものにしてくれた。 レイフ・バ−ストウ大尉に従って北軍の懐深く潜入した7人は、インディアンに追われる駅馬車を救うべく突撃するシ−ンでそれぞれレイフによって紹介される。“私がこの任務に選んだ7名は勇敢な男ばかりだった。農園から来た童顔のキップ、仏領ルイジアナのピエ−ル、年配だが勇猛果敢、闘志に満ちたバップ、敵に回せば恐ろしい汽船乗りのロ−レンス、山猫のように手ごわい開拓者のジミ−、訓練を積んだ平間児テキサスのジョナス、無法者との歴戦の勇士、平原の鉄人プランク”と。そして忘れてならないのは疲れを知らぬキップの愛犬スポットである。彼らの凄さは最初のインディアンとの遭遇戦で証明され、それぞれの個性のぶつかり合いでのトラブルはあるが、一端レイフの命令が下されるや一糸乱れず行動することでそのプロフェッショナル性を明らかにする。その彼らが任務の破綻が明らかになったことで、インディアンとの遭遇戦で救った駅馬車の御者とジョアンナと北軍の兵士を再び生かすために、オトリとなってインディアンの群れを引きつけ、追い詰められて遂に突撃を敢行して勇猛な死をそれぞれに遂げて行く。ジョアンナの腕の中から飛び出してその勇敢な男たちを追い掛けるスポットの姿が愛らしくも悲痛で、犬を飼った覚えの有るものには涙なしには見られない感動的なラストとなった。
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[427]折れた矢
 ネイティブ・アメリカン呑気呆亭 (Mail)2013-08-08
 
ネイテイヴ・アメリカンの生活・求婚・結婚などの習俗が丁寧に描かれていて好ましい。こうした習俗を守って太古から平和に暮らして来たネイテイヴ・アメリカンの国に押し入って・・・
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ネイテイヴ・アメリカンの生活・求婚・結婚などの習俗が丁寧に描かれていて好ましい。こうした習俗を守って太古から平和に暮らして来たネイテイヴ・アメリカンの国に押し入ってきた白人たちの柄の悪さと、それに対比されるネイテイヴ・アメリカンのモラ−ルの高さが描かれる。コチ−ズ(チャンドラ−)は一端交わした条約は此方から絶対に破棄することはしない、破るとしたら向こうからだとトム(スチュワ−ト)に語る。白人の策謀で愛するソンシアレイを失って激怒するトムを、コチ−ズは平和を実現するためには個人的な怒りは忍ばねばならないとたしなめるのだった。白人でありながら敢然とネイテイヴ・アメリカンを演じたジェフ・チャンドラ−と美しいソンシアレイを演じたデブラ・バジェットに拍手。
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[428]按摩と女
 徳市の恋呑気呆亭 (Mail)2013-08-07
 【ネタバレ注意】
★世にもユニ−クな清水宏の映画の中でも、おそらく最もユニ−クな映画といえるもの。 新緑の美しい温泉場にやってきた按摩コンビの徳市・福市。宿で東京から来た女に呼ばれた徳市・・・
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★世にもユニ−クな清水宏の映画の中でも、おそらく最もユニ−クな映画といえるもの。 新緑の美しい温泉場にやってきた按摩コンビの徳市・福市。宿で東京から来た女に呼ばれた徳市は、女がそわそわして何かを怖がっている様子を、カンで見抜いた。いわくありげな女を気にするうちに、徳市は女に淡い恋心を抱くようになってしまった。ところが同じ宿に泊まっていた男の子連れの若い男が女と親しくなり、徳市はやきもきした。そんなある日、宿に盗難事件がおこり、別の宿でも似たような事件が発生した。徳市は、東京の女が犯人だと思い込み、一刻もはやくと、女を連れて逃亡をはかる。女は徳市が自分を犯人だと思っていることを知ると、始めて事情を打ち明けるのだった。(映画読本・清水宏) ◎東京から来た女(高峰)の着物姿が美しく、メクラの徳市にもそのいわくありげな美しさが見なくても感じられるというギャグには、際どくも笑わされる。今なら絶対に作れない映画だろう。この徳市と福市のコンビにはモデルでもあったのだろうか絶妙で、眼明きを追い越すのが趣味の強気の徳市(徳大寺)と、何かというと後年の座頭市のように杖を振り回す気弱な福市(日守)のギャグが度々繰り返されて、温泉町を賑わす。そこに宿に起こる盗難事件と、東京の女と子連れで職業不詳の男と徳市の淡い三角関係の交情がからんで、温泉町を流れる川の流れのようなゆったりとしたサスペンスが醸し出される。男が去り盗難事件も解決し、女も馬車に乗って去る。その馬車を見えない眼を見開いて追う徳市・・・、何故だろう、“生きて行く”ということに対する身震いするような想いが込み上げて来たのだった。
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[429]反逆児
 動と静呑気呆亭 (Mail)2013-08-05
 
錦之助という役者は裕次郎と二人で映画界にスタ−とはこういう存在なんだよと身をもって示した人であった。若き日の裕次郎はどんな役柄を演じても常に“裕チャン”であり、そのぶ・・・
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錦之助という役者は裕次郎と二人で映画界にスタ−とはこういう存在なんだよと身をもって示した人であった。若き日の裕次郎はどんな役柄を演じても常に“裕チャン”であり、そのぶっきらぼうな台詞まわしと歩き方がフアンに愛された。錦之助は初期に演じた、笛吹童子・一心太助・清水の次郎長・織田信長など底抜けに明るくエネルギッシュな若者像によってそれまでの時代劇にはなかったスタ−性を日本映画にもたらしたのであった。この作品でも錦之助は見事な舞の技を披露したり、母への想いと妻への愛情の間で引き裂かれる天才武将信康の悲劇をその全身を叩き付けるような演技で具現化する。その信康の妻徳姫を演じた岩崎加根子は、錦之助と築山御前を演じた杉村春子の「動」に対してすさまじい「静」の演技で対抗して見事であった。
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[430]旗本退屈男 謎の七色御殿
 退屈しないで・・・呑気呆亭 (Mail)2013-08-02
 
市川右太衛門が気持ち良さげに退屈男を演じている。早乙女主水之介の衣装も持ち物の拵えも派手でいかにも鷹揚な殿様のそれらしい。ゲストにこまどり姉妹やら村田英雄を招いて賑・・・
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市川右太衛門が気持ち良さげに退屈男を演じている。早乙女主水之介の衣装も持ち物の拵えも派手でいかにも鷹揚な殿様のそれらしい。ゲストにこまどり姉妹やら村田英雄を招いて賑やか。若き日の村田のこれはと思うような伸びやかなノドを堪能できる。血が噴き出したり腕やら首やらが飛ばないので、安心して主水之介の活躍に拍手を送っていられる。良き時代の東映時代劇プログラム・ピクチャ−の少しも肩の凝らない娯楽劇である。こんな映画もたまには好い物だ。
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[431]黄昏
 パラドクス呑気呆亭 (Mail)2013-08-01
 
原題はキャリ−。そのキャリ−を姉の住んでいるシカゴに送り出すにあたって両親が買い与える列車の切符は片道切符だった。その列車の中で知り合った男にキャリ−はその服装の都会・・・
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原題はキャリ−。そのキャリ−を姉の住んでいるシカゴに送り出すにあたって両親が買い与える列車の切符は片道切符だった。その列車の中で知り合った男にキャリ−はその服装の都会的センスを褒められるのだが、場面は一転して縫製工場で働くキャリ−の姿を捉えて、このシカゴ行が憧れの都会への旅立ちなぞではなく、実は口減らしのためであったのだろうと想像させる。19世紀末のアメリカにはこんな厳しい現実が存在したのであろう。一方で、そのキャリ−が運命の人ハ−ストウッドと出会うきっかけとなった一流料理店の場面では、英国流の男尊女卑と身分制度が田舎娘の出現に眉をひそめる上流階級気取りの連中によって象徴される。その貧富の大きな格差という設定が、貧の象徴であるキャリ−と富の象徴であるハ−ストウッドの出会いと恋を彩り、ラストのパラドクシカルな逆転を哀れにも意味深いモノにしたのである。
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[432]家庭日記
 「清水宏特集」呑気呆亭 (Mail)2013-08-01
 【ネタバレ注意】
「家庭日記」(\'38・松竹)監督:清水宏 原作:吉屋信子 脚色:池田忠雄 撮影:斎藤正夫/厚田雄春 音楽:伊藤宣二 出演:佐分利信/高杉早苗/上原謙/桑野通子/三宅邦子 ★貧・・・
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「家庭日記」(\'38・松竹)監督:清水宏 原作:吉屋信子 脚色:池田忠雄 撮影:斎藤正夫/厚田雄春 音楽:伊藤宣二 出演:佐分利信/高杉早苗/上原謙/桑野通子/三宅邦子 ★貧乏学生の生方(佐分利)は学業を続けるために恋人紀久枝(三宅)と別れて生方家に婿入りする。親友で裕福な医者の息子の辻(上原)はバ−の女卯女(桑野)に結婚を迫られて、生方の忠告を押し切って満州へ駆け落ちする。学業を終え医師となった生方は、結婚した品子(高杉)と幸福な家庭を営んでいた。一方、満州で卯女との間に子を成した辻は息子の健康のために帰国し、生方に貸家の斡旋を頼んでその近所に移り住む。良家の育ちの品子には奔放でその夫を平然と“意気地なし”と罵ったりする卯女の存在は驚きであった。家に引きこもりがちの良妻であった品子は卯女に誘われて映画を観に行ったり、卯女の満州時代の知り合いの紀久枝の経営する美容院で、それと知らずに髪をセットしてもらうようになる。生方はかつての恋人紀久枝のことを卯女から聞き、何か出来ることはないかと彼女の銀座進出を手助けする。卯女はそのことを品子に明かさぬことを取引の材料として、辻の撮影スタジオを同じビルの中に開設出来るように協力してくれと持ちかける。生方は辻のことも思ってその申し出でを快諾するが、品子に紀久枝とのことがバレてしまったり、辻をその父親と和解させようとして口利きしたことから、息子を取られてしまったと思い込んだ卯女が家出をしたりと、相次いで騒動が持ち上がり・・・。 ◎桑野通子を見たいがための「清水宏特集」通いなのだったが、この作の桑野(卯女)はバ−の女給という設定で、自堕落にタバコを吹かしながら亭主の辻(上原)を“この意気地なし!”と罵ったりして、もうそれだけで嬉しくなってしまったのだった。辻の親友の生方(佐分利)はそんな卯女との結婚に当初反対したのだったが、親に背いても卯女への想いを貫こうとする辻の生き方を認め、その後も影に日向に二人の生活をバックアップする。一方で自分は学業を続けるために富家へ養子に入ることに決め、恋人紀久枝(三宅)と話し合って別離を決め、二人で交わした恋文を別れの場で共に焼いたりもする。この合理性と温かな人間性を併せ持ったキャラクタ−を佐分利はいかにも佐分利らしく木訥に造形して見事であった。
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[433]幌馬車
 ジョ−ン・ドル−呑気呆亭 (Mail)2013-08-01
 
ジョン・フォ−ドが「黄色いリボン」と「リオグランデの砦」という騎兵隊物の作品の合間に、このモルモン教徒というキリスト教の特異な一派をまともに扱った映画を撮っていたこ・・・
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ジョン・フォ−ドが「黄色いリボン」と「リオグランデの砦」という騎兵隊物の作品の合間に、このモルモン教徒というキリスト教の特異な一派をまともに扱った映画を撮っていたことにまず驚かされる。その扱い方も偏見のない公平なもので、ナバホ族の酋長に“白人は信用できないがモルモンは信用できる”なぞと言わしたりして、オォ、と思わせる。出演者ではベン・ジョンソンとハリ−・ケリ−Jrのコンビが溌溂として好ましく、ウォ−ド・ボンドがすぐに激高する幌馬車隊を率いる隊長役を演じて、とても敬虔なモルモント教徒には見えないのが可笑しい。また、トレヴィス(ジョンソン)を好ましく想う旅一座の踊り子を演ずるジョ−ン・ドル−が、\'48年の「赤い河」に続いて、気が強いくせに涙もろくて可愛い女を好演している。この女優さんのその後の出演作には他に「オ−ル・ザ・キングスメン」を除いて見るべきモノがないのは何故なのだろうか?
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[434]エル
 今ではありふれた狂気呑気呆亭 (Mail)2013-08-01
 
自縄自縛という言葉がこれほど似合う映画はない。家門の名誉と財産とカトリック社会での地位を保つために凝り固まった男が、生涯初めての恋をする。男は女を財産や地位と同じモ・・・
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自縄自縛という言葉がこれほど似合う映画はない。家門の名誉と財産とカトリック社会での地位を保つために凝り固まった男が、生涯初めての恋をする。男は女を財産や地位と同じモノとみなしてそれを自分のものとするために手段を選ばない。男はそれが人の言う恋であり愛であると信ずるのだが、実はそれが独りよがりの錯覚であることに決して思い至らない。というより、彼にはその認識に至る能力が欠けているのである。彼の棲む館はそんな彼を象徴するかのように豪壮でありながら醜悪な様相を呈する。執念の対象とした土地と他者(女)への想いが破綻して行くと共に男が秘めていた狂気が表面に現れて来て、ラストのカトリック教会でのおどろどろしい悪夢のシ−ンで一気に吹き上がる。この狂気は我々日本人にとって、横溝正史によって描かれた、山村という閉鎖社会でしばしば起こる連続殺人事件としてなじみのものでもある。
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[435]女は二度生まれる
 菩薩呑気呆亭 (Mail)2013-08-01
 
若尾文子演ずる小えんは、男に誘われると断れないという寛大無尽な性格を持つ。彼女にとって金銭は問題ではなく、まるで菩薩がその恩恵を衆生に施すように、男たちにその全てを・・・
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若尾文子演ずる小えんは、男に誘われると断れないという寛大無尽な性格を持つ。彼女にとって金銭は問題ではなく、まるで菩薩がその恩恵を衆生に施すように、男たちにその全てを惜しみなく与えるのである。こんな女を演じて自然なのは女優多しといえどもこの若尾文子さんという人以外にないだろう。芸者になってもバ−の女給になっても彼女は周囲の色に染まることなくあっけらかんと若尾文子(小えん)なのである。その天下無敵の彼女がただ一度傷付く。ひそかに想いを寄せていた大学生・牧が社会人となって目の前に現れ、彼女をモノとして取引相手に斡旋しようとしたことで、小えんは牧のために失望し“死んじゃおか・・・”とふと思う。上高地に行くことが夢だと語る貧乏工員「坊や」を誘って小えんは山に向かう。上高地へのバスの切符売り場で若尾文子はふっと心を翻して坊やのための切符だけを買い、その切符と金を渡して上高地へ送り出す。“あんなケチな男のために坊やを道連れには出来ないものねえ・・・”と内心に呟きながら。
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[436]拳銃無頼帖 抜き射ちの竜
 殺さない拳銃使い呑気呆亭 (Mail)2013-08-01
 
同じ\'60年の「邪魔者は消せ」では今一個性が定まらなかったが、この「拳銃無頼帖」シリ−ズでは決して相手を殺さない拳銃使いという矛盾した個性が、赤木圭一郎という人を得て・・・
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同じ\'60年の「邪魔者は消せ」では今一個性が定まらなかったが、この「拳銃無頼帖」シリ−ズでは決して相手を殺さない拳銃使いという矛盾した個性が、赤木圭一郎という人を得て確立された。そのライバルとして登場したコルトの銀こと宍戸錠もまた、皮肉な笑いを浮かべる殺し屋という、およそこれまでの日本映画には登場したことのない個性を、赤木と相対することで確立して以後重要な持ち役としたのであった。そして浅丘ルリ子もまた、それまでの可愛い子ちゃん役を脱して背景のある役柄を演じて、以後の長い女優としてのキャリアを踏み出したのではなかったろうか。
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[437]小早川家の秋
 中村鴈治郎呑気呆亭 (Mail)2013-07-24
 
小津監督のカラ−映画には松竹で撮ったものと他社で撮ったものとが有り、松竹のそれはいわゆる小津調で撮られているのに、他社でのそれには小津調は影を薄めている。他社でのそ・・・
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小津監督のカラ−映画には松竹で撮ったものと他社で撮ったものとが有り、松竹のそれはいわゆる小津調で撮られているのに、他社でのそれには小津調は影を薄めている。他社でのそれとは大映で撮った「浮草」とこの東宝・宝塚で撮った「小早川家の秋」である。「浮草」のキャメラは宮川一夫、この映画のキャメラは中井朝一、そして面白いことに両作品に中村鴈治郎が主演している。中村鴈治郎の昔の愛人の元に通う浮気性の男というキャラクタ−は両作品に共通していて、鴈治郎はその剽軽さとねちっこさを併せ持つ男をまさに地のままのように演じている。この鴈治郎の存在と他社のキャメラマンとの仕事であるということが、小津調を薄めさせた要因であったのか?ガチガチの額縁にはめ込んだような不自然な映像のストレスもなく、繰り返しを多用する小津・野田の台詞回しに辟易することもなく、流麗な映像の中をひょこひょこと動き回る鴈治郎が演ずる万兵衛という、男なら誰でもこんな風に奔放に生きて、こんな風に昔の愛人の家で亡くなってみたいと思わせる風流人の生き方を、時に苦笑し時に吹き出しながら楽しんで観ることができた。小津さんはこのいわゆる小津調からはみ出した両作品について、どんな感想を持っていたのだろうか?
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[438]次郎長遊侠伝 天城鴉
 ご都合主義呑気呆亭 (Mail)2013-07-22
 【ネタバレ注意】
★マキノ雅弘監督による次郎長もので「秋葉の火祭り」の後に作られた。甲州のドモ安が囚人5人を連れて島抜けする。次郎長一家は、ヤクザの仁義を外れたドモ安をたたき斬ろうとワ・・・
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★マキノ雅弘監督による次郎長もので「秋葉の火祭り」の後に作られた。甲州のドモ安が囚人5人を連れて島抜けする。次郎長一家は、ヤクザの仁義を外れたドモ安をたたき斬ろうとワラジをはく。北原三枝が流転の女に扮し、前作の女馬子に続いて好演した。(ぴあ・CINEMA CLUB) ◎前作で殺してしまった北原三枝を活かすだけのために作られたような作品である。ドモ安との次郎長一家との関わりにしても、無理矢理とって付けたような筋立てで、脚本の細部に面白味は有るのだが、いかんせん設定がご都合主義なのでさすがのマキノ雅弘にしても快作とはならなかった。
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[439]羽織の大将
 桂小金治呑気呆亭 (Mail)2013-07-22
 【ネタバレ注意】
「羽織の大将」(\'60・東宝)監督:千葉泰樹 脚本:笠原良三 撮影:西垣緑郎 美術:河東安英 音楽:佐藤勝 出演:フランキ−堺/桂小金治/加藤大介/団令子/原知佐子/桂文楽/・・・
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「羽織の大将」(\'60・東宝)監督:千葉泰樹 脚本:笠原良三 撮影:西垣緑郎 美術:河東安英 音楽:佐藤勝 出演:フランキ−堺/桂小金治/加藤大介/団令子/原知佐子/桂文楽/安藤鶴夫/柳家金語楼 ★大学卒業間近の十文字忠夫は好きな落語家になる決心をして、無理矢理桂文楽師匠の弟子である桂五楽師匠の内弟子になった。やがて、小文という芸名を貰った。かけ出しの小文になにかと好意を見せるのが「万盛軒」の春江である。ようやく前座に出られるようになった日、北海道から母親のこうと妹の勝子が上京して来た。法律事務所に勤めているとばかり思っていた息子が高座にいるのでびっくり。五楽のとりなしで母の怒りをとにかくいなした小文は、女子大に入る勝子と一緒にアパート住いをすることになった。思いがけぬチャンスが訪れた。ひいきの奥山社長に連れて行かれたナイトクラブで即興の漫談をやったのが、たまたま同席していた放送プロデューサーの目にとまったのだ。小文は新作ものに踏み出し、マスコミに追われる人気者になった。学友の亮太郎の応援演説を頼まれ、亮太郎は当選した。しかし買収の疑いで小文も逮捕された。五楽の身許引受けによって陽の目を見た小文を持っていたのは、ラジオ、テレビからの出演拒否であった。goo映画 ◎フランキ−堺の芸達者ぶりが楽しめるとともに、桂文楽と安鶴さんが本人役で出てくれてしゃべって動いてくれているという、実に貴重な作品である。そうそう、金語楼さんも出ていたっけ。桂小金治という人は、この映画の主人公である小文(フランキ−堺)のように、将来を嘱望されていた噺家さんだったのだが、落語界を離れて映画俳優になってしまったのだから、その彼を小文の落語離れを意見する兄弟子に起用するというのは、かなり皮肉の効いたキャステイングである。ちなみにワタクシは小金治さんの落語を聞いたことがあるのだが、実に堂々とした話っぷりで驚嘆した覚えがある。俳優としても味のある脇役として成功したが、もし彼がそのまま落語を続けていたら必ずどこの席でもトリを勤められるような大看板になったであろうに、惜しい才能を落語界は手放したのものである。
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[440]青年の樹
 緊張感を失って・・・呑気呆亭 (Mail)2013-07-20
 【ネタバレ注意】
「青年の樹」(\'60・日活)監督:舛田利雄 原作:石原慎太郎 脚本:山田信夫 撮影:山崎善弘 照明:藤林甲 音楽:黛敏郎 出演:石原裕次郎/芦川いづみ/宮城千賀子/笹森礼・・・
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「青年の樹」(\'60・日活)監督:舛田利雄 原作:石原慎太郎 脚本:山田信夫 撮影:山崎善弘 照明:藤林甲 音楽:黛敏郎 出演:石原裕次郎/芦川いづみ/宮城千賀子/笹森礼子/芦田伸介/滝沢修 ★弟・裕次郎を主人公に想定して石原慎太郎が書いた同名小説を映画化。やくざの跡継ぎになるのを嫌った若者が、大学に入って同様に家業に反発する料亭の娘(芦川)と知り合う。やがて、彼女の母がパトロンの政界汚職に絡んで自殺。主人公は、汚職を暴く・・・。さまざまな経験を経て人生の痛みを知り、成長してゆく若者を裕次郎が好演。(ぴあ・CINEMA CLUB) ◎名手藤林甲の加わったスタッフでありながら、映像に見るべきものもなく、物語もありきたりで、こんな大甘な青春賛歌の物語をよくも慎太郎が書いたものだと呆れ返った。すっかりスタ−になってしまった裕次郎を使えば必ずヒットするだろうという見込みが、あの初期の裕次郎映画の数々の傑作をモノしたスタッフ陣から、アバンギャルドな実験精神を失わさせこうした緊張感のない駄作を作らせたのだろう。
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[441]邪魔者は消せ
 脚本呑気呆亭 (Mail)2013-07-20
 【ネタバレ注意】
「邪魔者は消せ」(\'60・日活)企画:水ノ江滝子 監督:牛原陽一 脚本:熊井啓 撮影:姫田真佐久 照明:岩木保夫 音楽:小杉太一郎 美術:大鶴泰宏 出演:赤木圭一郎/内・・・
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「邪魔者は消せ」(\'60・日活)企画:水ノ江滝子 監督:牛原陽一 脚本:熊井啓 撮影:姫田真佐久 照明:岩木保夫 音楽:小杉太一郎 美術:大鶴泰宏 出演:赤木圭一郎/内田良平/葉山良二/渡辺美佐子/清水まゆみ/穂積隆信/金子信雄 ★熊井啓のオリジナル脚本による日活アクション映画。和製ジェ−ムズ・ディ−ンこと赤木圭一郎が主演している。麻薬Gメンの秋津は麻薬王クレイグ逮捕のために、売人の元締めである岩瀬組に潜入。元警官でありながらその身を暗黒街に落しめている長塚は、秋津の素性に疑問を持つのだが・・・。 ◎脚本がこれが熊井啓かよと思わせるようなご都合主義の典型のような代物なので、和製ジェ−ムズ・ディ−ンこと赤木圭一郎もニヤニヤ笑いが印象に残るだけで一向に冴えない。映画にとって如何に脚本が大事かということを認識させる作品であった。唯一の救いは、その性格を一貫して変えなかった岩瀬組の幹部・内田良平の存在であった。
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[442]欲望という名の電車
 欲望の二重らせん呑気呆亭 (Mail)2013-07-19
 
2007年11月21日、新宿大久保のグローブ座にて篠井英介が女形として主演のブランチを演ずる、テネシー・ウイリアムズ作『欲望という名の電車』を観た。観終えての感想会で、或る・・・
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2007年11月21日、新宿大久保のグローブ座にて篠井英介が女形として主演のブランチを演ずる、テネシー・ウイリアムズ作『欲望という名の電車』を観た。観終えての感想会で、或る女性が、凄まじい孤独の裡にあるブランチにとって、義弟スタンリー・コワルスキーのレイプさえもその孤独を癒す救いとなったのではないかと発言した。これはボクにとって予期せぬ発言であり、衝撃的な指摘だった。 没落した旧家の女ブランチは零落して身を寄せた妹ステラの家で、彼女の最も苦手なタイプ、労働者階級出身の粗野で徹底的なリアリストである、スタンリーに出会う。 ブランチの絶望的な孤独は、若年の頃ままごとの延長のような形で結ばれた美しい若き夫を、己の心ない愚かな仕打ちで自死に追いやったとする罪の意識のために、絶えず己を罰し続けずにはおれぬ自虐的な堂々巡りの裡にある故なのだが、しかも彼女はまた、スタンリーやその妻で妹のステラと同様、生きるという錬獄の堂々巡り、「欲望という名の電車」にも乗り続けなくてはならない。 このDNAのそれにも似た行き違う二重らせんの堂々巡りを生きるために、彼女は必然、俳優足らざるを得ない。その仮面を引き剥がそうとするリアリスト、スタンリーとの闘争はブランチの発狂という悲劇的な結末に到る。 スタンリ−てやつは酷でえヤツだな、というのがボクの素朴な感想だった。そこで冒頭の女性の発言である。衝撃を受けて、この劇全体を思い返して見ると、まったく違ったモノが見えて来たのだ。 ブランチはスタンリーの欲望を察知していた、そして己の欲望をもまた。それ故に憎しみ合う二人の闘争は遂に愛の相貌を帯びる。 篠井英介はコトの前のブランチの衣裳を総て暗色で統一し、コトの後、発狂して医師に迎えられるブランチの衣裳を、一変白色(ブランシュ)に変えることで鮮やかに形象化して見せていたのだった。 ブランチは行き違う二重らせんの呪縛から漸く解き放たれ、発狂という悲劇的な形ではあるが「欲望という名の電車」を降りることが出来たのである。 かつては炎の女スカ−レット・オハラであったヴィヴィアン・リーが、こんな神経症の女ブランチを演じるのか、そして、それが真に迫る熱演であったがためと、その演技をエリア・カザンが余りにも冷酷な眼差しで映し撮ったがために見るのが辛い映画になった。上記の篠井英介の演出にはブランチに対する同情が有ったのだが、カザンのそれには優しさが感じられず、したがってスタンリ−の行為は単なるレイプでしかなくなって、映画を観ることの歓びを感ずることの出来ない作品となってしまった。
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[443]リオ・グランデの砦
 邦題呑気呆亭 (Mail)2013-07-18
 
フォ−ドの騎兵隊三部作といわれるものの最後の作品。邦題は無理に騎兵隊ものにするために、この映画の本来のテ−マであった「隔たり」、妻と夫の、父と息子の、そして騎兵隊とイ・・・
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フォ−ドの騎兵隊三部作といわれるものの最後の作品。邦題は無理に騎兵隊ものにするために、この映画の本来のテ−マであった「隔たり」、妻と夫の、父と息子の、そして騎兵隊とインデイアンの、を象徴する〈リオグランデ〉に「砦」を付けてしまって見事に陳腐化してしまったのだった。その「隔たり」を如何にして超えるかをフォ−ドは様々な手を尽くして描こうとした。それは例えば妻役のモ−リン・オハラの凍結した心を啓かせるために唄う騎兵コ−ラス隊であったり、息子への父の複雑な心遣いであったり、ヨ−ク大佐の軍歴を賭けたリオグランデ川越境の決断であったりするのだが、この邦題はすべてをぶち壊して曖昧模糊にしてしまったのである。
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[444]東京の英雄
 桑野通子呑気呆亭 (Mail)2013-07-18
 【ネタバレ注意】
「東京の英雄」(\'35・松竹)監督:清水宏 原作:源尊彦 脚本:荒田正男 撮影:野村昊 録音:土橋晴夫/橋本要 音楽:早乙女光 出演:岩田祐吉/吉川満子/藤井貢=突貫小僧/・・・
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「東京の英雄」(\'35・松竹)監督:清水宏 原作:源尊彦 脚本:荒田正男 撮影:野村昊 録音:土橋晴夫/橋本要 音楽:早乙女光 出演:岩田祐吉/吉川満子/藤井貢=突貫小僧/桑野通子=市村美津子/三井秀雄=横山準 ★現存する清水の数少ないサウンド版の一つ。藤井貢主演で、この時期の清水には珍しく作風の「暗さ」を批評家に感じさせた。 寛一の父はいつも帰りが遅い。父は鉱山資金募集のインチキ事務所を作った虚業家だった。寛一は母に早く死なれ寂しかったが、父が再婚し義理の妹と弟ができ嬉しかった。が、商売が摘発され父は失踪。義理の母春子(吉川)が女手一つで子供たちを育てた。十年後、妹加世子(桑野)は婚約したが、ある理由で婚約を破棄され家を出た。また弟秀雄(三井)も母に抗議して家を出てしまう。実は母春子はクラブを経営して子供たちを養っていたのだ。寛一(藤井)は母を慰め、卒業後は新聞記者となった。ある日、妹がダンスホ−ルの女に、弟が銀座の与太者になっていると知る。弟は与太者の喧嘩で刺され、寛一は瀕死の弟から父がまたニセの満蒙金鉱会社を始めたと聞く。寛一は記者の正義感から父の不正を新聞に暴き、母に報告して涙ぐんだ。(『映画読本・清水宏』) ◎京橋フイルムセンタ−の「清水宏特集」での上映を観る。むろん桑野通子目当てである。以前、池袋の人生座で「有りがたうさん」を見て、桑野通子なる女優さんを知り、その発するオ−ラにイカレて、以来追っかけをやっている。今回の特集でも清水=桑野コンビの作品は見逃さずに追い掛けようと思っている。さて、この映画、女手一つで三人の子を育てた母親の職業がダンスホ−ルの経営であったということが、嫁に行った加世子(桑野)の離縁の原因になったということが、いかにも昭和10年の作品だなと思わせる。当の桑野自身が人気ダンサ−からスカウトされて女優になったという経歴もあって、離縁を契機に家出してダンサ−になるというのは、いかにもご都合主義の筋立てだが、それもこれも桑野のダンサ−姿を見せたいがための企画だったのだろう。清水はやたらに衣装に凝って、お気に入りだったという藤井貢には就職祝いに注文服をプレゼントしたり、家出した次男の三井秀雄(弘次)には与太者らしい粋なハットとマフラ−姿をさせ、まだ下膨れの可愛い桑野通子には和服・結婚衣装・ダンサ−のドレス・外出用のコ−ト姿と、これでもかというばかりに着せまくる。清水の趣味の勝った映画でありました。「東京の英雄」って、なんだったの?
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[445]アフリカの女王
 キャステイング呑気呆亭 (Mail)2013-07-18
 
冒頭、他人に使われるのが嫌いでアフリカくんだりまで流れてきて、雑貨運搬のボロ船〈アフリカの女王号〉の船長になっているひねくれ者のチャ−リ−が、お堅い宣教師のロ−ズに出・・・
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冒頭、他人に使われるのが嫌いでアフリカくんだりまで流れてきて、雑貨運搬のボロ船〈アフリカの女王号〉の船長になっているひねくれ者のチャ−リ−が、お堅い宣教師のロ−ズに出会う。チャ−リを演じたボガ−トは、同じヒュ−ストン監督の「黄金」の役をそのまま持ってきたようなむさい格好で登場する。ロ−ズ役のヘプバ−ンは例によっていかず後家のオ−ルドミスを、これほどピッタリする女優さんはいないよなあと思わせる姿勢とスタイルで登場する。この二人のキャステイングによって、この映画の成功は半ば保証されたようなものだ。チャ−リ−は独り稼ぎのひねくれ者にふさわしくなんでも屋で、様々の危機を知恵と機転で切り抜ける。一方ロ−ズは信仰を持つ者の誇りと勇気でチャ−リ−を励まし、思いがけぬ愛嬌と可愛らしさで次第にチャ−リ−の心を掴んで行く。その二人のやり取りを見ながらアフリカの景色も楽しめるという実に映画的な贅沢を楽しめる傑作であります。
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[446]遊星よりの物体X
 植物人間呑気呆亭 (Mail)2013-07-12
 
現代のSFXを駆使したハリウッド製の映画を見慣れた人にはいかにもチャチな造りのサイエンス・フィクションである。宇宙人なるモノも円盤を作るほどの科学力が有るにしては攻・・・
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現代のSFXを駆使したハリウッド製の映画を見慣れた人にはいかにもチャチな造りのサイエンス・フィクションである。宇宙人なるモノも円盤を作るほどの科学力が有るにしては攻撃がフランケンシュタインめいて単調で、基地の連中の反撃も素朴なものでおやおやといった感じなのだが、宇宙人が植物人間であるという設定に意外性があって面白く、その宇宙人が自分の種を培養して仲間を増やそうとする仕掛けが素朴なだけに妙な恐怖感が発生する。この妙な恐怖感は我々人類という哺乳類の持つ生物観が、動き回る植物人間という存在によって根底からひっくり返されたことから来るのではないだろうか。食虫植物などの数少ない例外はあるが、基本的に植物とは大地に根ざして大地から栄養分を吸収する生物であって、動き回ったり血を吸ったりしてはいけないのである。そういった我々の既成概念を打ち壊したことで、この映画には歴史的な価値があると言えるだろう。
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[447]非情の罠
 一人五役呑気呆亭 (Mail)2013-07-10
 
\'28年生まれのキューブリックはこの年若干27歳、前々年に長編第1作「恐怖と欲望」を制作し、71歳での遺作となった「アイズ ワイズ シャット」(\'99)までに制作した作品はた・・・
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\'28年生まれのキューブリックはこの年若干27歳、前々年に長編第1作「恐怖と欲望」を制作し、71歳での遺作となった「アイズ ワイズ シャット」(\'99)までに制作した作品はたかだか13作でしかない。だが、そのほとんどが問題作であり傑作と評する人が多い。その所以をこの作品を見ることで納得出来た。監督・脚本・撮影・編集・録音と、むろん低予算ゆえの一人五役なのであろうが、それよりも作品を完璧に己のモノとしたいという強烈な作家精神を感じるのである。キャリアのスタ−トがカメラマンであったというのは象徴的で、この映画でも様々な映像的実験を試みている。それは例えばダイナミックな映像のボクシング・シ−ンであり、ヒチコック顔負けのアパ−トの窓の使い方であり、ダンサ−が父と姉とのことを語るシ−ンに挿入されるバレエの映像であり、夜の大通りに現れてサスペンスの盛り上げに一役買う道化の二人であり、そしてもちろん、ラストのマネキン工場での死闘なのだが、ワタクシ的には、ボクサ−と待ち合わせしたがために間違えられてギャングの二人に惨殺されるマネ−ジャ−のシ−クエンスに、キューブリックという映像作家の並々ならぬ才能を感じたのだった。ニュ−ヨ−クという大都会の真っ只中、ビルの谷間の袋小路に追い詰められて理不尽にも殺されなければならない男の、絶望的な孤立感を遠景のワンショットでキューブリックは撮っている。見せないことで想像させる、静かで恐ろしい殺人シ−ンである。
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[448]秋日和
 下品なやつら呑気呆亭 (Mail)2013-07-08
 
小津さんのカラ−映画でのクレジット画面の趣味の悪さ(人名に脈絡もなく赤字を入れる)には毎度辟易するのだが、この映画では亡夫の友人を演じた佐分利信、北竜二、中村伸郎の・・・
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小津さんのカラ−映画でのクレジット画面の趣味の悪さ(人名に脈絡もなく赤字を入れる)には毎度辟易するのだが、この映画では亡夫の友人を演じた佐分利信、北竜二、中村伸郎の会話の品のなさに辟易した。自分たちは社会的にも地位の有る立場に居り、住居も立派な一戸建てに住みながら、粗末なアパ−ト住まいである親友の未亡人を居酒屋談義のタネにするなど、心ある大人のすることではあるまい。彼らの自宅での妻を召使いの如く扱う態度も不快であった。そんな下品なやつらの好奇の目に晒される原さんが気の毒でならなかった。後味の悪い映画である。
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[449]次郎長遊侠伝 秋葉の火祭り
 火花&火祭り呑気呆亭 (Mail)2013-07-08
 【ネタバレ注意】
「次郎長遊侠伝・秋葉の火祭り」(\'55・日活)監督:マキノ雅弘 脚本:八木保太郎/毛利三四郎 撮影:横山実 照明:藤林甲 美術:小池一美 音楽:松井八郎 出演:河津清三・・・
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「次郎長遊侠伝・秋葉の火祭り」(\'55・日活)監督:マキノ雅弘 脚本:八木保太郎/毛利三四郎 撮影:横山実 照明:藤林甲 美術:小池一美 音楽:松井八郎 出演:河津清三郎/三島耕/本郷秀雄/森繁久彌/田中春男/北原三枝 ★秋葉権現の秋の大祭火祭りに、信州追分の油屋の番頭三五郎は主人の代参として燈籠を献納する為、許婚のお峰、老番頭元三を連れて出発した。附近の大親分黒駒の勝蔵は子分の助十と、その妹でやくざ気どりの馬子のお美代に命じて三五郎一行をだまし、元三を殺して燈籠と燈明料を奪わせた。お峰は通り合せた次郎長こと清水港の長五郎に助けられ、三五郎は河原に倒れているのを旅廻りの一座お時に救われた。宿についたお峰は勝蔵に攫われたが、次郎長にめぐり合った三五郎は協力して彼女を救い出そうとする。 ◎これはマキノ雅弘が東宝で作った「次郎長三国志」シリ−ズの続編ではない。次郎長(河津)はまだ子分なしの旅鴉である。演出・マキノ雅弘、脚本・八木保太郎/毛利三四郎(八木orマキノの別名?)、撮影・横山実、照明・藤林甲、美術・小池一美、とくればどんな絵を見せてくれるだろうと期待が高まる。その期待はまず、拐かされた娘を救うために単身黒駒の勝蔵の宴席に殴り込む宵のシ−ンで叶えられる。なんとチャンチャンバラバラで火花が飛ぶのである。これはマキノが「浪人街」で見せてくれた嬉しくなるような殺陣の再現であった。そして最大の見ものは題名にも予告されている「秋葉の火祭り」の古式ゆかしい神事のシ−ンであった。この神事が本当のものかどうかを云々する学はワタクシにはないが、深夜の神前で弓取り・剣舞・松明の踊りを奉納するシ−ンはいかにもそれらしくて見事であった。物語はこの誘拐事件をきっかけとして、次郎長と馬子のお美代との出会いと別れ、後の次郎長一家の中核を成す石松(森繁)法印(田中)以下の連中との“生まれたときは別々でも、死ぬときァ一緒”の一家結成に繋がって行く。
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[450]赤坂の姉妹より 夜の肌
 淡島千景呑気呆亭 (Mail)2013-07-06
 
★赤坂のバ−“しいの実”を舞台に、店のマダム夏生、その妹の秋江、冬子という3姉妹のそれぞれ対照的な生き方を情感豊かに描いた作品。撮影は、「丹下左膳餘話・百万両の壺」(監督・・・
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★赤坂のバ−“しいの実”を舞台に、店のマダム夏生、その妹の秋江、冬子という3姉妹のそれぞれ対照的な生き方を情感豊かに描いた作品。撮影は、「丹下左膳餘話・百万両の壺」(監督:山中貞雄)、「乱れる」(監督:成瀬巳喜男)などの名カメラマン・安本淳。(ぴあ・CINEMA CLUB) ◎原作を読んでいる訳ではないので正確ではないが、チェ−ホフ作の「三姉妹」の劇と現実の三姉妹の物語を巧みに組み合わせている脚本に感心する。その三姉妹の末の妹の冬子が国会議事堂の門に花束とリンゴを捧げに来るシ−ンから物語が始まる。これは60年安保闘争の最中に亡くなった樺美智子さんへの追悼の意味であろうから、このシ−ンは製作の過程で付け加えられたものか。そのシ−ンからいきなり法規を無視して暴走する黒塗りの高級車に乗った政治家が赤坂の料亭に乗り付けるシ−ンが続く。その車から降り立ったのが伊藤雄之助演ずる与党の実力者、料亭を籠脱けに利用して雄之助は愛人の元に通うのである。カリカチュアライズされた政治家連中と実業家連中を巧みに配して、その連中の間を泳ぎ回って浮かび上がろうとする女たち。その一人が冬子の姉の夏生(淡島)で、彼女のバ−を手伝いながら真っ当な生き方を模索する次姉の秋江(新珠)。名手安本淳のカメラが素晴らしく、天然色にもかかわらず色調・構図ともに観るものに心地よさを味あわさせてくれる。小さなバ−“しいの実”を「まごころ」と女の生身を武器としてステップアップさせ、最終的には総理首相を迎える料亭の女将に納る夏生、その生き方に反発して家を去る秋江。それを見送って夏生は冬子に、演劇女優の卵の頃に覚えた「三姉妹」の台詞を語る。“何のためにあたしたちが生きているのか、何のためにあたしたちが苦しんでいるのか・・・その内あたしたちが何のために苦しんでいるのか、それが分かる時がくるわ、あんたが言ってたラテン語の台詞、そう、あたしは全力を尽くした、出来るものならもっと上手にやってみるがいい”と言い放って、三面鏡を開き襟元を正し帯を確かめて毅然と姿勢を正した夏生は、男どもの待ち構える「戦場」に向かうのだった。夏生を演じた淡島千景の勁く美しい存在感に圧倒された。傑作である。
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