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 「黒津 明二郎」さんのコメント一覧 登録数(563件)rss
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[061]E.T.
 秀作黒津 明二郎2013-01-26
 
スピルバーグの数ある代表作の内でも、特別な位置を占めるであろうSFファンタジックドラマ。 なぜなら、最初は個人的な経験を投影させたホームドラマの企画だったからで、そう・・・
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スピルバーグの数ある代表作の内でも、特別な位置を占めるであろうSFファンタジックドラマ。 なぜなら、最初は個人的な経験を投影させたホームドラマの企画だったからで、そうした日常を描いた部分はよく出来てると思う。TVのシーンがよく出てくるが、TV放映された映画を浴びるほど見ていたスピルバーグの思いが込められているのだろうか。まあ、この映画の家庭は外車のアウディを持つほどの‘中の上‘クラスのそれなりに恵まれた環境みたいだが・・・ 冒頭は音楽もホラーぽいテイストで面食らうが、全体的に映像面において光と影を強調した感じであまりファミリーピクチャーみたいな明瞭な暖かい画面設計になっていない。多分にETの特撮がばれないようにという配慮もあろうが、スピルバーグの只のファミリー物にはしないという意図もあるのかもしれない。 さすがに現在から見ると、多少の瑕疵は散見されるしご都合主義な演出もあるが、何にせよ80年代当時の特大ヒット作を見るのも悪くない。勿論、ジョンの名スコアは貢献度大である。 演技陣。ヘンリーやドリューら子役たちは好演で、ママ役のディーも色っぽくてよろしい。
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[062]豚と軍艦
 凡作黒津 明二郎2013-01-19
 
米軍基地の街・横須賀を舞台に欲にまみれるヤクザたちを描いた今村の代表作。 設定としてはいくらでも面白くなりそうではあるが、脚本の出来が散漫でどうにものれなかった。主・・・
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米軍基地の街・横須賀を舞台に欲にまみれるヤクザたちを描いた今村の代表作。 設定としてはいくらでも面白くなりそうではあるが、脚本の出来が散漫でどうにものれなかった。主人公のカップルをとりまくキャラクターたちのエピソードが色々出てくるのだが、有機的に結び付かずに終わってしまったのである。充実したキャストや横須賀のセットにクライマックスの‘豚走‘シーンなどを十全に作品の質に生かせなかったのは痛いね。 演技陣。長門がケチな半端もんのチンピラを好演、吉村はぎこちないけど精一杯の体当たり演技をして悪くない。
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[063]アンストッパブル
 凡作黒津 明二郎2013-01-14
 
暴走列車の顛末をタイトに描いたサスペンスアクションの大作。 重厚な機関車の迫力や鉄鋼の町ペンシルベニアの秋に彩られた雰囲気など映像的に見所も無くはないが、基本的には・・・
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暴走列車の顛末をタイトに描いたサスペンスアクションの大作。 重厚な機関車の迫力や鉄鋼の町ペンシルベニアの秋に彩られた雰囲気など映像的に見所も無くはないが、基本的にはお気楽なMTV的ポップコーンムービーで見た1分後には忘れてしまうような感じだ。 結果的に本作がトニー監督の遺作となってしまったが、大味ながらそのハイテンポな演出術がもう見られないかと思うと多少寂しくもあろうか。余談ながら、彼の死に様は明らかに「LA大捜査線/狼たちの街」(1985)のエンドクレジットから影響を受けたと思われる。 演技陣。ワシントンとパインのコンビは型通りで印象は薄い。
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[064]抱かれた花嫁
 凡作黒津 明二郎2013-01-12
 
東京の下町たる浅草を舞台に、寿司屋を営む一家を巡るホームドラマだが、何より松竹版シネスコ‘グランドスコ−プ‘の第一回作品であることに存在意義がある。でるからSKDのレビュ・・・
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東京の下町たる浅草を舞台に、寿司屋を営む一家を巡るホームドラマだが、何より松竹版シネスコ‘グランドスコ−プ‘の第一回作品であることに存在意義がある。でるからSKDのレビューや日光の風景が、観光グラビア風にワイドかつ鮮やかなイーストマンカラーで展開される。 はっきり云ってシナリオも演出もグダグダで正にTVの安物ドラマの体なので、見所は事実上それしかない(笑)・・・が、そうした往年の緩くてヌルい当時の娯楽映画を見るのも悪くないかも。
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[065]有りがたうさん
 傑作黒津 明二郎2012-12-24
 
伊豆の砂利だらけの山道を行く乗り合いバスを、軽妙にスケッチした清水監督お得意のロードムービーの逸品だ。 2・26事件の翌日に公開された本作は、決して声高には叫ばないが、・・・
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伊豆の砂利だらけの山道を行く乗り合いバスを、軽妙にスケッチした清水監督お得意のロードムービーの逸品だ。 2・26事件の翌日に公開された本作は、決して声高には叫ばないが、地方の困窮や朝鮮の強制労働などの社会問題をさりげなく提示しながら、車載カメラによる主観ショットで戦前当時の風景や人々をたっぷりと捉えていくのである。ストーリー性は薄く、乗客たちの人間模様も深刻になりがちな設定なのだが、ノンビリとした淡々とした感じになっている。 なおスローなテンポで台詞を喋らせているのは、おそらくトーキー黎明の時代ゆえしかもロケ主体の狭いバス内の撮影であるから、同時録音は不可能に近く、全編アフレコにせざるをえないが為の事と思われる。 それにしても、まだ電化もそれほど進んでいないから夜は真っ暗で(ある客は帰り道用に提灯を持っている)碌な娯楽もないこんな田舎で暮らすのは中々大変であったろうと思うねえ〜 演技陣。上原と桑野は手堅くやっている。
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[066]喜劇 にっぽんのお婆あちゃん
 傑作黒津 明二郎2012-12-22
 
二人の老女が東京の下町である浅草を彷徨する姿を通して、年老いることの悲哀をユーモアも交えながら描いた傑作ドラマ。 社会派で筋金入りの左翼でもあった巨匠の今井作品であ・・・
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二人の老女が東京の下町である浅草を彷徨する姿を通して、年老いることの悲哀をユーモアも交えながら描いた傑作ドラマ。 社会派で筋金入りの左翼でもあった巨匠の今井作品であるが、ここでは名脚本家・水木の良質なシナリオを得たからか、声高にテーマを訴えたりせず、職人に徹して淡々とストーリーを捌いていく。特に、浅草のロケーションを生かした映像演出が素晴らしかった(映画館の看板に東映‘若君と次男坊‘が見える)。ただ、ラストの強引な展開は頂けなかったけどね・・・ また、中尾駿一郎によるニュートラルなテイストのキャメラも、本作のコメディともシリアスともつかない微妙なバランスを考えれば、実に効果的。 そして、芸達者なキャストたちによって繰り広げられるエピソードが味わい深くて堪能させてくれたが、養老院、今風にいえば老人ホームの描写は何となくこの3年後に公開された「赤ひげ」を彷彿とさせる。 演技陣。北林とミヤコの主演コンビは勿論、飯田・斎藤・渡辺らベテラン勢もみな好演だが、中村是好のとぼけた味と十朱幸代のフレッシュさが一番印象に残った。
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[067]プーサン
 駄作黒津 明二郎2012-10-20
 
軽妙に社会風刺を狙うのは結構だが、シナリオとそして喜劇には何より肝心な演出がこの体たらくでは、どうにも仕様がないなあ〜キャストが無駄に揃ってるのにもったいないぜ!当・・・
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軽妙に社会風刺を狙うのは結構だが、シナリオとそして喜劇には何より肝心な演出がこの体たらくでは、どうにも仕様がないなあ〜キャストが無駄に揃ってるのにもったいないぜ!当時の東京・渋谷界隈の今とはまるで違う埃っぽい風景は見物だったがね・・・
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[068]三人の名付親
 まあまあ黒津 明二郎2012-10-13
 
聖書になぞらえて、赤ん坊を守ろうと砂漠越えのサバイバルを敢行する‘東方の3賢人‘ならぬ3悪人を描いた西部劇。 フォードの手堅い演出術は堪能できるものの、ご都合主義な所・・・
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聖書になぞらえて、赤ん坊を守ろうと砂漠越えのサバイバルを敢行する‘東方の3賢人‘ならぬ3悪人を描いた西部劇。 フォードの手堅い演出術は堪能できるものの、ご都合主義な所も散見されるし全体的に単調さは否めない。ウェインら3人の主要キャストは悪くないけど、強盗をする悪人という感じがあまり感じられず善人として目覚める後半とのギャップが生きてこない気がした。 保安官の妻役マーシュは、DWグリフィスの常連として「国民の創生」「イントレランス」などで主演を務めてきたサイレント時代の演技派スター。冒頭のケリーJRとのやりとりを見ると、かつてグリフィス映画で父親のケリーとよく共演していたことが思い起こされ、例えば1913年の「電話交換嬢と御婦人」では、犯人役のケリーと取っ組み合いのバトルをしていたものだ。フォード作品にも端役ではあるが10数本に出演しているが、中でも本作が一番大きな役であろう。
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[069]愛人
 愚作黒津 明二郎2012-10-03
 
再婚した中年夫婦、そしてそれぞれの連れ子たちが、居候の好青年を巡って恋のさや当てを演じるオフビートなホームコメディで役者も揃ってるが、有馬の躍動感あふれる演技だけが・・・
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再婚した中年夫婦、そしてそれぞれの連れ子たちが、居候の好青年を巡って恋のさや当てを演じるオフビートなホームコメディで役者も揃ってるが、有馬の躍動感あふれる演技だけが見もの。
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[070]ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
 秀作黒津 明二郎2012-08-26
 
「グリード」と「天国の日々」を掛け合わせたような、アメリカについての‘神話‘を描いた叙事詩的ドラマ。 石油に対して異常なほど欲望をむき出しにする主人公のキャラクター描・・・
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「グリード」と「天国の日々」を掛け合わせたような、アメリカについての‘神話‘を描いた叙事詩的ドラマ。 石油に対して異常なほど欲望をむき出しにする主人公のキャラクター描写が圧倒的だが、何といっても、外見は只の兄ちゃん風に見える(笑)アンダーソン監督の老成した演出が見事。それだけに終盤の失速は惜しかった!ま、自家用ボーリングレーンを舞台としているのがユニ−クで視覚的に興味深かったけど。ロバートアルトマンを尊敬しておりエンドクレジットにも献辞が出てるが、過去作はともかく本作の作風にはアルトマンらしさは皆無といってよいだろう。 当時の油井を再現したフィスク(テレンスマリック組で天国の日々も担当)のセットや重厚な油絵のような映像美のエルスウィットのキャメラそしてグリーンウッドの不協和音を主体としながら新鮮な感じのスコア・・・とスタッフの働きは素晴らしい。 演技陣。これはもうデイルイスの独壇場で、その骨太の演技には問答無用の力が漲っている。息子役のフレイジャーも健闘。
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[071]王将
 まあまあ黒津 明二郎2012-08-18
 
サイレント時代劇で一世を風靡した伊藤だが、戦後は不調で凡作が多かったと云われている。その中にあって本作はかなり出来が良いとされているのだが、個人的にはどうにも今一つ・・・
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サイレント時代劇で一世を風靡した伊藤だが、戦後は不調で凡作が多かったと云われている。その中にあって本作はかなり出来が良いとされているのだが、個人的にはどうにも今一つのり切れなかった。 阪妻の名演・水戸の好助演・達者な脇役陣・味わい深いセットなど見所はそれなりにあるんだが、将棋勝負の場面が少ない憾みがあるし、ヒューマンドラマとしても中途半端さが残る。
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[072]東京五人男
 秀作黒津 明二郎2012-08-11
 
終戦からまだ半年も経過してない時期に制作された、コメディの天才監督による娯楽喜劇。 物語として中心的な一本の筋はなく、復員してきた五人組の男たちそれぞれのエピソード・・・
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終戦からまだ半年も経過してない時期に制作された、コメディの天才監督による娯楽喜劇。 物語として中心的な一本の筋はなく、復員してきた五人組の男たちそれぞれのエピソードが断片的に綴られていく。下らないTVコントレベルの寸劇やお決まりのヒューマンドラマ風の挿話もあるが、全体的には混乱期にあった当時の世相を遠慮なく笑い飛ばした感じで、中々面白かった。ミュージカル的な歌唱シーンも随所に用意してるのは疲弊した国民が多くいた当時では一般的であったようだが、今見た時に価値があるのはやはり焼け野原の東京が生々しく捉えられている点であろう。 物資に乏しい頃であったためか、映像的にはミディアムショットの長回しが多くて一昔前のサイレント映画を見ているような感じがしたし、セットや録音も粗雑なクオリティだったが、台風のシークエンスでは流石に東宝十八番の特撮が(効果音も)素晴らしい効果を挙げていた。 演技陣。ロッパのおっとりとした味、エンタツアチャコの掛け合い、いずれも健闘。また、陽之助との「極楽コンビ」で鳴らした実乗の怪演も強烈だ。
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[073]台風騒動記
 秀作黒津 明二郎2012-07-29
 
台風被害のドサクサにまぎれて、政府から補助金を騙し取ろうと騒動を繰り広げる社会派のブラックコメディ。東日本大震災の今こそ見るべき作品だろう。 佐野・佐田・桂木らが設・・・
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台風被害のドサクサにまぎれて、政府から補助金を騙し取ろうと騒動を繰り広げる社会派のブラックコメディ。東日本大震災の今こそ見るべき作品だろう。 佐野・佐田・桂木らが設立した「まどかグループ」と監督の「山本プロダクション」の共同制作による独立プロ作品で、冒頭に‘この物語は事実ではない‘とデカデカと字幕が表示されるが、原作はルポルタージュであり1953年9月に愛知県南部を襲った台風13号に取材している。 筋金入りの左翼だった山本らしく、町会議員ら権力者側を徹底的に俗物として扱き下ろしていて、それをまた芸達者なバイプレーヤーが見事に演じるものだから痛快だ。その反面、菅原ら正義派の若者たちの挿話はインパクトに欠け、散漫な感じは否めない。それでも、ベテラン八住らによる脚本はよく書けているし、台風によって被害を受けた町のロケも効果を挙げている。 演技陣。これはもう、黒幕の三島雅夫を筆頭に渡辺篤・三井弘次・左卜全・中村是好ら‘おらがムラのセンセイ‘たちが最高。
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[074]間諜X27
 秀作黒津 明二郎2012-07-28
 
「嘆きの天使」「モロッコ」に続くスタンバーグ&ディートリッヒによる往年の名コンビの第三弾。 前作「モロッコ」はストーリーから演出まで何もかもダメダメだったが、これは・・・
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「嘆きの天使」「モロッコ」に続くスタンバーグ&ディートリッヒによる往年の名コンビの第三弾。 前作「モロッコ」はストーリーから演出まで何もかもダメダメだったが、これは大枠こそディートリッヒのプロモじみた荒唐無稽な娯楽作ながら、粋で皮肉の効いた台詞がいいし、演出・美術ともシンプルでタイトだが効果的に作用している。もちろんガームスのキャメラも一級品だ。黄金期ハリウッドの‘パラマウントスタイル‘を堪能したい。 ピアノスコアの多用は本作がトーキー初期の映画だからで、‘WesternElectricNoiseless Recording‘とクレジットされたその録音技術は確かによく出来ている。 演技陣。本作のディートリッヒは、正に女神であり惚れ惚れするほど輝いている!
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[075]悪魔のいけにえ
 傑作黒津 明二郎2012-07-21
 
恐いというより、全編に渡るしつこいまでの不快な映像・音響描写でヘトヘトにさせられる、低予算ながら古典となった‘偉大なる一発屋‘フーパー監督のホラー映画。 冒頭、思わせ・・・
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恐いというより、全編に渡るしつこいまでの不快な映像・音響描写でヘトヘトにさせられる、低予算ながら古典となった‘偉大なる一発屋‘フーパー監督のホラー映画。 冒頭、思わせぶりに年月日が表示されるが、これはフェイクドキュメンタリーとしての演出である。モデルになったのはあの「サイコ」と同じように、1957年に発覚したエドゲインの事件だが、大部分は創作されており、「サイコ」との共通点もミイラ化した母親や主な舞台となる家の内部構造くらいなものである。 16mm撮りのざらついた画面は緊迫感満点でドキュメントタッチを狙ったのだろうが、時折ドリーを駆使した移動ショットも見受けられ、あるいは後半の殺人鬼一家のブラックユーモア描写、唐突にはさまれる女性被害者のアップやこけおどし的なノイズサウンドの使用も合わせ、かなり娯楽フィクションとしてのホラーを意識していることを窺わせる。この点、終始抑えた客観的な描写に徹し、ストーリーもしっかりしてた同時期の低予算ホラー「ナイトオブザリビングデッド」の方に好感が持てるのは、俺が年を取ったからなのかもしれないね。 演技陣。中盤からラストまで目をひんむいた絶叫演技で孤軍奮闘するマリリンに功労賞を上げたいし、その兄役で車椅子のポールや殺人鬼のコック役ジムなどが印象的だ。
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[076]好人好日
 駄作黒津 明二郎2012-07-16
 
原作者の中野は「妻よ薔薇のやうに」などの映画で知られる大衆作家だが、その通俗的ユーモア小説を松山がシナリオにしたがこの出来が酷くて、渋谷監督らしくオフビート感覚で盛・・・
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原作者の中野は「妻よ薔薇のやうに」などの映画で知られる大衆作家だが、その通俗的ユーモア小説を松山がシナリオにしたがこの出来が酷くて、渋谷監督らしくオフビート感覚で盛り上げようとするが全てが空回り・・・ 演技陣。笠は完全にミスキャストで失敗、岩下・川津の若手も微妙、他にも乙羽・北林・高峰・三木など芸達者が色々出てくるが効果はあまりない。ただ淡島の内助の功ぶりを発揮する妻役だけはよかった。
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[077]雲がちぎれる時
 凡作黒津 明二郎2012-07-11
 
高知の山間を走る乗り合いバス運転手と初恋の女性をめぐる、松竹お得意の古色蒼然としたメロドラマ。 五所監督は戦前こそ才人と云われていたが戦後は低迷していたので、期待は・・・
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高知の山間を走る乗り合いバス運転手と初恋の女性をめぐる、松竹お得意の古色蒼然としたメロドラマ。 五所監督は戦前こそ才人と云われていたが戦後は低迷していたので、期待はしてなかったが、やはりその出来栄えは頂けないものであった・・・新藤のシナリオも尺が短い割りに詰め込み過ぎで駆け足の展開になってしまい、感情移入ができなかった。 演技陣。佐田と有馬は及第点、倍賞が映画デビュー間もない頃とあってフレッシュ、仲代は日系アメリカ兵だがカタコト日本語を不器用に話し失笑。
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[078]ラストキング・オブ・スコットランド
 佳作黒津 明二郎2012-06-30
 
我が国では「あみん」なる女性デュオがいたが、それとはおよそかけ離れたオリジナルたる東アフリカはウガンダの独裁者アミンを描いた英国製サスペンスドラマ。 ただし、原作か・・・
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我が国では「あみん」なる女性デュオがいたが、それとはおよそかけ離れたオリジナルたる東アフリカはウガンダの独裁者アミンを描いた英国製サスペンスドラマ。 ただし、原作からしてそうなのだが主人公医師の設定を含め基本的に創作であることに留意する必要があり、その点そうした注意表記がなされないことにモラル面で制作陣に問題があろう。 ウガンダはかつてイギリスの植民地だっただけあって、公用語は英語だしキリスト教徒が多い国柄である。タイトルのスコットランドは主人公の出身地でもあるが、イングランドに対する屈折したライバル意識を持つことで知られており、ここにウガンダを合わせて二重の意味にしているようだ。また、アミン自身も植民地軍の炊事係から身を起こした叩き上げであり、当然イギリスという国家には色んな思いがあるはず。 ただ、ドキュメンタリー出身のマクドナルドはそこまでこだわって撮ったようには思えず、前半はアフリカに対する差別意識などそれなりに面白いが、後半は単なる「恐怖の非文明国」からの脱出記になってしまっている。それでも、マントルによる強烈な色彩の現地ロケ映像は見応えがあり退屈はしない。 演技陣。ウィッテカーは抑えた演技ながら内面の狂気を感じさせて秀逸だし、マカボイが軟派な医者を好演。
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[079]悪の花園
 凡作黒津 明二郎2012-06-24
 
4ch磁気ステレオ方式のシネスコ西部劇で、前半は観光案内風にカリフォルニアの大自然の中を行く一行を描くが、後半は妙な心理劇調になってしまう。全体的に盛り上がりに欠け・・・
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4ch磁気ステレオ方式のシネスコ西部劇で、前半は観光案内風にカリフォルニアの大自然の中を行く一行を描くが、後半は妙な心理劇調になってしまう。全体的に盛り上がりに欠けており、ベテランの職人ハサウェイに製作はビリーワイルダーとのコラボで知られるブラケットそれにキャストも揃ってるのだが、その割にはよろしくない。
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[080]幸福の黄色いハンカチ
 秀作黒津 明二郎2012-06-23
 
山田作品の系列としては、「家族」をエンタメ方面に振った感じのロードムービー。 ストーリー的にはよくあるヒューマンドラマ風味で単純に面白いけど特筆するべき箇所はないし・・・
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山田作品の系列としては、「家族」をエンタメ方面に振った感じのロードムービー。 ストーリー的にはよくあるヒューマンドラマ風味で単純に面白いけど特筆するべき箇所はないし、演出的にはドキュメントタッチで70年代半ばの北海道をスケッチしたりと手堅くまとめてある。 やはり、高倉・武田・桃井という個性の強いトリオのアンサンブル演技が最大の見所であろう。東映の任侠スターであった高倉が本作によって以後のドラマ路線を決定付けるわけだし、武田や桃井にしてもメジャーとして売れ出すキッカケとなった。
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[081]ヘアスプレー
 秀作黒津 明二郎2012-06-09
 
マイノリティーをテーマにしたジョンウォーターズ監督の同名作を、ブロードウェイミュージカルに仕立てたものを、さらに映画化した一品。 振付師から監督に進出した人としては・・・
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マイノリティーをテーマにしたジョンウォーターズ監督の同名作を、ブロードウェイミュージカルに仕立てたものを、さらに映画化した一品。 振付師から監督に進出した人としては、バスビーバークレーやスタンリードーネン最近ではロブマーシャルなどがいるが、本作のシャンクマンは質はともかく興行面においては大きな成功を収め続けてきた監督である。 というわけで、本作は豪華キャストで規模も大きいので、振り付けだけで手一杯になってしまった感じで物足りなさは一応ある。それでも、前述のキャスト陣やバゼリのカラフルな映像やグロップマンの美術などそれなりに見応えがあるし、ミュージカル独特の楽しさもちゃんと担保されており単純に楽しめることは請け合い。 また、劇中にも歌われているが、当時の「保守的」で「健全」な白人歌手のドリスデイじゃもう古い!やっぱ、時代はブラックなR&Bだろ!みたいな音楽史の変遷がテーマになっており、興味深いものがあるね。 さて、1962年という時代設定は、ケネディ暗殺やベトナム戦争以前ということであり、黒人暴動もまだ本格化しておらず、そういう意味でギリギリのタイミングであった。単純にノスタルジーを感じさせるテイストもあるわけだが、それも許される設定だったのだ。 演技陣。ブロンスキーの堂々とした演技は新人離れしているし、トラボルタの女装やファイファーの楽しそうな悪役っぷりやウォーケンのとぼけた味も素晴らしい。ラティファは今回地味な役回りであるが衣装は派手で存在感はやっぱあるね。あとは「ロリータ」的な感じのバインズも悪くない。それから、ウォーターズの前作でヒロインを演じたリッキーレイクがエージェント役でクライマックスシーンに出ている。
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[082]ロスト・ハイウェイ
 秀作黒津 明二郎2012-05-26
 
リンチお得意の不条理系描写をまぶした90年代のフィルムノワール。 前半は、ほぼ自宅の中のみで展開されるが、その室内のセットは禁欲的なまでに家具などが最小限に抑えられ生・・・
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リンチお得意の不条理系描写をまぶした90年代のフィルムノワール。 前半は、ほぼ自宅の中のみで展開されるが、その室内のセットは禁欲的なまでに家具などが最小限に抑えられ生活感がまるでない。セリフも少ないし地味に進行していくのだけど、この辺りの謎が謎をよぶミステリー感覚が素敵だ。 後半は、ギャングやポルノやセックスのオンパレードになりBGMも派手になってくるが、それでもそんなに過激な感じではないので、全体としてはスタイリッシュながら落ち着いたテイストの作品であろうか。 もちろん、ストーリー的には支離滅裂であるけど、それなりに因果関係を追っていくことはできそうな気もするね。 演技陣。プルマンとゲティは健闘、ロジアは悪役を楽しそうに熱演、ブレイクは子役時代に「飾窓の女」に出ていたがあのヒロインの名前もアリスであった。チョイ役で黒人コメディアンの草分けプライヤーが自動車修理工場の社長で出てるが、「カークラッシュ」では洗車場に勤めていたね。同じく修理工役のナンスは「イレイザーヘッド」の彼だが、本作が残念ながら遺作となった。変り種は、シーラ役のナターシャグレッグソンワグナーで、あのナタリーウッドとロバートワグナーの娘である。そして白眉は何といってもアークエットだろう。三人の男たちから欲望の対象とされる彼女の体当たりの演技は凄い!
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[083]ハネムーン・キラーズ
 佳作黒津 明二郎2012-05-03
 
実際に起きた結婚詐欺殺人事件に材を取った、犯罪ドラマ。 独立プロによる低予算らしく、オールロケ、「ボーン」トリロジーで有名なウッドの手持ちキャメラによる露出オーバー・・・
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実際に起きた結婚詐欺殺人事件に材を取った、犯罪ドラマ。 独立プロによる低予算らしく、オールロケ、「ボーン」トリロジーで有名なウッドの手持ちキャメラによる露出オーバー気味のアップ多用、アバウトな編集などセミプロ的なテイストが漂うが、何といってもカッスル監督は本業がオペラ作曲家で監督作はこれ一本のみというのがハイライトか。そういうわけで音楽はマーラーを大々的に導入している。 モノクロで淡々と描かれていく犯罪道中記は即興感覚にあふれ、いかにもニューシネマ期の産物という感じだが、主役のアベックの心理描写が希薄なのは頂けない。 演技陣。ストーラーは、演技と体型はともかく実物よりもキツイ容姿が何とも凄い。大抵は実物よりも綺麗な女優を使うものだが、なぜ彼女を起用したのか?確かにインパクトはあるけど、ビアンコの色男ぶりが良かっただけに、彼があそこまで彼女に惹かれる説得性に欠ける。あとは、保守的で愛国歌を能天気に歌ったり、軽薄で肉食系のオバちゃんに扮した女優さん達それぞれ好演している。
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[084]グレンとグレンダ
 愚作黒津 明二郎2012-05-03
 
「エドウッド」の元ネタとしてしか価値のない典型的ゴミ映画。 基本的に、男の‘女装‘に対する社会学的考察(笑)を教育映画風に綴ったものと一応は云える。だが、そこに怪奇映・・・
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「エドウッド」の元ネタとしてしか価値のない典型的ゴミ映画。 基本的に、男の‘女装‘に対する社会学的考察(笑)を教育映画風に綴ったものと一応は云える。だが、そこに怪奇映画としてのラッピングを施そうとして、往年の怪奇スターであるベラルゴシを担ぎ出し狂言回しに使ってるが、その部分が機能しないばかりか、かえってぶち壊しにしてしまってるのが何とも辛すぎる。ま、他にも、意味不明なシーンや同じ映像の繰り返しや超低予算丸出しの貧弱なシークエンスがダラダラと映し出されていくので、1時間強の上映時間とは思えない濃厚で退屈な体験を味わえよう(笑)
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[085]泥の河
 傑作黒津 明二郎2012-04-30
 
監督デビュー作とは思えない達成度を示す、1980年代日本映画の代表的ドラマ。 本作は独立プロの制作で公開も当初は自主配給だったらしいが、そうとなればかなりの低予算という・・・
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監督デビュー作とは思えない達成度を示す、1980年代日本映画の代表的ドラマ。 本作は独立プロの制作で公開も当初は自主配給だったらしいが、そうとなればかなりの低予算ということになる。ところが、これが実に昭和30年代初頭の雰囲気を映像で表現させることに成功している。 それは、まず川べりを挟んだ安食堂と艀という舞台設定の妙が大きく寄与しているわけだが、日活ロマンポルノで腕を鳴らした安藤庄平のモノクロ撮影や元・大映のベテラン内藤の美術の功績も見逃せない。宮本の原作を丁寧にシナリオ化した「金八先生」で有名な重森も素晴らしいし、もちろん小栗監督の成瀬巳喜男ばりに風格のある演出もいい。 ただ多少、戦争を強調しすぎたキライがあることも事実である。あとは、カニの‘処刑‘は動物保護の観点からいって問題なきにしもあらずか。 演技陣。田村と藤田の夫婦コンビは満点級の相性の良さで文句なし!3人の子役の自然体の演技は、監督の指導による所も大きいのだろうが上手いね。脇を固める芦屋と加賀も好演だ。
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[086]トロピック・サンダー/史上最低の作戦
 凡作黒津 明二郎2012-04-28
 
1億ドル近くをかけて作った、オバカ戦争コメディ。 製作監督脚本も兼ねる米コメディ界の「マイケルベイ」ことスティラーには、ビッグバジェットをかけてこんな知能指数の低い作・・・
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1億ドル近くをかけて作った、オバカ戦争コメディ。 製作監督脚本も兼ねる米コメディ界の「マイケルベイ」ことスティラーには、ビッグバジェットをかけてこんな知能指数の低い作品を作るだけの実力が、かの国にはあるのだね。「地獄の黙示録」を始めとした戦争映画のパロディやハリウッド批判に、名手トールのキャメラ、充実したキャストたちと、お膳立ては整ってるのだが、いかんせん全体を貫くテーマが見えないのだ。 思いつきで作ったようなセリフも多いし、グロや人種差別描写もブラックユーモアとしてあまり機能せず後味がよくない所も散見される。この設定なら、低予算のB級映画として例えば「食人族」みたいにやった方が現実的で面白かったろう。 演技陣。スティラー・ブラック・ダウニーのトリオは皆それぞれ好きな役者なのだが、クルーズの怪演には負けるな。
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[087]赤と黒
 駄作黒津 明二郎2012-04-22
 
フランス文学の代表的な古典を、無謀にも映画化した一大エピックロマン。 とりあえずフランス映画の名匠とされているララ監督ではあるが、3時間の長尺とはいえ、大部な原作を消・・・
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フランス文学の代表的な古典を、無謀にも映画化した一大エピックロマン。 とりあえずフランス映画の名匠とされているララ監督ではあるが、3時間の長尺とはいえ、大部な原作を消化できるはずもなく、ただの‘絵解き物‘にするのが精一杯だったようだ。美術もいかにもスタジオセットな感じだし、映像も室内シーンでは19世紀らしからぬ舞台然とした明るさで興ざめである。 演技陣。ジェラールとダニエルは確かに演技自体は悪くないが、やはり原作に描写された年齢と合ってない。
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[088]結婚期
 まあまあ黒津 明二郎2012-04-11
 
公園建設に意欲を燃やす都庁の青年役人と、それを取り巻く女性たちのロマンスを軽快に綴るラブコメディ。 鶴田のプロダクション‘クレインズクラブ‘で制作された映画だが、スタ・・・
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公園建設に意欲を燃やす都庁の青年役人と、それを取り巻く女性たちのロマンスを軽快に綴るラブコメディ。 鶴田のプロダクション‘クレインズクラブ‘で制作された映画だが、スタッフ陣の大部分は新東宝で占められており、おそらく撮影スタジオも新東宝でやったものと思われる。クライマックスの台風シーンだけ金がかかってそうだが、後はとるに足らぬ典型的プログラムピクチャーである。 だが、公園を作るため、予定地にいるバラックの戦災者たちを立ち退かせようとする下りなどは、戦後約10年を経てもまだ戦争の影は完全に払拭していないことを示したり、草創期のTV収録の様子が描かれるなど、それほど退屈はしない。タイアップの歌唱シーンの多さには辟易だが。 監督は、新東宝を皮切りに日活・東宝・大映・東映・松竹と全ての邦画メジャーを渡り歩き、果てには香港ショウ・ブラザースにまで出張した職人の中の職人である井上。 演技陣。鶴田はミスキャスト、有馬はTVアナ役でそのモダンな美貌に眼福だが、儲け役はやはりコメディリリーフの芸者役岡田であろう。
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[089]ゴジラ
 佳作黒津 明二郎2012-03-24
 
いわずと知れた、我が国最初にして最高峰とされる東宝謹製の怪獣映画だ。 戦後10年になろうとする当時、原水爆の恐怖や空襲の記憶がまだ覚めやらぬ感覚が、本作のテーマに擬縮・・・
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いわずと知れた、我が国最初にして最高峰とされる東宝謹製の怪獣映画だ。 戦後10年になろうとする当時、原水爆の恐怖や空襲の記憶がまだ覚めやらぬ感覚が、本作のテーマに擬縮されているのだろう。 それはわかるのだが、本多による細部の演出がどうもイマイチで興ざめしてしまう。合成を多用した複雑な撮影にも関わらず、撮影期間が短かったようだから、仕方なかったのだろう。ま、それを補って余りあるのがメインディッシュたる円谷の特撮であり、伊福部の名スコアであったりするのだが。また、翌年公開された、本多とは助監督時代からの付き合いの黒沢明「生きものの記録」と合わせて見ると面白いかもね。 後は、鉄塔から生中継するアナウンサーが逃げもせずに、「皆さんサヨナラー!」と絶叫してゴジラに鉄塔もろとも破壊されてしまうシーンは笑えたな。 演技陣。志村は健闘だが、河内と宝田は新人でやむを得ないとはいえ下手である。出番はわずかだが、男勝りで野次を飛ばす議員役の菅井がいい。
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[090]あなた買います
 まあまあ黒津 明二郎2012-03-20
 
巨額の札束が舞う、プロ野球のスカウト合戦を描いた社会派ドラマ。 話題になってる巨人の契約金問題でまさにタイムリーなテーマを扱っているのだが、序盤こそ軽快にテンポよく・・・
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巨額の札束が舞う、プロ野球のスカウト合戦を描いた社会派ドラマ。 話題になってる巨人の契約金問題でまさにタイムリーなテーマを扱っているのだが、序盤こそ軽快にテンポよく進んでいくものの、中盤からは恋人など余計な人物やエピソードで鈍重な展開にもたついて失速してしまうのがイタイ。 小林監督と松山脚本は木下恵介の門下生で、「人間の条件」連作など数々のコラボをしているが、本作の場合少し真面目過ぎたのがいけなかったと思う。完全にブラックコメディにすればよかったのだが、保守的な松竹のメインストリームを歩む彼らでは無理な注文か。そして、小津安二郎組の厚田による重厚なキャメラはよかった。 演技陣。佐田は善と悪に揺れる主人公役を過不足なく好演、伊藤もいつもながら腹に一物ある怪しいキャラを怪演、岸や大木は型通りにこなしている。
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