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 「呑気呆亭」さんのコメント一覧 登録数(728件)rss
 コメント題投稿者投稿日
[061]天国の門
 インテリ呑気呆亭 (Mail)2015-07-17
 
ハ−バ−ド大学卒業式でのダンスパ−ティの壮麗な描写と、ドラマの半ばでの移民たちのロ−ラ―スケ−トなども出てくるダンスパ−ティなど、いかにもチミノ監督らしい描写を楽しみなが・・・
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ハ−バ−ド大学卒業式でのダンスパ−ティの壮麗な描写と、ドラマの半ばでの移民たちのロ−ラ―スケ−トなども出てくるダンスパ−ティなど、いかにもチミノ監督らしい描写を楽しみながらも、はて、この壮大なスケ−ルは何のためかと思い始める。特に冒頭の卒業式のシ−ンで卒業生代表として演説をしたア−ビン(ハ−ト)は、エイブラル(クリストファ−ソン)とともにこれから始まる物語の重要人物の一人であると思われるのに、その後ろくな働きもせず移民たちと牧場主側との消耗戦のなかで右往左往するだけのキャラクタ−とされているのは、インテリというものの根本的な弱さを露呈させる意図があったのだろうが、それが少しもドラマに深味を与える要素になっていないのは、明らかに脚本段階での失敗だったろう。エイブラルにしても同じ優柔不断さを性格の底に抱えているが、決戦の場でロ−マ方式という戦術編み出すあたりで漸くインテリの存在する意味を見せてくれる。それにしてもこの戦いは何という無駄な殺し合いであったことか。
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[062]普通の人々
 シャツ呑気呆亭 (Mail)2015-07-09
 【ネタバレ注意】
主人公三人の緊張に満ちた関係をリアルに演じた俳優さんたちに賛辞を送りたい。実に丁寧に家族間の心理が描写されているので、重いテ−マであるが見守る観客を飽きさせない。レ・・・
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主人公三人の緊張に満ちた関係をリアルに演じた俳優さんたちに賛辞を送りたい。実に丁寧に家族間の心理が描写されているので、重いテ−マであるが見守る観客を飽きさせない。レッドフォ−ドという人の才能の確かさを感じさせられた。しかし、ラストに近く、精神科医の励ましと唯一自分を理解し好んでくれる女の子の存在を得て回復に向かおうとした次男が、その昂揚する心を抱えて家に帰り、こだわりを越えて母に頬を寄せるシ−ンでは感動したのだったが、せっかくこの家族に安らかな生活が戻るかも知れぬと思わせておいて、その表情が和んだ母に、サザ−ランドの父親が長男の葬儀の時に喪服にはブル−のシャツは着るべきではないと言った妻の冷静さへの違和感を表白してしまって、夫婦は破局を迎えることとなる。妻は去り、残された父と息子が抱き合ってその喪失感に耐えるシ−ンで終ってしまうのには、何でだよといいたくなる違和感が残ったのだった。
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[063]歌っているのはだれ?
 ジプシ−の兄弟の歌呑気呆亭 (Mail)2015-07-09
 【ネタバレ注意】
ジプシ−の兄弟が唄う歌から物語が始まり、弟の弾く口琴のリズムに乗って木炭バスが野道を延々と行く。その音楽と映像のリズムがコミカルで好ましい。しかしその野道は戦場に向・・・
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ジプシ−の兄弟が唄う歌から物語が始まり、弟の弾く口琴のリズムに乗って木炭バスが野道を延々と行く。その音楽と映像のリズムがコミカルで好ましい。しかしその野道は戦場に向かう道であって、バスの乗客たちの中にも差別と偏見があり、決してのどかなだけのドラマではない。それを一気に気付かされるのが衝撃的なラスト・シ−ンであって、物語は兄弟の唄う歌によって終わりを告げるのだった。
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[064]エイリアン
 細部へのこだわり呑気呆亭 (Mail)2015-07-09
 
録画してあった吹き替え版で見て、エイリアンを探しに通風口に潜り込んだ船長のその後が一向に描かれていないのと、リプリ−によって宇宙に吐きだされロケット噴射で焼き殺され・・・
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録画してあった吹き替え版で見て、エイリアンを探しに通風口に潜り込んだ船長のその後が一向に描かれていないのと、リプリ−によって宇宙に吐きだされロケット噴射で焼き殺されたはずのエイリアンが、何故「エイリアン2」で甦ったのかが、当時リアルタイムで観た時の記憶が定かでなく気になって、「エイリアン/ディレクターズ・カット」を購入して観てしまった。船長のこととは納得出来たのだが、その後のエイリアンとのリプリ−の戦いが気になって、とうとうレンタルで2、3、4まで借り出して見てしまったのだった。リドリ−・スコットという演出者の良さは細部へのこだわりにあり、'82年の「ブレ−ド・ランナ−」ではハリソン・フォード演ずるデッカ−ドが元の上司に呼び付けられるシ−ンで、クレ−ンで持ち上がったキャメラがその部屋の屋上に積もった埃を写し出していたことに驚嘆したのだったが、先行するこの作品でも長編映画初演出にもかかわらずそのこだわりを貫いていたことを、この「ディレクタ−ズカット」で知ることが出来た。下の「陸将」さんの素晴らしい分析に納得!
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[065]ウィンドウォーカー
 風葬呑気呆亭 (Mail)2015-07-09
 
はっきり確認できたわけではないが、劇中のインディアンたちが英語ではなく赤人の言語を使っているように思えた。それが景色の美しさとともにこの詩的な物語にリアルな深味を与・・・
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はっきり確認できたわけではないが、劇中のインディアンたちが英語ではなく赤人の言語を使っているように思えた。それが景色の美しさとともにこの詩的な物語にリアルな深味を与えているように思ったのだった。亡くなった老戦士を風葬にして去って行く家族たちの姿が印象に残る。
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[066]ノスフェラトゥ
 噴飯物呑気呆亭 (Mail)2015-07-09
 
\'31年の「魔人ドラキュラ」に比べると話がご都合主義で、キンスキ−は確かに怖いしアジャ−ニも美しいが、ドラキュラ伯爵が間抜けにもわざわざ船を調達して棺桶に収まり、引っ越・・・
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\'31年の「魔人ドラキュラ」に比べると話がご都合主義で、キンスキ−は確かに怖いしアジャ−ニも美しいが、ドラキュラ伯爵が間抜けにもわざわざ船を調達して棺桶に収まり、引っ越し先を探しに行くなどという筋立ては、原作に有るのかどうか知らぬが噴飯物である。
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[067]帰郷
 父親似?呑気呆亭 (Mail)2015-07-09
 
ジェ−ン・フォンダという女優さんはどの映画に出てもジェ−ン・フォンダであることが面白い。ベトナム出征の夫の階級は中尉だったからいわば彼女はエリ−トの妻である。とうぜん・・・
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ジェ−ン・フォンダという女優さんはどの映画に出てもジェ−ン・フォンダであることが面白い。ベトナム出征の夫の階級は中尉だったからいわば彼女はエリ−トの妻である。とうぜん生活に苦労はなくマッチョな夫の帰還にも一向に不安を覚えていないように見える。このカマトト夫人が一寸した思い付きでボランティアで傷病兵看護の手伝いをするようになる。病院で戦争で両脚を失って絶望し荒れ狂う同級生に再会し、そのことで戦争のリアルな現実に直面し、戸惑いつつ次第に変わってゆくさまを、いつものように彼女特有のふくれっ面で演じてゆく。こうした変容を演じると彼女のカマトトぶりが光るのは\'89年「私が愛したグリンゴ」にも通じる一種の持ち味であるようだ。どの映画に出てもジェ−ン・フォンダであるというのは父親のヘンリ−・フォンダに似ているのかも知れない。
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[068]トム・ホーン
 ランダル銃とバッファロー・ガン呑気呆亭 (Mail)2015-07-09
 
マックイ−ン最後の西部劇とか。思えば我々が彼を知ったのはテレビの「拳銃無宿」であった。放映は\'58年〜61年までとのことだから、ボクラがテレビ画面上でジョッシュ・ランダ・・・
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マックイ−ン最後の西部劇とか。思えば我々が彼を知ったのはテレビの「拳銃無宿」であった。放映は\'58年〜61年までとのことだから、ボクラがテレビ画面上でジョッシュ・ランダルという一風変わった性格の賞金稼ぎに出会ったのは13歳頃のことだったわけだ。彼が腰に帯びていた変わった銃にボクラの目はたちまち惹きつけられ、お尋ね者をその生死を問わず賞金目当てに狩るジョッシュ・ランダルの特異な物語(30分番組)を毎週待ちかねるようになったのだった。彼の持つ銃はウインチェスターライフルの銃身と銃床を切り詰めレバ−をル−プレバ−にした改造銃で、腰に特殊な金具で装着され、射撃時には左手で銃身を握りル−プレバ−を動かして発射する。これを日本では「ランダル銃」と名付けたりした。そして、この作品をきっかけにマックイ−ンは映画に進出し「荒野の七人」でランダルに似たキャラクタ−を演じてスタ−になったのだった。そのマックイ−ンが最後に出演したこの映画の中で使用したのが、この「ランダル銃」とは対照的なウインチェスタ−M1878という長大な銃身を持つ“バッファロ−・ガン”であったことが面白い。身長の低いマックイ−ンがM1878を構えるといかにも特異で、この主人公トム・ホ−ンという男の頑固一徹に生きてきた不器用な生涯が、マックイ−ン自身のそれに重なって思われるのである。
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[069]アメリカの友人
 噴飯モノ呑気呆亭 (Mail)2015-06-28
 
白血病で死の不安に生きているハンブルグの額縁職人ヨナタン、という設定がそもそもありきたりで、それを利用して殺し屋に仕立てるという筋立ては噴飯モノというしかない。発端・・・
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白血病で死の不安に生きているハンブルグの額縁職人ヨナタン、という設定がそもそもありきたりで、それを利用して殺し屋に仕立てるという筋立ては噴飯モノというしかない。発端の画の競売シーンで自身が出品した絵を贋作と見抜き、歯に衣着せぬ物言いをするヨナタンに興味を抱き、彼の額縁職人としての腕に触れ、自らの詐欺師という職業への反転として倒錯的な友情を抱くに至るリプレ−の気持ちは理解できるのだから、こんな無理な設定を捨ててもっと地道な物語をヴェンダースは紡ぐべきだったのではないだろうか。
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[070]天守物語
 何のために・・・呑気呆亭 (Mail)2015-06-24
 
宮沢りえが玉三郎にからむシ−ンは歌舞伎をそのままキャメラに写しただけの演出で、映画的なモノが少しも感じられない。宍戸開の若侍が登場するころから漸くダイナミックな展開・・・
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宮沢りえが玉三郎にからむシ−ンは歌舞伎をそのままキャメラに写しただけの演出で、映画的なモノが少しも感じられない。宍戸開の若侍が登場するころから漸くダイナミックな展開が見られるのだが、いかにも歌舞伎をそのまま移しただけの物語であって、何のためにこの原作を映画化したのか頷けないのだった。
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[071]華の乱
 吉永小百合=ジュン呑気呆亭 (Mail)2015-06-24
 
永畑道子氏の『華の乱』と『夢の架け橋』を巧妙に綴れ合わせて深作欣二は大正という時代のロマンチシズムを美しく映像化して見せてくれた。キャステイングも魅力的でそれぞれの・・・
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永畑道子氏の『華の乱』と『夢の架け橋』を巧妙に綴れ合わせて深作欣二は大正という時代のロマンチシズムを美しく映像化して見せてくれた。キャステイングも魅力的でそれぞれの誰もが知る登場人物の名と俳優さんのイメ−ジの齟齬あるいは重なりを楽しむことが出来た。中でも主演の与謝野晶子=吉永小百合、有島武郎=松田優作の二人には華があって、衣装を含めて映画を観ると云うことの快楽を味あわせてくれたのだった。特に吉永小百合は「キュ−ポラのある街」のジュン(これこそが彼女の原点であり回帰するべきキャラクタ−なのだが)が蘇ったかと思わせるほどの生き生きとした快演であった。その後、何故か常に皇族化(侵しがたいキャラクタ−)してしまいがちである彼女の芸歴を思うと、彼女が敬愛する田中絹代さんが「サンダカン六番館娼館」であからさまにして見せてくれた老醜の凄さをこれからの彼女が演じきれるのかという疑問と期待を持つのである。
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[072]AKIRA
 無い物ねだり呑気呆亭 (Mail)2015-06-24
 
大友克洋の何だかすごい漫画が「週刊ヤングマガジン」に連載されているという噂を聞いて、単行本の発売を待ちかねてその第一巻「鉄雄」を手にしたのが1984年の秋だった。357頁・・・
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大友克洋の何だかすごい漫画が「週刊ヤングマガジン」に連載されているという噂を聞いて、単行本の発売を待ちかねてその第一巻「鉄雄」を手にしたのが1984年の秋だった。357頁のずっしりと重い単行本を開き“一九八二年十二月六日午後二時十七分 関東地区に新型爆弾が使用された・・・”との冒頭の頁から一気に物語にのめり込みたちまち読み終えたことを鮮明に覚えている。その単行本はカミサンから長男・次男と回され、異口同音に発したのは“次の巻はいつ発売になるんだろうネ”という言葉だった。  それから毎年発売と同時に書店に駆け付け購入して、家長の権利として真っ先に息子たちの視線を背中に意識しながら、ことさら入念に読むと見せて焦らしたりしたのだった。最終巻を読み終える頃にはアニメ化の話が既に持ち上がっていて、1988年の公開時にはもちろん劇場に家族総出で出かけたものだった。  ラストの増殖する鉄雄のイメ−ジは圧倒的な迫力で動画で見ることの醍醐味を十分に味あわせてもらったのだが、大友克洋の漫画作品の魅力は物語のダイナミックな展開を追うことの快感はモチロンなのだが、画面のそこそこに克明に書き込まれた細部へのこだわり(落書きなど)を味わい尽すことにもあるので、動画にそれを要求することは出来ないために、見終えてやや不満足な感想を持ったのはむろん無い物ねだりということであったろう。
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[073]ディア・ハンター
 チャイニ−ズ・ボス呑気呆亭 (Mail)2015-06-11
 
公開当時、何故か千葉県松戸市の映画館まで観に出かけ、圧倒的な印象を受けて帰宅した。プロロ−グの溶鉱炉の炎が飛び散る製鉄所のシ−ンが強烈でたちまちドラマに引き込まれた。・・・
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公開当時、何故か千葉県松戸市の映画館まで観に出かけ、圧倒的な印象を受けて帰宅した。プロロ−グの溶鉱炉の炎が飛び散る製鉄所のシ−ンが強烈でたちまちドラマに引き込まれた。若者たちが何の疑いもなく汗を流す労働の価値を信じ、その労働の報酬を存分に使って酒を飲み鹿狩りをして生活を謳歌する様が生き生きと描かれ、その若者たちの中から屈強の3人が、アメリカという当時世界で最も強力で正義を行う(と信じた)国家に奉仕するために、何の疑いもなくベトナム戦線への徴兵に応じて旅立つのだが、その戦線には狩る者(ディア・ハンタ−)から狩られる者となる未知の地獄が待っていたのだった。当時はその名も知らなかった俳優たちの熱演に痺れたのだが、中でもメリル・ストリープという俳優さんは、最初の印象では何でこんなに地味な言ってしまえばブスを監督はヒロインに選んだのだろうかと思ったのだった。それが様々な場面に登場して変容して行く彼女を見ている内に次第にその魅力に惹き込まれてゆき、遂にはその内面から醸し出される美しさにノックアウトされ、以来熱烈なファンとなったのだった。 今回見直してみて、戦場に於けるアメリカ兵の残虐さは省略され、ベトコンのサディスティックばかりが強調されていることに違和感を覚えた。ベトコンとは即ち彼らにとっては東洋人一般を代表する者で、ラストのタイトルロ−ルには「チャイニ−ズ・ボス」などと記されていたのはそのことの現れではないかと思ったことだった。
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[074]ロング・ライダーズ
 ボウイナイフ呑気呆亭 (Mail)2015-06-10
 
兄弟役に兄弟を当てるというという、恐らくは原案のキ−チ兄弟の思い付きから始まったギャング団の結成が面白い。ただしキ−チ兄弟が演じたフランクとジェシ−のエピソ−ドよりも、・・・
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兄弟役に兄弟を当てるというという、恐らくは原案のキ−チ兄弟の思い付きから始まったギャング団の結成が面白い。ただしキ−チ兄弟が演じたフランクとジェシ−のエピソ−ドよりも、デビッド・キャラダインの酒場女とのエピソ−ドや、すべてに飽いたキャラダインがその女の情夫とボウイナイフを閃かせて命のやり取りをするシ−ンの迫力がすさまじく、男を殺さずにその太股にナイフを突き立てて去って行く男の格好良さに痺れたりしたのだった。
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[075]ジュリア
 リリアン=フォンダ呑気呆亭 (Mail)2015-06-10
 
ジェ-ン・フォンダが演じたのが原作者のリリアン・ヘルマンであること、そのリリアン・ヘルマンがワイラ−の「噂の二人」の作者でもあったことなどを思いながら、いつも変わらぬ・・・
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ジェ-ン・フォンダが演じたのが原作者のリリアン・ヘルマンであること、そのリリアン・ヘルマンがワイラ−の「噂の二人」の作者でもあったことなどを思いながら、いつも変わらぬジェ-ン・フォンダというどんな作品に出演してもジェ-ン・フォンダ以外ではないという俳優さんの微笑ましさに、彼女が出演した「私が愛したグリンゴ」のことなども思い出されて、苦笑しつつ鑑賞。ナチ政権下のベルリンにまったく政治的にはウブであったヘルマン=フォンダが、幼なじみで密かな愛の対象であったジュリアのために危険な役を引き受けて潜入し、ジュリアの仲間の庇護を受けながらアメリカ女特有の強気を大いに発揮して切り抜けるあたりは、メキシコ革命の動乱に巻き込まれる「私が愛したグリンゴ」に被さるところがあって面白かった。この経験がヘルマンという作家に筋金を入れて、戦後の冷戦下、1952年に米下院非米活動委員会に呼び出され、共産党加入者の友人の名前を尋ねられ“たとえ自分を守るためであったとしても、長年の友人を売り渡すのは、わたしにとっては、冷酷で、下品で、不名誉なことであると言わざるを得ない。わたしは、政治には興味がないし、いかなる政治的勢力の中にも自分の居場所を見出したことはないが、それでもわたしは、今の風潮に迎合して、良心を打ち捨てることを潔しとしない。”と声明を読み上げて、彼女自身ブラックリスト入りをしたエピソ−ドに見られる強さを与えたのではなかったかと思ったことだった。
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[076]ロッキー
 “神は細部に宿る”呑気呆亭 (Mail)2015-06-10
 【ネタバレ注意】
“神は細部に宿る”というが、チャンピオンアポロの対戦相手に選ばれるまでのロッキ−のしがないボクサ−崩れのチンピラとしての生活を克明に描いたこの脚本は、まさに細部を生き生・・・
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“神は細部に宿る”というが、チャンピオンアポロの対戦相手に選ばれるまでのロッキ−のしがないボクサ−崩れのチンピラとしての生活を克明に描いたこの脚本は、まさに細部を生き生きと描いていてとても三流役者の初(?)シナリオとは思えないリアリティがあった。この前半があったからこそクライマックスの感動があるのであって、そのチンピラボクサ−の相手役のヒロインに、まるでアメリカ的でない地味な容姿のタリア・シャイアを選んだキャステイングも、この作品成功の一因であったと思う。ラストラウンドを終えた二人が共に“リタ−ン・マッチなんかやるもんか”といって抱き合うシ−ンには笑えたし感動もさせられたのだった。
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[077]タクシードライバー
 見直すな!呑気呆亭 (Mail)2015-06-01
 
公開当時見た時の衝撃的な記憶が残っていて、改めてこの年になって見直してみるとデニ−ロの若かったことに驚く。前半は中々緊張感があって見応えがあったのだが、せっかく口説・・・
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公開当時見た時の衝撃的な記憶が残っていて、改めてこの年になって見直してみるとデニ−ロの若かったことに驚く。前半は中々緊張感があって見応えがあったのだが、せっかく口説き落としてデ−トした彼女をポルノ映画館に誘うという間抜けなことをして振られてしまう。それから元々少し狂っていた頭のネジが外れてしまってテロリストを指向するのだが、頭をモヒカン刈りに極めて乗り込んだ大統領候補の演説会では警備の厚さに気後れしてしまってスゴスゴと逃げ出す始末。結局正義派ぶって大して悪辣でもないチンピラギャングを殺してうっぷんを晴らすに至っては“なんじゃコリャ!”であった。見直すというのも考え物ではある。
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[078]アウトロー
 「家族」呑気呆亭 (Mail)2015-05-30
 【ネタバレ注意】
イ−ストウッドの監督作品中では最も好きな1作である。主人公ウェルズの造形も的確で、旅を続ける中でウェルズの回りに集まってくる連中(犬も含めて)の人物造形も、脚本の手柄・・・
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イ−ストウッドの監督作品中では最も好きな1作である。主人公ウェルズの造形も的確で、旅を続ける中でウェルズの回りに集まってくる連中(犬も含めて)の人物造形も、脚本の手柄も大きいと思うがユ−モア溢れる筆致で描かれており好感が持てる。特に傑作なのが彼を賞金首として付け狙うチ−フ・ダン・ジョ−ジとのやり取りで、インディアン女を中に挟んでの駆け引きと、その女を介在として最初の「家族」を意図せず形成してしまう顛末には笑わされた。その「家族」は次第に膨らんできて、助けた老婦人とその娘が息子の残してくれた牧場の家に落着くことになり、ここに奇妙でアナ−キ−な共同生活が始まって、殺伐とした復讐譚の後に何だかホッとさせられてしまったのだった。
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[079]がんばれ!ベアーズ
 ちょっぴり胸が膨らんで・・・呑気呆亭 (Mail)2015-05-29
 
「ペ−パ−・ム−ン」から3年、ちょっぴり胸が膨らんできたアマンダ(オニ−ル)の登場シ−ン、ハリウッドの道ばたで観光客にスタ−の住居を教える商売をして自活しているらしい。タ・・・
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「ペ−パ−・ム−ン」から3年、ちょっぴり胸が膨らんできたアマンダ(オニ−ル)の登場シ−ン、ハリウッドの道ばたで観光客にスタ−の住居を教える商売をして自活しているらしい。タンクトップのドレスのようなモノを着た彼女が魅力的である。その娘を例によって無理やり少年野球チ−ムに引きずり込むのがマッソ−。どうやらアマンダの母親とマッソ−は過去に色々あったようだが、生来の浮浪者的な性格から別れたもののようだ。野球チ−ムに加わったアマンダが最初に見せる投球が後方からのワンショットで撮られているので、その球筋と球速の早さに驚かされる。この投球では少年たちに打てるわけがないので、ベア−ズは連戦連勝するのだが、それでは物語が単調になってしまうので、演出のリッチ−はアマンダの肘を故障させてラストのドラマを盛り上げる。結末も気持ちの良い終わり方で楽しく見ることが出来た。
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[080]結婚詐欺師は殺さない
 見るに忍びない呑気呆亭 (Mail)2015-05-29
 
アンドレはやり手の投資カウンセラ−だが、富豪のハ−マンに莫大な損失を与え、取引を中止させられそうになる。金づるを逃したくないアンドレは、ベッド&ビジネス・パ−トナ−のス・・・
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アンドレはやり手の投資カウンセラ−だが、富豪のハ−マンに莫大な損失を与え、取引を中止させられそうになる。金づるを逃したくないアンドレは、ベッド&ビジネス・パ−トナ−のス−ザンをハ−マンと結婚させ、とりなしを頼む。ス−ザンには、ハ−マンのスキャンダルを流して、半年で離婚させると約束するアンドレだが、スキャンダルが持ち上がったのは彼の方だった。今や頼みの綱はス−ザンのみ。しかしス−ザンに近づいたとたん、謎の殺し屋に次々と襲われる。アンドレ、ス−ザン、ハ−マンがそれぞれの思惑を抱いて、愛と殺しのゲ−ムが始まる・・・。(VHSの解説) ◎コメディらしい題名が気に入ってVHSを購入したのだったが、物語の筋立てが分かりにくく、映像も暗い場面が多いので今一楽しめなかった。カレン・ブラックのヒロインは中々色っぽくてよろしいのだが、破産に瀕してやむなく恋人を富豪に差し出したアンドレを演ずるオマ−・シャリフは、いつもの格好良さがなく、殺し屋に追い回されるドタバタ騒動は、彼のファンとしては見るに忍びないモノがあった。
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[081]ザッツ・エンタテインメント
 “この頃世界は単純だったなぁ・・・”呑気呆亭 (Mail)2015-05-25
 
お馴染みのシ−ンの数々を楽しみながら、“この頃世界は単純だったなぁ・・・”と思ったことだった。アステアもケリ−も素晴らしい。だが見ている内に富める国アメリカの驕りが鼻に付・・・
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お馴染みのシ−ンの数々を楽しみながら、“この頃世界は単純だったなぁ・・・”と思ったことだった。アステアもケリ−も素晴らしい。だが見ている内に富める国アメリカの驕りが鼻に付いてきて、豪華なセットや衣装に反感さえ覚えるようになってしまった。戦後育ちで貧しかったボクらはTVに写し出される米国の家庭の豊かさに憧れたものだったが、豊になったボクらは裏返しの憧れの眼差しを想像することをしないのである。
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[082]拳銃のバラード
 片手でウインチエスタ−は無理呑気呆亭 (Mail)2015-05-25
 
安かったのとカバ−写真が良かったので購入したDVDで視聴。物語はご都合主義なところが目立ち、拳銃とウインチエスタ−の扱い方も頷けなかった。拳銃は撃鉄をきちんと起こして発・・・
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安かったのとカバ−写真が良かったので購入したDVDで視聴。物語はご都合主義なところが目立ち、拳銃とウインチエスタ−の扱い方も頷けなかった。拳銃は撃鉄をきちんと起こして発砲していなかったようだし、悪党兄弟の兄ベド−ジャが片手でウインチエスタ−を操作する際に、薬莢を排出させるのにジョン・ウエインのように回転させるのではなく、水平にエジェクタ−を動かしていたのはいかにも無理があって、見た目も面白くなかった。ヒロイン役の女性も今一であった。
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[083]戦争のはらわた
 マクシミリアン・シェル呑気呆亭 (Mail)2015-05-25
 
公開時劇場で見たときは思わなかったのだが、戦闘シ−ンで敵(ロシア兵)と味方(ドイツ兵)の区別が判然とせず、なにやらゴチャゴチャに殺し合っているような感じがあって、ス・・・
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公開時劇場で見たときは思わなかったのだが、戦闘シ−ンで敵(ロシア兵)と味方(ドイツ兵)の区別が判然とせず、なにやらゴチャゴチャに殺し合っているような感じがあって、スタイナ−伍長の活躍にも今一感情移入出来なかった。良心派の将校デヴィッド・ワ−ナ−の描写も持って回った感があって、指揮官のジェ−ムズ・メイスンが彼の才能を惜しんで戦線から離脱させる設定も大した感銘を与えなかった。唯一宜しかったのが貴族階級出身故に、是が非でも「鉄十字章」を得て故郷に戻らなければならないという宿命に突き動かされる中隊長役のマクシミリアン・シェルであった。こうした屈折した性格の役柄を演じるとまさにハマリ役、ラストのスタイナ−伍長との狂気の突撃はなによりも素晴らしく、それまでのモヤモヤを吹き飛ばしてくれたのだった。
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[084]大いなる決闘
 センチメンタルな復讐心呑気呆亭 (Mail)2015-05-25
 
ジェ−ムズ・コバ−ンという役者はどこか突き抜けたところがあって、その個性が最良に発揮されたのが\'71年の「夕陽のギャングたち」であった。この作品のコバ−ンにはその突き抜・・・
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ジェ−ムズ・コバ−ンという役者はどこか突き抜けたところがあって、その個性が最良に発揮されたのが\'71年の「夕陽のギャングたち」であった。この作品のコバ−ンにはその突き抜けてところがなく、恋人の仇の保安官をただ殺すだけではなく、その手で切り刻まなければ止まないという、センチメンタルな復讐心に駆られる故に行動の自在を失ってしまっている。こんな役柄に我らがコバ−ンを使わないで欲しかった。
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[085]レンブラント
 惜しい空回り呑気呆亭 (Mail)2015-05-25
 
レンブラントの原画に画面と役者を似させようとすることだけに情熱を注いだ感があって、ドラマとしての書き込みと描写が足りず、折角の画像の美しさが空回りしてしまった。
  
 
[086]チャイナタウン
 「新橋文化劇場」呑気呆亭 (Mail)2015-05-25
 
ギテス(ニコルソン)の鼻をナイフで切り裂く気持ちの悪い存在感の小男がポランスキ−だと知って驚いた。出てくる役者さんたちがそれぞれに独特の存在感を発散するので、物語の・・・
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ギテス(ニコルソン)の鼻をナイフで切り裂く気持ちの悪い存在感の小男がポランスキ−だと知って驚いた。出てくる役者さんたちがそれぞれに独特の存在感を発散するので、物語の進行を追いながら映画を観るという醍醐味をタップリ味わうことが出来た。以前にも書いたことだが、この映画と「さらば愛しき女よ」を、今はなくなってしまったあの「新橋文化劇場」で観ることが出来たらなあと切に思ったことだった。
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[087]1000年刻みの日時計 牧野村物語
 突き抜けた境地呑気呆亭 (Mail)2015-05-16
 
冷気に晒される稲が如何にして開花し受粉するのかという課程を捉えた映像のサスペンスと、村に伝わる民話をプロの舞踏家や役者さんを起用して映像にした部分のユ−モラスな味わ・・・
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冷気に晒される稲が如何にして開花し受粉するのかという課程を捉えた映像のサスペンスと、村に伝わる民話をプロの舞踏家や役者さんを起用して映像にした部分のユ−モラスな味わいが渾然と一体になって、これまで連綿として正統なドキメンタリ−を撮ってきた小川プロが、遂にどこか突き抜けた境地を獲得してしまったかのような印象を覚えた。それはまるで「1000年刻みの日時計」として表象されるゆったりとした民衆の歴史が生み出してきた猥雑なユ−モアを、三里塚から営々として続けて来た小川プロの闘いが期せずして獲得してしまったということなのではなかろうか。
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[088]会社物語 MEMORIES OF YOU
 「アッと驚く為五郎!」呑気呆亭 (Mail)2015-05-16
 
日常生活では会話というモノは互いにそれほど鮮明に聞き取り合っているものではない。それなら映画や演劇の台詞が観客にとって鮮明である必要はないだろうと市川準は考えたのか・・・
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日常生活では会話というモノは互いにそれほど鮮明に聞き取り合っているものではない。それなら映画や演劇の台詞が観客にとって鮮明である必要はないだろうと市川準は考えたのか。なるほどそれはそうなのだが、時に聞き取り難い台詞と不鮮明な映像で綴られるこの映画は、「定年を間近に控えた地味な中年サラリ−マンの悲哀を」演ずるハナ肇の演技がリアルで有るだけに見続けることが辛くなる。唯一鮮明な印象を残したのが、彼が仄かな想いを抱く部下のOL・西山由美を悲しませた相手の男を交差点ですれ違いざまに頭を掴んでなぎ倒す「アッと驚く為五郎!」のシ−ンであった。
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[089]BU・SU
 麦子のカット呑気呆亭 (Mail)2015-05-10
 
ドラマの筋とは一見関係がないとおもわれるカットをさりげなく挿入するセンスは、レオス・カラックスなどにも印象的に見られるのだが、市川準という演出者にもそれが生得的に備・・・
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ドラマの筋とは一見関係がないとおもわれるカットをさりげなく挿入するセンスは、レオス・カラックスなどにも印象的に見られるのだが、市川準という演出者にもそれが生得的に備わっているようだ。隅田川のほとりで独り舞いの手をお復習いする麦子のカットの衝撃はまさに映画的なるモノの実現というしかない。このカットが有ることでこの作品は永続的な価値を持ち続けることだろう。
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[090]さらば愛しき女よ
 「新橋文化劇場」呑気呆亭 (Mail)2015-05-10
 
けだるい音楽と共にけだるいドラマがけだるい俳優によって演じられるのだが、それが実に好いときては、他のマ−ロウを演じた俳優たちが“それって反則だろ!”と叫び出すんじゃな・・・
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けだるい音楽と共にけだるいドラマがけだるい俳優によって演じられるのだが、それが実に好いときては、他のマ−ロウを演じた俳優たちが“それって反則だろ!”と叫び出すんじゃないか、っていうのは冗談だが、これとポランスキ−の「チャイナタウン」を二本立てで、今はなくなってしまったあの「新橋文化劇場」で観られたら、それこそB級映画ファンにとっての至福の時間を味わえただろうと思ったことだった。
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