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 「呑気呆亭」さんのコメント一覧 登録数(728件)rss
 コメント題投稿者投稿日
[121]夕陽のギャングたち
 裏切りの落とし前呑気呆亭 (Mail)2015-03-08
 
アイルランド独立のために戦った闘士ジョン・マロリ−(ジェ−ムズ・コバ−ン)には親友に裏切られたという苦い思い出がある。アイルランドを逃れて革命の動乱に沸くメキシコに流・・・
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アイルランド独立のために戦った闘士ジョン・マロリ−(ジェ−ムズ・コバ−ン)には親友に裏切られたという苦い思い出がある。アイルランドを逃れて革命の動乱に沸くメキシコに流れてきて、得意の爆破技術を革命のために使おうとするのだが、ここでもやはり組織の指導者である博士(ロモロ・バリ)の裏切りに遇う。政府軍に囚われた博士は拷問に耐えきれずに地下組織のメンバ−の名を漏らしてしまう。裏切った親友は自らの手で射殺したマロリ−だったが、この博士には政府軍の兵士を満載した列車に爆弾を積んだ機関車を正面衝突させるために、石炭をくべる役を与えることで落とし前を付けさせる。悔悟のために暗かった博士の顔にその一瞬光が差して、博士は機関車と共に死ぬことを選び見事に散っていったのだった。
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[122]砂漠の流れ者
 タイトルバック呑気呆亭 (Mail)2015-03-08
 
\'69年に公開された「ワイルド・バンチ」を翌年の6月頃に東京・飯田橋のギンレイ・ホ−ルという二番館で観て衝撃を受け、満を持してといった感じでこの作品を観るためにカミサン・・・
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\'69年に公開された「ワイルド・バンチ」を翌年の6月頃に東京・飯田橋のギンレイ・ホ−ルという二番館で観て衝撃を受け、満を持してといった感じでこの作品を観るためにカミサンと二人で封切館に向かったことを覚えている。前作を見てのことであるから当然この題名からしてアクション映画を予期していたのだが、いきなりタイトルバックからして見事にその期待を裏切られた。何もかも奪われて砂漠に遺棄されたケ−ブル・ホ−グは半死半生で荒野を彷徨い歩く。流れるバラ−ドとホ−グの運命を罵る呟きを交互に織り交ぜながら、心地良いリズムのカットバックでタイトルバックが構成される。このタイトルバックの見事さは「ワイルド・バンチ」の導入部の処理とも共通していて、撮影のルシアン・バラ−ドの映像と編集のル−・ロンバルドとこの作品で編集に加わったフランク・サンティロの手柄であると思う。とくにこの映画ではホ−グとヒルディの出会いにもカットバックが多用されていて、恐らくペキンパ−もロンバルドやサンティロとともに大いにこの遊びを楽しんだことだろうと思われる。この導入部ですっかりしてやられて、髭面のホ−グと娼婦ヒルディと牧師ジョシュアとが荒野に織り成す寓話を、時に笑い時に涙しながらラストまで気持ち良く楽しんだのだった。
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[123]ダーティハリー
 残弾呑気呆亭 (Mail)2015-03-05
 
ハリ−が昼食のホットドッグをもぐもぐやりながら、たまたま遭遇した銀行ギャングをでっかいフォ−ティフォ−・マグナムをぶっ放してやっつけるエピソ−ドが巧みな伏線として挿入さ・・・
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ハリ−が昼食のホットドッグをもぐもぐやりながら、たまたま遭遇した銀行ギャングをでっかいフォ−ティフォ−・マグナムをぶっ放してやっつけるエピソ−ドが巧みな伏線として挿入される。ここで描かれるのはハリー・キャラハンという刑事の果敢な性格と、マグナムに装填されている銃弾の残りが何発かという犯人との駆け引きである。ハリ−ほどの刑事が発砲した銃弾の数を数えていないはずはなく、しかし、我々観客はリアルタイムで見ながら発砲数を数えるほどのマニアックなヒトでは大半がないのだから、ラストの“さそり”との最後の対決のサスペンスがいやでも盛り上がるということになる。
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[124]ブラザー・サン シスター・ムーン
 法王よりも地区司祭呑気呆亭 (Mail)2015-03-05
 
後に聖人に列せられるアッシジのフランチェスコの若き日の回心の模様を、これでもかというばかりに美しい映像で描いて見せてくれるのだが、途中突然ミュ−ジカル風になったりす・・・
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後に聖人に列せられるアッシジのフランチェスコの若き日の回心の模様を、これでもかというばかりに美しい映像で描いて見せてくれるのだが、途中突然ミュ−ジカル風になったりするので、ついて行けなかった。個人的には法王役のアレック・ギネスよりも、アッシジの地区司祭を演じた役者さんの、教会権力と若い修道僧たちとの板挟みに遭いながらも、何処かフランチェスコたちの行動に同情心を秘めているような複雑な人物造形に感心したのだった。
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[125]男はつらいよ 旅と女と寅次郎
 “矢切の渡し”呑気呆亭 (Mail)2015-03-05
 
寅と新潟の港で会ったときの京はるみは疲れ切ったもう若くない女だったのが、佐渡島に渡って民宿に泊まり、風呂上がりに藍染めの浴衣を着て印象が一変する。寅に目をやりながら・・・
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寅と新潟の港で会ったときの京はるみは疲れ切ったもう若くない女だったのが、佐渡島に渡って民宿に泊まり、風呂上がりに藍染めの浴衣を着て印象が一変する。寅に目をやりながら横座りで盃の酒を含んで唄う“矢切の渡し”は艶やかな色気があって、さすがの寅に小さな目をむかせるほどのモノだった。都はるみのヒット曲を巧みに使いながら、山田洋次は達者な映画作りを見せてくれた。しかし、シリ−ズ31作ともなると渥美清も疲れたのか、いつもの破天荒な暴れ方を見せることがなかった。あるいはもうこの頃には大分病状が昂進していたものか。
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[126]必殺!III 裏か表か
 ”アタシャア腹は切りませんよ”呑気呆亭 (Mail)2015-02-23
 
真砂屋の策謀で追い詰められた中村同心が、奉行に“こんなことぐらいでアタシャア腹は切りませんよ”と言って短刀を押し戻したときのふてぶてしい面つきが何とも好い。そもそも権・・・
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真砂屋の策謀で追い詰められた中村同心が、奉行に“こんなことぐらいでアタシャア腹は切りませんよ”と言って短刀を押し戻したときのふてぶてしい面つきが何とも好い。そもそも権力・権威を振りかざす連中への嫌悪と叛骨が仕掛け人・主水の原点であるのだから、罠に掛かった己の甘さに舌打ちこそすれオメオメと既成の武士道というモラルに従う筈はなかったのだ。それにしても己のせいであたら若い娘が死を選んだことは主水にも相当に堪えたのだったが、その主水を普段は“昼行灯”と馬鹿にしている母上(菅井)とリツ(白木)が、こんな時こそ支えてやらねばとスキャンダルのことなどおくびにも出さず晴れ晴れしくその帰宅を迎えるシ−ンには、嬉しくなって思わず涙。それだけに娘の死が仕組まれたモノだと知ったときの主水の怒りは凄まじく、そのエネルギ−がラストの大殺陣に集約されていったのだった。加えて言っておきたいのは、この頃の松坂慶子の美しさである。ことにその白い首筋の艶めかしさと言ったらない。「必殺!」シリ−ズとしては主水の人間性を描いた出色の1作である。
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[127]惑星ソラリス
 “胡蝶の夢”呑気呆亭 (Mail)2015-02-21
 
冒頭の沼のシ−ンからして妖しく美しい映像が展開される。水・流れ・意識・記憶がこの作品のテ−マなのだろう。映像の隠喩は錯綜していて難解でありしかも娯楽性がある。展開され・・・
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冒頭の沼のシ−ンからして妖しく美しい映像が展開される。水・流れ・意識・記憶がこの作品のテ−マなのだろう。映像の隠喩は錯綜していて難解でありしかも娯楽性がある。展開されるドラマの背後に垣間見える“人間とは?”という問いかけが晦渋ではあるが何処か知的な興奮を覚えさせるので、若いころに見たときの退屈さと眠気を覚えることがなかった。ラストの映像は何度見ても衝撃的で実際に「ソラリスの海」を覗き込む感覚を観る者に覚えさせ、荘子の“胡蝶の夢”を思ったことだった。
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[128]夜霧のブルース
 二人のヒロイン呑気呆亭 (Mail)2015-02-19
 
裕チャン主演の映画にもしヒロイン浅丘ルリ子の存在がなかったら、石原裕次郎があれほどに国民的な人気を博することはなかったのではないだろうか。同じ存在の北原三枝が\'50年・・・
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裕チャン主演の映画にもしヒロイン浅丘ルリ子の存在がなかったら、石原裕次郎があれほどに国民的な人気を博することはなかったのではないだろうか。同じ存在の北原三枝が\'50年代のヒロインとすれば、浅丘ルリ子は\'60年代のヒロインであった。その二人のヒロインとの作品の間を大したことのない主演作がつないでいるのを見ると、そして浅丘ルリ子以降の石原裕次郎作品に見るべきモノがないことを考えると、いかにこの二人の対照的な性格を持ったヒロインを各10年代に得たことの幸運を、裕次郎は感謝しなければならないことか。因みに列挙すれば北原三枝との共演は「俺は待ってるぜ」「嵐を呼ぶ男」「錆びたナイフ」「明日は明日の風が吹く」「★風速40米」「赤い波止場」。浅丘ルリ子との共演作は「★憎いあんちくしょう」「★赤いハンカチ」「★夕陽の丘」「★帰らざる波止場」「★夜霧のブル−ス」「★夜霧よ今夜も有難う」。★印は照明技師が名手藤林甲である。作品はアクション物に限った。
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[129]ベニスに死す
 「夏の嵐」の「ブルックナ−七番」呑気呆亭 (Mail)2015-02-19
 
そもそもマ−ラ−の音楽が好きではないので、その作品「交響曲第5番」を使ってベニスと美少年と芸術家を彩ろうとしたヴィスコンティの意図に、\'54年のフルトベングラ−の「ブルッ・・・
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そもそもマ−ラ−の音楽が好きではないので、その作品「交響曲第5番」を使ってベニスと美少年と芸術家を彩ろうとしたヴィスコンティの意図に、\'54年のフルトベングラ−の「ブルックナ−七番」の演奏を全編に用いて完璧な映像作品とした「夏の嵐」ほどの衝撃を受けることはなかった。ビヨルン・アンドレセンの美少年ぶりを誰しもが云々するが、ワタクシ的にはそれほどの悪魔的な「美」とは思えなかった。ゆえに、その「美」に狂って死への奈落を堕ちて行く主人公の行動には今一共感を覚えなかった。
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[130]ハズバンズ
 即興性呑気呆亭 (Mail)2015-02-19
 
友人の葬儀を終えた三人は何とも収まらぬ心を抱えてニュ−ヨ−クの街をうろつき廻る。この腐れ縁で結ばれたように離れがたくバカ騒ぎにのめり込んでゆく感覚は、酒飲みであるなら・・・
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友人の葬儀を終えた三人は何とも収まらぬ心を抱えてニュ−ヨ−クの街をうろつき廻る。この腐れ縁で結ばれたように離れがたくバカ騒ぎにのめり込んでゆく感覚は、酒飲みであるなら誰しもが味わったことのある奇妙に快い堕ちて行く感覚である。同じ感覚を共有する男たち女たちが集まっての酒宴の場での歌合戦のシ−ンが巧まぬ笑いを誘って秀逸。こうした即興性がカサベテスの真骨頂であろう。
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[131]M★A★S★H マッシュ
 ユ−モアと知性呑気呆亭 (Mail)2015-02-05
 
挿入される血まみれの手術シ−ンが主人公たちのプロフェッショナルさを際立たせ、合間に語られるハチャメチャな行状が漫画的ではあるがリアルな背景を与えられて、作品としての・・・
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挿入される血まみれの手術シ−ンが主人公たちのプロフェッショナルさを際立たせ、合間に語られるハチャメチャな行状が漫画的ではあるがリアルな背景を与えられて、作品としての質を高めている。登場人物の中では頑なな外科医を演じるロバ−ト・デュヴァルの怪演と、「M★A★S★H」をそれなりに取りまとめて率いる大佐(?)役のロジャ−・ボ−ウエンのオトボケが秀逸であった。まだこの頃にはアメリカ映画にもユ−モアと知性がスタッフ・キャストにも共有されていたのだなと、改めて郷愁を感じたのだった。
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[132]いちご白書
 (無題)呑気呆亭 (Mail)2015-02-05
 
冒頭の水面を切り裂いて進むボ−トを俯瞰で捉えた映像が新鮮なインパクトを与える。そのボ−トを漕ぐ部員の精力を持て余した二人が女の子目当てで学園闘争に加わる。その課程がコ・・・
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冒頭の水面を切り裂いて進むボ−トを俯瞰で捉えた映像が新鮮なインパクトを与える。そのボ−トを漕ぐ部員の精力を持て余した二人が女の子目当てで学園闘争に加わる。その課程がコミカルに描かれていて好感が持てる。主人公と彼が心を惹かれた女の子が、食糧の調達を任されて学園を抜け出し町の商店に協力を依頼に行くシ−ンで、商店主が大量の物資を供出するにあたっての闘争への同情と当局への気遣いを、これもコミカルに表現して秀逸であった。闘争は結局警官隊の突入によって蹴散らかされるのだが、学生たちが人文字で描くピースマ−クを俯瞰で映す映像や、体育館で“ギブ・ピ−ス・ア・チャンス?”の歌に合わせて床を叩く場面の迫力は、この闘争が無意味なものではなかったことを表現していたように思う。
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[133]ライアンの娘
 「アラン」呑気呆亭 (Mail)2015-02-05
 
素晴らしいのはロバ−ト・フラハティ監督の傑作「アラン」を思わせる北海の景色を捉えたキャメラである。酒場経営者の娘として何不自由なく暮らしているロ−ジ−と、無職であてど・・・
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素晴らしいのはロバ−ト・フラハティ監督の傑作「アラン」を思わせる北海の景色を捉えたキャメラである。酒場経営者の娘として何不自由なく暮らしているロ−ジ−と、無職であてどない暮らしに沈湎している村の若者たちとの対比がやや類型的に描かれるので、不倫と密告とリンチという深刻な筋立てでありながら、映像の見事さに見合わぬドラマになってしまった。
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[134]ソルジャーブルー
 “フロンティア・スピリット”呑気呆亭 (Mail)2015-02-05
 
アメリカ人の魂の拠り所とされる“フロンティア・スピリット”というものが、何のことはない先住民であるインディアン(この呼称も差別的だが)を駆逐して北米大陸を乗っ取った悪・・・
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アメリカ人の魂の拠り所とされる“フロンティア・スピリット”というものが、何のことはない先住民であるインディアン(この呼称も差別的だが)を駆逐して北米大陸を乗っ取った悪辣な行為を無理やり美化したものであって、その消しがたい記憶はトラウマとなってアメリカ合衆国の白人たちの胸底を蝕んでいるに違いない。45年前に作られたこの作品は、今、対テロ戦争の泥沼に抜き差しならず巻き込まれているアメリカという国の行く末を黙示録的に暗示している。
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[135]夕陽に立つ保安官
 ダ−ンとイ−ラム呑気呆亭 (Mail)2015-01-26
 
ジェ−ムズ・ガ−ナ−は好きな役者さんなので、彼が活躍してくれれば文句はないのだが、このコメディ西部劇では二人の役者さんに食われてしまっている。他の作品では凄みのある役・・・
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ジェ−ムズ・ガ−ナ−は好きな役者さんなので、彼が活躍してくれれば文句はないのだが、このコメディ西部劇では二人の役者さんに食われてしまっている。他の作品では凄みのある役を演ずることが多い二人、ブル−ス・ダ−ンとジャック・イ−ラムである。ダ−ンはダンビイ一家の間抜けな末っ子ジョ−を演じ、イ−ラムはなかなか頼りになる馬小屋出身の保安官助手ジェイクを演じる。殺人の罪でジョ−は鉄格子がまだなかった牢屋に放り込まれ、この線から出るなよとガ−ナ−保安官にいわれて渋々従い、果ては牢屋を完成させる作業の手伝いまでさせられるに至っては馬鹿馬鹿しさの限りで、さすがのブレナン親爺も毒ッ気を抜かれてガ−ナ−保安官に降参と相成った。長閑な西部劇でありました。
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[136]戒厳令
 ペスト菌の保菌国呑気呆亭 (Mail)2015-01-26
 
「Z」で製作に携わるとともに劇中で重要な役割を果たす新聞記者を演じたジャック・ペランがこの作でも製作に関わっている。アメリカという国が自国の権益を守るためにはどんな・・・
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「Z」で製作に携わるとともに劇中で重要な役割を果たす新聞記者を演じたジャック・ペランがこの作でも製作に関わっている。アメリカという国が自国の権益を守るためにはどんなことでもしてきたことは、建国以来のインディアン撲滅戦を見れば明らかで、それがいわば国家の暗いトラウマとなって、内部的にも暗殺を繰り返す国となったことは、その国家の巨大さと影響力の強さを考えれば、地球を蝕み滅ぼしかねぬペスト菌の保菌国であると言っても良いのではあるまいか。そのペスト菌保菌者を誘拐した反体制側と体制側との虚々実々の闘争を勇気を持って、サスペンス味ゆたかに描いたコスタ=ガブラスとジャック・ペランの傑作である。
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[137]告白
 制服呑気呆亭 (Mail)2015-01-26
 
前作の「Z」でもそうだったが、制服というやつは人間味を喪わせるモノらしい。物語はまるでカフカの『審判』を思わせるような展開をみせるのだが、その随所に顔を見せる軍服を・・・
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前作の「Z」でもそうだったが、制服というやつは人間味を喪わせるモノらしい。物語はまるでカフカの『審判』を思わせるような展開をみせるのだが、その随所に顔を見せる軍服を着た若者たちの、およそ表情というモノを見せず坦々と業務をこなしてゆく酷薄さにゾッとする思いをした。「自白」に追い込んでゆくテクニックを悪魔的に駆使する係官が、釈放されたジェラ−ルと街頭で出くわすラスト・カットで、職務を離れた係官はもう恐ろしくも悪魔的でもなく平凡な市民になっていることの衝撃は、ニンゲンへの信頼を喪わせるほどのモノであった。
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[138]
 エスタブリッシュメント呑気呆亭 (Mail)2015-01-26
 
既得権益を握って離そうとしないエスタブリッシュメントのやりきれなさと愚かしさとおぞましさがこれでもかというくらいに坦々と描かれる。特に軍服を着た連中の硬直したサデイ・・・
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既得権益を握って離そうとしないエスタブリッシュメントのやりきれなさと愚かしさとおぞましさがこれでもかというくらいに坦々と描かれる。特に軍服を着た連中の硬直したサデイズムにはゾッとさせられる。そのエスタブリッシュメントに眼光鋭く切り込んでゆく予審判事をトランティニャンが見事に演じている。ケチな利益誘導に踊らされて暗殺を請け負う町の連中にもリアリティがあって恐ろしく、ラストの字幕で軍部がク−デタを起こして予審判事も殺されてしまったことを知って、ニンゲンには「文明」を使いこなすことは無理なのかと暗澹たる思いにさせられたことだった。
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[139]時代屋の女房
 朝丘雪路呑気呆亭 (Mail)2015-01-26
 
前半は安さんを廻る町の人々がそれぞれに一癖ありげに描かれていて面白いのだが、真弓の度々の家出の動機をことさら秘密めかしたモノにしたために快調さが失われてしまった。そ・・・
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前半は安さんを廻る町の人々がそれぞれに一癖ありげに描かれていて面白いのだが、真弓の度々の家出の動機をことさら秘密めかしたモノにしたために快調さが失われてしまった。その上に安さんがまたしても真弓に似た美郷という女とデキてしまったり、果ては東北まで「のぞきカラクリ」を遙々買いに出掛けたりして、面白くしようとした意図が空回りしてせっかくの夏目雅子を生かし切ることが出来なかった。ワタクシ的には夏目よりも安さんの父親の愛人役を演じた朝丘雪路のうっそりとした存在感と、幼い安さんを性的に覚醒させた妖しい浴衣姿の彼女の色気にマイッタのでありました。
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[140]ヨコハマBJブルース
 “なんじゃコリャ!”呑気呆亭 (Mail)2015-01-21
 
松田優作の原案によるということだが、話が妙にこんがらがっていて分かりにくく、その上にゲイを絡めてしまったために痛快なアクションものを期待した向きには、それこそ“なん・・・
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松田優作の原案によるということだが、話が妙にこんがらがっていて分かりにくく、その上にゲイを絡めてしまったために痛快なアクションものを期待した向きには、それこそ“なんじゃコリャ!”な映画になってしまった。優作の歌を映像と共に聴き見ることが出来ることだけが有り難いといった作品である。
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[141]泥の河
 喜一のうなじ呑気呆亭 (Mail)2015-01-19
 
同時代をやはり川のある街で生きたワタクシは川面をゆくダルマ船を知っている。そのダルマ船には川の民のような人々が暮らしていて、陸に暮らす我々とはほとんど没交渉であった・・・
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同時代をやはり川のある街で生きたワタクシは川面をゆくダルマ船を知っている。そのダルマ船には川の民のような人々が暮らしていて、陸に暮らす我々とはほとんど没交渉であった。船で暮らす喜一と姉の銀子が信雄と知り合うのはいわばタブ−破りで、いつか彼らの友情が破局を迎えることは分かりきったことなのだが、多分法外の地である河辺で食堂を営む田村高廣と藤田弓子の夫婦の性根の据わった眼差しに見守られて、信雄と喜一と銀子の束の間の交情が奇跡的に成立する。食堂で信雄の母の心尽しのご馳走を前にして下を向く喜一のうなじをワタクシは涙なしに見ることが出来なかった。
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[142]白昼の死角
 悪漢同士の友情呑気呆亭 (Mail)2015-01-19
 
原作の面白さを十分に活かして映像化してくれたスタッフと俳優さんたちに拍手。特にダマされる側にそれぞれ個性的な俳優を起用したことが、この作品に面白さとリアル感を与えて・・・
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原作の面白さを十分に活かして映像化してくれたスタッフと俳優さんたちに拍手。特にダマされる側にそれぞれ個性的な俳優を起用したことが、この作品に面白さとリアル感を与えている。原作の太田洋助(千葉)のキャラクタ−を改変して鶴岡七郎(夏木)を助ける凄みのある悪党役にしたことで、展開が締まって痛快な悪漢映画(ハ−ドボイルド)になった。窮地におちいった七郎のために、洋助は平然としてヒト一人を身代わりに焼き殺すという悪辣無類の犯行を行い、その海外逃亡を助けるのだが、二人の神も悪魔も超えた悪漢同士の友情すら感じさせられて、反道徳的な結末(原作とは違う)に文句を付ける気にさせない。密航の船に乗り込んだ七郎のマント姿が格好良く、まるで観客の俗物性に挑むかのように、マントを翻した夏木のアップでエンドマ−クを打った村川透の客気にバンザイ!
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[143]勇気ある追跡
 この断髪の中性的な少女呑気呆亭 (Mail)2014-12-27
 
何と言ってもこの映画はマティを演ずるキム・ダ−ビ−の不思議な存在感のある魅力に尽きる。例によって食わせ者の馬商人を演ずるストロ−ザ−・マ−ティンを翻弄して取引を有利に運・・・
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何と言ってもこの映画はマティを演ずるキム・ダ−ビ−の不思議な存在感のある魅力に尽きる。例によって食わせ者の馬商人を演ずるストロ−ザ−・マ−ティンを翻弄して取引を有利に運ぶ場面などは、この小娘がと嫌みを感じても不思議はないのだが、この断髪の中性的な少女には何処か憎めない魅力があって、コグバ−ンもラ・ボーフもそして悪役に徹すべきトムさえもその奇妙なオ−ラに抗しきれず、何だかみんなしてこの少女を守ろうとしてしまうのである。
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[144]墓石と決闘
 レジェンド呑気呆亭 (Mail)2014-12-27
 
TVシリ−ズの「ロックフォードの事件メモ」ですっかりジェ−ムズ・ガ−ナ−のファンになったのだが、この映画の彼は飄々とした持ち味を封印して、冷徹なワイアット・ア−プを剛直に・・・
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TVシリ−ズの「ロックフォードの事件メモ」ですっかりジェ−ムズ・ガ−ナ−のファンになったのだが、この映画の彼は飄々とした持ち味を封印して、冷徹なワイアット・ア−プを剛直に造形して見せてくれた。これ以後これ以前のア−プ像とは一線を画した、銃に命を託して生きざるを得なかったリアルな人間像を創り上げている。ラスト、アイク・クラントン(ライアン)を一発の銃弾で射殺した姿は、まさにレジェンドとしてのア−プ像であった。
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[145]夕陽に向って走れ
 走る走る走る呑気呆亭 (Mail)2014-12-27
 
まさかこの子がキャサリン・ロスかい、と驚かされてしまったほどにインディアンの女の子を演じたキャサリン・ロスの変身ぶりは見事だった。何しろロバ−ト・ブレ−クと一緒に走る・・・
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まさかこの子がキャサリン・ロスかい、と驚かされてしまったほどにインディアンの女の子を演じたキャサリン・ロスの変身ぶりは見事だった。何しろロバ−ト・ブレ−クと一緒に走る走る走る。実話を映画にしたとのことだが、このインディアンの恋人たちを演じた二人の荒野を駆け抜け躍動する肢体の見事さは、後から馬に乗って彼らを追う保安官を演じたレッドフォ−ドの沈着な行動を霞ませてしまうほどのモノだった。追いつめられた男は女にウエディングドレスを着せて妻とし、その妻を敵に渡さぬために命を絶つ。そして馬を捨てて岩山を登って来る保安官を待ち構え、ライフルの残弾を警告のためだけに使ってレッドフォ−ド保安官の一弾に倒れるのだった。荒野を駆け抜ける恋人たちの映像は記憶に残るモノとなった。
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[146]大いなる男たち
 お馴染みの乱闘シ−ン呑気呆亭 (Mail)2014-12-27
 
72名の隊員を率いて参戦した南北戦争でトーマス大佐は隊員の大半を失う。生き残った隊員たちを社会復帰させるためにトーマスは野生馬を捕獲して北軍に売りつけようとする。買い・・・
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72名の隊員を率いて参戦した南北戦争でトーマス大佐は隊員の大半を失う。生き残った隊員たちを社会復帰させるためにトーマスは野生馬を捕獲して北軍に売りつけようとする。買い付けにきた役人たちの策謀に腹を立ててトーマスはメキシコの皇帝の密使と契約して3000頭の野生馬を追ってメキシコへ向かうのだったが、途中、山賊の襲撃から家族連れの南軍の一隊を救ったお礼にパ−ティに招かれたトーマス率いる北軍の生き残りたちが、ちょっとしたことから南軍の連中と殴り合いを始めてしまう。西部劇ではお馴染みの乱闘シ−ンだが、互いに悪意をもっているわけではないので気持ち良く乱闘の数々を楽しむことが出来た。ウエインとハドソンも一発づつ殴り合って互いの腹の中を確かめ合う。混乱の中でトーマスの養子のインディアンの若者とラングトンの娘との恋が芽生えるのだった。マクラグレン監督らしい気持ちの良い作品であった。
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[147]野獣死すべし
 青春の異様さ呑気呆亭 (Mail)2014-12-23
 
これは大藪春彦の原作とは関わりのない春樹=村川=優作の「野獣死すべし」である。原作には復讐という明確なテ−マがあったが、この映画の伊達邦彦には生きる目的も確たる行動・・・
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これは大藪春彦の原作とは関わりのない春樹=村川=優作の「野獣死すべし」である。原作には復讐という明確なテ−マがあったが、この映画の伊達邦彦には生きる目的も確たる行動原理もない。それもそのはず彼は既に死んだ目を持つゾンビなのである。そのゾンビを演ずるために優作は奥歯を4本抜いて撮影に臨んだと聞くが、その怪優三國連太郎の行為をなぞったような意気込みに、恐らく村川透監督以下のスタッフは悪霊に憑かれてかのような思いで奈落に落ち込んで行く優作に引きずられて行ったのだろう。優作のこの作品に懸けた思いとは何か。ズバリそれは「青春の異様さ」を描ききりたいという思いだったろう。ラストの日比谷公会堂のシ−ンでは思わず涙したことだった。怪作である。
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[148]仕掛人梅安
 (無題)呑気呆亭 (Mail)2014-12-23
 
中村嘉葎雄の彦次郎はいいが、錦之助の梅安と五代高之の小杉十五郎は明らかにミスキャスト。梅安は緒形拳に限ります。しかし、伊丹十三の悪役振りは凄みがあったね。正太郎
  
 
[149]陽炎座
 大楠道代呑気呆亭 (Mail)2014-12-23
 
大楠、中村、原田などの怪優たちに囲まれると優作やまりこのふつう振りが際立ってしまって、どうしてもこの清順ワ−ルドの中では浮き上がって見えてしまう。特に優作の場合はこ・・・
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大楠、中村、原田などの怪優たちに囲まれると優作やまりこのふつう振りが際立ってしまって、どうしてもこの清順ワ−ルドの中では浮き上がって見えてしまう。特に優作の場合はこの並び立つ怪優たちに対抗しようとしてか、不必要な胴間声を発し、無理やりコミカルな演技をしようとして文字通りズッコケて見せたりして、彼のファンの一人としては見るに忍びないモノがあった。原田は今回はあまり目立たなかったが、中村嘉葎雄の怪人ぶりは堂に入っていて、袖の一振りで幕下の優作を土俵下に投げ捨てるかのような横綱相撲を見せてくれた。しかし、それ以上に見事だったのは清順=鏡花の世界にもう昔から棲んでいたかのような大楠道代の存在感であった。その美しさ、その表情、その所作は眺めているだけで映画を見る歓びを存分に味あわせてくれる。とくにラストの少年(?)女形の舞いを受けての人形振りの踊りは、見事というしかなく、色々と齟齬が目立ったこの映画を鮮やかに締め括ってくれたのだった。
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[150]フェイシズ
 フェイシズ呑気呆亭 (Mail)2014-12-17
 
なるほど人間とは顔・フェイスなのだ。ワイザツで哀れでコッケイで可愛くて、そしてなんと切ない生き物なのだろうか・・・。
  
 
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