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 「呑気呆亭」さんのコメント一覧 登録数(728件)rss
 コメント題投稿者投稿日
[211]女王蜂
 肩甲骨呑気呆亭 (Mail)2014-09-05
 
一度だけ見せてくれるマリナ・ブラディの背中、特にその健やかな肩甲骨の動きが艶めかしい。こんないい女を女房にして四十そこそこのくせに、ベッドでの要求が激しすぎると音を・・・
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一度だけ見せてくれるマリナ・ブラディの背中、特にその健やかな肩甲骨の動きが艶めかしい。こんないい女を女房にして四十そこそこのくせに、ベッドでの要求が激しすぎると音を上げるとは、男の風上にも置けぬアルフォンソである。それに比べて男の精を吸い尽くして次第に物凄い女に変貌して行くレジナは、まさにオスたちに君臨する「女王蜂」の人間離れした様相を呈する。こんな女に一度コロされてみたいものではある。
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[212]鬼火
 「若者」呑気呆亭 (Mail)2014-09-02
 
モ−リス・ロネが「死刑台のエレベ−タ−」のルイ・マルと、クレマンの「太陽がいっぱい」を間に挟んで再び組んだ作品であることを考えると、この「鬼火」での青年像を造形するロ・・・
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モ−リス・ロネが「死刑台のエレベ−タ−」のルイ・マルと、クレマンの「太陽がいっぱい」を間に挟んで再び組んだ作品であることを考えると、この「鬼火」での青年像を造形するロネのキャリアの深まりと、ルイ・マルの腰の据わった演出とが、この異様に美しい緊張感に満ちた作品を作り出したのだと思った。魂の彷徨とは実にこうした軌跡を描いて墜ちて行くのだと、その彷徨に寄り添って映像を記録し続けるキャメラと音楽とが、観る者に「若者」の一典型を鮮やかに呈示してくれた。
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[213]小間使の日記
 艶笑譚に・・・呑気呆亭 (Mail)2014-09-02
 
何よりジャンヌ・モロ−がいい。彼女をめぐる人物像もそれぞれに一癖有りげで丁寧に描写されていて、彼らの言動やら服装やらしゃべり方やらを味わうことで映画を見る楽しみを満・・・
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何よりジャンヌ・モロ−がいい。彼女をめぐる人物像もそれぞれに一癖有りげで丁寧に描写されていて、彼らの言動やら服装やらしゃべり方やらを味わうことで映画を見る楽しみを満喫することが出来る。しかし、それが「少女殺人事件」という猟奇的な犯罪が起こることで一変する。モロ−もまた妙にその事件にこだわることで、前半のコケテッシュな魅力を失って重くなってしまう。この事件を挿入したのはブニュエルの趣味からなのだろうが、パリから来た小間使いの目に映った田舎貴族たちの艶笑譚として終わらせてくれれば、もっと気持ちの良い作品になったのではないだろうか。
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[214]地下室のメロディー
 太り過ぎだぜ、ギャバン親方呑気呆亭 (Mail)2014-09-02
 
「冬の猿」、「エプソムの紳士」ときて、この「地下室のメロディ−」。「冬の猿」ではベルモンドと共演し、この映画ではドロンとの共演。すっかり太ってしまって昔の精悍さはす・・・
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「冬の猿」、「エプソムの紳士」ときて、この「地下室のメロディ−」。「冬の猿」ではベルモンドと共演し、この映画ではドロンとの共演。すっかり太ってしまって昔の精悍さはすでに失われてしまっているギャバンが、人気絶頂のドロンやベルモンドとの共演でどんなことを考えたのだろうか。ギャバン59歳、ドロン28歳。ギャバンが筋書きを書き、実行犯はドロン。ドロンの動きはさすがに見事で、犯行の詳細は彼独特の動きを見せてスリリングであった。しかしギャバンの昔を知る者としては、この「地下室のメロディー」はどこか物悲しい響きを帯びる。もう、ギャバンにはこんな通気口を潜ってゆく動きは出来ないのだから。それにしても、カジノの経営者に強い印象を残すようなカバンを犯行に使ったのはドジだったんじゃないですか、ギャバン親方。
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[215]マクリントック
 モ−リン・オハラ呑気呆亭 (Mail)2014-09-02
 
監督マクラグレンのフォ−ドに対するオマ−ジュが気持ち良く感じ取れる1作。モ−リン・オハラの扱い方も好ましく、ウエインとオハラのやり取りは互いに抱く愛情と尊敬の念が底流に・・・
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監督マクラグレンのフォ−ドに対するオマ−ジュが気持ち良く感じ取れる1作。モ−リン・オハラの扱い方も好ましく、ウエインとオハラのやり取りは互いに抱く愛情と尊敬の念が底流に有るからして、どれほど激しい応酬があっても安心して見ていられる。西部劇と言うよりはホ−ムドラマの色合いが濃く、そのドラマを西部の男たち女たちがケンカやら噂話やらで彩ってくれて、確かだれも死んだりしない痛快な西部劇でありました。
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[216]シャレード
 こんな女ではなかったはずだ。呑気呆亭 (Mail)2014-09-02
 
ヘップバ−ンがやけに色っぽくて、自分からグラントにキスをねだったりするのが気に入らなかった。我らがヘップバ−ンはこんな女ではなかったはずだ。スタンリ−・ド−ネンの作品は・・・
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ヘップバ−ンがやけに色っぽくて、自分からグラントにキスをねだったりするのが気に入らなかった。我らがヘップバ−ンはこんな女ではなかったはずだ。スタンリ−・ド−ネンの作品は好きなほうだが、こんなご都合主義の映画を作ってもらっては困ります。散々グラントの正体を謎めかしておきながら、やっぱり体制側の人だったのですというオチは、こんな奴に負けてしまったウオルタ−・マッソ−の口惜しさを共有する者としては、少しも面白くなくスッキリしなかった。
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[217]8 1/2
 81/2って?呑気呆亭 (Mail)2014-09-02
 
イタリア映画はロッセリ−ニもヴィスコンティもジェルミも好きなのだが、このフェリ−ニだけは余り好きになれない。そもそも名作といわれる「道」なども感心しなかった。何故だろ・・・
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イタリア映画はロッセリ−ニもヴィスコンティもジェルミも好きなのだが、このフェリ−ニだけは余り好きになれない。そもそも名作といわれる「道」なども感心しなかった。何故だろうと考えてみると、この人にはユ−モアのセンスが欠けているからではないかと思う。この作品にしてもひたすら難解な映像が延々と羅列されるので付き合うのが辛くなる。マストロヤンニという才能ある役者がフェリ−ニに使われると、堅苦しい演技に終始するのは何故なのだろうか。ボクラが映画に望むのは映画的快楽であって、ゲイジュツ家の内面の三文にも値しない苦悩を見たいが為に映画館に足を運ぶのではないのだ。
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[218]アラビアのロレンス
 赤報隊の相楽総三に似て呑気呆亭 (Mail)2014-08-25
 
当時、この映画を見た男の子たちはみんなマッチの火を揉み潰して親指と人差し指に火ぶくれを作った。それも、だれが一番ゆっくりと揉み潰して大きな火ぶくれを作れるかを競った・・・
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当時、この映画を見た男の子たちはみんなマッチの火を揉み潰して親指と人差し指に火ぶくれを作った。それも、だれが一番ゆっくりと揉み潰して大きな火ぶくれを作れるかを競ったものだった。ひさしぶりに見直してみて、さすがにこの年になるとロレンスのエキセントリックさが鼻に付き、オマ−・シャリフ演ずるアリ酋長の登場の格好良さと、その胆知に改めて痺れた。アラブと英国の思惑との板挟みとなって疎外されて行くロレンスは、我国の戊辰戦争初期に官軍に利用され見捨てられた赤報隊の相楽総三に似て、相楽のように味方と信じていた官軍(祖国)に処刑されはしなかったが、デヴィッド・リ−ンが冒頭に持ってきたバイク事故による死は、まるで魂を喪った者の自死のように見えたのだった。
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[219]冬の猿
 「冬の猿」呑気呆亭 (Mail)2014-08-25
 【ネタバレ注意】
「冬の猿」という邦題が謎めいていて、全編の物語の底流に流れる雰囲気を象徴しているようだ。妻と二人で場末のホテルを経営する人生の先が見えてしまった初老の男が、多分若い・・・
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「冬の猿」という邦題が謎めいていて、全編の物語の底流に流れる雰囲気を象徴しているようだ。妻と二人で場末のホテルを経営する人生の先が見えてしまった初老の男が、多分若い頃の自分に似ている青年に出会い、若い頃に過ごした中国での記憶を甦らせて、禁酒の誓いを破って青年と共に放埒な一夜を過ごす。同じく鬱屈を抱えた雑貨屋の主人と三人で死蔵していた花火を持ち出して盛大に打ち上げ、恐らく人生最後の無茶となるであろう「事件」を起こして、眠ったような空気に沈む町に一瞬の覚醒をもたらすのだが、翌朝、青年を見送った駅のベンチに沈む初老の男の背は、「冬の猿」のそれのように屈められていたのだった。
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[220]ラ・ジュテ
 エレ−ヌ・シャトラン呑気呆亭 (Mail)2014-08-25
 
全編スチール・カットでありながら少しも映画的な不満を覚えなかったのは、ひとえに主演女優エレ−ヌ・シャトランの流転する表情の豊かな魅力と、それを少しの遅滞もなく捉えた・・・
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全編スチール・カットでありながら少しも映画的な不満を覚えなかったのは、ひとえに主演女優エレ−ヌ・シャトランの流転する表情の豊かな魅力と、それを少しの遅滞もなく捉えたキャメラと、その映像とモノロ−グをモンタ−ジュしたクリス・マルケルの腕によるものである。不思議な映像作品であった。
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[221]夜への長い旅路
 演劇と映画呑気呆亭 (Mail)2014-08-25
 
次男の死がすべての物事の発端となったことが次第に明らかになってくるのだが、その次男の名がユージンであることは、この物語がオニ−ルの自伝的なものであることを暗示してい・・・
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次男の死がすべての物事の発端となったことが次第に明らかになってくるのだが、その次男の名がユージンであることは、この物語がオニ−ルの自伝的なものであることを暗示しているのだろうか。若い頃にある大学の英文科の学生たちがゼミの活動の一環としてこの作品を舞台に掛けたのを観たことがあった。素人が集まっての舞台だったのだが、演出者の才能と母親役を演じた女性が銀の矢のように舞台を見つめる者たちに向けて発する存在感に圧倒され、演劇とはこれほどのモノなのかと感じ入ったことを記憶している。以来、どんな演劇を観てもその時ほどの衝撃を舞台から受けたことがない。演劇とはやはり舞台で見るべきモノであって、この作品に出演した俳優さんたちもそれぞれ熱演なのだが、舞台をそのまま映画にしただけの演出ゆえに、映画的な感動を受けることはなかった。
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[222]ハッド
 「新自由主義」呑気呆亭 (Mail)2014-08-11
 
今、この2014年という時代に立って見てみると、この映画の「父と子の対立」というテ−マは、単なるアメリカ西部に生きた親子の対立という以上の意味を持ってくるようだ。“お前の・・・
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今、この2014年という時代に立って見てみると、この映画の「父と子の対立」というテ−マは、単なるアメリカ西部に生きた親子の対立という以上の意味を持ってくるようだ。“お前のような奴が増えたらこの国はダメになる”といった意味のことを父ホ−マ−は息子のハッドに語るのだが、父ホ−マ−の営々と苦労して牛を育て子を育てるという生き方こそ正しいという思想と、地面の下の油に象徴される流した汗の成果ではないモノに一攫千金の夢を託そうとする次世代の、思想ともいえぬ我欲とが鮮やかに対比される。確かにアメリカはこの時点で「新自由主義」という思想ともいえぬ主義に舵をきったのだ。
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[223]心中天網島
 黒子呑気呆亭 (Mail)2014-08-11
 
篠田正浩という監督はあまり好きな作家ではないのだが、10年来構想を温め続けていたというこの作品は、脚本も美術も撮影も音楽もすべてが完璧で文句の付けようがない。近松作品・・・
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篠田正浩という監督はあまり好きな作家ではないのだが、10年来構想を温め続けていたというこの作品は、脚本も美術も撮影も音楽もすべてが完璧で文句の付けようがない。近松作品を映画化した他の作品と比較してみると、篠田が近松を単なる時代劇としてではないものとして撮ろうとして悩んだ果てに思いついたのが、舞台では無視されねばならぬ黒子を画面に登場させるという逆転の発想ではなかったかと思う。このことによってこの映画の世界は何処にも所属しない不思議な異空間となったのだった。
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[224]家族
 “路頭に迷う”呑気呆亭 (Mail)2014-08-11
 
役者というものは実に不思議な人種だ。南の果ての長崎県の小さな島を後にして、北の果ての北海道に向かう祖父と夫婦と息子と娘の五人が、高度経済成長期に突入しようとしている・・・
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役者というものは実に不思議な人種だ。南の果ての長崎県の小さな島を後にして、北の果ての北海道に向かう祖父と夫婦と息子と娘の五人が、高度経済成長期に突入しようとしている日本列島を縦断する旅には、胸を圧するほどのリアリティがある。彼らは笠でも倍賞でも井川でもない貧しく素朴でカトリックの信仰を持つ家族として大坂や東京といった大都会の中を漂流する。この家族が折しも開催されていた「大坂万博」の雑踏に巻き込まれるシ−ンでは、ちょっと間違えば一家離散しかねない彼らの物慣れぬ行動にハラハラさせられて、“路頭に迷う”という恐ろしい言葉をつい思い出したりして、映画をみてこの言葉を思ったのは「自転車泥棒」を見て以来だったなァと、変な感慨を持ったことだった。幼い娘を旅の途中で亡くした時と祖父を亡くした時に、倍賞が被るレ−スの髪飾りがカトリック信仰というより、島に連綿として伝わってきたのであろう切支丹の信仰を思わせて印象的であった。
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[225]真剣勝負
 風車と太郎呑気呆亭 (Mail)2014-08-09
 【ネタバレ注意】
風車がカラカラと回っている。風車は荷馬を引く異様な風貌の男の髪に差し込まれて奇妙な対照をなしている。男は鎖鎌の名手宍戸梅軒。この風車は梅軒の心根に潜む優しさを表わし・・・
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風車がカラカラと回っている。風車は荷馬を引く異様な風貌の男の髪に差し込まれて奇妙な対照をなしている。男は鎖鎌の名手宍戸梅軒。この風車は梅軒の心根に潜む優しさを表わし、風にカラカラと回ることで後に武蔵に敵の気配を知らせるという役割を果たす。見事な小道具の使い方である。そしてその風車を土産に貰う赤子の太郎が、今度は梅軒夫婦と武蔵との決闘シ−ンで重要な役割を果たす。梅軒夫婦の鎖鎌の連続攻撃に辟易した武蔵は、夫婦の太郎にそそぐ愛情を利用して夫婦の連携に亀裂を入れるべくお槙の背から太郎を奪いとり、膝に抱えて梅軒を挑発する。梅軒は息子に当らぬように分銅を投げるのだが、それを見たお槙が太郎を救うべく梅軒の鎖に己の分銅を絡ませる。怒った梅軒はお槙を縛り上げ杭に繋いで武蔵に向かおうとする。してやったりと武蔵は足場の良い場所に退き、梅軒と己の間に太郎を置いてまたしても梅軒を挑発する。間合いを縮められない梅軒に焦りが生まれ、猪突した梅軒は武蔵の鞘ごと抜き取った大刀に鎖を絡ませてしまう。武蔵は大刀の鞘を地面に突き刺し、もはや是までと生死を決すべく鎌を振り上げて迫る梅軒の打ち込みを、鞘から抜いた大刀で受止め、同時に左手で抜いた脇差しで梅軒の左拳を斬る。冒頭で梅軒が両手を使わぬ剣術使いを嘲ったことへの武蔵の返答であった。すなわち“二刀流開眼”である。梅軒夫婦の息子への愛をおもんばかってか、伊藤大輔の脚本は梅軒と武蔵の決闘の顛末を描かず、内田吐夢も太郎の笑い顔のアップにエンドマ−クを被せて物語を終えたのだった。
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[226]緋牡丹博徒 お竜参上
 三原葉子呑気呆亭 (Mail)2014-08-09
 
誰もが言うように「雪の今戸橋」のシ−ンの美しさは見る度に心を動かされるが、今回見直してみて発見したシ−ンがある。カメラは据えっぱなし。舞台奥にこちらに背を向けたお竜が・・・
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誰もが言うように「雪の今戸橋」のシ−ンの美しさは見る度に心を動かされるが、今回見直してみて発見したシ−ンがある。カメラは据えっぱなし。舞台奥にこちらに背を向けたお竜がおり、手前に銀治郎(長谷川)とお君(山岸映子)がいて、銀治がお君とのことを廻りの人たちに語り始める。その中の一人に三原葉子(クレジットに役名も記されていない)がいる。三原は話の最中にポンカンのようなものをモグモグと食べ続けている。銀治がソコヒを患ったお君の目を治すために医学校へ行ったのだが学費が続かなくなってとうとうこんな稼業に入ってしまった、と語ると、ソコヒという言葉にピクッとお竜の肩が動き、此方を振り向く。お竜は探していた君子こそこのスリのお君だと直感し、お君の手を執って我が顔を触らせる。君子が記憶しているのはその手の感触だけだったからだ。お君はナンだこのオバサンはと抵抗するのだが、手が触れた瞬間に“お竜のオバチャン”の記憶を甦らせる。この一連のシ−ンの間中、お君とお竜を囲んだ役者たちの揺れ動く波のように反応する芝居は見事で、中でも袂からいくつもポンカンを取り出してはモグモグと口に運びながら、次第に昂まってゆく感情に耐えかねてついに貰い泣きをしてしまうという一連の三原の演技は、同じ加藤泰作品である「沓掛時次郎・遊侠一匹」での、渥美清の朝吉をあしらいながらサツマイモを喰らう女郎のそれを思い出させたのだった。三原葉子、凄まじい役者である。そして、加藤泰という監督の凄さ!
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[227]イタリア式離婚狂想曲
 ダニエラ・ロッカ呑気呆亭 (Mail)2014-08-05
 
冒頭、刑務所から釈放されて故郷のシチリアに着いた、死んだ魚のそれのような目をしたマストロヤンニが列車から降り立って、如何にしてカトリック宗法下で妻との離別を成功させ・・・
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冒頭、刑務所から釈放されて故郷のシチリアに着いた、死んだ魚のそれのような目をしたマストロヤンニが列車から降り立って、如何にしてカトリック宗法下で妻との離別を成功させたかという話が延々と語られる。ピエトロ・ジェルミにしては軽みのない悲喜劇で、長年連れ添った女房に飽き飽きした様がこれでもかと重ったるく語られて、マストロヤンニばかりかこっちも辟易して、かえって何の罪もないのに嫌われる女房殿に同情心を持ってしまったのだった。その女房を見限って17歳の従妹をモノにしようと画策するのだが、見ていてすこしも面白くなく、まんまと女房を不倫の廉で射殺するに至っては噴飯物と云わざるを得ない。女房役のダニエラ・ロッカはなるほどその存在感が圧倒的で鼻につくほどなのだが、ラスト・シ−ンで駆け落ちした恋人のために絵のモデルとしてポ-ズを取っている場面では、可愛い女に変身していて、こんな女を殺すとはと、マストロヤンニに憎しみさえ覚えたのだった。
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[228]みな殺しの霊歌
 菅井きんだけが・・・呑気呆亭 (Mail)2014-07-29
 
これはいくらなんでもやり過ぎだよな、というのが率直な感想であった。そもそも一人の男の子を五人の女が寄ってたかって強姦するという設定そのものに無理がある、・・・って、己・・・
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これはいくらなんでもやり過ぎだよな、というのが率直な感想であった。そもそも一人の男の子を五人の女が寄ってたかって強姦するという設定そのものに無理がある、・・・って、己の胸に手を当てて考えてみればムリでしょ。ほとんど行きずりの関係でしかないクリ−ニング屋の男の子の自殺にこんなに盛り上がってしまう佐藤允演ずる島という、これも何があったか知らないが、婚礼の夜に新妻を殺してしまったという男の異常性格を全開させて、五人の女たちを犯して殺すというまったく無意味な行動に走らせる。それも可哀相に菅井きんさんだけは北海道でそんなシ−ンもなしに殺されてしまうというのは、これは作者たちのそれだけは見たくないという考え(ワタクシも同意するが!)によるのだろうが、それはアンマリというものではなかろうか。その佐藤允の相方に、兄を殺してしまって執行猶予中の娘(倍賞)を配するなどというのは、山田洋次も加わっていたという製作陣のやり過ぎというしかない。映像的には見るべきシ−ンもあったが、加藤泰にしては凡作である。
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[229]アラバマ物語
 スカウト、ジェム、ブ−、アティカス呑気呆亭 (Mail)2014-07-29
 
メリ−・バダム演ずる妹娘は皆にスカウトと呼ばれている。本名は一度明らかにされるが、父も兄も常に彼女をスカウトと呼ぶ。因みに辞書を引いてみるとスカウトとは斥候の意であ・・・
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メリ−・バダム演ずる妹娘は皆にスカウトと呼ばれている。本名は一度明らかにされるが、父も兄も常に彼女をスカウトと呼ぶ。因みに辞書を引いてみるとスカウトとは斥候の意であるとのこと。この映画での彼女の活躍を見るとさもあらんという感じである。映画は常に彼女の視点から描かれていて、怪人ブ−が潜む隣家を初めとして、町並みは子どもの目から見た驚異と謎とサスペンスに満ちた有機的なものとして映像化されていて、誰しもが自分の子ども時代を思い出し、一度は経験したであろう「スカウト=斥候」のドキドキ感を彼女と共に町の中を駆け巡りながら共有するのである。その最たるモノがラストの森の中でのシ−ンで、こんな演出を誰が考えたのか、すべてがハムの縫いぐるみの中からもどかしくも見ていなければならなかったスカウトの眼差しによって語られる。そしてその目が捉えた怪人ブ−の真実の姿がドアの影から姿を現わした時の驚きと、正に純なるものの象徴のような姿を見せてくれたロバ−ト・デュヴァルという若き俳優の、その将来を約束するかのような存在感。子供たちからアティカスと呼ばれて畏敬されるペックと兄のジェムを演じたフイリップ・アルフォ−ドの眼差しの強さと共に、いつもでも心に残るであろう作品であった。
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[230]昼下りの決斗
 巨象が・・・呑気呆亭 (Mail)2014-07-27
 【ネタバレ注意】
DVDの音声特典(ペキンパ−評論家による音声解説)に、ペキンパ−がこの作品について“本作は魂の救済と孤独の描写だ”と語っていたと、一人の評論家が紹介していた。以前ペキンパ−・・・
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DVDの音声特典(ペキンパ−評論家による音声解説)に、ペキンパ−がこの作品について“本作は魂の救済と孤独の描写だ”と語っていたと、一人の評論家が紹介していた。以前ペキンパ−の自伝だったかを読んだときに、ペキンパ−の弁護士であった父親が、貧しい人の弁護には報酬を受け取らなかったという記述があった。その父親の常なるモット−を、ペキンパ−はこの映画の中でマクリーに語らせている。馬を並べて歩ませながらジル(スコット)がスティ−ブ(マクリ−)を説得しようとして、“Is that all you want,Steve?”と言うのに対して、遠くに目をやりながら、スティ−ブは“All I want is to enter my house justified”と返答する。家など持たぬ流れ者の雇われ保安官のものとは思えぬ台詞だが、マクリ−という誠実さの権化のような男の口から語られることによって陳腐さを免れている。以上は、今回DVDで見直して気づいたことだが、この映画の素晴らしさはラストの決闘シ−ンにあることは言うまでもない。若きウォ−レン・オ−ツを含むハモンド兄弟三人に立ち向かう老いたるガンマン二人の決闘は、後年の早撃ちを競うそれではなく、互いに抜いた拳銃を下げて接近しながら撃ち合うという正統な形で展開される。両者とも正々堂々の振る舞いで撃鉄を確実に落としながら発砲して、ジル一人が生き残るという凄まじい決闘であった。そして瀕死のスティ−ブは駆け寄ったジルに“独りで死なせてくれ”とその手を払い、まるで“俺はあの山に還って行くんだ”とでも言うかのように背後の青い山を振り返って、巨象が斃れるようにくずおれて行くのだった。
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[231]バラバ
 (無題)呑気呆亭 (Mail)2014-07-27
 
ワタクシにしては珍しくこの映画は原作を先に読んだ作品であった。原作はまるで古代文書のような簡潔な筆致で「バラバ」の物語を語っている奇跡的な小説であった。映画をご覧に・・・
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ワタクシにしては珍しくこの映画は原作を先に読んだ作品であった。原作はまるで古代文書のような簡潔な筆致で「バラバ」の物語を語っている奇跡的な小説であった。映画をご覧になったら是非原作をお読みになることをお薦めする。映画はまさにスペクタクル巨編という趣で、クインの熱演にもかかわらず、“キリストを身代わりにした男”の魂の彷徨は今一感得することは出来なかった。
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[232]シベールの日曜日
 禁じられた遊び呑気呆亭 (Mail)2014-07-27
 
そもそもこれはワタクシが己のロリコン性に目覚めた映画である。フランソワ−ズ=シベ−ルを演じたパトリシア・ゴッジの少女とは思えないコケテッシュな魅力は、セクシュアルでな・・・
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そもそもこれはワタクシが己のロリコン性に目覚めた映画である。フランソワ−ズ=シベ−ルを演じたパトリシア・ゴッジの少女とは思えないコケテッシュな魅力は、セクシュアルでないだけに大人の女にも太刀打ちの出来ない反社会的なモノとなる。これはいわばもう一つの“禁じられた游び”であった。ピエ−ルは社会によって殺されねばならなかったし、シベ−ルは遂にその本名を人に告げることなくフランソワ−ズとして退屈な生を生きることになるのだろう。
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[233]長距離ランナーの孤独
 不器用さ呑気呆亭 (Mail)2014-07-27
 
コ−リンが感化院に入ることになったそもそもの失策、雨樋に盗んだ金を隠して置いたのが、間の悪いことに、刑事に詰問されているその時に雨が降ってきて、流れ出てしまうという・・・
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コ−リンが感化院に入ることになったそもそもの失策、雨樋に盗んだ金を隠して置いたのが、間の悪いことに、刑事に詰問されているその時に雨が降ってきて、流れ出てしまうというシ−ンの間抜けさには笑ってしまった。“怒れる若者”ではありながら、仲間から“所長のペット”と呼ばれて、走ることの己の才能に未来への希望を見いだしながらも、「誇り」のためにゴ−ル目前にして立ち止まってしまうコ−リンの「孤独?」に、というよりその「不器用さ」に、恐らくは犯罪者にはならぬであろう彼のそれからを思って、ニヤリとしたことだった。
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[234]ひとり狼
 呑気呆亭 (Mail)2014-07-24
 
リアルタイムで見たときは、伊三郎(雷蔵)の厄介になっている親分宅での振る舞いが、特に食事時の作法が、なるほど正統の渡世人とはこうしたものなのかと、駆け出しの新米ヤク・・・
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リアルタイムで見たときは、伊三郎(雷蔵)の厄介になっている親分宅での振る舞いが、特に食事時の作法が、なるほど正統の渡世人とはこうしたものなのかと、駆け出しの新米ヤクザの長谷川明男とともに瞠目したものだった。見直してみても市川雷蔵という人の人間性から滲み出るのに違いない背筋の伸びた折目正しさがいかにも好ましかった。しかし、今回はラストの伊三郎を横移動で撮ったシ−ンに瞠目した。この風雪を突いて歩む伊三郎は、まさに「狼」そのものだった。
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[235]日本残侠伝
 高橋英樹呑気呆亭 (Mail)2014-07-24
 
東映任侠映画の名匠・マキノ雅弘が、日活に招かれ高橋英樹主演で監督した任侠映画。大正半ばの浅草。長屋をつぶしてデパ−トを建てようとたくらむ悪玉やくざの不埒なふるまいに・・・
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東映任侠映画の名匠・マキノ雅弘が、日活に招かれ高橋英樹主演で監督した任侠映画。大正半ばの浅草。長屋をつぶしてデパ−トを建てようとたくらむ悪玉やくざの不埒なふるまいに、木場江戸常組の小頭・中山秀次郎の怒りの刃がうなりをあげる。マキノ雅弘は日活でも東映調のパタ−ンを崩さず正統的な任侠映画の佳作に仕上げた。日活任侠映画をひとりで背負っていた感のある高橋英樹が、マキノ雅弘監督一流の演技指導をうけ、堂々たる任侠スタ−ぶりを披露。また、マキノ雅弘が名づけ親となり、太田雅子がこの作品から梶芽衣子と芸名を変えた。彼女もこの作品以降見違えるほどの生長を見せる。(ぴあ・CINEMA CLUB) ◎高橋英樹という高倉健のそれとは違ったいかにも日活スタ−らしい何処かとっぽい個性を、マキノ雅弘は縦横に駆使して輝かせて見せてくれる。中央に高橋を配したことで脇役たちも伸び伸びと働くことが出来たようだ。そのためか、マキノは秀次郎のラストの殴り込みを東映調にはせず、祭の喧噪を借りて敵方に神輿を担ぎ込むという、何処か\'41年の傑作「阿波の踊子」を思わせるようなシュチュエ−ションで処理して、血生臭さを回避して華やかなモノにしている。高橋英樹の立ち回りもヤクザのものではない木場の者の、これまた高倉健のそれとは違った光り物への恐怖に満ちた迫真性があった。
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[236]紅の流れ星
 自由学校呑気呆亭 (Mail)2014-07-11
 
渡と浅丘の二人が交わす台詞の軽いリズムが、これまでの日本映画にはない洒落た面白さを創り出す。むろん舛田利雄と池上金男のコンビによる脚本の手柄なのだが、それも渡哲也と・・・
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渡と浅丘の二人が交わす台詞の軽いリズムが、これまでの日本映画にはない洒落た面白さを創り出す。むろん舛田利雄と池上金男のコンビによる脚本の手柄なのだが、それも渡哲也という裕チャンでも旭でもないトッポイ性格の俳優が日活撮影所に出現したからであろう。聞くところによると日活撮影所の雰囲気は、まるで学校のように隔てのない若者たちの集まりだったという。そこから生まれた数々のスタ−は他社にはない多彩でアナ−キ−な性格群であった。「自由学校」というものがあり得るとすれば、そのころの日活撮影所にこそその奇跡的な可能性があったのではなかろうか。
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[237]ワン、ツー、スリー/ラブハント作戦
 ブッフホルツ呑気呆亭 (Mail)2014-07-10
 
映画の冒頭、ブランデンブルグ門が映し出され、1961年8月13日ベルリンが東西に分割されたとのコメントがあり、その6ヶ月前・・・、と物語が始まる。ということはこの映画の製作は8・・・
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映画の冒頭、ブランデンブルグ門が映し出され、1961年8月13日ベルリンが東西に分割されたとのコメントがあり、その6ヶ月前・・・、と物語が始まる。ということはこの映画の製作は8月13日以降に企画され撮影されたことが分かる。まさにタイムリ−な企画で、公開がその年の内であることを考えるとよくもこれだけ質の高い作品を短時日ででっち上げたものだと感心する。クレジットを見ると戦前にワイルダ−がベルリンで見たフェレンツ・モルナ−ルという人の一幕撃を下敷きにしているとのことだが、キャグニ−の凄まじい早さで連射される台詞はダイアモンドとワイルダ−のモノに違いなく、ソビエト共産主義に象徴される教条主義を散々に笑いものにし、返す刀で実在のコカコ−ラ社に象徴される欧米資本主義の芬々たる俗臭を切り捨てるという離れ業は、まさに皮肉屋ワイルダ−の独壇場である。キャグニ−はモチロンだが、セ−タ−と菜っ葉ズボンとキャップでサイドカ−に乗ったガチガチの共産主義者から、キャグニ−の仕掛けにはまって見かけも性根も次第にご都合主義のキャピタリストに変貌してゆくブッフホルツの快演が実に面白く見応えがあった。
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[238]尼僧ヨアンナ
 呑気呆亭 (Mail)2014-07-09
 
若い頃にATGで観たときには判らなかったことがある。この神父は深くヨアンナを愛したのだ。それゆえにヨアンナに取り憑いた悪魔を自分の身に引き受け、その悪魔を自分の身と・・・
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若い頃にATGで観たときには判らなかったことがある。この神父は深くヨアンナを愛したのだ。それゆえにヨアンナに取り憑いた悪魔を自分の身に引き受け、その悪魔を自分の身と一緒に滅ぼすために殺人を凶行する。プロロ−グで神父の左手によって何気なく振り下ろされた斧がラストで重要な意味を持つことになる設定は実に恐ろしく、そのまるで蛇が自分の尾を呑むかのような黙示的な回帰性は、恐らくこの事態が永遠に繰り返されるのであろうことを暗示するかのようだ。
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[239]エヴァの匂い
 11歳のエヴァ呑気呆亭 (Mail)2014-07-09
 
窓際に立って光をうけるモロ−の横顔の美しさ。ティヴィアンに語った11歳の頃の経験は、すぐに嘘よと打ち消したものの、その前後のティヴィアンとの会話から察すれば実際のもの・・・
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窓際に立って光をうけるモロ−の横顔の美しさ。ティヴィアンに語った11歳の頃の経験は、すぐに嘘よと打ち消したものの、その前後のティヴィアンとの会話から察すれば実際のものであったのだろう。11歳で天涯孤独の身となったエヴァは、己の美しさだけを武器に男たちを食いものにしながら生きてきたのだろう。それだけにエヴァがティヴィアンに向かって言い放つ“負け犬っ!”の台詞が複雑なニュアンスをもって響くのだが、単なるオスでしかないティヴィアンにはその光と影の屈折するニュアンスは決して理解することが出来なかったのだ。
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[240]ハタリ!
 腹の底から・・・呑気呆亭 (Mail)2014-07-08
 
さすがにホ−クス。ハラハラさせたりニヤニヤさせたり大笑いさせたり、映画を見るという楽しみを堪能させてくれた。野生の獣を生捕りにするという危険と隣り合わせの仕事に従事・・・
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さすがにホ−クス。ハラハラさせたりニヤニヤさせたり大笑いさせたり、映画を見るという楽しみを堪能させてくれた。野生の獣を生捕りにするという危険と隣り合わせの仕事に従事する連中の白人も黒人も分け隔てのない関係が気持ち良く描かれ、それがあったから腹の底から笑うことが出来たのだろう。猿の捕獲作戦でそれぞれが用意した格好のバカバカしさは何度見ても吹きだしてしまう爆笑モノ。
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