allcinema ONLINE オールシネマ 映画&DVDデータベース
検索オプション

投稿されたユーザーコメント
 
 「たんばのもり」さんのコメント一覧 登録数(53件)rss
 コメント題投稿者投稿日
[001]シルク
 男女の愛と結末とは?たんばのもり2014-02-15
 
 19世紀のフランスと日本を絹で結ぶ、国境を越えた男女の悲恋と感動の物語。  公開当時(2008年)、この映画を見たときの感想は、感動よりも“謎”のほうが多かった。当時の・・・
続きを読む
 19世紀のフランスと日本を絹で結ぶ、国境を越えた男女の悲恋と感動の物語。  公開当時(2008年)、この映画を見たときの感想は、感動よりも“謎”のほうが多かった。当時の絹をめぐる日仏の交流は本当にこのようなものがあったのか?ということと、主人公たちの男女の愛と結末とは?である。  物語は、明るい陽光に包まれたフランス南部と、雪深い日本の信州を舞台につづられていく。  兵役を終えた青年・エルヴェ(マイケル・ピット)は、故郷で一目ぼれしたエレーヌ(キーラ・ナイトレイ)と結婚し、幸せな生活に満足しながら暮らしていた。  しかし、ある日、エルヴェは、地元で生糸産業を興した友人から、当時、ヨーロッパ中に蔓延した「微粒子病」により蚕が全て死滅する危機に瀕していたため、新鮮な蚕の卵を探してきてほしいと頼まれ、世界の果てを旅することになる。  このため、若妻・エレーヌは、命の保障もない過酷な旅を続ける夫を何ヶ月も待ち続ける。そして、夫・エルヴェは、旅先の日本で知り合った少女(芦名 星)が忘れられなくなり、旅を重ねる度に少女を探し求める。そして、その結末は・・・  物語の前半は、エルヴェのアフリカ・エジプトや日本への旅が繰り返し描かれていくが、後半に入り、妻の想いが次第に自分から離れていき、最後に、何故、妻が自らの命を絶つことになるのか、二人の会話からはわからない。  この映画は、当初の企画では、壮大な国境を越えた男女の悲恋の物語であったのであろうが、我々に大きな感動を与えない。映像と音楽は美し過ぎる。  昨年(2013年)の暮れ、テレビがフランス・パリで今年2月より「養蚕と絹の日仏交流展(タイトルはもう少し長いが)」が開催されることを報じていた。この交流展は、養蚕と絹を通じた日本とフランスの交流の歴史を紹介するものだそうである。  一つの“謎”は解けたが・・・
隠す
  
 
[002]ゼロ・グラビティ
 究極の3D映画だたんばのもり2014-02-03
 
 これぞ3D上映方式の劇映画の究極といわれるようなSF映画だ。(映像、音響、上映時間)  宇宙空間から見た地球の姿は青くとてつもなく美しい。  この映画は宇宙空間を舞・・・
続きを読む
 これぞ3D上映方式の劇映画の究極といわれるようなSF映画だ。(映像、音響、上映時間)  宇宙空間から見た地球の姿は青くとてつもなく美しい。  この映画は宇宙空間を舞台にした二人の宇宙飛行士の、孤独と絶望、そして希望の物語であるが、宇宙空間を疑似体験しながら映画に見とれた後、はっと我にかえる。  日常の現実の厳しさと、この映画の宇宙飛行士の現実の厳しさを、つい比較してしまった。  この映画の舞台となっている宇宙空間は、地球上では考えられない極限の世界である。漆黒。真空。極寒。地球上では大気やオゾン層によって遮られているエックス線や紫外線も強烈に降りそそぐ。そして、地球の引力に引き寄せられないため、宇宙船は毎秒7.9Km(第一宇宙速度)の猛スピードで地球を周回している。もちろん船外活動をする宇宙飛行士も同様だ。  しかし、誰もが一度は、この宇宙飛行士のように宇宙船に乗って、この美しい地球を見てみたいと思っている。そして、月や火星などの惑星を旅してみたいと思っているだろう。旧ソ連がボストーク1号にユーリイ・A・ガガーリンを乗せて人類初の有人宇宙飛行を成功させてから半世紀がたったが、この夢は如何に・・・
隠す
  
 
[003]フィールド・オブ・ドリームス
 あなたは夢を実現できますかたんばのもり2014-01-04
 【ネタバレ注意】
 1990年作品。  米・アイオア州の農夫・レイ・キンセラ(ゲビン・コスナー)は、妻と娘の三人家族で暮らしている。  ある日、トウモロコシ畑で不思議な“声”を聞く。「そ・・・
続きを読む
 1990年作品。  米・アイオア州の農夫・レイ・キンセラ(ゲビン・コスナー)は、妻と娘の三人家族で暮らしている。  ある日、トウモロコシ畑で不思議な“声”を聞く。「それを作れば、彼はやってくる」その声に導かれるように、レイは独力で収穫を間じかに控えたトウモロコシ畑をつぶして、野球場をつくってしまう。  一年が経ち、野球場で一人の男が立っているのを、娘カリンが発見する。レイが見たその男は、今は亡き父のヒーローで、伝説の大リーガー、“シューレス”・ジョー・ジャクソン(レイ・リオッタ)だった。その日を境に、1919年にワールド・シリーズで八百長試合を演じたかどで球界を追放されたシカゴ・ホワイトソックスのメンバー8人が、次々と野球場に現れる。更に、レイは第二、第三の“声”を聞き、小さな奇跡はやがて人々の心に温かい波紋を広げていく。  トウモロコシ畑を切り開いた野球場に集まってくる、本当に野球を愛する陰に隠れた若き日の名選手たちのプレーを見ていると、“野球”をすることの誇りと喜びが、何ともいえない暖かい雰囲気の中で描かれている。  そして、2013年のアメリカ。  米・大リーグのワールド・シリーズは、昨季、ア・リーグ東地区最下位であったレッドソックス(ボストン)が、カージナルスを6−1で破って4勝2敗とし、6年ぶり8度目の優勝を飾った。前年最下位からの頂点は、史上二チーム目の快挙だそうだ。そして、1918年以来となる95年ぶりの本拠地での優勝となる。  この最後の試合に、押さえとして9回に登板した上原投手は、最後の打者を空振り三振に打ち取り、歓喜の輪の中にあった。(ワールド・シリーズで優勝を経験した日本人は、これで二人となった)    米国人にとって“野球”は国家を超えたスポーツである。そして、“野球”は国家がどのようにかわろうとも脈々と人々の中で受け継がれてきた。米国人にとってスポーツの代名詞が“野球・ベースボール”なのだ。その頂点に立つ米・大リーグは偉大な歴史をもち、選手はそこでプレーできることは大きな誇りであった。それは現在でも変わらない。  この映画は、大リーグにおける数々の名シーンの陰に隠れた名選手に光をあてながら、人々に“夢”を持つことの大切さを伝える感動の物語である。
隠す
  
 
[004]あまちゃん
 ドラマから湧き起こる不思議なエネルギーたんばのもり2013-12-27
 
 それにしても不思議なドラマだった。  ヒロイン・天野アキ(能年玲奈)の明るさ。  それを支える個性ある俳優陣の演技の素晴らしさ。  そして地元エキストラの盛り上げ方・・・
続きを読む
 それにしても不思議なドラマだった。  ヒロイン・天野アキ(能年玲奈)の明るさ。  それを支える個性ある俳優陣の演技の素晴らしさ。  そして地元エキストラの盛り上げ方。  お座敷列車・一席(一両)まで引っ張りだした大道具の数々。  ポスター、チケットまで手作りした映像へのこだわり。  そして何よりも、1980年代のトップアイドル(小泉今日子、薬師丸ひろ子)の歌声。  このドラマは“故郷編”と“東京編”、“現代”と“25年前の1980年代”を行き来しながらつづられていき、空想の物語ではあるが、出演者は現実なのである。そして、このドラマに出てくる出演者たちを見ていると、演技なのか、素のままなのか、本当にわからなくなってしまう。  私が一番気に入ったのは、最終週の大吉(杉本哲太)が安部ちゃん(片桐はいり)に結婚を申し込むシーンであるが、これなどは、列車と地元エキストラまで動員したスケール感と、出演者たちの熱演を見ていると、TVドラマの域を超え劇映画の1エピソードになっている。(それにしても地元エキストラの人たちは羨ましい。最終週の一つのネタを我々より大分先にご存知なのだから。)  すごいドラマであった。  このドラマから湧き起こる“不思議なエネルギー”は、きっと、東北地方の皆さんだけでなく、日本中のファンに“生きる勇気”を与えたと思うのである。    このコメントの下書きをしたのは、あまちゃんが終了した直後であるが(UPは今になってしまった)、朝ドラも、このようなスケール感の大きいものを、これからも是非作ってほしいと思う。
隠す
  
 
[005]ゴッドファーザー
 明と暗の対比たんばのもり2013-12-27
 
 この映画が日本で公開されたのは、日本万国博覧会が開催された後の高度成長期の真っ只中であった。私は、“ヤクザ”と言う言葉は知っていたが、“マフィア”と言う言葉は、この映・・・
続きを読む
 この映画が日本で公開されたのは、日本万国博覧会が開催された後の高度成長期の真っ只中であった。私は、“ヤクザ”と言う言葉は知っていたが、“マフィア”と言う言葉は、この映画を見て初めて知ったし、マフィアの権力闘争とはこのように凄まじく冷酷なものなのか大きな衝撃を受けた。  1940年代。  第二次世界大戦後の混乱したアメリカ。  イタリア・シシリー島からニューヨークに移民し、一代で五大ファミリーの一つのマフィアのドンの地位まで登りつめたビトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)と、その息子マイケル(アル・パチーノ)の家族愛と権力闘争の物語。  ・オープニングの明るい陽光の中で繰り広げられる結婚式。そして、邸宅の薄暗い書斎で繰り広げられる男たちの戦いのシーン。  ・クリスマスの夜、ショッピングを楽しむマイケルたちと、ビトー・コルレオーネの狙撃シーン。  ・美しいシシリー島で繰り広げられるマイケルの結婚式と、その後に続く、最初の妻アポロニアの爆殺シーン。  ・五大ファミリーのボスたちによる権力闘争のシーン。  ・そして、オープニング・シーンと同じように同時進行で進むラストシーン。モンタージュによる教会での洗礼式とファミリーのボスたちの殺戮シーン。  マリオ・プージの小説を映画化したこの映画は、全体に広がる日常の細やかな家族愛の描写シーンと、権力闘争の冷酷なシーンなど、明と暗を対比しながら進んでいく強烈な演出は、この映画を見るものに大きな衝撃を与える。  今年(2013)、第25回高松宮殿下記念世界文化賞(演劇・映像部門)の受賞が決まった、フランシス・フォード・コッポラ氏のインタビュー記事が大手新聞に掲載(2013.10.7)されていた。  その中で、ヒットの理由は、「.沺璽蹈鵝Ε屮薀鵐匹筺∩農欧蕕靴ず庸修鮖った若い俳優たちの演技が抜群であったこと、映画のスタイルがそれまでのギャング映画と違っていたこと、撮影監督と美術監督が最高の才能を発揮したこと、い海諒語が世に出たタイミングが絶好であったこと」、そして、「権力と家族というテーマが、当時の人々に受け入れられたこと」と語っていた。  そういえば、モンタージュによる明と暗を対比しながら進んでいく演出方法は、その後、いや今でも映画やTVドラマの中でラストのクライマックスシーンなどで取り入れられている。
隠す
  
 
[006]アフター・アース
 少年がスーパーマンにたんばのもり2013-07-03
 【ネタバレ注意】
 本当の親子の競演がどのように魅せるのかと期待して見に行ったが、この映画は何を本当に伝えたいのか。監督はサスペンスやミステリー作品で独自の映画文化を作り上げた、鬼才・・・
続きを読む
 本当の親子の競演がどのように魅せるのかと期待して見に行ったが、この映画は何を本当に伝えたいのか。監督はサスペンスやミステリー作品で独自の映画文化を作り上げた、鬼才、M・ナイト・シャマランであるが、本作品からはその影も姿も見当たらない。親子の競演が始まったとたんにハッピー・エンドがわかってしまう。  何故か。  物語が単純すぎである。  一人の少年の冒険と成長を極限の世界の中で描くのであれば、もっと、人対人などの要素を取り入れて、精神的にも強く成長していくよう見せるべきであった。  条件(未来の地球の悪環境と、地球上に生息する凶暴な野生動物や異星人の生物兵器)が余りにもハードになり過ぎ、少年がスーパーマンになってしまった。ましてや戦っているのは少年一人なのであるから。  人類は地球の環境が破壊され住めなくなったため新たな惑星に移住していたが、そこでも異星人の攻撃にさらされていた。地球軍の将軍・サイファ(ウィル・スミス)は、仕官学校生の息子・キタイ(ジェイデン・スミス)を精神的に鍛えるため、訓練を兼ねた遠征に同伴させる。  二人が乗った宇宙船には、隊員と捕獲された異星人の生物兵器も何故か乗せられていた。  宇宙船は途中で隕石群に遭遇してしまう。これを避けるため将軍はワープを強行するが失敗し、1000年後の地球に不時着してしまう。  宇宙船は不時着時の衝撃で船首部と船尾部の真っ二つになる。船首部の生存者は将軍と息子の二人だけであった。しかも将軍は両足骨折の重傷を負ってしまい身動きがとれない。救難信号で救助を求める必要があるが、救難信号を送信する発信機は100Km先に落下した船尾部にしかなかった。  将軍の指示だけをたよりに、息子一人が発信機を取りに行くことになるが・・・  私は最近忙しかったので余り映画を見る機会がなく、“オブリビオン(2013年/米)”と“アフター・アース(2013年/米)”どちらを見るか悩んだが、この映画を、先月、大阪・箕面のシネコン(IMAX・2D上映)で先に見た。  美しい緑の惑星・地球で繰り広げられる映像は、実写とCGを組み合わせ、大変美しいものに仕上がっているが、余り感動は得られない。  よく見ていると、次第にこの映画のアイデアばかりが気になり始め、“スター・ウォーズ”“スター・トレック”“ロード・オブ・ザ・リング”“アバター”、そして“アポカリプト”と限りなくなってしまった。  今年(2013年)は、次に“スター・トレック イントゥ・ダークネス(2013年/米)”が控えている。かくして、今年の春から夏にかけては、地球を舞台にしたSF大作のオンパレードとなる。このような年も珍しい。
隠す
  
 
[007]風と共に去りぬ
 アメリカ!不屈の精神!巨大なパワー!たんばのもり2013-06-01
 
 原作は、マーガレット・ミッチェル(本名はペギー・ミッチェル)が、ただ一作だけ書いた同名の長編小説。1936年に出版され、売り出し当日に5万部を売りつくしたと言われ・・・
続きを読む
 原作は、マーガレット・ミッチェル(本名はペギー・ミッチェル)が、ただ一作だけ書いた同名の長編小説。1936年に出版され、売り出し当日に5万部を売りつくしたと言われる世界的なベストセラー。  当時、ハリウッドの名製作者デビット・O・セルズニックは、この本が出版された翌月には映画化権を得て、準備から完成まで3年半を要し、当時としては破格の395万7千ドルをかけてこの映画は完成する。白黒映画が全盛の当時としては画期的なカラー超大作。  ワールド・プレミアは、1939年12月15日に、物語の主舞台である米・ジョージア州アトランタ市で行われた。  「風と共に去りぬ(Gone With The Wind)」の題名は、アーネスト・ダウサン(1867〜1900)の恋愛詩「シナラ」からとったもので、“一つの文化が戦争という烈風と共に消え去った”ことを意味している。  この映画は、当時、その絶頂にあったアメリカ合衆国南部の大農園主の貴族的文化が、南北戦争により見る影もなく打ち砕かれ、その敗戦と荒廃と混乱の中で荒々しい再建が進められていくが、その中でスカーレット・オハラ(ヴィヴィアン・リー)がどのように逞しく生き抜いたかを、色々なエピソードを交えながら描いている。  4年間も続き62万人の戦死者を出した南北戦争は、アメリカ合衆国南部の諸州に大きな爪あとを残した。大農園主たちは全て没落し、農園主と奴隷の古い絆は断ち切られ、農園は荒れ放題となった。また、自由民となった黒人は生きる道を失った。更に、西部からはヤクザ者たちが流れ込み、利権をあさり、不正の限りをつくした。このような混乱の中でも、南部人の郷土愛は逞しく燃え盛り、工業の発達や農業の再興に寄与していくのである。  私がこの映画を始めて見たのは、大阪・梅田の映画館でリバイバル上映された1972年(昭和47年)であるが、この映画はアメリカ合衆国の不屈の精神と、巨大なパワーをいやというほど見せつけられる。
隠す
  
 
[008]ジュラシック・パーク
 三度目の大ヒット作たんばのもり2013-05-10
 
 映画館をテーマパークにしたら観客にどれだけ受けるだろう。  テーマパークは熱帯地方の南海に浮かぶ美しい孤島だ。この島には恐竜の血を吸った蚊の化石から抽出したDNA・・・
続きを読む
 映画館をテーマパークにしたら観客にどれだけ受けるだろう。  テーマパークは熱帯地方の南海に浮かぶ美しい孤島だ。この島には恐竜の血を吸った蚊の化石から抽出したDNAで再生させた本物の恐竜が生きている。そして人間がジュラ紀に生きていた恐竜と本当に出会ったならば。人間はキッと驚くだろう。そして、人間同士は対話ができる(場合によっては、言語の違いを乗越え)が、人間は恐竜(他の生物)とは対話ができない。対話ができなければ恐怖心は増し争いが起きる。ましてや相手が巨悪で獰猛な生物であったなら人間は恐怖に慄くだろう。これは面白い映画になりそうだ。  “JAWS/ジョーズ(1975年/米)”は映画史上最高のヒット作。“E.T.(1982年/米)”は二度目の映画史上最高のヒット作。そして、当時として最先端の映画製作技術で作り上げたテーマパーク、“ジュラシック・パーク(1993年/米)”は三度目の映画史上最高のヒット作。  スティーヴン・スピルバーグは、このようにしてヒット作を次々に放っていくのである。
隠す
  
 
[009]もののけ姫
 深い森からのメッセージたんばのもり2013-04-10
 
 このアニメ映画は自然と人間の共生がテーマに描かれ、今でも多くのファンに愛されている。  構想16年。製作期間3年。日本アニメ史上空前の製作費。  宮崎駿の思い入れは・・・
続きを読む
 このアニメ映画は自然と人間の共生がテーマに描かれ、今でも多くのファンに愛されている。  構想16年。製作期間3年。日本アニメ史上空前の製作費。  宮崎駿の思い入れは強く「引退宣言」までして全身全霊で取り組んだ作品と言われる。宮崎作品としては、これまでの平和的なファンタジーから一転し、非常にメッセージ性が強い。  物語の舞台は日本。  スタジオジブリが積極的にCGを動員した最初の作品でもある。  1997年の夏休みに公開され、観客動員数1420万人、興行収入193億円となり、それまでの国内の興行収入トップの“E.T.(1982年/米)”を抜き歴代第一位となるなど、当時の国内の興行記録を次々に塗り替えた。  この大ヒットにより、1999年、スタジオジブリはこの作品を、“Princess Mononoke”のタイトルでアメリカ劇場公開する。海外でも高い評価を得たこの作品は、2000年には国内でも凱旋上映されるのである。  宮崎作品は、海外の映画人には“千と千尋の神隠し(2001年)”のほうが有名であるが、私はこのアニメ映画が一番だと思っている。  日本の中世・室町時代。  深い森の中で展開する森の神々と相容れない二つの種族の争いは、生と死、愛と憎しみが、艶やかな緑(Viridian)と赤(Carmine)の余色(補色)で表現され、我々に強烈に迫ってくる。公開当時のあの驚きと感動は忘れられない。そして、見るたびに新しい発見がある。  四大文明の一つ。中国・黄河文明(黄河・長江流域の文明)が滅亡した原因の一つに、多量の青銅鋳造(刀や器など。この時代は鉄の鋳造技術が未だなかった)があげられている。  青銅鋳造には燃料として大量の木が必要であり、深い森が次々と消え、荒地となっていった。そして、人の住めない砂漠になっていくのである。  ※ある大手新聞(2013.3.6)が、“「もののけ姫」舞台に”と題して報じていた。この作品が世界で初めて、英国の新進気鋭の劇団「Whole Hog Theater」によって舞台化され、日本では4月29日から5月6日まで東京・アイアシアターで上演(英語版で日本語字幕付き)されるそうだ。どのような舞台劇になるのであろうか?
隠す
  
 
[010]レ・ミゼラブル
 ミュージカル映画の救世主たんばのもり2013-03-06
 
 ヴィクトル・ユゴーの小説を原作として、1980年代にロンドンで初演され、以降、全世界43カ国で上演されてきた、大ヒットミュージカルの映画化。  この映画が、海外の・・・
続きを読む
 ヴィクトル・ユゴーの小説を原作として、1980年代にロンドンで初演され、以降、全世界43カ国で上演されてきた、大ヒットミュージカルの映画化。  この映画が、海外の映画賞に絡みかけたため見に行った次第であるが、ミュージカル映画としては珍しく、全編がオペラ仕立てで台詞もほぼ全て歌詞になっている。が、そんなに違和感はない。また、出演者も正統派、個性派ぞろいで、私にとってもお気に入りであった。  1800年代のフランス。革命後の動乱の時代に生きた、犯罪者でありながら、仕事で大成し、人々から人望を集め市長まで登りつめたジャン・バルジャンと、彼を取り巻く人々との“真実の愛”を歌い上げた感動の物語。  ジャン・バルジャンが神父の思いやりに触れ、生き方を変える決意をするシーン。自分自身を犠牲にしながら人々を救っていくシーン。など、紙一重で生きるジャン・バルジャンの、悩み、苦しみ、そして悲しみと怒り。  それにしても、ドラマティックな映像と、「I Dreamed a Dream/夢やぶれて」、「One Day More/ワン・ディ・モアー」などのパワーのある名曲が、大画面のスクリーン一杯に展開する。それは、まるで我々を物語の中に連れ込んだような錯覚に落としいれる。そして、「The People's Song/民衆の歌」で出演者と観客は一体となりクライマックスを迎える。日本の映画館の観客は静かであるが、海外の映画館であれば観客は感動して本当に歌いだすのではないか。  ミュージカル映画は、“ウエスト・サイド物語(1961年/米)”、“サウンド・オブ・ミュージック(1964年/米)”や“ムーラン・ルージュ(2001年/米)”、“シカゴ(2002年/米)”に代表される黄金期と、低迷期を繰り返してきた。そして、この映画は、再び、革新的な映像美により、ミュージカル映画の救世主となれるのか?
隠す
  
 
[011]リンカーン
 何故今なのかたんばのもり2013-02-07
 
 1850年代のアメリカ合衆国は、貿易政策や奴隷制廃止運動(アボリショニズム)などによる利害対立で、大きく北部自由州と南部奴隷州に分かれ、混迷を極めていた。  18・・・
続きを読む
 1850年代のアメリカ合衆国は、貿易政策や奴隷制廃止運動(アボリショニズム)などによる利害対立で、大きく北部自由州と南部奴隷州に分かれ、混迷を極めていた。  1860年、連邦の大統領選挙が連邦制や奴隷制を争点として行われる。  当時の民主党は奴隷制をめぐり南北に大きく分裂し候補者を二人立て、対して共和党は穏健派のエイブラハム・リンカーンを立てる。立憲連邦党の一人を加え、選挙は四つ巴で行われるが、結局、選挙人投票でリンカーンが当選する。  しかし、翌年のリンカーン大統領就任と前後して州の連邦脱退が相次ぎ、アメリカ合衆国は国家分裂の危機に直面する。  そして、南北戦争が勃発するのである。  この戦争は、当初は連邦制維持のための戦争であったが、次第に奴隷解放のための戦争に変わっていく。奴隷制容認派であったリンカーンも、1863年には奴隷解放宣言を行い、奴隷制廃止に向けて大きく舵を切っていった。  1865年、4年間続いた南北戦争は、南軍の降伏によって終結するが、戦死者は62万人に及ぶ。これは、如何に奴隷制が頑固に根を張った制度であったかを物語っていた。  そして、戦争終結の数日後、リンカーンは南部人ブースによって暗殺されるのである。この年の12月、憲法修正第13条の批准成立により、公式に奴隷制廃止。  今やアメリカ合衆国は、黒人の大統領をも選ぶ国家となったが、現代でも矛盾を抱えた超大国に変わりはない。  スティーヴン・スピルバーグは、このリンカーンをどのように描くのであろうか。そして何を伝えたいのか。この映画が“何故今なのか”見極めたい。
隠す
  
 
[012]東京家族
 本当の家族の愛とはたんばのもり2013-02-04
 
 現在でも、世界の映画人が日本映画の代表作の一つとして選出する、“東京物語(1953年)”をリメイクした、ある家族の愛を描いた物語。  先日、大阪のシネコンで見たこの・・・
続きを読む
 現在でも、世界の映画人が日本映画の代表作の一つとして選出する、“東京物語(1953年)”をリメイクした、ある家族の愛を描いた物語。  先日、大阪のシネコンで見たこの映画は、“東京物語”を現代に置き換えたうえ、登場人物や職業などもほぼ同じである。よって、この映画を見ていると、どうしても“東京物語”が頭をよぎってくる。“東京物語”の、あの計算しつくされた映像美や、名優たちの演技とどうしても比較してしまうのだ。  同じように家族愛を描いた映画で、南仏の港町・マルセイユを舞台にした“キリマンジャロの雪(2011年・仏)”がある。この映画出てくる登場人物たちは本当の家族や親戚のようだ。きっと、この映画を作った監督は、監督の親族をこの映画に参加させ、このような暖かい雰囲気を作り上げたのではないだろうかとさえ思わせる。  しかし、“東京家族”の登場人物は、なぜか台詞の一部がぎこちなく、全体として本当の家族のように見えないのである。但し、次男・昌次の恋人・紀子役で蒼井優が登場すると、物語が俄然生き生きとしてくるのは何故であろうか。また、新たに脚本を書き替えたという、東日本大震災に関連するエピソードは、この物語にはあまり効果がないように思われるのだが。  山田洋次監督は、オリジナルの「寅さん」、「釣りバカ」シリーズを始めとして、わかりやすい庶民的な喜劇が得意であり、これらの映画がエポック メーキングだと思っている。やはり、巨匠・小津安二郎監督とは、本質的に格が違うのではないだろうか。  余談ではあるが、このような作品の客席は、“お喋りばかり”“帽子を脱がない”“携帯の着信あり”と何時ものとおりであるが。もう少し、この家族のように、周りの人にも気遣ってほしい。  ※先日の大手新聞(2013.1.31)に、昨年(2012年)、日本で公開された映画の興行収入が発表されていた。それによると、洋画は約670億円で、邦画は過去最高の約1282億円。洋画の中でも大多数を占めるアメリカ映画(大作が多いが)は、最近、大ヒット作もなく、リメイクものが多い。よって、ファンが興味を失い客足が遠のいているのでは。片や邦画は、大ヒット作の続編公開もあったが、何よりも、新人を含めた若い監督の新しい活力が、日本の映画界を益々活性化しているのだと思うのだが。
隠す
  
 
[013]スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ
 日本公開30周年イベントたんばのもり2013-02-02
 
 何故、ジョージ・ルーカスは、あの有名な“クローン戦争”を、スター・ウォーズ本編シリーズの中で描かなかったのかわからないが、このアニメ映画は、邪悪な分離主義勢力と銀河・・・
続きを読む
 何故、ジョージ・ルーカスは、あの有名な“クローン戦争”を、スター・ウォーズ本編シリーズの中で描かなかったのかわからないが、このアニメ映画は、邪悪な分離主義勢力と銀河共和国との戦い“クローン戦争”を、アナキン・スカイウォーカーたちジェダイ騎士団の活躍を中心にして、フルCGアニメで描いたものである。  このアニメ映画は、“日本公開30周年イベント”として開催された、“スター・ウォーズ セレブレーション・ジャパン(2008.7.19〜21千葉・幕張メッセ)”の会場に特設されたセレブレーション・デジタル・シアターで、監督のデイブ・フィローニのトークショーとあわせ、映画の一部分(殆どが戦闘シーン)が世界で始めて披露された。このとき、監督は「実写版(本編)の世界観を失わないよう、ダイナミックなアクション・シーンに心がけた。新キャラクターの“アソーカ・タノ”は、日本のアニメ映画“もののけ姫(1997年)”からヒントを得ている」と語っていた。また、映画の音響だけは凄かったのを覚えている。  この年(2008年)の8月に、このアニメ映画は公開される。しかし、“クローン戦争”はパーツが大きすぎ、TVシリーズとして数十回にわけ放映される予定であったため、この映画はこけら落とし的な描き方となっており、本編のようなスケール感や躍動感がなく、あまり感動を受けない作品となっている。  同じ“クローン戦争”を描いたものでは、セル画アニメ“スター・ウォーズ クローン大戦(2003年・米)”のほうが断然面白い。(TV放映のみ。一話3分を二編にまとめたDVD版あり)
隠す
  
 
[014]スター・ウォーズ/ジェダイの復讐
 続編がもっと気になるたんばのもり2013-02-01
 
 現時点でのスター・ウォーズ シリーズの最終章。  永年、君臨してきたシスを倒し、帝国軍の象徴であるスーパー・デス・スターを破壊した反乱軍の勝利までを描く。そして、ダ・・・
続きを読む
 現時点でのスター・ウォーズ シリーズの最終章。  永年、君臨してきたシスを倒し、帝国軍の象徴であるスーパー・デス・スターを破壊した反乱軍の勝利までを描く。そして、ダース・ベイダーはルークによって暗黒面から救われる。  緑の惑星“エンドア”の森で繰り広げられるスピーダーバイクによるチェイス・シーンや、宇宙戦の映像は、CG技術などなかった当時としては驚愕のものであった。  昨年、発表(2012.10.30)された、驚きのウォルト・ディズニーによるルーカスフィルムの買収と、スター・ウォーズの続編(エピソード7→2015年公開予定、8、9)製作は、全世界を駆け巡り、スター・ウォーズファンにとっては何よりも続編の内容が気になるところだ。  そして、エピソード7の監督には、「スター・トレック」シリーズのJ・J・エイブラムスが起用され、脚本はマイケル・アートンが執筆中だそうである。(2013.1.25)  エピソード6は“エンドアの戦い”までだったので、続編は新銀河共和国の誕生から、コンサルト奪回の戦い、ダーク・エンパイア、そして、ルーク監督によるジェダイ・アカデミー設立と、レイアの新銀河共和国・国家元首就任までを描くのだろうか?(私見)  P.S.(2013.9.22):  Cut(2013.10月号)に、“D23 EXPO(2年に一度開かれる、ディズニーファンクラブのイベントで、新作映画発表会も兼ねている)”の記事が掲載されていたが、その写真の一枚にナタリー・ポートマンが写っていた。このイベントでは、あいにく新「スター・ウォーズ」に関する発表はいっさいなかったそうであるが、何かよい予感が・・・。それとも「マイティー・ソー/ダーク・ワールド」の出演者の一人として舞台に上がったのか?  そして、エピソード7の公開は、2015年12月18日に決定した。
隠す
  
 
[015]アバター
 IMAXデジタル3D方式たんばのもり2013-01-09
 
 未知の惑星を舞台にした、先住民と侵略者の戦いを描いたエンタテインメント大作。アメリカ・ハリウッドのパワーを思う存分見せつけられるがドラマ性は低い。物語は、何か、英・・・
続きを読む
 未知の惑星を舞台にした、先住民と侵略者の戦いを描いたエンタテインメント大作。アメリカ・ハリウッドのパワーを思う存分見せつけられるがドラマ性は低い。物語は、何か、英・仏が新大陸・アメリカを植民地にするべく、先住民(アメリカ・インディアン)を二分して戦った、フレンチ・インディアン戦争を思わせる。  本作は、3D映画の本命として公開され、世界的にも大ヒット作となったが、私は同じ監督では「タイタニック(1997年・米)」が今でも一番だと思っている。  私は、この映画を、公開当時(2009.12)、大阪のTOHOシネマズ梅田と109シネマズ箕面で見たが、3D映画は、現時点では“IMAXデジタル3D方式”で見るのが一番映像が明るく見やすいという結論に至った映画でもある。
隠す
  
 
[016]エイリアン
 本物のSFホラー映画たんばのもり2013-01-08
 
 1970年代後半におきたSF映画ブームの中で公開された、SFホラー映画の代表作。この映画が観客に与えた衝撃は大きく、その後、続編が次々と作られていく。  先日、大・・・
続きを読む
 1970年代後半におきたSF映画ブームの中で公開された、SFホラー映画の代表作。この映画が観客に与えた衝撃は大きく、その後、続編が次々と作られていく。  先日、大阪のTOHOシネマズ梅田で、“第三回午前10時の映画祭”の上映作品として久しぶり見たが、ストーリーが殆ど解っていても、公開当時と変わらず、この映画のもつおどおどしさは変わらない。  今でも、見ただけで恐怖心がわくエイリアン。ノストロモ号の船内や謎の惑星にある遺跡(異星人の宇宙船?)のデザイン、セットの出来ばえも、公開から30年以上を経ても古臭さを感じさせない。特に、謎の惑星にある遺跡の内部は、生物(人間)の臓器を取り出した後の体内を思わせ気持ちが悪くなる。また、乗組員の体内からエイリアンが飛び出す衝撃のシーンは、事前に出演者たちに何も説明せず、本番に臨んだそうである。この映画の出演者の演技は殆どが本心かも。よって、この映画は本物のSFホラー映画なのかもしれない。
隠す
  
 
[017]ソルジャーブルー
 衝撃のラストシーンたんばのもり2012-12-20
 
 この映画は、公開当時、大阪・梅田の映画館で見た。  “西部開拓史(1962年・米/3カメラ方式のシネラマ作品)”に代表されるような、アメリカの西部開拓史の栄光を高ら・・・
続きを読む
 この映画は、公開当時、大阪・梅田の映画館で見た。  “西部開拓史(1962年・米/3カメラ方式のシネラマ作品)”に代表されるような、アメリカの西部開拓史の栄光を高らかにうたった今までの西部劇から一転して、アメリカ先住民族(アメリカ・インディアン)の悲劇・サンドクリークの大虐殺を描いた、ラルフ・ネルソン監督の衝撃作。  1965年のアメリカによる北爆開始から10年以上続いたベトナム戦争は、アメリカ国内をも混乱に落としいれ、国力はおろか、国民までも疲弊していった。この映画が作られた時代は、ベトナム戦争が激化する中、アメリカ国内では反戦反米思想が渦巻いていた。これが背景となっている。  物語は、インディアンを好意的にとらえるものと憎むものの二人の若い男女がおりなす和気藹々とした情景から一転して、ラストは一方的に協定を破った騎兵隊が、シャイアン族の集落を襲い無抵抗なインディアンの子供や女性までも大量虐殺する。このラストシーンは、当時、この映画を見た人々に大きな衝撃を与えた。  人気沸騰中であった若き日のキャンディス・バーゲンが偶然にも出演している2作品。この“ソルジャーブルー(1970年・米)”と“魚が出てきた日(1967年・英/希)”の衝撃のラストシーン(虐殺と放射能汚染)は、40年以上たった今も私の脳裏から離れない。それは、事象は違うが、今も同様のことが起きていることに他ならない。
隠す
  
 
[018]ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
 ハリウッドを超えたアニメたんばのもり2012-11-19
 
それにしても大画面のワイドスクリーンに展開する空中戦はスゴイに尽きる! 映像はハリウッドをとうに超えている! 物語は急展開で進んでいき・・・ 惨憺たる状況と絶望の中で・・・
続きを読む
それにしても大画面のワイドスクリーンに展開する空中戦はスゴイに尽きる! 映像はハリウッドをとうに超えている! 物語は急展開で進んでいき・・・ 惨憺たる状況と絶望の中で・・・ 次第に謎が解き明かされていくが・・・ また新たな疑問(Question)も・・・ FINALは猛烈な地上戦? そして、青と緑の美しい地球は取り戻せるのか? PS(2012.11.17):  本作品は、本日、午前0時に、東京・新宿バルト9で、全9スクリーンを使用して世界最速公開されるとともに、本日より全国224スクリーンで公開開始。また、昨日、午後5時からは、新宿バルト9が入居する新宿マルイアネックス1階周辺で、記念イベント“新宿ヱヴァ祭り”が開幕した。 PS(2012.12.23):  本日、ある大手新聞が“秘密主義を徹底 未完成さも人気”と題して、本作品のヒットの秘密を報じていた。この映画は作品としての“未完成さ”が最大の魅力だそうだ。そして、公開一ヶ月で、327万人を動員し、興行収入は45億円に達し、昨年(2011年)の邦画興収1位だった「コクリコ坂から」をすでに上回ったそうである。  私がこの映画を見たときも、平日であったが、20代から30代の若者ファンで、映画館はほぼ満席であった。映画が終わったときの「エッ?」と言うどよめきは、この映画の難解さを示している。 PS(2013.1.12):  本作品は、360万人を動員し、興行収入は50億円を突破した。なお、1月26日からは新たに全国94館による追加拡大公開が決定したそうである。 PS(2013.1.22):  第36回日本アカデミー賞・優秀賞の発表が行われ、本作品が優秀アニメーション作品賞の一つに選ばれる。 PS(2013.2.10):  ある映画専門誌(2013.2月下旬号)によると、本作品の興行収入見込みは53億円となり、2012年の邦画興行収入ランク4位に位置付けている。
隠す
  
 
[019]のぼうの城
 バラバラの群像劇たんばのもり2012-11-06
 【ネタバレ注意】
 先日、大阪・箕面のシネコンで見たが、145分の長尺を感じさせず、中々面白かった。  天下統一を目指す豊臣秀吉の北条氏攻め。  北条氏の支城であった、周囲を湖に囲まれ・・・
続きを読む
 先日、大阪・箕面のシネコンで見たが、145分の長尺を感じさせず、中々面白かった。  天下統一を目指す豊臣秀吉の北条氏攻め。  北条氏の支城であった、周囲を湖に囲まれ浮き城と呼ばれた“忍城”を巡る、豊臣軍2万と成田軍500(農民兵を合わせ3千)の奇跡?の攻防戦を描いた、製作費15億円のエンタテインメント大作。  城代が小田原城に援軍で出向いたため、急遽、城代となった成田長親(野村萬斎)は、領民からは“のぼう様”と慕われていたが、戦闘経験など一度もなく、家来からは疎んじられていた。なめた豊臣軍の軍師にカチンときた成田長親は「戦いまする」と言い放ち、奇策を繰り出していくが、戦いは偶然が偶然を呼んで、成田軍が有利となっていく。  最後は、あわや最終決戦か!というところで、北条氏の居城・小田原城が落ちたとの伝令が割って入り、めでたし、めでたし。  ネタは史実に基づくものであるが、この映画はどこまでが史実なのかわからなくなってしまう。  主役は、9年ぶりでノリノリ。  脇役陣は、今や映画、TV、CMで大活躍する俳優さんたち。それぞれの個性そのままに暴れまわる。  よってバラバラの群像劇。どこか吉本新喜劇風。そこが面白い。  もちろん真面目なシーンも沢山ありますよ。  ※この映画は2010年の夏から撮影が始まり、当初の公開は2011年9月に予定されていたが、東日本大震災の発生により津波被害などの被災者の心情を考慮し、公開が一年以上延期された。  撮影のため北海道苫小牧の原野の中につくられた“忍城”の巨大なオープンセット。そこは黒澤明監督作品の「影武者(1980年)」が撮られた同じ原野でもあった。(Newsweek日本版SE・シネマの20世紀、1999.1.1にその時の写真が掲載されている。)  CGを多用した特撮もなかなかのものであるが、異様に粗く明るい画質といい、時代劇にしては重厚さに欠ける映像美となっている。  日本の時代劇映画も歳月とともに大きく変わったものである。
隠す
  
 
[020]スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
 新たな感動に期待たんばのもり2012-10-18
 
 この映画は、2002年の公開当時、最大の注目作でもあった。  それは、SW新シリーズ・第二作であっただけでなく、ジョージ・ルーカスが1999年に発表した「Eシネマ・・・
続きを読む
 この映画は、2002年の公開当時、最大の注目作でもあった。  それは、SW新シリーズ・第二作であっただけでなく、ジョージ・ルーカスが1999年に発表した「Eシネマ構想」に基づき、長編映画として世界で始めて、撮影からポストプロダクション、そして上映まで、デジタル技術を用いて行われたからである。この映画の出来ばえに全世界の映画人や映画ファンが注目した。そして、この映画は“映画・新時代の幕開け”となったのである。  物語は、前半はアナキンとパドメのラブロマンスを主軸に、後半は銀河共和国の終焉が始まっていく様子を、新たなシスの登場や、クローン大戦の始まりとともに描いていく。 ・深夜のコルサントの美しい摩天楼で繰り広げられるスピーダー・チョイス。 ・美しいナブーの湖畔の別荘と、滝に囲まれた草原。 ・水の惑星・カミーノでつくられる数十万のクローン・トルーバーたち。 ・ジオノーシスのアリーナに群がる数万のクリーチャーたち。 ・アリーナで繰り広げられるジェダイたちとバトル・ロドイド軍の猛烈な戦い。 ・ドゥークーとヨーダの凄まじいライトセーバー戦。  など、最新のデジタル技術を駆使してつくられた映像は目を見張るものがある。また、エンド・クレジットに流れる音楽は、SWシリーズの中ではベスト・トラックだ。  ジョージ・ルーカスは、この映画を製作するため、日本のSONYにHD−24p方式の映画撮影用カメラを特注した。このカメラは、“HDCAM HDW−F900「CINEALTA」”と呼ばれ、米・パナビジョン社で映画専用にカスタマイズされ、撮影には6台が使用された。完成した作品は、全世界94館の劇場において、DLP Cinemaプロジェクターによるデジタル上映が行われた。当時は、まだ、デジタル上映ができる映画館は少なかったが、今やDLP方式などデジタル上映が全盛となったのである。  来年、SWシリーズ(EP2/3)の3D版が連続して見られる。ワールドプレミアは2013年9月20日からと発表(2012.9)。期待。  P.S.(2013.1.30):昨年、ルーカスフィルムを買収したウォルト・ディズニーは、旧作の3D映画を上映中止にすることを決定した。残念。
隠す
  
 
[021]ラスト・オブ・モヒカン
 美しくも悲しい男女の物語たんばのもり2012-09-24
 
 1992年作品。  製作期間3年、製作費4千万ドル(当時の為替レートで約50億円)。  監督マイケル・マン始めてのメジャー大作。  舞台は18世紀半ばの新大陸アメリ・・・
続きを読む
 1992年作品。  製作期間3年、製作費4千万ドル(当時の為替レートで約50億円)。  監督マイケル・マン始めてのメジャー大作。  舞台は18世紀半ばの新大陸アメリカ。  物語は、英・仏が新大陸を植民地にするべく、アメリカ先住民(アメリカ・インディアン)を二分して戦った、フレンチ・インディアン戦争と呼ばれる代理戦争を背景に、モヒカン族の酋長に育てられた白人・ホークアイ(ダニエル・デイ=ルイス)と、英軍大佐の娘・コーラ(マデリーン・ストー)の愛を中心にして、滅び行くアメリカ先住民の悲しみを描いていく。  日中戦争でも、ベトナム戦争でも、代理戦争と言われる民族間の戦いは、原住民族が一番悲惨な目にあっていくが、この映画でも同じである。(この映画も、それまでのアメリカ先住民を描いた映画と同じように、あくまで、白人から見たアメリカ先住民の姿であるが。)  私がこの映画を始めて見たのはNHKでTV放映されたときであった。  アメリカ東部の緑豊かな森や草原で繰り広げられる、白人とアメリカ先住民の戦い。砲弾の硝煙で浮かび上がるウィリアム・ヘンリー砦での英仏軍の戦い。敵味方に分かれて戦わなければならない先住民。そして、運命に翻弄されながら愛し合う男女たち。最初見たときは、この映画の映像と音楽に本当に引き込まれていったのを覚えている。  TVで見たあと直ぐ、ある書店でDVDが売ってあるのを見つけたが、そのときに買わなかったため、DVDはついに買いそびれてしまった。(DVDは映像・音響面で余り評判がよくないが。)最近、やっと、この映画のBlu-rayが販売された。
隠す
  
 
[022]天地明察
 日本初の暦を作った男の物語たんばのもり2012-09-21
 【ネタバレ注意】
 江戸時代。  第四代将軍、徳川家綱の時代。  “暦”が人々の暮らしを支え、何か行動を起こすときは暦で吉凶を占い、家の新築、祝い事、農作業、旅立ちなどの日を決めていた時・・・
続きを読む
 江戸時代。  第四代将軍、徳川家綱の時代。  “暦”が人々の暮らしを支え、何か行動を起こすときは暦で吉凶を占い、家の新築、祝い事、農作業、旅立ちなどの日を決めていた時代(今でもそうであるが)。  幕府に仕える碁打ちでありながら、この国で800年間以上の長きにわたり使用されていた、中国の暦法を輸入して作られた“宣明暦”に大きなずれが生じていることを発見し、日本人の手による新しい暦“貞享暦(映画では大和暦)”を困難な作業の上作成し、自らの力で改暦を成功させた偉大な天文学者・安井算哲(後の幕府天文方、渋川春海)の物語。  小説では難しい天文学や改暦の話であり、登場人物は天文学者や数学者、さらには幕府の要人、朝廷の公家など、難しくとっつきにくい映画かなと思って見に行ったが、今はやりの時代劇のように現代風にアレンジされ、中々面白かった。時代考証もバッチリ。  しかし、安井算哲(岡田准一)の妻になる、村瀬えん(宮崎あおい)が、「1年、3年と待たされましたが、また、10年も待たされるのですか」と言うように、数十年という長い物語であるのに、算哲が老けていかないのはおかしいと思うのだが。老けたほうが、もっとドラマに重みが出ると思う。二人がいつまでも若すぎるのである。また、改暦に向け三派に分かれた朝廷の工作や、京都で行う大和暦の実証観測なども、小説にあるようにもっと労力がかかったと思われるが、何か最後はあっけなく終わってしまう。  村瀬えん(宮崎あおい)のさわやかさと、算哲を陰ながらそっと支え続ける姿。  関孝和(市川猿之助)の天才和算家になりきった熱演。  水戸光圀(中井貴一)の中国かぶれの国際人。  一介の碁打ち・算哲に天文学の才があることを見抜き、改暦の大役を命じる会津藩主で将軍後見役の保科正之(松本幸四郎)。  北極出地観測隊リーダーたち(笹野高史、岸部一徳)のコミカルさ。  と、出演者たちの熱演が続き、学者たちの難しいドラマは141分の長尺を感じさせない映画となっている。  この映画は、歴史上の実在の人物を描いており、どのように見るかによって、評価はかわってくると思う。しかし、この映画は“時代劇でありながら、馴染みの少ない天文もの”“主人公が、日本史上、余り知られていない偉人”という、今まで誰も手をつけなかったジャンルを映画化したことは凄い。  ※「歴史読本」の最新号(2012.10)に“知っておきたい旧暦の楽しみ方”として特集が組まれ、日本初の暦法を考え出した安井算哲と関孝和、また、この二人に関係する人々が紹介されている。この映画を思い出しながら、この本を読むのも中々おつなものである。また、“法隆寺の謎”も面白い。
隠す
  
 
[023]プロメテウス
 謎のSF活劇たんばのもり2012-08-28
 【ネタバレ注意】
 私はこの映画を、先日、大阪・箕面のシネコンで見たが、なんてことはない、この映画は謎の惑星を舞台にした、科学者たちとエイリアンの壮絶な戦いを描いた謎のSF活劇である・・・
続きを読む
 私はこの映画を、先日、大阪・箕面のシネコンで見たが、なんてことはない、この映画は謎の惑星を舞台にした、科学者たちとエイリアンの壮絶な戦いを描いた謎のSF活劇である。  地球上の古代遺跡を調査していた科学者(ショウ博士:ノオミ・ラパス)たちは、数々の遺跡で“人類の起源”を示す壁画を発見し、これが“人類の創造主からの招待状”だと考える。  数年の時を経て、宇宙船プロメテウス号は人類の起源の謎を解き明かすため、壁画に描かれた謎の惑星に向かっていく。乗員は科学者や謎の人物?たち。  “アラビアのロレンス”のようになろうとする、アンドロイド(デヴィッド:マイケル・ファスベンダー)  アンドロイドなのか人間なのか判らない(最後に判るが)、プロメテウス号の監視役(メレディス:シャーリーズ・セロン)  肝っ玉の船長(ヤネック:イドリス・エルバ)  最後に現れる、生きていた年老いた謎のスポンサー?  そして、宇宙船プロメテウス号は謎の惑星に到着し、惑星上にあるドーム状の遺跡(二つあるのがミソ)を見つけ、科学者たちは内部調査を始めるが、ここは人類の祖先が高等生物(エイリアン)をつくり、その生物に滅ぼされた惑星であることがわかってくる。  また、ドーム状の遺跡の中にはエイリアンが冬眠中の巨大な宇宙船が隠してあった。この宇宙船には、他の生物(人類?)を滅亡させるためのDNA(それとも人のDNAを破壊する物質?)を保管した大量のカプセルも載せられていた。そして、宇宙船の行き先は地球に設定されていたのである。  科学者たちが調査のためドームに入り、謎の遺跡の封印を解いたとき、冬眠中のエイリアンたちは次々に目覚め、科学者たちを襲い始める。  乗務員たちも巻き込んで、エイリアンとの壮絶な戦いは続いていくが・・・  そして、人類の起源を探る旅は、次回作?に続いていく・・・  この映画のストーリーは謎だらけで、前後関係なしに、その時そのときのシーンで感動?する映画であった。エイリアンにしても、何故、次々と種類が変わって出てくる(生れてくる)のか描かれていない。最初のオープニングシーンは、何を予告しているのか。もしかしたら地球上の人類は“あのDNA”によって既に滅亡?・・・。だから、最後に生き残った科学者は地球に帰らない。  まあ、この映画を観た映画ファンたちは、謎解きに夢中になるのかも。それが製作者の狙いだったりして。  それにしても、今までに作られた数々の有名な映画へのオマージュ満載(映像まである)のSF大作でもあった。  映像はすばらしい。 <お断り>  このコメントは、観賞当日(公開されてすぐでしたが)、この映画のパンフレットが映画館の売店になかったため(品切れ)、予備知識なしで書いたものです。
隠す
  
 
[024]スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
 新たな感動たんばのもり2012-08-24
 
 この映画はスター・ウォーズ シリーズの最終作であるが、新三部作と旧三部作をつなぐ重要な作品でもある。全編クライマックス・シーンの連続で、新たなシスの誕生とともに、・・・
続きを読む
 この映画はスター・ウォーズ シリーズの最終作であるが、新三部作と旧三部作をつなぐ重要な作品でもある。全編クライマックス・シーンの連続で、新たなシスの誕生とともに、高度な技術と文化の上に築き上げられた銀河共和国の終焉が描かれている。  先日、スター・ウォーズinコンサートの公演を見て(聴いて)、改めて思ったのであるが、新旧三部作を本当につないだのはパドメなのか?それともファンなのか?  P.S.:  先日、スター・ウォーズinコンサート・大阪公演に行ってきた。  会場は2700人が収容できる大阪国際会議場のメインホールであるが、満席の観客であった。観客は男女半々ぐらいで、年齢層は20歳代後半から30歳代が一番多く、50歳以上も若干混じっている。  指揮 マーク・ワターズ、演奏 関西フィルハーモニー管弦楽団と合唱団、そして、ライブ・ナレーションはアンソニー・ダニエルズが英語(最初と最後の挨拶は日本語。日本語字幕がスクリーンに映し出される)で進めていく。  巨大なLEDスクリーンに映し出される輝度を一杯に上げた迫力ある映像、ボリュームを一杯に上げた音響と会場全体を舞うレーザー光線と照明は、今までに経験したことがない体験であった。  演目は、最初、お馴染みの20世紀FOXのファンファーレから始まり、“スター・ウォーズ EP− シスの復讐のサウンドトラック盤”のボーナス盤として付いていた“STAR WARS A Musical Journey”の曲目が抜粋され、映像とともに演奏されていく。  圧巻は、やはり“A Long Time Ago”と、最後の“A New Day Dawns”であろう。なんと“A New Day Dawns”は、本コンサート用に新たにアレンジされ、ルークやレイアの誕生シーンなども入っている。  演目が全て終わった後、会場全体から沸き起こった拍手は5分間以上続き、アンコール曲(Cantina band/酒場のバンド)。拍手はまだ続き、アンコール曲(The Imperial March/帝国のマーチ)。拍手はまだまだ続いていたが、まだまだ続けそうな指揮者の袖を、アンソニー・ダニエルズが引っ張って舞台から下がっていった。うまい。  15分間の休息をはさみ約2時間。真夏の夜の、夢の体験は終わった。本当に凄い。感動した。
隠す
  
 
[025]ブラック・スワン
 未だ混乱中のドラマたんばのもり2012-08-09
 
 この映画は、まるで一人のバレエ・ダンサーのメイキング映像を見ているようだ。  ニューヨークのバレエ団でレッスンに励むダンサーのニナ(ナタリー・ポートマン)は、元ダ・・・
続きを読む
 この映画は、まるで一人のバレエ・ダンサーのメイキング映像を見ているようだ。  ニューヨークのバレエ団でレッスンに励むダンサーのニナ(ナタリー・ポートマン)は、元ダンサーの母親の寵愛のもと、人生のすべてをバレエに捧げている。そんな彼女に新作“白鳥の湖”のプリマを演じるチャンスが訪れるが、この役は、純真な白鳥の女王だけでなく、邪悪で官能的な黒鳥も演じなければならなかった。優等生タイプのニナにとって、この黒鳥の役はハードルが高すぎる挑戦だった。さらに新人ダンサーも現れて、ニナは精神的に益々追いつめられていく。やがて役作りに没頭するあまり極度の混乱に陥ったニナは、現実と幻覚の狭間をさまよい始めるが・・・  殆どのシーンは手持ちカメラにより撮影されており、マシュー・リバティークのカメラは、ニナの内面をえぐり出すように、しつこくニナを追い回していく。ラストの、白から黒、そして赤のシーンが圧巻。  私たちは、一番良いシーンだけを集めて完成した、演劇や映画、テレビドラマを見て感動しているが、その完成シーンを作るまでの過程のドラマのほうがもっとすごいのかもしれない。この映画は、その過程のダンサーたちを綴ったドラマである。そして、演ずる人々は、どのようにして役作りをしたのであろうか。難しい。すごい。  この映画を始めて映画館で見たときは、余りにも混乱してわからなかったが、最近、改めてDVDで見直して思うのは、ニナ役はナタリー・ポートマンでしかありえなかったのではないか。鬼才、ダーレン・アロノフスキー監督は、この映画をナタリー・ポートマンという女優がいたからストーリーを考え作り上げたのか、それとも、ストーリーを考えた上でナタリー・ポートマンに演じさせたのかは、私にはわからない。  ※この映画で、ナタリー・ポートマンは、2010年の第83回米・アカデミー賞で主演女優賞を始めて受賞した。また、作品賞、監督賞、撮影賞、編集賞の4部門にもノミネートされた。更にこの映画は、その年のゴールデングローブ賞を始め、世界の数々の主要映画賞を席巻していったのである。  日本での配給権をもっていた20世紀FOXは、当初予定されていた単館系公開を、この映画が米・アカデミー賞などに絡みかけたことにより、TOHOシネマズ日劇をメインにした拡大公開に踏み切る。興行収入23.9億円。2011年の外国映画興収ベストでは9位。(上位7作品がハリー・ポッターなどのシリーズもの。8位がディズニーの3D映画)
隠す
  
 
[026]メリダとおそろしの森
 ピクサーの新たな金字塔たんばのもり2012-07-22
 【ネタバレ注意】
 舞台は、中世の北ヨーロッパ・スコットランドのとある王国。  この国のファーガス王は怖いもの知らずで、堅実でしっかり者の美しいエリノア王妃と、おてんばで弓が得意な王・・・
続きを読む
 舞台は、中世の北ヨーロッパ・スコットランドのとある王国。  この国のファーガス王は怖いもの知らずで、堅実でしっかり者の美しいエリノア王妃と、おてんばで弓が得意な王女メリダ。そして何とも不思議な三つ子と暮らしている。  王女メリダは成長し、ファーガス王は婿養子を決めるため、同盟国の三人の頭領(マクガフィン卿、マッキントッシュ卿、ディンウォール卿)たちから候補者を出すように命じる。その候補者たちは頭領のとんでもない息子たちだった。  王室の古いしきたりを伝えようとする母のエリノア王妃。新しい世界に目覚めていく若い娘の王女メリダ。  母と娘の葛藤は、二人を大きく傷つけていくが、娘が暗く深い森に迷い込み、この森で暮らす魔女と出会い、森と人間の掟を破ったことから、母と娘の運命はさらに大きく変わっていく。  魔女が作ったケーキを食べたため、熊になってしまった母と三つ子・・・  母熊と娘は山の中で一緒に暮らし、古い言い伝えをこの眼で見、経験したことから、母娘は絆を深め、娘は王女としての新しい自分に目覚めていくが・・・  母熊は元のエリノア王妃に戻れるのか?  ファーガス王の足を食いちぎった謎の大熊は?  そして、この王国に再び平和は訪れるのか?  ・美しいフィヨルドと松が生い茂る森。  ・霧がたなびく渓谷と暗く深い森に揺れる鬼火(森の精霊)。  ・森の中で矢を射かけながら走る馬に乗った王女メリダ。  ・風になびく王女メリダの赤いカーリーヘアとふんわりと揺れるキルト。  ・王城で繰り広げられる家来たちの猛烈な争いや愉快な宴席。  ・本物と見間違えるような母熊。  ・逃げる母熊と追う軍兵、王女メリダを交えた熊同士の最後の戦い。  アニメを超えたこのリアリティ感ある映像とスピード感。一瞬の無駄もないシーンの連続は、著名なクラシック音楽を聴いているように、我々を惹きつけてやまない。  このようなアニメ映画を見ていると、日本のアニメ界もうかうかしてはおれない。  このアニメ映画の吹き替え版も、日本国内用としてピクサーで作られたのであろう。メイン・タイトルも日本語だし、エンドクレジットも製作スタッフが英語で流れた後、日本語に切り替わり、吹き替えスタッフとキャストが流れていく。なお、日本語に切り替わった後、最初に出るのは「この映画を故スティーブ・ジョブズ氏に捧げる」である。  ※ピクサー(Pixar Animation Studios)は、元々はルーカス・フィルム社の中でCG作成ツールの研究をしていたアニメーション部門を、故スティーブ・ジョブズ氏らが1986年に買収し、ピクサー社として設立したものである。その後、紆余曲折を経て、CGアニメ映画が本格化するに伴い、ピクサーとディズニーはCGアニメ映画の製作で結びつく。なお、ピクサーの長編アニメ映画は、2003年米アカデミー賞長編アニメ賞の受賞をはじめ、数々の映画賞を受賞している。 PS(2013.2.25):  “祝”第85回米アカデミー賞・長編アニメ賞受賞
隠す
  
 
[027]暗殺の森
 透きとおる映像美たんばのもり2012-07-05
 
 私は、この映画を、大阪・千里中央にある「千里セルシーシアター」で見た。今年の6月にイタリア映画の銘品を集めた「映画の国 名作選 イタリア編」を上映していて、偶然見・・・
続きを読む
 私は、この映画を、大阪・千里中央にある「千里セルシーシアター」で見た。今年の6月にイタリア映画の銘品を集めた「映画の国 名作選 イタリア編」を上映していて、偶然見たのである。そして、あまりにも印象に残ったのでコメントに書いてみた。  監督は「ラストエンペラー(1987年、伊・英・中合作)」などで有名となり、この映画が出世作である、イタリアのベルナルド・ベルトルッチ。  原作はアルベルト・モラヴィアの小説“Il comformista”(映画の原題も。訳は「同調者」。小説の邦訳は「孤独な青年」)  物語の舞台は、1938年、第二次世界大戦前夜のファシズムが渦巻くヨーロッパ。  現在と過去をつづりながら物語は進んでいく。  ローマで暮らす大学講師のマルチェロ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、過去の陰惨な記憶から逃れるためにファシズム活動に傾注していく。ある時、反ファシズム活動を行う恩師である大学教授を、調べた上で暗殺するよう命じられる。  マルチェロは妻・ジュリア(ステファニア・サンドレッリ)と、新婚旅行に偽装して大学教授を追ってパリに赴く。  パリで大学教授はマルチェロ夫婦を好意的に迎えるが、大学教授の若い妻・アンナ(ドミニク・サンダ)はマルチェロの目的を覚ってしまい・・・  ローマの大理石造りの荘厳な建物の中に響き渡る革靴の足音。  家の庭で風に舞う落ち葉。  寝台列車の窓に映る夕日。  夕闇にかすむエッフェル塔。  ジュリアとアンナがパリの舞踏会で踊る、なんとも奇妙で妖艶なダンス。  そして、アンナが暗殺者から追われ逃げ惑う冷涼で霧がかった冬の森。  ヴィットリオ・ストラーロのカメラは、荘厳で美しいローマとパリを背景に、マルチェロと個性があまりにも違う二人の女性との奇妙な愛の関係を切り取っていく。  二人の女性も若く(当時、サンダ19歳、サンドレッリ24歳)綺麗であるが、映像がなんといっても抜群だ。奇抜なカメラアングルと、白色と青色を基調にしたイーストマンカラー独特の透きとおるような映像美が映画全体に広がっている。  やはり、この当時の映画はフィルム上映方式の映画館で見るべきだ。  ※「千里セルシーシアター」がある千里中央は、1970年に日本万国博覧会が開催されたときに造られた人工の街である。鉄道とモノレール、そして高速道路が、地下、空中、地上でアクセスし、ユニークな高層のビルが建ち並ぶこの街は、まるで映画に出てくる未来都市のようだ。この街のショッピングモールの地下街にこの劇場はある。1スクリーンで小さいが、今まで公開された映画を低料金でリバイバル上映している。
隠す
  
 
[028]月世界旅行
 カラー版の上映決まるたんばのもり2012-07-04
 
 “映画史に残るSF「月世界旅行」カラー版をスクリーンで!誕生から110年”と題して、本日(2012.7.4)、シネマトゥデイがWebで報じていた。  「月世界旅行」は、映画・・・
続きを読む
 “映画史に残るSF「月世界旅行」カラー版をスクリーンで!誕生から110年”と題して、本日(2012.7.4)、シネマトゥデイがWebで報じていた。  「月世界旅行」は、映画誌などでは“16分の幻想的な白黒短編映画”として紹介されているが、カラー版もあって長い間行方不明になっていたが、1993年に偶然発見されていた。そのカラー版がドキュメンタリーと一緒に、8月25日からシアター・イメージフォーラムで期間限定上映されるそうだ。  カラー版のくだりは、今年公開された“ヒューゴの不思議な発明”にも出てくる。  見にいこっと!
隠す
  
 
[029]英国王のスピーチ
 王室を暖かく描く映画たんばのもり2012-06-04
 
 私はこの映画を公開当時(2011年)、大阪・箕面のシネコンで見た。この映画は英王室物語でありながら、なんともユニークで、そして大きな感動を呼ぶ。  第二次世界大戦・・・
続きを読む
 私はこの映画を公開当時(2011年)、大阪・箕面のシネコンで見た。この映画は英王室物語でありながら、なんともユニークで、そして大きな感動を呼ぶ。  第二次世界大戦をまたぐ英国の苦難の時代に王であったジョージ六世と、彼の持病治療にあたったオーストラリア人 ライオネル・ローグの知られざる交流をつづる物語。  英国王・ジョージ六世(コリン・ファース)は、兄のエドワード八世の突然の退位により英国王になる。しかし、王には吃音(きつおん)症というコンプレックスがあった。これを見かねた王の妻・エリザベス(ヘレナ・ボトム=カーター)は、スピーチ矯正の専門家・ライオネル(ジェフリー・ラツシュ)の診療所を訪ね、王を治療にあたらせることにするが・・・。  ライオネルのとんでもないユニークな治療。しかし、王はこの治療によって心を解きほぐし、次第に心の落ち着きを取り戻していく。  第二次世界大戦が始まり、ナチス・ドイツとの開戦に揺れる英国民を、王は渾身のスピーチで団結させていくのである。  この“映画の壺”は、“王室を暖かく描く精神”“王室家族の暖かい絆”であろう。そして、なににもまして、主演、助演の三人がうまい。また、あまり時代背景を知らなくても十分楽しめる。  第83回アカデミー賞の、作品、主演男優、脚本、監督の主要4部門を受賞した。  ※英王室物語は、ブーリン家の姉妹(2008年、英・米)、エリザベス(1998年、英)など、数々の作品として映画化されてきた。その作品群は、英王室の栄華と苦悩を映し出し、我々に感動を与えてきた。  今(2012年)イギリスでは、エリザベス女王の在位60年を祝う一大祝賀行事が始まった。イギリス各地では、ユニオンジャックがはためき、国民はビックランチで祝賀ムードを盛り上げている。居城の火災や、ダイアナ元妃の離婚、事故死など数々の苦難に遭いながら、英王室は今も英国民の高い人気に支えられている。  そして、千数百年続く世界一の歴史と格式をもつ日本の皇室も、国民に愛され続けられている。  
隠す
  
 
[030]フラガール
 感動のサクセスストーリーたんばのもり2012-05-15
 
 この映画も、後からDVDで見て、「しまった。劇場で見るべきだった」と思った映画の一つ。福島県いわき市にある“常磐ハワイアンセンター(現、スパリゾートハワイアンズ)”・・・
続きを読む
 この映画も、後からDVDで見て、「しまった。劇場で見るべきだった」と思った映画の一つ。福島県いわき市にある“常磐ハワイアンセンター(現、スパリゾートハワイアンズ)”の設立をめぐる、感動のサクセスストーリー。  昭和40年頃の東北地方・常磐炭鉱。この炭鉱も、国内の燃料需要が石炭から石油に代っていく中で閉山の危機に際していた。そこで、起死回生の町おこし事業として“ハワイアンセンター”をつくることになる。そして、ダンサーも自前で育てることになるが・・・  苦しいながらも、この炭鉱で生活していこうとする人々。  新しい生活に目覚めていく少女たち。その若い力は奇跡を起こし、東北地方の“暗い冬”を“明るい春”に変えていく。  東京から呼ばれた平山まどか(松雪泰子)が、殺風景な畑の中で「私のハワイ、どこ?」から始まるこの物語は、紆余曲折を経て、最後のクライマックスのダンスシーンにつながっていく。  この映画の見所は、なんといっても、最後の谷川紀美子(蒼井優)たちが踊るポリネシアンダンスシーンであろう。本当に感動ものだ。  この映画は初めはそんなに話題にならなかったが、口コミで評判が広がり、大ロングラン上映となったのである。観客動員数125万人。興行収益15億円。  また、人間ドラマが中心の邦画界においても、日本映画の真髄ともいえるこの映画は、第30回日本アカデミー賞の最優秀作品賞を始め、その年の国内の映画賞を総なめにした。第79回米アカデミー賞には、日本から外国映画賞にエントリーされている。(一次予選で惜しくも敗退し、ノミネートならず)  ※東日本大震災(2011.3.11)の発生により、福島県いわき市も壊滅的な被害をうけ、スパリゾートハワイアンズも休館となったが、ダンサーたちは、東北地方の人々に勇気を与えるため“フラガール全国きずなキャラバン”を始める。このニュースは、日本の多くのメディアが取り上げ、ダンサーたちは“フラガール”と呼ばれるようになった。  また、この映画に出演した蒼井優たちは、震災直後から東北地方に支援活動を続けている。
隠す
  
 
 1 2次へ
 
 



【スポンサーリンク】



allcinema SELECTION

allcinema SELECTION