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 「五輪山」さんのコメント一覧 登録数(147件)rss
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[001]ブラック・サンデー
 「午前十時の映画祭」に感謝五輪山2011-02-06
 【ネタバレ注意】
ある年代以上の映画好きにとって、この映画の劇場公開は「果たされない約束」であり続けてたわけです。ようやく34年ぶりの初公開。TOHOシネマズ府中に駆けつけました。府中って・・・
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ある年代以上の映画好きにとって、この映画の劇場公開は「果たされない約束」であり続けてたわけです。ようやく34年ぶりの初公開。TOHOシネマズ府中に駆けつけました。府中って初めて降りたかも。 見回せば、多分同じ感慨を胸に客席につく人々。軽部アナも取材で来てました。府中で一番大きな499のキャパのスクリーンに、7割くらい入ってたかな。エンド・クレジットの後には拍手が起こりました。 映画の内容はここの解説や皆さんのコメントの通り。今さら書くまでもないし、今の映画に比べてテンポがどうこうとか、そういう事もどうでもいい。 スーパーボウル当日の会場点検から、ブルース・ダーンの操縦する飛行船が飛び立つあたりの、ジョン・ウィリアムスのストリングスの盛り上がり方が、何度観ても快感ですわ。 当時は日本でも有名だった「GOOD YEAR」のロゴを冠した、TV中継用の飛行船に、爆弾積んでスタジアムに突っ込むという、誰も思いつかなかった、この小説の発想が、後の911のテロの発想を予見してるようにも、今は見えます。 クライマックスのスーパーボウルは、76年1月18日、マイアミのオレンジボウル・スタジアム(ドルフィンズの本拠地)で、試合中に、ロバート・ショウが会場を走り抜ける場面を撮影。劇中セリフに「スーパーボウルを中止するなんて、クリスマスを中止するようなもんだ」とあるように、国の大イベントで、よく撮影許可が下りたなと。 この時対戦したのはピッツバーグ・スティーラーズとダラス・カウボーイズ。ちなみに今年のスーパーボウルもそのスティーラーズが、グリーンベイ・パッカーズと対戦。場所はダラス・カウボーイズの本拠地、カウボーイ・スタジアムです。
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[002]ザ・タウン
 ポスルスウェイト五輪山2011-02-05
 【ネタバレ注意】
評判自体は良かったものの、地味さが災いして、日本公開に至らなかった前作の反省点を踏まえてか、カーチェイスや銃撃戦と、派手な見せ場が増えた、ベン・アフレック監督第2作・・・
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評判自体は良かったものの、地味さが災いして、日本公開に至らなかった前作の反省点を踏まえてか、カーチェイスや銃撃戦と、派手な見せ場が増えた、ベン・アフレック監督第2作。 彼が犯罪映画マイベストに挙げてる『ヒート』の再現を試みたような、いくつかの場面。大きなヤマを踏む前の、強盗ダグとFBI捜査官フローリーの睨み合いとか、ジェレミー・レナー演じる直情型のジェムが、大金詰めたバッグを肩から掛けて、路上で警官隊と撃ち合う場面とか、個人的に『ヒート』で一番好きな、ヴァル・キルマーとアシュレイ・ジャッドの別れの場面まで、ドラマにアダプトしてます。 その他にも同じくマイケル・マン監督の『ザ・クラッカー…』を思わす要素も。例えば、刑務所の面会場面。それから組織の大ボスとの因縁と決着のつけ方。『ザ・クラッカー…』でロバート・プロスキーが演じた、喰えない狸オヤジのような大ボス。その役回りを、この映画では、先頃亡くなったピート・ポスルスウェイトが演じてます。 表向きは「花屋」で、組織犯罪を仕切るフィクサー。足を洗うため、仕事を断ろうとするダグに、彼の母親の死の真相を語って聞かせる場面の憎たらしさ!キャリアの最期をこの圧倒的なヒールで飾ったのは見事です。 役名(ファミリーネーム)から窺えるように、ボストンに住むアイリッシュたちの話で、ジェレミー・レナーとベン・アフレックの関係は、『ステート・オブ・グレース』のゲイリー・オールドマンとショーン・ペンを彷彿とさせるもの。どちらも妹が絡んでるし。 レナーはオスカー助演候補になってるけど、むしろ目を引くのはFBI捜査官を演じるジョン・ハム。この人のドラマ『マッドメン』は夜中たまに観る程度だったけど、いい役者ですね。日本でいうと益岡徹に似た印象。強盗メインの映画だと、追う側が間抜けに描かれる事が多いけど、この捜査官は揺さぶりのかけ方といい、なかなか手強い。 そんな中で今回は主演も張ったベン・アフレック。ケイパー・ムービーは本来ピカレスクとして描いてほしいもの。CMで言ってる「希望と再生の物語」ってのもおかしいでしょ。銀行強盗さんざやっといて。 ただベン・アフレックだと、ピカレスクが似合わないんですよ。悪党になりきれないというか。そこで今回みたいな、強盗が人質の女性に惚れてまうって話なら、「まあ、あいつならそう成りかねんな」と納得しちゃう感じがあるんです。「いい人ヅラ」な自分のキャラがよくわかってるんじゃないかと。 主演を兼ねてるからといっても、演出に隙が生じることもなく、役者たちの見応えある表情と、テンションの高いアクション場面で、2時間強、集中力が途切れない。2作目にしてベテランのような手並みですよ。 でも監督としての一番の才能は「女優の良さを引き出せる」ことかも。前作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』でもミシェル・モナハンが、他の映画の時より断然良かった。エイミー・ライアンも問題ある母親役で強い印象を残して、その後『グリーン・ゾーン』で大きな役を得てます。 今回でいえばレベッカ・ホール。ウディ・アレンの映画では「スカーレットとペネロペと、もう一人」な扱いだったし、『フロスト×ニクソン』はあくまで二人の男のディベート映画なんで、添え物感拭えなかったし、損な位置にいた彼女の、これは代表作になりそう。 人質に捕られた瞬間の怯え、解放された後のPTSDを伺わせる震え。無傷でいたことからFBI捜査官に、グルではないかと疑われ、普通の日常を奪われた女性の心理状態が痛いくらいに伝わってくる演技です。これは監督の粘りによるものも大きいかも。 『旅するジーンズ…』では、綺麗な娘というだけの印象だったブレイク・ライヴリーを、ヤク中のシングルマザー役にして、ちょっとすさんだ色気を出させたりもしてます。あのアヒル口には男は惹かれるだろうなあ。 前作に続いて、ボストンに対する郷土愛が感じられるものの、「全米一、銀行強盗の多い街」と悪党どもの物語に、どれだけのボストン市民が喜んでるのかは微妙。わざわざラストにテロップで「もちろん大半のボストン市民は善良で働き者である」なんて気い遣ってます。大体そんなに銀行襲われるんなら、銀行もなんか手を打ちなさいよ。
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[003]ハーモニー 心をつなぐ歌
 モセダデス五輪山2011-01-30
 【ネタバレ注意】
予告編を観てて、ちょっと驚いたんですね。刑務所の女性たちが韓国語で歌ってるのが、モセダデスの『エレス・トゥ』という曲だったんで。 この曲は坂本九の『スキヤキ(上を向・・・
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予告編を観てて、ちょっと驚いたんですね。刑務所の女性たちが韓国語で歌ってるのが、モセダデスの『エレス・トゥ』という曲だったんで。 この曲は坂本九の『スキヤキ(上を向いて歩こう)』やネーナの『恋のロック・バルーン』と同じく英語以外で歌われた、数少ない全米トップテン・ヒットの1曲。スペイン語だけど、サビのコーラス部分の盛り上がりとか、とにかくメロディの良さのみで、心をつかんでしまう。 1958年から現在に至るまで、毎年開催されてる「ユーロビジョン・ソングコンテスト」というのがありまして。ヨーロッパの国々による、国別歌謡対抗戦、それで『エレス・トゥ』は73年スペイン代表で2位を獲得。翌年アメリカはじめ世界的なヒットになってます。 ちなみに翌年はアバが『恋のウォータールー』でスウェーデンに優勝をもたらし、国際的なブレイクのきっかけになりました。 日本でもこの方式に倣って、ヤマハが「世界歌謡祭」をしばらくやってたけど、いつの間にか無くなってました。ケイト・ブッシュが『嵐が丘』で参加した年もあったんだけど。 『エレス・トゥ』は当時、日本ではレコード会社契約がなく、しばらく発売されなかったはず。多分、韓国ではリリースされてて、日本より親しまれてるんでしょう。 この映画の中で『ダニー・ボーイ』をソロで歌う場面があり、もう大分以前にソウルに行った時、カラオケに連れてってくれた韓国の人が、『ダニー・ボーイ』とトム・ジョーンズの『想い出のグリーン・グラス』はどこの店にでも入ってる、と言ってたのを思い出したりもしました。とここまで映画の内容とはあまり関係ありませんでしたね。ごめんなさい。 心にそれぞれ悲しみを抱える女性受刑者たちが、合唱を通して希望を見出してく、ベタな流れにも全力で挑む韓国映画の潔さはありますが、あんまり画面の中で人が泣くもんだから、逆に泣けない。でも合唱の持つ高揚感は伝わってきます。 『エレス・トゥ』はクライマックスに歌われるんじゃなく、そこに至る橋渡し的に、受刑者たちの悲喜こもごもをフラッシュバックさせた場面に使われていて、ここは実際彼女たちが合唱してるのが見たかった。 あと女性刑務所の描写がね、なんか明るいんですよ。憎まれ役の看守も出てはくるけど、フレンドリーすぎる看守とか、所長も物分りいい人だし。罪償って暮らしてる感に乏しい。部活の合宿みたいだもの。実際あんな感じなんだろうか。
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[004]冷たい熱帯魚
 ボディを透明にするんだよ!五輪山2011-01-30
 【ネタバレ注意】
長友のクロス凄かったですな。ところで、これ近場のシネコンで観たんですが、ショッピング・モールに集う、週末の平和な家族連れは、こんなものが施設内で上映されてようとは、・・・
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長友のクロス凄かったですな。ところで、これ近場のシネコンで観たんですが、ショッピング・モールに集う、週末の平和な家族連れは、こんなものが施設内で上映されてようとは、想像だにしてないでしょう。 秩父の例の夫婦が起こした事件がモデルになってるけど、ペットショップが熱帯魚ショップに設定変更されてて、ビタミンドリンク飲ませて、毒殺するという方法の説得力が弱まってます。あの店主はペットショップをやってることで、獣医から犬猫の殺処分用の筋肉弛緩剤を手に入れていて、それをドリンクに混入させてた訳です。熱帯魚屋だと毒物の入手法をどうしたのか? まあそこは気になったけど本筋じゃない。血まみれ、内臓まみれの描写もガッツリあるけど、本筋じゃない。おぞましいのは、人が人に、成すすべもなく、精神的にも状況的にも支配されていく過程を、至近距離からつぶさに見させられるということ。 これは恫喝され続ける映画でもあり、感情が麻痺してゆく吹越満目線にならざるを得ませんね。大量殺人などを犯す人間の特徴に、詐欺師的な、人を言葉でたらし込んでゆける、そういう能力を持つ者が多い。 でんでんの演技は怒鳴る、凄む、なだめる、おどけると、圧巻のテンション。これだけ振り切った役は演ってて気持ちいいでしょうね。吹越満の受けに徹した演技のリアルさが、もう息苦しくなるほどで、それが終盤のある種のカタルシスを生んでるんですね。変な表現だけど、健さんの任侠映画の展開のよう。 園子温監督の作品に見られる「父親的なるものへの愛憎」とか「父性の卑小さ」が、今回はそれこそ「むきだし」になってますね。映画の冒頭で冷え冷えとした吹越満の家族の食事風景を見せ、でんでんの恫喝は、まともな父親とはどういうもんか教え込んでるように聞こえてきます。 内臓を捨てろと言われても呆然としてる吹越に、「おまえ、俺たちが居なくなったらどうすんだよ!」どうすんだよって…。 黒沢あすかの、亭主より狂ってるかもしれないエロ女房っぷりはもとより、女優たちはそれこそ「体当たり」です。黒沢あすかとセックスした後、やっぱり毒殺される渡辺哲の身体が、死後硬直して、バスタオル越しに勃起してるとか、とにかく描くことに妥協がないです。 願わくば「なんかwinkの曲みたいな題名」とか言ってデートムービーに選んで、ドン引きするカップルが続出することを。
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[005]白夜行
 体当たりの背中五輪山2011-01-29
 【ネタバレ注意】
コメント題は、この映画の後に観た『冷たい熱帯魚』の舞台挨拶で、園子温監督からのひと言。「背中見せただけで、体当たりの演技って言われるんなら、ウチの女優さんはどうなる・・・
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コメント題は、この映画の後に観た『冷たい熱帯魚』の舞台挨拶で、園子温監督からのひと言。「背中見せただけで、体当たりの演技って言われるんなら、ウチの女優さんはどうなるの?」と笑いをとってました。 まあ堀北が脱ぐなんて誰も思ってないだろうし、粟田麗が代打でオッパイ見せてくれてます。 「銀残し」の地味な色合いで描かれる昭和の風景は、『狼少女』の深川監督らしい、細部にまでこだわりを感じさせるもの。特に「川向こう」のバラックの描写は、住民の表情に至るまで、生々しい。 演出のテイストも、なにか野村芳太郎監督のミステリー、例えば『事件』とか『疑惑』とか、そういう時代のものを観てる感覚がありました。低く流れるストリングスの調べも、今風とは違います。なので昭和顔ではない主役の若い二人より、船越英一郎が画に馴染んでます。 TVドラマ版はチラチラ観てたんで、大体の内容は知ってましたが、TVでは刑事は武田鉄矢。かなりクセの強い役作りをしてたけど、船越英一郎は真逆と言っていい静けさ。最初、少女時代の雪穂と会話する場面など、表情とか口調が、刑事の人柄を滲ませていいですね。 定年で刑事を辞めた後も、亮司の母親のスナックに顔を出し続ける内、母親から思わぬ一言を聞く。その場面、母親役の戸田恵子にカメラは寄っていて、言葉を聞いた船越がカメラの後ろで「うえぇ?」と声を漏らす。その声が巧い。人が不意打ちを喰らった時に思わず口から漏れそうな、そんな感じでした。 彼が雪穂の結婚相手の屋敷を訪れ、自らの推理から導き出した真相を、とうとうと語るくだりは、出来れば屋敷じゃなく、岸壁の上でして頂きたかったですね。 子供時代に別れた後、一切顔を合わすことなく、共犯関係を続けてきた、雪穂と亮司のコンタクトにモールス信号が使われていたという設定は、『ぼくのエリ…』と同じ。二人が共犯関係にあるというのも。この偶然が面白いですね。 刑事と亮司が年月を経て対峙する場面は、TV版の方が印象が強い。やはり武田鉄矢の、金八で培われた説き伏せる口調の凄味が勝ってたように思います。
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[006]デュー・デート 〜出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断〜
 テキサコとメキシコ五輪山2011-01-22
 【ネタバレ注意】
やっぱり最初に連想するのは『大災難PTA』でしょうね。同じ飛行機内から話が動いてくし。でも向こうはジョン・ヒューズだから、ドタバタもどこかほのぼのしてたけど、こっちは・・・
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やっぱり最初に連想するのは『大災難PTA』でしょうね。同じ飛行機内から話が動いてくし。でも向こうはジョン・ヒューズだから、ドタバタもどこかほのぼのしてたけど、こっちは悪趣味と加虐趣味の分量がハンパない。これは褒め言葉だけど。 ジョン・キャンディのポジションを受け持つガリフィアナキス(未だに憶えられん、以下ガリフィで)の疫病神っぷりはコメディの域を超えちゃってますね。ガリフィがハイウェイでハンドル握りながら熟睡するシーンは、『ホリデーロード4000キロ』の最大爆笑シーンの再現だったり。 ダウニーにしてみれば、もはや『アフター・アワーズ』並みの不条理攻めという感じ。特に田舎の銀行の窓口の男との、ダウニーの挑発的な言葉から思わぬ展開になるあたりは、『ハングオーバー』での警官とのやりとりを踏襲しながら、ヒンヤリとした怖さもあって見事。 にしてもダウニーの今回のやられっ放しキャラはすごいね。大体どの映画観ても、人を煙に巻くような物言いで、余裕こいてる感じのダウニーが、ここまでボロボロになるのも何か新鮮ですね。これに匹敵するのは『ラットレース』のキューバ・グッティングJrか『メルキア…(これも長いんだよ)』のバリー・ペッパーか。 ヒドい目に遭わされてるのはわかるが、ガリフィの飼い犬に思いっきり唾するのはいかんよなあ。犬に罪はない。 不条理感と、広大なアメリカを移動する解放感がずっと併走してく、こういうムードは大陸でないと出せないですね。その辺の微妙な面白さが『ハングオーバー』のような、巧く出来た話のコメディと違うので、アピールする客層も見えにくい。実際近所のシネコンの初日初回で客6人だもの。アメコメ久々の全国公開として、頑張ってほしいんだけど。
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[007]キック・アス
 誕生日にバタフライ・ナイフ五輪山2010-10-11
 【ネタバレ注意】
「したまちコメディ映画祭」にて一足お先に鑑賞。最高としか言いようがないですねこれは。 殺しのスキルを叩きこまれた11才の女の子が、悪人を刺し殺す斬り殺す撃ち殺す!そん・・・
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「したまちコメディ映画祭」にて一足お先に鑑賞。最高としか言いようがないですねこれは。 殺しのスキルを叩きこまれた11才の女の子が、悪人を刺し殺す斬り殺す撃ち殺す!そんな映画が興行で1位を取るアメリカは病んでます。 そして、自分の娘である11才の少女に、防弾チョッキ着けさせ、銃弾を受けた時のインパクトを身体に叩き込む、父親ニコラス・ケイジもいい感じに狂ってます。 娘の呼び名はヒット・ガール、父親はビッグ・ダディ。ちなみに父親のバトルスーツはほぼバットマン。ヒット・ガール役のくにゃっとした顔の子をどっかで観たと思ったら『500日のサマー』でレヴィットに恋愛のアドバイスたれてた姪っこでした。もうまったく別人格かという暴れっぷりですよ。 彼女が『夕陽のガンマン』のテーマとともに、紫のバトルスーツではなく、女子校生ルックで殴りこむ場面は、本当に困ったことに、鳥肌モンです。 クロエ・モレッツ恐るべし。ハリウッド・リメイク『LET ME IN』のヴァンパイア役というのも、これなら納得。 主役に触れるの忘れてたけど、アメリカじゃいつから「イケてないグループに属してる」奴はきまってカーリーヘアなのか?キック・アスの彼もそう。 モテないし、格闘スキルもゼロなのに、正義感はある。それが、あるアクシデントによって、格闘スキルはないのに、町の悪党に挑みかかれるようになる。「打たれ強く」なるんですね。 彼がキック・アスのバトルスーツで、チンピラたちにボコられながらも戦い続ける場面。それを写メする野次馬たち。そこで彼が言い放つ台詞に燃える。 ここからグァーッと映画のテンションが上がってきます。 キック・アスのバトルスーツが一瞬『トロン』に見えなくもないのが可笑しい。バトルスーツを身につけた部屋で、気持ちを高める場面。なぜか流れるのはスパークスの『ディス・タウン』。アメコミ映画でスパークスを聴こうとは。 スパイダーマンの台詞をもじっての「無力ならば、責任は伴わないのか?それは違う」とつぶやくのもいいね。 監督のマシュー・ヴォーンは『レイヤー・ケーキ』で、元殺し屋のホームレスが黒人にボッコボコにされるスローモーションに、デュラン・デュランの『オーディナリー・ワールド』を合わせるという、イカれた選曲センスを発揮してたけど、この映画も極めつけはエルヴィスの『アメリカの祈り』(ライヴ・バージョン)が高らかに鳴らされる場面。すばらしい。 キック・アス演じるアーロン・ジョンソンは『ノーウェアボーイ』で、若き日のジョン・レノンを演じてて、こっちも楽しみ。
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[008]ソラニン
 多摩川沿い・その2五輪山2010-10-11
 【ネタバレ注意】
この映画は、IMAX版の『アバター』を観た後ハシゴしまして、あの圧倒的な映像情報量に、目も神経も疲れてた所なんで、淡い色のゆったりテンポの画作りがリラクゼーション効果を・・・
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この映画は、IMAX版の『アバター』を観た後ハシゴしまして、あの圧倒的な映像情報量に、目も神経も疲れてた所なんで、淡い色のゆったりテンポの画作りがリラクゼーション効果をもたらしてくれました。 なので映画をひと言で表すと「アバター観た後に丁度いい映画」。まあ『アバター』の後にハシゴしようって人もあまり居ないと思うけど、暇なんで。 最初の場面で出てくる宮崎あおいの髪型とかTシャツ姿とかが、チャットモンチーのえっちゃんとカブって、自分的なつかみはOKでした。 アニメ『カラフル』の舞台となってる二子玉川のハイソな風景と対照的に、同じ多摩川沿いでも、この映画のロケ地である、もうちょっと上流の小田急線の和泉多摩川という町は、高層ビルなどもなく、昭和の佇まいを残す、静かな場所。下宿という言葉が似合うアパートも多く、地方から東京に出てきて、最初に住むには、都会の気疲れがなくていいかも。 竹中直人監督が『無能の人』でロケを行った多摩川の川原もこのあたり。 ちょっと歩けば川で夕涼みもできるし。宮崎あおいと高良健吾のカップルが、色々動かなきゃならんと思いつつも、モラトリアムに時をやり過ごしてしまう、そんなまったり感も納得できます。 監督はPV畑の人というけど、ごちゃごちゃ絵をいじらず、手ブレ撮影なども控えて、1シーン1シーン、カメラを据えて、じっくり撮ってる印象。ロケの風景とも合ってます。 宮崎あおいは、川っぺりが似合う女優ですね。『害虫』とか『好きだ、』とか。『富江 最終章』でも川沿いの場面があったような。 死んだ彼氏に代わって、ギターを初めて手にした彼女が、スタジオ借りてメンバーと音合わせる場面。必死にコードを押さえる「イーッ」って感じの表情がいいですね。ギター弾き始めの頃は必ずああいう顔になる。多分、宮崎あおいのリアルな表情でしょう。最後のライブシーンより、この練習の所がよかった。 あとベースはサンボマスターの人だったのね。コメディリリーフ的な役割を演じてて感心しました。岩田さゆりとの会話が笑えます。
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[009]プライベート・ライアン
 シアターTSUTAYAファイナル(爆音)五輪山2010-10-11
 【ネタバレ注意】
渋谷のラブホ街・円山町の一角にあるミニシアター・ビル。その地下の「シアターTSUTAYA」は、THX音響の映画館として、都内最高という声も多かった。 でもその音響に見合う作品・・・
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渋谷のラブホ街・円山町の一角にあるミニシアター・ビル。その地下の「シアターTSUTAYA」は、THX音響の映画館として、都内最高という声も多かった。 でもその音響に見合う作品をなかなか掛けられなかったですね。最近は邦画メジャーのセカンドランか、インディーズ系の封切かという感じで、私も数えるほどしか通ってません。 それが閉館することとなり、最後の一日を『プライベート・ライアン』で飾るというんで、駆けつけました。スタッフによると「機械故障を覚悟で鳴らす」という大音響宣言もあり、もう観る前から心臓バクバクですよ。 本編前にTHXのオリジナル・トレーラー集の上映があり、シュレックとかホートンとか、アニメキャラとのコラボ・バージョンがあるのを初めて知りました。 そしてオマハ・ビーチ上陸。封切りの時に2度観てるし、次のカットがわかってるのに、銃声と金属音と爆音の凄まじさに硬直するのみ。 今回楽しみだったのは、オマハより、終盤の戦車を迎え撃つくだり。ドイツのタイガー戦車が、地鳴りを上げて、迫ってくる。映画館の床もシートもこんなに振動して大丈夫かってくらい、ビリビリきてます。 私にとって、この映画のベスト・ショットは、遠景で画面左から姿を現す戦車が、町の通りを素通りするかと思わせて、踵を返すように、向きを正面に変える所。その車体の鉄の軋む音が、離れてるだけに、余計にゾッとさせるんです。 しかしこれほどまでに音を増幅しても、画が負けることがない。この映画以降の戦争映画の戦闘場面が、どれもエピゴーネンの域を出ていないと感じるのは、スピルバーグの演出力との差なんですね。たっぷりビビらせてもらえたシアターTSUTAYAに感謝いたします。
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[010]激突!
 スクリーン初対面五輪山2010-10-11
 
この映画をスクリーンで観ることができるとは、「午前十時の映画祭」に感謝です。初見は多分30年位前の「日曜洋画劇場」。その時録画したビデオを何度観直したか。 デニス・ウ・・・
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この映画をスクリーンで観ることができるとは、「午前十時の映画祭」に感謝です。初見は多分30年位前の「日曜洋画劇場」。その時録画したビデオを何度観直したか。 デニス・ウィーバーの声を当ててる穂積隆信が神吹替で、学園ドラマでの校長役の卑小な感じが、主人公が精神的にテンパってく「内なる声」にぴったりハマってました。「ラジエターホースだ…!」の言い方。すばらしい。 上映されたのは字幕版で、吹替版はあとから主人公のモノローグをかなり足しているんですね。映画としては、セリフが最小限で、画ですべて語るというスピルバーグの演出力が、オリジナル版の方が際立って感じますが、茶の間で見てる視聴者に、主人公の味わう恐怖をより身近に感じさせるという点では、吹替版の試みも余計ではないと思います。 プリントの状態もよく、シネコンなので音もかなり出ていて、タンクローリーの「パァーン!」というクラクションも強烈に響く。しかしこのタンクローリーのフロントの造作といい、獰猛な排気音といい、何度観ても恐怖ですわ。 ハンドル握るようになってから、高速なんかで、後ろにデカいトラックに付けられると、一瞬ヒンヤリすることがあって、それはまぎれもなくこの映画の影響です。
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[011]ザ・ホード -死霊の大群-
 ゾンビに見る移民問題五輪山2010-10-11
 【ネタバレ注意】
先のワールドカップでの醜態晒しっぷりで楽しませてくれたフランス。サルコジ政権が移民排斥を進めようとする、国内情勢がそのまま、あのチームの混乱に反映されてましたね。フ・・・
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先のワールドカップでの醜態晒しっぷりで楽しませてくれたフランス。サルコジ政権が移民排斥を進めようとする、国内情勢がそのまま、あのチームの混乱に反映されてましたね。フランス人は何人居るんだよという位の人種混成ぶりだったので、無能呼ばわりされてた、あの監督でなくても、まとめ上げるのは至難の業だったのでは? このフランス製ゾンビ映画にも、多民族国家のカオスっぷりが反映されてます。同僚を殺された警察官数人が、復讐のため、麻薬組織のアジトと目される荒廃したアパートに押し入る。そこで相まみえたギャングたちは、リーダー格のナイジェリア人、空手使いのベルギー人など、民族混合チーム。 だが両者が睨み合う間に、ゾンビの大群がワラワラとアパートに詰めかけてきて、「なんかエラいことになっとるぞ」と、警察官とギャング、フランス人と移民という枠を越えた、サバイバルの共闘が展開されることに。 襲い来るゾンビの側も、顔を見るとアフリカ系、アラブ系、アジア系に白人と様々。人種や宗教が違ってもゾンビになれば皆同じですね。 アパート内でのサバイバルのさ中に出会うのは、いろんな武器で一人ゾンビ狩りをしてるアパートの住人。クリス・ナオンみたいなオヤジです。ゾンビ化した元住人の若い女を拘束して、服を引っ剥がす。多分噛まれて間もないので、顔はゾンビだけど、オッパイとかきれいなまま。「こいつと一発ヤルか?」とオヤジ。どんな状況でもセックスを忘れないのは、さすがフランス人。 この映画のゾンビは、ガンガン走って襲いかかる「アクティブ・ゾンビ」系。銃を持たない女警察官がキッチンで、女ゾンビを迎え討つキャット・ファイトがなかなかに壮絶。ボッコボコにしてるんだけど、なおも起き上がって食いかかってくるゾンビ魂ナイス! あとこの映画は本家ロメロ版ゾンビへの目配せもされており、冒頭は68年版を踏襲する墓場の場面から。ここは葬儀を描いてるんで、ゾンビは出てきませんが。78年版のショッピングセンターでの立て篭もりを、高層アパートに移植。ラストの光景も78年版を思わせるものだけど、そこに「え〜っ」という決着のつけ方があり、これも妙にフランスっぽいです。
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[012]栗田ひろみ
 『さすらい』を観た五輪山2010-10-11
 
この夏は奇遇にも、幻だった栗田ひろみ出演作に2本出会うという機会を得ました。1本は『氷雪の門 樺太1945年夏』。もう1本がユーロスペースで特集上映された佐々木昭一郎監督・・・
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この夏は奇遇にも、幻だった栗田ひろみ出演作に2本出会うという機会を得ました。1本は『氷雪の門 樺太1945年夏』。もう1本がユーロスペースで特集上映された佐々木昭一郎監督作品の『さすらい』。 佐々木さんは元NHKのディレクターで、「ドグマ95」のような方法論を40年前にすでにドラマで試みていて、その独特な臨場感に引き込まれてしまいます。私はこの監督の『夢の島少女』を子供の頃、NHKで偶然リアルタイムで見ていて、見たことを憶えてる位、鮮烈なものがありました。その後『四季・ユートピアノ』や、つげ義春原作の『紅い花』など、放映されれば欠かさずチェックしてました。 もう何年も前にBSでまとめて放映されたことがあり、録画もしましたが、『さすらい』は未見でした。場内は満席で、伝説化されてる人なんだと実感。 内容は教会の孤児院で育った青年が、都会に出てきて、職を転々とするうち、やがて都会も離れ、自らの居場所を求め「さすらう」というもの。 主役の青年の草食なルックスや、気弱な感じのモノローグを聞いてると、『エヴァ』の碇シンジが思い浮かんだりもする。40年近く前の作品なのに、現代とすんなり繋がる。昔の日本て感じがしないんですね。時代が巡ってるのか、本質が何も変わってないということなのか。 青年が最初に勤める、映画の看板書きのバイトの同僚に、「生きてるって言ってみろ〜!」の友川かずき。仕事を抜け出して公園で作った曲を、ギターで披露する、そんな役を飄々と演じてます。あと、人のいない日比谷野音で「カレーライス」を唄う遠藤賢司とか、三沢基地で出会う笠井紀美子とか、時代の人が唐突に現れるのも楽しい。 でもって、栗田ひろみ。当時の円山町のあたりでロケしてるんだけど、井の頭線の神泉駅すぐにトンネルがあり、その上に建つ屋敷のお嬢さんという役。主役の青年と二言三言話すだけの役だけど、小麦色の肌に赤いワンピースで、その可憐さはやはり目立ちます。大島渚監督の『夏の妹』の主役に抜擢される前年に出ていて、これが芸能活動デビュー作。クレジットには「栗田裕美」と出てました。 ちなみに佐々木昭一郎監督作はNHKオンデマンドに契約すれば、7本が鑑賞できます。『さすらい』も観れます。
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[013]トラブル・イン・ハリウッド
 犬を撃ち殺す五輪山2010-10-06
 【ネタバレ注意】
デニーロは映画の内幕ネタが好きなんですかね。『ラスト・タイクーン』『真実の瞬間』『ミストレス』『アナライズ・ユー』に続いて、もう5本目。 公私ともに問題山積の映画プロ・・・
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デニーロは映画の内幕ネタが好きなんですかね。『ラスト・タイクーン』『真実の瞬間』『ミストレス』『アナライズ・ユー』に続いて、もう5本目。 公私ともに問題山積の映画プロデューサー役を得意の苦虫噛み潰し顔で演ってます。劇中劇の主役がショーン・ペンというのも豪華。 その映画の中で、ロシアン・マフィアみたいな連中に撃たれるペン。後を追ってきた飼い犬。その犬を先に撃ち殺すマフィア。血が画面に飛び散る。そしてペンも留めを刺され、血まみれの犬とペンの死体を映したラストシーン。 業界試写の場は騒然となってます。しかし監督は頑として、修正を拒んでる。『1492・コロンブス』で強烈な印象を与えて以来、悪役の多かったマイケル・ウィンコットが、パンクな風情の映画監督を軽妙に演じてるのも嬉しい。 この役者好きなんですよ。声がね、人間の声じゃないでしょ。魔物でしょ。 でもって、このままじゃカンヌに出せないとデニーロに諭され、しぶしぶ修正に応じる監督。捨てテイクを利用して、犬の死なないバージョンに編集し直し、無事カンヌでの上映へ。ここでのオチが痛烈ですね。 この映画の肝は、「犬を撃ち殺す映画を作ってしまったプロデューサーを巡る騒動をシニカルに描く映画」というエクスキューズの元、堂々と犬を撃ち殺す場面を見せてしまってる所。これは映画界というより、アメリカ人の国民性に対する皮肉じゃないかと。 犬や猫が殺されたり、虐待されるような映画には過剰に拒否反応を示す一方で、人間が切り刻まれたり、目を抉られたり、銃で顔半分吹っ飛ばされたり、腹を裂かれたり、そんな映画は山のように作られてます。『ソウ』のような拷問映画に何度も客が詰めかける。 残虐さを楽しもうという気持ちは持ってる。でも人間がそういう目に遭うのはいいけど、犬や猫は駄目って…。駄目だったら生物の種に関係なく駄目なんじゃないの? これは例えば自分の国が戦争しかけに行ったイラクやアフガンの、民間人たちが毎日犠牲になってることより、日本の漁師がイルカを殺してることの方に過剰な反応を示すってことにも繋がってますね。「イルカは人間に近い生き物だから可哀想」って、人間に近いんだったら、人間の方がより可哀想じゃないのか? まあそれはともかく、デニーロが業界試写の後に書かれたアンケート用紙の罵詈雑言を、車の中で読む場面に流れるのがモリコーネの『ウエスタン』のあのハーモニカの音色。 モジャモジャに生やしたヒゲを絶対剃らないと拒むブルース・ウィルスが、撮影初日にヒゲを剃ったか剃らないかの場面に流れるのがダイアー・ストレイツの『ブラザーズ・イン・アームズ』。楽曲の使い方もとぼけた感じで、色々と楽しめた映画でした。
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[014]ムーン・オブ・ザ・デッド
 ファン限定五輪山2010-10-06
 【ネタバレ注意】
誰のファンかって、そりゃあエイミー・スマートですよ。『ブレアウィッチ…』のサンチェス監督の新作とか言って反応する人ももう居ないでしょ。 中国人男性と結婚する事になっ・・・
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誰のファンかって、そりゃあエイミー・スマートですよ。『ブレアウィッチ…』のサンチェス監督の新作とか言って反応する人ももう居ないでしょ。 中国人男性と結婚する事になったエイミーが、彼の実家を訪ねに、二人して中国の田舎の村へ。ロケはアメリカ国内ですが。 その地方には、7番目の満月の夜に、死者たちが甦るという言い伝えがあり、村で一人づつ、生贄を差し出さねばならない、というような事に巻き込まれる訳です。 実際死者たちがワラワラと襲いかかってきますが、ゾンビというより、裸に白塗りで、山海塾の方々のよう。夜の山道で遭遇したくはないですね。 サンチェス監督は、ゴア描写に頼らず、『ブレアウィッチ…』のように、ジワジワ追いつめられてく描写に徹していて、ホラー演出に筋を通してると感じます。 それからエイミーの顔の画面占有率が相当高い。監督は彼女のこと好きなんじゃないかな。ただ時間を追う毎に、汗まみれ、泥まみれ、涙まみれの顔のアップになってくので、女優の顔を綺麗に撮るとか、そういうのではないです。 そこがいいんですけどね。エイミーの顔の迫力というか、いつまで見てても見飽きない。そんな風に感じる人間がどの位いるのかわかりませんが、そういう人にとっては、何よりの贈り物と言っていい作品です、これは。
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[015]シシリアン
 フランス語版五輪山2010-10-06
 【ネタバレ注意】
DVDが英語版ということで、かなりブーイングを受けてますが、BSで放映されたのはオリジナルのフランス語版でした。10月に再放映しますよ。 ドロンはともかく、ジャン・ギャバン・・・
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DVDが英語版ということで、かなりブーイングを受けてますが、BSで放映されたのはオリジナルのフランス語版でした。10月に再放映しますよ。 ドロンはともかく、ジャン・ギャバンが英語しゃべるのは、しっくりこないですから。まあこの映画ではフランス人ではなくシチリア人という設定で、イタリア語もちょっとしゃべってましたが。 『地下室のメロディ』と続けて観ると、ギャバンとドロンの関係が似てて面白いですね。プールを見つめる無表情のふたりのカットが、ハイジャックした旅客機のコクピットで再現されてます。ドロンなんか蝋人形みたいに動かない。 アンリ・ドカエのカメラがいちいちカッコいいです。護送車の剥がされた床板を、検車場で下から見上げるリノ・ヴァンチュラとか、両脇のビルがパース代わりとなる画面に、シトロエンの長いノーズが、ヌウッと入ってくる所とか。ラスト、取引に応じたギャバンの投げた鞄の中の現金をかがんで確認するドロンが、ギャバンを見上げる、その背後にたなびく黒い雲とか。しびれます。
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[016]アイアンマン2
 さきっちょ五輪山2010-10-06
 【ネタバレ注意】
テレ朝の深夜番組に、いろんな分野の最新のテクノロジーを紹介する『さきっちょ』というのがありまして。完成されている最新のものではなく、開発中のものが見れる。 形として・・・
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テレ朝の深夜番組に、いろんな分野の最新のテクノロジーを紹介する『さきっちょ』というのがありまして。完成されている最新のものではなく、開発中のものが見れる。 形として出来上がってない、ある種の滑稽さを楽しむコンセプトなんですが、その中で、どんな地形でも決して転倒しない四足歩行ロボが出てました。 台座の下に江頭の下半身が4本突き出てる感じのビジュアルで、いきなり男に側面を足蹴にされるんだけど、アタフタしながらも、持ちこたえるんですね。氷の上でもアタフタ持ちこたえる。その様子を映したVTRにスタジオも視聴者も爆笑を禁じえない。 「BIG DOG」と名づけられた、このロボを開発したのは、「ボストン・ダイナミクス」という民間の軍事技術系会社。この映画の「スターク社」のような会社です。開発中の半熟な状態は笑いを誘うけど、これが実用化すれば、台座には機銃なんかが装備され、どんな地形を逃げようとも、追いかけてこられる訳で。笑い事じゃないですね。 アイアンマンの空飛ぶパワードスーツだって、どこかが大真面目に開発に取り組んでてもおかしくないと思ってしまう。世の中のテクノロジーで一番先に進むのが軍事技術。それはいくら大金はたいても、それを手にしたいという需要があるから。 そして軍事用として開発された技術が、通信、医療、対災害、航空など、私たちの生活を支える民間技術へと転用されている。私たちが快適さを享受する一方に、その元となった軍事技術の実践の場となった国や人々がいる。 というより、いつ何時、その技術を実践される立場におかれるか、これからの日本はちょっと安閑としてられないんじゃなかろうか。そんな雲行きになってきてませんかね。 映画のこと書いてないけど。モナコGPの場面が一番テンション上がりました。アメリカ映画だったら、インディ500とかのオーバルコースでやりそうなもんだけど、敢えてF1てとこがいい。カーレースのテクノロジーの最先端がF1だからってことかも。
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[017]ガフールの伝説
 純血団五輪山2010-10-01
 【ネタバレ注意】
3DCGアニメを勢いこんで観に行くということは、普段はないんだけど、フクロウ大好きなんで。子供の頃も動物園に連れてかれると、まずフクロウを探してたという位でして。 しか・・・
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3DCGアニメを勢いこんで観に行くということは、普段はないんだけど、フクロウ大好きなんで。子供の頃も動物園に連れてかれると、まずフクロウを探してたという位でして。 しかしどうでしょう、自分の観た回のシネコンは、金曜初日とは言え、客4人でしたよ、大丈夫かな。日本にフクロウ好きが沢山いそうに思えないし。 CGの表現力が日々進歩してるとはいえ、顔の表面の凹凸感とか、羽毛の質感とか、まんまフクロウですね。3Dだし、子供なら画面に手伸ばして、ナデナデしようとするかも。 しかし物語はフクロウの愛らしさを描くものじゃなく、ザック・スナイダーだから、戦いメイン。 弟の能力にコンプレックス抱く兄が、悪の一団で認められることにより、存在意義を得ようとする、「カインとアベル」的な兄弟の対立のドラマにも、甘い結末を用意しない所が、この監督らしいです。 ヒナをさらってきて、洗脳する「純血団」はヒトラー・ユーゲントみたいなもの。その洗脳の方法が「月光麻痺」という、月の光を浴びさせながら、眠らせて、神経を麻痺させる。これをやられたフクロウは眼が白く濁り、ヨロヨロ歩きに。鳥のゾンビ状態です。 戦いのシーンは、普通でも猛禽の鋭いツメを持つフクロウが、更に戦闘用の鉄のツメをつけるという、容赦ないことになってるので、のほほんと子供連れで楽しむには刺激が強いかも知れません。 個人的には沢山のフクロウ、ミミズクの類が出てきながら、シマフクロウの出番が無かったのが残念。 このアニメ、『ハッピー・フィート』と同じくオーストラリア拠点で作られたようで、声のキャストもオセアニア勢の俳優が顔を揃えてますね。 私は3D作品を字幕で観るのがしんどいので、吹替版にしましたが。主役フクロウの声を充ててる市原隼人は、意外と言っちゃ失礼だけど、なかなか巧い。 感情のこめ方とか、ぎこちなさを感じませんでした。 続編作る気満々な終わり方なんだけど、ザックの新作『サッカー・パンチ』の方に気持ちは持ってかれてますから。この間観た『ブライト・スター…』では詩人とのプラトニックな恋に焦がれるお嬢さんを演ってたアビー・コーニッシュが、女闘美モードに大変身してるっぽい。このアニメでも声で出演してます。
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[018]妖精ファイター
 ブルーレイ上映かよ五輪山2010-09-23
 【ネタバレ注意】
「したまちコメディ映画祭」にて。DVDスルーが決まっていて、1回限りのスクリーン上映だし、アシュレイ・ジャッド出てるしというんで、観に行きました。 上映前にフォックスの・・・
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「したまちコメディ映画祭」にて。DVDスルーが決まっていて、1回限りのスクリーン上映だし、アシュレイ・ジャッド出てるしというんで、観に行きました。 上映前にフォックスの宣伝担当の挨拶があり、本国で当たっても、日本公開に至らないコメディを沢山抱えてると云ってたけど、もうハナから興行を諦めてる感じ。往年の東宝東和やヘラルドみたいに、どんなハッタリかましても客を呼んでやるという、興行師の気迫は今の配給会社にはないのかな。 などと思いつつ、本編が始まると、なんだこの画質は?字幕はギザついてるし、アップの顔以外では俳優の顔の輪郭もボケボケ。上映素材は、フィルムやDLPではなく、ブルーレイだとは。ちゃんと1時間位の所で一瞬フリーズした。 どんな素材を使おうが、同じクォリティで映されるのなら、問題はないけど、明らかに画質に違いが出てるのだから、同じ料金を取るのなら、事前にチラシなどに「ブルーレイ上映」と記すべき。 シネコンのHPでも上映素材の記述はあるんだし。 1回の上映のためにプリント焼いてられんてことなんだろうけど、映画という商品を、よりよい状態で観客の目に触れさせるのが仕事でしょう。メジャーな会社なんだから、そのへんしっかりしてほしい。 映画自体はファミリー・コメディとしてそつのない仕上がり。ドウェイン・ジョンソンはコメディも達者にこなしてるし、ワンシーンのみの出演だけど、ビリー・クリスタルの速射砲トークにも場内ウケてました。 アイスホッケーの試合中に、自分が妖精だとカムアウトしちゃうシーンが一番の見せ場だけど、その状況をどう収拾つけるのか、ちゃんとフォローがあるのが巧い。 翼のない事務方の天使として、ドウェインと凸凹コンビっぷりを見せるスティーヴン・マーチャントって、面白いですね。マーティ・フェルドマンみたいに、目ん玉ギョロっとしてて。 リッキー・ジャーヴェイスと組んでるコメディ作家でもあるんですね。 二人が共同監督している新作は70年代イギリスを舞台にした青春コメディのようで、予告編にはモット・ザ・フープルの「すべての若き野郎ども」が流れてて、面白そうなんだけど、まあこれも日本に入ってきそうにないなあ。
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[019]悪人
 金切り声五輪山2010-09-23
 【ネタバレ注意】
妻夫木聡の運転するGTRが、夜を走る。ヘッドライトに浮かぶセンターラインと、生い茂る木々。『世にも怪奇な…』のフェリーニ編を連想させる、胸騒ぎを覚えるオープニングがいい・・・
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妻夫木聡の運転するGTRが、夜を走る。ヘッドライトに浮かぶセンターラインと、生い茂る木々。『世にも怪奇な…』のフェリーニ編を連想させる、胸騒ぎを覚えるオープニングがいいです。 山道で事件が起こるくだりは、胸が痛いですね。拒絶の叫び声を上げさせたら、多分世界一だと思う満島ひかりの、語尾が闇に消える金切り声。彼女をキャスティングしたのはこのためか。 脚本にも演出にも弛緩するような所はないし、俳優たちもいいと思う。でも何というか、映画に描かれている以上のことは、観た後に広がっていかない感じがあります。 出演者が外国人記者クラブのインタビューを受けるニュースを見ましたが、その中でどこかの国の記者が、映画の感想を「今の日本の姿を説明する、いい映画」と表現してました。そう「説明している」映画に思えた。 登場人物の性格づけが明解で、「こういう境遇の、こういう人が、こういうことして、こうなった」。人間の不可思議さのようなものも、残っていいのではないかと。 アカデミー作品賞の『クラッシュ』を観た後の印象と似てます。設計図がきちんと引かれた人間ドラマという感じです。 柄本明は娘を殺された無念を全身にまとい、台詞もいいんだけど、この人、PFFで観た『ヘヴンズ・ストーリー』でもそうだったけど、慟哭する場面でも、涙も鼻水も流さないんですよ。 いやボロボロ流して、観客をもらい泣きさせなきゃとか、そういうことではなくて、わざわざ泣く場面で顔を写すんなら、ちゃんと泣いてほしい。でなければカメラを後ろに置いて、肩震わせるんでもいい訳で。 演技の巧い人だと尚更「顔歪めるだけで十分表現できてるだろ」って言われてるみたいなんですよ。傘の場面とかいいのにね。 あとエンディング曲の『Your Story』は久石譲の作曲になってるけど、これジルベール・ベコーの『そして今は』のメロディを拝借してますね。福原美穂の歌声はいいです。
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[020]カラフル
 多摩川沿い・その1五輪山2010-09-23
 【ネタバレ注意】
作品の舞台となってる二子玉川駅周辺から等々力あたりまで、その実景通りに描きこんでますね。NHKの「ブラタモリ」でも歩いてた、玉電の廃線跡を辿るくだりとか、主人公たちが・・・
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作品の舞台となってる二子玉川駅周辺から等々力あたりまで、その実景通りに描きこんでますね。NHKの「ブラタモリ」でも歩いてた、玉電の廃線跡を辿るくだりとか、主人公たちがどこ歩いてるのかが一発でわかります。 アニメの背景をここまで実写みたいに描き込む必要があるのか?だったら実写でやればいいんじゃないか?アニメーションの本質から離れてってるんじゃないか?いろいろ批評はあるでしょうね。でも私はこういうの見るの好きなんですよ。 もう随分以前に、リチャード・エステスという画家の画集を買ったことがありまして。ニューヨークや東京など、世界の都市の風景を、油彩で描いてるんだけど、一瞬どころか、まじまじと眺めても、それが絵か写真か判然としない。ショーウィンドウの映りこみ具合とか、ステンレスの陰影とか。 「スーパー・リアリズム」という画風だそうで、今でもたまに手にとって眺めたりしてます。寸分たがわず、自分の手で再現したいというのは、鉄道模型やジオラマ作りにも通じる情熱で、それが何によって突き動かされるものなのか、そのあたりに関心を惹かれるんですね。 『秒速5センチメートル』などの新海誠監督とか、『涼宮ハルヒの消失』とか、内省的な色合いの濃いアニメ作品に、背景を写実的に描き込むものが目立つなとも感じます。 『カラフル』の内容自体は大人がどうこうという話でもなく、主人公と同年代の若い人が何かしら感じとるようなものです。 ただ一箇所、作った食事を主人公に一切食べてもらえない母親が、以前姑の介護をしていて、最後まで、ありがとうの言葉もかけられなかった、というエピソードを、父親の口から語られる場面。これと同じことを、やはり姑の看病をしていたウチの母親から聞かされたことがあり、そこはハッとするものがありました。
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[021]エクスペンダブルズ
 特攻野郎Eチーム五輪山2010-09-23
 【ネタバレ注意】
スタローンは元々この「エクスペンダブル」という単語が好きなんですよね。すでに『ランボー 怒りの脱出』の中で、行動を共にする女兵士に「俺たちは所詮“捨て石”なんだ」と言・・・
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スタローンは元々この「エクスペンダブル」という単語が好きなんですよね。すでに『ランボー 怒りの脱出』の中で、行動を共にする女兵士に「俺たちは所詮“捨て石”なんだ」と言ってます。 今回は消耗品と訳されてるけど、その時は捨て石と訳されてて、「カッコいい言い回しだなぁ」なんて思ってました。 なので観る前は、捨て石扱いされた傭兵たちが、国家権力にひと泡噴かせるため、玉砕覚悟で戦う、『ワイルド・ギース』みたいな色合いの男泣きアクションを予想してました。 でも実際はスタローンがいつものウエットな作風を封印して、特攻野郎系のドンパチに。これは「当てにきた」ってことでしょうね。 北野武監督が自分の色を抑えて、メジャーな役者たちの殺し合いをひたすら見せて、客を集めた『アウトレイジ』と似てます。どちらも既に続編の話が持ち上がってるし。 筋立てはドルフの主演作で屈指の良作『メン・オブ・ウォー』(メカゴジラさんのコメントが秀逸)を思わせるんだけど、この映画でドルフは内ゲバ要員なので、島へのミッションには参加できないのが皮肉なもんです。なんでそういう要員なのかと言えば、ジェット・リーとマーシャルアーツ対決させるため。 この内ゲバ・カーチェイスのシーンでスタローンが乗ってるのは、黒のフォードのピックアップ・トラック。ノーズの形とか『コブラ』で乗ってたフォード・マーキュリーの古い年式のヤツを思い起こさせる。スタローン映画に馴染んでた者には、色々発見があるんですよ。 あと飛行機には詳しくないんですが、スタローンとステイサムが乗り込む水陸両用機がイカしてます。コクピットの下に潜り込んだステイサムが、機首の上面から顔を出して、島の軍人たちに機銃掃射するシーン。 ステイサムの後ろ頭をコクピットから捉えたのが、この映画のベスト・ショットです。 ミッキー・ローク(泣き顔担当)とエリック・ロバーツが久々の共演。『パッショネイト 悪の華』ではイケメンだった二人の歳月に思い馳せるもよし。 かかる曲がまた男臭ドロ臭ロックのオンパレード。ド頭にジョージア・サテライツ、マウンテン、CCR、締めにシン・リジィだもの!『キック・アス』と並んでサントラ即買いです。 「作戦なんかない!」は今年の名セリフ候補でしょう。 スタローンは次に誰を引っ張るのか。「大ヒットしたのか、チクショー」と思ってるヴァンダムには再度行くでしょう。セガールはロドリゲスのに出ちゃったからなぁ。 現役一軍ではドウェイン・ジョンソンか。アジアならドニー・イェン、個人的にはチョウ・ユンファに二丁拳銃で参戦してほしい。 OBではチャック・ノリス、あと80年代青春組が次々再ブレイクする中、くすぶってるのがいるでしょ。チャリ坊です。ついでにマイケル・ビーンにも声かけて「俺らは元シールズだ」なんて言わせたい。 東映オールスター時代劇のノリで、毎年作ってってください。
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[022]十三人の刺客
 イーグルスは流れない五輪山2010-09-23
 【ネタバレ注意】
私も予告編観た時には脱力しましたよ。『デスペラード』は詞を読めば、そういう曲じゃないし、「華麗なる一族」にも合いません。三池監督は、やはり時代劇『SABU』でサイモン&・・・
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私も予告編観た時には脱力しましたよ。『デスペラード』は詞を読めば、そういう曲じゃないし、「華麗なる一族」にも合いません。三池監督は、やはり時代劇『SABU』でサイモン&ガーファンクルを流すという前例があるだけにね。でも本編には使われてなくて良かった。 「藤沢周平」ブランドの、武士の生き様や哀しみを端正に描写した時代劇の諸作に対し、そればかりじゃ気勢が上がらんだろうと、いつもの悪ふざけは極力抑えて、真っ向勝負に出た大チャンバラ劇。これ東映じゃなくて東宝なんだよね、なぜか。 冒頭の切腹場面はオリジナル版とほぼ同じカメラ・アングルで、「遅ければ次の盆に帰る」など、グッとくるセリフもそのまま生かしてあります。冷血藩主・稲垣吾郎が家臣に囁く「迷わず、愚かな道を選べ」がお気に入り。 オリジナル版を踏襲しつつも、三池流悪趣味描写は序盤で炸裂。その光景を目にした役所広司が思わず笑うのが凄い。怒りにかられ過ぎて笑ってしまうんですね。「あのバカ殿、叩き斬ってやる!」という刺客・島田の感情に、観客もすんなり同調できてしまう。三池演出のケレン味が効果を上げてます。 もうね役所広司が久々に鬼の形相で、『三匹が斬る!』以来のチャンバラで暴れてくれてる。現代劇だと、いつもあのモシャモシャ頭で、時に鬱陶しくもあるんだけど、髷を結ってると、顔の鋭さも増しますね。 参謀役の松方弘樹は、名前を借りるという文鎮的な役割に終わらず、殺陣も存分に見せる。時代劇やってた人は、迫力があります。東宝の映画で、東映のスターに花を持たせるのが心憎い。 伊勢谷友介は『七人の侍』の菊千代のような役回りの山の民。コメディ・リリーフでもあり、オリジナル版の山城新伍のつまらなさと比べれば、格段にいいです。岸部一徳とのくだりは蛇足に思うけど。 カッコよさでいえば伊原剛志ですね。何人斬ってるんだよと言うくらい、斬りまくってますから。 50分に及ぶ決戦場面は、役者たちも体力勝負だったんじゃないか。みんないい顔してますよ。主君を守る側にも、何人か剣の使い手が欲しかった。 オリジナル版では、藩の軍勢が朝靄の中、宿場へと入ってくる、光と影のショットが美しかったですが、今回は逆に迎え討つ刺客たちが、宿場の入り口に横並びで立つショットに。新旧がここでリンクするわけですね。
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[023]レギオン
 アイスクリーム売り五輪山2010-09-23
 【ネタバレ注意】
ポール・ベタニーが、自ら翼を切り落として地上に降り立ち、銃撃ちまくって戦う天使を演じる、それだけで映画館に駈けつけるには十分な理由になります。案の定、客は入ってなか・・・
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ポール・ベタニーが、自ら翼を切り落として地上に降り立ち、銃撃ちまくって戦う天使を演じる、それだけで映画館に駈けつけるには十分な理由になります。案の定、客は入ってなかったけど。 アメリカ映画がうらやましいのは、とにかく土地が広いんで、大地の彼方から何かがやってくる、という絵が簡単に撮れること。 前半、天井這いずり老婆、昆虫の大群に続いて、夜の闇の中、砂漠の一本道を、一台のライトバンが音楽を流しながらやってきます。 ダイナーにいる人間たちは一様に「アイスクリーム屋さん?」。日本でいうチャルメラみたいに、アメリカではアイスクリーム売りの音楽というのがあるんですね。もちろん来たのはアイスクリームならぬ、ユースクリームなんですけどね。 人類に罰を与えるために、天使が地上でひと悶着起こす筋立ては『ゴッド・アーミー/悪の天使』に似てるというか、着想を拝借してる感じ。 ベタニーとウォーケンも雰囲気似たとこあるし。 天使ベタニーは「人間は宗教を殺し合いの道具にしてしまった」と糾弾するが、それでも人間のために戦おうと決意する。その理由はダイナーの店主の息子にあって、彼を振ったウエイトレスが別の男と付き合って妊娠し、その男に逃げられて、産むのを止めようかと悩んでるんだが、息子はそんな彼女を励まし、まだ愛していて、お腹の中の赤ん坊共々、守ろうとしている。 「それが神の説く愛なのだ」とベタニーがシリアスな顔で言うので、モンスター・ホラーなのに、ちょっといい話に思えてしまうんです。 そのウエイトレスが誰とも知れない男との間に身篭った赤ん坊が、なぜ人類の救世主となる存在なのかは、さっぱりわかりませんが。 こういうのは安っぽいと片づけられがちだけど、それでも近年のホラー、サスペンス系に見られる「登場人物殺されっ放し」映画よりは、こっちの方がよっぽど好き。 殺されて救いも無く終わる映画の方が「現実を映している」とか言って評価されがちなのも何だかな。映画観に行って嫌な気分で外に出されて、でもそのことをインパクトある映画と履き違えて、傑作扱いするって、どんだけ自虐趣味ですか。
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[024]特攻野郎Aチーム THE MOVIE
 飛行機だけは勘弁な!五輪山2010-08-14
 【ネタバレ注意】
シネコンをあちこち調べて、一番スクリーンのデカそうな所を選んで観てきました。こういうお祭り騒ぎみたいな映画は、画面がデカけりゃデカいほどいい。 冒頭、暗がりから悠然・・・
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シネコンをあちこち調べて、一番スクリーンのデカそうな所を選んで観てきました。こういうお祭り騒ぎみたいな映画は、画面がデカけりゃデカいほどいい。 冒頭、暗がりから悠然と現れるリーアム・ニーソンの姿に、「ジョン“ハンニバル”スミス大佐」のテロップがバンッと出て、「来た来たぁ!」って感じです。TVシリーズのジョージ・ペパードに敬意を表したのか、髪型も髪の色もそっくりです。 派手なアクション大作として普通に楽しめるけど、やっぱりオリジナル版の設定やセリフを踏まえた描写が、其処に盛り込まれてるんで、TVシリーズを知らないという人は、DVDをレンタルして1巻だけでも観といた方がいい。 飛行機嫌いのバラカスが、何で飛行機嫌いになったのか、とか、飛行機に乗せるために、麻酔注射をいつ使うのか、とかね。 リーダーは勿論ハンニバルなんだけど、この映画版では、口八丁手八丁の伊達男フェイスに活躍の場が多く与えられてますね。赤丸上昇中のブラッドリー・クーパーに花を持たせたのか。 イカれたパイロット、マードック役には『第9地区』のシャルト・コプリー。あの映画では素人なのに凄いなと思ったが、もう立派な性格俳優という感じの演技です。ロブ・ロイがいる前で『ブレイブ・ハート』の物真似とかしてます。 あとAチームと敵対する、民間軍事会社の傭兵パイクのキャラが強烈。演じるブライアン・ブルームは本作の脚本も書いてるが、小柄ながらアクの強い面相で、仇役として遜色ない。 高層ビルでバラカスを追いかけ、マシンガン撃ちまくりながら、垂直落下し、地上ではビルの窓という窓をブチ破りながら、なおも追いかけてく。敵なのにカッコいいぞ。 この高層ビルのシーンとか、上空から落下中の戦車で無人戦闘機を迎え撃つとか、「そんなバカな」度MAXな見せ場(即ち楽しい)が中盤にあり、最後の見せ場は絵的に地味。こういうパターン多いですね最近のハリウッド製アクションには。 『スタハチ』リメイク版の時と同じく、最後にオリジナル版の役者が2名顔を出すんで、ファンの方はエンドロールをお見逃しなく。 ちなみにフェイスのケータイの着メロはスティーリー・ダンの「リーリング・イン・ジ・イヤーズ」。女たらしだけど、意外と趣味が渋い。
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[025]ファイナル・ソルジャー
 守護天使五輪山2010-07-31
 【ネタバレ注意】
キーファー・サザーランド主演を謳ったアクションとしてDVD化されたけど、ヴィンセント・ウォード監督の(今の処最新作)『RIVER QUEEN』だったとは!危うく見逃すとこでした。・・・
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キーファー・サザーランド主演を謳ったアクションとしてDVD化されたけど、ヴィンセント・ウォード監督の(今の処最新作)『RIVER QUEEN』だったとは!危うく見逃すとこでした。 それにパッケ表面に顔すら出てないけど、例え百歩千歩譲っても、主演はサマンサ・モートンです。 19世紀半ばのニュージーランド。マオリ族の住む奥深い森に入植してきた白人一家の娘。彼女はマオリの若者と結ばれるが、若者は白人の持ち込んだ風邪のウィルスで命を落とす。彼女は息子を授かるが、その子は幼くして亡き若者の祖父によって連れ去られてしまう…。というのが導入部です。 その後の展開は『エメラルド・フォレスト』や『ラスト・オブ・モヒカン』『ミッション』といった作品を想起させもしますが、全体を通して、製作に回った『ラスト・サムライ』を含め、ヴィンセント・ウォードの映画に一貫している「自分の世界と別の世界との相克と、それに関わる旅」というモチーフにブレはありませんでした。 サマンサ・モートンは映画を牽引するエモーショナルな名演。アップでまじまじと眺めるとゲイリー・オールドマンに似て見えます。 キーファーは彼女を幼い頃から見続けている、アイルランド人の入植者で、マオリとの戦いにイギリス軍から徴兵される兵士でもあります。ヒロインにとって守護天使のような存在を静かに演じて、主役ではないけどいい役です。 戦闘で深い傷を負い、彼女に介抱されながら「アイルランド人には詩人もいるのに、何で俺は兵隊になった?」と呟くところはグっときますね。 あとヒロインに密かに好意を寄せるマオリの戦士を演じるクリフ・カーティスも印象深いです。実際マオリの血を引く俳優で、『トレーニング・ディ』でイーサン・ホークをバスタブで殺そうとするヒスパニックのギャングを演ってた人です。あのくだりは自分がイーサンの立場だったら、小便ダダ漏れしてるだろうという位おっかなかったです。 音楽をあのアディエマスで日本でウケまくったカール・ジェンキンスが、例のスピリチュアル系のスコアを鳴り響かせています。 映像美は相変わらずで、緑色の画面占有率のきわめて高い「森の映画」です。これはスクリーンで観たかった。
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[026]ジェニファーズ・ボディ
 エイティース五輪山2010-07-30
 【ネタバレ注意】
ジェニファーとニーディが都会から来たインディーズ・バンドのライヴを見に訪れたバーには、フォリナーやエディ・マネーが流れてたりする。ほどなく客もろとも丸焼けになっちゃ・・・
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ジェニファーとニーディが都会から来たインディーズ・バンドのライヴを見に訪れたバーには、フォリナーやエディ・マネーが流れてたりする。ほどなく客もろとも丸焼けになっちゃうんだけどね。 その火事に乗じて、バンドの連中はジェニファーをバンに引き入れ、田舎町郊外の滝へ。その滝壺は渦が巻いていて、落ちると二度と浮かび上がらない。『ラブリー・ボーン』に出てきた、全てを呑み込む沼みたいです。 でもってそのバンドは、メジャーになるために、文字通り悪魔に魂を売ろうとしてて、ジェニファーはその生贄にするつもり。 バンドの1人が躊躇すると、「お前はカフェのバイトでいたいのか、マルーン5になりたいのか?」と云われ「マルーン5」。このバンドが目指してる線がわかります。 ジェニファーを縛りつけ、呪文がわりに唄うのは『ジェニーズ・ナンバー/867-5309』。日本じゃ知名度低いけど、トミー・ツートーンというバンドの全米ヒット曲。ちょいちょいエイティースがネタに入ってきます。 脚本のディアブロは78年生まれだから、リアルタイムで聴いてた訳じゃなさそうだけど、その使い方はなんか愛憎半ばする感じがありますね。 ジェニファーとニーディがお互いを「タンポン」「ナプキン」と呼び合うとか、男の脚本家じゃ、こうあからさまには書けんわな。 ミーガン・フォックスは女子高生というにはトウが立ってる気もするが、周囲を圧倒する美貌という点で、役に説得力を生んではいます。 ジェニファーとニーディは幼馴染の親友ではあるんだが、その実、女王と下僕のような、精神的な主従関係となってる。何をするにつけ、主導権はジェニファーにあり、ニーディの方も、上から目線で見られてるのはわかりつつも、その美貌で微笑まれると抗えないという、憧れに近い感情もあるんですね。 だから明らかに異変をきたしてるジェニファーからキスを迫られても、拒めない。ミーガンとアマンダ・セイフライドの意外に長いキスシーンが話題になってるけど、アマンダはアトム・エゴヤンの新作でも、ジュリアン・ムーアとレズってるというし、何かそういう事をさせたくなるような雰囲気を持ってるんでしょうか。 この女子の親友という名の主従関係は、日本のホラー小説『死国』の中でも描写されてます。どちらも「従」の側の女の子の視点で物語が進み、「主」の側は片や亡霊に、片やモンスターに変貌するという、共通項があるのも面白い。ニーディがジェニファーとの主従関係を乗り越えようとするのが、この学園ホラーのテーマとして浮かび上がってくるんだけど、その結果がちょっとブラックな味わいになってます。 予告編にはニーディが「あんたを叩きつぶしてやる」と宣戦布告するシーンがあり、それを受けて「そう?でもあんたにできるかしら」と応じるミーガンのセリフ回しが色っぽかったんだけど、本編では削られてたのが残念です。
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[027]ゾンビランド
 後部座席を確認!五輪山2010-07-24
 【ネタバレ注意】
クソ暑い夏の週末の朝に、冷房の効いた映画館で、真新しい映画を観る歓びは手放せません。冒頭からゾンビが生肉引きちぎりまくり、となればなおさら。 草食系で胃腸の弱い大学・・・
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クソ暑い夏の週末の朝に、冷房の効いた映画館で、真新しい映画を観る歓びは手放せません。冒頭からゾンビが生肉引きちぎりまくり、となればなおさら。 草食系で胃腸の弱い大学生が、肉食ゾンビの世界を生き延びるための「32のルール」の内の、いくつかを紹介しつつ、ジョン・ウーみたいにゾンビが宙を舞うオープニングが最高。 非力な者でも危機管理を怠らなければ、ゾンビに喰われなくてすむ、ということを実践するジェシー・アイゼンバーグは、マイケル・セラの系統ですね。 ゾンビ倒し放題で気持ちよさそうなウディ・ハレルソン、人を騙し放題のエマ・ストーンとアビゲイルの姉妹。4人が行きがかり上、1台の車で旅をする、その車中の会話で少しづつ打ち解けてく感じが巧く描かれてて、ゾンビ映画なのに、ほのぼのしてくる。 そして廃墟と化したハリウッドの邸宅にはビル・マーレイ。ほんといいトコ持ってくな、この人。「この間エディ・ヴァン・ヘイレンを見たよ。ゾンビだった」には場内かなりの爆笑。 『ゴースト・バスターズ』観ながら和んでる邸宅のシーンに、サビだけちょっと流れる『死神』。最初に映画で使ったのはカーペンターの『ハロウィン』だった。いい曲だよね。 他にもマイク・ホワイトがエマ&アビゲイル姉妹に騙されるGS店員に。トイレで喰われたのも彼かな? 『スモーキン・エース』でカッコよかったアンバー・ハードが、大学生に助けを求めに来て、気づいたらゾンビ化してた「406号室の女」を怪演。すんごい勢いで襲いかかってきますよ。 実のところ生肉描写などエグいのはほぼプロローグ部分に集中してて、その辺が苦手な人も本筋に入ると、ゾンビが撃退されてくさまを楽しく眺めていられます。見ず知らずの人間たちと行動を共にするなかで、ゾンビの世界で生き残るルールに、「仲間を信じろ」というのが加わっであろうラストまで、ゾンビなのに何だこの晴れ晴れとした後味は?もう1回観に行こうか。
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[028]インセプション
 深く潜れ五輪山2010-07-17
 【ネタバレ注意】
国際指名手配を受けて、アメリカへ戻れないでいるレオが、ずっと会えないままの子供たちの後姿を夢の中に追うシーンが幾度か出てきます。 デンマーク映画の『恋に落ちる確率』・・・
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国際指名手配を受けて、アメリカへ戻れないでいるレオが、ずっと会えないままの子供たちの後姿を夢の中に追うシーンが幾度か出てきます。 デンマーク映画の『恋に落ちる確率』という、甘美な悪夢を見るような傑作があって、そのラストは「振り返ったら彼女は消える」とわかっているのに、感情を抑えきれず、振り返ってしまう主人公の姿。レオが後姿の子供たちに声をかけ、子供たちが振り返るシーン、それが意味することの切なさが、あの映画に重なるものを感じました。 夢の中に入り込むスパイ・アクションという、ややこしい設定をエンターティンメントに仕上げる、ノーラン監督の手腕はさすが。その中に塗り込められる、レオの妄執のエピソードは、『シャッター・アイランド』と被る部分もありますね。何と言うか「行動としては攻めているのに、心理的には追い詰められている」という、アンビバレントな役が目立ちますね、特に近年は。 それと年配の映画ファンにしか通じないかも知れないけど、レオの顔は年年歳歳アンソニー・ザーブに似てきてます。 レオがエレン・ペイジに夢の「設計」を依頼するパリのシーン、そして彼女が設計したパリを模した夢にレオを案内するシーン。レオが亡き妻マリオン・コティヤールと、共に作り上げ、溺していた夢の都市の残骸。ジョセフ・ゴードン=レヴィットが奮闘する無重力アクションのために作り上げた、巨大な360度回転セットなど、とにかくプロダクション・デザインの仕事が優れてます。監督としても自分の頭の中のイメージが、具現化されていくのは、さぞかし楽しいでしょう。それに莫大な制作費をかけられる所が、ハリウッドの凄味ではないか。 夢が何層にも分かれていて、上の層で起きた事が、下の層に影響する、そういう連鎖構造を同時進行で見せてゆくんで、ボケッとしてると、置いてきぼりにされる慌しさはあります。 ノーラン監督は着想を具現化させる才能とか、複雑なプロットの纏め上げ方とか、目を見張る反面、アクション演出はちょっと野暮ったいですね。前から思ってるんだけど。今回の雪山のシークェンスは、監督が大好きという『女王陛下の007』へのオマージュと、映画ファンなら分かるけど、アクションとしてはまあ平凡。 キャストに関してはケン・ワタナベは重要な役で出番も多い。ビリングもレオに次ぐ2番目。日本そのものがテーマではない作品で、この扱われ方は、かなり誇れることでは。レヴィットがレオの相棒として頼れる役。 チーム全員スーツorジャケット着用というのも、スパイな気分が出てていいです。 夢から目覚めさせるのがエディット・ピアフの歌という楽屋オチもあり。
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[029]バウンティー・ハンター
 アトランティック・シティ五輪山2010-07-10
 【ネタバレ注意】
「賞金稼ぎ」って題名だけど、派手なドンパチはほとんどありません。基調ロマコメなので、死体が転がらないんで、週末の昼間に楽しむにはうってつけ。 アトランティック・シテ・・・
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「賞金稼ぎ」って題名だけど、派手なドンパチはほとんどありません。基調ロマコメなので、死体が転がらないんで、週末の昼間に楽しむにはうってつけ。 アトランティック・シティでロケしてるんだけど、ルイ・マル監督の同名作の頃の、ちょっと寂れた風情とは様変わりしたようで、ラスベガスに倣って、豪華なホテルやカジノが立ち並んでます。 そういやベガス舞台の『ハングオーバー』でも、アトランティック・シティ舞台の本作でも、スタンガンがネタに使われてるのは妙な偶然。 J・アニストンは黒のタンクトップで胸を強調し、ミニのタイトスカートで美脚を強調し、と客の求める所を分かってるプロですね。もっさりしたG・バトラーは引き立て役に回ってる感じ。 彼が転がす水色の年代物のコンバーチブルがいいですね。古めのアメ車ほど、映画的に見映えがする車もないです。 古め繋がりは失礼ながら、70年代の個性派女優キャロル・ケインを久々に見ました。彼女かわいらしく歳を取ってて、ほっこりしましたよ。 ジェラルド・バトラーは、あの『アドレナリン』シリーズの監督作というんでバカ度MAXが期待できる『ゲーマー』は、一応日本公開予定らしいが、ジェイミー・フォックス共演で、全米の批評・興行もよかったサスペンス『LAW ABIDING CITIZEN』が入ってこないのが不満。筋が込み入ってそうで、字幕ないとキツいと思うんだよな。
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[030]プレデターズ
 ハンゾー五輪山2010-07-10
 【ネタバレ注意】
六本木で前日上映イベントに行ってきました。一気呵成のオープニングにテンション上がります。冒頭15分位までは傑作を予感させたけど、その後は、まあアヴェレージというか。 ・・・
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六本木で前日上映イベントに行ってきました。一気呵成のオープニングにテンション上がります。冒頭15分位までは傑作を予感させたけど、その後は、まあアヴェレージというか。 自分としては『プレデター』はリメイクする必要などない完成度を、今なお誇っていると思います。ただあの映画に弱点があるとすれば、主役がシュワちゃんなので、「死なないだろうな」という安心感が前提になっちゃう所。 今回の方はエイドリアン・ブロディはじめ、誰が死んでもおかしくないキャスティングなので、緊張感はある。 それと導入部分の描写や、登場人物が互いに信頼を置いてない所など、『プレデター』よりも、『ピッチ・ブラック』のテイストに近いかも。 線の細い印象のE・ブロディが、軍人モードにイメチェンしてて、カッコいい。いつ出てくるんだというローレンス・フィッシュバーン、太りすぎだろ。人類最強の殺戮者たちというには大げさな感じだが、少なくとも俳優界最強の面構えのダニー・トレホはいる。 しかしこの面々で一番のインパクトは、日本人ヤクザ。鮫肌色のスーツ上下でジャングルに落ちてきた、その男の顔を観て、日本人なら誰もが思う。「松ちゃんだ」。 演じるルーイ・オザワは、舞台挨拶でも本人が言ってたけど、剣道二段の腕前で、プレデターとの一対一という、見せ場を与えられてる儲け役なんだが、どう見ても人志松本なので、緊張を緩和させてしまうんですね。劇中名を名乗るシーンはないけど、役名はハンゾーです。 ジャングルでのコンバットという雛形を再現してる点や、『プレデター』1作目の概要を、「87年、南米のジャングルでこんなことがあった」と女戦士に語らせたり、E・ブロディが踏襲する戦法など、オリジナル版とリンクさせてるあたりは、『AVP』のカスタマイズ系とは一線画するという、ロドリゲス脚本の意気込みは感じます。
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