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 「黒美君彦」さんのコメント一覧 登録数(3542件)rss
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[001]インサイダーズ/内部者たち
 これはお見事黒美君彦2017-08-22
 【ネタバレ注意】
財閥系ミレ自動車のオ・ヒョンス会長(キム・ホンファ)は大統領選挙を控えるチャン・ピル議員(イ・ギョンヨン)に多額の闇献金を流していた。それを仲介しているのが祖国日報主幹・・・
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財閥系ミレ自動車のオ・ヒョンス会長(キム・ホンファ)は大統領選挙を控えるチャン・ピル議員(イ・ギョンヨン)に多額の闇献金を流していた。それを仲介しているのが祖国日報主幹のイ・ガンヒ(ペク・ユンシク)。 この三人に、ガンヒの弟分のヤクザ、アン・サング(イ・ビョンホン)が、警察官出身で優秀だがコネのない検事ウ・ジャンフン(チョ・スンウ)と組んで闘いを挑む物語。 腕を糸鋸で切り落としてしまう残酷シーンなんかもあって、イテテテ系が苦手な者としてはつらかったけれど、見応えは十分。 サングの決死の検察出頭で万事解決と思わせておいて、「チンピラの証言を誰が信じる?」と、あの手この手で逆にサングが貶められていく流れは、いかにもありそうな話。 さて、そこからどう逆転していく? 映画の流れで行けば逆転しなくては終われない。 しかし組んでいたウ・ジャンフン(チョ・スンウ)は、強大な敵に取り込まれ、サングも拘置所の中…。絶体絶命と思わせておいて、最後はどうなる?? この手の作品は、悪役がいかに悪役然としていて、しかも身近にいそうでないと成立しない。その点、スキャンダルが持ち上がるたびに入院するキム・ホンファ、イ・ギョンヨン、ペク・ユンシクはいずれも巧演。 さらにイ・ビョンホンがさすがの存在感で芸達者なチョ・スンウまでも喰ってしまっている。 ま、サングの手下たちがどれだけ有能で忠誠心が強いんだ、と思わせないではないけれど、観た後は爽やかな気分にさせてくれるところが巧い。 R18指定としては『アジョシ』(2010)や『友へ チング』(2001)を抜いて、韓国での動員が史上一位、というのも頷ける作品。 いやあ、お見事。
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[002]カラスの親指
 どうだろ黒美君彦2017-08-22
 【ネタバレ注意】
予想に反して最後まで飽きずに観られたけれど、それにしても上映時間が長い。 騙し騙される丁々発止の詐欺師映画は基本的に楽しい。まんまと観ている側が騙されると思わず唸っ・・・
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予想に反して最後まで飽きずに観られたけれど、それにしても上映時間が長い。 騙し騙される丁々発止の詐欺師映画は基本的に楽しい。まんまと観ている側が騙されると思わず唸ってしまう。 してやられた、と言わせるにはプロットや役者の演技がしっかりしていなくてはならない。 で、村上ショージですよ、やっぱり。彼にこの役はどうなんだろう。芸人の彼は決して器用とはいえないし、この作品での台詞まわしも決して巧くない。 だいたい村上ショージ並み(といったら失礼か)であったら、アナグラムを阿部寛に教えたり、すらっと「コン・ゲーム」の意味が出てきたり、「アルバトロスはアホウドリという意味ですよ」という解説が出来るわけがない。さらにいえば、そんな彼こそが実は…というラストの展開は相当無理がある。役柄以前の村上ショージには絶対無理な仕掛けだからだ。大どんでん返し、といえばそうなんだろうけど、何か納得できないんだよなあ。 まだ無名時代の能年玲奈は可愛いし、ひたむき。石原さとみはあんなもんかな。 阿部寛は自分の役柄を引き受けていて好感が持てる。 だがやはりこの作品、良くも悪くも、というかミスキャストの村上ショージが強烈過ぎる。 配役で騙すというのはズルいなあと思う。
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[003]マタンゴ
 寄生キノコ黒美君彦2017-08-22
 
子どもの頃TVで放送されたのを観て、怖かった印象がいまだに残っていた。 改めて観てみると、意外に怖いシーンはさほど多くはない。もっと登場人物がキノコだらけになってい・・・
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子どもの頃TVで放送されたのを観て、怖かった印象がいまだに残っていた。 改めて観てみると、意外に怖いシーンはさほど多くはない。もっと登場人物がキノコだらけになっていたような印象があったが、思ったほどではない。それは頭の中で作られた幻影だったということか? 何せ登場人物でマトモなのは久保明演じる村井研二という心理学の助教授と、その教え子の相馬明子(八代美紀)くらいのもの。 あとは缶詰を盗み食いするわ、女を奪おうとするわ、ろくでもない連中ばかり。 カビだらけの難破船の表現もすごい。これでムカデとかうじゃうじゃ出てきたら多分もう観続けることはできないな。すごいといえば、どこまでも化粧が落ちない水野久美も相当スゴいけど(笑)。 時代背景は高度経済成長に差しかかった頃、貧富の格差が再び大きくなり始めた時代で、ヨットのオーナーは堤義明がモデルなのだとか(その他作家は大藪春彦、ヨットの艇長は堀江謙一がモデルだというが本当か?)。 キノコがもたらした幻覚が、都会のショーで踊る女性ダンサーというのが何とも時代を象徴している。 色欲というのはどんな状況でも消えないようで。何日も風呂にも入っていなくても、女ならいいのか?と思ってしまったり。 「マタンゴ」は福島地方?で「ママダンゴ」と呼ばれるキノコ(「ツチグリ」などが本当の名称のようだが)が その名前の由来だそうで。 まだ未開の島が存在する、そんな夢を抱けた時代だった。 バルタン星人の声はここから生まれたのか、という妙な感慨もある。 子どもの頃に観るとトラウマになるのも当然かも…。 「あいつら半分キノコだぞっ」という台詞が可笑しかったけど(笑)
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[004]恋恋風塵(れんれんふうじん)
 懐かしい黒美君彦2017-08-22
 
その懐かしさは、失われた時代への懐古に過ぎないのだろうか。 時代は60年代末。貧しい農村で一緒に育った幼馴染の少年アワン(ワン・ジンウェン)と少女アフン(シン・シュー・・・
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その懐かしさは、失われた時代への懐古に過ぎないのだろうか。 時代は60年代末。貧しい農村で一緒に育った幼馴染の少年アワン(ワン・ジンウェン)と少女アフン(シン・シューフェン)の儚い恋。恋と呼ぶには幼すぎるふたり。 台北で職に就いたふたりは、浮いたところもなく、ただただひたすらに生きようとする。 そこに吉永小百合や浜田光夫が活躍したかつての日活青春映画の残影を観ることもできるだろう。逆に山村の野外上映会のスクリーンは、あたかもこの後ジュゼッペ・トルナトーレ監督の『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年)に影響を与えたのではないかと思ってしまう。 幼い日の恋は、あたかも風に散る灰塵のようなもの。 そんなわかりきった心の痛みが、なぜか甦る。 何度も登場する駅舎や鉄道、ポイントも重要なアイテムだ。 鉄道は「ここではないどこか」に連れて行ってくれる魔法の箱であり、駅舎で来ない人を待ち続けた体験はほろ苦い思い出として残っている。 そしてポイントの切り替えで、人生の行く末は大きく変わる…。 ホウ・シャオシェン監督の描いた世界は多分、現在の台湾からも消え失せてしまったことだろう。それでも少年と少女の淡い感情は普遍的であり、その淡さゆえに愛しい。 静かで切ない、そんな素敵な作品である。
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[005]ロスト・イン・パリ
 エマニュエル・リヴァの遺作黒美君彦2017-08-22
 【ネタバレ注意】
2017年、89歳で亡くなった女優エマニュエル・リヴァの遺作。彼女を観たくて劇場に向かった。 監督・脚本・製作・主演を務めるフランスの道化師カップル、アベルとゴードンの作・・・
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2017年、89歳で亡くなった女優エマニュエル・リヴァの遺作。彼女を観たくて劇場に向かった。 監督・脚本・製作・主演を務めるフランスの道化師カップル、アベルとゴードンの作品は初めて。 彼らの笑いのツボを知っていたらもう少し楽しめるのだろうが、正直初見ではエスプリが利きすぎていて?笑えなかったんだけど。 ただコメディエンヌとして出演しているエマニュエル・リヴァは美しく、ピエール・リシャールとのベンチでの脚のダンスは素敵だった(足の動きは吹き替えかもしれないけれど)。 ラストの自由の女神像からずっと引いて行くシーンは何だかエマニュエル・リヴァとの別れを暗示しているようで少しじーんと来てしまった。 映画単体としてみると、フランスのお笑いをもう少し楽しめる素地があればもっと楽しめたのに、と思ってしまう。
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[006]二度目の初恋!? が、やってきた
 今ひとつのファンタジー黒美君彦2017-08-22
 【ネタバレ注意】
<あらすじ>プレーボーイの人気作曲家のチャン・ミニョク(ノ・ミヌ)が購入した家は、初恋の相手ペ・スジン(パク・ナレ)が住んでいたものだった。そこに、記憶をなくした女・・・
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<あらすじ>プレーボーイの人気作曲家のチャン・ミニョク(ノ・ミヌ)が購入した家は、初恋の相手ペ・スジン(パク・ナレ)が住んでいたものだった。そこに、記憶をなくした女性(イ・チョンア)が現れる。日本語を話し、この家は父親が建てたと主張する彼女に、ミニョクはワン・デチャと名づけ作詞家として共同生活を始める。彼女はなぜかスジンの口癖や嗜好に似ていた。そこへ彼女の婚約者という刑事ユ・ヨンジェ(カン・ドンホ)が現れ、彼女はエリカという日本人だという。彼女は古いMP3プレイヤーを買ってからヘンになったというのだ…。 韓国「イノセントラブ」シリーズとして公開された3作品のうちのひとつだそうで。 そもそもノ・ミヌはともかく、イ・チョンアはヒロインをするには魅力に乏しいと思ってしまう(それでも相当顔を昔に比べるとイジっているとは思うけど)。 前半はひたすらコメディ。ラストに近づくと切ない初恋物語に…というのは、韓国映画ではありがち。 結局今は亡き初恋の相手が、MP3に遺した最後のメッセージを通じてたまたま日本人女性に乗り移り?ミニョクに近づいた、ということらしいけど、それならそれで最初からスジンとしてミニョクと接したらいいのに、どうしてそんなに中途半端なんだ?? しかも日本人女性である設定が意味不明。日本語の台詞は下手だし。 ミニョクの片思いかと思って観ていたら、実はスジンもミニョクのことを想っていて…というのもとってつけたよう。高校時代と大人になってからを別人の俳優が演じることはよくあるので、パク・ナレとイ・チョンアが別人というのもよくわからん。 MP3の「DJ」?はキム・ギュンイクが特別出演。彼は神様ってこと?? いずれにせよ今ひとつのファンタジーでした。
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[007]聖衣
 大作史劇黒美君彦2017-08-21
 【ネタバレ注意】
ハリウッド初のシネマスコープ作品ということで、聖書に基づいたこの物語が撮られたのは必然だったのかも知れない。 ローマ帝国の護民官マーセラス(リチャード・バートン)が、・・・
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ハリウッド初のシネマスコープ作品ということで、聖書に基づいたこの物語が撮られたのは必然だったのかも知れない。 ローマ帝国の護民官マーセラス(リチャード・バートン)が、エルサレムでイエスを磔刑にしたことを深く悔い、ついにはクリスチャンになったために、ダイアナ(ジーン・シモンズ)とともに工程カリギュラ(ジェイ・ロビンソン)によって処刑されるという物語。 そもそもマーセラスが反抗的なギリシャ人の奴隷ディメトリアス(ヴィクター・マチュア)になぜ固執し、「友」にまでなろうとしたのかがよくわからない。ディメトリアスがいなければマーセラスはキリスト教徒にならなかったと思うのだけど。 とはいえ大掛かりなセットや絢爛豪華な衣装は見応えがある。 ジーン・シモンズ(『大いなる西部』ほか)も気品のある役柄で美しさが際立っている。彼女は少女時代にリチャード・バートンに出会い、結婚を約束したという役どころ。何と健気な。そりゃマーセラスも惚れてしまうのもわかる。細面なのに、胸は妙に豊かだし。 聖書にありがちな「奇跡」はさほど出てこないが、「隣人を愛せ」という教えは権力者が欲望のままに略奪や支配を続けていた当時、新鮮なものだったに違いない。もう一度その言葉が現代にも必要な気がしてならない…というのは余計な繰り言。 ただ大戦闘シーンといったスペクタクルシーンは乏しいので、1953年の全米興行成績で一位に輝いた、というのは驚きだが、今でもそれなりに面白く観ることができる。
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[008]洞窟おじさん
 逃げる黒美君彦2017-08-21
 【ネタバレ注意】
<あらすじ>自販機をこじ開けようとして逮捕された加山一馬(リリー・フランキー)が語る半生は数奇なものだった。1959年、群馬の貧しい農家に生まれ育った13歳の加山一馬(富・・・
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<あらすじ>自販機をこじ開けようとして逮捕された加山一馬(リリー・フランキー)が語る半生は数奇なものだった。1959年、群馬の貧しい農家に生まれ育った13歳の加山一馬(富田海人/中村蒼)は、両親からの折檻や度重なる虐待に耐えかねて家出。愛犬のシロとともに山奥の洞窟で暮らし始めた。5年後、ある農家の夫婦に発見された一馬は一時夫婦と暮らすが、人の優しさに慣れない一馬は再び山へ。山菜や自生の蘭を売って金を稼いだりしながらも、友達だと思っていた商人に裏切られた一馬は死を決意する…。 2015年に2時間ドラマとして放送され、その後完全版として4回シリーズでNHKで放映されたドラマ。 何せ実話ベースだというから凄まじい。群馬県大間々町(現みどり市)に1946年8月に8人兄弟の6番目として生まれた加村一馬氏の実体験なのだとか。 山での自活は死との隣り合わせだったろうが(何せ病気になっても自力で治癒するしかない)、生き抜いてしまうバイタリティには驚くばかり。 彼の基本は「逃げる」こと。 親の折檻から逃げ、農家夫婦の優しさから逃げ、しかし結局何らかの形で誰かと関わることになる。 43年も孤独に耐えて生きる、というのは言うは易し行うは難し、だ。結局彼が死ねなかったのは、樹海で見た死人が孤独なまま朽ちていく様を目の当たりにしてしまったからだろうか。 ホームレス状態で橋の下で釣りをしながら糊口をしのぎ、恋もする。 しかし結局警察に逮捕され、そこから社会のなかで生きることを決意する。 とはいえ社会復帰は簡単ではないだろうし、何しろ世の中の偏見は容易に切り崩せるとは思えないが、一旦山で孤独に耐えてきた半生があるからこそ、彼はちょっとやそっとのことでは揺るがないのだろう。 正直、山から降りて来た後半は、前半ほどの破天荒さが影を潜めてしまった感がある。 とはいえ、リリー・フランキーは巧演。青年期を演じた中村蒼も、少々イケメン過ぎるが頑張っていた。子役はちょっと肉付きが良すぎるように感じたが…。 ドアーズの「ジ エンド」、レッド・ツェッペリンの名曲「天国の階段」、ナットキングコールの「Smile」といった名曲がなかなかハマっていて、面白いドラマであった。
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[009]ミニオンズ
 なんだかんだで黒美君彦2017-08-14
 【ネタバレ注意】
バカバカしくてそれなりに楽しめました。 ミニオンとはいかなる生き物?なのか、その歴史を紐解き、彼らがどうして怪盗グルーに出会ったのか、それが実は1968年にまで遡るとい・・・
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バカバカしくてそれなりに楽しめました。 ミニオンとはいかなる生き物?なのか、その歴史を紐解き、彼らがどうして怪盗グルーに出会ったのか、それが実は1968年にまで遡るというから驚き。 で、舞台は何故か英国。 女王まで巻き込んだ騒動になっていくバカバカしさ。 ミニオン語という独自の言語を持ちながら、なぜボブ、ケビン、スチュアートというありがちな名前なのか、といった素朴な疑問は捨て置いて、黄色くて小っこい連中の起こす騒動を楽しめばそれで良し。
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[010]追想
 フェイク黒美君彦2017-08-14
 【ネタバレ注意】
ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世と一家の悲劇的な最期をめぐって、末娘アナスタシアの生存説が流布したのはあまりにも有名なお話。実際には1918年7月に一家全員が殺害され・・・
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ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世と一家の悲劇的な最期をめぐって、末娘アナスタシアの生存説が流布したのはあまりにも有名なお話。実際には1918年7月に一家全員が殺害されていたことが明らかになっているが、DNA鑑定などがなかった時代は、ニセモノも数多く現れた。 この物語は1928年のパリが舞台。ロシア帝国の元将軍ボーニン(ユル・ブリンナー)はアンナ・ニコル(イングリッド・バーグマン)がアナスタシアであろうがなかろうがどうでもいい。皇帝がイングランド銀行に預金していた1,000万ポンドの遺産の分け前にありつくために、彼女を利用する…。 これは最もアナスタシア生存説で有力な候補だったアンナ・アンダーソン(1896〜1984)のエピソードをもとにした物語。 イングリッド・バーグマンは、ロベルト・ロッセリーニとのスキャンダルで米国を離れていたが、この作品で7年ぶりにハリウッドに復帰し、2度目のアカデミー主演女優賞を受賞している。正直40歳を過ぎた彼女が、アナスタシア(当時生きていれば27歳)のフェイクを演じるのは少々無理も感じないではないけれど。 個人的にはイングリッド・バーグマンよりも、頑なな皇太后を演じたヘレン・ヘイズの演技が良かった。最後に彼女は本物でもそうでなくてもいい、と彼女を抱きしめる。 実際にはアンナ・アンダーソンの死後、DNA鑑定の結果、彼女はポーランド人の農家の娘フランツィスカ・シャンツコフスカだったことがほぼ確定的になったのだとか。数十人が「われこそはアナスタシア」と名乗り出た20世紀最大の謎のひとつは、その後ロマノフ一家の遺骨が発見されてすべては幻となってしまった…。
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[011]神様はバリにいる
 教えを乞う?黒美君彦2017-08-14
 【ネタバレ注意】
死ぬ気でバリに逃げた女が、地元の大富豪の日本人「アニキ」の家で住み込みで働くことになって、チンピラにしか見えなかった「アニキ」が実はいい人で、ビジネス成功の秘訣を語・・・
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死ぬ気でバリに逃げた女が、地元の大富豪の日本人「アニキ」の家で住み込みで働くことになって、チンピラにしか見えなかった「アニキ」が実はいい人で、ビジネス成功の秘訣を語ってくれる、という物語。 実話?に基づいたノウハウ本が原作で、丸尾孝俊とかいう実在の人物がモデルだそうで。 コメディ仕立てなので、深いシーンがあるわけではないし、起承転結も乏しいので面白いかと問われるとなかなか難しい。結局リゾート開発ブームに乗っかって土地を転がしたら途轍もなく儲かった、ということらしいけれど。 まああながち言っていることが間違っているわけでもないので、気になる人は教えを乞うて大金持ちになったらよろしい。映画としてはあまり記憶に残らない気がする。
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[012]グッドワイフ 〜彼女の決断〜
 チョン・ドヨンが見事黒美君彦2017-08-14
 【ネタバレ注意】
<あらすじ>敏腕検事イ・テジュン(ユ・ジテ)が収賄で逮捕され、性接待まで受けていたことを知ったキム・ヘギョン(チョン・ドヨン)。弁護士資格を持ちながら結婚し、主婦と・・・
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<あらすじ>敏腕検事イ・テジュン(ユ・ジテ)が収賄で逮捕され、性接待まで受けていたことを知ったキム・ヘギョン(チョン・ドヨン)。弁護士資格を持ちながら結婚し、主婦として生きてきたヘギョンは、改めて弁護士として生きるため法科大学時代のソ・ジュンウォン(ユン・ゲサン)と姉のミョンヒ(キム・ソヒョン)が代表を務めるM&J法律事務所に試用される。調査員キム・ダン(ナナ)や他の弁護士に揉まれながら、ヘギョンは夫を信用すべきか迷っていた…。 米人気ドラマ「グッド・ワイフ 彼女の評決」の韓国リメイク版ということで、いわゆる韓国ドラマとはかなり異なるテイストの演出。 大学時代はきわめて優秀と称されながら専業主婦として働いてきたヘギョンが、弁護士として活動し始めてぶつかる壁。夫に二面性があり、裏切られ続けていたことに気づいたときのヘギョン。息子と娘に見せる母親としての顔。何かと気にかけてくれるソ・ジュンウォンに惹かれ、いつしか溺れてしまう女としてのヘギョン。 さまざまな表情を、韓国を代表する女優のチョン・ドヨンが見事に演じる。 とにかく彼女はスゴい。可愛らしい少女のような笑顔を見せたかと思えば、鬼のような(失礼)険しい顔に。 慈愛に満ちた母の視線を送ったかと思えば、男の腕に自ら飛び込むエロティックな姿態を見せる。 チョン・ドヨンがとにかく見事なドラマシリーズだ。 しかも夫役を演じたユ・ジテが、何を考えているかわからない。 互いに罠を掛け合い、騙し合う夫と妻。怖い。 そして自立した女として離婚したのかと思わせつつ、ラストでは依然仮面夫婦を演じている様子。 政界進出を発表する場でヘギョンの手を取るテジュン。いったい何があったのか…。 やり手の調査員を演じたK-POPグループAFTERSCHOOLのナナはスタイル良過ぎ。いや、好みですけど。 音楽の使い方など、これまでの韓国ドラマとは一線を画す、なかなかカッコいいドラマシリーズだった。
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[013]あの人に逢えるまで
 あの人黒美君彦2017-08-14
 【ネタバレ注意】
<あらすじ>ヨニ(ムン・チェウォン)は、毎日ミヌ(コ・ス)のために心を込めて料理を作り、帰りを待ち続けている。アメリカの韓国人女性ソラから時々連絡が入るが、ひとり暮・・・
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<あらすじ>ヨニ(ムン・チェウォン)は、毎日ミヌ(コ・ス)のために心を込めて料理を作り、帰りを待ち続けている。アメリカの韓国人女性ソラから時々連絡が入るが、ひとり暮らしの彼女は帰らぬ人をひたすら待ち続ける。そんなヨニをある日役所の職員が訪ねてきて、「明日あの人に会える」と告げられたヨニは、ご馳走を詰めた重箱を抱えてバスに乗り込むが…。 『シュリ』(1999)や『ブラザーフッド』(2004)などの戦争アクション映画で知られるカン・ジェギュ監督による静かな悲しみを湛えた作品。 認知症を患うヨニは記憶をなくし、生き別れとなったままの夫を待ち続ける。だから作品のなかのヨニは若いままだ(時折鏡や写真にベテラン女優ソン・スクが現れ、それが現在の彼女だとわかるのだが)。 かつて認知症の母親を抱えていた身としては、その一途な思いに胸が潰されそうな気がした。離散家族の悲劇は、南北分断から60年以上経っても解決はおろか、会うことすらままならない。 やりとりからヨニは再婚し、ソラという娘を産んだことまではわかるのだが、結局彼女はずっと最初の夫ミヌを待ち続けたのだ。 ぎりぎりになって面会が中止となった時のムン・チェウォンの悲しみ。 離散家族もまた高齢化が進み、会えないまま死別していく。 そんな現実を、とても温かく描いている(しかしそれ故厳しい現実に涙せざるを得ないのだが)。 上映時間28分という短編だが、密度の濃い作品だった。
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[014]空と風と星の詩人 〜尹東柱の生涯〜
 静謐な詩空間黒美君彦2017-08-14
 【ネタバレ注意】
<あらすじ>1917年中国吉林省東南部にある北間島の同じ家で生まれ育った尹東柱(ユン・ドンジュ/カン・ハヌル)と宋夢奎(ソン・モンギュ/パク・チョンミン)の従兄弟は、中学卒・・・
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<あらすじ>1917年中国吉林省東南部にある北間島の同じ家で生まれ育った尹東柱(ユン・ドンジュ/カン・ハヌル)と宋夢奎(ソン・モンギュ/パク・チョンミン)の従兄弟は、中学卒業後ソウルの延禧専門学校(現延世大学)へ進学する。二人は姜処重(カン・チョジュン)やイ・ヨジンらとともに同人誌を作り、トンジュの詩などを載せる。詩人になる夢を持つトンジュは、創氏改名に応じ「平沼」姓を名乗り、1942年立教大学に入学。その後同志社大学に転入するが、トンジュとモンギュは独立運動に関わったとして逮捕され、1945年獄死してしまう…。 モノクロで描かれた静謐な映像空間。 韓国では広く知られている詩人ユン・トンジュは、1995年同志社大学構内に没後50年を記念して詩碑が建立されているが、日本ではまだまだ知られているとは言えない詩人だ。 彼が詩人として生きようとした生涯は、従兄弟で独立運動に身を投じたソン・モンギュと歩みを一にしている。 映画では日本人の刑事(キム・インウ)に尋問されるトンジュと、彼の回想という形で展開する。 ハングルを禁じられ、名前すらも奪われた民族の悲しみをたたえた彼の詩は、容易に思想犯にされてしまう。懲役2年のはずが、なぜ獄中で命を落とさなくてはならなかったのか。 彼の初の詩集『空と風と星と詩』は、1948年になって遺稿詩集として刊行されたという。 トンジュの詩に正直これまで触れたことは殆どなかったが、改めて紐解いてみようかと思う。
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[015]海辺の生と死
 濃密な島の緑とエロス黒美君彦2017-08-14
 【ネタバレ注意】
女優としての演技が時として過剰に感じられる満島ひかりだが、この作品ではその演技にやはり唸らされた。 いうまでもなく彼女は沖縄出身(本人曰くルーツは奄美大島らしい)な・・・
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女優としての演技が時として過剰に感じられる満島ひかりだが、この作品ではその演技にやはり唸らされた。 いうまでもなく彼女は沖縄出身(本人曰くルーツは奄美大島らしい)なのだが、その南方系の顔立ちやほどよい茶褐色の肌が、この作品の舞台となっている奄美大島や加計呂麻島の濃い緑や海の色に実によく似合う。 彼女が演じるのは島の国民学校教師大平トエ。子どもを指導しながら、彼女から溢れてくるのは年齢相応のエロスだ。化粧気もなく、いつも汗でじっとり濡れているのだがそれが妙に艶っぽいのだ。そして時折彼女が口ずさむ島唄がとても切ない。 原作は島尾ミホの『海辺の生と死』と島尾敏雄『島の果て』ほか。 物語は戦争末期、トエと海軍特攻艇隊長の朔(永山絢太)が出逢い、恋に落ちる過程を静かに描く。 抑えつけていた欲望が解放されたとき、後先考えずに行動するのは女の方だ。それまでの表情とは打って変わって「女」そのものとなって朔にしがみつくトエはそこはかとなく美しい。そしてその解放された欲望が、濃密な島の自然にとてもよく似合っている。 島唄「朝花節」の歌詞「他の島の人と縁を結んじゃいけないよ/他の島の人と縁を結んでしまえば/落とすはずのない涙落とすことになるよ」とは、何と切ないことだろう。 島を跋扈する生霊。死に向かう男。生に目覚めた女。 最後に逢いに行く前、井戸の水を浴びたトエが、途轍もなく明るい光に視線を向けて笑むシーンがあったが、あれは何を意味しているのだろう。そこには生霊がいたのだろうか? ただ、クライマックスの海辺のシーンで照明があてられまくっているのは少々興醒めか。 夜のシーンは描き方が難しいが、もう少し闇の気配を残せなかったのかな。 とにかく満島ひかりの演技、唄だけでも見応え聴き応えがある。 恐らく彼女はいま若い女優としてのピークを迎えつつある。 それにしても、教室に貼られた「50音カタカナ」。何故か「タ行」が抜けているのですが。「テ」だけ抜けていたら「手抜き」と言えたんだけど(笑)。
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[016]STOP
 寓話にもなっていない黒美君彦2017-08-10
 【ネタバレ注意】
<あらすじ>2011年3月11日、東日本大震災発生後の福島第一原発事故。5km圏内に住んでいた写真家のアンドウサブ(中江翼)とミキ(堀夏子)は、東京に避難する。ところが妊・・・
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<あらすじ>2011年3月11日、東日本大震災発生後の福島第一原発事故。5km圏内に住んでいた写真家のアンドウサブ(中江翼)とミキ(堀夏子)は、東京に避難する。ところが妊娠中のミキのもとに中絶を勧める役人(田代大悟)が現れ、次第に夫婦の精神状態がおかしくなっていく…。 世界各地で高い評価を得ているキム・ギドク(個人的には相性が相当悪い)が監督、撮影、照明、録音を全て一人で行った作品。寓話として扱うには生々しいし、放射線の恐怖の理解も表層的だし、解決策もまた上滑り。基本的にワンテイク主義なのか、数か所台詞を噛んでしまう場面もあったし、いかにも低予算。 リアリティは皆無。 地震も原発事故の表現も、意味なく「大丈夫だ」と繰り返す情けない夫も。しかも「中絶する〜」と半狂乱になった妻を、夫は手足を縛り、口をテープで塞いで「こうするしかないんだ〜」って、おいおい何の説得力もないし。挙句の果てに「福島で動物の子どもの写真を撮ってくるよ」と、妻を縛ったまま東京・福島を行ったり来たり。これはコメディか。 そして汚染地域には妊娠した狂った女がいて、たまたま出産したら死産?だったので、鎌で自分の首を掻っ切って死んじまう。それを見た夫は今度は中絶しようと言い出し、妻はそれを拒んで、すべてを受け容れて福島の自宅で出産すると言い出す。 残された夫は電気を全部止めるんだ、灯りを消せ〜と都会の真ん中でヒステリックに叫び出し、パチンコ屋のおっちゃんと言い争い。原発から都会に電気を送る鉄塔を倒壊させようとする…。 もうワケわからん。 いわんとすることはわからんではないが、あまりにリアリティがなく、寓話にもなっていない中途半端感が漂っていた。これなら福島をイメージしつつフィクショナルな設定をした方がよかったのでは? 夫婦の人物造形も浅いし、やっぱりキム・ギドクの良さってよくわからない。
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[017]ふたりのキャンバス
 違和感もあるが黒美君彦2017-08-09
 【ネタバレ注意】
<あらすじ>広島市の公立高校で美術コースに通う柳井里保(小芝風花)は、憧れのクラスメイト窪奏美(中村ゆりか)が原爆の絵に取り組むのを知って、自分も手を挙げる。原爆の・・・
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<あらすじ>広島市の公立高校で美術コースに通う柳井里保(小芝風花)は、憧れのクラスメイト窪奏美(中村ゆりか)が原爆の絵に取り組むのを知って、自分も手を挙げる。原爆の絵とは、被爆者の証言に基づいて、当時の惨状を油絵にする作業。証言者の遠藤雄造(近藤正臣)の話を聞くうちに、遠藤には被爆の事実を語れないまま終わった恋があったことを知る。その頃、男子生徒とデートしたことを話してくれなかった奏美に対して、里保は「面倒くさい!」と言葉を投げつけてしまう…。 被爆70年を機にNHK広島放送局が制作している「ヒロシマ8.6ドラマ」第三弾。 10年前から、被爆証言を聞いて、その記憶を油絵に描いている広島市立基町高校の創造表現コースをモデルにしたドラマ。 単に話を聞くというのではなく、被爆者と繰り返しやりとりをすることで、高校生のなかに新たな体験としての「被爆」が生まれる。そんな画期的な取り組みをドラマにしたもので、すでにドキュメンタリー番組でも取り上げられ、2015年12月には青年劇場が『あの夏の絵』(作・福山啓子)として舞台化までしている。 で、この作品。 証言をする被爆者の「語れなかった記憶・過去・悔恨」と、同級生の「男子とのデートを話したくないこと」とが並列で語られていることに強い違和感を抱かざるを得なかった。 若者の悩みと重ねることでとっつきやすくしようとしたというのはわかるが、あまりにそのギャップが大きすぎる。 それゆえ高校生の「想像できない苦しみ」や絵画制作までの苦労といったところが吹き飛んでしまった。 これは脚本家の取材(想像力)が届かなかった、ということだろう。残念。ただ、ラスト近くで絵画と記憶が似ているか聞かれて「全然違います。でもあんたの絵でええんじゃ」と答えるところは思わず頷いてしまった。小芝風花らの広島弁は指導の甲斐あって違和感はさほど感じず。
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[018]甘き人生
 ベルフェゴール黒美君彦2017-08-09
 【ネタバレ注意】
第69回カンヌ国際映画祭「監督週間」のオープニングを飾ったイタリアのマルコ・ベロッキオ監督作品。 イタリア人ジャーナリストのマッシモ・グラメッリーニによる大ベストセラ・・・
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第69回カンヌ国際映画祭「監督週間」のオープニングを飾ったイタリアのマルコ・ベロッキオ監督作品。 イタリア人ジャーナリストのマッシモ・グラメッリーニによる大ベストセラー自伝小説“Fai bei sogni(よい夢を)”が原作だ。 何も知らずに観ると、幼い頃に母親を喪くした男の異常な固執を描いた作品、ともとれるが、少し予備知識を持つと随分見え方が異なってくる。 例えばイタリアをはじめとするラテン諸国では男の多くがマザコン的に母親への愛情が深いということ。 そしてもうひとつはこの作品では「落下」「ダンス」が大きな意味を持っているということ。 いうまでもなく母親(バルバラ・ロンキ)は投身自殺であり、その後マッシモは書斎のナポレオンの胸像を窓から「落とし」、サッカーのリフティングを部屋でしていて聖母が描かれた飾り皿にボールを当てて「落とし」て割ってしまう。 また新聞記者として自立したマッシモ(ヴァレリオ・マスタンドレア)が、父親(グイド・カプリーノ)と再会する場面があるが、そこで背景としてあるのは、1940年代の全盛期に飛行機の「墜落」事故で監督と選手をいっきに失ったトリノFCの慰霊祭である。 そこで母親を喪ったマッシモ少年(ダリオ・ダル・ペーロ)が、父親に連れられて自宅アパート近くのサッカー場に連れて行かれたエピソードも想起されるだろう。 そして幾度も暗示された「落下」は、のちに恋人エリーザ(ベレニス・ベジョ)による高飛び込みで締めくくられる。 また冒頭、母親と踊るシーンから始まるのも暗示的だ。彼はその後、踊ることを封印する。ところがそれが解放されるのが、エレーザのパーティーでのことだ。 つまり、母親の記憶に連なる「落下」「ダンス」が、恋人の力で初めて克服されるのである。 (こうした解釈は、「荻野洋一『甘き人生』評」http://realsound.jp/movie/2017/07/post-92421.htmlに教えていただきました。ありがとうございます) 敬虔なカトリック国であるイタリアにおいて「自殺」はタブーであり、遺体すら見ることができなかったマッシモはずっと母親と一緒に観たドラマに登場した怪人ベルフェゴールの名を呼ぶことでさまざまな障害を克服しようとしてきた。そのことを初めて率直に告白できた相手もエリーザだった。 それにしても、マッシモが40代になるまで母親の死因について知らなかったというのは無理がないか。たとえ父親が語った「心筋梗塞」という病名を信じ込んでいたとしても、新聞記者なら普通いろいろ調べるだろう。母親の死んだ日の記事だって、探せば行き当たるはずではないのか…? マッシモがパニック発作を起こしたのが、1993年のサラエボでの取材の後、というのも印象的だ。サラエボでスナイパーによって惨殺された母親の死体が転がり、その前でゲームに熱中する子どもを椅子ごと動かして写真を撮るカメラマン。構図を作るために、椅子を動かすその光景は寒々とさせる。 被写体としてしか見えないカメラマンと、ゲームに没入することで現実逃避するしかない少年…。 それはマッシモの内側に巣食う「思考停止」の壁を突き破る効果があったのだろうか。 そうしたことを少し知った上でこの作品を観ると、また異なる位相が見えてくる。 決して、単なるマザコン映画ではなく、現代イタリアを舞台にした精神の放浪を描いた作品なのだ。
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[019]その日の雰囲気
 一夜限りの…黒美君彦2017-08-09
 【ネタバレ注意】
<あらすじ>偶然釜山行きKTXで隣の席に座った化粧品会社のOLペ・スジョン(ムン・チェウォン)とバスケット選手のエージェント、キム・ジェヒョン(ユ・ヨンソク)。いき・・・
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<あらすじ>偶然釜山行きKTXで隣の席に座った化粧品会社のOLペ・スジョン(ムン・チェウォン)とバスケット選手のエージェント、キム・ジェヒョン(ユ・ヨンソク)。いきなり「僕は今夜君と寝ようと思う」とナンパするジェヒョンに、10年交際している恋人のいるスジョンが応じるはずもなく…。しかし次第に惹かれあっていくふたり…。 偶然列車で乗り合わせたふたり、という設定はリチャード・リンクレイターの1995年の名作『ビフォア・サンライズ』(邦題『恋人までの距離(ディスタンス)』)そのまま。いきなりナンパはしなかったけどね。 自信満々のユ・ヨンソクが、平凡なOLのムン・チェウォンに猛アプローチしている内に、立場が逆転し、互いに惹かれあっていく…というのは定番といえば定番。 列車が停まり、車で移動することになり、スジョンのピンチをジェヒョンが救い、美しい観光地をふたりで歩き、お決まりの(笑)雨で慌てて雨宿り。ジェヒョンの優しさに触れて、スジョンも一夜限りの関係に踏み切ろうとするけれど…。 ふたりが追いかけるのがカン・ジンチョル(パク・ミヌ)というバスケットのスター選手。ジェヒョンはエージェントとして後輩にあたるジンチョルをNBAに送ろうと考えているし、スジョンは化粧品会社のCMにジンチョルを起用したいと考えていて、プレゼンでつい「明日契約予定」と言ってしまう。 こうした現れない誰かをともに捜す、という共同作業が仲間である感覚を呼び起こすということは必須(その割りにあまりふたりとも熱心には見えないが)。 そして美しい自然に囲まれた開放感溢れる名勝地。雨宿りでふたりきり。言い争い。暗闇でふたりきり…。 ふたりが惹かれ合う舞台装置は、ま、こんなもんかな。 非日常で出逢う異性は、3割増でキレイに、あるいはカッコよく見えるもんなあ。 個人的にはカン・ジンチョルは本人が登場しないままでも良かったかな。 ご都合主義の部分も幾つか目についた。 とはいえ、最初消極的だったムン・チェウォンが、酒をあおって一気に積極的にユ・ヨンソクに迫っていくシーンは、変貌する女のコワさを感じないではない。もちろん可愛いんだけど。 ちなみにKTXを降りたふたりが、ミリャン(密陽)にいるジェヒョンの後輩のカーセンターで車を借りる場面があるが、この場面はイ・チャンドン監督の名作『シークレット・サンシャイン』(2007年)で、チョン・ドヨンが、ソン・ガンホ経営のカーセンターに車を修理してもらう冒頭シーンへのオマージュではないか、との指摘もあるそうだ。
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[020]陸軍中野学校 雲一号指令
 「命だけは大事にしろよ」黒美君彦2017-08-08
 【ネタバレ注意】
<あらすじ>1939年。最新兵器を積んだ軍用船が、神戸出港後に相次いで爆沈。椎名次郎(市川雷蔵)と杉本明(仲村隆)は草薙中佐(加東大介)の命を受け犯人を追う。神戸の憲兵・・・
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<あらすじ>1939年。最新兵器を積んだ軍用船が、神戸出港後に相次いで爆沈。椎名次郎(市川雷蔵)と杉本明(仲村隆)は草薙中佐(加東大介)の命を受け犯人を追う。神戸の憲兵分隊長山岡中佐(戸浦六宏)にも協力を要請されるが、西田大尉(佐藤慶)は敵愾心を露わにする。夜警の元川一郎(越川一)が怪しいと睨んだ椎名、杉本は、元川が梅香(村松英子)という芸者とつながっていることに気づくが、ある晩怪しい動きをしていた元川は、海に飛び込んで自爆してしまう。さらに機密図面を盗んだのは椎名の大学時代の友人佐々木(中野誠也)だった…。 「陸軍中野学校」シリーズは1966〜68年にかけて五本が制作されているが、この作品はその第二作。 神戸を舞台にしたスパイたちの活躍を追ったものだけれど、アクションも殆どないし盛り上がりには正直欠ける。冒頭は中国に列車で向かう椎名から始まるけれど、このシーンは必要か?何せ、列車に届いた電報で急遽帰国してしまうのだから。 細かいストーリーは割愛するが、高台から見下ろした神戸の街や、途中で出てくる交通信号など、どう見ても昭和10年代とは思えない。このあたり、プログラムピクチャーらしい割り切りだともいえるけど…。 怪しい夜警に目をつけたのは何故かよくわからないが(笑)、そこから謎の芸者梅香が浮上。 梅香は、椎名の大学時代の友人で、親日派の中国の新聞特派員を務めている佐々木ともつながっている。佐々木は離れに住む技術者になりすまして軍事機密を盗み出すが、壁の鉄条網に犬の毛が引っかかっているのを椎名が見つけてジ・エンド。いやいや、犬の毛だけでそりゃ無理がありますよ(笑)。 そして自死する直前「背後関係を吐けば死刑は免れるから」と説得する椎名に佐々木がかける言葉が「命だけは大事にしろよ」。…3年後の市川雷蔵の早世を知る私たちからするとドキッとする台詞だ。 思ったとおり佐藤慶と村松英子がいい仲で、あろうことか憲兵隊副官がネタ元だったことがわかると佐藤慶は村松英子を射殺し、自分のこめかみに向かって引き金を引く。 このときの村松英子の台詞「この国の国民なら売国奴だろうけど、私はこの国の人間じゃないからね」という啖呵がなかなか。当時(28歳)はなかなか艶っぽい村松英子であった。 それにしても裏切られた憲兵と女スパイが直接対決したらこんな結果になるのは至極当然。椎名次郎、少しは想像しろよ。 一応秘密兵器っぽい「煙管型爆弾」や、潜望鏡のような覗き眼鏡が登場するけれど、今ひとつ盛り上がらない。 ま、仕方ないか。ところで椎名次郎は「24歳」(市川雷蔵は当時35歳)なのだそうだ。老けているなあ(笑)。
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[021]戦場のレクイエム
 無名烈士黒美君彦2017-08-04
 【ネタバレ注意】
実話に基づいた戦争ストーリー。 1948年の国共内戦の戦闘シーンは酸鼻を極め、リアリティがある。フォン・シャオガン監督が『プライベート・ライアン』や『ブラザーフッド』を参・・・
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実話に基づいた戦争ストーリー。 1948年の国共内戦の戦闘シーンは酸鼻を極め、リアリティがある。フォン・シャオガン監督が『プライベート・ライアン』や『ブラザーフッド』を参考にしたというのもよくわかる。 中原野戦軍大139連隊第3大隊第9中隊の中隊長谷子地(グー・ズーティ/チャン・ハンユー)が主人公。 連戦に次ぐ連戦となるなか、弟9中隊は、廃鉱を撤退を伝える集合ラッパが鳴るまで死守せよと連隊長から命じられる。部下が相次いで戦死するなか、ひとりが「集合ラッパを聴いた」というが、その音を聴かなかったグーは最後まで戦い、ついに中隊は全滅。グーだけが奇跡的に生き残る。 グーは1951年の朝鮮戦争にも従軍。 その後、第9中隊が「失踪扱い」とされていることを知り、名誉回復を目指す…。 戦争に翻弄されたひとりの軍人が主人公なのだが、今ひとつ入りきれなかったのはなぜだろう。 国共内戦の凄まじさは、同胞同士の殺し合いだけに痛ましさが強まる。朝鮮戦争だってそうだ。連合軍と戦った北朝鮮・中国軍の犠牲も凄まじかった。 ただ、この作品ではそうした歴史背景には殆ど触れない。 自分自身の戦場、自分が率いた中隊の不当な扱いに対する憤り…それらは個人に収斂していく。 そうした点が中国製戦争映画の限界なのかも知れない。 「無名烈士」という言葉は、かつて日本でもよく見られた称号である。 前線の兵は駒に過ぎない。死後、名誉の死だ、などと称揚されたとしてそれがどれだけの意味があるのか。それは生者の驕り、自己満足に過ぎないのではないのか。 戦友を偲び、涙するグーの姿を見ながら、そんなことも感じた。
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[022]ザ・マミー/呪われた砂漠の王女
 壮大なコメディ黒美君彦2017-08-03
 【ネタバレ注意】
『魔人ドラキュラ』『フランケンシュタイン』(いずれも1931)、『透明人間』(1933)、『狼男』(1941)といったモンスターを数多く生み出したユニバーサル映画。それらはユニ・・・
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『魔人ドラキュラ』『フランケンシュタイン』(いずれも1931)、『透明人間』(1933)、『狼男』(1941)といったモンスターを数多く生み出したユニバーサル映画。それらはユニバーサル・モンスターズと呼ばれたが、それらの恐怖映画を現代に蘇らせようというのが“ダーク・ユニバース”プロジェクト。 その起点となるのが、1932年の『ミイラ再生』をもとにしたこの『ザ・マミー』なのだそうで。 大仕掛けになったのはわかるけれど、これまで観たホラーとアドベンチャーもののごった煮みたい。 ダークヒーローの誕生譚、ととれないこともないけれど、50代半ばになったトム・クルーズが今後続編に出るとも限らないしなあ。 うじゃうじゃゾンビが襲ってくるシーンでは大笑いしてしまったけれど、T・クルーズ演じるニック・モートンはアマネット(ソフィア・ブテラ)に選ばれた者なのだから死ぬはずもなく。無事?死の神セトになったとさ(笑)。 「あなたは善い人よ」というジェニー・ハルジー(アナベル・ウォーリス)のひと言で、魂を悪魔に売り渡さなかった単純なニック。うーむ。そもそもこのヒロインに魅力が感じられないし。 随分太ったラッセル・クロウがジキル&ハイドを演じるのもなかなか笑える。 うーんこれはやはりコメディだったのか?
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[023]110番街交差点
 70年代、110番街で。黒美君彦2017-08-03
 【ネタバレ注意】
70年代の空気がぐんぐん迫ってくる。 110番街交差点というのはニューヨークを二分する場所。北はアフリカ系を中心に貧困層が多く治安のよくないハーレムで、南側は白人を中心と・・・
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70年代の空気がぐんぐん迫ってくる。 110番街交差点というのはニューヨークを二分する場所。北はアフリカ系を中心に貧困層が多く治安のよくないハーレムで、南側は白人を中心とした社会。 ハーレムの利権を争い、勝ち抜いたマフィアを、警察官に扮した3人の黒人ジム(ポール・ベンジャミン)とジョー(エド・バーナード)、ヘンリー(アントニオ・ファーガス)が襲い、その場でマフィアを殺して30万ドルを奪って逃走。ベテラン刑事のマテリ警部(アンソニー・クイン)が捜査に乗り出すが、黒人刑事のポープ(ヤフェット・コットー)が担当を命じられる。 面白いのがイタリア系+アフリカ系というこのふたりの図式が、そのままマフィアの上層部ニック・ドサルヴィオ(アンソニー・フランシオサ)と下部組織の黒人グループといった形で相似形をなしているところ。 マテリはベテランだけあってマフィアとはかなり親密な様子。賄賂も少なからず手にして来た様子。若いポープはそうした癒着が許せない正義漢。 黒人蔑視を露わにするマテリだが、ふたりで捜査している間に少しずつポープを認めていく。はじめは強気だったが、最後にはもうポープに捜査の主導権を渡そうとさえする。 最後にはポール・ベンジャミンがマシンガンを片手に追手のマフィアも警察も無関係に撃ちまくるんだけど、多勢に無勢。ついにスナイパーに何発も撃ち込まれ、ジ・エンド…のはずが、マフィアのひとりによってマテリが狙撃されてしまう…。 無謀にもマフィアから大金を奪った3人組が、次々捕らえられ、凄惨な拷問の末に殺されていく。 逃げ場はない。しかしポール・ベンジャミン演じるジムは、逃げ切ろうと決意する。恋人に「金を返しなよ」といわれても、その気はさらさらない。刑務所で死ぬか、シャバで殺されるか。どうせ死ぬなら、万にひとつの可能性に賭けたいと。 ハーレムで幼い頃から窃盗や強盗をくり返してきた前科者で“てんかん”持ちでもあるジムは、最底辺から脱け出す夢にすべてをかけるのだ。 ボビー・ウーマック(1944〜2014)が歌う主題歌“Across 110th Street”も印象的。歌詞も「110番街の向こうは女もジャンキーも食い物にされる」といった内容で、まさにこの作品そのものだ。 ハーレムそのものは90年代以降治安が改善され、すっかりこの時代とは違う風景になっている(らしい)。 ではこの映画で表現された絶望的な格差が解消されたかというと、それは全く別問題である。
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[024]君の膵臓をたべたい
 青春純愛モノ黒美君彦2017-08-02
 【ネタバレ注意】
知り合いの映画通が激賞していたのできっかけで鑑賞。 膵臓の重い病気で余命1年といわれた明朗活発な高校2年生の山内桜良(浜辺美波)と、同じクラスの本好きで人と交わらな・・・
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知り合いの映画通が激賞していたのできっかけで鑑賞。 膵臓の重い病気で余命1年といわれた明朗活発な高校2年生の山内桜良(浜辺美波)と、同じクラスの本好きで人と交わらない志賀春樹(北村匠海)との純愛ストーリー。 それから12年経って、母校の国語教師となった春樹(小栗旬)が振り返る、という構成。 図書館が好きで、しかも片思いの相手との手紙のやりとり場所としても活用したことのある(ハズイ)自分には、何ともこそばゆい物語だった。 それにしてもクラスで一二を争う美少女にあんな風に迫られたら、自分だったらイチコロだね、とか思ってしまう。北村匠海も男前だしなあ。そりゃいいでしょうよ(誰に向かって言うてんねん)。あの頃の自分なら間違いなく純愛では終わらないよなあ(遠い目)。 友達以上恋人未満。「仲良し君」と呼ばれながら、少しずつ春樹はひたむきに生きる桜良に惹かれていく。 難病美少女純愛ストーリーは山ほどあれど、この作品もさほどそのラインから外れているわけではない。 見事なまでに主人公たちの親は捨象されているし(桜良の母親は最後に出てくるけど)。 ただ、冒頭で見せた新聞記事を見て、あ、これ伏線か、と思ってしまう自分は何て汚れてしまったんだろうとも思ってしまったけど。 しかしあんな青春を過ごしてしまったら、主人公の時間は恐らく止まってしまう。思い出に耽溺して、そこから這い上がることが出来ない。でも、母校で教師をしているんだよね。 恭子(北川景子)への手紙は少々唐突な気がした。最後に親友に届けられた手紙。結婚式のその場で「友達になってください」というのもどうなんだ、という気がしないでもないが…。 ということで、映画通くんが褒め称えていたほどには心は動かされなかったが、よくまとまった純愛青春ものに仕上がっていたとは思う。ロケに使われた(彦根?)校舎が懐かしいし、図書館はとにかく思い入れが強いので、それだけでキュンとしてしまう。 ただ結局春樹は桜良のことをちゃんとわかってあげていたのか、というのは疑問符が残ったまま。 生徒の栗山(森山大地)にぺらぺら昔話をするのも教師としてどうかと思うし(どうでもいいが、森山大地って中性っぽい)。 甘酸っぱい青春に泣けるかどうかで、精神的な若さが測れるかも。 ただ、タイトルはやはりいただけない。 好きな人の一部になりたい、というのはともかく、相手の内臓を食べたいなんて誰がなんと言おうとセンスが悪いと断言する。たとえ、惹句に過ぎないとしてもね。
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[025]SHERLOCK(シャーロック)4
 ベイカーストリート・ボーイズ黒美君彦2017-07-31
 【ネタバレ注意】
<あらすじ>シャーロック・ホームズ(ベネディクト・カンバーバッチ)は探偵として復活、一方ジョン・H・ワトソン(マーティン・フリーマン)とメアリー(アマンダ・アビン・・・
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<あらすじ>シャーロック・ホームズ(ベネディクト・カンバーバッチ)は探偵として復活、一方ジョン・H・ワトソン(マーティン・フリーマン)とメアリー(アマンダ・アビントン)は子供をもうける。チベットにいたはずの少年が両親の家のすぐ外で不可解な死を遂げた事件も簡単に解決。一方で破壊されたマーガレット・サッチャーの胸像が語るものは…。 現代版ホームズもシーズン4ともなれば相当無理も生まれる。メアリーは謎めいた言葉を遺してこの世を去り、謎に包まれた妹ユーラスがマイクロフトとシャーロック兄弟を苛む。後半はややホラーというかサイコスリラーというか、いわゆるホームズものではないかのよう。 どうも突き抜けた感がない、というのが率直な感想。 相変わらずシャーロキアンにとってはいろいろ思い当たる伏線があるのだろうけど、個人的にはもっと突き抜けた快刀乱麻ぶりが見たいな、と。たとえ予定調和であるとしても。 “ベイカーストリート・ボーイズ”と呼びかけるメアリーの視線の向こうには、活き活きと走り回るホームズとワトソンが映っているのではないだろうか。決して難解ではない、ある種シンプルなふたりの男が。
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[026]怪盗グルーのミニオン危機一発
 危機一発黒美君彦2017-07-31
 【ネタバレ注意】
どうしてタイトルが「危機一髪」でなく「危機一発」なのかと思ったら(グルーに髪がないから?という理由も考えられるけど)。どうやらこの作品、「007」シリーズをちょっと・・・
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どうしてタイトルが「危機一髪」でなく「危機一発」なのかと思ったら(グルーに髪がないから?という理由も考えられるけど)。どうやらこの作品、「007」シリーズをちょっとだけ意識しているようなのだ。 諜報機関の一員として働く(元)怪盗グルー。相棒となるルーシーの車は海中では潜水艦に変わるし、空まで飛んでしまう、というのも60〜70年代の007でお馴染みの秘密兵器。だから敢えて邦題も『007/危機一発』(1963年)から拝借した、というわけ。 第三作の『怪盗グルーのミニオン大脱走』よりストーリーもわかりやすいし、面白く観ることができた。ネファリオ博士が突然寝返った理由がもうひとつよくわからなかったけれど、細かい話はこの際どっちでもいいということで。ミニオンは凶暴になってもあんまり怖くないし。 そして大団円でヴィレッジ・ピープルの「Y.M.C.A.」をミニオンたちが歌いだしたのには思わず笑った。 同世代の作り手が、楽しみながら作っているんだなあというのが垣間見えるアニメだ。
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[027]怪盗グルーのミニオン大脱走
 こんなものかな黒美君彦2017-07-28
 【ネタバレ注意】
『怪盗グルー』シリーズを観るのは初めて。まあこんなものかな、と。 最強最悪の主に仕えることを生きがいとするミニオンズのワケのわからない面白さはバカバカしくて悪くない・・・
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『怪盗グルー』シリーズを観るのは初めて。まあこんなものかな、と。 最強最悪の主に仕えることを生きがいとするミニオンズのワケのわからない面白さはバカバカしくて悪くないけれど、物語そのものはうーん、どーなんですか。 以前の作品はみな大ヒットしたそうですから、このくらいのテイストでいいのかも知れませんが…。 個人的には今ひとつ乗り切れなかったなあ、というのが率直な感想。 グルーとドルーという双子話がもう少し盛り上がるかと思ったけれど、終始どたばたで終わってしまった感が。 多分数日でキレイさっぱり中身を忘れてしまいそうな予感が…。
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[028]彼女の人生は間違いじゃない
 積み重ねられた「震災」後黒美君彦2017-07-28
 【ネタバレ注意】
歳月が記憶を風化させる。 しかも時間が経てば経つほど、被災地の人々の暮らしには個別の事情が絡みつき、時には被災者同士で妬み合い、傷つけあうこともある。さらにいえば、・・・
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歳月が記憶を風化させる。 しかも時間が経てば経つほど、被災地の人々の暮らしには個別の事情が絡みつき、時には被災者同士で妬み合い、傷つけあうこともある。さらにいえば、福島で高濃度の放射能に汚染された人々は、帰る目処もつかないまま放置されている。「6年」は中学生が成人してしまうほどの時間経過だ。 帰郷する途中の新幹線で震災発生に遭ったという福島県郡山市出身の廣木隆一監督。 登場するのはそれぞれ「事情」を抱えた人々だ。 市役所勤務の傍ら、東京でデリヘル嬢として働く金沢みゆき(瀧内公美)。運転手兼用心棒の三浦秀明(高良健吾)に“守られている”。 かつてつきあっていた山本健太(篠原篤)が会いに来るが、みゆきは露悪的に突き放す。 みゆきの父修(光石研)は妻を津波で失い、土壌汚染された田畑の補償金をパチンコに注ぎ込む日々。 市役所で広報課員として働く新田勇人(柄本時生)は、家族もバラバラになっている。 修の隣の仮設住宅に住む女(安藤玉恵)は自殺を図るが、夫は除染作業に追われてすぐ帰ることもできない…。 みゆきを中心にした群像劇だが、印象に残るのは時折挿入される、帰還困難区域の死んだように荒れた街並みであったり、遠くに見える原発だったりする。 登場人物たちはみな失ったものに区切りをつけ、新たな道を歩みだそうとする、というのは、ある意味ありがちな結末ではある。現実はそう簡単ではないが、かといって落ち込みっ放しというわけにもいかない。少しでも希望を見せたい、というのはわかるし、それでこそ人間だろう、といえばそうなのだけど。 卒論で被災地を取り上げたいといって地元のスナックでバイトをする女子大生。柄本時生が目を輝かせるのに、「津波のときどう思われましたか〜」と、軽い調子でインタビューを始める女子大生に彼は何も答えられない。そんな簡単なもんじゃない、そんなひと言で語れる話じゃない、そう言いたげな彼の表情が忘れられない。 ただ、もうひとつ何かが足りない気がした。 それが何かはよくわからないのだが、原発災害で狂わされたそれぞれの人生を、それぞれの責任で引き受けないといけない、という諦念のようなものを感じたからだろうか。 もっと怒れよ、もっと狂えよ、と望むのは、非被災者である自分の傲慢さであることを踏まえつつ、でも映画ならそれができるのでは?とも思ってしまう。現実から遊離してどうするんだ、という自らの声も聞こえるのだが…。 それほど被災地を描く作品は、年々困難になっていく。
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[029]イノセント・ガーデン
 サイコ・サスペンス黒美君彦2017-07-24
 【ネタバレ注意】
パク・チャヌク監督がハリウッドに招かれてのサイコ・サスペンス。 ミア・ワシコウスカと母役でニコール・キッドマン、叔父チャーリー役のマシュー・グードの三人がほぼ全て。 ・・・
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パク・チャヌク監督がハリウッドに招かれてのサイコ・サスペンス。 ミア・ワシコウスカと母役でニコール・キッドマン、叔父チャーリー役のマシュー・グードの三人がほぼ全て。 事故死した?父親の葬式に突然現れた叔父。不仲だったせいもあって若い叔父の出現にはしゃぐ若い母。それを少女特有の潔癖性から嫌悪感を持って見る娘…ところが、そんな話ではまとまらない。 距離を置こうとしていたのは、実は拒みきれない引力を叔父から感じていたから。 ミア・ワシコウスカとマシュー・グードのピアノの連弾は何ともいえない官能性に満ちているし、叔父と母娘の三角関係にもつれ込むのかと思わせながら、実は叔父の標的は娘(姪にあたるわけだよね)であることがわかる。それも「女」として、ではなく、殺人に快感を覚える同じ嗜好を持った者として。 成績はいいらしいが、誰にも笑顔を見せないインディアは、目の前で殺された同級生の姿を思い出して性的に興奮する。新たなサイコパスの誕生だ。 彼女の嗜好に気づいた父親は、彼女に狩りを教えることで代理機制を働かせようとしてきたことがわかる。 N・キッドマンだけがそうした「秘密」に気づいていなかったのだ。 驚いたのはこの作品の脚本をウェントワース・ミラーが書いたということ。なかなかの才人だ。 台詞では殆ど説明はなく、シーンや視線で描いたパク・チャヌクの演出も過不足ない。どちらかというとヨーロピアンテイストで、ヘンリー・ジェームズの小説を想起させる、といえばわかりやすいだろうか。 傑作、というほどのものではないけれど、いわゆるハリウッド的な演出とは少し味つけが異なり、面白く拝見した。
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[030]ガタの国から
 ムツゴロウのムッチー黒美君彦2017-07-21
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<あらすじ>タイからの観光客が急増している佐賀・嬉野温泉に、ドラマの撮影のためにやってきたタイのスーパーアイドル、サムット(ティティ・マハーヨーターラック)。過密ス・・・
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<あらすじ>タイからの観光客が急増している佐賀・嬉野温泉に、ドラマの撮影のためにやってきたタイのスーパーアイドル、サムット(ティティ・マハーヨーターラック)。過密スケジュールに老舗旅館を抜け出したサムットは、一人娘の片瀬未来(上白石萌音)とともに写真を見て憧れた干潟を目指す。未来のたった一人(一匹)の友達ムツゴロウのムッチー(声:高木渉)とともに…。 垢抜けない田舎の少女役をさせれば上白石萌音の右に出る者はない、ということで、彼女の魅力で見せる異色の青春ファンタジー。佐賀の温泉・干潟、SNS、タイ、イケメン…といったいくつかのピースを巧く組み合わせている。タイ語を通訳するのがムツゴロウ…というのはさすがに強引なファンタジーではあるが、佐賀の干潟の魅力は伝わってきた。 タイのスーパーアイドルを演じたティティ・マハーヨーターラックは1996年生まれで、インスタグラムのフォロワー250万人以上という本当のタイの人気俳優だそうで。 がばいばあちゃんの島田洋七も当然?出演。その他も手堅い配役で「地域発ドラマ」として楽しく観ることができた。
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