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 「堕落者」さんのコメント一覧 登録数(269件)rss
 コメント題投稿者投稿日
[001]HAZARD ハザード
 傑作堕落者2008-06-28
 
最高。 『アカルイミライ』の雄二=オダギリジョーがそのままNYに行ってしまったかのような作品で、ぶっ飛んでます。 とにかく最初から最後まで全くボルテージの落ちない異様・・・
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最高。 『アカルイミライ』の雄二=オダギリジョーがそのままNYに行ってしまったかのような作品で、ぶっ飛んでます。 とにかく最初から最後まで全くボルテージの落ちない異様な高揚感、主人公たち二人のギャングによる狂騒劇が素晴らしい。全てが臨界点を突破している。 手持ちカメラを駆使したゲリラ撮影による圧倒的な躍動感は、正に監督から出演者までが命懸けで戦っている所以であり、撮影形式=映画を作る事、それ自体がある種の政治的・思想的な試みになっているのだと言える(政治的な映画を作るのではなく、政治的な方法で映画を作らなければならない、と語ったゴダールの言葉が想起される)。 上半身裸で詩を詠みながら、道行く通行人たちに絡むギャングの一人に園子温の詩人としての意気込みや面白さを感じた。 「眠い国、でも眠れない国」日本を挑発する、ゴダール以後の刺激的な傑作である。
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[002]幽閉者 テロリスト
 最高堕落者2008-02-24
 
事前の期待も大きかっただけにDVで撮られた本作を観て初めは、その低予算からくる画面の貧しさに大丈夫かなぁと思って心配して観ていたのだが、その心配は全くの杞憂であった・・・
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事前の期待も大きかっただけにDVで撮られた本作を観て初めは、その低予算からくる画面の貧しさに大丈夫かなぁと思って心配して観ていたのだが、その心配は全くの杞憂であった。それは、足立正生が今もなお現役の鬼才である事を、この作品が見事に証明していたからだ。 この作品で表現される、近年の世界的傾向である、「ノイズの排除」(=それは差し詰めグローバリズムと呼び変えてもいい)に抗うように全編に充満する、圧倒的なノイズの洪水は観る者に眩暈を催すだろう。或いは、「PANTA」によって語られる革命家の演説?が鋭い両義性を伴っていて、とても素晴らしい。
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[003]母べえ
 興醒め堕落者2008-02-23
 
雑誌・「映画芸術」の中の座談会で褒められていたので観てみたが、やはりイマイチだった。まあ、「日和見主義」で「保身主義」の山田洋次だもんな。そもそも期待する方が間違っ・・・
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雑誌・「映画芸術」の中の座談会で褒められていたので観てみたが、やはりイマイチだった。まあ、「日和見主義」で「保身主義」の山田洋次だもんな。そもそも期待する方が間違っているのだが・・・。笑 俗受けを狙ったとされるレベルの低いあざとい笑いや演出はともかくとして、しかしながら、いくらなんでもあの不自然な現代編はないでしょうが。観客を馬鹿にし過ぎというか、根本から舐めてるんだねこの人は。 山田にしては珍しく教条主義的な反戦映画ではないところが、せめてもの救いと言える。
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[004]湖のランスロ
 傑作堕落者2008-02-19
 
擦れる甲冑の音、血飛沫、切り落とされる首。とにかく最初から最後まで、その研ぎ澄まされた音とクローズアップを多用したカットに圧倒される。切断された、このワンカット・ワ・・・
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擦れる甲冑の音、血飛沫、切り落とされる首。とにかく最初から最後まで、その研ぎ澄まされた音とクローズアップを多用したカットに圧倒される。切断された、このワンカット・ワンカットの強度と言ったら! 正にブレッソンのブレッソンにしか作れない映画だ。
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[005]YYK論争 永遠の“誤解”
 傑作堕落者2008-02-14
 
「全国の少年少女の皆さんへ」というメッセージタイトルから始まる、鬼才・沖島勲による脱力感とアイロニー溢れる劇中劇の傑作。映画を愛する者や映画に愛されない者、或いは三・・・
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「全国の少年少女の皆さんへ」というメッセージタイトルから始まる、鬼才・沖島勲による脱力感とアイロニー溢れる劇中劇の傑作。映画を愛する者や映画に愛されない者、或いは三百万円で映画を製作しなければならない不遇な?映画関係者に関わらず、一万年後を見据えた全てのものに対して開かれたカルト的映画作品だ。
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[006]出張
 いい堕落者2008-02-14
 
主人公が宿泊する旅館の温泉の名前が「日和見」温泉だったり、山の中の謎のゲリラ部隊が機動隊(=国家権力)と脱力的な戦闘を交わしていたり、とにかく面白い。当時の日本のバ・・・
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主人公が宿泊する旅館の温泉の名前が「日和見」温泉だったり、山の中の謎のゲリラ部隊が機動隊(=国家権力)と脱力的な戦闘を交わしていたり、とにかく面白い。当時の日本のバブルという浮かれた現象を尻目にしたこのアイロニーには、沖島の反逆精神はもちろんとして、日本のサラリーマンに対する悲哀も垣間見れる。 一見、不条理かつ滑稽に思える内容だが、その寓意で鋭く日本を描写する沖島勲の観察力は確かなものだ。
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[007]福沢諭吉
 なかなか堕落者2008-02-12
 
澤井信一郎らしい安定した画面作りで、最初から最後まで隙がない。特に後半の五分以上に及ぶ長回しは圧巻である。 しかし、異様な映画だ。福沢諭吉があんなにさわやかな熱血漢・・・
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澤井信一郎らしい安定した画面作りで、最初から最後まで隙がない。特に後半の五分以上に及ぶ長回しは圧巻である。 しかし、異様な映画だ。福沢諭吉があんなにさわやかな熱血漢の訳がないし。笑
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[008]ザ・コーポレーション
 改革=民営化という虚妄を超えて堕落者2007-11-13
 
面白い。とにかく引き込まれる作品だ。 本作はアメリカや多国籍企業を中心としたグローバリズムの波が世界を覆い尽くそうとしている今日、個々人の集合体である筈の企業という・・・
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面白い。とにかく引き込まれる作品だ。 本作はアメリカや多国籍企業を中心としたグローバリズムの波が世界を覆い尽くそうとしている今日、個々人の集合体である筈の企業という存在が如何なる行動原理に支配され、我々の社会、そして地球全体にどのような影響を及ぼしているかをユニークな視点から分析した異色のドキュメンタリー作品である。その中でも特に興味深いのは法律の下に「人」として存在する企業が精神分析上、如何にサイコパス=人格障害的と言えるか、という問題だろう。正に慧眼である。 本作を観ていて、僕が一番印象に残ったのは「民営化とは公共機関を善良な人に譲ることではない。専制政治へそれを委ねることです」と語るチョムスキーの発言だ。これはそのまま日本の郵政民営化にも通ずる問題だろう。 改革とは名ばかりの売国、民営化という名の一部の特権階級による富める者・権力者による国民資本の私有化、及び独占的支配。それが郵政民営化=私有化の正体であり、グローバリズムの本質なのである。 今我々に求められるのは権力者達が、それを、誰の利益の為に、一体何の目的で行っているか―――、或いは行おうとしているかを見極める能力だろう。(まあそもそもそんな能力が国民にあったならば、民営化など可決しなかっただろうが)
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[009]NOTHING ナッシング
 (無題)堕落者2007-11-13
 
差し詰め、グローバリズムを巡る現代社会の寓話といったところだろうか。この作家の発想力には毎度の事驚かされるが、今作もその発想は実に大胆で刺激的である。 しかし本作は・・・
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差し詰め、グローバリズムを巡る現代社会の寓話といったところだろうか。この作家の発想力には毎度の事驚かされるが、今作もその発想は実に大胆で刺激的である。 しかし本作は些か題材倒れ、という感じもあるのが惜しいですな。
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[010]自殺サークル
 混沌、晦渋、韜晦堕落者2006-12-31
 
初見した時は正直駄作だと思ったが、今回本作の続編に当たる『紀子の食卓』が公開されたという事で再見した次第。 初見時はその風呂敷を広げ過ぎた物語に破綻を見て単純に駄作・・・
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初見した時は正直駄作だと思ったが、今回本作の続編に当たる『紀子の食卓』が公開されたという事で再見した次第。 初見時はその風呂敷を広げ過ぎた物語に破綻を見て単純に駄作だと判断したが今見直すとそれこそが本作の魅力であり、良さだと考えが変わった。作家は困難で混迷を深める現代の自殺というより一層の困難な主題に果敢に挑戦し、そして見事に敗退したと言える。しかしそれは決して惨めな敗北なのではなくて、栄誉あるものとしてだ。 本作が何故これ程も混沌に満ち、尚且つ作品としての形成を失い、破綻を抱えつつ幕を閉じたのか〜。思うにそこにあるのは作家としての所謂、才能の欠如ではない。あるのは一人の作家が時代を直視し、その歪みを誠実なまでにフィルムに定着させようとした危険を孕む試みである。だから本作の作品としての歪さ=破綻性はその作品の出来・不出来を固定するものではなく〜むしろそれらを超えたものとして存在するだろう。故に本作の破綻性は作家が描こうとした主題の持つ混沌さ、そのものに内包すると言えるのではないだろうか?そして作家はその混沌、晦渋を敢えてそのままにして観客に投げかけたのではなかったのだろうか〜? 劇中、本作の主題を象徴するかのように一つの科白が幾度となく観客に投げかけられる。曰く「あなたとあなたの関係は?」、「あなたはあなたの関係者ですか?」 社会全体の過度の流動性(=それは差し詰め現代問題となっているグローバリズムと言い換えてもいいだろう)=入れ替え可能性に抗して個人の入れ替え不可能性を提唱する、宮台真司という一人の社会学者がいる。彼が文句無く戦後邦画のベスト5に入ると語っている『自殺サークル』の続編、『紀子の食卓』。園子温監督が本作で提示していた問題にどのような結末が待ち受けているのか、それは是非とも各個人、観客の目で確認してもらいたいものだ。本作が気に入った人もつまらないと感じた人にも。
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[011]夏の思い出 異・常・快・楽・殺・人・者
 なかなか堕落者2006-12-31
 
緊張感のある長回しと省略的な話法を使った無駄のない演出が良い。刑事が徐々に連続殺人鬼に侵食されていく日常の延長線上にある様な悪夢が怖いし、ここに作者の鋭い視点がある・・・
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緊張感のある長回しと省略的な話法を使った無駄のない演出が良い。刑事が徐々に連続殺人鬼に侵食されていく日常の延長線上にある様な悪夢が怖いし、ここに作者の鋭い視点がある。余韻を残す結末も印象的。隠れた佳作と言えよう。
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[012]エネミー・オブ・アメリカ
 エシュロン堕落者2006-12-31
 
怖いですね。 日本でも90年代にエシュロン・盗聴法案が可決されたのを思い浮かべました。(当時、この法案に自民党で反対したのは田中真紀子氏と学者の栗本慎一郎氏の二人だけ・・・
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怖いですね。 日本でも90年代にエシュロン・盗聴法案が可決されたのを思い浮かべました。(当時、この法案に自民党で反対したのは田中真紀子氏と学者の栗本慎一郎氏の二人だけだった)大体、個人の自由や人権なんてものはもうすぐ跡形もなく無くなるでしょう。奴らは何時の時代も民衆の目を誤魔化して、見え難い外堀からどんどん巧妙に包囲していく訳で。一方国民と言えばそんな事には無関心で自分達が監視・管理されてる事にも気づかないし、気づいていてもそもそもそれ自体が悪だとすら認識出来ない。 という事で我々は見せかけの作られた自由を謳歌する。但し、その時が来るまでは。 本作ですが、所詮はハリウッド映画だと思って舐めてたら結構痛い目に合いました。たまにはハリウッドも良い映画作るな。
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[013]フリック
 面白い堕落者2006-01-28
 
「反復」という手法を元に現実と虚構・妄想が錯綜する酩酊空間を作り出した演出が見事。猟奇殺人事件をメタ的な表層とし,人間心理や世界についての考察を深く掘り下げる作家の・・・
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「反復」という手法を元に現実と虚構・妄想が錯綜する酩酊空間を作り出した演出が見事。猟奇殺人事件をメタ的な表層とし,人間心理や世界についての考察を深く掘り下げる作家の視点は本物ですね。 多くの謎が全て解決する事はなく,謎のまま終わる事もある,というかその謎など最初からなかったのかもしれないのだ。カッコイイです。 例の日本人イラク人質事件を題材にしたこの監督の新作『バッシング』早く観たいよ。
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[014]DEAR WENDY ディア・ウェンディ
 まあ堕落者2006-01-27
 
表層的で単純な銃社会(=アメリカ)批判ではなく,本質的に何故彼らは銃に魅了されるかという問題を考察しているのだろうが,肝心の視点が青臭過ぎて掘り下げが浅いのが難点だ・・・
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表層的で単純な銃社会(=アメリカ)批判ではなく,本質的に何故彼らは銃に魅了されるかという問題を考察しているのだろうが,肝心の視点が青臭過ぎて掘り下げが浅いのが難点だ。既存社会観を持つ組織にとっては異物の黒人の青年が組織に最終的に魅了され,同化していく結果となる過程をもっと深く掘り下げて描かないと話にならんのよ。葛藤や相克全くなしじゃん。 それとも単にアホな子供が大人にやられるってだけのありがちなつまらん話だったのかな?笑 持つ者と持たざる者が存在し,持たざる者が持つ者となった時,つまり抑圧された日陰者達(少数派)が銃で武装した時,否応なしに警察(多数派)と衝突していく様はさながら超大国対弱小国という構図でもあり,現代の戦争を暗示する寓話か。宗教的な儀式が何回も登場するのもその筈。 しかし彼らは何故銃を持つのだろうか?それは不安や恐怖からだと某ムーア(あの醜悪で間抜けなデブの事ね)は言う。 それでは何故彼らは不安や恐怖心を持っているのだろうか?一説によるとそれは彼らの持つ国それ自体が元々そこに住んでいた先住民族から強制的な力=(大虐殺)で奪った事に発端はあるのだと言う。他者から理不尽極まりない方法で奪った国だから自分達みたいな奴らに何時奪われるか分かったもんじゃないって言う至極真っ当な心境。笑 しかし考えてみれば彼らの祖先も元々はイギリスで過酷な摂取と抑圧を受けていた被支配者達の移民なんだよなぁ・・・。
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[015]シュトロツェクの不思議な旅
 家畜の不思議な叫び堕落者2006-01-21
 
刑務所に服役していた男が出所する。だが家畜にとってはムショの中も娑婆も大差ないのだった。ありえない幻想=(アメリカンドリーム)に振り回され憔悴していた家畜が現実を知・・・
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刑務所に服役していた男が出所する。だが家畜にとってはムショの中も娑婆も大差ないのだった。ありえない幻想=(アメリカンドリーム)に振り回され憔悴していた家畜が現実を知り,反乱を起こすも自滅してしまう。 ここに登場する人物はキチガイならぬ家畜です。家畜は所詮いくらあがいたって家畜なのさ? 我が国では家畜はご主人様から高額な代金で提供された家畜の肉を食べて生活しています。最近その家畜の肉に毒が入っていたとか何とかで色々と問題になっていますが,言うまでもなく家畜がご主人様に文句を言える筋合いなどはありません。家畜は家畜らしく家畜の肉を食べればいいのです。それが最高に幸福なのです。「社会のマドが開きっぱなし 念で固めたドロの固まり 毎日大体狂って不思議 俺の目玉が見る景色 繰り返される諸行は無常」向井秀徳。 最後,檻に飼われている動物達の不敵な叫びが全てを物語る。嘲笑。ありゃ正に人間社会の縮図だ。とても批判精神に満ちてます。ヘルツォーク最高。
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[016]Strange Circus 奇妙なサーカス
 すごい堕落者2006-01-09
 
冒頭から一気観る者を引き込み,最後まで一瞬たりとも目が離せない,園子温の圧倒的な演出力。加害と被害,美と醜=(悪),現実と幻想,可解と不可解等が入り乱れ荒涼,混沌と・・・
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冒頭から一気観る者を引き込み,最後まで一瞬たりとも目が離せない,園子温の圧倒的な演出力。加害と被害,美と醜=(悪),現実と幻想,可解と不可解等が入り乱れ荒涼,混沌とする様は何でも二項対立で物事を結論付けようとする現代への批評なのだろう。ここには二元論から零れ落ちた者への鎮魂歌があり,同時に制度の犬と制度を(安易に?)突き抜けた者への悪意がある。 しかし最後,ギロチンにかけられるのは正に他でもなく我々観客=傍観者なのである。 兎にも角にも凄まじい断罪。極上の悪夢。目覚めながら悪夢を観たいなら,これですね。最高。傑作。
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[017]ゴースト・オブ・マーズ
 パンドラの箱堕落者2005-12-29
 
カーペンターの確信に満ちた眼差しは最も明快であるが故に最も強靭であると言える事を証明した作品。 インディアンを想起させる様な火星の先住民族対侵略者の戦いの構図はSF・・・
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カーペンターの確信に満ちた眼差しは最も明快であるが故に最も強靭であると言える事を証明した作品。 インディアンを想起させる様な火星の先住民族対侵略者の戦いの構図はSFと西部劇の枠を借りた現代劇なのだろう。終わらない結末である結末が言うまでもなく,尚も「彼らの側」にとってこの悪夢とも言える戦いが継続されている事を物語る。そもそも原因となったパンドラの箱を開けたのは誰だ?という問い。自業自得ですよね。ここにある種の潔い批評性がある。 まあそんな事はともかく,毎回の事ながらカーペンターの映画は娯楽映画の御手本ですな。最初から最後まで隙なし,無駄なし,簡潔。この語り口はある意味新鮮とすら思えますね。見事。
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[018]PORNOSTAR ポルノスター
 お前が要らん堕落者2005-11-25
 
主義や主張が微塵も感じられない主人公の人物造形が実に現代的でイイ。主義や主張に基づく行動など現代には皆無だからだ。思えば悲劇が悲劇で有り得たのは三島の行為が最後だっ・・・
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主義や主張が微塵も感じられない主人公の人物造形が実に現代的でイイ。主義や主張に基づく行動など現代には皆無だからだ。思えば悲劇が悲劇で有り得たのは三島の行為が最後だった。今だったらあれは醜悪な唾棄すべき喜劇となる事は疑い様がないであろう。その意味であれは三島の天才的な認識力と用意周到で緻密な計算の元に実行された戦後日本に起こった奇跡と言える。 こいつの行動を肯定も否定もせずに冷徹に皮肉(お前は要らんと言ったお前が要らん逆説)を交えて描いた作風は悪くないが,寓話としては暗喩が弱いというか,主人公同様に作品自体が自閉に陥ったら駄目でしょうが。空から降り注ぐナイフや音楽のセンスは良いのだが。 粗製濫造。要らん奴は確かに多いが,敵を的確に認識・把握する事がまずは何より重要。下手に動く堪え性のない奴は百害あって一利なし。詰まる所要らん。
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[019]運命じゃない人
 いい堕落者2005-11-21
 
脚本や演出がいいのは無論だが,根底で作品を支えているのは作家の確かな人間観察力だろう。現代の諸問題に対する視点になかなか唸らせられると同時に儚く実に繊細な作品である・・・
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脚本や演出がいいのは無論だが,根底で作品を支えているのは作家の確かな人間観察力だろう。現代の諸問題に対する視点になかなか唸らせられると同時に儚く実に繊細な作品であると言える。社会を描いていた筈の物語がいつの間にかに世界を描く物語へと「確かな」飛躍をしていた事に気づき驚嘆してしまうのだ。 『運命じゃない人』という題名も批評性があって良い。
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[020]夢の中へ
 いい堕落者2005-11-09
 
最初はつまんねぇなぁと思ってて観るのも途中で何回も止めようと思ったけど,やっぱり最後まで観てよかったと思いました。笑 稚拙で技巧的にも駄目で支離滅裂で洗練されてない・・・
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最初はつまんねぇなぁと思ってて観るのも途中で何回も止めようと思ったけど,やっぱり最後まで観てよかったと思いました。笑 稚拙で技巧的にも駄目で支離滅裂で洗練されてないけど,本来映画や芸術に携わる表現者に唯一必要な志を感じたから。ホントはこれがあれば他には何も要らない,という事を真の芸術家は教えてくれる。けれど近年の映画にはその志が全く欠けてるものが多い。その分余計なものは幾らでも入ってるのに。志の欠如した映画,何よりこれは致命的だろう。 園は好き放題滅茶苦茶やってるけど,相変わらず初期作品の頃と変わらぬ表現衝動を観る者に感じさせる。作家性が暴走,爆発,炸裂って感じで。 この作品には何もないけど,高いそれこそそそり立つ志がある。だからマジで感動する。園子温は詩人ですね。映画界のテロリスト。主演の人は勿論,オダギリや他の役者陣の演技が絶品。
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[021]カナリア
 スーパーサイヤ人?堕落者2005-04-20
 
映画的感動や躍動感とは対極にある直截的で凡庸な表現の連続といわいる冷徹に突き放したのとは程遠いまるで対岸の火事を眺める様な無責任な視点に辟易した。 信者から元信者に・・・
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映画的感動や躍動感とは対極にある直截的で凡庸な表現の連続といわいる冷徹に突き放したのとは程遠いまるで対岸の火事を眺める様な無責任な視点に辟易した。 信者から元信者になった伊沢が主人公に向けて言う台詞があったが,これには笑った。その思考停止と無責任振りに。個人は個人で(しかない)あるという自明の前提すら喪失した現代の輩を風刺したとするなら,なかなか辛辣な皮肉ではあろう。この種の脆弱な自我を持て余した輩は巷に掃いて捨てる程大勢いるからだ。 しかし例えこんな陳腐な結論であっても,それ以前に元信者がどういう過程と様々な苦悩を経て今まで信じてきた教団の教義を捨てて,それこそ自身が単なる俗に塗れた一個の「凡人」である事を自覚したのか,それを直視してこれからを生きていこうと決意したのか,その重要な一人でウジウジ悩む葛藤や社会との相克を描く事が肝心だし,そもそもそれがなきゃ始まらないよ。この作品にはそれすらない。 最後も興醒めした。相対主義に安住する事がいいとは思わないが,一方の大人を否定して一方の子供を鼓舞してもなんの解決にもならない事は言うまでもない。こいつらはまだ真の他者(=社会)に出会ってすらない訳だ。温室栽培・純粋培養で育った社会を知らない子供がなんで社会を否定出来るのよ?結局やっと前提に辿り着きましたってだけの話じゃないの?アホらしくて話にならん。 だから,社会が描かれていない故に『第三の道』は示唆(啓示)されず,奇を衒っただけの凡庸で陳腐な結末になったと言える。例えばクラゲという最強の寓意を縦横無尽に使って社会と世界の関係性を鋭く描いた上に革命幻想まで示唆した黒沢清の傑作『アカルイミライ』の最後の少年達の行進場面とこれのラストシーンを比較すればその勝敗は明らかというものだろう。詰まる所,本作には絶望が足りない。
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[022]岸辺のふたり
 至福堕落者2005-03-30
 
何らかの理由で別れた父を娘がひたすら岸辺で待ち続ける・・・。 たった8分余りの時間が四季とその娘の経過する長い年月=子供から大人,老女,そして迎える死を・・・,極めて簡・・・
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何らかの理由で別れた父を娘がひたすら岸辺で待ち続ける・・・。 たった8分余りの時間が四季とその娘の経過する長い年月=子供から大人,老女,そして迎える死を・・・,極めて簡潔かつ詩的に人生の悲しみを表現した作品。特に最後の老女になった娘と自転車のギャグ,明かされる父親の真実と老女が見る幻想とが哀切極まっていて最高です。正に至福の8分間。泣かせる。
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[023]さすらいのカウボーイ
 イイ堕落者2005-03-28
 
一場面一場面がまるで絵画を切り取った様に装飾された映像とオーバーラップやスローモーションを多用したセンスが見事である。結末のあっけなさに象徴される全編の反ヒロイズム・・・
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一場面一場面がまるで絵画を切り取った様に装飾された映像とオーバーラップやスローモーションを多用したセンスが見事である。結末のあっけなさに象徴される全編の反ヒロイズム,反古典主義がイイ。ジグモンドの撮影が素晴らしく,まるで麻薬みたいな映像になっている。
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[024]新選組始末記
 粛清堕落者2005-03-28
 
池田屋襲撃場面がイイ。藤村志保が雷蔵を悲痛な表情で見ながら追って行き,一人取り残される最後の場面に漂う虚無感が最高です。『斬る』もそうだったけど,三隅研次と本多省三の・・・
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池田屋襲撃場面がイイ。藤村志保が雷蔵を悲痛な表情で見ながら追って行き,一人取り残される最後の場面に漂う虚無感が最高です。『斬る』もそうだったけど,三隅研次と本多省三の映像と空間の使い方は見事。特にどちらも最後が素晴らしく突出している。 まあ,新選組の近藤勇に憧れて入団したはよかったものの,組織の実体に疑問を抱いた雷蔵(個人)と組織との複雑な葛藤・相克,或いは最後に辿り着く粛清等の個人の破滅を期待した俺としては物語自体は腰砕けの展開でイマイチだったけどな。純粋な雷蔵が汚れていく展開にしてもだ。だって雷蔵も組織も簡単に互いを受容しちゃうんだもんなぁ・・・中途半端だ。 新選組について言えば大体ちょっと考えてみれば分かるけど,誠なんぞを掲げるこいつらの正体は単なる百姓上がりのゴロツキ集団なんだぜ。こいつらに思想もクソもない。だが世間一般では英雄扱い,甘過ぎる。それにしてもこいつらが英雄扱いされてるのに比べて連赤が狂人扱いってのは一体どういう事だ?どっちもやってる事は同じだろ?笑 結局こいつらに池田屋で無残に虐殺された浪人達の方が真っ当な志を持っていた事だけは確実だろう。
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[025]メイド・イン・L.A.
 これは傑作堕落者2005-03-23
 
無駄を排除し,抑制されたマンのクールな演出が最高。脚本も良く練られている。これぞプロとプロの戦いだ。御丁寧にもマンご自身がリメイクした『ヒート』なんぞより,本作の方が・・・
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無駄を排除し,抑制されたマンのクールな演出が最高。脚本も良く練られている。これぞプロとプロの戦いだ。御丁寧にもマンご自身がリメイクした『ヒート』なんぞより,本作の方が何倍も面白い。これを観ればあれみたいに派手な銃撃戦でもやってとにかく金さえかければいいってもんじゃない事がよく理解出来る。娯楽映画の御手本。
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[026]コラテラル
 悪くない堕落者2005-03-23
 
娯楽映画としては物語の設定から既に破綻を来たしているが,マンのセンスの良い演出や映像にはやはり目を見張る所があるし,トム演じる間抜け(本人は気づいてないが)で悩める殺し・・・
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娯楽映画としては物語の設定から既に破綻を来たしているが,マンのセンスの良い演出や映像にはやはり目を見張る所があるし,トム演じる間抜け(本人は気づいてないが)で悩める殺し屋とタクシー運転手を現代人の象徴とする寓話として深読みすれば悪くはないと言える。殺し屋を主人公(つまり我々観客)にとってのある種の異邦人,或いは絶対的な他者(=それ故理解する以前に最初から理解しようともしたくない)と想定すれば,全く異なる価値観を持つ他者同士が終始お互いを少しも理解する事が出来ず.しかも二人を結び付ける接点が金(つまり利害)で始まり暴力(つまり一方の死)で終わるこの作品が象徴するものは意味深い。確かに普通に観れば突っ込み所の多い珍作である事に間違いはないが,珍作は珍作であっても決して駄作や凡作ではないと言いたいのだ。それは主人公の行動は我々観客に理解(納得)出来ても対する殺し屋の行動が我々の想像する殺しのプロとは異なり,明らかに杜撰に見える事も,もしかすれば計算された意図した演出なのかも知れないと思わせるものがあるからだ。そこら辺を含めてこの作品,どうも俺には否定する事が出来ない捨てがたさがある。大作は大作であってもそこらの大作ハリウッド映画とはやはり一味違う魅力がある。主題は悪くないのだが,何れにせよ脚本がよくない。ハリウッド映画の中での制約との戦いもあろうが,もっと主題を練りこめなかったものか,目の付け所が悪くないだけに残念な所以だ。
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[027]ステレオ/均衡の遺失
 ああ堕落者2005-03-09
 
最初の数分観ただけでもう話が分からなくなった。ついていけん。笑 専門用語の連発にはかんべんしてくれよって感じ。
  
 
[028][Focus]
 焦点堕落者2005-03-09
 
盗聴マニアや一発スクープを狙うTVクルーやらは如何にも現代的な設定で着眼点は面白いんだが,考えてみればなーに別になんて事はないさ。この作品の登場人物の様に自らパンド・・・
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盗聴マニアや一発スクープを狙うTVクルーやらは如何にも現代的な設定で着眼点は面白いんだが,考えてみればなーに別になんて事はないさ。この作品の登場人物の様に自らパンドラの箱を開けたがる馬鹿は言うまでもなく,現代昔問わず居るし,その実体というのもちっとも変わりゃしませんからね。要するに目先(外)にぶら下がってる餌(獲物)に焦点を当てる事に夢中になり過ぎてしまいには制御不能,気がついみたらもう後の祭り。反動で自らの内側の焦点を大きく外していた,という事だろう。運が悪かったのではない,殺す側も殺される側もクズで両者とも何れにせよ自業自得なのだ。 主人公の盗聴マニアを演じた浅野忠信がとにかく最高で笑わせてくれる。スタッフ二人にセックスする様に強要する場面が良い。似たような設定なら『ありふれた事件』の方が断然面白いのだが。
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[029]ニワトリはハダシだ
 つまらん堕落者2005-03-05
 
何やら評判がいいので期待して観たが,これが実に大した事のないつまらない作品だった。問題の脳天気で幼稚な図式化が観ていてムカツクし,とても作者が大人の成熟した知恵と頭脳・・・
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何やら評判がいいので期待して観たが,これが実に大した事のないつまらない作品だった。問題の脳天気で幼稚な図式化が観ていてムカツクし,とても作者が大人の成熟した知恵と頭脳を持って作っているとは考えられない。まるで小学生,いやそれ以下だ。笑 こんなの主題もお話も薄っぺらくて馬鹿馬鹿しくおまけに下品でとても観ちゃいられんよ。社会派に勧善懲悪など百害あって一利なしだ。そんな事言うまでもない。
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[030]勝手にしやがれ!! 英雄計画
 悪くない堕落者2005-02-23
 
町の浄化に躍起となるファシスト青年と主人公達の相克は政治性を孕んでいるが,所詮は二元論であり図式の領域を超えていないのが惜しい所。デモ隊の行進をアンゲロプロス的な長・・・
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町の浄化に躍起となるファシスト青年と主人公達の相克は政治性を孕んでいるが,所詮は二元論であり図式の領域を超えていないのが惜しい所。デモ隊の行進をアンゲロプロス的な長回しで捉えた場面は良い。ここでの様々な試行錯誤が後の傑作『カリスマ』のこの作品では追求される事のなかった問題,第三の道の不可能性を示唆する寓話を生み出す発芽になったのだろう。
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