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 「袋小路」さんのコメント一覧 登録数(34件)rss
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[001]ティエリー・トグルドーの憂鬱
 フランス映画袋小路2017-09-23
 
いかにもフランス映画といった辛辣な感じの映画ですが、長回しとか突き放したような表現はヌーベルバーグも思い出させます。  前半は失業した男ティエリーが色々な相手と状況・・・
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いかにもフランス映画といった辛辣な感じの映画ですが、長回しとか突き放したような表現はヌーベルバーグも思い出させます。  前半は失業した男ティエリーが色々な相手と状況を打開しようと話をするのですが、相手は言葉は丁寧だが所詮他人事です。それぞれが自分の範囲でしか仕事をしないし、それを超えては考えない。また家族やお金の問題も丁寧に描かれているので、ティエリーの孤独感、やりきれなさがしっかりと観客に植えつけられます。  それが後半活きて来て、仕事に就いた後でも、それまでの自分と同じような境遇の人達の愚かな少額の万引きを摘発するが、彼も自分の範囲でしか仕事をしない。金がないという初老の万引き男に金を貸してやるのか?といったサスペンスも生まれますが、それはしない。前半のつらい描写があるので納得します。  このままいったらシニカルな映画として面白いと思ったら、ラストで彼の心が動いてしまいました。左っぽい監督なんでしょうが、社会派映画でした。  ムカッとする相手とのネット面接のシーンは、後半のえげつない模擬面接のディスカッションに繋がり、単調なダンスのレッスンシーンは後の家族のダンスに結びつくなど、全体にうまく構成しています。一場面がだらだらと続くことが多いのですが、この退屈さを我慢するのがフランス映画の味で、そこでのじわじわとした話の展開が面白く、ある意味リアリティを作っています。  後半は、悲惨な人たちを前にして、男の感情がどう動くのかを見たくなるのですが、しっかりと無表情で観客に推測させるようにしています。よくできた映画でした。
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[002]花芯
 文芸映画袋小路2017-05-07
 
WOWOWでやっていたので村川絵梨目当てで見ました。清純派が脱ぐので悲惨な感じがしていたのですが、とても良かったですね。文芸映画の雰囲気で、細かい表情や言葉に意味を・・・
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WOWOWでやっていたので村川絵梨目当てで見ました。清純派が脱ぐので悲惨な感じがしていたのですが、とても良かったですね。文芸映画の雰囲気で、細かい表情や言葉に意味をもたせていますが、彼女の仏頂面が決まっていて、内面の表現もきちんとできていました。仕草などでは杉村春子の匂いなどもしていますが、この線でいけばいい女優になるかもしれません。  原作とはかなり違うようで、愛の不在と性の実存といったテーマにも見えますが、それほど性に深入りしようとはしていません。村川絵梨では官能に動かされるというよりは常に意思的である強い女にしか見えません。もっとも主人公が世界に対して違和感を持ち、そこから脱皮していくという話の展開はわかりやすいもので、いろいろなメタファーもちりばめられていてそれなりの趣向にはなっています。 わからないのは現代にこの映画を作る意味ですね。「秋津温泉」や「マリオブラウンの結婚」のような戦後の男=社会への絶望感とか女の自立などを描いた映画なのかとも思いますが、それにしてはあの時代の気分の表現が希薄です。敗戦後のアンニュイの時代に、生の実感を求めて作家たちは性や暴力を描いたのであり、瀬戸内さんの性にも時代が大きく反映されているはずです。愛や純潔という言葉の欺瞞や、家族や社会の偽善性を突くというのはこの小説が書かれた時代には意味がありましたが、今ではどうでしょう。 まあ村川絵梨のあの不機嫌さと薄笑いはなかなかのもので、それだけでも面白かったのですが。
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[003]テイク・ディス・ワルツ
 サラ・ポーリー袋小路2017-03-04
 
 サラ・ポーリーとミシェルウィリアムズとの組み合わせに興味あったのですが、やはり女性の感覚が強く、語るのは少々難しい映画です。  前半の夫婦のやりとりは子供じみたじ・・・
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 サラ・ポーリーとミシェルウィリアムズとの組み合わせに興味あったのですが、やはり女性の感覚が強く、語るのは少々難しい映画です。  前半の夫婦のやりとりは子供じみたじゃれ合いばかりでうっとおしいのですが、夫婦で安定している夫と、恋人でいたい妻との微妙なすれ違いやふっと吹く隙間風を細かく描いてはいます。ミシェルウィリアムズは細かい演技のうまい役者で感情を的確に表現はしていますが、この映画に関しては少し作り過ぎてうるさく嘘っぽくなっています。もっと天然の役者の方がいいように思います。  女性のナルシズムを生理的な感覚として描いているので、男としては多少辟易とします。夫の妻への対応が普通のもので、何でこうなるのかという慨嘆は十分に分かるのですが、にもかかわらず女は・・・ということなのでしょう。セスの演技はその辺を良く捉えています。  陳腐な不倫の話にならないよう、善悪を出さないようにしていますが、妻の躊躇をしつこく描いているのは、心変わりの弁解のようです。結局夫を愛し、貞淑でいようと思っていても、愛されたいと思う女の気持は変えられないのだという女性のナルシズムの話で、ラストも含めていかにも女性監督らしい映画ですが、どうしても頭で作った感じが残りました。なんとなくソフィアコッポラの映画と似ていると思いました。  冒頭にジャージーを着て車いすに乗ったミシェルが出てきますが、スィートヒアアフターのサラ・ポーリーを思い出しました。あの映画も裏切りの話でした。まあ関係はないとは思いますが。  
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[004]ドローン・オブ・ウォー
 結構いいです袋小路2016-11-03
 
単純な対テロ物かと思ったら、丁寧に作った映画でした。遠隔操作に拠る殺戮の無機質な雰囲気をうまく使っています。戦闘員たちは悩みますが、さらに上から遠隔操作をするCIA・・・
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単純な対テロ物かと思ったら、丁寧に作った映画でした。遠隔操作に拠る殺戮の無機質な雰囲気をうまく使っています。戦闘員たちは悩みますが、さらに上から遠隔操作をするCIAの当事者意識のなさが実は実態なのでしょう。goodkillですからね。何度も繰り返される無音の爆発シーンが人を殺すことのやりきれなさを効果的に表現していて、戦争のむなしさを情緒的にならずに抑制をきかして描いた映画です。妻とのすれちがいも程良く表現されていますが、しかしアメリカの夫婦はそれぞれの問題を共有化しないのですね。戦争で仲間の為の見張りをすることと、妻がジムに行けなかったことが並立しています。でもこうした話はゲームに慣れた人には特に衝撃的には思わないのではないかと思うと、そちらのほうが怖いですね。
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[005]バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
 アレンの映画のよう袋小路2016-08-27
 
生きのいい脚本と力のある監督と撮影がからむと、これほどの面白い映画が出来るのだと感心しました。こうした演劇の舞台裏を描いたものは昔からよくあり、基本的な構成はそれほ・・・
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生きのいい脚本と力のある監督と撮影がからむと、これほどの面白い映画が出来るのだと感心しました。こうした演劇の舞台裏を描いたものは昔からよくあり、基本的な構成はそれほど新しいとは思いませんが、業界関係者が飲み屋で業界のことを大声で話しているのをそのまま映画にしたような感じで、セリフのセンスと展開の見事さで圧倒されます。楽屋落ちのネタなどもあり、アメリカのジョークに詳しくなくても笑ってしまいます。自虐的で下品なジョークはアメリカにはかないません。空を飛んでいるつもりがタクシー料金を請求されるなどという意地悪な表現は可笑しくてたまりません。少し薹が立った女優陣をはじめ役者の選定も的確でした。   年寄りの話で結構気楽な映画なのですが、若い人が真面目にとらえると分かりにくいかもしれません。自分と世界についてシニカルに語っているので、年配者にはとても理解しやすい世界でしょう。まあ威勢のいいウッディアレン映画といったところでしょうか。
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[006]ファーナス/訣別の朝
 悪くはないが袋小路2016-04-30
 
いかにも重いテーマを深刻に描いているように見えますが、戦争とか貧困とか家族とかの問題を表面的にしか掴んでいないので結構軽い印象の映画です。いい俳優を使っていて丁寧に・・・
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いかにも重いテーマを深刻に描いているように見えますが、戦争とか貧困とか家族とかの問題を表面的にしか掴んでいないので結構軽い印象の映画です。いい俳優を使っていて丁寧に撮っているるので場面場面はよくできてますが、ありきたりの心の傷のイメージに寄りかかっているので、どこかで見たようなシーンが多くあります。「ディアハンター」や「タクシードライバー」などとの類似が言われているようですが、それらの映画での狂気にいたるまでの描き方に比べ、兄弟やデグロードの狂気への踏み込みが甘いように思われます。不条理な状況に対するレジスタンスというのであれば、アメリカのニューシネマよりは50〜60年代の欧州映画に近いのかもしれませんね。
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[007]ベンジャミン・バトン 数奇な人生
 淡泊袋小路2016-03-23
 
 こういうほら話は好きなのですが、この映画の構成がよくわかりませんでした。  お話を説話風に描くのなら「ビッグフィッシュ」のように個々のエピソードや登場人物が大げさ・・・
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 こういうほら話は好きなのですが、この映画の構成がよくわかりませんでした。  お話を説話風に描くのなら「ビッグフィッシュ」のように個々のエピソードや登場人物が大げさなくらいに生き生きとしていなければならないのですが、この映画では妙に淡々としています。ベンジャミンが狂言回しになって、船長や乗組員、人妻、バトン、ピグミーなどの話を繋げていくということにしては、それぞれの描写が甘く、印象が希薄です。  ブラビはわざと感情を出さない演技をしていますが、それが周囲を引き立たせるのではなく、逆に全体のドラマ性を薄めてしまっています。  ではベンジャミンの人生を描くことに重点を置いているのかといえば、彼は与えられた生を主体的に生きるのではなく、たまたま特殊な環境で生まれた自分の境遇をなんとかやり過ごすことに精一杯の人間で、彼が魅力的であるとは思えません。  ディジーとの恋愛も時間のずれによっておこる、人生の葛藤を描きたかったのでしょうが、ディジーはともかく、ベンジャミンの内面の変化がよく描かれているとは言えず、妙に達観したままのようで、ベンジャミンという人間がよくわかりませんでした。  それでも前半の老人の姿の子供時代は、ほら話の設定が生きていて、とても面白く見られます。また、古い街並みや港などのノスタルジーを感じさせる映像はさすがに素晴らしくフィンチャーの魅力がでています。フォレストガンプのような時代性も政治色も希薄で、色々不満はあるものの、人生を逆に生きるという話だけで、これだけの映画を作ってしまうのはなかなかのものとは思います。
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[008]
 優れた映画袋小路2016-03-20
 
60年代の香りを残した2000年の映画といっても若い人には何のことかわからないでしょうが、犯罪と自虐、展望なき逃走(闘争)と連帯、自己の再生(創造)といった要素がす・・・
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60年代の香りを残した2000年の映画といっても若い人には何のことかわからないでしょうが、犯罪と自虐、展望なき逃走(闘争)と連帯、自己の再生(創造)といった要素がすべて入っています。アメリカンニューシネマっぽさと、今村昌平の匂いが混在しています。ラストシーンはエロ事師ですね。セリフが素晴らしく、大阪の会話のかわし方がうまく使われていてこの映画の乾いた感触を生み出しています。藤山直美は圧巻で、これほど意味を明確に表出できる演技は誰にも真似できません。主人公の再生が丁寧に描かれているので、しんどい話なのに見終わって元気がでて、いい気分になりました。
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[009]それでも恋するバルセロナ
 艶笑譚袋小路2016-03-09
 
ぴったりハマった役者達が、ステレオタイプの人物をわかりやすく演じていくのですが、自意識と他者との関係がちぐはぐなので、状況が少しずつずれていってしまう展開が可笑しく・・・
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ぴったりハマった役者達が、ステレオタイプの人物をわかりやすく演じていくのですが、自意識と他者との関係がちぐはぐなので、状況が少しずつずれていってしまう展開が可笑しく、意外性があります。昔のてんやわんやの漫才のしゃべり口のような、のんびりしたかけあいで進行する、リラックスした映画です。スカーレットヨハンソンの役柄がこの映画の臍で難しいのですが、エロチックだがいやらしくなく、成り行き任せだがふしだらではない女をドテッと演じて、この艶笑譚を締めています。アレンの映画としては嫌味が抑えられていて、まあいいやという達観?が感じられます。ワインを飲んでバルセロナの風景を楽しみつつ、あれあれと言いながら見る映画です。
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[010]恋するふたりの文学講座
 エリザベスの魅力袋小路2015-04-20
 
エリザベスオルセン目当てでWOWOWで見たら意外と面白かったです。女子学生と年上の少年のような男との話ですが、年齢をテーマに青臭い文学論議をからませてなかなかほほえ・・・
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エリザベスオルセン目当てでWOWOWで見たら意外と面白かったです。女子学生と年上の少年のような男との話ですが、年齢をテーマに青臭い文学論議をからませてなかなかほほえましいお話です。まわりの登場人物もそれなりに描けているし、なんといってもエリザベスオルセンは学生の役に合っているようでキュートです。ただ日本ではまだあまり知られていない彼女の魅力あっての映画なので一般公開は無理だったのでしょう。日本でも若い女優をつかってこうした映画を作ったら良いと思うのですが、演技やシナリオを注意しないとまるで駄目な臭い映画になってしまうので案外難しいかもしれません。
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[011]トゥモロー・ワールド
 よいセンス袋小路2014-11-24
 
登場人物は多いのですが短いシーンでもきちんと人物を描いているので話に厚みが出ています。小エピソードを積み重ねて話を進行させているので、なんとなくディケンスのような味・・・
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登場人物は多いのですが短いシーンでもきちんと人物を描いているので話に厚みが出ています。小エピソードを積み重ねて話を進行させているので、なんとなくディケンスのような味もして、その分ゆるい感じがしますが、味のある展開になっています。SFとしては子供が生まれないという設定で十分なので、子供だましのハードに行かなかったのは正解です。映像は黒沢清風の廃墟シーンや戦闘シーンなどとても素晴らしく、またシーンの切り替えや展開のスムーズさなどセンスが感じられます。後半はアクションになって話が単純になってしまってSF的な世界観は希薄になりました。全体として丁寧な映画です。
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[012]野蛮なやつら/SAVAGES
 なつかしい袋小路2014-05-24
 
映画の中で「私たち明日に向かって撃ての三人みたい」というセリフがあるが「冒険者たち」のほうでしょう。Oはジョアンナシムカスに似ているし、第一のラストは冒険者たちのよ・・・
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映画の中で「私たち明日に向かって撃ての三人みたい」というセリフがあるが「冒険者たち」のほうでしょう。Oはジョアンナシムカスに似ているし、第一のラストは冒険者たちのようです。監督のてれもあって無理にハードにしているようにも思えますが、前半の3人のからみはなかなかいい雰囲気です。男二人女一人は数々の名作がありますが愛というよりはやさしさがでてくるので男がエレガントになるようです。
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[013]バベル
 凛子は良い袋小路2008-01-14
 
見た直後の印象はあざとさが目立って不快なものでしたが、菊池凛子が心に引っ掛かって段々と評価が変わってきました。  時間軸による群像劇ということでマグノリアを思い出し・・・
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見た直後の印象はあざとさが目立って不快なものでしたが、菊池凛子が心に引っ掛かって段々と評価が変わってきました。  時間軸による群像劇ということでマグノリアを思い出しますが、マグノリアが全体の構成で破綻していても細部のすぐれた描写によって傑作になったのに対し、この映画はそれなりにうまく纏めていますが細部が貧弱な印象を受けました。色々なテーマを組み合わせて複雑そうに見せていますが、世界観というほどのものはなく表面的と思います。ただその中で日本のパートが異質です。他のパートは事件を描いているのに日本では内面の物語に入って行っているからです。 この映画のひとつのモチーフは無力である子供とそれを守れない親(大人)の葛藤です。チエコが聾唖なのはコミュニケーションの不全の象徴ですが、彼女はそれを打開するために背伸びをします。薬やノーパンは少女から脱皮するための手段であり、性によって他者との交流を得ようとするが叶いません。刑事に対する裸は最初は性の挑発ですが段々と悲しみの表現にかわっていきます。そして最後の父親に抱かれるときは何もできない幼児になっていて、父親はそれを抱きしめることしかできません。だから裸の意味は隠喩と考えればよいと思います。 この監督に計算違いがあったとすれば菊池凛子で、本来の趣旨からすればミスキャストだったのではないでしょうか。全体の流れからはもっと幼さを残した高校生の無知な表情と未熟な肉体が必要であり、そうであれば弱い子供という意味でのバランスは取れたように思います。ところがブラッドピットやケイトブランシェットが薄い演技で退屈なのに対し、彼女は圧倒的な存在感で強い意志を感じさせ、それだけチエコの絶望の深さが浮き彫りになり、最後の塔の父と子のシーンの美しさに行き着きます。つまり菊池凛子のおかげで日本のパートが映画全体から飛び出ているのです。その分だけこの映画が破綻しているとも言えますが、逆にそれが魅力を増しているといえます。  アカデミー賞にはとても縁遠いと思われる菊池凛子をきちんと評価したのはハリウッドの懐の深さだと思います。
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[014]監督・ばんざい!
 アリバイ作りの映画袋小路2008-01-14
 
 壊れた映画を作ろうという確信犯なので何を言ってもしかたありませんが、なぜそんなことをするのかということが問題です。  好意的に考えれば自分が好き勝手に作り出した映・・・
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 壊れた映画を作ろうという確信犯なので何を言ってもしかたありませんが、なぜそんなことをするのかということが問題です。  好意的に考えれば自分が好き勝手に作り出した映像への解釈が一人歩きしてきて、巨匠という評価に変わり映画の意味が重たくなってきているため、あえて批評をするのも馬鹿馬鹿しい愚作を作ろうとしていると見えますが、そんな状況は観客にとってはどうでもいいことで、北野武を壊そうとしていることに私は興味はわきません。解体の過程をうまく映像化すればフェリーニのような魅力ある解体ショーになりますが、場末のコントでは金と時間の無駄です。テレビでお笑いが思うようにできなくなっているので映画でうっぷん晴らしをしているのでしょうか。露悪的な映画など金をかけて無理に作る必要はないのです。  駄作3部作(らしい)は過去の実績に押しつぶされそうになり、正面から映画を撮れなくなった監督がそれをごまかそうとしてアリバイ作りをしているのです。俺はこれから新しいことをするための準備をしているとでもいいたげに。きっと作らないという選択が怖くて出来ないのでしょう。  それでも北野武の再生は期待しているのですが。
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[015]メゾン・ド・ヒミコ
 ラストが・・・袋小路2007-05-06
 【ネタバレ注意】
役者が生きた映画ですが、むしろ役者に合わせて人物を作っているようです。ジョゼでもそうですが役者の個性や演技の力に大きな比重をおいて映画を作り上げる監督と思います。田・・・
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役者が生きた映画ですが、むしろ役者に合わせて人物を作っているようです。ジョゼでもそうですが役者の個性や演技の力に大きな比重をおいて映画を作り上げる監督と思います。田中泯の存在感がこの映画のリアリティを支えているし、ジョーの中性的な色気も十分に引き出しています。脚本も良く出来ていて社会の異物としてのゲイをベースに人間の孤独とコミュニケーションの不全を分かりやすく描いています。この映画で優れているのは社会から孤立したホームでの日々を彼らの祝祭として見事に視覚化していることで「天国の日々」を思い出してしまいました。重さと軽さをうまく配置していてダンスホールのシーンも浮かずに楽しく見られます。  残念なのはラストは基本的にはぶちこわしであることです。やさしさや友情で解決できるのなら初めから問題はなかったことになります。落書きのラストはやりたかったのでしょうけれど、それまで泣いたり叫んだりしたことが馬鹿みたいです。それでもホッとして救われた気になるのは個性ある役者の演技と丁寧な描写で登場人物に愛着がわいていたからでしょう。ブロークバックマウンテンよりゲイの意味をうまく使っているかもしれません。
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[016]TAKESHIS’
 美しくない袋小路2007-05-06
 
81/2の分かりにくさはフェリーニの自己の苦悩や人生の記憶を表現するのに観客に説明しようとしていない点にあり、それ故にその私的世界を自由に表現することができたのだと思・・・
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81/2の分かりにくさはフェリーニの自己の苦悩や人生の記憶を表現するのに観客に説明しようとしていない点にあり、それ故にその私的世界を自由に表現することができたのだと思います。内面的苦悩を圧倒的な創造力と美的表現力で視覚化したことが傑作の所以です。この武の映画は私的映画というには内面がないのですが、その割には過去の映画の表現なども出てきたりして思わせぶりです。何よりも中盤からシュールになっていくのに、映像が美しくないのは困ったもので、それはこの映画は分かりにくさをむりやり頭で作っているからでしょう。わけがわからなくともマルホランドドライブには映画の快楽がありますが、即物的な表現の得意な監督が最も不得手な映画をつくったということでしょうか。この映画をみると北野武は物語を語る力がなくなってきたのではないかと熱烈なファンとしては不安になります。
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[017]硫黄島からの手紙
 (無題)袋小路2007-05-05
 
teineさんの意見にほぼ共感です。反戦映画にしなかったのがイーストウッドの優れた視点です。過去に日本でも戦争映画の傑作はありますが、時代の要請で戦争責任と被害者加害者・・・
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teineさんの意見にほぼ共感です。反戦映画にしなかったのがイーストウッドの優れた視点です。過去に日本でも戦争映画の傑作はありますが、時代の要請で戦争責任と被害者加害者の論理が全面に出てしまって肩の張る映画になってしまっています。本当は日本人が今の時代にこういう現代的な冷静な視点から我々の戦争を描く映画を作っているべきでしょうね。ミリオンダラーベイビーもそうですがイーストウッドが枯れてきて魂の尊厳を語り、鎮魂の映画を力まずに作れるようになったのは素晴らしいことだと思います。
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[018]空中庭園
 キョンキョンの映画袋小路2007-05-04
 
幸せそうな家庭の内部崩壊というよくある設定で、崩壊が性に絡んでいるというのはアメリカ映画っぽい印象でした。夫や娘息子の話は表現も陳腐でがっかりしかかったのですが、小・・・
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幸せそうな家庭の内部崩壊というよくある設定で、崩壊が性に絡んでいるというのはアメリカ映画っぽい印象でした。夫や娘息子の話は表現も陳腐でがっかりしかかったのですが、小泉今日子の存在感に引かれて見ていると、シュールな味が途中から強くなり心理劇のようになってからは面白くなりました。全体を通じて不幸な満たされない感覚が充満していて不快なのですが、それが小泉今日子に収斂していきます。その辺の丁寧な描写と彼女の優れた演技によって段々と感情移入していったので、最後に愛された記憶により癒しと再生が果たされるというのは救われた気がして、後味は悪くありません。原作は分かりませんが最終的に家族ではなく個人の物語になったのが良かったと思います。大楠道代と小泉今日子の映画です。
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[019]フラガール
 やはり映画館で袋小路2007-04-15
 
もうレンタルやっているのに遅ればせながら映画館でみました。観客で共感しあいながら見るのでこういう映画は映画館がいいですね。皆さん言われているように過去にこの手の映画・・・
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もうレンタルやっているのに遅ればせながら映画館でみました。観客で共感しあいながら見るのでこういう映画は映画館がいいですね。皆さん言われているように過去にこの手の映画はいくらでもあり、新しい発見はありませんがこれだけ観客が泣いたり感動できるのだからいい娯楽映画なのでしょう。傑作フルモンティのような辛い視点はなくとも、昭和40年代の実話だというリアリティが支えているので、しらけずに見られます。蒼井優はリハウスからのファンなのですが、大女優の予感がします。彼女とか宮崎あおいのような有望株は昔なら伊豆の踊り子とか潮騒とか洋次郎ものとか女優にスポットをあてた企画が作られファンとともに育てていったものですが、今は望めませんね。願わくは演技のしがいのある企画を選んでほしいものです。
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[020]ブロークバック・マウンテン
 (無題)袋小路2007-03-26
 
この映画で分かりにくいのはノーマルな者にとってはブロークバックマウンテンでの二人の時間がそれほど人生を決定付けるものと思えないことです。それぞれの家庭や貧乏の問題は・・・
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この映画で分かりにくいのはノーマルな者にとってはブロークバックマウンテンでの二人の時間がそれほど人生を決定付けるものと思えないことです。それぞれの家庭や貧乏の問題はあるのですがその辺の精神的な描写は十分ではありません。従って肉体的な関係が重要なポイントということになります。 .殴け撚茲箸垢譴估体的な関係は大きな意味をもつのでしょう。再会後の抱擁などびっくりしてしまいます。とすると単なる純愛映画で、それ以上いうことはありません。欧米では両刀使いが多いのでこれだけでも結構切実なテーマなのかもしれません。 ▲殴い隆愀犬鬟轡鵐椒訶に捉えれば違った映画になるかもしれません。山での関係を青春のしこりの表現と考えると、ここでのゲイの体験は例えば学生運動とか音楽に賭けた情熱とか、スポーツで脚光を浴びた体験とか青春の記憶の象徴とみても良いと思います。この映画のやりきれないところは、苦労しながらもそれなりに20年を生きてきた男たちが、昔の記憶から逃れられずに自分の人生を了解できないことでしょう。二人で暮せば幸せだったのにというせりふがありますが、それがそうではないのは二人の関係が風化していくことを見ても分かります。過去の楽しかった記憶を逃げ道にして人生と真正面から向かい合わない男達の悲劇です。男らしいカウボーイのイメージから遠い二人の男、過ぎ去った時代、帰らぬアメリカへの郷愁なのかもしれません。「真夜中のカウボーイ」でもそうですが、カウボーイは遅れてきた青年の代名詞のようですね。  映画としては、二人の関係をじくじくと描く一方で、それ以外の描写は唐突でクールです。その内面の熱さと表面のクールさを役者がうまく演じています。ミッシェル・ウイリアムズなども内面の修羅場を抑制された演技で表現していて私は好きです。よくも悪くもゲイという違和感を巧く使ったなかなかしぶとい映画だと思います。
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[021]かもめ食堂
 (無題)袋小路2007-03-23
 
とても明晰な映画です。リラックスしてのんびりした見え方ですが、細かく計算され注意をはらって細部が削りこまれています。日常的な表情の中にシュールな表現をうまく差し込ん・・・
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とても明晰な映画です。リラックスしてのんびりした見え方ですが、細かく計算され注意をはらって細部が削りこまれています。日常的な表情の中にシュールな表現をうまく差し込んで緊張感を持たせているし、俳優のせりふも意味に深く入り込まないように抑制されていて、べとつかないようにしています。仲間といる暖かい空気感と日本ではないドライ感を、緩いテンポとあっさりした場面転換をうまく使い分けることで表現しています。「ショコラ」や「バクダッドカフェ」「リストランテの夜」などからヒントを得ているのでしょうが、食べ物の描写も丁寧で、つぼをはずしていません。表現したいことを映画全体の空気としてどう見せていくかがよく詰められた映画的センスにあふれた映画だと思います。
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[022]華麗なる一族
 やはりキムタクが袋小路2007-03-12
 
テレビで「ゴッドファーザー」を見たらアルパチーノが優男の御曹司から戦う大人に見事に変身していきました。アクターズスタジオとジャニーズを比較してはいけないのでしょうが・・・
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テレビで「ゴッドファーザー」を見たらアルパチーノが優男の御曹司から戦う大人に見事に変身していきました。アクターズスタジオとジャニーズを比較してはいけないのでしょうが、このドラマは木村さんがすべての軸なのだからもっと気合をいれなければいけません。前の方も書いていたように、昭和40年代の鉄屋の専務で土方の親方からも慕われるキャラクターなのだから、少なくとも髪を切るくらいはしたら。あの髪型で芝居をしていたらいつまでもアイドルから抜けられませんよ。
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[023]イングリッシュ・ペイシェント
 (無題)袋小路2007-02-11
 
戦時下の愛の悲劇という映画なのだろうけどね・・・・。「風と共に去りぬ」や「覇王別姫さらばわが愛」が個人の愛に苦悩しつつ、その愛が大きな時代の流れに翻弄されるどうしよ・・・
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戦時下の愛の悲劇という映画なのだろうけどね・・・・。「風と共に去りぬ」や「覇王別姫さらばわが愛」が個人の愛に苦悩しつつ、その愛が大きな時代の流れに翻弄されるどうしようもなさを描いて傑作となったのに、この映画では戦争が道具立てに過ぎず、必ずしも描かれている愛のあり様と戦争は不可分ではない。だから愛の苦悩らしきものがあるのだが、主役の二人の役者がナルシスティックな演技をしてしまっているので、個人的な問題に見えてしまって勝手にしたらと思ってしまう。話の運びは巧いしそれなりの風格もあるのでつまらなくはないが、おそらく原作はもっときめ細かいのだろう。
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[024]ミリオンダラー・ベイビー
 (無題)袋小路2005-12-11
 
映画の完成度とは何かと考えると映像、脚本、演技などの映画的要素が監督の意図の下に的確に表現されているということなのだろうと思う。その意味ではこの映画はきわめて完成度・・・
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映画の完成度とは何かと考えると映像、脚本、演技などの映画的要素が監督の意図の下に的確に表現されているということなのだろうと思う。その意味ではこの映画はきわめて完成度が高い。罪や尊厳、家族、勇気などのテーマに対し、それに必要な部分を集中的に表現していて、余計な描写や要素を削っているので、ぶれない。ストーリー全体や、家族などの個々の表現はステレオタイプなのだが、よく出来た脚本もあって過不足なくテーマが素直に届くようになっている。多くの凡庸な監督が整理されないままの表現を持ち込んで映画を難解にしてしまっているのに対し、 イーストウッドはとてもシンプルに躊躇なく言いたいことを明確に表現している。 またミスティックリバーでもそうだが役者にきっちりと演技させているのはこの監督の手腕なのだろう。老境に達し名匠にふさわしい貫禄が出てきたように思う。
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[025]パッチギ!
 (無題)袋小路2005-12-03
 
この監督は喧嘩に対する思い入れが強いが、特にこの映画では喧嘩という行為が双方に共通の地平を与えるという意味が強く象徴的である。殴り合いによる共犯性によって民族や差別・・・
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この監督は喧嘩に対する思い入れが強いが、特にこの映画では喧嘩という行為が双方に共通の地平を与えるという意味が強く象徴的である。殴り合いによる共犯性によって民族や差別の問題を乗り越えようとする素朴な希望があって嫌味なく難しいテーマを捉えている。GOのようないい加減であいまいな交流ではなく、壁を認識しているが故の肉体の直接性への信頼がこの映画を優れたものにしている。
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[026]モーターサイクル・ダイアリーズ
 (無題)袋小路2005-11-22
 
中南米の人々にとっておそらくゲバラという響きが特別な重みを持つのだと思うが、日本人にとってはゲバラは60〜70年代に彼が神聖視された体験の中でしか捉えられない。だからそ・・・
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中南米の人々にとっておそらくゲバラという響きが特別な重みを持つのだと思うが、日本人にとってはゲバラは60〜70年代に彼が神聖視された体験の中でしか捉えられない。だからその時代を知らない人々にとってはこの映画は単なる青春映画に見えるかもしれない。たとえばこの二人はインテリだがあの時代のインテリにとってはマルクス主義は基本的な思想であり、それをベースに体験を重ねていっているのだということが見えないとゲバラが革命に傾斜していったことが分からない。貧しく搾取されている人々を見て革命を志向するのはそれほど不思議なことではなかったのである。映画は時間や時代を切り取るものであるから、作られた時期や表現された時代に対する想像力が必要なのだと思う。
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[027]セントラル・ステーション
 (無題)袋小路2005-11-22
 
確かにネオリアリズムなんでしょうね。表現すべきことをきっちりと映像の中で過不足なく捉えていて、気持ちのいい映画です。商業的な要請の中で、何を表現したいのか自分の中で・・・
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確かにネオリアリズムなんでしょうね。表現すべきことをきっちりと映像の中で過不足なく捉えていて、気持ちのいい映画です。商業的な要請の中で、何を表現したいのか自分の中で整理されていない映画をつくってしまう日本の若手の監督に比べ、とても優れています。
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[028]ダンス・ウィズ・ウルブズ
 (無題)袋小路2005-11-22
 
4時間版を見直したがこの映画は長いから良いのだと思った。ケヴィンがインディアンに同化して行く過程を描くのにこの時間が必要だったのだ。もしこれを2時間に纏めてしまったら・・・
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4時間版を見直したがこの映画は長いから良いのだと思った。ケヴィンがインディアンに同化して行く過程を描くのにこの時間が必要だったのだ。もしこれを2時間に纏めてしまったら、白人が勇気を示すことで簡単にインディアンに溶けこんだ話になってしまうだろう。ケヴィンの追い詰められた状況、癖のある人格などの描写の積み重ねがあるからインディアンとの交流に必然性が出てくる。同化するには時間が必要でありそれを映画的時間の中でしっかり描いているので納得のいく話になっている。
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[029]父と暮せば
 (無題)袋小路2005-11-22
 
舞台がベースなのだろうが舞台をそのまま撮ったような演出は不思議だ。映画的な趣向を放棄したようなもので、映画的面白みに欠けるが逆に役者の演技に重点を置くという意味では・・・
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舞台がベースなのだろうが舞台をそのまま撮ったような演出は不思議だ。映画的な趣向を放棄したようなもので、映画的面白みに欠けるが逆に役者の演技に重点を置くという意味では良かったのかもしれない。こうした戦争体験を描くと、どうしても被害者から告発する形になってしまうのだが、戦争体験が既に世代間で共有化されないものになってきている状況を考えると、それを避けて個人の物語として表現したかったのかもしれない。監督や演出の作為といったものが後ろに引くことにより静かに戦争を語るといった監督の意図は表現されたように思う。
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[030]グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
 (無題)袋小路2005-10-18
 
甘いヒューマンドラマのようなのだが何故か心に残るものがある。きっと登場人物がヒューマンではないからだろう。それぞれ自分の中に挫折を抱えているのだが、それと自分の自尊・・・
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甘いヒューマンドラマのようなのだが何故か心に残るものがある。きっと登場人物がヒューマンではないからだろう。それぞれ自分の中に挫折を抱えているのだが、それと自分の自尊心との葛藤が解決されていないので自分の苦悩で精一杯なのだ(割り切れているベンアフレックを除いて)。不幸な気持ちを抱えている人々が自尊心を打ち砕かれ、自己の弱さを認めることで癒されていくという自己再生の物語なので後味が悪くないのだと思う。
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