allcinema ONLINE オールシネマ 映画&DVDデータベース
検索オプション

投稿されたユーザーコメント
 
 「徳」さんのコメント一覧 登録数(69件)rss
 コメント題投稿者投稿日
[001]ビューティフル・デイ
 レディオヘッド2018-06-02
 
の厭世的な世界観に通ずる映像感覚だなと思っていたら、音楽がグリーンウッドだった…。主人公の「サイコ」真似に思わずクスッ。
  
 
[002]イーダ・エングヴォル
 北欧の美2017-07-19
 
とても素敵な女優さん。笑顔が素晴らしい!
  
 
[003]ムーンライト
 期待外れ2017-04-01
 
少なくとも革新的な映画ではない。前半のマハーシャラ・アリが出演しているシークエンスは素晴らしい。
  
 
[004]家族の波紋
 冴えないバケーション2015-07-07
 
シリー島に別荘を構える裕福な一家。しかも料理人付き。2週間の長期休暇。何とも羨ましいシチュエーションだがドラマ自体は重く、家族間の葛藤が厳しい描写で綴られる。ジョア・・・
続きを読む
シリー島に別荘を構える裕福な一家。しかも料理人付き。2週間の長期休暇。何とも羨ましいシチュエーションだがドラマ自体は重く、家族間の葛藤が厳しい描写で綴られる。ジョアンナ監督の演出が冴えわたり、ピンと張りつめた緊張感を堪能できる。父性を独り占めにする絵画師の示唆に富んだ言葉とセンスのある映像が、本作の格調を高めている。ヒドルストンは本作の後ブレイクすることになる。声が魅力的な俳優さんだが、本作のルックスはアート・ガーファンクルみたい。
隠す
  
 
[005]ショート・ターム
 サメとタコ2015-06-24
 
ダイアローグが滑らかで味わいがある。特にプロローグとエピローグが秀逸。主人公は感受性が強く責任感も強い。繊細ではあるけれども時には上司にもたてつく。とてもカッコいい・・・
続きを読む
ダイアローグが滑らかで味わいがある。特にプロローグとエピローグが秀逸。主人公は感受性が強く責任感も強い。繊細ではあるけれども時には上司にもたてつく。とてもカッコいい存在である。この監督、今後の活躍が大いに期待できる。
隠す
  
 
[006]狂った血の女
 ルイーザ&ヴァレンティ2012-02-11
 
2000年代マイベスト1『輝ける青春』のジョルダーナ監督が手掛けた見ごたえあるドラマ。第2次大戦に翻弄されたスター俳優夫妻の激動の生きざまを描いている。的確かつ構成・・・
続きを読む
2000年代マイベスト1『輝ける青春』のジョルダーナ監督が手掛けた見ごたえあるドラマ。第2次大戦に翻弄されたスター俳優夫妻の激動の生きざまを描いている。的確かつ構成力のある演出が154分の長尺をもろともしないダイナミズムを生み出している。ニュースフィルムの巧みな活用も効果的。キャストではルカ・ジンガレッテイが白眉。愛嬌と狂気、悲哀を見事に表現しており、これぞ名演、という域に達している。
隠す
  
 
[007]ルー・リード/ベルリン
 アントニー!2012-01-31
 
アントニーが歌う「candy says」が素晴らしい。歌い終えた後の彼をなんともいえない眼差しでみるめるルー・リードの表情もまた秀逸。ジュリアン・シュナーベルの演出は統一感が・・・
続きを読む
アントニーが歌う「candy says」が素晴らしい。歌い終えた後の彼をなんともいえない眼差しでみるめるルー・リードの表情もまた秀逸。ジュリアン・シュナーベルの演出は統一感があり、カメラワークも的確。一流の映画作家であることがよくわかる。
隠す
  
 
[008]兄とその妹
 名作2012-01-18
 
島津監督の才能がほとばしる名作。独創的な編集やサラリーマン社会の醜さと兄妹愛を巧みに絡めたシナリオが素晴らしい。佐分利の潔さ、三宅の慎ましさ、桑野の愛らしさも魅力で・・・
続きを読む
島津監督の才能がほとばしる名作。独創的な編集やサラリーマン社会の醜さと兄妹愛を巧みに絡めたシナリオが素晴らしい。佐分利の潔さ、三宅の慎ましさ、桑野の愛らしさも魅力である。あた、日本家屋や衣装をとおして、当時の風俗にも親しむことができる。
隠す
  
 
[009]善き人
 悔恨の涙2012-01-02
 【ネタバレ注意】
己の信条が、時代の波や国家権力により翻弄されていく様を鮮やかに描き出した秀作。監督は前半で主人公のパーソナリティを特にはコミカルにテンポよく提示して、その後に主人公・・・
続きを読む
己の信条が、時代の波や国家権力により翻弄されていく様を鮮やかに描き出した秀作。監督は前半で主人公のパーソナリティを特にはコミカルにテンポよく提示して、その後に主人公を一気に惑いの状態へと突き落としていく。善良な小市民が、自らの無力感と自責の念に苦しむ姿が痛々しい。主人公が強制収容所でナチスの愚行を現実として目の当たりにしたラストシーンが秀逸。長回しの手法で茫然自失する主人公の姿をとらえたカメラワークが素晴らしい。一体なぜ自分はこの制服を着てここに立っているのだ、という絶望感がストレートの伝わってきた。主演のモーテンセンは、ここ数年で本当に良い作品に主演し、演技派としての地位を揺るぎないものとしており、本作でも自信をもって演技しているのがよくわかる。
隠す
  
 
[010]嵐の青春
 とんでもない外科医2011-11-20
 【ネタバレ注意】
マルクス映画から、伝記映画まで幅広いジャンルを手掛けてきた職人サム・ウッドらしい青春映画。アメリカ北部の小さな町を舞台に、幼なじみの2人の生きざまを中心に、手際良く・・・
続きを読む
マルクス映画から、伝記映画まで幅広いジャンルを手掛けてきた職人サム・ウッドらしい青春映画。アメリカ北部の小さな町を舞台に、幼なじみの2人の生きざまを中心に、手際良くストーリーが進行していく。安定したモノクロ撮影は、ワイラー映画ともイメージが重なる。題材的にもワイラーが手掛けそうなものだ。途中ついていけない導演も感じられ興ざめするなど、欠点も少なくないが、全体的には無難な仕上がりか。ロンが重要な役どころで出演。主演男優よりも存在感があった。演技力には首をかしげるが。
隠す
  
 
[011]スモールタウン マーダー ソングズ
 悔い改めよと言われても2011-10-09
 【ネタバレ注意】
エド・ガス・ドネリーの才気が漲る傑作。主人公は警察官で、小さな田舎町で起こった殺人事件の捜査にあたるわけだが、真のテーマは主人公の改心。かっての暴力警官が、キリスト・・・
続きを読む
エド・ガス・ドネリーの才気が漲る傑作。主人公は警察官で、小さな田舎町で起こった殺人事件の捜査にあたるわけだが、真のテーマは主人公の改心。かっての暴力警官が、キリストの力を借りてまともな人間になることができるのか。監督は主人公の内面の闘いを鮮やかに表現している。映像には深遠かつ高貴なムードが漂っている。要因は3つ。美しい空絵の挿入。スローモーションを多用した映像効果。そしてプリミティブかつソウルフルな音楽。監督の演出手腕は冴えわたり、そのセンスに唸らされる。未公開は実にもったいない。妻(恋人?)の食卓でのおしゃべりを主人公が一喝するシーンは秀逸。男だったら誰でも思い当たるはずだ。
隠す
  
 
[012]ノヴェム
 ラテン語で92011-05-21
 
架空の大学生ロックバンドが残したレコーディング合宿の様子と、30年の時を経た若者間の心のつながりを描いたモキュメンタリーフィルムの秀作。アイディア自体は斬新ではない・・・
続きを読む
架空の大学生ロックバンドが残したレコーディング合宿の様子と、30年の時を経た若者間の心のつながりを描いたモキュメンタリーフィルムの秀作。アイディア自体は斬新ではないが、監督の才気と、若手ミュージシャンたちの奮闘が光っている。使用される楽曲の質もかなり高めでロックマニアとしては嬉しい限り。
隠す
  
 
[013]女性鬼
 女性向け?2011-04-17
 【ネタバレ注意】
ペニスを食いちぎる有歯ヴァギナ伝説をモチーフにしたティーン・ホラー。プロットはいかにもB級だが、監督の演出はまともで、物語の背景に意味深いメッセージ(原発・男根主義・・・
続きを読む
ペニスを食いちぎる有歯ヴァギナ伝説をモチーフにしたティーン・ホラー。プロットはいかにもB級だが、監督の演出はまともで、物語の背景に意味深いメッセージ(原発・男根主義への反発)を潜ませているあたりはなかなか。コメディ・パートがやや中途半端に挿入されていて、全体的に完成度の高い構成ではないが、この手のジャンルにしては健闘しているのではないか。主演のワイクスラーはウインスレットを彷彿させるルックス。演技は確りしている。主人公の兄に扮したヘイズリーのインパクトが大きい。
隠す
  
 
[014]パッション
 母ちゃんは恋敵2011-04-10
 【ネタバレ注意】
長年連れ添った夫との死別を機に、老いへの抗いと情熱への渇望を求め、無分別な性に目覚めていく老女の姿を描いた問題作。老いらくの恋は大いに結構。何歳になっても胸をときめ・・・
続きを読む
長年連れ添った夫との死別を機に、老いへの抗いと情熱への渇望を求め、無分別な性に目覚めていく老女の姿を描いた問題作。老いらくの恋は大いに結構。何歳になっても胸をときめかせるのは良いことだが、相手が娘の恋人で息子の友人となると話は別だろう。物語の語り口はさほど感心せず。登場人物の描きこみが表層的でイベントも唐突で御都合主義的。が、監督の演出は的確で悪くない。主人公が長男宅を出ていく時のゆったりとした一人称によるカメラワークは秀逸だ。また、ところどころでセンスの良いショットにも出会える。主演のリードは大胆な演技を披露し熱演。逆にブレイク前のクレイグは大根役者的演技でよろしくない。
隠す
  
 
[015]尻に憑かれた男
 汝笑うことなかれ2011-04-08
 
尻フェチの骨董品コレクターの姿を時にはコミカルに時には切なく描いたユニークなブラジル産映画。どういうわけかお金がじゃんじゃん湧き出てくる主人公の果てなき欲望を、果た・・・
続きを読む
尻フェチの骨董品コレクターの姿を時にはコミカルに時には切なく描いたユニークなブラジル産映画。どういうわけかお金がじゃんじゃん湧き出てくる主人公の果てなき欲望を、果たして心の底から呆れながら他人事のようにとらえることができるのか。人間であれば程度の差こそあれ、ある特有のモノにひかれるという性向は誰もが有しているのではないだろうか。エイトール監督の工夫された映像処理はまずまずといったところ。映像効果も的確であるし、カッティングのセンスもいい。音楽の味付けも上々である。全体的なムードや演出スタイルはコーエン兄弟あたりに通ずるところもある。
隠す
  
 
[016]Bubble/バブル
 原点回帰2011-04-03
 
ソダーバーグのインディペンデントな精神が色濃く出ている小作品。ストーリーテリングがなかなかで、ぐいぐいと作品世界に引き込まれていく。個人的には主人公の運命にもうひと・・・
続きを読む
ソダーバーグのインディペンデントな精神が色濃く出ている小作品。ストーリーテリングがなかなかで、ぐいぐいと作品世界に引き込まれていく。個人的には主人公の運命にもうひとひねり加えてほしかったが。ソダーバーグの演出は流石。なんら変哲のない田舎町に住む人々の生活風景を鮮やかに描いている。カメラワークにせよミザンセヌにせよ実に的確で、そのへんの駆け出し映画作家とは格の違いを見せつけている。ハリウッドメジャーシステムに染まらない彼の映画小僧的な豊かな感性と柔軟性に敬意を表したい。
隠す
  
 
[017]マンモス 世界最大のSNSを創った男
 製作は2009年っす2011-03-30
 
本邦未公開ながらかなり本格的なドラマを堪能できる拾いものの1本。アメリカ・フィリピン・タイを舞台に、とあるIT長者一家の崩壊の危機と出稼ぎ労働者の苦悩が描かれている・・・
続きを読む
本邦未公開ながらかなり本格的なドラマを堪能できる拾いものの1本。アメリカ・フィリピン・タイを舞台に、とあるIT長者一家の崩壊の危機と出稼ぎ労働者の苦悩が描かれている。作品中に経済格差や幼児虐待、売春といった社会問題が多く詰め込まれているが、それがある一定の秩序をもって語られていないのは欠点である。似たようなスタイルに『バベル』があるが、それぞれのエピソードを有機的に結び付ける(表層的にではなく)という手法を、監督は敢えて排除したのか、是非聞きたいところだ。スウェーデン監督だけあって子役の使い方は流石に上手い。また、ドラマの見せどころを心得ている感じがする。キャストではミシェルが白眉。家族のありかたについて悩み苦しみ医師を好演している。物思いにふける表情が見事。素晴らしい女優さんだと思う。それにしてもこの副題の付け方はひどい。あの映画にあやかって、という意図が丸見えで、便乗も甚だしい。内容がマッチしていればいいのだが、あまりにもかけ離れすぎている。この作為的なマーケティング戦略はよろしくない。
隠す
  
 
[018]わたしの可愛い人―シェリ
 ベル・エポック2011-03-29
 
まずもってベル・エポックの雰囲気を鮮やかに再現した映像が素晴らしい。調度品や衣装はどれも本格的で、安っぽさが微塵も感じられない。そのため、鑑賞者をコレットの作品世界・・・
続きを読む
まずもってベル・エポックの雰囲気を鮮やかに再現した映像が素晴らしい。調度品や衣装はどれも本格的で、安っぽさが微塵も感じられない。そのため、鑑賞者をコレットの作品世界に容易に誘うことができる。プロダクション・デザインのアラン氏および衣装担当のボイル氏、快心の仕事ぶりだ。また、撮影も見事。特に中盤、主人公が海辺のホテルへと向かう場面での1本道のショットや、ホテルからの眺望、さらにはホテル内のショットが秀逸で、作品のよいアクセントとして効果十分であった。自然光の使い方も鮮やか。加えて音楽も大変センスが良かったと思う。キャストも充実。まずもって主演のファイファーが素晴らしい。かってのセクシー女優がここまで自らの老いをさらけ出して完璧に主人公を演じているところに女優魂を見た。時に痛々しく感じられる場面もあったが、それが恐らく監督の狙いでもあっただろうから、彼女の起用は大正解だったのだろう。余韻の残るラストショットは絶品であった。彼らの間には『危険な関係』からの信頼感が損なわれていないことがよくわかる。相方のルパート・フレンドも好演。若き日のテレンス・スタンプを彷彿させるような面構えがいい。それにしても賞レースにはまったく無視された結果になってしまったのは不思議。主演女優・衣装・美術あたりはオスカーノミネート級なのに。
隠す
  
 
[019]情炎
 横顔美人2011-03-28
 
物質的には何不自由ない生活をしているものの夫との間にもはや愛情が存在しないマダムの情欲を描いた作品。自らの理性に反して野卑な男と関係をもってしまう女の性、というプロ・・・
続きを読む
物質的には何不自由ない生活をしているものの夫との間にもはや愛情が存在しないマダムの情欲を描いた作品。自らの理性に反して野卑な男と関係をもってしまう女の性、というプロットは古今東西使い古されてきた定型的なもので関心はしない。やはりここは、吉田監督独特の映像美を堪能すべきであろう。小津同様に、自らの映像スタイルを確立した映画作家の、頑強なまでの映像美学がここでも貫かれている。強烈なハイ・キー、クローズド・フォームによるユニークな構図、不気味な音楽。そして岡田の存在。本作の彼女は実に艶めかしく、女の色気を強烈にまき散らしている。うなじをとらえたショットはもはや神話的だ。ここまでくると、監督の彼女への視線が、妄執以外のなにものでもないように思えてくる。監督と女優の危険で幸福な関係がここにある。
隠す
  
 
[020]女地獄 森は濡れた
 デカダンス2011-03-21
 
所謂日活ロマンポルノ。神代監督がサドの世界を独自の映像感覚で表現している。濡れ場シーンには芸術性をまったく認めない。まったくもってついていけないが、唯一エピローグだ・・・
続きを読む
所謂日活ロマンポルノ。神代監督がサドの世界を独自の映像感覚で表現している。濡れ場シーンには芸術性をまったく認めない。まったくもってついていけないが、唯一エピローグだけは秀逸。たっぷりと陽射しが降り注ぐ中、まるで欧州貴族のように優雅に中庭で食事をする主人公たち。そこに新しい客人がやってくる。映像に退廃的ムードが漂っている。
隠す
  
 
[021]ラインの監視
 パパは戦う2011-03-10
 
ヘルマン原作×ハメット脚色という豪華かつ異色のクレジットにより創出された戦争高揚映画。ヨーロッパが激しい戦火に塗れているなか、アメリカは傍観者のままでよいのか、とい・・・
続きを読む
ヘルマン原作×ハメット脚色という豪華かつ異色のクレジットにより創出された戦争高揚映画。ヨーロッパが激しい戦火に塗れているなか、アメリカは傍観者のままでよいのか、というメッセージが伝わってくる。作品のトーンは一定しない。フォード映画に出てきそうな子役たちや召使の存在もあり、前半は温もりのある雰囲気だが、落ち目貴族の策略をステップに次第に暗いムードへと転換していく。これは本作の欠点ととらえていいだろう。ハメットのシナリオは滑らかで、より良き世界を創るために、自らの幸せを犠牲にしてナチスに立ち向かおうとする主人公の心意気が確りと伝わってくる。主人公が子供たちと別れのあいさつをするシーンは感動的で目頭が熱くなってしまった。主演のポール・ルーカスは本作の演技でオスカー主演男優賞を射止めている。相方のベティも流石の上手さである。
隠す
  
 
[022]娼婦と鯨
 全女性にオススメ2011-03-06
 【ネタバレ注意】
『オフィシャル・ストーリー』の監督、ルイス・ブエンゾが新たに生み出した大傑作!ガンに冒された女流作家と、写真家に恋した情熱的な女、それぞれの生きざまを描いた作品であ・・・
続きを読む
『オフィシャル・ストーリー』の監督、ルイス・ブエンゾが新たに生み出した大傑作!ガンに冒された女流作家と、写真家に恋した情熱的な女、それぞれの生きざまを描いた作品である。70年の間隔を置いた、過去と現在のエピソードを巧みに融合させながら味わいのあるドラマを紡いでいくシナリオの完成度は高い。やや複雑な部分もあるが人間相関さえ確りと追っていくことができれば問題ない。死に直面した作家の心痛も見事に映し出しているところも高く評価したいところ。題材上、多くの官能シーンが登場するが、監督の演出は格調が高く、女性でも嫌悪感はないのではないかと思う。映像に関しては1級品で、特に海の青が美しい。ラストシーンで娼婦が海の底に沈んでいく場面はことのほか美しく、珠玉の名場面となっている。また、アルゼンチンらしいタンゴ・ミュージックも秀逸。エンディングに流れる主題曲の旋律は切なくて、まるで、登場人物の運命を悼んでいるかのような味わいがある。日本未公開は実にもったいない。文句なしの4つ星である。
隠す
  
 
[023]湖中の女
 旦那様は探偵2011-03-05
 
“サマンサ”ことE・モンゴメリーの父親でもあるロバート・モンゴメリーが監督・主演を兼ねた探偵映画。主人公がカメラに向かって話しかけるシーン以外はすべてカメラを主人公の・・・
続きを読む
“サマンサ”ことE・モンゴメリーの父親でもあるロバート・モンゴメリーが監督・主演を兼ねた探偵映画。主人公がカメラに向かって話しかけるシーン以外はすべてカメラを主人公の視線に見立てて撮影する、という実験的精神に富んだ演出が面白い。この手法ですぐ想起するのは『視線のエロス』(イザベルの美しさは忘れられない)。部分的な導入では『潜行者』というボギー主演の作品もあった。フィッシャーの脚本も上々で、ハードボイルドなタッチがよく表されていた。イヴの取り調べ中に家族からの電話で相好を崩す刑事が笑える。
隠す
  
 
[024]学校をつくろう
 TVドラマ2011-02-26
 
一私立大学がこのように映画を本格的に製作するのは珍しいものと思われるが、内容的には2時間もののTVドラマで十分。神山監督は本当にやる気があったのか。演出は安っぽく、・・・
続きを読む
一私立大学がこのように映画を本格的に製作するのは珍しいものと思われるが、内容的には2時間もののTVドラマで十分。神山監督は本当にやる気があったのか。演出は安っぽく、編集も雑。作品の主題である、若者たちの大志は大いに潔いが、学校設立過程もさほどドラマティックではなく、主要人物たちの艱難辛苦が伝わってこない。樫山のナレーションはまるで人物伝を扱ったNHKの番組を見ているかのようだ。大きなスクリーンで見るほどのダイナミズムが感じられないのが痛い。役者たちの演技については敢えて何も言うまい。
隠す
  
 
[025]東京のえくぼ
 小国マジック2011-02-24
 
見逃すと損する恋愛喜劇の快作!正直ここまで面白いとは。思わずのけぞってしまう野暮ったいオープニングだが、次第に粋な仕掛けをふんだんに含んだ小気味よい映画のリズムには・・・
続きを読む
見逃すと損する恋愛喜劇の快作!正直ここまで面白いとは。思わずのけぞってしまう野暮ったいオープニングだが、次第に粋な仕掛けをふんだんに含んだ小気味よい映画のリズムにはまっていってしまった。加えて芸達者な面々たちの演技に思わず何回も吹き出すハメに。これはただものではない、と思っていたらシナリオはあの小国英雄。黒澤の同志である名脚本家の才能が存分に発揮されている。言葉が活気に満ちていて、洗練されている。ラストをはじめ、ワイルダーを彷彿させるほどのセンスに満ちているのだからたまらない。映像自体は歴史の重みに耐えられる代物ではないが、それを補うに余りあるシナリオと役者陣である。柳家&清川・秀子&桂樹の名コンビに上原のG・クーパー並みの艶やかさ。しかし最も強烈だったのはロッパ。偉大な喜劇人である。
隠す
  
 
[026]彼女たちの舞台
 青のルシア2011-02-15
 
演劇教室に通う女優の卵たちが、とある政治的事件に巻き込まれるという話。ジャック・リヴェットのそっけない演出は相変わらずで、途中に模擬法廷劇を長々と挿入したり、ドラマ・・・
続きを読む
演劇教室に通う女優の卵たちが、とある政治的事件に巻き込まれるという話。ジャック・リヴェットのそっけない演出は相変わらずで、途中に模擬法廷劇を長々と挿入したり、ドラマティックな効果を排除したりと、彼の映画作家としてのこだわりがみてとれる。司法刑事のキャラクターなど、かなり異色で次にどのような展開をみせるのか、という意味で最後まで興味深く鑑賞することができた。160分は彼にしては長くはないが、リヴェットに対して耐性ができていないとつらいかもしれない。女4人の共同生活を描いた部分が個人的には気に入っている。4人の女優のなかではルシア役の女性が一際魅力的だった。彼女が着る藍色のワンピースと鮮やかな青のカーディガンが素敵だ。
隠す
  
 
[027]ドン・カミロ頑張る
 男の友情譚2011-02-15
 
フランスのハナ肇と、いかつい顔のチェルヴィが再共演。神父と村長の、喧嘩したり仲良くなったりの繰り返しはやや冗長的だが、男の友情が一貫した柱となっているので見ていて悪・・・
続きを読む
フランスのハナ肇と、いかつい顔のチェルヴィが再共演。神父と村長の、喧嘩したり仲良くなったりの繰り返しはやや冗長的だが、男の友情が一貫した柱となっているので見ていて悪い気分にはならない。デュヴィヴィエの真骨頂は何と言っても中盤、主人公と、村長の息子との絡み。息子を待つ神父をとらえたショットはフォトジェニックだし、その後の霧の中の対話シーンも美しい。この詩的な場面をみるだけでも一見の価値はある。クライマックスの神父の説教シーンも力強い。このあたりが、ベルリンで高く評価された要因か。
隠す
  
 
[028]イエロー・ハンカチーフ
 軍配は山田版2011-02-12
 
当方における70年代日本映画の最高峰と元ネタが同じということで迷わず鑑賞(ちなみに70年代ベスト10は、2金環食3寅次郎相合傘4仁義なき戦い5愛のコリーダ6復讐する・・・
続きを読む
当方における70年代日本映画の最高峰と元ネタが同じということで迷わず鑑賞(ちなみに70年代ベスト10は、2金環食3寅次郎相合傘4仁義なき戦い5愛のコリーダ6復讐するは我にあり7祭りの準備8青春の殺人者9青幻記10砂の器)。広大なアメリカの地は本来ロードムービーに適していて、雰囲気はよく出ている。監督の演出は際立った個性は見られないが、堅調で衒いがない。日本人だからということを抜きに客観的に比較した場合、キャスティングの妙、ストーリーの盛り上げ方、カメラワーク等で山田洋次に軍配が上がる。主演のWハートはベテランらしい上手さ。妻役のMベロはCセロンとよく似ている。やや演技が硬いか。若いカップルはともに実力派で個性が光っている。2人が結ばれた日の朝、ファミリーレストランで主人公がニンマリと見つめるシーンがかわいらしい。山田版のヒロイン、桃井のゲスト出演は心憎い限りだ。3星。
隠す
  
 
[029]北京の自転車
 胡同の街並み2011-01-22
 
一台の自転車をめぐっての、二人の少年の奇妙な関係を軸にしながら、農村出身者や低所得者層の厳しい現実が描かれている。二人の少年にとっての共通の問題が「金」であり、こう・・・
続きを読む
一台の自転車をめぐっての、二人の少年の奇妙な関係を軸にしながら、農村出身者や低所得者層の厳しい現実が描かれている。二人の少年にとっての共通の問題が「金」であり、こうした問題は、世界屈指の経済大国となった中国国内でもこれから益々焦点となることであろう。監督の演出は上々。青春映画的な瑞々しいシーンもあるし、題材的にも当然意識したであろうイタリアン・ネオリアリズムのムードも漂わせている。一方で、迷路のような街並みを主人公たちが逃げ回る場面などでは、のんびりとした住民たちの姿が妙にコミカルであったりもする。結構つかみどころのない作品である。ストーリーテリングは洗練されてはいないものの、全体的な仕上がりは悪くない。主演の2人の若手俳優が好演。ヒロインのカイも美形である。10年経過してようやく日本でも見られるようになったが、まったくもって古臭さは感じられない。
隠す
  
 
[030]レバノン
 スコープ越しの狂気2011-01-10
 
リアリスティックな傑作戦争映画。全編の大部分が息苦しい戦車内部のなかで展開されるという舞台設定が効果的。戦車外を映し出すカメラの視点もすべて戦車砲のスコープ越しで、・・・
続きを読む
リアリスティックな傑作戦争映画。全編の大部分が息苦しい戦車内部のなかで展開されるという舞台設定が効果的。戦車外を映し出すカメラの視点もすべて戦車砲のスコープ越しで、”キー”、”ガシャン”といった効果音とともにカメラが動くというアイディア、目の超クローズアップショットを巧みに取り入れたモンタージュが秀逸である。射撃担当兵士の目線を共有することで、否が応にも、映画鑑賞者は戦場の狂気を目撃することになる。誤発の犠牲者となる鶏卵業者や幼子を失い半狂乱に陥った母親、敵の攻撃で死んでゆく兵士たち…。直視するのが辛い映像ばかりだ。戦車内での人間描写も完ぺきではないが悪くない。ダイアローグは自然だし、エピソードも印象的。ラストショットは悪夢からの解放感があるがやや狙いすぎか。
隠す
  
 
 1 2 3次へ
 
 



【スポンサーリンク】



allcinema SELECTION

allcinema SELECTION