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 「呑気呆亭」さんのコメント一覧 登録数(728件)rss
 コメント題投稿者投稿日
[001]汚れた血
 ジュリエット・ビノシュ呑気呆亭 (Mail)2015-12-15
 
前作の「ボ−イ・ミ−ツ・ガ−ル」を再見してラストまで見終えることが出来なかったので、これはどうかなと変な期待を持ちながら見始めたのだが、これは中々面白かった。筋立ては・・・
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前作の「ボ−イ・ミ−ツ・ガ−ル」を再見してラストまで見終えることが出来なかったので、これはどうかなと変な期待を持ちながら見始めたのだが、これは中々面白かった。筋立てはあまり練られたモノとは思えなかったが、随所に挿入される斬新な映像が映画を見るということの面白さを与えてくれたし、それよりも何よりもジュリエット・ビノシュの天与の美貌がこの作品の魅力のすべてだと言っていい。おかげでドニ・ラバンも光っていた。
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[002]ビバリーヒルズ・バム
 浮浪者ノルティ呑気呆亭 (Mail)2015-12-11
 
ボロボロ・でぶでぶで、もうこれ以上堕ちようがないと開き直った浮浪者が、相棒のワン公にも遂に愛想を尽かされてペットロスに陥るという冒頭の設定が面白い。絶望した浮浪者が・・・
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ボロボロ・でぶでぶで、もうこれ以上堕ちようがないと開き直った浮浪者が、相棒のワン公にも遂に愛想を尽かされてペットロスに陥るという冒頭の設定が面白い。絶望した浮浪者が成金のドレイファスの邸宅に紛れ込んで、プ−ルで自殺を図ることから物語が動き始める。迷惑を受けた側のドレイファスだが、虚栄心に裏打ちされた博愛精神から浮浪者を世話することになるのだが、最初は浮浪者を毛嫌いしていた家族たちが次々に彼に影響されるに及んで、主役の座を奪われる恐れに本来の素朴な差別感を露わにし始める。そのあたりのドレイファスの演技が見もので、浮浪者ノルティのふてぶてしい演技との対比が素直に笑わせてくれる。
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[003]薔薇の名前
 イタリア語バ−ジョン?呑気呆亭 (Mail)2015-12-11
 
驚くのはこれだけのセットとロケ地を選んだスタッフの執念と力量である。この作品の魅力はいかにも西欧中世の雰囲気を再現したと観る者に納得させる映像にあるだろう。冒頭に近・・・
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驚くのはこれだけのセットとロケ地を選んだスタッフの執念と力量である。この作品の魅力はいかにも西欧中世の雰囲気を再現したと観る者に納得させる映像にあるだろう。冒頭に近く厨房で働く僧たちが、解体した豚から絞った血液を大事に貯めているのは腸詰めを造るためだのだろうか。僧院に貢ぎ物を納めに来る貧者たちの描写もリアル感があって、こんな描写の一々の積み重ねが圧倒的な重厚感をこの作品に与えている。ただ、残念ながらワタクシの観たバ−ジョンは英語版であったのと、主役が米国の有名俳優であることとかのために最初から最後まで違和感があった。興行的には有名俳優を使うことのメリットはあるのだろうが、これだけの準備をした努力が主役の顔一つで台無しになってしまったように思う。またアドソを演じたクリスチャン・スレーターが妙に色っぽくて、その顔のアップを演出が多用するので恐らく僧院内に蔓延していたであろう同性愛の暗示が鼻に付いて、せっかく美術スタッフが盛り上げた雰囲気が薄められてしまったのも惜しまれる。出来ればイタリア語バ−ジョン(DVDには有るのか?)で見直してみたいものだ。
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[004]ダブルボーダー
 共感呑気呆亭 (Mail)2015-12-08
 【ネタバレ注意】
ニック・ノルティが引き締まった体でやたら格好良くて、前年の「ビバリ−・ヒルズ・バム」のメタボなホ−ムレスのおっさん体型からよくもここまで絞ったものだと感心する。そのノ・・・
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ニック・ノルティが引き締まった体でやたら格好良くて、前年の「ビバリ−・ヒルズ・バム」のメタボなホ−ムレスのおっさん体型からよくもここまで絞ったものだと感心する。そのノルティがメキシコとの国境に近い田舎町の保安官役として、メキシコの麻薬組織と特殊工作部隊を向こうに回してク−ルな活躍をする。プロ中のプロである特殊工作部隊の面々は当初ノルティを田舎町の保安官として嘗めてかかるが、次第にそのガッツを認め始めて、部隊の指揮官(アイアンサイド)の裏切りへの怒りと保安官への共感が綯い交ぜとなった、「ワイルドバンチ」のクライマックスにも似た死への舞踏になだれ込んで行く。既に軍歴では死者とされている彼らを甦らせ最後に生の輝きを取り戻させたのは、ノルティの背筋を伸ばした頑固な生き方への共感であった。
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[005]ピーター・フォークの ビッグ・トラブル
 「らくだ」呑気呆亭 (Mail)2015-12-07
 【ネタバレ注意】
ワイルダ−の「深夜の告白」(\'44)をパロったというかおちょくった展開がバカバカしくて、“えっ、カサヴェテスともあろうものがこんな野暮ったいモノを?・・・”と思いながら見てい・・・
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ワイルダ−の「深夜の告白」(\'44)をパロったというかおちょくった展開がバカバカしくて、“えっ、カサヴェテスともあろうものがこんな野暮ったいモノを?・・・”と思いながら見ていたのだが、フォ−クとア−キンの怪演比べがエスカレ−トして行くにつれて、まるで落語の「らくだ」のような奇妙な倒錯が徐々に生じて、遂には過激派の登場するどんでん返しになだれ込んで、モ−ツアルトの伴奏に彩られたハチャメチャなラストに至る。やっぱりカサヴェテスという人はただ者じゃあないなと納得したことであった。
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[006]スイート・スイート・ビレッジ
 ギャグ呑気呆亭 (Mail)2015-12-03
 【ネタバレ注意】
最初は見ていると頭が弱く無駄にのっぽなオチェクの間抜けさに腹が立ってくる。オチェクとは対照的な短躯で太った体格の相棒パヴェクがイライラするのも無理はない。その二人の・・・
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最初は見ていると頭が弱く無駄にのっぽなオチェクの間抜けさに腹が立ってくる。オチェクとは対照的な短躯で太った体格の相棒パヴェクがイライラするのも無理はない。その二人の仲を中和し結び付ける媒体として、詩人で夢想家で運転音痴のドクタ−が物語の狂言回しをする。不倫有り、陰謀有り、事故有り、喧嘩有り、祭りの騒ぎ有り。笑わせるのが、トラクタ−に男が轢かれたと聞いて駆け付けたドクタ−が発見したのが、畑に残った人型だけで犠牲者の跡形もなく、脇でピョンピョン跳ねる不死身の男を発見するというギャグで、このギャグは後にドクタ−がブレ−キを掛け忘れた自分の車に轢かれるエピソ−ドに受け継がれたりして、全編にさりげなく伏線を置きながら、思わぬ所でギャグを入れて行くという、実に巧みに造られた物語りである。ラストは仲直りしたオチェクとパヴェクの凸凹コンビのぴょんぴょんと跳ねる息の合った歩行のギャグでありました。
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[007]愛と哀しみの果て
 ライオンに至るまで・・・呑気呆亭 (Mail)2015-12-02
 【ネタバレ注意】
確かに長かったが決して退屈はしなかった。観終えてこれほどに爽やかな気持ちになる映画というものも珍しい。それが何に由来するかと考えて思い当たったのは、登場する人物たち・・・
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確かに長かったが決して退屈はしなかった。観終えてこれほどに爽やかな気持ちになる映画というものも珍しい。それが何に由来するかと考えて思い当たったのは、登場する人物たちが誰も類型として描かれていないということではないかということだった。それは下世話に言えば三角関係を形成するカレン(ストリープ)、ブロア(ブランダウワ−)、デニス(レッドフォ−ド)の三人だけではなく、彼らの友人のコ−ル(キッチン)にしても、カレンの執事役のアフリカンにしても、部落の長老、若者、デニスの相棒で台詞一つないのに印象的な存在のマサイの戦士、そして物語の始めでは女性であることから入室を拒否しながら、独り敢闘・破産してアフリカを去ろうとするカレンの潔さに敬意を表して、“一杯飲りませんか?”と誘う社交クラブの面々のフェアなスマ−トさ、そしてデニスの墓に詣でる雌雄のライオンに至るまで、心に深々と染み入るように描かれている。素晴らしい映像でアフリカの景色を捉えて見せてくれたキャメラ、モ−ツアルトを効果的に使った音楽、そしてモチロン、カ−ト・リュ−ドックの脚本とシドニ−・ポラックの演出。何度観ても初めて見るような思いにさせてくれる作品である。
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[008]シーズ・ガッタ・ハヴ・イット
 モナは何をガッタした・・・呑気呆亭 (Mail)2015-11-27
 
公開当時はその設定の斬新さが受けたのだろうが、今となって見るとすべってが陳腐化してしまっている。この設定のグル−プがボクラの60年代に実際に成り立っていたことを知って・・・
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公開当時はその設定の斬新さが受けたのだろうが、今となって見るとすべってが陳腐化してしまっている。この設定のグル−プがボクラの60年代に実際に成り立っていたことを知っているが、これが成り立つためには中心に生きる女王様に魔術的な魅力を持っていなければならないのだが、このモナにはまったくそんな魅力を感じなかった。そのモナを巡って神経症で色情狂の男たちがビタ銭沙汰を繰り広げる。モナは何をガッタしたのだろうか。正直疲れる映画でありました。
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[009]冬の旅
 三文芝居呑気呆亭 (Mail)2015-11-27
 
ヴァルダにしては粗末な味の映画を作ったものだ。実話を基にしたとのことだが、そうした姿勢はしばしば実話であることに寄りかかって、何を語っても許されると思いこんでしまう・・・
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ヴァルダにしては粗末な味の映画を作ったものだ。実話を基にしたとのことだが、そうした姿勢はしばしば実話であることに寄りかかって、何を語っても許されると思いこんでしまう。この浮浪者の少女は文明の周辺をうろつき廻ってそのおこぼれかすめて楽に生きて行くことしか考えていない。旅をしているらしのだがやたらヒッチハイクで車に乗りたがる。その旅路には目的地が無く狭い範囲を堂々巡りをしているようだ。描かれるのは彼女がその周辺をうろつき廻る文明生活という惨めな三文芝居でしかなく、決して自然の厳しさの中に踏み込もうとしない。冒頭ヴァルダは“少女は海から来たのではないか”として冬の海から上がる少女の姿を効果的な音楽とともに描くのだが、ラストでは、“嘘をつけ!”と言いたくなるほどの味気なさを感じたのだった。
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[010]ラヴ・ストリームス
 非作家呑気呆亭 (Mail)2015-11-26
 
主人公ロバ−トが酒場で唄っていた歌手を口説き落とそうとして、立ち去ろうとする彼女の車の運転席に強引に割り込み、蹴られても叩かれてもハンドルを離そうとせず、遂に根負け・・・
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主人公ロバ−トが酒場で唄っていた歌手を口説き落とそうとして、立ち去ろうとする彼女の車の運転席に強引に割り込み、蹴られても叩かれてもハンドルを離そうとせず、遂に根負けした歌手を乗せて酔っ払い運転で家まで送り届け、送ろうとして階段から蹴落とされ、額から血を流しながらもなおもめげずに這い上がろうとする姿を見て、歌手はとうとう笑ってしまって家に入ることを許すシ−クエンスがある。ここを見ていてこのくどいほどの強引さと粘りこそが監督ジョン・カサヴェテスの真骨頂でありまたスタイルでもあるなと思ったのだった。そのスタイルを貫いてカサヴェテスは数々の愛の物語を創ってきた。この粘液質のスタイルは他に類を見ないほどのモノであり、カサヴェテスを一種奇態な非作家としたようだ。同伴者でアリ共犯者でもあるジ−ナ・ロ−ランズとジョン・カサヴェテスがこの作品に定着しようとしたのは、人間存在の絶対の孤独と愛という得体の知れぬモノだった。ラスト近くで見せたロ−ランズのゾッとするような喪失感に拉がれたマスクがトラウマとして残ってしまいそうな予感がある。 ★ノルマンデイさん、DVDは手に入れられますよ。 
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[011]最後の戦い
 たかがひとりの女呑気呆亭 (Mail)2015-11-24
 【ネタバレ注意】
確かにリュック・ベッソンの才気も野心も感じるが、その「最後の戦い」がたかがひとりの女をめぐってのことであるのが判ってみると、凝ったセットと沈黙を貫いた役者たちのスト・・・
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確かにリュック・ベッソンの才気も野心も感じるが、その「最後の戦い」がたかがひとりの女をめぐってのことであるのが判ってみると、凝ったセットと沈黙を貫いた役者たちのストレスを思い、“ベッソン君よキミは何が言いたくて多大な労力を傾注してこの映画を作ったんじゃい?”と茶化したくなったのだった。
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[012]ニック・ノルティ/キャサリン・ヘップバーンの 愉快なゆかいな殺し屋稼業
 忘れられた快作呑気呆亭 (Mail)2015-11-24
 
強面の殺し屋シ−モア(ニック・ノルティ)が罪悪感に悩んで、商売道具の右腕の不調や鼻血の頻出に襲われ、怪しげな髭面の精神科医に1時間75ドルも払って治療を受けているという・・・
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強面の殺し屋シ−モア(ニック・ノルティ)が罪悪感に悩んで、商売道具の右腕の不調や鼻血の頻出に襲われ、怪しげな髭面の精神科医に1時間75ドルも払って治療を受けているという設定が笑わせる。そのシ−モアの殺しの場面を偶然目撃した老嬢クイグリ−(キャサリ−ン・ヘップバ−ン)が、シ−モアに自分を殺してくれるように依頼に現れるところから奇妙に倒錯した物語が始まる。ミズ・クイグリ−は1000ドルの依頼料を工面するために、死にたくとも死ねないという同じ悩みを持つ男性をこの奇妙な企てに誘い込む。この男性がひょんなことから頓死し、ミズ・クイグリ−はそれをシ−モアの手際と思い込み吹聴して廻ったために、5人の友人が志願者として名乗りを上げる。都合で一人抜けた4人を歌を唄っている最中に痛みも苦しみもなくあの世に送ったシ−モアは、この殺しについては罪悪感が起こらなかったことで、長年の職業上の悩みから脱却することが出来て歓喜し、クイグリ−を“ママ”と呼び始める。その“ママ”ことミズ・クイグリ−はシ−モアを老人ホ−ムに案内し、ベッド上で植物人間化したニンゲンたちを見せ、この世の中にはいかに多くの老人たちが死にたくとも死ねずにいることを知らしめ、シ−モアにかつて持ったことのない使命感と生き甲斐を与えるのだった・・・。これから再逆転が始まるのだが、それは見てのお楽しみ。ラストのオチも悪くはない。なによりもこのブラックな設定が今となってみればより切実なモノとなっていることの皮肉を思う。DVD化されていないようだが忘れられた快作である。
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[013]大誘拐 RAINBOW KIDS
 樹木希林呑気呆亭 (Mail)2015-11-23
 
これはまず天藤真の原作がスケ−ルが大きくて面白い。その原作の面白さを岡本喜八が存分に生かして映画にしてくれた。作品の成功はキャスティングにあると言われるが、まさにこ・・・
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これはまず天藤真の原作がスケ−ルが大きくて面白い。その原作の面白さを岡本喜八が存分に生かして映画にしてくれた。作品の成功はキャスティングにあると言われるが、まさにこの作品にはピタリと当てはまる。大富豪の老女の北林谷栄の智略、母親を誘拐されて結束する神山以下の家族。そして辣腕の警部役の緒形拳。それぞれに適役で活躍してくれるのだが、群を抜いて存在感を見せるのは農婦役の樹木希林である。最初の登場が勢い余ってタンスを押し倒す力持ちのギャグで笑わせてくれて、主家の刀自への絶対の信頼感からすべてを呑み込んで見せる腹の据わった女の、ユ−モラスでありながらも強靱な生活者の存在感を画面に刻みつけて見せてくれたのだった。
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[014]雨あがる
 無外流呑気呆亭 (Mail)2015-11-23
 
三沢伊兵衛は若き日に勘定方の仕事に嫌気がさして故郷を脱藩し、江戸で無外流の辻月丹に師事して達人になりながらも、何処の藩に仕えても長続きしなかったと語られる。こんな人・・・
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三沢伊兵衛は若き日に勘定方の仕事に嫌気がさして故郷を脱藩し、江戸で無外流の辻月丹に師事して達人になりながらも、何処の藩に仕えても長続きしなかったと語られる。こんな人の良さげな男がどうして周囲と折り合って職務を続けることが出来なかったのか。観客が抱く疑問は、賭け試合で負けた恨みを晴らそうと町道場の面々が、仕官の望みを絶たれて下城してきた伊兵衛を待ち伏せする凄まじい殺陣のシ−ンで氷塊する。伊兵衛の腹の裡でふつふつと滾る怒りのマグマの熱さは、人の良さにカモフラ−ジュされているだけに一旦噴き出すと止め処がなくなるのである。この多数を相手にした接近戦の殺陣の凄さは空前絶後の剣戟であった。伊兵衛を演じるにあたって寺尾聰は実際に無外流の師について学び、四ヶ月という短期間で振り下ろす木刀に空を切り裂く音を出さすまでになった。しかし、寺尾によれば、師の木刀はゆっくりと振り下ろされても空を切ったという。
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[015]ナビィの恋
 挿入歌呑気呆亭 (Mail)2015-11-23
 
ラストのタイトルロ−ルに挿入歌の一覧が掲げられている。「ひょっこりひょうたん島」「下千鳥(登川誠仁)」「海ぬチンポ−ラ(登川)」「じゅりぐわぁ小唄(嘉手刈林昌)」「ザ・・・
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ラストのタイトルロ−ルに挿入歌の一覧が掲げられている。「ひょっこりひょうたん島」「下千鳥(登川誠仁)」「海ぬチンポ−ラ(登川)」「じゅりぐわぁ小唄(嘉手刈林昌)」「ザ・スタ−・スパングルド・バナ−(三線登川)」「六調節(山里勇吉)」「クレイグニッシュ・ヒルズ(ケルト民謡)マックアイザック」「ケルティック・リ−ル(ケルト民謡)マックアイザック」「トウバラ−マ(八重山民謡)マックアイザック」「国領ジント−ヨ(登川)」「月ぬ美しや(八重山)山里」「むんじゅる節(照喜名朝一)」「夏の扉(西田尚美)」「ロンドンデリ−の歌(アイルランド民謡)山里/マックアイザック」「ハバネラ(カルメン〜恋は野の鳥)兼島麗子」「アッチャメ−小(登川)」 老若男女、ふたつの恋の三角関係のあれこれの展開に、これだけの歌がちりばめられていて面白くないわけがない。平良とみの可愛らしさはもちろんだが、沖縄三線の第一人者といわれる登川誠仁の素人とは思えない軽妙なアドリブに富んだ演技こそが、この映画を成功させた第一の功であったろう。
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[016]午後の遺言状
 杉村・乙羽・朝霧呑気呆亭 (Mail)2015-11-22
 
題名と新藤兼人作品ということで録画しておきながら長いこと敬遠していたのだが、いやあ、面白い!面白かった。新藤さんの映画では一番面白い作品ではないだろうか。静かな蓼科・・・
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題名と新藤兼人作品ということで録画しておきながら長いこと敬遠していたのだが、いやあ、面白い!面白かった。新藤さんの映画では一番面白い作品ではないだろうか。静かな蓼科の別荘に次々に起こる事件が戯画的に描かれて笑わせてくれるし、民俗学的な足入れ婚やら海から黒子に担がれて上がってくる心中した夫婦を納めたダブルサイズの棺桶やらの描写が大駱駝館の参加で前衛的な面白さがあったりして、監督のサ−ビス精神が感じられて好ましかった。しかしこの映画の何よりもの面白さは、杉村・乙羽・朝霧というベテラン女優たちの激しくはないが互いに時間を自在に遡るサスペンスを秘めた丁々発止の演技合戦であった。流石!と言わざるを得ない。
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[017]イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
 中国人街呑気呆亭 (Mail)2015-11-22
 
初見時にはジョン・ロ−ンの非情な存在感にかなりの衝撃を覚えたのだったが、今回見直してみて、ミッキ−・ロ−クの伊達な存在感に痺れた。それにしても物語をロ−ンとロ−クの突っ・・・
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初見時にはジョン・ロ−ンの非情な存在感にかなりの衝撃を覚えたのだったが、今回見直してみて、ミッキ−・ロ−クの伊達な存在感に痺れた。それにしても物語をロ−ンとロ−クの突っ張り合いに矮小化させてしまって、ニュ−ヨ−クという都市とその一角に食い込んでいる中国人街というものの疫学的な意味にまで踏み込めなかったのは、マイケル・チミノにしては不満な出来の映画ではあった。
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[018]ローザ・ルクセンブルグ
 権力呑気呆亭 (Mail)2015-11-22
 
前半のヒステリックに喚き立てるロ−ザにはやや辟易したが、刑務所に入ることによって小さな自然の美しさに目覚めるあたりから、ロ−ザの言葉に深味が増してくる。しかし一貫して・・・
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前半のヒステリックに喚き立てるロ−ザにはやや辟易したが、刑務所に入ることによって小さな自然の美しさに目覚めるあたりから、ロ−ザの言葉に深味が増してくる。しかし一貫して違和感を覚えるのはロ−ザの身辺に常に家政婦が居る生活には貴族性が付きまとっていて、その彼女の口から発せられる大衆という言葉だった。刑務所でも何故か特別扱いされていて、書斎やガ−デニングの敷地まで与えられているのにはぶったまげた。などと色々違和感を覚えながらラストの虐殺まで見終えて、権力というものの不気味さと何時の世にも変わらぬ陳腐さを思い知ったのだった。
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[019]マイライフ・アズ・ア・ドッグ
 犬に成る・・・呑気呆亭 (Mail)2015-11-21
 【ネタバレ注意】
好きな女の子から無情にも愛犬の殺戮を知らされたイングマルは、死ぬと分かっている宇宙にライカ犬を打ち上げる無情な人間の世の中に決別して、ニンゲンの言葉を発しない存在に・・・
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好きな女の子から無情にも愛犬の殺戮を知らされたイングマルは、死ぬと分かっている宇宙にライカ犬を打ち上げる無情な人間の世の中に決別して、ニンゲンの言葉を発しない存在に成り切ってしまおうとする。これまで堪えてきた不条理の数々が遂に彼を狂気に追いやろうとする。そのイングマルを救ったのは村のガラス工場の人々の優しさと、厳寒の池に飛び込んだ変なオジサンを総掛かりで救おうとする村の人々の底抜けの善意であった。
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[020]特別な一日
 「怒り」呑気呆亭 (Mail)2015-11-21
 【ネタバレ注意】
家族全員をヒットラ−を歓迎する特別な祭日である集会に送り出して、ホッと一息つきながら散らかされたキッチンを物憂げに片付け始める主婦。熱狂的なファシストである夫に同調・・・
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家族全員をヒットラ−を歓迎する特別な祭日である集会に送り出して、ホッと一息つきながら散らかされたキッチンを物憂げに片付け始める主婦。熱狂的なファシストである夫に同調して集会に出る気にはならない主婦は、己の裡に潜むマグマのように沸き上がってくるモノの正体にまだ気付いていない。その主婦が立ち働くキッチンから見える窓の部屋には自殺を決意した男が最期の仕事かと思われる封筒の宛名書きをしている。大通りで開かれている集会からは絶え間なく大衆を扇動する演説と音楽が聞こえてくる。1羽の九官鳥の縁が主婦と男を偶然に出会わせる。九官鳥とは何か。言葉を告げるモノの謂か。ファシズムに同調することが出来ずに疎外された男との出会いが、主婦に己の裡に噴き上げるマグマの正体を次第に気付かせて行く。それは怒りだったのだ。坦々とした言葉のやり取りと聞こえてくるファシストの狂騒が静かに男と女の間にサスペンスを盛り上げて、男にとっても女にとってもこの出会いの日を「特別な一日」としたのだった。男と決別してキッチンに帰った主婦は、朝方集会に出て行った家族を平静な面持ちで出迎えるのだが、彼女はもう今朝の主婦ではなくなっていたのだった。
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[021]ストレンジャー・ザン・パラダイス
 無明呑気呆亭 (Mail)2015-11-17
 
かつて文芸評論家の小林秀雄がセザンヌの「カ−ド遊びをする人々」の絵を評して“ここには無明が描かれている・・・”と言ったが、このモノクロ映画の全編に流れるものはまさに「無明・・・
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かつて文芸評論家の小林秀雄がセザンヌの「カ−ド遊びをする人々」の絵を評して“ここには無明が描かれている・・・”と言ったが、このモノクロ映画の全編に流れるものはまさに「無明」としか言いようがない。人も景色も荒涼としていながらどこかユ−モラスな味わいがあって、殆どドラマ性のないシ−クエンスのつなぎ方もバッサリといった感じの無技巧で、それでいて退屈さを感じさせない。よくぞこんな映画を作ったなと感嘆させるが、この調子で映画作りを続けて行くことは難しいのではなどと余計な心配をさせられたのであった。
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[022]アマデウス
 エンドロ−ルのピアノ協奏曲呑気呆亭 (Mail)2015-11-07
 【ネタバレ注意】
初見時にはトム・ハリス演ずるモ−ツアルトの余りと言えばあんまりな軽薄さにやや辟易したものだったが、今回見直してみてその印象は映画の軽快に描かれた前半しか記憶に残さな・・・
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初見時にはトム・ハリス演ずるモ−ツアルトの余りと言えばあんまりな軽薄さにやや辟易したものだったが、今回見直してみてその印象は映画の軽快に描かれた前半しか記憶に残さなかったことによったのだと知った。実にこの作品の見どころはモ−ツアルトがオペラに挑戦し始める後半部分にある。「フィガロ」から「ドン・ジョバンニ」「魔笛」へとまったく色合いの異なる傑作オペラを生み出すには、さすがの天才モ−ツアルトにしてもその神与の才の大部分を使い尽さねばならなかった。その絞られ尽した力の最後の一滴をサリエリの企んだ「レクイエム」の制作によって消耗したモ−ツアルトは、神に愛された者に相応しい無残な死を遂げて見事に人生の帳尻を合わせたのだった。エンドロ−ルに流されるピアノ協奏曲の哀切なメロディがフォアマンのモ−ツアルトへの思いのすべてを語っているかのようだった。
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[023]2010年
 “ユ−ロパに近づくな!”呑気呆亭 (Mail)2015-11-07
 【ネタバレ注意】
「2001年宇宙の旅」冒頭、モノリスにより道具の使用を学んだ猿人がそのことで内なる凶暴性に目覚めるシ−ンのニンゲンを馬鹿にした思想に腹が立って、“二度と観るものか!”と思・・・
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「2001年宇宙の旅」冒頭、モノリスにより道具の使用を学んだ猿人がそのことで内なる凶暴性に目覚めるシ−ンのニンゲンを馬鹿にした思想に腹が立って、“二度と観るものか!”と思ったのだったが、この「2010年」の作者ピ−タ−・ハイアムズはその“人類はその凶暴性によって自滅するであろう”という救われぬ思想に答えを出そうとしてこの作品を企画したのかと思える。それにしてもこのリアルで壮大な美術と撮影の見事さは脱帽モノである。そして米ソの対立を巧みに絡ませて最後にはモノリスを創った存在の謎と意味を明らかにさせてくれた脚本(これも作者による)の巧みさと、木星の惑星ユ−ロパに再び生命の種子を植えつけ、その傍らにひっそりとモノリスを配したラストの再び人類に謎かけをしたハイアムズの悪戯心に感嘆させられたことだった。
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[024]ペイルライダー
 「用心棒」呑気呆亭 (Mail)2015-11-05
 
蒼白い馬に乗って現れるイ−ストウッドの登場が謎めいていて期待を抱かせるのだが、その不死かと思わせる強さは“そりゃあねえだろう!”というくらいのもので、だんだんやっつけ・・・
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蒼白い馬に乗って現れるイ−ストウッドの登場が謎めいていて期待を抱かせるのだが、その不死かと思わせる強さは“そりゃあねえだろう!”というくらいのもので、だんだんやっつけられる連中のほうが気の毒になってくる。黒澤の「用心棒」の面白さは三十郎が傷つくこともある生身であることから来たのであって、それゆえに醸し出されるサスペンスとユ−モアがドラマにリアルさを与えていた。また、演出家イ−ストウッドの失敗は少女ミ−ガンと母のサラとの余計な交情を付け加えてしまったことにある。
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[025]シルバラード
 リンダ・ハント呑気呆亭 (Mail)2015-11-04
 
よくぞ作ってくれましたという感謝を述べたくなるくらいの西部劇のツボをこれでもかと展開してくれた監督ロ−レンス・カスダンとスタッフキャストの協同の傑作。西部劇好きとし・・・
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よくぞ作ってくれましたという感謝を述べたくなるくらいの西部劇のツボをこれでもかと展開してくれた監督ロ−レンス・カスダンとスタッフキャストの協同の傑作。西部劇好きとしては何よりも嬉しいのは、出演者の誰もが正確に銃を(ちゃんと撃鉄を起こして)扱ってくれていることだ。ワタクシ的にはエメット(グレン)の銃さばきを含めた振る舞いがお気に入りだが、酒場の女主人のステラ(ハント)とペイドン(クライン)の会話が今回は記憶に残った。ステラ“コップは私を脅しのネタに、それで善良な人間が酷い目に・・・。とんでもない話だ。人間は力が強く、性根が悪いと自分より弱い者を踏みつける。だが、それを許すのはもっと悪い、立って戦わねば”ペイドン“立派な考えだが危険だ”ステラ“私はやるよ、あんたは”ペイドン“傷つくぜ”ステラ“死ねば私に手は出せないだろう?”小気味よいステラを演じたリンダ・ハントと悪役コップを意味深く演じたブライアン・デネヒ−に拍手!
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[026]田舎の日曜日
 時(死)の流れ呑気呆亭 (Mail)2015-11-04
 
初見時にはフランスの田舎の光景と、老境に差し掛かった画家と彼を繞る息子家族と奔放な恋に生きるかとみえる娘が或る日曜日に集って陽光の下にさりげない日常を共に愉しむ何気・・・
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初見時にはフランスの田舎の光景と、老境に差し掛かった画家と彼を繞る息子家族と奔放な恋に生きるかとみえる娘が或る日曜日に集って陽光の下にさりげない日常を共に愉しむ何気ないドラマと見せながら、その背後に確実に忍び寄る時(死)の流れを実に坦々と描いていると感じて、感銘を受けたものだった。今回見直してみてその感銘を新たにしたのだったが、イレ−ヌと兄のゴンザグの関係の描き方がやや類型的で、もっと掘り下げることが出来たらもっと感動的な人生詩になったのではないかと思ったことだった。
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[027]カントリー
 違和感呑気呆亭 (Mail)2015-11-04
 
確かに自ら製作に携わり主演の農婦をえんじたラングの熱演はなかなかのモノだが、見ていて違和感を覚えざるを得ないのは経営危機に陥っているこの家族の食卓の豊かさなのである・・・
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確かに自ら製作に携わり主演の農婦をえんじたラングの熱演はなかなかのモノだが、見ていて違和感を覚えざるを得ないのは経営危機に陥っているこの家族の食卓の豊かさなのである。広大な農地を所有し何台もの車を乗り回しているこの家族は、果たして貧しいのか?役立たずの夫に見切りをつけて農家を団結させることで窮境を脱した農民たちが、その団結力をもって後には強力な圧力団体と化し、最近のTPP問題では米国の利益ばかりを押し付ける勢力となっていることを思えば、資本というものの道義のなさを思わざるを得ない。
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[028]ホテル・ニューハンプシャー
 噴飯物呑気呆亭 (Mail)2015-11-04
 
読んではいないがこんな原作がベストセラ−になる米国とはじつに雑駁な文化の国であるようだ。雑多な要素を乱雑に詰め込むのが前衛的だと思いこんだのか、まったくユ−モアのかけ・・・
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読んではいないがこんな原作がベストセラ−になる米国とはじつに雑駁な文化の国であるようだ。雑多な要素を乱雑に詰め込むのが前衛的だと思いこんだのか、まったくユ−モアのかけらも感じられないドラマには、消化不良の不快感しか感じられない。その原作を正確に映画化したのかそれとも読み違えたのか、主人公である一家の父親・夢想家ベリ−を演じたボ−・ブリッジスの陰がやたらに薄くて、過度にエロテイックなフォスタ−と何も出来ない弟のロウにばかり画面を割いて、セックスのことしか考えないのかと思うほどに全編陋劣な物語が展開される。何のためにこんな映画を作ったのか。噴飯物のシロモノである。
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[029]エル・スール
 自転車呑気呆亭 (Mail)2015-10-31
 
初整体拝受式の時のエストレリャの初々しさと、この荘重な儀式がカトリックの人々にとって意味するモノの重要さが綯い交ぜになって、このシ−ンの映像の美しさは例えようのない・・・
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初整体拝受式の時のエストレリャの初々しさと、この荘重な儀式がカトリックの人々にとって意味するモノの重要さが綯い交ぜになって、このシ−ンの映像の美しさは例えようのないものがある。そしてもう一つ、整体拝受式を済ませた少女エストレリャが南から来た父親の秘密を知って悩みながら成長して行き思春期を迎え、白く塗った自転車に乗って自宅前の並木道を黒い子犬に送られながら真っ直ぐ走り去って行き、継いで、固定されたキャメラの画面に彼方からすっかり成長したエストレリャが赤く塗った自転車に乗って迫ってくる一連のシ−クエンスの見事さといったらない。黒い子犬もまた成犬となってエストレリャを迎えるのだった。語ればきりのない映像の意味深さを味あわせてくれる作品である。
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[030]ノスタルジア
 林屋正蔵呑気呆亭 (Mail)2015-10-27
 
先代の八代目林屋正蔵(後の彦六)だったと記憶するが、出囃子に送られて座布団に座ってさて、何やらブツブツつぶやき始める・・・。それが何を言っているのか聞き取れないのでそ・・・
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先代の八代目林屋正蔵(後の彦六)だったと記憶するが、出囃子に送られて座布団に座ってさて、何やらブツブツつぶやき始める・・・。それが何を言っているのか聞き取れないのでそれまでざわざわしていた場内が次第に静まってきて、正蔵師のボソボソが巧まざるユ−モアに裏打ちされたマクラであることが聞き取れるようになる。そうなれば聴衆は一気に彦六ワ−ルドに遊ばされることになるのだった。それと同じことをこの作品を見ながら感じていた。画面は実に不親切にも暗く湿った映像の羅列が延々と続くのだが、一旦見入ってしまうともう目を離すことが出来なくなり、何やら知れぬ悶々とした作家の独白に付き合わざるを得なくさせられる。それが退屈ではなく何とも不思議で静かな興奮を身内に起こさせていることに気付きながら、この長い物語を最後まで眠らずに見終えることが出来たのだった。
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