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 「遊乃舞寧夢」さんのコメント一覧 登録数(119件)rss
 コメント題投稿者投稿日
[001]偽りなき者
 メディアの日常と同じく遊乃舞寧夢2016-12-07
 
疑いー印象ー確信ー制裁 ここで描かれる冤罪と、世間の早急なレッテル貼りによる偏見、制裁は、 子供がウソをつくかつかないか、ということよりも、現在のメディア報道 のあり・・・
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疑いー印象ー確信ー制裁 ここで描かれる冤罪と、世間の早急なレッテル貼りによる偏見、制裁は、 子供がウソをつくかつかないか、ということよりも、現在のメディア報道 のあり方、その  ”見出しだけで” 印象を確信にしてしまう大衆のあり方 を連想させ、この偏見に満ちた村の人々は、そのまま我々の情報への 接し方、メディアテラシーの問題とリンクする。 事実がどうであるか、ということよりも、情報が最初にどう扱われたか?に よって、人々の反応、態度が決定し、仮に後から事実が明かされてきてから も、人は最初に自分が取った行動を否定したがらない。 この映画にあっては、子供の罪のないウソが招いた悲劇であるが、 私たちの日常にあっては、政治的意図や、商業的意図によって、 ”容疑” が 事実であるかのように 報道され(しかも執拗に)、 それを大衆が鵜呑みにする姿は、この村の人々とまったく同じだ。 その姿を客観的に見せてくれるという意味で、この作品の持つ役割、意義は 大きい。この村の出来事は、メディアと大衆、という関係において、私たちの 周りで・・・常に起きている出来事 だ。 主演のマッツ・ミケルセンも素晴らしいが、ウソをつく当のクララを演じた子役 アニカ・ヴィタコプの演技は、微妙な表情に一片のウソも作為もない。あまり お目にかかる機会のないデンマーク作品だが、登場人物全員の演技、演出、 共に水準の高さを痛感した。 子供の成人にあたって、猟銃を贈り、狩に出ることが大人の証明、という エピソードや、巨漢の大人たちがテーブルを囲んで飲んだり食べたりの姿は いかにもバイキングの子孫、北欧らしさを感じさせて興味深い。 古くは、ワイラー監督「噂の二人」も、”子供のうそ” が元で、同性愛の容疑 をかけられた女性教師ふたりが社会的制裁を受ける姿を描いているのを 思い出し、時代の差はあれ、大衆の偏見というテーマは不変のようだ。
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[002]ガメラ3 邪神<イリス>覚醒
 怪獣の”仁義なきタイマン”遊乃舞寧夢2016-11-24
 
イリスって、邪神というより、ドス持ったチンピラに見えました。 顔もサングラスかけてるみたいだし。ちょっとエッチな感じだし。 で、ラストのガメラとの戦いは、怪獣の対決・・・
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イリスって、邪神というより、ドス持ったチンピラに見えました。 顔もサングラスかけてるみたいだし。ちょっとエッチな感じだし。 で、ラストのガメラとの戦いは、怪獣の対決というより、 チンピラどうしのタイマンみたいでした。オラオラオラって言って そうな、ずっと接近戦で、ガン飛ばしあってるし。 その前の空中戦は、バイクに乗ったままの暴走族がケンカしてる みたいだなぁ。 相変わらず、美術は素晴らしいですね。駅のミニチュア、すごい! 自衛隊も大活躍。いちいち攻撃するのに、ミサイルを”許可する” 司令官が言うあたり、リアルでした。安倍のお友達、津川さんが、 自衛隊のお偉いさんを嬉しそうに演じてました。 中山忍さんは、賞を獲った一作目より演技がずっとよくなって、ちょっと 大人っぽくなってて見直しました。 前田愛さんの集中力は素晴らしいですね。セガールさんのお嬢さんは ちょっぴり前進、安心しました。精進して下さい。
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[003]ガメラ 大怪獣空中決戦
 ベランダに洗濯物!遊乃舞寧夢2016-11-13
 
手作りミニチュアのディテールに驚きました。 怪獣に壊されるマンションのベランダのひとつひとつに植木が置いて あったり、洗濯ものやら、布団が干してあったり、全部違う。 ・・・
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手作りミニチュアのディテールに驚きました。 怪獣に壊されるマンションのベランダのひとつひとつに植木が置いて あったり、洗濯ものやら、布団が干してあったり、全部違う。 電信柱に乗っかってる機械(?)や配線の細部までが再現されていて、 美術担当のこだわりが溢れてました。 なかでも、郵便ポストの下に捨てられている大小のゴミのポリ袋! 道端の自動車は定番としても、バイクや自転車まで! マンション廊下部分にホウキが立てかけてあるのも発見! どれもほんの一瞬しか写らないのに(しかもほとんどの客の目は怪獣に)、 徹底したその姿勢にプロの魂を感じました。 怪獣バトルそっちのけで、美術を見てました。 縁の下の力持ち、担当スタッフに拍手!
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[004]やさしい本泥棒
 リーゼルの抱擁遊乃舞寧夢2016-11-06
 
ナチスの思想統一により焚書が行われる世の中にありながら、自分の言葉、 人へのやさしさを、葛藤しながらも失うまいとする人々を描いた佳作。 主演の少女リーゼルを演じるソ・・・
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ナチスの思想統一により焚書が行われる世の中にありながら、自分の言葉、 人へのやさしさを、葛藤しながらも失うまいとする人々を描いた佳作。 主演の少女リーゼルを演じるソフィー・ネリッセ、感極まると相手に抱きついて いく彼女のしぐさが幾たびとなく見られるのだが、その抱擁のなんとも饒舌な こと。思いのすべてが言葉もなく伝わってくる。 共演者たちからも絶賛されているようだが、素晴らしい。 日本では劇場公開されておらず(なぜ!?)、たまたまレンタル店で発見、 ジェフリー・ラッシュが出演しているので観てみる気になったのだが、ストーリー、 演技、美術、音楽、すべて超一流の趣。 古いドイツの石造りのような家々の町並み、石畳の道、室内の木造家具、風格 ある美術に映像。珍しく音楽はスタッフロールの最後まで聞き入ったが、それも そのはず、ジョン・ウィリアムスの仕事だった。 名優ジェフリー・ラッシュは仇役や、エキセントリックな役柄が目立つようだが、 この作品では、リーゼルの思いやり溢れる義父を味わい深く演じており、役柄の 広さにあらためて驚いた。妻役のエミリー・ワトソンとは、「ライフイズコメディ、 ピーターセラーズの愛し方」でも、まったく別人格の夫婦を演じていたあたり、 興味深い。
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[005]ジョージ・マーティン
 三人目かも!?遊乃舞寧夢2016-11-03
 
前の方に異論を唱えるわけでは全然なくて・・・ 私はこの人は、ビートルズの音楽において、ジョン、ポールについで、 ”三番目の存在” だと確信してます。このプロデューサー・・・
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前の方に異論を唱えるわけでは全然なくて・・・ 私はこの人は、ビートルズの音楽において、ジョン、ポールについで、 ”三番目の存在” だと確信してます。このプロデューサーがいなかったら 今でも語り、聞かれ続けるビートルズは存在しなかった。 ビートルズの功績のひとつは、なんといっても、ロックという音楽の可能性 を広げ、アートとしての表現にまで高めたことがありますが、それを具体化 したのが他ならぬジョージ・マーティンでしょう。 オーディションに落ち続け、どこのレコード会社でも断られていた頃の ビートルズのデモテープを聴くと、落とされたのもわかるし、また、ジョージ・ マーティンがどれだけメジャーデビューまでの彼らに磨きをかけ、働きかけ たかがわかります。ビートルズがダイヤの原石だとしたら、これをカッティング して製品化したのがジョージ・マーティン。彼以外の誰も、デビュー前のビート ルズの、その秘めた輝きに気づかなかった! また、この人がクラシック音楽をマスターしているということが、大きかった! 弦楽四重奏やらチェンバロのソロやら、オーケストラサウンドやら、当時として は、ロックとは相容れないと思われていたアイディアがビートルズの音楽に 取り入れられていったのは、この人のおかげ。さらに、サージェントペパーや アビーロードのB面での、交響曲をモチーフにしたコンセプトも、この人による もの(ジョンあたりは、むしろそういうのを嫌がってたとか)。 ジョン、ポールという二人の天才、ジョージ・マーティンという音職人、 ハリスンは努力家、リンゴは社交家・・・インド音楽の導入や、ドラムの独自性 というのはあるわけですが、こと後世に残るサウンド、という意味でジョージ・ マーティンの果たした役割は後の二人をしのぐものがある気がします。 ビートルズが作者で役者だとすれば、ジョージ・マーティンが演出家ですね。 60年代のほかのバンドの音を聞けば、21世紀の今でも新鮮さを失わない そのサウンドの輝きは歴然としてますが、他のプロデューサーではこうはなって なかったことでしょう。 マーティンさん、ありがとうございました。合掌。
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[006]レ・ミゼラブル
 様式性とリアリティ遊乃舞寧夢2016-11-03
 
ミュージカルは大好きなのに、この作品はまったくダメだった。 もっとも抵抗を感じたのは、”どアップで”、リアルな感情むき出し!で歌われる シーンの多いこと。ミュージカル・・・
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ミュージカルは大好きなのに、この作品はまったくダメだった。 もっとも抵抗を感じたのは、”どアップで”、リアルな感情むき出し!で歌われる シーンの多いこと。ミュージカルという現実的ではない様式性と同時に、 超リアルな感情の”表出”(俳優の力量としては素晴らしいのだが・・・)が同居 する、というのは、これまでにないスタイルに思えたのだが・・・ ボロボロのアン・ハサウェイのどアップは、感情が同化して泣ける、という よりも、目を背けたくなるアクの強さ、心地悪さが先立ってしまい、胸焼けが してしまった。これと同様なシーンが随所に。 リアルな感情はあっていい。それなしで感動はない。でも、ミュージカルという スタイルで、ここまで”外側に”むき出しにしなくてもいいのではないか?  ここに抵抗を感じた人も多いのではないだろうか? 同様に、下水の汚さやその他、すべてが ”超リアル” なのだが、そうした 現実性と、台詞がすべて”歌”という様式性のミスマッチが最後まで違和感を 拭えなかった。 つい先日、ミュージカルは苦手!と語る知人がいて、なんてかわいそうな人だ、 と思ったのだが、その人の気持ちがわからないでもない気がしてしまった。 彼は音楽にほとんど興味がないからなのだが、今回の私の場合は、この作品 の旋律がまったく好みではないことが大きい気がした。 リチャード・ロジャースやガーシュインとはまた違うのだろうが、これほど 一遍たりとも、旋律に魅力を感じないミュージカルは初めてだった。 カメラワークも全体にグシャグシャとして、不要に転換が早かったり、暗くて なんだかわからなかったり・・・これほどの名作と言われている原作、一流の キャストでありながら、なんとも残念な鑑賞だった。 要は監督がミュージカルの監督ではないということが大きいのかもしれない (「英国王のスピーチ」は素晴らしかった)。試行錯誤に終始したのではないか? サシャ・バロン・コーエンとヘレナ・ボナム・カーターのテナルディエ夫妻が最も この世界観に違和感なく存在し、抵抗なく見れたと思うし、唯一面白かった。 舞台で、ぜひ観なおしてみたいと思う。
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[007]レ・ミゼラブル
 観応えあり!遊乃舞寧夢2016-10-26
 
二十年近くも食わず嫌いでいたのは実に不覚でした! 監督が「ペレ」のビレ・アウグストであるとも知らなかったし。 演技が素晴らしい。スターウォーズやバットマン、96時間・・・
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二十年近くも食わず嫌いでいたのは実に不覚でした! 監督が「ペレ」のビレ・アウグストであるとも知らなかったし。 演技が素晴らしい。スターウォーズやバットマン、96時間だの パイレーツだの、アクションやSFの娯楽作で活躍のハリウッド俳優 たちの底力、こうした古典文学でも見事に演じきれる本来の姿?を 観ることができるのが嬉しい。 リーアム・ニーソンとジェフリー・ラッシュ・・・実力ピカイチのオスカー俳優 二人ががっぷり四つに組んだ演技で火花を散らしまくって堪能させてくれ たので、原作の割愛も、仏文学が英語劇になってることも気にならず満腹。 ユマ・サーマンも「パルプ・フィクション」や「キル・ビル」の女丈夫?と同じ人 とは思えない薄幸の女ぶり。幼い娘(コゼット)への必死の思いがヒシヒシと 伝わり、こういう役をもっと演じてほしいと思いました。 オープニングからラストまで、アウグスト監督ならではのコクと品格のある 映像も味わい深く、久々に見応えのある作品、ああ、映画を観た!という 思いにさせてもらえたのでした。 PS.個性派トビー・ジョーンズが1シーンだけ、裁判所の門番役で出演   (まだ出世前?)
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[008]ローン・レンジャー
 ポップコーンをほおばりつつ遊乃舞寧夢2016-09-27
 
明治のカールでもスコーンでもいいですが(笑)。 「J・エドガー」でのアーミー・ハマーの演技(ゲイのトルソン)が素晴らしかったので、 彼がまったく異なる役柄である、こ・・・
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明治のカールでもスコーンでもいいですが(笑)。 「J・エドガー」でのアーミー・ハマーの演技(ゲイのトルソン)が素晴らしかったので、 彼がまったく異なる役柄である、この西部劇のヒーローをどんなふうに演じるのか? という興味で鑑賞しました。 結果的には、当然ながら、社会派作品で実在の役人を演じたのとは、完全にモード が違い、彼の実力に触れる作品とは思えませんでしたが、クソマジメでおっちょこ ちょいなヒーローを演じる姿に、芸域の広さはよくわかりました。 予想外の収穫だったのは、「エリジオン」で小ぎれいなスーツ姿で冷酷なエリート を演じていたウィリアム・フィクトナーの、トントに追われる”悪霊”キャヴェンディッシュ 役・・・ボロボロの埃まみれの別人ぶり! さらには、カスター将軍のような、ヒゲの騎兵隊隊長を演じていたのが 「25時」でエドワード・ノートンの親友の株仲買人を好演していたバリー・ペッパーだった ことは、観終わってからキャストを調べるまで気づきませんでした。 そして、悪の黒幕レイサムを演じているトム・ウィルキンソンは、「グローリー・明日への 行進」ではジョンソン大統領を演じており、これはなるほど、のキャスティング。 と、ジョニー・デップのコスプレよりも、脇役たちのキャラクター造りが光ってました。 現代技術で描かれた活動写真的でマンガチックなアクションの連続は、 「黒ヒゲ大旋風」のような昔のディズニー映画を彷彿とさせ、ニヤッとなりましたね。 余談ながら、ふと思ったのは、監督業をやめてしまったというリチャード・レスター(80年代 のスーパーマンシリーズ)が、今この作品で見られるような映像技術を使って、あのベタな ギャグをやってくれたらどんなだっただろう??という興味でした。 と、同時に、現代のCG技術は ”なんでもできてしまう” ことが落とし穴であることも あらためて。 理屈抜きで、ポップコーンをほおばりながら観るべき映画の典型ではありますが・・・ 資源のために好んで戦争を起こそうとする黒幕、という悪役設定は現実をチクリと。 昔から少数派ではありながら、先住民側に感情移入した作品はありましたが、こういう 娯楽に徹した作品でもそれが当たり前になっているあたり、アメリカの反省がにじんでいる というのは、考えすぎでしょうか・・・でも、マーロン・ブランドとも懇意だったジョニー・デップが プロデューサーにも名を連ねているあたり、そうでもないのかも。
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[009]スコア
 声が”ねずみ男”のマーロン・ブランド遊乃舞寧夢2016-09-12
 【ネタバレ注意】
・・・が、日本語版で見れます!! 後半、久々に、とてもハラハラしました。 で、ビル掃除のダニーが殺されないでホッとしました。 ジャック=ノートン曰く「ヨーアグッドマ・・・
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・・・が、日本語版で見れます!! 後半、久々に、とてもハラハラしました。 で、ビル掃除のダニーが殺されないでホッとしました。 ジャック=ノートン曰く「ヨーアグッドマン、ソー、アイドンワナハーチュー」 これがイジワルな上司だったら・・・部下にやさしく接して命拾いしました。 演じるポール・ソールズさん、ほぼ半世紀前にはテレビアニメのスパイダー マンだったそうですから、老いてもそう簡単には殺されません! 声優でもある監督(セサミのグローバー!)つながりでしょうか? このダニーと働いてる間中、身障者を装ってたジャック=エドワード・ノートン は、なんて努力家なんでしょう。かなりご苦労なことですが、きっとそういう ことが好きな人なんでしょうね。デニーロとのファーストコンタクトも、わざわざ このキャラだったし。ダニーによくバレませんでした。立派です。 マーロン・ブランドは声はねずみ男(日本語版)だし、関取みたいに太ってるし、 カンペ視線に注意してましたが、どうやらデニーロとの会話は全部アドリブとの ことなので、カンペはいらなかったようですね。 デニーロと並ぶ姿には、ああ!ビトー・コルレオーネ、晩年と若き日が対面! 「リベンジマッチ」での、 ロッキーVSレイジングブル に匹敵するお楽しみ でした。 しかし、デ・ニーロ 最近、出演作多すぎませんか(2013年は6本!) テレビのない時代の製作ペースのごとし。
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[010]J・エドガー
 トルソンの乙女心!ディカプリオの自意識遊乃舞寧夢2016-09-07
 【ネタバレ注意】
最も印象に残ったのは、フーヴァーとその片腕トルソンの”二人の休暇”のシーン。 楽しかった競馬が終わり、ホテルでガウン姿でくつろいで、グラスの酒を傾ける・・・ドキドキ! ・・・
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最も印象に残ったのは、フーヴァーとその片腕トルソンの”二人の休暇”のシーン。 楽しかった競馬が終わり、ホテルでガウン姿でくつろいで、グラスの酒を傾ける・・・ドキドキ! と、そこでフーヴァーが口にするのは、”他の女” との結婚話!なんと無情な! こわばるトルソンの表情・・・意に介せずその話を進めるフーヴァー、なんと意地の悪い! すると、忠実な部下だったトルソンが、別人のように荒れ始め、嫉妬の嵐、爆発! その荒れ方、フーヴァーへの罵り方、怒りのぶつけ方・・・まさに傷ついた”乙女心”。 ”女”を怒らせると怖い!しかも身体は男、フーヴァーよりでかい。力でねじ伏せ、 無理やり!怒りのキーッス!! 「二度と僕の前で女友達の話をするな!」・・・ああ、なんてかわいい、愛おしい。 そう思わせてしまう、この演技、”女心” に溢れて見事! 出会いの面接の登場シーンから、これ、本物だろ?と思わせる物腰風貌だったが、 これが演技であるなら、演じるアーミー・ハマー、25歳にしてかなりの傑物かと。 転じて、主演のディカプリオ・・・どうしても ”少年っぽさ” が消えない。 様々の作品で、それを壊そうと 必死になっているかのような 自意識が どこか に漂ってしまう。上手いのだけど、いかにも賞をねらってるように思えてしまう。 タランティーノ監督「繋がれざる者」でも、熱演ながら、どこか、新進出世驀進中の クリストフ・ヴァルツに食われてなるものか!のような自意識からくる熱演に見えて しまい、結果、ヴァルツが得をしてしまったような(助演男優賞受賞)。 と、話は変わり、”極秘ファイル” ・・・同じようなものは、この国にもあるんでしょうね。 で、ある政治家が、ある勢力にとって、都合の悪い存在になると、 某週刊誌がそのファイルの内容をスキャンダルとして世に暴露! みんな同じことをしてたとしても、名指しで暴露されたが最後、葬り去られる。 週刊誌がたまたまスキャンダルをスクープした、というよりも、最初からファイル されていて、状況に応じて、それを引っ張りだして失脚させる、そういう仕組みなん だろう、と前から思っていましたが、この半世紀以上も前からのフーヴァーのやり方 を見て、これは確信になりました。 だから、政治家がスキャンダルで叩かれるときは、そのスキャンダルよりも、 なぜ、そのことが、そのタイミングで取りざたされたか?そこを見るべきなんだと。 しかし、この国はフーヴァーは誰なんだろう?どんな組織なんだろう? そして、フーヴァーと同じく、その人物も絶対に知られたくない”弱み”を有している のだろうか??
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[011]レッド・ライト
 ガックリ・・・遊乃舞寧夢2016-08-23
 【ネタバレ注意】
シガニー・ウィーバーとデ・ニーロの演技合戦に期待したら、直接対決 なしのまま、中盤でウィーバーがあっけなく死んでしまい、ガックリ・・・ (キリアンが頑張ってはいるけれ・・・
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シガニー・ウィーバーとデ・ニーロの演技合戦に期待したら、直接対決 なしのまま、中盤でウィーバーがあっけなく死んでしまい、ガックリ・・・ (キリアンが頑張ってはいるけれど)。 その後の展開も、意味深で気取った台詞や、冗長なパッセージ、 怖いというよりイラつくだけの演出が目立ち、途中でリタイアしたくなった。 最後までガマンし、ああ、なるほど、という落ちではあったが、デ・ニーロ の嘘を暴こうというキリアンがチンピラ用心棒(素顔丸出し)に ”ショーの真っ最中の劇場トイレ” で、器物を破壊しまくりながらボコボコにされるあたり、警備員くらいいる だろうに、「そりゃないだろう!?」で、助けも呼ばず、警察も呼ばず、 やられるままで劇場を後にするエンディングも腑に落ちず・・・。 スペイン出身の監督のようだが、不本意にハリウッド式娯楽映画を撮らされ たのではないか?という疑いとともに、なんとも中途半端で不消化な印象。
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[012]アメリカン・スナイパー
 中東開拓史の英雄遊乃舞寧夢2016-07-29
 
監督イーストウッドは、共和党支持者でありながらイラク戦争には 反対だったという。その微妙なポジションが反映した作品なのだが、 本作は、反戦色も多々ありながら、圧倒的・・・
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監督イーストウッドは、共和党支持者でありながらイラク戦争には 反対だったという。その微妙なポジションが反映した作品なのだが、 本作は、反戦色も多々ありながら、圧倒的に愛国精神が勝っている印象。 この主人公を、多くの仲間の命を救った!と、英雄視するのは、 原爆が多くの人命を救った、というアメリカ国内オンリーの視点と同様で、 そもそもこの戦争がなんのための戦いなのか?という問題を棚にあげていて 終始、共感できない気持ち悪さがつきまとった。 主人公は911のテレビ映像を見て、軍に志願するが、そもそもそれがイラクや フセインとは関係ない。石油会社の社長ブッシュと大株主の閣僚たち、そして 一握りのスーパーリッチ達の利権のための戦争である実態には一切触れてない 時点で、イーストウッド監督ともあろう者が、超おバカ作品「パールハーバー」に 仲間入りしてしまったかのようでもあり残念だ。 先住民虐殺の歴史を英雄譚にした昔の西部劇よろしく、「中東開拓史」とでも 副タイトルにつけてもいいかもしれない。 瀕死の状態でベッドに横たわる戦友に、「必ずお前の仇は討つ!」と篤い友情で 主人公は口にするが、それは侵略者アメリカと戦うイラク人も同じだろうに。 自分を売ろうとした同国人の幼い息子を容赦なくドリルで頭に穴を開けて殺害 するなど、いかにも武装勢力側を”鬼畜”として描くあたりも、無理に主人公に 感情移入させようという意図、あざとさを感じてしまった。 その鬼畜として描かれている彼らもどれだけの仲間や身内をアメリカに殺され てきたのか?その憎しみの理由にも目を向けたい。 イラク戦争を描くのであれば、冒頭に登場し、主人公をつかの間逡巡させた 爆弾を抱えた女と子供が、なぜ、あのような行動に至ったのか?何が彼らを そうさせたのか?そこから描いてもらいたい。 自由を守る?という言葉がどうイラク戦争に結びつくのか? いつイラクがアメリカに攻めてきたのか? 多様な民族の存在を一切無視し、西側大国の都合で国境を引き、傀儡国として 利益を吸い取ってきたことから生じた矛盾を武力で押さえつけようという国の 行為・・・これを美化し、支持することを ”愛国心” と呼ぶのであれば、それは なんと偽善と欺瞞に満ちたものであろう。 美しく荘厳に描かれれば描かれるほど、そうしたことを感じてしまう作品だった。 また別の視点として、国内のまったく普通の生活、庭に仲間が集まってのバー ベキューパーティー、スーパーでの買い物、平和な家族のありよう・・・そんな日常と、 海の向こうでの、殺し殺されの極限状態の戦争。 これらが今も ”同時進行” するアメリカという国の現状が描かれていることに注目 したい。今この日本で、集団的自衛権が容認され、日米合同演習が拡大されている ということは・・・これは近い未来の日本の姿でもありうるということだ。
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[013]君よ憤怒の河を渉れ
 うぬぬ!迷作の香り、C級アジアンテイスト遊乃舞寧夢2016-03-10
 
文学的なタイトルと、中国で大ヒットしたというエピソードから 何も知らずに、名作!?と、期待して鑑賞。 オープニングの男性スキャットの音楽から 「うぬぬ、こ、これは・・・・・
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文学的なタイトルと、中国で大ヒットしたというエピソードから 何も知らずに、名作!?と、期待して鑑賞。 オープニングの男性スキャットの音楽から 「うぬぬ、こ、これは・・・」的な ”迷作”の香りが。 そして「うぬぬ・・・」は「第三の男」を思い切りチープにしたような 音楽でステップ! ”ぬいぐるみの熊”に襲われているのを助けられたというだけで 男女の関係になってしまうほどの恋に落ちるラブシーンでジャンプ! 名優大滝秀治氏に「男には命をかけて飛ばなければならない時がある!」 と言われてしまえば、たとえ未経験でもセスナを操縦して飛ばざるをえない 男・健さんの悲哀が泣かせます。 途中20分ばかり寝てしまったんですが、まぁいいや、とそのまま 一応最後まで見届けました。 70年代、古き良き時代、ということで。
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[014]鍵泥棒のメソッド
 コメディの底を支えるリアリティ遊乃舞寧夢2016-03-04
 
メイン三人のキャラクター設定からして成功しており、ことに香川照之氏 演じるコンドウの徹底した几帳面さが終始、作品の底辺を支えておかしさ をにじませています! これと恋・・・
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メイン三人のキャラクター設定からして成功しており、ことに香川照之氏 演じるコンドウの徹底した几帳面さが終始、作品の底辺を支えておかしさ をにじませています! これと恋に落ちる広末涼子氏の編集長のいかにも世間知らずな一途さも 見事なキャラクター描写で、この二人のからむシーンはことごとく  ”笑わせようとしないからこそ面白い” のお手本のような演技でした。 堺雅人氏扮するダメ役者は、これに比べ、かなりデフォルメした演技ですが、バランスとしてはこれでOKかと。 コンドウと桜井の殺人劇のリハーサルシーン・・・ 「俺の中では感じていた!」 「どう見えるかが全てだろうが!」 の応酬はいかにも芝居の稽古で聞こえてきそうなやりとりで、むきになる ほど滑稽さが増す!ハイライトシーン。 荒川良々氏のヤクザのボスも配役の妙、意外なリアルさ。あの目はコワい。 日常の ”いかにもありそうな” これをリアルに再現するとき、 コメディになってしまうんですね。監督と俳優たちの力量を感じました。
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[015]サプライズ
 ダイハード家庭篇遊乃舞寧夢2016-02-09
 【ネタバレ注意】
これは「ダイハード」ですね。 舞台が大きなビルから人里離れた一軒屋に。 ヒーローならぬ若いヒロインが侵入者をバッタバッタとやっつける! ヒロインが一人で追い詰められた・・・
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これは「ダイハード」ですね。 舞台が大きなビルから人里離れた一軒屋に。 ヒーローならぬ若いヒロインが侵入者をバッタバッタとやっつける! ヒロインが一人で追い詰められたあたりは、「エイリアン」のようでも ありました。 監督のアダム・ウィンガードはこの作品を撮った当時、まだ二十代 の若さであることを考えると、かなりの才能、センスの持ち主かと。 なかなか楽しめました。 ラストは心配してたとうりに!!おまわりさん、災難!!
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[016]ブロードキャスト・ニュース
 不完全な人間と人間遊乃舞寧夢2016-01-17
 
長点もあれば欠点もある、不完全な人間・・・ 一方は、優秀なのに、正しいのに、人から受け入れられない。 一方は、欠点だらけで、自信もなく、時にはインチキも辞さないのに・・・
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長点もあれば欠点もある、不完全な人間・・・ 一方は、優秀なのに、正しいのに、人から受け入れられない。 一方は、欠点だらけで、自信もなく、時にはインチキも辞さないのに、 人気を得て出世していく・・・人生の皮肉。 後者を演じるウィリアム・ハートの人間くささ。 その思いやりからのウソで人を救うときも。 逆に、常に正論を主張しながら人を傷つけ続ける自分に悩む ホリー・ハンター。 自分の頭脳に絶対の自信を持ちながら、心の中で軽蔑する恋敵 の助けを必要とすることになるアルバート・ブルック。 そんな人間模様を愛おしく見つめ、笑いとともに描いて見せてくれる ジェームズ・L・ブルックス監督の手腕。シビアな現実を描きながらも、 観る者をほのぼのと暖かい気持ちにさせてくれます。 本番直前!編集にギリギリまで粘るホリー・ハンターから渡された ビデオをオンエアースタジオへ届けねば!と必死の形相でビル内を 駆け巡るジョーン・キューザックのコメディエンヌぶり、出色にして 絶妙な脇役としての存在感。 クビを言い渡され、売れっ子アンカーのジャック・ニコルソンと顔を 合わせたときの数秒のアップの表情・・・かつてのこの男との関係が 色濃く漂い見事でした。 メイン三人はもちろん好演でしたが、脇役もみな光ってます。
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[017]カイジ 人生逆転ゲーム
 これで演技派??遊乃舞寧夢2016-01-05
 
主演者にいっさい偏見はなかったものの・・・ 熱く力んで感情的になって台詞がボロボロ・・・これは俳優初心者 にありがちな典型・・・これで演技派と称されるのであれば、日・・・
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主演者にいっさい偏見はなかったものの・・・ 熱く力んで感情的になって台詞がボロボロ・・・これは俳優初心者 にありがちな典型・・・これで演技派と称されるのであれば、日本演技界 のレベルはいったい? 冒頭から最後まで、力んで力んで熱くなっての繰り返し・・・ 主演者ばかりか、負け組?演者のほとんど、叫ぶべくして叫ぶ、熱くなる べくして熱くなる・・・そんな演技のオンパレード。 テンションのためのテンション・・・もう卒業しましょうよ。 渡り橋?の無理なシチュエーションは別として、光石研氏の落ち着いた 演技、松尾スズキ氏の自然な胡散臭さが救いでした。
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[018]ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘
 小さな町の映画館にて遊乃舞寧夢2015-02-26
 
中野の今はなき小さな”町の映画館”、怪獣ブーム真っ只中、 ビートルズが来日した年のクリスマス作品だったんですね。 その頃、リアルタイムで観たっきりですが、キャストを見る・・・
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中野の今はなき小さな”町の映画館”、怪獣ブーム真っ只中、 ビートルズが来日した年のクリスマス作品だったんですね。 その頃、リアルタイムで観たっきりですが、キャストを見ると・・・ わぁ、「素晴らしき日曜日」の主演だった中北千枝子さんが出てる! 黒澤作品常連の沢村いき雄さんはインファント島民、いかにも(笑)! 冒頭に登場するというイタコを演じてる本間文子さんは、あの 「羅生門」で巫女を演じてた女優というキャスティングの妙! おなじみのメインの顔ぶれ以外に、脇役に目をやると、 隅々まで東宝ならではのカラーが詰まっていたことが見て取れます。 そんな名作に出ていた人たちが、子供たちのためにお仕事してくれて たんだなぁ、と、感慨。 他の方のコメントでは、モスラは寝てるだけ?だったそうですが、 たぶん、飛ばすのが大変だったんでしょう(笑)。 でも、海の対決というシーンでの水がらみの撮影はウルトラマンの 着ぐるみに入っていた古谷敏さんの話では、一番大変だったそうです から、それで手一杯だったのでしょうね。 いずれ、ほのぼのと、見直してみたい気持ちにかられます。
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[019]ソルジャー・ボーイ
 拾いものの佳作!遊乃舞寧夢2015-02-24
 【ネタバレ注意】
レンタル店で見かけるまで、まったく知らなかった作品。 ”なんとなく”パッケージとコピーに惹かれた予感はアタリ! 70年代ニューシネマの匂いと味わいに溢れていて、 ベトナ・・・
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レンタル店で見かけるまで、まったく知らなかった作品。 ”なんとなく”パッケージとコピーに惹かれた予感はアタリ! 70年代ニューシネマの匂いと味わいに溢れていて、 ベトナム帰りの主人公たちにさりげなく漂う不安定さ、そして 当時のアメリカの田舎町や市井の人々がリアルに描かれ、 場面転換のカントリーミュージックも雰囲気を醸し出す。 最初、古いビデオを起こしたような画質に閉口しかかったのだが、 作品世界にどんどん引き込まれて気にならなくなった。 主演のジョー・ドン・ベイカーは007の悪役で知っていたが、 この作品の演技の方が数段いい。調べたら、アクターズスタジオ出身の 実力派だった。役者の本領はこういうごまかしの効かない地味な作品の 方が問われるのかもしれない。 祖国に帰って普通の青年に戻っていたはずの主人公らが、ふとした きっかけで体に染み込んだ兵士の性(さが)を爆発させてしまうラストは 、皮肉なメッセージにあふれている。彼らの行為は、ベトナムで英雄と して繰り返してきたこととなんら変わらないのだから。
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[020]駅馬車
 アクションと人間ドラマの両立遊乃舞寧夢2014-05-02
 
この作品が世に出てから75年経った今、初めて観ました。 疾走しながらのインディアン襲撃シーンが売りのアクション映画の古典 かと思っていたのですが、それだけではありませ・・・
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この作品が世に出てから75年経った今、初めて観ました。 疾走しながらのインディアン襲撃シーンが売りのアクション映画の古典 かと思っていたのですが、それだけではありませんでした! 個性的で魅力的な登場人物たちの群像劇としての秀作であり、その後の 作品にその意味でも、かなりの影響を残した作品であると知りました。 賑やかな御者、飲んだくれの医師、怪しげな賭博師、心やさしい娼婦、 給与横領の銀行家、毅然とした大尉夫人、気弱な酒の販売人、 実直な保安官と、それに追われるお尋ね者リンゴ・キッド(若きジョン・ ウェイン) ・・・まったく性格も、それぞれの目的も異なる彼らがひとつの駅馬車に 乗り合わせ、利害の衝突が起き、そして、アパッチの襲撃という共通の 危機に見舞われ、その中で起きる人間ドラマを監督ジョン・フォードは 丁寧に描いて見せてくれます。 個性的な登場人物たちの群像劇とアクションの融合、という点で、 黒澤明監督「七人の侍」あたりも、おおいに影響されてるのでしょうか。 私がすぐに思い出したのは、元祖パニック映画「ポセイドン・アドベンチャー」 (70年代オリジナル版)でした。転覆した船の中で生き残った、やはり 個性豊かな登場人物たちがそれぞれに背負ったドラマのぶつかり合いの 中での脱出劇。 ことにこの中のレッド・バトンズ扮する雑貨商のキャラクターは、当作品で ドナルド・ミーク演じる気弱だが良識あふれる酒屋とよく似ています。また、アーネスト・ボーグナイン演じる気の荒い刑事の妻は元娼婦だったり・・・ おそらくは、こうした後の作品の手本とされてきてるのが、この「駅馬車」 だったんですね。 アカデミー助演男優賞を獲ったトーマス・ミッチェルは、登場時はなんだか オーバーな演技をする役者だな、と思いましたが、じわじわとその人間味に 魅かれていきました。賭博師のジョン・キャラダイン、酒屋のドナルド・ミーク、 御者のアンディ・ディバイン・・・どの役者も、他の出演作を観たくなり、 若いジョン・ウェイン以上の存在感と魅力に溢れていました。 アクションとしてもよし、人間ドラマとしてもよし。 ことに人物描写に優れているということが、名作として残り、何年経っても 色あせない条件なのだろうと、この「駅馬車」を観てあらためて思いました。
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[021]運が良けりゃ
 個性的なキャストたち!遊乃舞寧夢2014-04-27
 
子供の頃、大好きだったクレージーキャッツのメンバー、 メインのハナ肇(熊)、犬塚弘(八)、桜井センリ・・・もともと ジャズミュージシャンだった彼らの演技は今観ると? ・・・
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子供の頃、大好きだったクレージーキャッツのメンバー、 メインのハナ肇(熊)、犬塚弘(八)、桜井センリ・・・もともと ジャズミュージシャンだった彼らの演技は今観ると? と、そんな興味で観始めましたが、いや、今観ても実に面白い! そして上手い。ミュージシャンならではのリズム感、間のよさ、 それがコメディーのテンポを小気味よく作り出しているように 思えました。 犬塚氏の著書によれば、当時はまだ演技に開眼しきっておらず、 監督の言うがままに演じていたとのことだったのですが、そんな ぎこちなさは微塵も感じさせません。すでにライブや当時のテレビ の”生中継”、その他で百戦錬磨、表現力そのものが鍛え抜かれ ていたんですね。主演のハナ肇氏は、ブルーリボン賞獲得とのこと。 さらに、花沢徳衛、砂塚秀夫、穂積隆信、江幡高志、武智豊子 ら、実に個性豊かで味のある脇役達が、江戸町人達の生命力、 バイタリティーを体現し、画面にみなぎらせています。 ことに砂塚秀夫氏の、金持ちのボンボンぶり、ちょっとオカマっぽい 身のこなしや台詞回しが非常に印象的でしたが、プロフィールに よれば、歌舞伎や日本舞踊にかなりの心得がある俳優とのことで、 勢いだけのコミカル演技にはない存在感を醸し出してました。 花沢徳衛氏演ずる大屋も、一筋縄でいかない店子達に対する 苛立ちと、彼らへの思いやりの板ばさみの心情をリアルに、かつ コミカルに表現し、いい俳優さんだったんだなと、あらためて実感。 1シーンのみ火葬場の人夫役で出演の渥美清氏は他作品では 見たことのない陰気なキャラクターを工夫しつつ、やっぱり面白い。 今思えば、ハナ肇との絡みというのも、贅沢な共演です。 若き日の賠償千恵子氏(可憐!)も当時から的確な表現力のある 女優だったんですね・・・と、とにかく、個性的な俳優達の演技と 存在感で、半世紀近く前の作品ながら実に楽しめました。 汚れた長屋の美術、高羽哲夫のキャメラワーク、そうした映画として の要素も実に丁寧に造り込まれており、さほど有名とは思えない当作 ながら、初期にして山田洋次監督の手腕を感じずにいられません。
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[022]グレート・ウォーリアーズ
 フランス版アテルイ?遊乃舞寧夢2014-02-24
 
アクション映画としては非常に地味ながら、シーザーのガリア遠征を 描いている史劇としては一見の価値がありました。 まだ未開の地に近い紀元前のヨーロッパ、ガリア地方(今・・・
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アクション映画としては非常に地味ながら、シーザーのガリア遠征を 描いている史劇としては一見の価値がありました。 まだ未開の地に近い紀元前のヨーロッパ、ガリア地方(今のフランス)や、 そこに住む蛮族といった風体の、様々の部族の様子など、よく描かれて いましたし、その部族を統一してシーザーに立ち向かった主人公のことは、 この作品で初めて知りました。 シーザーに扮するクラウス・マリア・ブランダウアー、登場してすぐは小柄で パッとしない容姿に、え?これがシーザー??と思ってしまったのですが、 物語が進むうち、軍師としての狡猾さ、冷徹さ、プライドの高さ、など見事に 体現している演技に引き込まれました。 こうしてローマの領土を広げるシーザーを見ていると、なんだか日本の 織田信長に似ているな、と思ってみたりも(ちょっと登場するブルータスは、 明智光秀か)。して、クリストファー・ランバート扮するウェルキンなんとかなる 英雄は、東北征伐の朝廷軍に歯向かったアテルイといったところか? 歴史って、同じようなこと繰り返してるんですね。 名優マックス・フォン・シドーも出演していますが、これは今ひとつ、物語に 食い込んでこない役柄で残念。スターウォーズのアレック・ギネスばりに活躍 して欲しいところでした。
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[023]
 優れた心理描写、ナチス少年兵たちの悲劇遊乃舞寧夢2013-11-23
 
 ハリウッド作品でのナチス兵といえば、主人公の連合軍側にバッタバッタと 倒される、”その他大勢の悪役、仇役” として登場することが殆どですが・・・ この作品は、ナチス・・・
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 ハリウッド作品でのナチス兵といえば、主人公の連合軍側にバッタバッタと 倒される、”その他大勢の悪役、仇役” として登場することが殆どですが・・・ この作品は、ナチス軍の側から戦争の悲劇を描いている珍しい作品。 しかも16歳の少年兵達が主人公。多くの映画で加害者としてばかり描かれる ナチスの内部にも、沖縄・鉄血勤皇隊の中学生やひめゆり部隊のような悲劇 が存在していたのであろうことに、まずハッとさせられました。 前半、敗戦に追い込まれつつあるドイツの田舎での、主人公の少年達の ごく普通の思春期のありさま、無邪気さが丁寧に描かれ、それが布石となり、 後半で召集され、戦闘に追い込まれる彼らへの感情移入が否応なく高まります。 戦争の実態を知らない若者が血気に走り、いざ戦闘となったときに体験する 死の極限状態を、リアルに描いてる点で「西部戦線異状なし」にも共通し、かつ 劣らないものを感じました。モノクロの地味な映像なのに、「プライベートライアン」 以降の現代の超リアル戦闘描写にも劣らない、それ以上の緊迫感が伝わりました。 こけおどしの映像の派手さではなく、これは戦闘状態に追い込まれた少年達の 心理描写が非常に優れていることからくるリアリティであったと思います。 姿を現さない戦車の音だけが延々と続き、固唾を呑む少年達の下り、 少年に撃たれた米兵が、目の前ではらわたを押さえながら苦しむ描写など、 スピルバーグ監督はこれへのオマージュとして「プライベートライアン」を 撮ったのであろうことが想像されました。 作風は異なりますが、「鉄道員」(伊)や「わんぱく戦争」あたりの同時代(1960年 前後)の作品と共通するモノクロ映像とドラマの味わい深さに久々に触れ、こんな 傑作があったと今まで知らなかったことが不覚です。 ベルンハルト・ヴィッキは「史上最大の作戦」のドイツ側を描いた監督とのこと ですが、この「橋」の方が、数段素晴らしく、本領発揮のようです。 (解説の星ふたつは、あまりにも・・・)
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[024]マン・オブ・スティール
 悩める星条旗、悩めるスーパーマン遊乃舞寧夢2013-10-02
 
以下、感想。 * 早すぎる! なんとも目まぐるしいアクションの連続で、少々疲れました。 時代の要求するスピード感なのかもしれませんが。 実は20年ぶりに「アラビアのロ・・・
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以下、感想。 * 早すぎる! なんとも目まぐるしいアクションの連続で、少々疲れました。 時代の要求するスピード感なのかもしれませんが。 実は20年ぶりに「アラビアのロレンス」を鑑賞した直後だけになおさら(笑)。 * シリアス&ナチュラル 会話のほとんどがことさら淡々としていて、これも時代の要求する リアリズムなんでしょうか?いささか眠くなる時が幾度か。 努力しながら観るような作品でもなし。 * 戦い方が単調 最先端CG映像によるド派手な戦闘シーンが後半盛りだくさんですが、 体当たり!・・・吹っ飛ぶ!・・・建造物にドカン、ドカン、ドカーン!と 突き抜けていく!! というパターンがほとんどで、映像技術の割りに格闘そのものが、 あまりに単調で、力道山時代のプロレスほどにも技がないのが残念。 ぶちかまし!それが戦いの原点?この辺りはザック・スナイダー監督 のセンス?も少し、ソフト面を研究してほしかった。 それにしても、これだけノーラン監督的な理屈がこねくり回されると、 地球の重力、磁場、大気の構成まで変えてしまう科学力をもった 異星人どうしが・・・ なんで ぶん殴り合いなの!? という疑問は湧きます(笑)。胸の”エス”の文字までリアルに意味づけ するなら、この根源的な疑問にノーランさんがどう答えるのか、聞いてみたい! なんだかんだ言っても、スクリーンの中で展開してるのは、 アラレちゃんの世界でしかないわけで(ゴン!と殴れば、地球の反対まで 突き抜けて吹っ飛んじゃう!)、すべてはシリアルを装ったギャグ!なのかも。 ことに、酒場でウェイターのバイト?をしてるクラークが、トラックの運ちゃん にからまれた後、無言で立ち去るあたり、さすが!大人じゃん、と思いきや 実は、そこまでやる!?という過剰な報復をしていたあたり、思わず 笑ってしまいました。 相手に気づかれずにこんなことするあたり、 ノーラン版スーパーマンのネクラぶりが象徴されてます。 (あれはあれで明らかに器物破損罪!) * 知ってる人しか助けない 今回、見終わって、なにかしっくりしない感じがした最大の原因は、 ゾッド将軍との都会を破壊しまくりながらの大乱闘(911テロの被害が 彷彿とされる・・・)の最中、スーパーマンが救うのはメインキャストの 知り合い数人と、ラストの一家だけで、崩れ落ちるビルの下敷きになって るであろう無数の人たちを救うシーンが一切なかったことです。 これでは、地球に私闘を持ち込んだだけなんじゃないか?の疑問が湧き、 素直に「ありがとう!スーパーマン!」と言えません。80年代のクリストファー リーヴ氏のスーパーマンの場合は、ひたすら人々を気遣いながら戦っており、 助けたバスの乗客たちに笑顔で手を振るサービスまであって、これはこれで、 「そんな場合か!?」と思ったものでしたが(笑)。 * ひとつの結論 ひとつには、理屈が増えれば増えるほど、疑問も増えるという循環・・・ スナイダー監督はともかく、ノーランさんは、こういうアメコミものを扱うのは 本当は気恥ずかしくてしかたないんじゃないか!? いいんですよ、ノーランさん、マンガはマンガで。理屈は要りません! 赤いパンツはいて、シンプルな正義のために タッタカター!でいいんですよ。 胸のエスの字は、スーパーマンだから、エスなんですよ! と、言いたいと同時に・・・ 都市の破壊のされ方、逃げ惑う人々の表情に、明らかに911テロの悪夢が 重なり、その後のアフガン爆撃、イラク戦争という記憶に新しい世相もあり、 そんなノー天気なヒーローを描ける時代ではなくなってしまったのかもしれません。 ゾッド将軍の戦闘行為にも、クリプトン星人の復活という大義名分が存在し、 これを粉砕したスーパーマンには、地球人だけが助かればそれでいいのか? というウルトラセブン的な疑問は残り・・・ ありがとう、スーパーマン!! と、単純に叫ぶことが許されない時代にあるのも確かなんですね。 悩めるバットマンも、悩めるスーパーマンも、悩めるアメリカの象徴なんでしょう。 単純な正義を振りかざすことの 危険さ が明らかとなってしまった現代、 実にヒーローというものが描きにくくなっているのかもしれません。 それを思えば、アイアンマンにおける、軍需産業の企業家が改心?した トニー・スタークというキャラクターが、時代に無理なく存在し、皮肉とユーモア たっぷりにイキイキとしているのが対象的です。 2015年には、バットマンVSスーパーマン? ネクラ対決になるんでしょうか。 アイアンマンにも登場して、この二人をからかって欲しいところです(笑)。
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[025]シリアナ
 超リアリズムと退屈は紙一重遊乃舞寧夢2013-08-28
 
この作品が公開された2005年と言えば、イラク戦争真っ只中(アホブッシュの 勝手な終結宣言は別として)、アメリカでも日本でも テロとの戦い!という大ウソ が、メディア・・・
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この作品が公開された2005年と言えば、イラク戦争真っ只中(アホブッシュの 勝手な終結宣言は別として)、アメリカでも日本でも テロとの戦い!という大ウソ が、メディアで当たり前のように連呼されていた時期。 その最中に、この内容の作品が公開された意味はあまりに大きい。 が、しかし!  あまりにも分かりにくい!! せっかくこうして、アメリカという大国が何を動機に動き、その目的を達するために どんな行動をも辞さない国であるかを描いても、”テロとの戦い”というスローガンの 分かりやすさの前には、簡単に霞んでしまうことでしょう。 ひょっとすると、分かりにくくすることを条件に製作が許されたのではないか!? と、変な疑いすら浮かんでしまうほど、客への説明、サービスは排除されてます。 監督のスティーブン・ギャガンという人は、偶然、これの直前に観た2004年製作の 「アラモ」の脚本を担当している人でしたが、この「シリアナ」と共通してるのは、 徹底したリアリズム ということでした。ことに「アラモ」は50数年前のジョン・ウェイン監督(!)による、 史実ながら、いかにも”娯楽劇映画” に脚色演出されたバージョンが存在しており、 そのコンセプトの違いが、時代によるもの以上に大きいのが印象的でした。 この「シリアナ」でも、暗殺の指令など、いかにもサラッと短時間にヒソヒソ話で 終わってしまい、ボーッとしてると見逃してしまいそう。このシーンに象徴される ように、 すべてが淡々としている(テロとの戦いならぬ、眠気との戦いがここに!)。 現実はそんなものだろうから、それに出来るだけ近づけようとしたのでしょう。 娯楽の色合いが薄いのは、内容からしても意図したもの、監督の志向性に よるものとは思いますが・・・ この告発的内容が「エネミー・オブ・アメリカ」くらいの分かりやすさ、娯楽性の中で、 より多くの大衆にアピールできたら!と思わずにいられない、というのが最も強く 感じるところでした。社会派作品の難しいところでしょうね。 極端な例かも知れませんが、こうしたシビアな内容と、徹底した娯楽性を 同居両立させたのが チャップリンだったと思うと、その凄さをあらためて感じ入る のでした。
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[026]源氏物語 千年の謎
 やっぱり角川遊乃舞寧夢2013-07-23
 
なにはともあれ演技がひどい。含みもなにも一切なし。 間のもたない安っぽい演出。低いテンション・・・作品世界の奥ゆかしさ とは明らかに違う。 様式的な世界にもかかわらず・・・
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なにはともあれ演技がひどい。含みもなにも一切なし。 間のもたない安っぽい演出。低いテンション・・・作品世界の奥ゆかしさ とは明らかに違う。 様式的な世界にもかかわらず、ろくに発声も出来ていない役者が ショボショボと台詞を口にするので間がもたない。 角川映画の伝統なのか?カメラと演技の一体感のなさ。空間が隙間だらけ。 映画として成立していない。 絢爛豪華に、湯水のように金を使いまくった素人映画の趣。 この作品が肌に合わないことを古典文学の敷居の高さと勘違いして 批判を遠慮するのは間違い。古典をエンターテインメント化して間口を広げる ことには賛成ながら、これは逆効果にしかならないだろう。 たくさんの映画を観てきて、ほとんど初めてのことだが、途中でリタイアした。 これに136分つきあうのはたまらない。
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[027]孫文-100年先を見た男-
 孫文・昼メロ版遊乃舞寧夢2013-06-12
 
冒頭、”角川” のマークが登場、「しまった!!」と思ったのは案の定、 滅多にやらない禁じ手、”必殺早送り” をせずにはいられない、けだるいシーン の連続。なんら感情移入の・・・
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冒頭、”角川” のマークが登場、「しまった!!」と思ったのは案の定、 滅多にやらない禁じ手、”必殺早送り” をせずにはいられない、けだるいシーン の連続。なんら感情移入の余地もなし。 物語の中心は、孫文のスポンサーである資産家の娘の昼メロのごとき恋愛 模様。ハッキリ言って、誰なのこの女?の感、拭えず。かわいいけど。 孫文にまつわる史劇を期待してしまっただけに、この内容にはガックリ。 袁世凱も西太后も登場しない。演出も凡庸で歯切れ悪し、カメラも映えない。 盛り上がる(はずの)ところが、一切盛り上がらない。 史劇にまつわる部分は、冒頭とラストに字幕テロップのみ・・・。 人間・孫文を見せるにしても、まったく薄い。すべてがテレビの昼メロレベル。 にもかかわらず、登場人物の説明が不親切でわかりにくい。 ふと、監督の実態は角川春樹氏なのでは?と勘ぐりが浮かぶ(アマチュア臭が ところどころ)。最後までガマンして残ったのは、二時間を失った極度の空しさ。
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[028]孫文の義士団
 ドラマも充実遊乃舞寧夢2013-05-27
 【ネタバレ注意】
とかくドラマ部分がとってつけたような時間稼ぎに終わることが多いこの手の作品ですが、 この「孫文の義士団」は、ドラマとしても見ごたえのあるものになってました。 ことに・・・
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とかくドラマ部分がとってつけたような時間稼ぎに終わることが多いこの手の作品ですが、 この「孫文の義士団」は、ドラマとしても見ごたえのあるものになってました。 ことに、革命運動を影で支えながら、自分の一人息子だけは絶対にそれに関わらせ まいとする大商人を演じたワン・シュエチー、その願いを汲もうとしながらも、この息子 を孫文の影武者にせざるをえなくなる運動の中心人物レオン・カーフェイ・・・この二人 の演技がドラマを支え、重厚なものにしています。 大商人に仕える素朴な車夫を演じたニコラス・ツェーはじめ、他の登場人物一人一人の 境遇、エピソードも細やかに描かれ、ここまで全員が魅力的な存在になっている作品も 珍しいくらいかと。敵役の暗殺団首領やその手下までもが、実に存在感に溢れています。 演出も非常にテンポよく、大衆的でありながらも映画的な手法にあふれ、監督テディ・ チャンという人の技量を感じました。「戦艦ポチョムキン」の有名シーンのオマージュが出て くるあたり、本当に映画が好きでしょうがない人なんだな!と。 アクションシーンは言うまでもなく、充実したエンターテインメントでした。 義和団事件、北清事変など、この物語の少し前(1900年前後)の史実・・・半植民地状態 で混乱していた当時の中国の状況など知っておくと、より楽しめると思います。
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[029]私は貝になりたい
 黒澤組による作品だったんですね遊乃舞寧夢2013-05-21
 【ネタバレ注意】
幼少の頃、テレビで見て強烈な印象のあった作品です。 (同時期に映画版とテレビ版とあったようですが、いずれもフランキー堺主演。 ほとんど同じ内容のようです) ことにGH・・・
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幼少の頃、テレビで見て強烈な印象のあった作品です。 (同時期に映画版とテレビ版とあったようですが、いずれもフランキー堺主演。 ほとんど同じ内容のようです) ことにGHQによる裁判で、戦犯となった主人公と、裁判官、検事との全くかみ合わない 質疑など、子供ながらに主人公のやりきれなさをヒシヒシ感じた記憶がクッキリと蘇ります。 「あなたのキモチ、そのメイレイ(米兵を銃剣で刺す)を、正しいことだと思いましたか?」 「正しいも何も!上官の命令は天皇陛下の命令なんです!」 「あなたは、テンノウに会ったのですか?」 「!*#&$?」 ・・・・。 民主国家のアメリカ人に、日本の封建的な軍隊の有り様がまったく理解されない下り。 初年兵の訓練として、木にしばりつけた敵兵(中国では民間人も・・・)を銃剣で刺し殺す! ということは実際に行われたことですし、まるで運動会のように競って切りまくるような例まで あったことを伝える当時の文献も目にしました。この物語の床屋を本業とする二等兵は、明らか に嫌々、目をつぶりながら夢中で命令に従っただけでしたが、実際の多くはそんなものだった ことでしょう。 狂気の沙汰・・・これが国家の命令系統で行われていたとは・・・でも、それが戦争というもの。 主人公は、10年間の拘束ののち死刑を執行されますが、私の幼馴染に、父親が戦犯として 8年間を刑務所で過ごしたという方がいました。韓国から帰化された方でしたが、日本軍に入隊 し、人並み以上に貢献すれば日本人として対等に扱ってもらえる、ということがあったそうです。 何があって戦犯となってしまったのか?・・・・それはいっさい聞いていませんが。 しかし、こうして上官の命令に従った結果、戦争が終わってからも、戦犯として長い年月を 刑務所で過ごすことになったという人たちは実際に大勢いるんですね。 真っ先に絞首刑となった隊長(演・藤田進)が、自衛隊の前身、警察予備隊の発足について 木訥と語る台詞が印象的でした。 「私は今度の新しい憲法でもっともいいと思ったのは、二度と軍備を持たないとしたことだと 思うんだがねぇ。はたして民主的な軍隊などありえるものだろうか?」 自ら、殺し殺され、という状況を体験した者でこそ、この隊長のように思うであろうことは想像に 難くありません。イラク戦争時のブッシュ政権でも、最も戦争に消極的、最後まで反対だったのは、 実戦(ベトナム)経験者のパウエル国務長官(当時)だったと聞きます・・・かつて徴兵から逃げた ブッシュ大統領自身が最も積極的だったというのも、逆もまた真なり。 実際に、絞首刑になった下級戦犯がいたかどうかは知りませんが、この物語はフィクションで ありながらも、戦争当時のたくさんの日本人の真実の思いが込められ、託された名作であり、 原作、監督・橋本忍、撮影・中井朝一、美術・村木与四郎・・・黒澤組スタッフや常連の俳優も こぞって出演、日本映画全盛時の水準を保つ一作です。
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[030]樺太 1945年 夏 氷雪の門
 これが戦争遊乃舞寧夢2013-05-19
 
無条件降伏後にかかわらず、ソ連からの攻撃を受けながら、最後まで 職務を全うし、命を失った電話交換手の若い女性たち・・・知りませんでした。 たまたまですが、「カティン・・・
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無条件降伏後にかかわらず、ソ連からの攻撃を受けながら、最後まで 職務を全うし、命を失った電話交換手の若い女性たち・・・知りませんでした。 たまたまですが、「カティンの森」と、この作品を立て続けに観ました。 この作品で描かれる樺太で起きたことと供に、スターリン支配下のソ連軍の 仕業に戦慄を覚える限りですが・・・ 肝心なことは、これらが戦争であり、軍隊というものだ、ということでしょう。 ナチスドイツの戦争犯罪は言うまでも無く、しかし、どこの国が、どこの軍隊が、 ということよりも、これが戦争なのだ、と、あらためて思わされます。 ここで描かれる何倍ものことを、日本とても大陸でしてきたのでしょう。 要は、殺して奪う、戦争とはそういうものなのだ、という一例がここに。 そこには正義も大儀も、卑怯もへったくれもありません。 いかに 効率よく殺して奪うか、それが全てなのは、どこの国も同じ。 このときのソ連の行状は、ヤルタ会談において、アメリカほかも承服していた とのことですから、個人的な感情は別として、この映画の樺太の一件をみて、 だからソ連がどうこうと、言っても始まらない気がします。 戦争の悲劇を語るとき、大事なことは、誰が誰をひどい目にあわせた、という 被害者としての自国を語るに終わらず、その本質を見極めることだと思うのです。 この作品は、それを感ずるに十分なものであると思いました。 若い命を散らせた女性たち、樺太の地で亡くなった方達のご冥福を、 68年後の現在から祈るばかりです。
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