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 「遊乃舞寧夢」さんのコメント一覧 登録数(146件)rss
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[001]キャット・バルー
 お茶目なリー・マーヴィン遊乃舞寧夢2019-04-15
 
DVDのパッケージには“コメディ”という言葉は一言もなく、シリアスな復讐劇であるかのようなあらすじ が書いてあるだけ。だものだから、冒頭のバンジョーを抱えた二人(ナット・・・・
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DVDのパッケージには“コメディ”という言葉は一言もなく、シリアスな復讐劇であるかのようなあらすじ が書いてあるだけ。だものだから、冒頭のバンジョーを抱えた二人(ナット・キング・コール&スタッビー ・ケイ)の古風で楽し気な歌から意表をつかれた!リー・マーヴィンは予想どうり、強面の敵役で登場した と思ったら・・・なんと、二役でアル中のヨレヨレガンマンとしても登場。こちらは完全なコミカル演技! 「リバティバランスを撃った男」他、の悪役のイメージしか知らなかったので、これも意外。 しかもこちらの方が、本人の素に近いのか?と思えるくらい芸達者で、悪役をやってる時より魅力的、 チャーミング。これだけで観ていて嬉しくなった。W主演のジェーン・フォンダも70年代以降の社会派 のイメージが強かったが、可憐なセクシーアイドル時代?の姿を初めて観れた。 実は直前に観たのが、スコセッシ監督がミュージカルにトライし、失敗したと言われている 「ニューヨークニューヨーク」だったので、小気味よいテンポで貫かれた本作が実に引き立ってしまった。 監督のシルバースタインは特に大作で知られる人でもないようだが、ダンスシーンを1カットで撮ったり、 繰り返し登場する狂言回し的な冒頭の二人の歌を実にうまいタイミングで挟んだり、手堅い職人芸を見せて くれている。衣装や美術の配色も楽しい。 ジェーン・フォンダはデニーロと同じく、ストラスバーグの演技法を学んだ女優らしくリアリズムを基調に しているのだが、まわりのコミカル演技と溶け込んで違和感がない。 しかし、リー・マーヴィンがオスカーを獲得したのが、このヨレヨレガンマン役だったとは! ハンフリー・ボガートが「アフリカの女王」でやはり普段のクールガイとは一変したカールおじさん風の キャラでオスカーを手にしたことが思い出される。 一般にイメージされる俳優のキャラクターの方向性というのは、たまたまその役柄が当たってしまったが ために連続して同じような役で起用されがちなだけで、本人が本当に望んでいる、あるいは得意とする 役柄とは違うのかもしれない。 ギャング役で知られるジェームズ・キャグニーが本当に望んでいたのは、ミュージカルでダンスを踊ること だったらしいが、有名な俳優たちも、人知れず大きなジレンマを抱いていることは少なくないのだろう。 例えば「アベンジャーズ」のメインキャスト達が本当はシェークスピアやトルストイを演じたいと思っている! ・・・なんてこともあるかもしれない。実際、それが可能な実力のある俳優たちでもあり。
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[002]シンクロナイズドモンスター
 新感覚のファンタジー遊乃舞寧夢2019-04-05
 【ネタバレ注意】
宣伝文句とパッケージが謳うB級コメディ風「ダメ女の奮闘物語」、これはよくある “売らんがための内容歪曲” コピーだった(ハサウェイが主役であるがゆえだろう)。 そういう要・・・
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宣伝文句とパッケージが謳うB級コメディ風「ダメ女の奮闘物語」、これはよくある “売らんがための内容歪曲” コピーだった(ハサウェイが主役であるがゆえだろう)。 そういう要素はなくはないのだが、メインになっているのは、むしろ・・・ シリアスなサイコスリラー的展開! であり、謎のモンスター出現とも相まってファンタジーとしての面白さに溢れている。 そう見れば、怪獣や、主人公との関係など、最低限の説明しかない感覚的な描写にも 消化不良に陥ることもないし、個人的には幻想的なSFやファンタジーで知られる レイ・ブラッドベリの小説を思い出したくらいだ(田舎や子供時代の記憶がモチーフに なっている点など)。 スペイン人の監督でカナダとの共同制作というのも、既成のハリウッド作品とは違う 新鮮さの要因か。評価は分かれているらしいが、むしろ宣伝では語られていない部分 (スリラー&ファンタジー)が予想以上の拾い物として楽しめた。 ひとつだけ、怪獣の犠牲になるのが、なぜ東洋の韓国なのか?というのは少々気には なったのだが、ハサウェイ演じる主人公が怪獣と自分の関係に気づいてからは、ひたすら 人命を気遣っていることで救われている。 巨大ロボットとシンクロする幼馴染の男が私情の爆発にまかせてソウルを破壊し、市民 を殺戮しようとするさまと、怪獣に阻止され、自分が危機に瀕した時の命乞いの様は、 戦争で殺す側と殺される側が象徴されているようにも見えた。 冒頭、ハサウェイを捨てる彼氏役、ダン・スティーブンスが若い頃のテレンス・スタンプ によく似ている。「ザ・ゲスト」では彼が危険なサイコを演じ、「ナイトミュージアム」 三作目でのランスロット役の道化ぶりも印象的だった。
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[003]I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー
 プラウズ氏の笑顔遊乃舞寧夢2019-03-30
 
このドキュメンタリーを制作した監督の一途な思いの純粋さ、それに応える 老境に達したデヴィッド・プラウズ氏のラストの笑顔・・・感動的だった。 裁判で言えば、プラウズ氏・・・
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このドキュメンタリーを制作した監督の一途な思いの純粋さ、それに応える 老境に達したデヴィッド・プラウズ氏のラストの笑顔・・・感動的だった。 裁判で言えば、プラウズ氏の弁護側主張、という内容になるのかもしれないが、 この作品を見た限り、デヴィッド氏の疑惑が冤罪であることは、ほぼ間違いなく思え、 40年前のスターウォーズ製作当時の爆発的な人気と売れ行きもあり、制作側が秘密 保守に神経過敏になっていたが故の疑心暗鬼の犠牲になった感が強い。 ダース・ベイダーの “声” の問題や、“顔出し” のことなど、制作前の初歩的なお互いの 了解が曖昧だったことから不要な軋轢が生まれてしまったことは「スター・ウォーズ」という 超一流スタッフが集まって作られた映画にしては、随分と不釣り合いだし、実に残念なことだ。 当時30代前半というルーカス氏の若さもあってか、プラウズ氏には知らせずにベイダーの 出演シーンを撮影するなど、随分と大人げない行動に思えるし、公式イベントへの出入り禁など、 ヒステリックな対応も同様だ。 昔のナーバスな環境から一区切りついている今、ルーカスフィルム側の “勇気ある” 事実認証と、 和解を期待したい。プラウズ氏が元気でいるうちに!・・・それはルーカス側の評判を落とすこと には決してならず、むしろ世界中のファンを喜ばせるはずだ。 と、そうした一連の不遇の問題とは別に、さまざまの苦境を乗り越えたプラウズ氏の顔や物腰を 見ていると、SFやホラーとは違う “性格俳優” としての演技をぜひ見てみたい思いに駆られた。 かつてヴィンセント・プライズ氏が「八月の鯨」で老名優たちと共演したように、 人生の集大成を見せてくれるような作品に出演するプラウズ氏が観たい! やはりすでに老境のマーク・ハミル氏との共演なら、なお感慨深し・・・と、そんな夢が湧いてくる。
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[004]スター・ウォーズ/最後のジェダイ
 ルーカスにあってディズニーにないもの遊乃舞寧夢2019-02-27
 
遠い昔、はるか歌舞伎町の新宿プラザで・・・ 初公開のエピソード4を大画面で体験した衝撃!(年バレる・・・) あの頃と、ことにディズニーが制作に関わって以降の今シリー・・・
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遠い昔、はるか歌舞伎町の新宿プラザで・・・ 初公開のエピソード4を大画面で体験した衝撃!(年バレる・・・) あの頃と、ことにディズニーが制作に関わって以降の今シリーズの明らかに 違う何か・・・今回、それにふと気づいた。 エピソード4は、ジョージ・ルーカスの黒澤明への思いとオリエンタリズムへの 憧れと敬意があふれ、それを西洋的なSF仕立てで描くことで独特の世界観を 築いていた。ストーリーも人物設定も黒澤作品「隠し砦の三悪人」へのオマージュ だったし、ヨーダの住む森など「蜘蛛巣城」の森そのものだった。 だいたい “ジェダイ“ というフレーズが “時代”劇 から来てるし、黒澤時代劇への リスペクトが底辺に色濃く漂っていて、その空気感が作品に充満していた。 が!ディズニーにはそれがない!! ライトセーバーだの、どことなく東洋的な衣装だのは受け継がれてはいるが、 “設定” として受け継いでいるだけで、オリエンタリズムへの憧れやリスペクトは 感じられず、本来、東洋思想に基づく“気”の概念がモチーフだったであろうフォース の力も、昔ながらの魔法か念力にしかなっておらず、要するに・・・ 神秘性がない。 それと、制作する側にとって難しかったのは、圧倒的迫力と存在感を放った ダースベイダーという稀代の悪役に代わる敵役を造り出せなかったことではない だろうか。 新シリーズではアダム・ドライバー演ずるカイロ・レンというキャラクターが登場する が、思いどうりにならないとすぐヒステリーを起こす性格設定が怖さよりも 小物感 しか 生み出さず、そうなると主人公側も光りきらない。そしてなにより致命的なのは、この 敵役の性格が武術の達人のイメージとかけ離れてしまい、凄みに欠けてしまったことだ。 このあたりは、オリエンタリズムへの敬意、理解(強い者ほど静か、吠えない)があった ら違う選択があったところだと思うし、ルーカスのオリジナルと決定的に異なってしまった 点であり、そして 作品の “神秘性” に溢れた魅力を失わせてしまった要因ではないだろうか。 同時に「パシフィックリム」の続編(アップライジング)も観たのだが、これも同じこと を感じた。一作目からはギレルモ監督の日本の怪獣、ロボットへの“愛”と憧れ、リスペクト がヒシヒシと伝わってきて、それが観ていて楽しかったのだが、アップライジングでは 監督も代わり、それが伝わってこない!やはり、“状況設定” が受け継がれているだけ。 そうなると、似て非なるもの、にしかならない。 設定とキャラクターだけ使ってそれなりのモノを創れば、確実に金になる、ということで 何かがヒットすると、映像にかかる費用だけキープして他をセーブ、ということなのか。 やっぱり 愛がなくちゃね。
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[005]ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
 NHK職員に見せたい遊乃舞寧夢2019-02-02
 【ネタバレ注意】
政府を批判すれば“偏向報道”だと騒ぐ大日本帝国復活熱望勢力が国会と メディアを闊歩する現在の日本のためにスピルバーグが創ってくれたか のような作品・・・アメリカにも同じ・・・
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政府を批判すれば“偏向報道”だと騒ぐ大日本帝国復活熱望勢力が国会と メディアを闊歩する現在の日本のためにスピルバーグが創ってくれたか のような作品・・・アメリカにも同じような民主主義への危機感が多々 あることが伝わる。 人を殺すことを美化しなければ成立しない戦争は、ウソなしでは遂行 できない。そのウソを大きなリスクを負いながらも告発した報道魂を トム・ハンクスが体現し、彼を部下に持ちながら、新聞社のトップとして 社員と関係者の生活、運命を預かる苦悩をメリル・ストリープが演じ切る。 アメリカの“19歳”を最多とする5万7千人以上の青年が死んだベトナム 戦争(米同盟国である隣の韓国では4千人以上、ベトナム側は南北合わせて 100万人以上が死亡)・・・実態が国民に伝わらないまま死者だけが増え 続けた状況を変えるきっかけになったのが、このペンタゴンペーパーズだっ たとは初めて知った。 二時間ばかりで語られる映画ならではの脚色、演出はあろうが、アメリカ ならではのストレートなメッセージが込められている。 「報道機関が仕えるべきは統治者ではなく国民だ」 この映画を否定する人、肯定する人の違いは、この報道を巡る最高裁判決を 下した判事のこの言葉をどう評価するか次第だろう。
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[006]スミス都へ行く
 夢物語にあらず遊乃舞寧夢2018-12-31
 【ネタバレ注意】
この作品を“アメリカ民主主義万歳!”的な作品としてウソ臭い、と思う向きがあるようだが、 そうではなくて、キャプラ監督は理想と建国の精神から“かけ離れた現実” に対しての皮・・・
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この作品を“アメリカ民主主義万歳!”的な作品としてウソ臭い、と思う向きがあるようだが、 そうではなくて、キャプラ監督は理想と建国の精神から“かけ離れた現実” に対しての皮肉、 アンチテーゼとしてこの作品を撮ったのだろう。アメリカは素晴らしい!と言うよりも、 建国と憲法の精神を忘れた世の中に、思い出してくれ!と訴えようという思いが伝わり、 それが伝わるほどに、80年前のアメリカの残念な状況が見えてくる。 クロード・レインズ演じる汚職上院議員が、良心の呵責に耐えかねて事実を叫ぶラストは 唐突に感じるのは否めない。が、物語としては、これがカタルシスとして感動に繋がるの だろう。ただ、残念なことにこれは現実にはまずあり得ない。キャプラ監督とてそんなこと は百も承知だったことだろう。それでも、実際に汚職に手を染める人物がもしこれを見たら、 少しは気恥ずかしくなるのではないか?良心を描いた、というよりも、 現実世界で “失われた良心” に対して訴えかけているのがこの作品だと感じる。 秘書役、ジーン・アーサー(チャーミング!)や記者たちの台詞を聞くと、当時の国会、 政治の状況が80年後、現在の日本とも変わらないことに驚く!法案を作るのは官僚や 専門家で議員は意味すらよくわかっていない、数合わせのための議員,常習の居眠り、etc。 そして、メディアが有力者や巨大資本の利害に支配され、対立する相手を陥れたり、自分たち に有利な報道を促す下りも、まさに今、2019年の現在進行中・・・しかも露骨なほどに! 戦前、この作品を創った人たちがこの21世紀の未来を知ったらどう感じるのだろう? 情報量はとんでもなく増えたが,80年前と世の中の仕組みの基本は何ら変わっていないこと に愕然とする。一見、理想を描いた分かり易いファンタジーのようでいながら、そうした世の あり様の本質をシンプルに伝えてくれる作品として、今でも価値のある映画だと思う。ことに、 メディアを鵜呑みにして、簡単に思考を左右されてしまう人々の方が多い現実を見るに、 この劇中の有力者テイラーによるメディア操作の下りは “現実そのもの” だ。21世紀の今、 ネットによりその威力はさらに増していることを思うに、これは映画のデフォルメですらない。 それはさておき、ジェームズ・スチュアートの若いこと(30歳くらい?)!ハンサムな上に、 硬軟演じ分ける実力で作品を魅力的なものにしている。ラストにかけるシリアスな演技もいい が、先輩議員の令嬢を前にした時のおろおろしたコメディアンぶりが笑えた。そして秘書役 ジーン・アーサーの母性溢れるサポートぶり、トーマス・ミッチェルの世慣れした記者や、 この純朴新人議員を暖かい眼差しで見守る議長を演じたハリー・ケリーの言葉少なな演技も 印象的だった。 初登院したスチュアートに院内を説明していた少年は、この翌1940年「ピノキオ」の声を 演じることになるディッキー・ジョーンズだと知り、トリビアな驚き!つい五年前(2014)、 自宅で転落事故によって頭を打ち、87歳で亡くなったという。
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[007]尼僧物語
 オードリーの本質遊乃舞寧夢2018-12-02
 
美貌が売りの女優という先入観からから、積極的な興味をずっと持たずにきてしまったオードリー・・・が、戦争と縁の深い生い立ちや、晩年のユニセフ大使としての熱心な貢献を・・・
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美貌が売りの女優という先入観からから、積極的な興味をずっと持たずにきてしまったオードリー・・・が、戦争と縁の深い生い立ちや、晩年のユニセフ大使としての熱心な貢献を、不覚にも最近になって知ってからその人となりに魅かれた。そういう意味で、この作品はファッションや華やかさで見せる一連の人気作よりも、ずっとオードリー・ヘプバーンという人物の “本質” が見えるようで興味深い。 ユニセフ大使として、戦争や内乱で飢餓や病気に苦しむ子供たちを励まし、その惨状を世界に伝える役目を負い、まさに自己犠牲的に自らの死の直前まで奔走した晩年のオードリーが劇中のシスター・ルークと重なってくる。コンゴで現地人の子供を嬉しそうに抱くシーンなどはそうした彼女の心根(自分のそれまでの人生は全てこの使命のためにあったとまで言っている)が滲むかのようだ。 実際の戦争中だった十代には栄養失調まで体験し、ナチス支配下のオランダで レジスタンス活動に参加していた母親の手伝いまでしていたそうだから、神への道と敵への憎しみで葛藤する物語終盤の展開も通り一遍でない心情が重なっての演技となったことだろう。 撮影のフランツ・プラナー(ローマの休日、ティファニーもこの人)による映像もオープニングのベルギーの街並みから思わず惹き込まれ、絵画のような構図の中で描かれる修道女たちの厳しい生活も興味深い。 自我をなくしていくことが神に近づく道・・・という仏教とも共通する概念を実現するために西洋の尼僧が修行をしているということは初めて知ったし、自らに起こる不都合が試練、魂を浄化させる好機である、という考え方はダライ・ラマの言葉とも似てハッとした。 シスター・ルークの葛藤は単に未熟さだけではなく、それらの宗教的概念を実現するにあたり、形骸化したり、本末転倒の様式や規律に支配されがちな人間の営みの限界によるものでもあるのだろう。二時間半の映画でそれらは描き切れるものではないだろうが、考えるきっかけは十分与えてくれた気がする。
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[008]クイズ・ショウ
 表と裏 / 世の中みんなクイズ・ショウ遊乃舞寧夢2018-10-03
 
 社会性が強い分、娯楽性が薄くなる印象が強かったR・レッドフォードの 監督作なのだが、この作品は「マック・ザ・ナイフ」の軽快なリズムに 乗ったオープニング、50年代ア・・・
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 社会性が強い分、娯楽性が薄くなる印象が強かったR・レッドフォードの 監督作なのだが、この作品は「マック・ザ・ナイフ」の軽快なリズムに 乗ったオープニング、50年代アメリカの描写から惹き込まれ、最後まで 面白く鑑賞できた。  テレビのヤラセにまつわる実話なわけだが、まだテレビ黎明期でもあり、 視聴者達がまったく純真にブラウン管の中の出来事を“事実”と捉えて一喜 一憂する姿がいじらしく、古き良き時代を感じさせる(と同時に、簡単に 戦争へさえ駆り出されてしまう危うさも・・・)。  立法管理委員会とやらの役人がこれを犯罪であるかのように調査し、その 裏側を暴くというのも、やらせやフェイクは当たり前と広く認識されている 現代からすると、随分おおげさに感じなくもないのだが、テレビとは如何なる ものか、という認識がこの事件がきっかけとなり大きく変わったのだろう。 つまりは事実を伝える側面と、エンターテインメントの側面があるわけだが、 この時代はこれがごっちゃになっていたようだ。1カットだけテレビにプロ レスが映るシーンがあったが、当時はこれが “真剣勝負” だと思われていたで あろうことも象徴的(ちなみに選手の片方は日系のグレート東郷?)。  で、レッドフォード監督がテレビやクイズ番組のことを描きたかったのか と言えば、ちょっと違うと思う。というのも、このクイズ番組のフェイクの あり様は世の中の様々に当てはまる。この番組の作られたチャンピオンは、 プロレスのチャンピオンと同じく、誰をそこに据えれば 客が喜ぶか=金に なるか!?で決められるわけだが、おそらくは大統領も総理大臣も同じこと なんだろう(残念ながら、その場合の客は多くの場合、国民ではなくなって いるようだが・・・)。 この映画の中のクイズ番組を見てすぐ思い起こしたのは、大統領候補どうしの 公開討論だったし、つい先ごろの某政党総裁選でもあった。さて、誰をチャン ピオンに据えておこうか、と裏で操作をするのは何者か?? このクイズ番組の裏のあり様は、あらゆるところで繰り広げられていることの わかりやすい象徴に思える。クイズ出場者の素人ですら“演技”をするのを思えば 政治家にはたやすい。プロレスラーの政治家もけっこう存在する現代だが、 彼らがフェイクのプロであることを思えば、さもありなん。  この映画の時代はいかにも大衆が無垢で純真だが、果たして21世紀、現代の 私たちがどこまで事実とフェイクを見分けることが出来ているのか?  スキャンダルの責任が一番元の、一番稼いでいる大物には及ばず、実行部隊の 小物と泳がされた出演者だけが非難を被る姿も、まさに今この国で起きている こととも重なってくる。上の責任を隠し、トカゲの尻尾となったプロデューサー が後に業界に復活するあたりなど、まさに。  レッドフォード監督は、世のあり様のさまざまに気づくきっかけを エンターテインメントで提供してくれた。
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[009]メンフィス・ベル
 若い搭乗員たち遊乃舞寧夢2018-09-04
 
爆弾をさんざ落とされた側の国に生まれた自分としては複雑な思いはあった。 が、 不気味な殺人機械というイメージしかなかった米爆撃機の搭乗員たちも、当時、 日本の戦艦や戦・・・
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爆弾をさんざ落とされた側の国に生まれた自分としては複雑な思いはあった。 が、 不気味な殺人機械というイメージしかなかった米爆撃機の搭乗員たちも、当時、 日本の戦艦や戦闘機に乗り込んでいた兵士たちと同じく、まだあどけなさの残る19,20歳 の若者たちがほとんどであることにまずハッとさせられ、彼らは彼らで地獄を見ていたことがわかる。 どこの国でも戦争で真っ先に実行部隊として犠牲にさせられるのは、その年代の 若者たちであることに改めて思いが至らされた。 確かに、あくまで爆撃目標が軍事工場であり、周辺の学校や病院を気遣うという下りは 偽善の匂いが漂う。が、それが映画のウソであれ、事実であれ、目的達成! と、まるで物語中でカタルシスのように爆撃された工場も、そこで働いていたのは、 間違いなく “女性と少年” たちであろう(男たちは出征のはず)。 主人公たちの視野だけで観れば ラストなど “感動の無事生還!”であろうが、 そうしたことにも気づきたい。それさえ見失わなければ、戦争の悲惨を描いた作品として 評価はできると思う。それは “一方の側” から見た悲惨ではあるが(原爆や空襲を描いた 日本の作品であれ、それは同じこと)。 ただいずれにしても、どんなに地獄を体験しようと、人を殺しまくるという行動 をしてきた者たちを “英雄” として語ること自体が、この映画以前に、戦争そのもの の欺瞞と偽善であると改めて思う。 彼らは国の利害のための “犠牲者“ であり、英雄に祭り上げるのは国と軍のご都合でしかない。 それはともかく! 出撃前夜のパーティでの「ダニーボーイ」はなかなかの名唱だった。 この歌の内容が、少なくともプロデューサーの一人であるキャサリン・ワイラー の意図するところであると信じたい。なにせ赤狩り全盛の時に、危険を冒して ダルトン・トランボを起用(ローマの休日)したウィリアム・ワイラーの娘なのだから。 また、部下たちの帰還に心を揺らす大佐を演じたデヴィッド・ストラザーンが 「グッドナイト&グッドラック」では、やはり赤狩りに真っ向から闘いを挑んだ ニュースキャスター、E・R・マロ―を演じているのも興味深いところ。 そうそう国策に準ずる人たちではなかろうかと。
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[010]ONCE ダブリンの街角で
 掃除機ずるずる遊乃舞寧夢2018-08-26
 
ハリウッド映画にはない初々しい魅力。淡々としてても、 主人公ふたりの常に揺れ動いている心がカメラを通して伝わる映像。 ハートに染み込んでくる音楽。 安易にベッドインし・・・
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ハリウッド映画にはない初々しい魅力。淡々としてても、 主人公ふたりの常に揺れ動いている心がカメラを通して伝わる映像。 ハートに染み込んでくる音楽。 安易にベッドインしたりしない、もじもじ感がすごくいい。 このあたり、アイルランドのお国柄? 女のコが彼の曲の詞を考えながら、延々夜の街を歩く下りは 名シーン、ハイライト。
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[011]アトランティスのこころ
 アントン・イェルチン遊乃舞寧夢2018-08-21
 
公開当時スクリーンで鑑賞し、内容も素晴らしかったが、子役の上手さに とにかく驚き、目を見張った! 最近になり、JJ・エイブラムス版「スタートレック」のチェコフ役で ロ・・・
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公開当時スクリーンで鑑賞し、内容も素晴らしかったが、子役の上手さに とにかく驚き、目を見張った! 最近になり、JJ・エイブラムス版「スタートレック」のチェコフ役で ロシアなまりの英語を話す若い役者がやけに印象に残ったのだが、 それで アントン・イェルチン という名前を知った。出演歴を見ると、 17年前、当作品で感心しきりだった子役と同人物ではないか! それで、久々にDVDで鑑賞してみたところ、ああ、確かに! まだ11歳だが、顔も声もはっきりとチェコフを演じている若者だとわかる。 で、やっぱり上手い!ホプキンスのインタビューを見ると、この名優が絶賛 している。アカデミー賞の候補にあがっても全然おかしくないとすら思う。  そして、この才能あふれる若い俳優が・・・二年前に27歳で他界していることに、 さらに驚く。成人してからの出演作もいくつか追ってみた。なんて素晴らしい俳優だろう! もっともっと活躍して欲しかった。大きな賞もきっと取れただろうに。  この作品では、11歳にしてA・ホプキンスという名優相手にその才能を 遺憾なく発揮するアントン・イェルチンのまだ幼い姿に胸を震わされるばかり だった。 監督スコット・ヒックスの語り口も抒情的で深みと品に溢れている。 子供時代独自のものの見え方、感じ方、不思議な世界観が、ノスタルジックに 映像化されていて、原作スティーブン・キングのファンタジーサイドを堪能させてくれる。
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[012]フローズン・リバー
 暖かい視線遊乃舞寧夢2018-08-16
 
テレビドラマと比べても低予算で作れそうな、派手なシーンも一切ない作品 なのに、脚本と演技の力(!)でサスペンスに溢れた仕上がりになっており 娯楽作品としても充実、主人・・・
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テレビドラマと比べても低予算で作れそうな、派手なシーンも一切ない作品 なのに、脚本と演技の力(!)でサスペンスに溢れた仕上がりになっており 娯楽作品としても充実、主人公に感情移入してハラハラさせられた。 犯罪に手を染めざるを得なくなる母や長男であるが、なんと愛情に溢れて いることか。その家族愛がしっかと漂い、悲惨な生活や寒々しい光景にも 関わらず、作品世界に惹きつけられる。 これを体現したメリッサ・レオ(アカデミー主演女優賞ノミネート)、 ミスティ・アッパム(惜しくもこの作品の数年後、他界・・・)、 長男役のチャーリー・マクダーモット、いずれも見事な演技だった。 ステレオタイプの虐げられた善人ではなく、善悪の中で揺れ動いている からこそ、こちらの感情移入をリアルに引き起こし、感動へ導いてくれる。 貧困層や先住民族に対する作者、製作者らのタイトルと裏腹な暖かい視線が 底辺に流れ、厳しい現実を描きながらも心地よい思いで観終えることができた。
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[013]おみおくりの作法
 ラストに涙遊乃舞寧夢2018-08-16
 【ネタバレ注意】
終盤近くの展開に思わず「ええ!」と声をあげた! なんともやるせない・・・と、思いきや “現世” 的な目で見れば、主人公のしてきたことは “非効率的” で、 “実利” はないが故・・・
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終盤近くの展開に思わず「ええ!」と声をあげた! なんともやるせない・・・と、思いきや “現世” 的な目で見れば、主人公のしてきたことは “非効率的” で、 “実利” はないが故に、彼は解雇されてしまう。 が、この作品のラストは人間の価値がそれだけではないことを雄弁に 語っていて実に感動的だった。 「素晴らしき哉、人生」を思い起こすラスト。 ユーモアとペーソスが漂い、愛を描いて見事な作品でした。
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[014]パリよ、永遠に
 心理劇、駆け引きの妙!遊乃舞寧夢2018-08-11
 【ネタバレ注意】
 戯曲の映画化と知らずに見始め、会話中心(しかも老人二人だけ) という地味な展開に最初は戸惑ったのだが、主演二人の演技に どんどん惹き込まれていった!  言葉巧み、豊・・・
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 戯曲の映画化と知らずに見始め、会話中心(しかも老人二人だけ) という地味な展開に最初は戸惑ったのだが、主演二人の演技に どんどん惹き込まれていった!  言葉巧み、豊かなボキャブラリーで、終始紳士的でありながら強い 熱意を内に秘め、なんとかパリを救おうと苦心するスウェーデン外交官。 いっさい取り合わない!という物腰から、徐々に心を動かし始めるナチス将校。    ヒトラー配下の軍人という価値観から、少しづつ人間性と良心が刺激され ていく過程、駆け引きがヘタな大作よりもずっと面白く、未来を選択する ラストは非常に感動的だった。  この面白さは、黒人青年を先入観で殺人犯と決めつける陪審員たちが、 一人の男の説得で徐々に真実に目を向けていく過程を描いた「12人の 怒れる男たち」にも似ていた。
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[015]エンド・オブ・ホワイトハウス
 愛国アクション!?遊乃舞寧夢2018-08-07
 
 アメリカお得意の国策映画ギリギリの愛国アクションという意味では 「ランボー」あたりの系統か(ランボーはギリギリじゃなくて、もろですが)。 シチュエーションは「ダイハ・・・
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 アメリカお得意の国策映画ギリギリの愛国アクションという意味では 「ランボー」あたりの系統か(ランボーはギリギリじゃなくて、もろですが)。 シチュエーションは「ダイハード」と同じですね。 その ”アメリカ万歳!” 的な臭いを気にしなければ、ハラハラドキドキは楽しめました。 国防大臣役の女優がうまいな、と思ったら、オスカー女優のメリッサ・レオ でした。作品ごとに見事に別人格になりきるので、彼女と気づかず! 助演女優賞を獲った「ザ・ファイター」ではヒョウ柄に身を包んだおばちゃん 、 最近の「スノーデン」では静かで知的なジャーナリストでしたし。 「戦わずに死んだとは墓に刻まれたくない!」なんて台詞を言うあたり、 リベラルな人じゃ言えないだろうな、と。でも、テロリストにボロボロにされながらも、 「私の髪、どう?」なんて、極限状態でもジョークを忘れないアメリカ人気質はいいですね。
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[016]11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち
 身体づくりぐらいすべし!遊乃舞寧夢2018-08-02
 
残念ながら、主演が三島に見えない。 ポロシャツから覗くたくましい腕や、胸の盛り上がり、 鍛えぬいた身体なくして三島だというのは無理がある。 わざわざサウナのシーンで裸・・・
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残念ながら、主演が三島に見えない。 ポロシャツから覗くたくましい腕や、胸の盛り上がり、 鍛えぬいた身体なくして三島だというのは無理がある。 わざわざサウナのシーンで裸を見せるが、貧弱すぎて役造りが甘い。 この主演者はあさま山荘を描いた作品でも過激派学生を演じながら、 その時代にはなかった”オシャレな”マフラーの巻き方をしていた ことが思い出されてしまう。役者としてのこだわりが感じられない。 作品全体に、やたらとセリフの間が多く、さらにカメラの動きもないので テンポが悪く冗長な印象になってしまった。驚いたのは、今時、音声収録の マイクの影が映ってしまっているシーンがあったこと!(サウナのシーン) また、終盤近く、三島たちが市谷へ向かう車中のシーン、外景の中に当時 まだなかったはずのミニストップの看板がチラリと映ってしまっていたり。 素人丸出しのわき役が味を出すよりも浮いてしまっているのも痛かった。 若松監督、よほど調子が悪かったのか??やけにそうした隙が目立つ。 満島真之介が一人、健闘、好演していた。体格も三島役よりもよし。
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[017]ターミネーター4
 要・復習!遊乃舞寧夢2018-07-28
 
2を観たのが、もう20年くらい前で、3は観たかどうか記憶がなく、 アントン君(合掌)が出てたのか!という興味で観たものの、”カイル・リース”が 何なのかもわからない(忘・・・
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2を観たのが、もう20年くらい前で、3は観たかどうか記憶がなく、 アントン君(合掌)が出てたのか!という興味で観たものの、”カイル・リース”が 何なのかもわからない(忘れた?)ままだったので、危惧したとうり・・・ さっぱりわからんかった!! で、ストーリーがわからないと、どんだけアクションがすごくても、けっこう 空しい二時間でした。ジョン・コナーっていうのは、2の時の横分けの美少年ですよね。 お母ちゃんが必死で守ってた姿はよく覚えてたんですが。 この前はキャプテンアメリカの3番目を、2と順番間違えたし。 教訓・・・3とか4とかを、時間をおいて見る時は、まず復習!     (という程の映画かどうかはさておき)    PS. アントン君の相棒?の黒人の女のコがすごく可愛かったです。
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[018]ゴーストワールド
 ビーフジャーキー野郎遊乃舞寧夢2018-07-11
 
ビーフジャーキーを朝飯だ!と言いながら貪り食ってた サングラスのコンビニ客・・・中途半端なヌンチャクが素晴らしい! 特典映像で、モップで対抗するコンビニ店長との対決・・・
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ビーフジャーキーを朝飯だ!と言いながら貪り食ってた サングラスのコンビニ客・・・中途半端なヌンチャクが素晴らしい! 特典映像で、モップで対抗するコンビニ店長との対決が見れる!!
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[019]ルームメイト
 ヘディの孤独遊乃舞寧夢2018-05-19
 
 今作でジワジワと本性を現すヘディ・・・並みの役者なら異常者を演じるべくして 演じてしまいそうなところ、ジェニファー・ジェイソン・リーの演技は怖いと同時に たまらない・・・
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 今作でジワジワと本性を現すヘディ・・・並みの役者なら異常者を演じるべくして 演じてしまいそうなところ、ジェニファー・ジェイソン・リーの演技は怖いと同時に たまらない孤独感、寂しさが常に身辺に漂っているのが強烈な印象だった。 あくまで結果としての異常性。端から異常な人物を演じようとしたらこうはならない だろう。このあたり、ロバート・デ・ニーロと同じくステラ・アドラーやストラスバ ーグの元、本格派の演技を学んできた役者ならではの凄みかと。  この作品の23年後の「ヘイトフル・エイト」で初めて彼女を知ったのだが、この 時の女囚人とも共通してたのは、悪女ながらどこか憎めない純真さ・・・”悪女”を 演じるのではなく、あくまで”人間”を演じているからだろう。「ヘイトフル・エイト」 ではノミネートされながら助演女優賞は逃したが、いつオスカーを獲ってもおかしくない 人だと思うのでした。  古い作品ながら、サスペンスとしてのハラハラドキドキも十分堪能できました。
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[020]ロード・トゥ・パーディション
 He's a good worker.遊乃舞寧夢2018-05-19
 
 オープニングからコクのある映像の美しさに目を奪われました! 撮影監督コンラッド・L・ホール・・・初めて名前を知った次第。「明日に向かって撃て」 や「暴力脱獄」など、・・・
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 オープニングからコクのある映像の美しさに目を奪われました! 撮影監督コンラッド・L・ホール・・・初めて名前を知った次第。「明日に向かって撃て」 や「暴力脱獄」など、これに先立つポール・ニューマンの主演作もこの人の撮影とのこと。 本作は撮影だけアカデミー賞に(撮影賞では最年長記録とか)。残念ながらコンラッドは これが遺作に。  意外に不評が多いのは、もっと派手なアクションや「ゴッドファーザー」並みの重厚さを 期待されてしまったからでしょうか。私はいずれも期待してなかったので十分堪能できまし た(ジェニファー・ジェイソン・リーとトム・ハンクスの共演が見たかったという動機で 鑑賞しましたが、この点、ジェニファーはあっけなく出番終了で残念でしたけど。役柄も 珍しく?まったく普通の奥さん!)。  アイルランド系のマフィアもあったのか、と、これも初めて知りました。 人を殺し殺されまくりのマフィアであっても、肉親の情はまったく普通と変わらない。 たまたまそういう世界で生きていかざるをえなくなっただけ。きっと実際もそうなんだ ろうな、と。  ジュード・ロウ扮する刺客から逃れる途中、親切な老夫婦のボロボロの家に匿われる 下りがよかったですね。老婦人の「よく働く子ね。あの子は父親を愛してるわ。」の台詞 と、それを聞いたトム・ハンクスの表情。地味ながらハイライトシーンでした。 あと、トム・ハンクスとポール・ニューマンがしっとりと弾くシンプルなピアノ連弾・・・ この作品のいいところは、そんなひっそりとしたところにあった気がします。
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[021]チャーリー・ウィルソンズ・ウォー
 人間万事・・・遊乃舞寧夢2018-05-17
 
 ”ソ連のアフガン侵攻”、”モスクワオリンピックボイコット”・・・ 恥ずかしながら、そんなことがあったなぁ程度の認識しかなかったのだが、 装甲ヘリの無差別攻撃で逃げ惑うア・・・
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 ”ソ連のアフガン侵攻”、”モスクワオリンピックボイコット”・・・ 恥ずかしながら、そんなことがあったなぁ程度の認識しかなかったのだが、 装甲ヘリの無差別攻撃で逃げ惑うアフガン市民が殲滅されていくシーンなど は生々しく描かれ、”侵攻”という漢字二文字からはとてもイメージが湧き切ら ない”殺人”の実像が否応なく伝わる。  これに抵抗するイスラム戦士、義勇兵たちにアメリカが武器供与をするに至る 過程で孤軍奮闘した下院議員の話だが、政治家でありながら酒好き女好きドラッグ 常習者のちゃらんぽらん男でもあり、というキャラクターは今(2018年) セクハラ問題等、日本で起きているあれこれを思うに、おそらく普通のことなのだろう。 政治家というのは知性はともかくエネルギーだけは強い人種であろうから、 裏も表も人一倍、チャーリーウィルソンは特異な人物ではなく、一典型なのだろう。    ソ連の装甲ヘリでアフガン人が殺されるシーンが何度もあるので、ムジャヒディン がアメリカから与えられたスティンガーミサイルでこれを撃ち落とすシーン、その成果を 年度ごとに何機撃ち落とした!と伝える下り(実写映像多)が一種のカタルシスとして 描かれているのだが、でも、これも人(ソ連兵)が死んでいる瞬間であることには違いない。  ジュリア・ロバーツ演じるテキサスの富豪やCIAなど、完全に右側、保守の人物たちの 視点から描かれているわけだが、ただそれがこの作品の制作側の視点そのものというわけ でもないだろう。もしそうであるなら、ランボーよろしく、ソ連を蹴っちらかしたぜ! ザマーミロ!で終わるはずのところ、決してそうはなっていない。むしろ控えめに、 しかし最大のメッセージとして、  そこで終えてしまった現実がその後どういう結果になってしまったか を示唆している。    ソ連撤退後、アフガンに学校を作るべきだ!と主張する主人公に対し、アフガンと パキスタンの区別もつかない連中(おそらく決して誇張ではないだろう)に却下された 現実を見るに、この世界は随分と低レベルの知性で運営されており、人類はまだまだ未熟な、 トラブルを暴力と殺し合いで解決しようとしかねない未開の生物でしかないことを痛感させ られる・・・(アメリカの場合、あえてそういう状況を残そう、作ろうとしているように 思えて仕方ない)  余談だが、他界したホーキング博士が「人類は現状で他惑星の知的生命体と接触しては ならぬ!」と警告したという話となぜかリンクする・・・。  映画の出来としては、こういう内容を娯楽仕立てで楽しんで鑑賞できるように造ろうと 努力したのだろうけれども成功していると思えず、中途半端な作品となり、中東問題に 認識がないと退屈と思われてしまうだろう点、残念。有名キャストもいかにも観客動員の ため、という以上のものになっていない。    が、911テロやIS、その後の世界の軍事状況に密接に繋がっている80年代の出来事 に少しでも関心を持った人には冒頭語ったように、イメージを視覚化してくれる作品でも ある。
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[022]プラダを着た悪魔
 大多数のカタルシス遊乃舞寧夢2018-05-06
 
 ファッション業界という特殊な世界を描いているようでいて、 メリル・ストリープ演じる編集長が部下に命ずる様々の無理難題は世の中そのもの の不合理や厳しさを象徴している・・・
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 ファッション業界という特殊な世界を描いているようでいて、 メリル・ストリープ演じる編集長が部下に命ずる様々の無理難題は世の中そのもの の不合理や厳しさを象徴しているかのようです。  少なくとも、”プロの世界”はどんなジャンルであれ似たり寄ったりであって これに耐えられる人間は少なくて・・・ちょっと意地の悪い観方をすると、この 映画の結末(原作とは違うらしい)には、そういう大多数の人たちを喜ばせよう という商業的意図の匂いも感じてしまいました(アメリカの映画産業はアンケート 調査の”データ”に基づいてストーリーを作ってるとか)。  もちろん、ハサウェイ演じる助手が自分の出世や保身のために人を裏切れない、 という純真さは美しく、人としてあるべき姿を描いているのですけど。  これが現実なら、パリ行きに抜擢されて、その地でバリバリのリッチな業界人の 男に求愛されたら・・・ほとんどの女性なら”渡りに船”!とばかりに、ダサい元彼 ”になりかかっている”男のことなど、サッパリ忘れてしまうだろうに。  が、しかし、そうして出世していくことが、本当に幸せなことなのか? それは華やかなようでいて、ある意味、地獄のような世界に生きることなのでは ないのか?この華やかな業界のトップに君臨する編集長の姿が、決して幸せには 描かれていないあたり、多分にこれは真実の匂いも感じるのでした。  いつも強気の編集長がうなだれて離婚話をするエピソード、演じるメリル・ ストリープはほとんどノーメイクのような風貌ですが、こういうところに役者魂 感じます。  先輩助手を好演のエミリー・ブラントは、やくざなねぇちゃんから英国女王まで 演じるかと思えばアクションもこなし、最新作ではあのメリー・ポピンズ!に扮す るということで、実に懐の深い女優のようですね。  福笑いのような顔立ちのアン・ハサウェイはコメディをやってるのが一番魅力 的かと。
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[023]バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
 ずるいぞバットマン!遊乃舞寧夢2018-05-02
 【ネタバレ注意】
 クリストファー・ノーラン絡みのネクラ対決ということで あまり期待はしてませんでしたが、案の定・・・人間のバットマンが超人相手 にどう戦うのかと思ったら、クリプトナイ・・・
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 クリストファー・ノーラン絡みのネクラ対決ということで あまり期待はしてませんでしたが、案の定・・・人間のバットマンが超人相手 にどう戦うのかと思ったら、クリプトナイト!ってこれ、その昔、すでに レックス・ルーサー(ジーン・ハックマンの時)が使った手じゃないですか。 犯罪者と同じ手口でスーパーマンをやっつけようという時点でバットマンに 共感できなくなり、最後の巨大モンスターもありがちな派手さを狙った やっつけキャラにしか見えず、残念でした。  バットマン役のベン・アフレックはスーパーヒーロー大好きなようですね。 「ハリウッドランド」ではスーパーマン役者のジョージ・リ―ヴスを演じていて  間接的ではありながら、両方演じたことに。  ゾッド将軍のマイケル・シャノンは「ランナウェイズ」という作品で、日本でも 大人気だった(70年代!)あの下着姿で歌いまくる女の子バンドのエキセントリ ックなマネージャー役で役者ぶりを発揮してます。ちなみにボーカルのシェリー を演じるはダコタ・ファニング!股おっ広げて頑張ってます・・・余談でした。
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[024]シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
 順番間違えた!遊乃舞寧夢2018-05-02
 
 しまった!前作「ウィンターソルジャー」まだ見てなかった! 今作、理屈抜きで楽しむには地味な会話も多くそこのところは置いてけぼり になってしまった。少年っぽいスパイダ・・・
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 しまった!前作「ウィンターソルジャー」まだ見てなかった! 今作、理屈抜きで楽しむには地味な会話も多くそこのところは置いてけぼり になってしまった。少年っぽいスパイダー坊やのおしゃべりが面白かったかな。 なんかゴチャゴチャして無理やり戦ってる感は否めなかった。  話し合いがあっという間に決裂したり、よく状況を知らないアントマンや スパイダーマンがたまたま先に声をかけられた側についてるだけだったりの ような・・・そういうところに ”白か黒か二者択一”のアメリカを感じて しまった。そういうのは映画の中だけにしてほしいですね。
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[025]ヘイトフル・エイト
 確かにヘイトフル・・・遊乃舞寧夢2018-04-29
 【ネタバレ注意】
 以下、思い切り”ネタバレ”してます!  どぎつい描写の多いタランティーノ作品とは知っているし、それでも これまでエンターテインメントの枠の中で観れたのだが、今回は面・・・
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 以下、思い切り”ネタバレ”してます!  どぎつい描写の多いタランティーノ作品とは知っているし、それでも これまでエンターテインメントの枠の中で観れたのだが、今回は面白さ以上に そのどぎつさが勝っていると感じてしまい、文字どうりヘイトフルな後味の悪さ を覚えてしまった。今までに増してスプラッターな要素が目立つのだが、 ヘイトフルに感じた最大の理由は、囚人の女をつるし殺すのも残忍ながら、 それを行う二人の男のなんとも ”嬉しそうな表情”だったと思う。  そういう殺され方をするには、囚人の女がどうも憎めないキャラだった。 殺す側に共感、感情移入しきれないと、あの歓喜の表情にはカタルシスよりも嫌悪 を感じてしまう(しかも手錠にぶら下がる腕・・・)。   物語の作りとしては、相変わらず独自の語り口で上手いのだが、何かそのあたり の、見る側の感情の導き方が今回は混乱していたような。  大きな収穫だったのは、その囚人女を演じたジェニファー・ジェイソン・リー!  出演者は全員達者な俳優ばかりだが、彼女のどこか愛嬌のあるやさぐれぶりが出色 だった。アカデミー助演女優賞ノミネートも納得。あの「コンバット」のビック・ モローの娘だとか。未見の「バックドラフト」では、今回手錠で繋がられていた カート・ラッセルともすでに共演しているようで、二人ともどんなキャラでの共演 なのか?興味津々、他の出演作を辿ってみたくなりました。
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[026]トランセンデンス
 人の人たる所以遊乃舞寧夢2018-04-28
 
 要するに テクノロジーVS人間性 という古典的SFのテーマを現代風に 扱った作品かと。ジョニー・デップ演じる科学者の自我が危険な存在として モンスター化していく過程には・・・
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 要するに テクノロジーVS人間性 という古典的SFのテーマを現代風に 扱った作品かと。ジョニー・デップ演じる科学者の自我が危険な存在として モンスター化していく過程には50年代の「禁断の惑星」を思い出した。  「人間は矛盾だらけの存在だ」・・・目的にばく進するのみの人工知能との 決定的な違いを説くこのセリフが印象的だった。  観終わってから知ったのだが、製作総指揮がクリストファー・ノーランだけ あって、なるほど、理屈っぽい(&わかりにくい)。エンターテインメントに 徹しきらない中途半端さが地味な作風と共に、おいてけぼり感を残して終わっ てしまった。この点、予告編の印象とかなり違う(ずるいよ)。  同じテーマをおバカなくらいの娯楽で描くことは全然可能だろうと思うので、 そういう作品で口直ししたい!という気持ちにかられたのでした。
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[027]ゲット スマート
 メカジキ!遊乃舞寧夢2018-04-25
 
 「リトル・ミス・サンシャイン」でのゲイのおじさん役が秀逸だったスティーブ・カレル の主演作ということで観てみようと思ったのですが、テレンス・スタンプ、ジェームズ・・・・
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 「リトル・ミス・サンシャイン」でのゲイのおじさん役が秀逸だったスティーブ・カレル の主演作ということで観てみようと思ったのですが、テレンス・スタンプ、ジェームズ・カーン、 アラン・アーキン・・・実力派の大ベテランがこぞって出演しており、すごく得した気分でした。 彼らが大真面目にこのおバカ映画(?ですよね)を支えていること自体が面白い。  国家の重要任務と思いきや、大統領(ジェームズ・カーン!)が911の時のブッシュよろしく 幼稚園で絵本の読み聞かせをしていたり、セリフのあちこちに笑いで包んだ風刺も効いて、こうい うところはさすがのアメリカ。  オリジナル(それ行け!スマート)の原案がメル・ブルックスだというのも初めて知りましたが 納得の内容でした。  足もあらわにお色気ひときわのアン・ハサウェイ、実像はIQ180以上で四か国語を話すという マシ・オカ(日系ではなく日本人!なんですね)、プロレスの大スター、ロックことドゥエイン・ ジョンソンなどなど、粒揃いのキャラクターで盛り上げてます。
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[028]偽りなき者
 メディアの日常と同じく遊乃舞寧夢2016-12-07
 
疑いー印象ー確信ー制裁 ここで描かれる冤罪と、世間の早急なレッテル貼りによる偏見、制裁は、 子供がウソをつくかつかないか、ということよりも、現在のメディア報道 のあり・・・
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疑いー印象ー確信ー制裁 ここで描かれる冤罪と、世間の早急なレッテル貼りによる偏見、制裁は、 子供がウソをつくかつかないか、ということよりも、現在のメディア報道 のあり方、その  ”見出しだけで” 印象を確信にしてしまう大衆のあり方 を連想させ、この偏見に満ちた村の人々は、そのまま我々の情報への 接し方、メディアテラシーの問題とリンクする。 事実がどうであるか、ということよりも、情報が最初にどう扱われたか?に よって、人々の反応、態度が決定し、仮に後から事実が明かされてきてから も、人は最初に自分が取った行動を否定したがらない。 この映画にあっては、子供の罪のないウソが招いた悲劇であるが、 私たちの日常にあっては、政治的意図や、商業的意図によって、 ”容疑” が 事実であるかのように 報道され(しかも執拗に)、 それを大衆が鵜呑みにする姿は、この村の人々とまったく同じだ。 その姿を客観的に見せてくれるという意味で、この作品の持つ役割、意義は 大きい。この村の出来事は、メディアと大衆、という関係において、私たちの 周りで・・・常に起きている出来事 だ。 主演のマッツ・ミケルセンも素晴らしいが、ウソをつく当のクララを演じた子役 アニカ・ヴィタコプの演技は、微妙な表情に一片のウソも作為もない。あまり お目にかかる機会のないデンマーク作品だが、登場人物全員の演技、演出、 共に水準の高さを痛感した。 子供の成人にあたって、猟銃を贈り、狩に出ることが大人の証明、という エピソードや、巨漢の大人たちがテーブルを囲んで飲んだり食べたりの姿は いかにもバイキングの子孫、北欧らしさを感じさせて興味深い。 古くは、ワイラー監督「噂の二人」も、”子供のうそ” が元で、同性愛の容疑 をかけられた女性教師ふたりが社会的制裁を受ける姿を描いているのを 思い出し、時代の差はあれ、大衆の偏見というテーマは不変のようだ。
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[029]ガメラ3 邪神<イリス>覚醒
 怪獣の”仁義なきタイマン”遊乃舞寧夢2016-11-24
 
イリスって、邪神というより、ドス持ったチンピラに見えました。 顔もサングラスかけてるみたいだし。ちょっとエッチな感じだし。 で、ラストのガメラとの戦いは、怪獣の対決・・・
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イリスって、邪神というより、ドス持ったチンピラに見えました。 顔もサングラスかけてるみたいだし。ちょっとエッチな感じだし。 で、ラストのガメラとの戦いは、怪獣の対決というより、 チンピラどうしのタイマンみたいでした。オラオラオラって言って そうな、ずっと接近戦で、ガン飛ばしあってるし。 その前の空中戦は、バイクに乗ったままの暴走族がケンカしてる みたいだなぁ。 相変わらず、美術は素晴らしいですね。駅のミニチュア、すごい! 自衛隊も大活躍。いちいち攻撃するのに、ミサイルを”許可する” 司令官が言うあたり、リアルでした。安倍のお友達、津川さんが、 自衛隊のお偉いさんを嬉しそうに演じてました。 中山忍さんは、賞を獲った一作目より演技がずっとよくなって、ちょっと 大人っぽくなってて見直しました。 前田愛さんの集中力は素晴らしいですね。セガールさんのお嬢さんは ちょっぴり前進、安心しました。精進して下さい。
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[030]ガメラ 大怪獣空中決戦
 ベランダに洗濯物!遊乃舞寧夢2016-11-13
 
手作りミニチュアのディテールに驚きました。 怪獣に壊されるマンションのベランダのひとつひとつに植木が置いて あったり、洗濯ものやら、布団が干してあったり、全部違う。 ・・・
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手作りミニチュアのディテールに驚きました。 怪獣に壊されるマンションのベランダのひとつひとつに植木が置いて あったり、洗濯ものやら、布団が干してあったり、全部違う。 電信柱に乗っかってる機械(?)や配線の細部までが再現されていて、 美術担当のこだわりが溢れてました。 なかでも、郵便ポストの下に捨てられている大小のゴミのポリ袋! 道端の自動車は定番としても、バイクや自転車まで! マンション廊下部分にホウキが立てかけてあるのも発見! どれもほんの一瞬しか写らないのに(しかもほとんどの客の目は怪獣に)、 徹底したその姿勢にプロの魂を感じました。 怪獣バトルそっちのけで、美術を見てました。 縁の下の力持ち、担当スタッフに拍手!
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