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 「Katsumi Egi」さんのコメント一覧 登録数(547件)rss
 コメント題投稿者投稿日
[001]真夜中のサバナ
 (無題)Katsumi Egi (Mail)2001-11-20
 
 イーストウッド作品の中ではそれほど愛着のある映画ではない。第一に、私は ケビン・スペイシーという役者の思わせぶりな演技が好きになれない。  それでも、冒頭、公園のベ・・・
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 イーストウッド作品の中ではそれほど愛着のある映画ではない。第一に、私は ケビン・スペイシーという役者の思わせぶりな演技が好きになれない。  それでも、冒頭、公園のベンチに腰掛けているヴードゥー教のおばさんと飛行 機をからめた演出で既に瞠目してしまう。飛行機の騒音(オフ)と、視線の演出、 着陸態勢に入った飛行機の画面を組み合わせただけで、なんとも興奮させられて しまう。  脇役でジェフリー・ルイスが見られたのは嬉しかった。顔のまわりにアブを飛 ばしている変なお爺さん役。
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[002]スペース カウボーイ
 繊細さKatsumi Egi (Mail)2001-11-20
 
 『許されざる者』より後のイーストウッドでは『トゥルー・クライム』の端正 さには劣るが、しかしこの映画も細部の演出は素晴らしい。見所だらけで、いち いちあげていくとキ・・・
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 『許されざる者』より後のイーストウッドでは『トゥルー・クライム』の端正 さには劣るが、しかしこの映画も細部の演出は素晴らしい。見所だらけで、いち いちあげていくとキリがないが、ファースト・カットの空の美しさだけでも見る 価値あり。走行する自動車と曲芸飛行をする飛行機を一つのフレームに収めたカ ットも忘れられない。そして何より驚いたのは、トミー・リー・ジョーンズが癌 を告白するシーンだ。彼とマーシャ・ゲイ・ハーデンが飛行機の影にうずくまり 会話するカットと、歩くイーストウッドをクロス・カッティングした繋ぎ。この ような演出とカッティングで観客の心を揺すぶる術はイーストウッドならではの 繊細さ。こんな繋ぎは世界映画史上初めてではないか、と思えてくる。  宇宙空間での衛星の不気味さと瓦解の凄まじさも私の想像を遙かに超えるスペ クタキュラー。やっぱり、これが「映画」だよなぁ、と痛感させられる。
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[003]リトアニアへの旅の追憶
 快いKatsumi Egi (Mail)2001-11-20
 
 実によく出来た映画。特に、第二部のリトアニアでのカッティングは今見ても 新鮮な驚きに満ちている。こういう落ち着きのない画面は基本的に私の趣味では ないが、ここまで徹・・・
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 実によく出来た映画。特に、第二部のリトアニアでのカッティングは今見ても 新鮮な驚きに満ちている。こういう落ち着きのない画面は基本的に私の趣味では ないが、ここまで徹底してやられると快感に転じてくる。画面に映る人たちが、 悉くカメラ目線でメカスとの関係性を暴き立てる画面も、音楽の使い方やメカス のナレーションも快感。
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[004]ペイ・フォワード 可能の王国
 (無題)Katsumi Egi (Mail)2001-11-20
 
 3人の演技を見ているだけで、ラストまで飽きずに見られたし、それなりに身 につまされる細部もあって、この映画の存在自体は悪くないと思う。多くの人に 訴求する映画でしょ・・・
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 3人の演技を見ているだけで、ラストまで飽きずに見られたし、それなりに身 につまされる細部もあって、この映画の存在自体は悪くないと思う。多くの人に 訴求する映画でしょう。しかし、いい加減な展開、人物の動機描写の希薄さには 首をかしげざるを得ない。  例えば、少年が先生と母親の夕食をセッティングする場面、少年の家出を思い 止まらせる場面、改心したはずの父親の扱い、母親と祖母との和解等々もう少し 丹念に演出して欲しい。特に父親役のジョン・ボンジョビの役回りは非道過ぎま すね。暴力的な見せ場を作らなきゃ嘘でしょ。原作は未読ですが、原作をまとめ きれなかったのだろう、と思いながら見た。  また、前半の時制の解体は全く逆効果。観客を混乱させるだけだ。ジャガーが プレゼントされる出だしなんか結構良いのだから、もう少し素直に繋いでいたら また違った映画になっていただろう。  ただし、善行の無限連鎖については偽善も胡散臭さも大して感じない。「善行」 という言葉を使ったが、ここで描かれている「恩送り」は、実は社会的モラルと 全く切り離された、自分勝手な(或いは自己満足の)「人助け」であり、さらに言 えば、自己を救済するための方便だ。登場人物もその点をよく認識しているよう に描かれているところが映画全体を救っている。
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[005]あの子を探して
 ドキュメンタリー・タッチKatsumi Egi (Mail)2001-11-16
 
 一種のプロパガンダ映画だということもあって、『初恋のきた道』と打って変 わった見事なドキュメンタリー・タッチで見せる。しかし、いかにもリアリズム で攻めた風に見せて・・・
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 一種のプロパガンダ映画だということもあって、『初恋のきた道』と打って変 わった見事なドキュメンタリー・タッチで見せる。しかし、いかにもリアリズム で攻めた風に見せて、その実、巧妙に劇的な要素を配置する手腕は狡猾だとも思 えるぐらいだ。  例えば、容貌も性格付けも凡そ映画のヒロインらしくない少女を主役に配置し 「現実らしさ」を装うが、ホエクーという少年や学級委員(?)役の女の子(チョ ークを大事にしない事を訴える日記を書いた少女)のような「映画のツラ構え」 を持った人物で補完する。或いは、いかにも現実にいそうなエゴイズムむき出し の人物ばかりを登場させるが、そのディスコミュニケーション(思いこみや思い 違い)で巧妙に劇的なシチュエーションを作り出していく。個々のエゴのぶつか り合いがとても面白いのだ。主人公、村長、ホエクー、ホエクーの姉、駅のアナ ウンス嬢、テレビ局の受付係等々。  しかし、物分かりの良い好人物としてテレビ局の局長が登場したあたりから、 この映画の方向性が違ってくる。悪く言えばプロパガンダとしての宿命的な胡散 臭さを帯びてくる。  私は意地の悪い観客なので、生徒を一人も欠落させなかった時に支払われる金 を受け取ることこそが、主人公の唯一無二の動機として、一貫して描いて欲しか ったと思ってしまう。
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[006]初恋のきた道
 完璧な技巧の映画Katsumi Egi (Mail)2001-11-16
 
 振り向く映画。チャン・ツィイーが振り向く度に、左右に編んだ御下げ髪が抜 群の効果を発揮する。特に、子供達と一緒に下校する先生を待ち伏せする場面。 彼女が振り向く様を・・・
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 振り向く映画。チャン・ツィイーが振り向く度に、左右に編んだ御下げ髪が抜 群の効果を発揮する。特に、子供達と一緒に下校する先生を待ち伏せする場面。 彼女が振り向く様を俯瞰ぎみでいくつか繋げたシーンの切なさ美しさ。  視線の映画。人の「想い」を視線の演出で見事に画面に定着させていく。特に チャン・ツィイーのアップカットでの視線と、縦の構図での空間描写の適切さに は舌を巻く。  全体的に言って、完璧な技巧の映画。アップ、バスト、ロング、俯瞰、仰角、 或いは、スローモーションやオーバー・ラップやジャンプカットの適切な処理は まさにお手本。あんまり優等生的過ぎて『紅いコーリャン』の頃の荒削りな力強 さが懐かしくなってしまう。
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[007]グリーン・デスティニー
 竹林Katsumi Egi (Mail)2001-11-16
 
 アクション・シーンのカメラワークと演出は驚異的なものだ。特に最初に名剣 が盗まれた後の、夜の追跡シーンの撮影には吃驚した。縦の構図を素早いカット 割りで見せる見せる・・・
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 アクション・シーンのカメラワークと演出は驚異的なものだ。特に最初に名剣 が盗まれた後の、夜の追跡シーンの撮影には吃驚した。縦の構図を素早いカット 割りで見せる見せる。やっぱりこの撮影者は評価されてしかるべきだろう。  全てのアクション演出が見応え充分だが、中でも竹林のシーンは絶品ですね。 『侠女』の竹林のシーンもスピーディなアクションが凄かったが、この映画の浮 遊感を伴った運動とその停止のダイナミズムは『侠女』を上まわる素晴らしさ。 湾曲した竹の先端近くにチョウ・ユンファが静止しているカットは息を呑むほど 美しい映画的瞬間だ。  惜しむらくはチャン・ツィイーの回想シーン。チャン・チェン演じる盗賊の首 領との恋愛沙汰が、映画の流れを弛緩させる。これだからフラッシュ・バックや 回想は嫌いだ。おしなべて映画をつまらなくする。(勿論、見事に使った映画も あるんだけど。)
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[008]魔の家
 傑作Katsumi Egi (Mail)2001-11-15
 
 これは実に見応えのある恐怖映画。同監督の『フランケンシュタイン』の比で はない。冒頭、豪雨の中を走る車の表現も見事だし、「家」に着いてからのドア、 窓、鏡、或いは階・・・
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 これは実に見応えのある恐怖映画。同監督の『フランケンシュタイン』の比で はない。冒頭、豪雨の中を走る車の表現も見事だし、「家」に着いてからのドア、 窓、鏡、或いは階段の使い方も素晴らしい。  メルビン・ダグラスがいかにもスターらしい登場のしかたをするのも格好いい し、レイモンド・マッセイやチャールズ・ロートンの脇役陣にもそれぞれ適度な 見せ場があって飽きさせないが、『タイタニック』(1997)のお婆さん、グロリア・ スチュアートがとても気品のある美しさで映画を背負って立つヒロインになって いる。  ホークス『暗黒街の顔役』(1932)やフォード『肉弾鬼中隊』(1934)では、フラ ンケンシュタインの怪物にしか見えない顔立ちで現れるボリス・カーロフがこの 映画では特殊メイクによってカーロフとは思えない(フランケンシュタインの怪物 とは思えない)キャラクターで登場する。ある意味、カーロフが主役の映画だが、 ラストで幽閉されていた新たなモンスター「サウル」が出現するに至ってカーロ フの印象が消し去られてしまう。このサウルという男の狡猾な暴力性は、ジェー ムズ・ホエールの屈折した精神を表出したものだ、という穿った見方もできるが、 単純に「映画の悪役」としての造型が素晴らしい。
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[009]フランケンシュタイン
 美術・装置が面白いKatsumi Egi (Mail)2001-11-15
 
 今見ると、フランケンシュタインの怪物のキャラクター以上に、美術・装置の 面白さに目を瞠ってしまう。実験が行われる塔もいいし、ラストで炎上する水車 小屋も面白い。博士・・・
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 今見ると、フランケンシュタインの怪物のキャラクター以上に、美術・装置の 面白さに目を瞠ってしまう。実験が行われる塔もいいし、ラストで炎上する水車 小屋も面白い。博士の実家(父親が住む家)の天井の高いセットも、サイレント映 画っぽいセットだが豪華だ。怪物を創造する実験自体も何が行われているのか訳 が判らないが、異様なケレンみ、異様なスペクタクルで観客を納得させてしまう。 こういう部分は現在の映画でも大いに見習ってほしいところだ。
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[010]ゴッド・アンド・モンスター
 キューカーKatsumi Egi (Mail)2001-11-15
 
 フラッシュ・バックがつまらない。イギリスでの少年時代も一次大戦も『フラ ンケンシュタインの花嫁』撮影風景も、はっきり言って映画の流れを阻害するだ けで全く逆効果。フ・・・
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 フラッシュ・バックがつまらない。イギリスでの少年時代も一次大戦も『フラ ンケンシュタインの花嫁』撮影風景も、はっきり言って映画の流れを阻害するだ けで全く逆効果。フラッシュ・バックを用いず、イアン・マッケランの喋くりだ けでの回想、例えば、鉄条網にハリつけになった戦友を塹壕から何日も見なけれ ばならなくなったエピソード等の方がずっと心を揺さぶられる。  また、エピローグも無い方が良い。プールに再投入されたイアン・マッケラン が踊るように漂う場面がこの映画のもっとも美しいシーンだと思うのだが、この カットで終わって欲しかったぞ。  ジョージ・キューカーの扱いが面白い。彼が女性に興味が無かったことも周知 の事実だが、ホエール同様、トーキー最初期からキャリアをスタートし、ホエー ルが早々に映画界から去ったのに対してキューカーは1980年代まで新作を発表し た、その図太さ、世渡りのうまさが、ほんの僅かな扱いながらよく出ていた。
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[011]ゴースト・ドッグ
 Stupid fucking white man!Katsumi Egi (Mail)2001-11-07
 
 フォレスト・ウィッテカーは、監督業は諦めて俳優業に徹した方が良いんじゃ ないかと思う。ぱっと見た感じ鈍重なイメージなのだが、その実、とてもシャー プな演技のできる人・・・
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 フォレスト・ウィッテカーは、監督業は諦めて俳優業に徹した方が良いんじゃ ないかと思う。ぱっと見た感じ鈍重なイメージなのだが、その実、とてもシャー プな演技のできる人だ。  ジャームッシュらしい緩やかなフェイド・アウトと、「葉隠」のパラグラフの 字幕が紡ぎ出すリズムがとても心地よい。また、老いぼれたマフィア達が実に面 白く、しかも冷ややかに突き放した演出ではなく、暖かな眼差しで見つめられた 演出であるところがこれまた気持ちイイ。「ゴースト・ドッグ」という名前から の連想で変てこなインディアン(ネイティブ・アメリカン)の名前を連呼するシー ンのおかしさったら!  また、ゴースト・ドッグの住処の屋上まで息をきらして登ってきた老ギャング 2人が遭遇するインディアンは、『デッドマン』でノーボディを演じたゲーリー・ ファーマーなのだが、彼が「Stupid fucking white man!」と叫ぶシーンの緊迫 感の中の滑稽さなんて絶品。  鈴木清順『殺しの烙印』のパロディ(?)である水道管を利用した狙撃シーンも 狙撃シーン自体より、その前のバスローブ姿でダンスするクリフ・ゴーマンの方 がよっぽど面白い。  ってな具合で印象的な細部を上げていくとキリのない、とてつもなく魅力的な 映画です。
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[012]ダウン・バイ・ロー
 ダンスKatsumi Egi (Mail)2001-11-07
 
 私にとっても、目下のところジャームッシュの中で最も愛すべき作品がこれ。 もうロベルト・ベニーニ と ニコレッタ・ブラスキのダンス・シーンだけでこの 映画は宝物のよう・・・
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 私にとっても、目下のところジャームッシュの中で最も愛すべき作品がこれ。 もうロベルト・ベニーニ と ニコレッタ・ブラスキのダンス・シーンだけでこの 映画は宝物のような作品だ。ベニーニのこれ見よがしな演技は好きになれないし 脱獄映画ファンとしては脱獄シーンを大胆に割愛した構成も物足りないのだけれ ど、あの美しく滑やかな幸福感溢れるダンス・シーンだけで全てを赦してしまう。  また、タイトルバックからラストの分かれ道のシーンまでロビー・ミューラー の撮影は息を呑むほど美しい。
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[013]パーマネント・バケーション
 カッティングKatsumi Egi (Mail)2001-11-07
 
 実は次作『ストレンジャー・ザン・パラダイス』を先に見た私にとって(多分、 多くの日本人がそうだと思うが)、この映画の洗練されたカッティングには吃驚 した。なぜなら、・・・
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 実は次作『ストレンジャー・ザン・パラダイス』を先に見た私にとって(多分、 多くの日本人がそうだと思うが)、この映画の洗練されたカッティングには吃驚 した。なぜなら、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』は全く切り返しの無い 映画であり、もしかしたらこの監督は編集ができない人なのかも知れない、と思 っていたからだ。しかもこの処女作はジャームッシュ自身が編集を担当している。 冒頭、主人公のダンス・シーンの見事なカッティング!或いは、街を歩く主人公 が塀の角を曲がる際のスムーズな繋ぎの心地よさ。  ニコラス・レイの『バレン』(私は未見。残念!)が上映されている映画館のソ ファで「ドップラー効果」と「虹の彼方に」のジョークを話す男のシーンも面白 い!またその後、夜の街頭でジョン・ルーリーの奏でるサックスが「虹の彼方に」 と出だしがそっくり、というのもふるっている。  本処女作から英語を話さない人物が登場する。
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[014]ノスフェラトゥ
 (無題)Katsumi Egi (Mail)2001-10-30
 
 ムルナウ版に比べると、ブルーノ・ガンツ演じる主人公の性格づけが随分変わ ってる。ムルナウ版の難点は主人公が楽天的過ぎるところだと思うのだが、この 映画では、終始渋面・・・
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 ムルナウ版に比べると、ブルーノ・ガンツ演じる主人公の性格づけが随分変わ ってる。ムルナウ版の難点は主人公が楽天的過ぎるところだと思うのだが、この 映画では、終始渋面でしかつめらしくていい雰囲気だ。ただしムルナウ版よりも 良いと思える部分はこれくらい。棺桶を持って飄々と歩くクラウス・キンスキー が見たかったぞ。  ブルーをバックに飛ぶ蝙蝠のスローモーションが嫌だね。こういう緊張感が中 断されるカットをどうして持って来るんだろう。
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[015]X−メン
 自由の女神Katsumi Egi (Mail)2001-10-30
 
 「映画」を作ろうとしているとは到底思えない『アベンジャーズ』なんかに比 べれば、まあ見るべき点はあるが、やっぱりこの監督の演出はイマイチだと思う。  中盤まではあん・・・
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 「映画」を作ろうとしているとは到底思えない『アベンジャーズ』なんかに比 べれば、まあ見るべき点はあるが、やっぱりこの監督の演出はイマイチだと思う。  中盤まではあんまり詰まらなくて笑ってしまうぐらいだった。ブルース・デー ビソン演じる上院議員がミュータント化される仰々しいシーンだとかね。こうい うシーンは美術・装置で(CGでもいいけど)吃驚させてほしいです。なんとも、 イメージが貧困。  しかし、ラスト近くの自由の女神を舞台にしたアクション・シーンにいたって おゝ、ヒッチの『逃走迷路』やん、と思ってしまい、俄然面白くなってくる。ラ ストのチェスの対決なんかも悪くない。やっぱりこういう映画はプロダクション デザインが大事だ。 #ヒュー・ジャックマンという俳優の面構えは良いですね。将来に期待大。
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[016]吸血鬼
 禍々しいKatsumi Egi (Mail)2001-10-27
 
 この映画はまず冒頭からなんとも禍々しい雰囲気で観客を圧倒する。影を使っ た見事な演出や有名な棺桶の主観ショットなど、個々のシーンの映像としては実 に面白くラストまで・・・
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 この映画はまず冒頭からなんとも禍々しい雰囲気で観客を圧倒する。影を使っ た見事な演出や有名な棺桶の主観ショットなど、個々のシーンの映像としては実 に面白くラストまで見ることができるのだが、少々つなぎが悪くて混乱を覚える。 この監督の中では明らかに完成度が低い。
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[017]吸血鬼ノスフェラトゥ
 (無題)Katsumi Egi (Mail)2001-10-27
 
 この映画で一番戦慄を覚えたのは、ラスト近くでヒロインがその夫へ「隣の 家の窓が怖い」と指さした次のカットだ。なんとグロテスクで異様な建築物! その必要以上に沢山の窓・・・
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 この映画で一番戦慄を覚えたのは、ラスト近くでヒロインがその夫へ「隣の 家の窓が怖い」と指さした次のカットだ。なんとグロテスクで異様な建築物! その必要以上に沢山の窓!この建物は吸血鬼が棺桶を持って歩くシーンの後に も登場していて既知の情報のはずなのだが、建物全体を映された時の異様さは 背筋に電撃が走る映画的瞬間。  ただし、ムルナウなら画面の端正さ・美しさで『最後の人』や『サンライズ』 の方が私の好み。
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[018]最後の人
 窓とドアの映画Katsumi Egi (Mail)2001-10-27
 
 窓とドアの映画。多分全体の9割以上のカットで窓かドアが映っている。ファ ーストカットから、エレベータの窓から見えるホテル内の風景だし、またこのホ テルのガラス張りの・・・
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 窓とドアの映画。多分全体の9割以上のカットで窓かドアが映っている。ファ ーストカットから、エレベータの窓から見えるホテル内の風景だし、またこのホ テルのガラス張りの回転式ドアの偉容さが良い!アパートの窓の使い方も素晴ら しい!画面の端正さは特筆に値する。本当に美しい。  エピローグが不要である、という多くの人が指摘する点は私も同感。しかも、 ストーリ的に蛇足であるばかりでなく、エピローグに至るまでと明らかに演出の ボルテージも落ち、画面づくりも雑に感じる。
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[019]タルテュッフ
 映画中映画Katsumi Egi (Mail)2001-10-27
 
 モリエールの戯曲を映画中映画としてもってくる構成は趣向として悪くはない と思うけれど、プロローグとエピローグの現実世界が少々教条主義的なこともあ って、私はモリエー・・・
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 モリエールの戯曲を映画中映画としてもってくる構成は趣向として悪くはない と思うけれど、プロローグとエピローグの現実世界が少々教条主義的なこともあ って、私はモリエールの「タルチュフ」自体をムルナウがじっくり演出した映画 が見たかった。この映画中映画「タルチュフ」も演出は見事なものだが、戯曲を かなり簡素化し毒気を抜いたものになってしまっている。  しかしムルナウの演出とフロイントの撮影は、冒頭の呼び鈴のアップから絶好 調という感じで見せに見せる。エミール・ヤニングスとヴェルナー・クラウスは 怪演だ。いろいろ無い物ねだりをしても、傑作であることには間違いない。
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[020]アメリカ野郎
 (無題)Katsumi Egi (Mail)2001-10-15
 
 ジム・ソープ。メジャーリーガーにしてプロフットボール選手。  しかし、このようなプログラム・ピクチャーでも、かつてのハリウッドは、も う唸ってしまうほど巧い。マイケ・・・
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 ジム・ソープ。メジャーリーガーにしてプロフットボール選手。  しかし、このようなプログラム・ピクチャーでも、かつてのハリウッドは、も う唸ってしまうほど巧い。マイケル・カーティスにしてもこれほどやってしまう。 なんといってもジム・ソープのカレッジ時代のスピーディな描写は最高に楽しか った。
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[021]暴力波止場
 ポワティエ、カサベテスKatsumi Egi (Mail)2001-10-15
 
 シドニー・ポワティエが面白い。ポワティエが面白くてずっと見ていたような ものだ。それに比べれば、カサベテスもジャック・ウォーデンも面白くない。ポ ワティエが登場しな・・・
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 シドニー・ポワティエが面白い。ポワティエが面白くてずっと見ていたような ものだ。それに比べれば、カサベテスもジャック・ウォーデンも面白くない。ポ ワティエが登場しなくなってからは、よく見ていたものだと思う。  マーティン・リットの第一作。この人の生真面目さはよく判るが、この第一作 から映画的な画面ではない。
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[022]ヨーク軍曹
 ブレナン!Katsumi Egi (Mail)2001-10-15
 
 この映画は人頭と鶏頭を同列に描いたヒューマニズムの観点からすれば唾棄す べき映画だというレッテルが貼られた、心ない人からは「戦意高揚映画」という レッテルが貼られた・・・
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 この映画は人頭と鶏頭を同列に描いたヒューマニズムの観点からすれば唾棄す べき映画だというレッテルが貼られた、心ない人からは「戦意高揚映画」という レッテルが貼られた、オスカー嫌いからは11部門ノミネートという駄作の象徴と いうレッテルが貼られた、要するに現在では不幸な位置づけにある映画ですが、 しかし、世界映画史上最高の脇役であるウォルター・ブレナンが牧師(神父?)を 演じる教会のシーン、クーパーが戦場に赴く前夜の夜の表現、その恐ろしく厚み のある、密度の濃い画面、私はこのウォルター・ブレナンの説教のシーンで涙を 押さえられなくなる、ホークスの天才の刻印がここにあると思えるのです...
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[023]こわれゆく女
 傑作Katsumi Egi (Mail)2001-10-14
 
 まず、ジーナ・ローランズとピータ・フォークの独創性を賞賛しよう。このよ うな演技は誰も行ったことがないのではないか?と感じさせる。見事な映画的セ ンスだと感じさせる・・・
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 まず、ジーナ・ローランズとピータ・フォークの独創性を賞賛しよう。このよ うな演技は誰も行ったことがないのではないか?と感じさせる。見事な映画的セ ンスだと感じさせる。  さて、映画のスクリーン(あるいはフレーム)の機能には2つあって、一つは映 画の世界から観客に開かれた窓。我々が映画の世界を見ることができるのは、僅 かにこのスクリーンの内側の限られた範囲のみだ。(言わずもがなですな。)  二つ目の機能は、その逆で、スクリーンは映画世界の中で観客には不可視の広 大なオフスペースを作り出しているという点。私は映画を見ながら、可視のスク リーン以上に不可視のオフ・スクリーン・スペースが気になって気になってしよ うがなくなることがある。まるで、黒い大きな布が小さな窓(スクリーン)を除外 して全世界に貼り付けられたように感じる。  カサベテス映画もまたオフ・スクリーン・スペースを意識せずにはいられない、 スリリングな映画ばかりだ。それはルビッチやルノワールの機能的なオフの利用 とは違う。カサベテスのフレーミングは観客に強烈な緊張感を強いる一方、映画 表現の自由を意識させるし、少なくも私は、見終わった後に映画の幸福とはこう いうものなのだという感慨と開放感を覚える。
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[024]少女ムシェット
 活劇Katsumi Egi (Mail)2001-10-14
 
 これまた恐ろしく峻厳な映画だ。多分、多くの人はこのような映画を芸術映画 だと決めつけるのだろうが、私にとっては非常に面白い娯楽作であり、もっと言 えば真の意味での「・・・
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 これまた恐ろしく峻厳な映画だ。多分、多くの人はこのような映画を芸術映画 だと決めつけるのだろうが、私にとっては非常に面白い娯楽作であり、もっと言 えば真の意味での「活劇」だと思える。  冒頭の鳩(?)への罠をしかけるシーンから、ブレッソンらしい手と足の演出が 炸裂し、一瞬たりとも目が離せなくなるのだが、特に雨の夜、森の中で、ずぶ濡 れになったムシェットが、黒い腿までのストッキングをはきかえる性的な暗示の シーンからラストまでの息詰まる緊迫感。密猟をする男とムシェットが二人きり になってからのスリリングなこと!抵抗しながらも男に抱かれるシーンのムシェ ットの嗚咽の曖昧さ。冒頭の鳩の密猟に呼応するかのようにラスト近くで集団に よる兎狩りのシーンがあり、兎の運動と停止の映画的ダイナミズムはムシェット の帰結を充分に暗示する。  ただし、シーンの繋ぎが粗っぽいところがある。特に場所・空間の関係がつか めず、少々混乱を覚える部分もあり、前作『バルタザール』と比べれば完成度は 落ちる。
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[025]ゴーストタウンの決斗
 よくできているKatsumi Egi (Mail)2001-10-14
 
 この映画は再評価されてしかるべきだと思う。一貫したルックをもっている。 野外シーンの多くは、雪を頂いた山並みをバックに展開される冬の西部劇で、登 場人物も皆一貫して・・・
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 この映画は再評価されてしかるべきだと思う。一貫したルックをもっている。 野外シーンの多くは、雪を頂いた山並みをバックに展開される冬の西部劇で、登 場人物も皆一貫して冷厳さがある。ウィドマークとヘンリー・シルバの悪役ぶり もいいが、前半で殆ど喋らないロバート・ミドルトンが後半になって俄然目立っ てくる構成が良い。撮影・編集も非常にきめ細か。ラストの決闘シーンのカッテ ィング・イン・アクションもお手本のようだ。  しかし、5人の悪党どもに拉致されたパトリシア・オーウェンズに対して全く エロティックな見せ場を作らないところが、ジョン・スタージェスの限界か。
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[026]市民ケーン
 映画史上ベストワン?Katsumi Egi (Mail)2001-09-30
 
 映画史には「踏み絵」のような映画があって、まさにこの『市民ケーン』はそ れにあたると思う。ステレオタイプに分類することを恐れずに言えば、この映画 を楽しめない人は多・・・
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 映画史には「踏み絵」のような映画があって、まさにこの『市民ケーン』はそ れにあたると思う。ステレオタイプに分類することを恐れずに言えば、この映画 を楽しめない人は多分に映画を「内容」で楽しむ嗜好の持ち主であり、この映画 を楽しめる人は映画の「形式」を重視して楽しむ人だろう。どちらが良いとか、 高等だとかの話じゃない。この映画を前にしたときの多くの人の身振りを観察す る限り、私にはそう思える。(ま、「踏み絵」という言葉には政治的な臭いがつ きまとうので、言葉使いとして適当じゃないかも知れませんが)  という訳で、私は『市民ケーン』が世界映画史上のベストワンだと言われても いっこうに不思議ではない、桁違いの魅力をもった映画だと思っています。  まず、誰もが口にするパン・フォーカスに関して言っても、映画史上で徹底的 にパン・フォーカスを意識して利用された初めての映画だから、つまり映画の技 術革新として『市民ケーン』が凄いのでは断じてない。(事実、この映画以前に 溝口健二やジャン・ルノワールが相当に被写界深度の深い演出をみせています。) 『市民ケーン』のパン・フォーカスに匹敵するくらいパン・フォーカスが効果的 な使われ方をした例が他に無いところが凄いのです。  アグネス・ムーアヘッド(大好き!)扮する母親と別離する雪降る小屋のシーン のパン・フォーカスなんて、このシーンに拮抗できるほどのパン・フォーカスを 思い浮かべることができない。  また、リーランドとケーンが演劇を巡って言い争うカットが、もの凄い仰角の 長回しで部屋の天井がバッチリ写っている、なんてところや、集合写真の人物達 が突然動き出す異化効果や、クレーン移動による数々の眩惑的なシーケンス・シ ョットや...。この映画の画的な魅力を上げていくとキリがない。『市民ケーン』 のラストは、何が映っているかよりも、それが映る迄のカメラワークの方が遙か に凄い。  ま、「薔薇の蕾」にまとわりつくセンチメンタルなテーマ性・ストーリ性があ るからこそ、映画の「形式」を殆ど楽しまない人々の一部からも、支持されうる 戦略が施されているわけですが、私は、「薔薇の蕾」なんてヒッチコックの言う 「マクガフィン」でよかったと思っている。つまり、『市民ケーン』は「薔薇の 蕾」の正体が何であれ、ラストで自走するカメラによって明らかにされなくとも、 依然、映画史のベストワンで有り続けたであろう桁違いの面白さ。世界映画史上 の大傑作。
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[027]ピストルと少年
 傑作Katsumi Egi (Mail)2001-09-30
 
 主人公の少年の映画的な面構えを見ているだけで「もうこの映画が終わらなけ ればいい」という気持ちにつかれる。しかしこの映画が本当に異彩を放ち始める のは主人公の姉ナタ・・・
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 主人公の少年の映画的な面構えを見ているだけで「もうこの映画が終わらなけ ればいい」という気持ちにつかれる。しかしこの映画が本当に異彩を放ち始める のは主人公の姉ナタリーが登場してからだ。まず姉の登場カットのそっけなさに しびれる。まるでニコラス・レイ『孤独な場所で』のグロリア・グレアム登場シ ーンのようだ。彼女がいきなり刑事に銃を向けるシーンの唐突さが良いし、さし たる理由なく海へ入ってしまう展開も良い。このような唐突さを映画として有無 を言わさず納得させてしまう演出手腕が素晴らしい。
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[028]奇跡の人
 演劇臭いKatsumi Egi (Mail)2001-09-30
 
 全体的に演劇臭い。凡作とか愚作とかいうレベルではないが、映画として大し たことがない。まず、アヴァン・タイトルで母親が泣き叫ぶシーンはどうにかし て欲しい。前半で、・・・
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 全体的に演劇臭い。凡作とか愚作とかいうレベルではないが、映画として大し たことがない。まず、アヴァン・タイトルで母親が泣き叫ぶシーンはどうにかし て欲しい。前半で、父親が悉く声を荒げてオーヴァー・アクトを繰り返すのも我 慢ならないし、サリヴァンの子供時代のフラッシュバックももう少し巧い処理が あるだろう。こんなフラッシュバックなら無い方がよっぽどマシじゃないか。  しかし、やっぱり、アン・バンクロフトの映画的センスには感心させられる。 彼女の不敵な演技は傲岸不遜になる一歩手前で映画的ヒロイズムを見事に体現し ているし、あるシーンでは『博士の異常な愛情』のストレンジラブ博士の表情を 想起させるくらいアイロニカルだ。ジョン・フォードの遺作『荒野の女たち』の 主役に起用されたことがようく納得できる。
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[029]肉体の冠
 張り手Katsumi Egi (Mail)2001-09-30
 
 良いシーンは沢山あるが、なんといっても川辺で横になるセルジュ・レジアニ と小船でやってくるシモーヌ・シニョレのシーンは吃驚仰天するくらい艶めかし い演出だ。レジアニ・・・
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 良いシーンは沢山あるが、なんといっても川辺で横になるセルジュ・レジアニ と小船でやってくるシモーヌ・シニョレのシーンは吃驚仰天するくらい艶めかし い演出だ。レジアニの大工職人としての作業場のドアと窓も良いですよ。ドアや 窓の内外を異空間として演出する術に監督の才能の有り無しが如実に現れるのだ。 川辺(水)やドアや窓の映画的な使い方といった部分はベッケルがジャン・ルノワ ールの弟子であることを痛感する。  『現金に手を出すな』でジャンヌ・モローがビンタをくらうシーンも相当痛い シーンだったが、この映画のシニョレが張り手でぶん殴られるシーンの方が上だ ろう。殴り倒される様が見事です。またこの映画ではレジアニがシニョレにビン タされるシーンもあり、映画で人を殴る演出っていうのはこういうものなのだと 感心させられる。
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[030]ダンサー・イン・ザ・ダーク
 ジャンプカットKatsumi Egi (Mail)2001-09-23
 
 ゴダールが『勝手にしやがれ』で創始したとされる、いわゆるジャンプカット を使ったダイナミズムの極限か。この映画の特質は決して「手持ちカメラによる ブレの映像」ではな・・・
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 ゴダールが『勝手にしやがれ』で創始したとされる、いわゆるジャンプカット を使ったダイナミズムの極限か。この映画の特質は決して「手持ちカメラによる ブレの映像」ではない。「全編に亘るジャンプカット」こそこの映画の形式上の 特徴だと思う。なぜなら、手持ちカメラであってもハリウッド的なカッティング ・イン・アクションでスムーズにカット繋ぎをすることは可能だからだ。  ただし、ミュージカルシーンはフィクスでフレーミングも編集も安定した画面 だ。実を云うと最初のミュージカルシーンが出てくるまで、私は「もしかして、 ラスト迄全てジャンプカットをやるのか?」と異様に興奮したのだが、ミュージ カル場面ではハリウッド的な繋ぎになり少々がっかりした。  しかし、この映画はビョークの圧倒的な存在感が支えていることに異論は無い が、同時に、ロビー・ミューラーが主役だと云っても良いぐらい撮影が突出して 観客に迫ってくる。このこと自体、好悪が分かれることだと思うが、監督の意図 をこれだけフォローしたロビー・ミューラーの撮影は凄いと思うぞ。  あと、大好きなピーター・ストーメアがビョークに思いを寄せる重要な役を演 じていてとても嬉しい。 #ピーター・ストーメアっていうのは、『ファーゴ』ではブシェーミの相棒役、  『アルマゲドン』ではロシア人宇宙飛行士役をやった人。
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