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 「wao」さんのコメント一覧 登録数(83件)rss
 コメント題投稿者投稿日
[001]シベールの日曜日
 再見wao (Mail)2010-01-17
 
先日,wowowでシネスコ版,ハイビジョン画質での再映を堪能しました。 初見はテレビの深夜放送だったように思いますが,その後,大井町にあった名画座で見て以来数10年ぶりのこ・・・
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先日,wowowでシネスコ版,ハイビジョン画質での再映を堪能しました。 初見はテレビの深夜放送だったように思いますが,その後,大井町にあった名画座で見て以来数10年ぶりのことで,ディテールはほとんど忘れてましたが,ハーディ・クリューガーの若さ自体が新鮮でした。 アンリ・ドカエの映像は素晴らしいの一言です。
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[002]恐怖の報酬
 なかなかこうはいかないwao (Mail)2006-07-23
 
現代においてこのような映画がつくれるか,という観点から見直してみると,結構スゴイ映画だと納得させられる。状況設定自体は似たようなものはいくらでもあるし,CGを駆使す・・・
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現代においてこのような映画がつくれるか,という観点から見直してみると,結構スゴイ映画だと納得させられる。状況設定自体は似たようなものはいくらでもあるし,CGを駆使すればものすごいスペクタクルも可能かもしれないが,得てして安易にラブロマンスに流れたり,男臭い友情の物語に堕してしまい,ストーリー上の緊迫感がそがれてしまうことが多い。大方,プロデューサーの意向で観客のカタルシスを先取りしてしまうような脚本,演出に落ち着いてしまうためだろう。「地獄の黙示録」ですら,これほどまでのタフなサスペンスには仕上がっていない。映像のテイストは異なるが,フィルムノワールの雰囲気に近いものを感じる。前半の人情劇のようなウェットな展開が,後半のドライな展開をより際立たせていて,見ている側は感傷的な気分に浸っている暇を一瞬たりとも与えられない。戦争映画ではないが,結果として戦場の気分を体感させられる作品である。
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[003]1900年
 若さゆえ…wao (Mail)2006-02-23
 
全てを受けいれることができたんだな…と今になってつくづく思います。後年,坂本龍一の「プレイング・ジ・オーケストラ」というCDボックスセットを購入した際,この作品のテ・・・
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全てを受けいれることができたんだな…と今になってつくづく思います。後年,坂本龍一の「プレイング・ジ・オーケストラ」というCDボックスセットを購入した際,この作品のテーマ曲がコピーされていて感激した次第です。まさにベルトリッチつながりですね。このメロディは一生忘れないでしょう。ラベルのボレロのような不思議なドライブ感をもった曲です。僕的には,ステファニア・サンドレッリとスターリング・ヘイドンの役が忘れがたい!
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[004]チェンバー/凍った絆
 クリスプwao (Mail)2006-02-23
 
このテのジャンルでジーン・ハックマンとくると,どうしても「ミシシッピ・バーニング」を思い出してしまいます。こちらはジョン・グリシャム原作とあって,南部のきな臭い歴史・・・
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このテのジャンルでジーン・ハックマンとくると,どうしても「ミシシッピ・バーニング」を思い出してしまいます。こちらはジョン・グリシャム原作とあって,南部のきな臭い歴史の中にも法廷サスペンスのエッセンスが濃厚ですが,「ファーム」などから見るとかなり暗いお話です。ハックマンは,「ファーム」,「ニューオーリンズ・トライアル」と,グリシャム物に起用される頻度が高い役者ですね。
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[005]アメリカ,家族のいる風景
 同感ですwao (Mail)2006-02-22
 
一見ありがちな筋立てなんだけど,キャラクターの絡み方が斬新で,変に感動を押し付けることもなく,決してハッピーな映画ではないけれど,なんかいい気分にさせてくれます。今・・・
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一見ありがちな筋立てなんだけど,キャラクターの絡み方が斬新で,変に感動を押し付けることもなく,決してハッピーな映画ではないけれど,なんかいい気分にさせてくれます。今は落ちぶれたかつての花形役者でもあり,どうしようもない放蕩息子でもある主人公に男の立場で感情移入するもよし,女の立場で主人公をとりまく女性(母親,恋人)に同一化するもよし,子どもの立場で親の都合に翻弄され傷ついた息子や娘にシンパシーを感じるもよし,あらゆる世代の視点を盛り込んだロードムーヴイです。親子や男女の葛藤が軸なのですが,人間模様はどこかコミカルで,温もりがあって憎めない映画です。
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[006]ジェット・ローラー・コースター
 確かwao (Mail)2006-01-23
 
ロードショー公開時に新宿プラザで見ているのだが,確かセンサラウンド&70ミリだったような気がする(ものすごくデカイ画面に感動した)。配役のウィドマーク,フォンダ,ガー・・・
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ロードショー公開時に新宿プラザで見ているのだが,確かセンサラウンド&70ミリだったような気がする(ものすごくデカイ画面に感動した)。配役のウィドマーク,フォンダ,ガーディノというラインナップを見ると,往年の「刑事マディガン」を彷彿とさせる。ヘレン・ハントなんて出てたのか(シーガルの娘役らしい)。ラロ・シフリンのスコアは輸入サントラ界きっての名盤だ。海外では本作のDVDも出ている(実は最近になって以前アマゾンで購入していたことに気づいた。押入れに眠ったままだった)。当時のテレビニュースでコースターが脱線して乗客が放り出されるシーンの撮影現場の映像を紹介していたが,スタントマンが演じていたけど,かなり危険そうだった。以来,ジェットコースターに乗るたびに,きまって本作がトラウマのように思い出された。コースレイアウトよりも,ひょっとして自分の番のときにコースアウトしてしまうのではないかという恐怖感の方が強く,特にコーナーリング時には緊張した(浅草「はなやしき」のコースターはホントにダイヴしてしまいそうになった)。本編の記憶では,オープニングの夕暮れ時(もしくは明け方)の静かで人気のない遊園地のコースターレールのショットが素晴らしかったと記憶している。(早速再チェックしてみよう)。
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[007]刑事マディガン
 ちょっとねwao (Mail)2006-01-23
 
ドン・シーゲル&リチャード・ウィドマークというコンビで,フィルム・ノワール的なハードボイルドを期待してしまったが,案外人情ドラマになっていて,はっきり言って期待はず・・・
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ドン・シーゲル&リチャード・ウィドマークというコンビで,フィルム・ノワール的なハードボイルドを期待してしまったが,案外人情ドラマになっていて,はっきり言って期待はずれだった(女性キャラが押しなべて男性に媚びていて,ファム・ファタールがいない)。知人から「THE BIG STEAL」というノワール物のビデオを借りているんだけど(未見),こっちは期待できるだろうか。「ダーティハリー」と見比べてしまうと,本作がかなり甘ったるく思えてしまう。主人公の非情さ,犯罪者の冷酷さ,構図の面白さ,決めゼリフのカッコよさなど,「ハリー」は素晴らしかったのに…。撮影のラッセル・メティは「スパルタカス」「黒い罠」「荒馬と女」「刑事コロンボ/構想の死角(スピルバーグ監督作)」など,名作,大作で手腕を発揮した名手。
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[008]フリーダ
 フリーダ過労wao (Mail)2006-01-05
 
何年か前,日本箱庭療法学会という真面目な学会で,文化人類学者を招いてクレオール文化と芸術についてシンポジウムを行った際,この人の名前が発言者の間でしきりと出ていたの・・・
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何年か前,日本箱庭療法学会という真面目な学会で,文化人類学者を招いてクレオール文化と芸術についてシンポジウムを行った際,この人の名前が発言者の間でしきりと出ていたのが脳裏に残っていた。しかし,実際に彼女の作品や文献に触れる機会もないまま,映画がオンエアされるというのをいいことに手っ取り早くどんな人か知るくらいのつもりで見たのがきっかけだった。映画としての出来栄えについては他の方が十分に語っていただいているので譲るとして,私は単純にこの人の生涯というか運命のようなものに興味をそそられた。サルマ・ハエックという女優さんも初めて見るくらいで,過去にロバート・ロドリゲスやクエンティン・タランティーノの作品に出ているものの,そちらの作品には全く縁がなかった。しかし,彼女自身が製作に名前を連ねている点からして,よほどこの作品に関わりたかったのだろう,そういう情熱が画面にほとばしり出ていた。リベラ役のアルフレッド・モリナはどこかで見た顔だな,と思ってよくよく記憶をたぐりよせてみると,なんとインディ・ジョーンズの第一作の冒頭でハリソン・フォードと一緒に洞窟に入っていくあの男優さんじゃないか!さすがはスピルバーグ,この人の個性を早くから見抜いていたのか。メキシコというと,かつてはルイス・ブニュエル,オーソン・ウェルズ,サム・ペキンパーといった名匠が作品を残しているくらい映画にとって重要な土地だ。西部劇の舞台にも頻繁に使われている。この映画では紹介されていないが,1931年当時,「メキシコ万歳!」のロケでかの地を訪れたセルゲイ・エイゼンシュテインもフリーダと交流があったらしい。私は知らなかったが,エイゼンシュテインと入れ替わるようにしてスターリンの圧政を逃れてロシアから亡命してきたトロツキーをフリーダとリベラがかくまっていたというエピソードは圧巻だ(エイゼンシュテインもメキシコでの撮影中に亡命を恐れたスターリンから何かと早く帰国するよう催促があったらしい)。この北米大陸の一端をなす国家が共産革命を終えたばかりのロシアの若き才人を寛大に受け入れていた事情とはいかなるものなのだろう(この国にも20世紀初頭に革命が起きたことと関係があるのかしらん。すみませんねぇ,政治音痴だもので)。ある意味,キューバ以上に神秘的だ。ウェルズやペキンパーなど,ハリウッドから一旦は放逐された映画人がここに活路を見出す理由もわからずでもない。スペイン語圏とはいえブニュエルまでがやって来るわ,ホドロフスキーが不思議な西部劇を撮るわ,ロドリゲスが出てくるわと,映画人の多様性も豊かだ(まさにクレオール的な文化文明の交錯する土地だ)。ソンブレロをかぶったマリアッチな人たちの宗教的熱狂と(差別的表現かな),ハードボイルド的な裏切りに満ちた人間関係の相克が背景にある風土の中で,夫の露骨な放蕩を嫌悪しながらも,その向こうにある崇高な精神を思い,激しい心身の苦痛を甘受することで人生を全うする女性フリーダ。彼女の芸術表現はそうした人生の縮図であることがこの映画からよくわかる。
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[009]セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
 なるほどwao (Mail)2005-10-30
 
一回,著作を読んでみなければいけませんね。 ところで,このサイトでのエイゼンシュテインの生年月日が1889年1月22日になっていますが,正確には1898年が正しいようです。「ス・・・
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一回,著作を読んでみなければいけませんね。 ところで,このサイトでのエイゼンシュテインの生年月日が1889年1月22日になっていますが,正確には1898年が正しいようです。「ストライキ」が彼の26歳頃の作品と聞いていたものですから。享年50歳だったことから逆算しても,98年で間違いないでしょう。
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[010]十月
 傑作!wao (Mail)2005-10-30
 
だと思いますが。今朝方,池袋の新文芸坐でエイゼンシュティンのオールナイト4本立てという地獄の責め苦のようなプログラムを半睡しながら見てきたのですが,一番印象に残った・・・
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だと思いますが。今朝方,池袋の新文芸坐でエイゼンシュティンのオールナイト4本立てという地獄の責め苦のようなプログラムを半睡しながら見てきたのですが,一番印象に残ったのがこの作品でした(ちなみに「ストライキ」は活弁付でした)。僕は35ミリフィルムの大スクリーンでエイゼンシュティンを見るのは初めてでしたが,どの作品も(上記2本に加え,「戦艦ポチョムキン」「アレクサンドル・ネフスキー」)映像的な迫力は今だ斬新で,殊にロシア革命前史とその過程を追った3作品はほぼ同時代を描写しているだけに,当時としては殆どドキュメントに近い試みだったことでしょう。特にこの作品,原作がジョン・リードとなっていますが,この人はウォーレン・ベイティ監督・主演の「レッズ」の主人公となった米国の新聞記者ですよね。ジャーナリストとしてロシア革命に立会い,「世界をゆるがした十日間」という著書を手がけた人で,これが作品の土台となったというのは意外ですね。確かに中盤はストーリー的にはもたつきがあって,退屈して寝てしまいましたが,前半の迫力は尋常でなく,特に巨大な橋げたがグングンせり上がっていくショットの凄さはハンパじゃない。「タイタニック」のジェームス・キャメロンも真っ青というくらいスケールがデカく,数多あるハリウッドのスペクタクル映画は大概見てきたけど,こんな映像は今だかつて見たことがないといった類のものでした。4作品をぶっ通しで見て,モブシーンの演出の確かさ(これは殆ど旧ソ連映画の十八番といってもいいけれど)にも舌を巻きました。しかもキャメラが動く,動く。当時の技術で,どうやってドリー(移動撮影)したのかわからないようなショットの連続に,あっけにとられました。かと思うと,フィックスのショットの構図もこれがまたすばらしい。ロシアの広大な風景を見事にスタンダードサイズに収めていて,大スクリーンで見ると圧倒されます。街頭や団地,甲板といった,比較的狭くてごちゃごちゃした場所のショットでも,どうやってこんなアングル見つけたのかと思うほどにフレームがきまっていて,ため息が出ます。見るまでは所謂モンタージュ理論によって編集に革命を起こした人,という固定的なイメージが先行していましたが,なんのなんの,素材そのものが秀逸だということを体感できました。
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[011]グッドモーニング,ベトナム
 ファンキーwao (Mail)2005-10-07
 
最近は,こういう映画,ないですよねぇ。最近のアメリカ情勢をみていると,ベトナムの二の舞になりそうで(もうなってるか)心配だ。マイケル・ムーアなどが,それなりのスタイ・・・
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最近は,こういう映画,ないですよねぇ。最近のアメリカ情勢をみていると,ベトナムの二の舞になりそうで(もうなってるか)心配だ。マイケル・ムーアなどが,それなりのスタイルで体制批判しているけれど,ハリウッドもこんな傑作が作れるのだから,頑張って欲しい。ベトナム反戦映画は70年代後半から80年代前半のハリウッドで雨後のたけのこのようにして量産されたが,この映画はそうした一連の作品とは一線を画していた。公開当時,show bizだったか,リアルタイムでアメリカでの映画のヒットチャートを紹介している番組で,毎週1位に輝いていたのを強烈に覚えている。ベトナム戦争云々を言い始めると作品の評価はわかれてしまうけれど,ラジオのDJが主人公という風変わりな切り口が斬新だった。ロビン・ウィリアムズは,たしかにアドリブで笑わせるが,DJの内容を快く思わない上官(今は亡きJ・T・ウォルシュが迫真の名演)が容赦なく彼を叩き潰そうとプレッシャーをかけ,戦場とは違う場面での戦いをしっかり描いている。報道はすべからく検閲され,米兵たりとも事実を知らされない実態は,太平洋戦争当時の日本の状況とさして変わらず,自由の国アメリカの建前と本音(それが軍隊の常識なのかもしれないが)をそれなりに衝いているように思う。「地獄の黙示録」も好きだったけど,この映画の方がある意味ストレートで,わかりやすかった。アメリカは確かに間違っていた(今もある意味間違っている)けれど,これからもどれだけハリウッドがエスプリの効いた体制批判映画を作っていけるかで,国の器がためされると思う。日本でも昭和30年代ころまでは,戦意高揚的なプロパガンダ映画が量産される一方で,左翼運動も盛んになり,優れた体制批判映画が数多く作られたが,今は見る影もない。この映画は,どちらかというと,フランク・キャプラ的な,戦前のハリウッドのソフィスティケイトされた体制批判映画に近く,ロビン・ウィリアムスのキャラクターを除けばちょっと古臭いところもあるが,その分エンターティンメント性は高く,一般受けしやすいのだろう。ヒットの原因もそんなところにあるのかもしれない。バリー・レビンソンの間違いなく最高の一本。
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[012]オデッサ・ファイル
 イスラエルwao (Mail)2005-10-04
 
この映画は,1963年9月23日のイスラエル情勢から始まる。冒頭,当時のエジプト大統領ナセルがイスラエルを壊滅させるために密かにロケット砲の製造をオデッサの技術者に依頼し・・・
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この映画は,1963年9月23日のイスラエル情勢から始まる。冒頭,当時のエジプト大統領ナセルがイスラエルを壊滅させるために密かにロケット砲の製造をオデッサの技術者に依頼しているという機密情報が提示され,続いてそのメンバーがナチス傘下でロケット製造に携わっていたメンバーであることが明かされる。確か小説の方は,ジョン・ボイト扮するペーター・ミラー記者が運転中にケネディ大統領の死をラジオで知るところから始まると記憶しているので,映画の方のオープニングは全くの創作なのだが,より説明的でわかりやすい。詳細は忘れてしまったが,イスラエルの秘密情報機関といえばMossad(モサド)なので,オデッサのロケット砲開発阻止を言い渡される人物はきっとその一人なのでしょう(途中から主人公に絡んできますが)。そんな1960年代のユダヤ人の悲劇を,第二次大戦中のナチスによるユダヤ人虐殺の歴史に重ね,双方に加担するオデッサの存在を不気味に暗示しながら,ケネディ暗殺というアメリカの悲劇までをも発端に介在させる導入には舌を巻いてしまう。そんな政情とは無縁のリベラルなドイツ人記者を主人公に据えつつも,同人がユダヤ人の遺書めいた日記の一節に目を奪われた瞬間から,いかなる圧力や脅迫にも屈せず自国の暗部の歴史に果敢に踏み込んで行く姿を丹念に描き,その理由が明かされるラストまでを一気に見せてしまう手腕には脱帽した。フォーサイスの着想豊かな原作の素晴らしさはいうまでもないが,ロナルド・ニームの演出の冴えと,地味なキャスティングながら現地ロケを貫徹した製作者のこだわりとが,一級品の風格をもたらしている。複雑な国際情勢を巧みにストーリーに取り込みつつ,個々のキャラクターの魅力が存分に引き出され,エンタティンメントとして十分に成立している稀有な例であろう。
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[013]007/黄金銃を持つ男
 こりゃ手厳しいwao (Mail)2005-09-28
 
いや,お気に入りの作品だけに,皆さんのコメントを見たときはガッカリでした。まあ,私の場合,多分に思い入れ票が強いのですが。というのも,この作品,私が劇場に足を運んで・・・
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いや,お気に入りの作品だけに,皆さんのコメントを見たときはガッカリでした。まあ,私の場合,多分に思い入れ票が強いのですが。というのも,この作品,私が劇場に足を運んで見た初めての洋画なのです。なにしろ,小学4年生の分際で,友達数名と親の同伴なしで映画館に行くというだけでも,結構な冒険だったように思います。それまでゴジラ映画くらいしか観たことのない青臭いガキだった私も,ちょっと大人の仲間入りした気分でした。「エマニエル夫人」の予告編が大スクリーンに映し出された時は,われを忘れて画面に目が釘づけになっていました。「サブウェイ・パニック」の予告編を見て,絶対また見に来るんだと心に誓った(実際,見に行ってしまった)りもしました。映画の字幕というのも初体験で,最初はわけがわかりませんでした(当然吹き替えだと思っていたもので)。私見では,ポール・マッカートニー&ウィングスの音楽とボートアクションばかりが目立って内容的には大したことない前作に比べ,エキゾチックな本作の方が,同じロジャー・ムーア&ガイ・ハミルトンとしては善戦しているように思います。東洋蔑視のテイストはあるかもしれないけど,それをいうなら第一作の「ドクター・ノオ」だって幾分東洋っぽいチープなダサさがあるように思うし,「007は二度死ぬ」なんかきわめつけではないでしょうか。次作になる「私を愛したスパイ」はアクション満載で確かに評判はよかったけれど,なんか奇をてらい過ぎって感じで,ストーリー主体の本作の方がいまだにシックリきます。スカラマンガのマニアっぽいキャラクターが,いわゆる殺し屋のイメージを適度に崩していて,いい感じだと思うけどなぁ。私的には本作の数々のお下劣な描写も十分許容範囲なんですが…。クリストファー・リーが近作の「スター・ウォーズ」で健在ぶりを披露してくれていて,ファンとしてはうれしいことこの上ない。ロジャー・ムーアの方が心配です。
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[014]スミス都へ行く
 やっぱジーン・アーサーだわなwao (Mail)2005-06-14
 
なんだかんだいっても,ジーン・アーサーのキャラに尽きる。クラリッサという可愛らしい役名が不釣り合いなくらいにスレた議員秘書なんだけど,政界の裏を知り尽くした者だけが・・・
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なんだかんだいっても,ジーン・アーサーのキャラに尽きる。クラリッサという可愛らしい役名が不釣り合いなくらいにスレた議員秘書なんだけど,政界の裏を知り尽くした者だけがとりうる経験と機転でスミスを援護する姿がチャーミング。「ニノチカ」のグレタ・ガルボと同じくらい好きなキャラクターだ。クレジットでも,確かジミー・スチュワートより前に位置づけられていたはず。彼女が主役なのだ。「シェーン」の彼女もよかった。
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[015]日本のいちばん長い日
 ついに出るのですね,DVDが!wao (Mail)2005-05-30
 
昨日,新文芸坐の岡本喜八特集で観てきたばかり。会場は大入り満員。客層もいろいろで面白かった。いや,ついにDVD化されるんだ。うれしいですね。最近,wowowでも特集やっ・・・
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昨日,新文芸坐の岡本喜八特集で観てきたばかり。会場は大入り満員。客層もいろいろで面白かった。いや,ついにDVD化されるんだ。うれしいですね。最近,wowowでも特集やってましたが,この作品は入っていなかった。3時間近い尺も一気に見れました。なんか,サスペンスですよね。結末はわかってはいても。最近,半藤一利の「聖断」という小説を読んでいるのだけど,まさにこの映画そのものって感じです。というのも,半藤氏自身が当時文芸春秋戦史研究会に所属し,この映画の原作にかなり関わっているからでもありますが。
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[016]アンドロメダ…
 地味wao (Mail)2005-05-13
 
初見は中1の時のテレビ放映だったが,クライマックスのところを途中から観ただけだったので,ストーリーはわからないながらもなぜか引き込まれた。そして,その後に全編を通し・・・
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初見は中1の時のテレビ放映だったが,クライマックスのところを途中から観ただけだったので,ストーリーはわからないながらもなぜか引き込まれた。そして,その後に全編を通して観て,あまりに渋い内容にかえってのめりこんだ。こういう本格派の味わいというのは,中学生にもちゃんと伝わるもんですねぇ。当時映画解説をしていた淀川長治や高島忠夫が原作者マイケル・クライトンの才能をかなり称えていた記憶がある。確か執筆当時27歳くらいの若さだったのではないか。その彼が,この映画化を機に映画会社に自分自身を売り込んで,監督契約(ウェスト・ワールド)まで結んでしまった手腕(というかあつかましさ)も話題だった。中2の時にはクライトンの原作にトライして,「酸化的燐酸化反応」とか「オッドマン仮設」とか生物戦争を想定した軍の機密情報(アウトプットマップ)とかかなりマニアックな言葉や理論が飛び交う中でわけがわからなくなりながらも,「スゲエ」とひとりごちていた(友だちなくすよな)。その頃,ちょうどテレビで「ガンダム」の放映も始まったりして,シロウトにはわけがわからないマニアックな面白さというものに惹かれるようになっていった。わからないながらも,なにやらすごく凝っている(らしい)という感覚がいいんだろうか。同じSFでも,「2001年宇宙の旅」のような観念的,抽象的な難解さの方が近寄りがたかった。「2001年」が太陽系における人類の映画だとすれば,「アンドロメダ…」はあくまで地球上の人間クサイ映画であって,身近に感じたものだ。ストーリーにも一応ついていけたし。原作も凄いが,映画の方もそんな原作のテイストを損なっておらず,そのあまりに原作に忠実な映像化に感心した。最先端の技術というものをこれほどリアルに見せてくれる映画も珍しい。電子顕微鏡やマジックハンド,感染防止用のスーツなど,ひとつひとつのアイテムが素晴らしく,セットも丁寧に組んであって,美術部やデザイナーの力量を堪能できる。
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[017]ロッキー
 感動!wao (Mail)2005-05-13
 
初見は中学1年生。忘れもしません,当時の国語の先生がこの映画に狂っていて,授業中に片手腕立て伏せを始めちゃったりして,これはもう観なければ(笑)と思いましたね。そん・・・
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初見は中学1年生。忘れもしません,当時の国語の先生がこの映画に狂っていて,授業中に片手腕立て伏せを始めちゃったりして,これはもう観なければ(笑)と思いましたね。そんな気にさせてくれた先生に感謝。学校の先生が薦める映画に大したものはないと思ってましたが,この映画とテオ・アンゲロプロスの「旅芸人の記録」だけは,先生に言われて見に行ったとはいえ,今でも「観といてよかった〜」とありがたく思っています。
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[018]リリス
 素晴らしきジーン・セバーグwao (Mail)2005-05-12
 
たまたまwowowでこの映画を観る機会に恵まれ,ジーン・セバーグの妖しさ,危うさ,はかなさみたいなものを体感できた。「勝手にしやがれ」の彼女とは全く違う魅力を放っていて・・・
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たまたまwowowでこの映画を観る機会に恵まれ,ジーン・セバーグの妖しさ,危うさ,はかなさみたいなものを体感できた。「勝手にしやがれ」の彼女とは全く違う魅力を放っていて,それはそれでセクシーでキュートである。ウォーレン・ベイティはまだウブな感じで,セバーグに弄ばれているようだ。ピーター・フォンダ,ジェシカ・ウォルター(恐怖のメロディ),そしてジーン・ハックマン(本作がデビュー作)などもみんな若い!それぞれのその後を知っているだけに,キャスティングだけでも必見の一作。
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[019]大統領の陰謀
 ジャーナリズムの真髄wao (Mail)2005-04-23
 
これは,とある若手政治記者二人が,大統領の側近による選挙戦の裏工作に気づき,様々な圧力に抵抗しながら地道な取材活動によって当時の政権を退陣に追い込んでいった実話の映・・・
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これは,とある若手政治記者二人が,大統領の側近による選挙戦の裏工作に気づき,様々な圧力に抵抗しながら地道な取材活動によって当時の政権を退陣に追い込んでいった実話の映画化だ。クセのある固有名詞(実名だからしょうがないけど)が頻出して,人によっては展開がつかめなくなるだろうが,小説を読んでから見直すとわりとすっきり咀嚼できる(僕の場合は映画の方が最初で,感激して小説も読んでみようかという気にさせられたくらいなのだけど)。ロバート・レッドフォードが,オフィスからあらゆる情報源に電話をかけまくり,そこで相手から聞き出した名前を次々にメモに書きなぐっていくシーンの,クローズアップによるディテールの描写,メモ用紙にペン先が擦れる微細な音の再現に,映画職人の真骨頂を見た気がする(電話口では適当に相槌をうちながらメモには落書きをしていたりしていて楽しい)。「ゴッドファーザー」のゴードン・ウィリスによるカメラワークは,オフィスの中で孤立している主人公二人の状況を見事にとらえている上に,国会図書館の天井に吊り下げられたカメラによって,(今なら自宅パソコンでワンクリックで片付くような作業ながら)閲覧室で膨大な資料リストの山をひとつひとつ丹念に検索していく気の遠くなるような作業に没頭する二人の記者の異常なまでの執念を完璧に描いている。「サブウェイ・パニック」のデビッド・シャイアによる音楽も,ほんの少ししか使われないのに,妙なドライブ感があって効果的に響く。アラン・J・パクラの演出はリアリズムに徹していて,映像上は何のスペクタクルもないのに緊迫感が持続するという不思議なエンタティンメントを創出している。演技もカメラも極めて抑制的なのがかえってボディブローのようにズシッと効いてくる。この種のテーマには珍しいくらいにスタッフ,キャストの渋い職人芸に酔いしれることのできる一品である。
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[020]チャイナ・シンドローム
 グー!wao (Mail)2005-04-23
 
70年代後半,ジェーン・フォンダ絶頂の頃の社会派映画。彼女は当時,原発女優なんて呼ばれていた。公開当時,日本でも長谷川和彦が「太陽を盗んだ男」なんかを撮っていて,原発・・・
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70年代後半,ジェーン・フォンダ絶頂の頃の社会派映画。彼女は当時,原発女優なんて呼ばれていた。公開当時,日本でも長谷川和彦が「太陽を盗んだ男」なんかを撮っていて,原発がなにかと話題性をもっていた。今や日本でも原発事故が珍しくなくなり,当時以上にヤバイ状況になってきているように思う。当時のハリウッドはこうした硬質の企画にも寛大で,潔くメジャーバジェットを投資していたように見えていたが,実際は政府から結構圧力がかかっていたのかもしれない。見る方は気楽だが,作る方はしんどかったろうなぁ。ジャック・レモンの親友役を演じているウォルフォード・ブリムリーは,確か本作が本格的なデビューだったようにパンフに書いてあったような気がする。端役に至るまで,あらゆる役者の演技に緊張感がみなぎっていて,ドラマ運びを心地よくしている。同じテーマでは,マイク・ニコルズの「シルクウッド」もよかったけどね。
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[021]その女を殺せ
 見てぇwao (Mail)2005-04-13
 
「カナディアン・エクスプレス」のパンフでこの映画の存在を知りました。新宿TSUTAYAではレンタルしているとの噂もありますが,本当でしょうか?「現金に体を張れ」でキューブ・・・
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「カナディアン・エクスプレス」のパンフでこの映画の存在を知りました。新宿TSUTAYAではレンタルしているとの噂もありますが,本当でしょうか?「現金に体を張れ」でキューブリックを虜にしたマリー・ウィンザーが主演というのも興味津々。フライシャーはどこか暗い翳りのある作品を連発していたようですが,僕が知る作品が専らプログラム・ピクチャー的な大衆向けの娯楽作品ばかりだっただけに,この時期の彼の作品を見たいです。 追伸:ようやく海外版DVDを手に入れて見ることができました。英語字幕なので,ストーリーは半分くらいしかついていけてませんが,ヴィジュアルで十分に設定は伝わってきました。尊敬するウィリアム・フリードキンが特典のオーディオ・コメンタリーと監督リチャード・フライシャーへのインタビューをこなしていて,感激。買った甲斐がありました。涙モノです。
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[022]ブラック・サンデー
 70年代ノスタルジアwao (Mail)2005-04-13
 
公開当時,中学1年生であった僕は,迷わずトマス・ハリスによる原作の単行本をなけなしの小遣いで購入して読みふけった。しかし,悲しいかな,イスラエル・パレスチナ問題は当・・・
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公開当時,中学1年生であった僕は,迷わずトマス・ハリスによる原作の単行本をなけなしの小遣いで購入して読みふけった。しかし,悲しいかな,イスラエル・パレスチナ問題は当時の私にはちょっと難しすぎて,途中で投げ出すことになってしまった。最後まで読破したのはだいぶ後になってからのことである。ジャーナリスト出身のトマス・ハリスの設定の面白さは出色のもので,その後このジャンルを離れてしまったのが残念でならない。音楽がジョン・ウィリアムスなんですよね。「ジョーズ」でオスカーゲットのわりと直後の仕事で,この翌年には「スター・ウォーズ」で再びオスカーに返り咲いているんですよね。そんな時期に,こんな微妙な政治スリラーを扱っているのは意外です。もっとも,「ジョーズ」の前には「ロング・グッドバイ」や「アイガー・サンクション」といった渋い作品も扱っているんですが。「マラソンマン」でメジャーデビューしたマルト・ケラーの絶頂期の作品でもあります。製作はパラマウントの御曹司ロバート・エバンス。映画自体の政治性とはまるで関係なく,あのグッド・イヤーの巨大な飛行船がフットボール・スタジアムに突入するスチールのポスターだけで,映画館に行きたくなってしまうようなワクワクした気持ちにさせてくれました(結局,公開中止だったけど)。新宿プラザの大スクリーンで70ミリワイド画面を堪能したかったです。本国ではDVDも発売されているので,ノートリミングのオリジナルを見てみたい人にはお薦めです。フランケンハイマーでは,「5月の7日間(Seven Days In May)」という傑作も本国のみでDVD化されてます。最近,「クライシス・オブ・アメリカ」という,フランケンハイマーの傑作「影なき狙撃者」のリメークが公開されましたが,この監督がジョナサン・デミなんですよね。デミといえば「羊たちの沈黙」,「羊たち…」といえばトマス・ハリス,と妙なカタチで本作につながっていくわけですね,これが。
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[023]インファナル・アフェア 無間序曲
 殺しの美学wao (Mail)2005-04-08
 
香港映画がこれほどまでに洗練されているとは。1作目で既に脱帽していただけに,2作目の手腕には本当に惚れ惚れした。シリーズもののマンネリがなく,むしろ深みを感じさせる。・・・
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香港映画がこれほどまでに洗練されているとは。1作目で既に脱帽していただけに,2作目の手腕には本当に惚れ惚れした。シリーズもののマンネリがなく,むしろ深みを感じさせる。前作に比べ血なまぐさい展開にはなっているが,殺しの一つ一つに美しさと哀しさがあり,それぞれの登場人物への善なり悪なりのイメージがものの見事に覆っていく。前作で二人の主人公の後日談を知らされていることが全く支障にならず,むしろそれぞれの過去の秘密をめぐり,ぐいぐいストーリーに引き込まれてしまう。まさに「ゴッド・ファーザー」part1&2だ。
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[024]インファナル・アフェア
 着想がすべてwao (Mail)2005-04-08
 
潜入ものを交錯させてみせるというアイディアは,交換殺人のようで秀逸!ただ,双方が警察学校で顔を合わせているはずなのに,数年経たくらいで識別できなくなっている当たりは・・・
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潜入ものを交錯させてみせるというアイディアは,交換殺人のようで秀逸!ただ,双方が警察学校で顔を合わせているはずなのに,数年経たくらいで識別できなくなっている当たりは,整形したからなのかな?(そのくらいは描いてもよさそうなものだが)。互いが互いのイヌを知らないという設定からくるスリルを巧みに利用した演出は絶妙。間一髪,バレそうでバレないあたり,人によってはあざとさと映るようだが,私はぜんぜんOKでした。役者次第ではつまらなくなりそうな展開も,トニー・レオンとアンディ・ラウの演技力でかなり救済されていると思う。今の日本の役者や監督で,果たしてここまで巧く演じられるだろうか?いずれはお家芸のヤクザ映画も近隣諸国に追い抜かれてしまうのではないかという不安が頭を掠めた。深作欣二の後継者はいるのか?がんばれニッポン!…なんかちがう???
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[025]不良少年
 せみドキュメンタリーwao (Mail)2005-04-08
 
ドキュメンタリーそのものではないが,ドキュメンタリー作家が撮ったフィクションということで,かなりインプロヴィゼーショナルな演出が試みられている。公開年度は黒澤明の「・・・
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ドキュメンタリーそのものではないが,ドキュメンタリー作家が撮ったフィクションということで,かなりインプロヴィゼーショナルな演出が試みられている。公開年度は黒澤明の「用心棒」と同じ昭和36年で,同年の淀川長治のキネマ旬報のベストテンでは同作を押しのけて1位に推されていた。東京の繁華街を根城にして仲間と一緒に強盗や恐喝を繰り返していた一少年が,逮捕ののち家裁の審判を経て特別少年院に送致される。後半はもっぱら少年院の中での生活が描かれるが,本物の非行少年をはじめ,裁判所や少年院の職員までをも出演させ,実在の裁判所や少年院でロケしているとあって,描写もリアルで,ドラマじみたまやかしは一切感じられない。セリフまで本物口調のため,アフレコながらも聞き取りにくかったりするのはご愛嬌だが,素人芝居とはいえ本物の緊迫感が伝わってきて,退屈することがない。ドキュメンタリストとして岩波映画で活躍していた土本典昭が助監督で参加しており,一昨年の上映会で羽仁進と対談した際,出演していた少年たちが撮影中に右翼の街宣活動に動員されて所在不明になり,居所を突き止めて連れ戻すのに苦労したエピソードを披露していた。少年法の大家である森田宗一氏も裁判官役で出演している。
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[026]英雄の条件
 auの条件wao (Mail)2005-04-05
 
ドキュメンタリー・タッチが売りのフリードキン。 「エクソシスト」ではイラクロケを敢行した実績があり,この映画でも,冒頭の大使救出シーンはモロッコにロケセットを組んで・・・
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ドキュメンタリー・タッチが売りのフリードキン。 「エクソシスト」ではイラクロケを敢行した実績があり,この映画でも,冒頭の大使救出シーンはモロッコにロケセットを組んで撮影したようだが,中盤で下調べのためトミーリーがイエメンを訪ねるシーンは,実際に反米感情渦巻くサヌアの街中でゲリラ撮影を敢行したとか。 ラストについてはかなり物議をかもしているが,フリードキンは何通りかのラストを用意していたようで,その中にはサム・ジャクソンが敗訴するヴァージョンもちゃんとあったのだが,スニーク・プレヴューで観客に不評だったため却下されたようだ。 マーケティング・リサーチでころころ内容を変える上に,ポリティカリー・コレクトネスの問題も加わって,もはやアメリカ映画は編集以前の段階で骨抜きにされ,どんどん質を落としている。 この映画についていえば,私はまず冒頭のヴェトナムのシーンが不要に思えた(そもそも,フリードキンの作品にコテコテの男の友情なんて似つかわしくない)。ここはむしろ,アメリカ本土での中東政策の実情をリアルに描写して,ぐっと話の核心に入っていった方がよかったのでは。 極限状況下での指揮官の判断の是非をめぐる攻防自体はありふれたテーマだけに,この映画が新たな視点をもたらしたかどうかが問われるところだ。 最近ではマイケル・ムーアが「華氏911」で,平然とイラクにミサイルをぶち込む一方で,ビン・ラディンと血縁のある中東の石油王を丁重にもてなすブッシュ政権の矛盾(まさに死の商人)を暴露していて面白かった。 軍事法廷の場で一兵士が国際世論にナーヴァスな外交官僚の餌食になる(大量殺戮に対する国際世論の非難をかわそうとして,一個人の狂気の沙汰として手早く片付けてしまおうとする)設定事態はとてもリアルな気がした。 結局のところ,サム・ジャクソンとガイ・ピアースのどっちが勝ってもハッピーとはいえない話なわけで,そういう意味では法廷の判断如何にかかわらず,エンディングをどう結ぶかで映画の印象はガラっと変わったはずだ。仮にサム・ジャクソンが勝ったとしても,あんなマーチ風の戦意高揚的な音楽でなく,悲壮感漂う暗い音楽にすることで随分解釈に幅が出るように思う(そうした多義的なエンディングは本来フリードキンの独壇場なのだが…)。 極めつけはクライマックスでのベトナム兵士の登場であり,いくらなんでも設定に無理がある。彼の証言に陪審員は本当に納得したのだろうか? あのオチで一気にしらけてしまった人も多いのではないか。冒頭に無理やりエピソードを入れた理由が明かされるわけだが,映画としてぎこちないことこの上ない。 と,まあいろいろ勝手なことを言ってみたが,憲法改正を前に「集団的自衛権」の是非を国を挙げて議論しなければならない我々にとって,この映画はある意味決してひとごとではない。フリードキンは言う。「結局のところ,軍人が一般市民を巻き込んだ場合,国家は交戦規定(Rules of Engagement)を盾に一切責任をとらない」と。本国アメリカですらそうなのだから,日本にしたところで,集団的自衛権の行使を国策のごとく論じておきながら,いざというときは国家の責任を棚上げにしてプロフェッショナルとしての兵士個人に責任をかぶせてしまう可能性は大きい。勿論,戦争に参加することがないにこしたことはないのだが…。 映画には関係ないことかもしれないが,考えてみれば日本の終戦間際は敗色濃厚なところにきて東京を始めとする各都市が空襲という名の無差別的な空爆の餌食となり,挙句の果てに広島,長崎に原爆を投下されている。いくら「リメンバー・パールハーバー」と言われても,これを正当化する理屈は見当たらない。この映画で描かれている「虐殺」は歴史的観点からみればほんの一部であり,何より我々の身近なところでかつて最悪の交戦規定違反(当時そんなものがあったかどうか不明だが…)が実行されていたわけだから…。あの行為においてアメリカ国家に一切の責任がなく,爆弾を投下した兵士個人の責任であると言われても,にわかには納得できないように…。もちろん,われわれがアジア周辺地域で行った蛮行も,人道的立場から十分非難に値する行為であったことは間違いない。 そう考えると,この映画の意義がそれなりに見えてくるような気もする。
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[027]ジャガーノート
 ストーリーテリングの面白さwao (Mail)2005-03-31
 【ネタバレ注意】
リチャード・ハリスのすばらしさは言うまでもないが,この映画(というか脚本)の巧いところは,犯人との交渉に「テロに屈するな」と強気の対応を迫る英国政府自体が,片や爆弾・・・
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リチャード・ハリスのすばらしさは言うまでもないが,この映画(というか脚本)の巧いところは,犯人との交渉に「テロに屈するな」と強気の対応を迫る英国政府自体が,片や爆弾処理のプロを冷遇し,果てはこのような犯罪を生み出す原因まで作ってしまったという皮肉を,いともサラリと描いている点だ。このような犯人像は「サブウェイ・パニック」などにも通じている。犯人との交渉の矢面に立ちながら,政府,軍,警察,乗客,船員それぞれの立場の間で板ばさみになるヒューマニストの海運会社社長イアン・ホルム,妻子を乗客にとられながらも冷静を装って犯人検挙に取り組む悲運の刑事アンソニー・ホプキンス,絶望的な状況でもうろたえず毅然と振舞う船長の愛人シャーリー・ナイト,政治屋の勘で異変をいち早く察知する乗客の一人クリフトン・ジェームス,過去に因縁のあったリチャード・ハリスがいよいよ行き詰って二者択一を迫られる中で最後の一瞬まで悠然と駆け引きを挑むしたたかな犯人,それぞれが絶妙なアンサンブルを奏でて映画をゴージャスに彩っている。船長役のオマー・シャリフの存在感が薄くなるほどに多彩なキャラクターをふんだんに使い分けながら,最後まで軸足がぶれず,観客の期待に見事にこたえてくれる。絢爛豪華なアメリカ映画とは一線を画す,洒脱さがウリのシブ〜イ一本。ところで,この映画,原作はないみたいなんだけど,オリジナル脚本なんだろうか?このリチャード・デコッカーという人,大したフィルモグラフィではないが,本作では制作も兼ねていて,気合十分という感じだ。この映画のためにわざわざ書き下ろしたんだろうか?グランドホテル形式ではあるけれど,ディテールの懲り方がハンパじゃない。脱帽です。
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[028]クライシス・オブ・アメリカ
 悩ましいwao (Mail)2005-03-28
 【ネタバレ注意】
わざわざ入間まで行って見てきました。でも,それだけの価値はありました。最近のポリティカル・サスペンス物の映画では出色の出来に大満足です。ストーリー,演技とも○で,ジ・・・
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わざわざ入間まで行って見てきました。でも,それだけの価値はありました。最近のポリティカル・サスペンス物の映画では出色の出来に大満足です。ストーリー,演技とも○で,ジョナサン・デミの硬質な映像を丹念にまとめあげる手腕に感服しました。私はオリジナルは見てないので比較はできませんが…。フランケンハイマー物では,輸入DVDで「5月の7日間」と「ブラック・サンデー」を持っているのですが,どちらも秀逸です。本作自体は,特に中盤からラストにかけてはアラン・J・パクラの「パララックス・ビュー」に近いものを感じました。少々きわどいテーマですが,70年代のように,こうした作品がどんどん作られ,一般館でも拡大公開できるようになることを願います。ちゃんとしたエンタティメントなのになぁ。「ブラック・サンデー」が公開見送りになった時のような空気を感じます。題名がダサいのは,「エネミー・オブ・アメリカ」のイメージでつけたからですかね。
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[029]ダーティハリー
 ドン・シィゲルの演出法wao (Mail)2005-03-23
 【ネタバレ注意】
青土社から出ている「映画の授業」という本で映画作家の万田邦敏がこの映画の演出を細かく分析している。興味ある方は一読すべし。冒頭の警察バッジに始まってエンディングをや・・・
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青土社から出ている「映画の授業」という本で映画作家の万田邦敏がこの映画の演出を細かく分析している。興味ある方は一読すべし。冒頭の警察バッジに始まってエンディングをやはりバッジで締めくくる円環的な手法(警察権力の象徴であると同時に死と隣り合わせの危険な任務の象徴でもある)。冒頭で水泳中の女性を射殺し,最後には自ら水中に果てる犯人(復讐劇としての構成)。カメラアングルによる高低差の強調やカメラ自体の上下動など,構図によってそれぞれのキャラクターを際立たせる手法(猥雑な都市の路地裏に分け入っていくハリーと,地平でうごめく人々のありようを高みからせせら笑う犯人との対比)。水しぶきや砂埃,霧によるフィルター効果によって観客の知覚を研ぎ澄まさせる演出。ヒッピー世代に属する犯人とトラディショナルなスーツに身を包んだ保守的なハリーの対比。そこには,自殺志願者,同性愛者,少女陵辱,風俗店のけばけばしいネオンなどに象徴される病んだアメリカ社会と,教会や十字架,さらには「ジーザス」という言葉によって象徴される救世主との相克がイメージ化されている。万田は,冒頭のビルの屋上で薬きょうと一緒に発見される脅迫文がはさまっていたアンテナから,果てはフットボールスタジアムのラインに至るまで,あらゆるものが十字架のイメージを象徴していると事細かに指摘する。作家とはフレームやショットの隅々にまでテーマを刻印しようと躍起になるものだといわんばかりだ。すべてのショットに執着していこうとする恐るべき分析には頭が下がるが,果たしてドン・シィゲルがそこまで考え抜いていたかどうか知る由もない。何はともあれ,そうした視覚的メタファーが実に豊かに包含されている映画であることは確かだ。狙撃犯がアメリカ社会の暗部を象徴するならば,「お不潔」などと罵られ軽蔑されるハリーは十字架を背負ったイエスなのか? ハリー自身は「やれやれ」といった感じで終始皮肉めいた愚痴をこぼしながら誰にも与しない毅然とした態度をとり続ける。犯罪者の行動心理を見透かし,それを的確にトレースしながら犯人をつきとめるが,邪まな犯人の挑発に乗って過剰に暴行に及んだ結果,逮捕の根拠となる重要な証拠品を法廷に持ち込めず,みすみす犯人を取り逃がしてしまう。その後も非番に犯人を執拗に尾行したために,業を煮やした犯人の工作で暴力刑事の烙印を押されてしまい,サンフランシスコ市警からも追放同然の扱いとなったハリーは,犯人に翻弄されるふがいない警察や市当局と決別し,私怨を晴らすべくたった一人で法や宗教の一線を踏み超えていく。クリント・イーストウッドの感情を押し殺したニヒルな演技によってハリーの内面は最後まで封印されてしまうが,役者次第ではハリーが犯人に触発されて自らの暴走を制止できなくなる狂気をファナティックに演じたかもしれない。決してスカッと明るくは描かれていないラストから,かろうじてハリーの哀しみを感じ取るばかりだ。ノンクレジットだが,ジョン・ミリアスが脚本に参加しているほか,なんとテレンス・マリックまでがスクリプト・コンサルタントとして参加しているらしく,今考えるとサポート陣は豪華きわまりない。当時テレビで活躍していたアンディ・ロビンソンを見出したのはキャスティング・ディレクターをしていたピーター・ハイアムズ夫人だったとか。思えば,学生時代に池袋文芸坐の大スクリーンでずたずたのプリントをシネスコサイズで見て,テレビとは違った興奮を味わったものだ。冒頭の高層ビルからの俯瞰のショットがあまりにすばらしく,ラロ・シフリンの音楽にのって颯爽と登場するクリント・イーストウッドのカッコよさはハンパじゃなかった(とくに,プールサイドに横たわった被害者の死体の傍らにかがむようにして,狙撃犯が発砲したビルを見上げながらサングラスを外すタイトルバックは,スタンダードにトリミングされたテレビサイズは勿論,たとえDVDやハイビジョンのシネスコサイズで見たとしても,まず太刀打ちできないのではないか)。山田康雄の吹き替え版のセリフ回しが気に入っていた私も,映画館の迫力にはただただ圧倒されたものだ。
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[030]いちご白書
 今でも見たいwao (Mail)2005-03-12
 
これからでも,こんな映画を作ろうとする人が出てきてくれないかと切に願う。今,同じ設定で作ろうとしたらさすがに苦しいけれど,テーマ自体は今だって十分通用するような気が・・・
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これからでも,こんな映画を作ろうとする人が出てきてくれないかと切に願う。今,同じ設定で作ろうとしたらさすがに苦しいけれど,テーマ自体は今だって十分通用するような気がする。911あり,イラク戦争ありと,この映画の作られた時代に比べても世界情勢はより深刻になっているわけだし,自衛隊派兵や憲法改正といった問題にきちんとプロテストする流れもあるわけだから。むしろ,個々の信念の実現方法や連帯のあり方が大きく変わり,大学を占拠して立てこもるようなやり方がポップでなくなっただけだろう。主人公は殆ど学園紛争に興味のないミーハーなボート部員なわけだし,かえって今の学生にも感情移入できちゃうんじゃないだろうか,なんて思ったりして。さしずめ現代のモードに置き換えたら,キム・ダービーがカルト教団の勧誘部隊みたいなもんで,主人公デーヴィスンはすっかりダービーのとりこになって教団にマインドコントロールされてしまう,ってな感じかな。ジェームズ・クーネンの原作はあまりにナルシスティックで読むに耐えなかったけど,映画の方はダルな中にもリズミカルな展開があって,退屈することはなかった。主題歌の「サークルゲーム」もオリジナルのジョニ・ミッチェル版よりバフィ・セント・メリーのアレンジの方が記憶にしみついてしまったくらい,冒頭のタイトルクレジットのシーンのインパクトが強かった。映画の中盤でデービソンとダービーが遊園地でグルグル回りながら上昇する乗り物に乗ってお互いの表情を覗き込むシーンは秀逸。その際に使われたグラハム・ナッシュの「Our House」という曲があまりにハマッていて,グッときたものだ(後年,CS&Nが大阪公演したときにこの曲をナッシュの生声&生ピアノで聴けて更に感動)。ちなみに,サントラには「2001年宇宙の旅」から,リヒャルト・ストラウス作曲,カール・ベーム指揮による「ツァラツストラはかく語りき」もフル収録されている。もちろん,本編にも使われているわけだが(トレンドとして使われたに過ぎないけれど),同じMGM映画ということで融通が利いたんだろうか?それにしても,本作の監督スチュワート・ハグマンは,その後パッとせず,この作品で事実上終わってしまったのが残念だ。当時はかなり若かったと聞くが,今も作品製作に関わっているのだろうか?
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