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扉をたたく人」に対してのコメント
  ラストがいい 幸村和 2010-01-18
 
主人公の教授は奥さんが亡くなった寂しさからからそうなったのか、仕事に対しても人と関わりを持つのも無気力で心を閉ざしています。そんな教授が、(故意ではないが)不法に教授の部屋に入居していたカップルと出会うところから教授の人生は変わり始めます。 ジャンベを通じて徐々にタレクに心を開いていく課程は楽しく、教授の心が解けていくのが見えるような心温まる展開です。「ハートで叩いて」というタレクの教え方とそんな教え方をするタレクという青年との波長、そして太鼓という楽器のリズム全てが教授に合っていたのでしょう。そこは心を置き去りにして「指を曲げる」とか技術的な形にこだわるようなピアノとは(というかそういう教え方とは)対照的に描かれていて、さび付いて孤独な教授のハートを変えるのに何が必要だったのか、ということがわかります。 ただ、レポートを遅れて持ってきた生徒に理由の一切も聞かず突き返すほど冷淡に見えた教授が自分の部屋に住んでいたカップルには親切にする部分はやや唐突に変化したように見えましたし、タレクとうち解けるのにももう少し時間をかけても良かったかな、と思います。 それでも教授がタレクのお母さんに「お仕事が忙しいのに無理しないで」と言われてそれに答えるシーンは、教授の内面の変化がとても表れていて感動的でした。きっと教授は自分のことなのに口に出すまでそれに気がつかなかったのではないでしょうか。そして、自分でそのことに気がついたときにはもう一度教授の人生は始まったのです。 そして、笑うことはもちろん怒ることさえなかった教授が、拘置所の職員に対して感情を爆発させて言うシーンも、胸を打つものがあります。人間に対する尊厳を踏みにじるところから9.11は始まったのではないか、と私には思えました。 ラストの地下鉄ホームのシーンはクライマックスにふさわしいシーンです。教授の怒り、切なさもひっくるめて生命のエネルギーを感じます。そしてそのエネルギーはきっと状況を変える力にもなる、そんな予感を感じさせるラストでした。
  
 

 
 



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