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幸せのルールはママが教えてくれた」に対してのコメント
  今とそしてかつての娘たちへ 幸村和 2010-03-08
  【ネタバレ注意】
物語の冒頭は、母ジョージアのもとへ娘がやってくるところから始まる。どうやら久しぶりに母の元へ来た娘リリーに母親は愛情をにじませつつもまっすぐ抱きしめることになぜか躊躇をみせ、娘も複雑な表情で中途半端な声をかわす二人。そして、その娘も自分の娘レイチェルと道中ケンカしてバラバラになったという。こうして物語は母と娘、そしてまたその娘との愛情とわだかまりが半ばしつつもやがて深い絆を結んでいく様子を描いている。 女性三代それぞれの描写が素晴らしい。まず孫娘のレイチェル。観ている側にも彼女の性的に挑発的な言動に苛々させられました。しかもそんな彼女がした告白が衝撃的なんだけどその言動ゆえに信憑性が曖昧でその結果、リリーの心の揺れ動きに芯から同調することができます。そして、それが真実かどうかわからない中で孫娘を信じるジョージア。年輪のなせる技ですが、そんなジョージアも昔から娘を信頼しきった完璧な人間だったかと言うとそうでもなさそうです。それはジョージアの娘リリーのアルコール依存症や母への複雑な思いからも如実に伝わります。しかし、それがかえってジョージアを深みのある人柄にしています。紆余曲折を経てここに至ったのだという深み。 そしてマローニ演じる獣医師の存在もよかった。私は彼の言葉に顔面パンチを食らいました。孫娘レイチェルは人(特に異性)との信頼を基盤にした愛し方を知らなかったのです。むしろそれを学ぶ機会を奪われたといってもいい。彼女にいらいらし、しかも苛める側だった地元の少女たちの肩さえ内心持っていた私はうなだれました。やられた。 そう思えば納得するシーンがありました。舟のシーンです。彼女は純朴なモルモン教徒の青年を誘惑しながらも心から性的な行為を楽しんでいるように見えなかった。寧ろ不安そうな複雑な表情をしていました。それが不思議ではあったんです。でも彼のセリフで謎が氷解。そしてレイチェルの母リリーに対する愛も切なかったです。人物を表層的ではなく深い部分から描いているのが見事です。 かつての娘たちは年月を経て、獣医師やモルモン教徒の青年(名前忘れた)のような信頼できる誠実な人物と出会い、やがてジョージアのように深い愛情を湛えた女性になるだろう、そんな世代から世代へ繋がれていく愛情の鎖を感じてラストは清々しかったです。 余談ですが、こういう獣医師のような人物は孫娘レイチェルにとって「この世につなぎとめる人」となったと思います。レイチェルと対照的に思い出したのは「モンスター」のS.セロン演じた主人公。こういう出会いがどれだけ若いうちにあるかで人間は壊れずに踏みとどまっていられると思う。そして、たった一人でもいい、誰かに対して「この世につなぎとめる人」に自分がなれたらいいなあと思いました。
  
 

 
 



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