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パンダ・コパンダ」に対してのコメント
  青い 幸村和 2010-06-13
 
宮崎駿と高畑勲というコンビで送るジブリ初期作品ということで、前から観たいと思っていました。かなり期待していたのですが、宮崎駿、高畑勲もこんなに若いときがあったんだな、としみじみ。誰でも最初から大人の鑑賞に耐えうる高品質の作品が作れるわけではないということで、若い人はむしろ勇気づけられるかもしれませんね。 パパンダはまさしくトトロの前身そのものでほほ笑ましく、パンちゃんもこちらは小トトロではなくて、むしろメイのポジションでとにかく「可愛い」の一言です。それはいいとしても、やっぱり主人公のミミ子ちゃんのキャラクターはあんまりでした。 事あるごとに「ステキ!」と言って足を広げる逆立ちを披露するミミ子ちゃんですが、そのたびにパンツ丸出し。そんなに四六時中逆立ちしたいならズボンをはいてくれ、頼む、などと誰に頼んでんだかわからないけど思わずそんな気分になってしまいました。今から38年前くらいということは宮崎駿は20代後半〜30歳前くらい?うーん、それくらいの年齢のおっさんがこれを作っていたと思うとちょっと引いてしまう部分があります。そこまでして、スカートはかせたいんだなあ。まあスカート=女の子の記号としての必須アイテムなんでしょうけどね。当時の男性にとっては。 しかもそれほどパンツを丸見えにしてしまうあっけらかんな「子どもらしい」ミミ子ちゃんですが、割り当てられたキャラクターはなんと「母親」!これにも驚き。おまけに「お父さんは会社に行くものよ」なんてことも言ってます。なんだかジェンダー炸裂な感じです。もちろんごっこ遊びでお母さん役をやりたがる女の子はたくさんいますが、実際にやってみれば決して「憧れ」では済まなかったり、なんちゃってお母さんになったりするものですが、なんとこのミミ子ちゃん完璧にお母さんができてしまう。凄過ぎ。宮崎駿は病弱だった母親への思慕の情が強かったと聞いたことがあるけれど思わずこんな女の子にまで母親を求めるその心性をちょっと考えてしまいました。 さらに、この物語世界、これが一番ダメでした。これは私が感じることですが、ファンタジーがファンタジーとして輝くのは現実をちゃんと描いてこそなんです。だからこそ、時々現実に顔を出すファンタジーに誰もが心躍るし、自分の前を通り過ぎた一陣の風がネコバスだったかもしれないという素敵な夢を描くことができるんです。 しかしこの映画は現実にファンタジーがなだれ込んできて、というか現実とファンタジーの境界は元からまったく存在せず、もうファンタジーではなくなっています。完全に「僕の好きな夢の国のお話」になっている。ジブリ信者ならそれでもいいのかもしれませんが(なんといっても宮崎大先生のアニメですものね)、そうではない者には普遍性は持ちえません。続編の「雨降りサーカス」も同様です。電車乗ってるなら、誰も動物園にパンダは見にこんぞ! しかしその後、この作品がトトロへと進化を遂げたことを考えると宮崎駿自身にも色々な出会いや考えるところがあったんだろうなあとは思います。そのスタート地点としては興味深い作品ではありました。とりあえず、パパンダとパンちゃんが可愛いのでそれだけに☆3つです。
  
 

 
 



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